U-23日本が白星発進! 西尾退場で数的不利も守護神・小久保中心に松木玖生の虎の子1点守り抜く【AFC U-23アジアカップ】

2024.04.17 00:04 Wed
前半8分に先制点を決めた松木玖生(写真は3月のU-23ウクライナ戦)
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前半8分に先制点を決めた松木玖生(写真は3月のU-23ウクライナ戦)
U-23日本代表は16日、AFC U23アジアカップのグループB第1節でU-23中国代表と対戦し、1-0で勝利した。3.5枠のパリ・オリンピック出場権を懸けたアジア最終予選となる今大会。グループ上位2カ国が準々決勝に進むこととなる。

8大会連続8度目のオリンピック出場を目指す日本は、その重要な初戦となった中国戦に向けて[4-3-3]の布陣を採用。GKに小久保玲央ブライアン、4バックは右から関根大輝、西尾隆矢内野貴史。中盤はアンカーにキャプテンの藤田譲瑠チマ、インサイドハーフに山本理仁松木玖生。3トップは右から山田楓喜細谷真大、平河悠が並んだ。
立ち上がりからボールを握って押し込む日本。開始4分にはボックス右角から山田が上げたクロスをファーの松木が胸トラップから左足アウトで叩くシュートを記録した。

すると、このプレーが伏線となって早い時間帯に先制点が生まれた。8分、右サイドで押し込んでポケットを取った関根からマイナスのパスを受けた山田が先ほどと似たような位置から、より速い左足のピンポイントクロスを供給。これをタイミング良くゴール前に飛び込んだ松木が左足ダイレクトで流し込んだ。
東京VとFC東京で活躍するレフティーコンビの見事なコンビネーションで幸先よくリードを手にした日本は、以降も冷静にゲームをコントロール。だが、15分過ぎに思わぬアクシデントが発生。

ボールのないところでジア・フェイファンに後ろから身体をぶつけられた西尾が思わず左腕を振ると、肘か腕が顔面か喉元付近を捉えてピッチに倒れ込む。一度プレーは流されたが、オンフィールド・レビューの結果、レッドカードが掲示された。

軽率な西尾の退場によって数的不利を背負った中、大岩剛監督は山本を下げて木村誠二を投入。これで松木と藤田がボランチで並ぶ[4-4-1]の布陣に変更した。

ここから数的不利の戦いとなった日本は、よりセーフティーなプレーを心掛けながらリードを維持しつつ、カウンターを起点に追加点を狙う形に。

30分を過ぎた辺りから相手に押し込まれる場面が増えると、38分にはタオ・チャンロンにボックス手前から強烈なミドルシュートを打たれるが、ここはクロスバーを叩く。さらに、こぼれに詰めたシュートもGK小久保が冷静にキャッチした。

何とか失点を回避したものの、以降も苦しい展開を強いられる日本。42分にはヤン・ツーハオの左クロスにゴール前で合わせたベイヘラムのヘディングシュート、7分のアディショナルタイムにはセットプレー流れからジュ・ユエに枠の左を捉えたミドルシュートを打たれるが、いずれもGK小久保のファインセーブによって事なきを得た。

松木のゴールで早々にリードを得る理想の入りとなったものの、西尾の退場をきっかけに苦しい戦いを強いられた中、何とか前半を1点リードで終えた。

中国が前線のメンバーを2枚入れ替えたの対して、日本は前半と同じメンバーで臨んだ。開始直後には中国のロングカウンターからいきなりのピンチを迎えるが、投入直後のシェ・ウェンネンとのボックス内での一対一はGK小久保が見事な読みで阻む。

以降もボールを握られて押し込まれる状況が続く日本だが、自陣ではブロックを組みながらスペースと人を冷静に管理。決定機やセットプレーまで持ち込ませない。

うまく試合を膠着させて時計を進めると、67分には攻守に負担が大きかった山田と平河の両サイドを下げて藤尾翔太佐藤恵允を同時投入。サイドの守備のテコ入れと共にカウンター時の推進力を加える。

その藤尾と佐藤は投入後にサイドから仕掛けるプレーで見せ場を作ると、70分には相手陣内中央で得たFKの場面でキッカーの松木がドライブ回転をかけた鋭いシュートで相手GKを脅かした。

中国の定まらぬ攻撃のやり方もあって、後半半ば以降はGK小久保の仕事機会も減って安定して守れるようになった日本。さらに、中国にも疲れが出始めて自分たちでボールを動かす時間も増える。

その後、1点リードのまま後半最終盤を迎えると、パワープレー気味のプレーが増えてきた中国に対して、大岩監督は内野貴、細谷を下げて鈴木海音内野航太郎とより高さのある選手をピッチに送り出し、完全に逃げ切り態勢に。

内野航、松木がトドメの2点目を奪うことはできなかったが、最後まで緩みを見せることなく守り切った。

そして、初戦を勝利で終えた日本は19日にU-23UAE代表と対戦する。

U-23日本代表 1-0 U-23中国代表
【日本】
松木玖生(前8)

◆U-23日本代表出場メンバー
GK
小久保玲央ブライアン(ベンフィカ/ポルトガル)
DF
関根大輝(柏レイソル)
西尾隆矢(セレッソ大阪)
高井幸大(川崎フロンターレ)
内野貴史(デュッセルドルフ/ドイツ)
→90分 鈴木海音(ジュビロ磐田)
MF
山本理仁(シント=トロイデン/ベルギー)
→22分 木村誠二(サガン鳥栖)
藤田譲瑠チマ(シント=トロイデン/ベルギー)
松木玖生(FC東京)
FW
山田楓喜(東京ヴェルディ)
→67分 藤尾翔太(FC町田ゼルビア)
細谷真大(柏レイソル)
→90分 内野航太郎(筑波大学)
平河悠(FC町田ゼルビア)
→67分 佐藤恵允(ブレーメン/ドイツ)



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キャプテンを外れて「学ぶこともすごく多い」と語ったDF中山雄太、左SBについては「挑戦できることは楽しみ」

東京オリンピックに向けた事前合宿に臨んでいるU-24日本代表。DF中山雄太(ズヴォレ)がオンラインのメディア取材に応じた。 6月22日に18名のメンバーが発表された東京オリンピック代表。しかし、IOC(国際オリンピック委員会)が登録選手数を18名から22名に変更することを正式に決定。バックアップメンバー4名も登録メンバー入りすることとなった。 合宿4日目を迎えた中、中山は今回の合宿について「僕としては大きな変化はなく、目標である金メダルに強い気持ちを持ってやりたい」とコメント。また、「チームとしては競争といった意味では少し意味合いは変わっていますが、選手間の競争がありつつ、高め合いながら、チームとして成長していって、金メダルに近づいて獲得できればというのが、合宿やオリンピック前に感じられたと思います」と、チームとしてしっかりと精度を上げていきたいと語った。 本大会までの期間でやりたいことについては「僕自身もそうですが、擦り合わせなければいけない部分があって、1日1日成長に繋がりますが、練習を重ねていくにつれて深まっていく部分はあります」と精度を上げたいとコメント。「僕自身は最近は隣に冨安がいるんですが、少しクリアにしたい部分、挑戦したい部分があります」と左サイドバックとして挑戦したいことがあると明かした。 これまではこの世代でキャプテンを務めていたが、オーバーエイジに日本代表のキャプテンを務めるDF吉田麻也(サンプドリア)が入ったことで、キャプテンマークを譲ることとなった。 しかし、その点はあまり気にしていないという中山。変化はあるとしながらも、やることは変わらないと語った。 「そういう質問は結構ありますが、僕自身はキャプテンマークを巻こうが巻かないが変わりないです」 「巻いていた頃は責任感などプラスアルファはあったなと思うことはあります。麻也選手からも言われましたが、キャプテンマークを巻くことで色々経験することもあるだろうと話してもらいました」 「チームのことを考えると、僕自身麻也選手が巻くことで変わっていることもあり、キャプテンじゃない立場で見ることで学ぶこともすごく多いです」 「遠藤(航)選手や酒井(宏樹)選手、そして同世代の選手でもキャプテンをやれる資質のある選手はいるので、選手の良いところを自分の成長に組み込んでいきたいなと思います」 「キャプテンマークは巻かないですが、巻いていたときも同じ気持ちでやっていたので、キャプテンじゃなくなってやることも変わっていますが、キャプテンの時にやっていたことは続けてやっていきたいです」 ボランチへのこだわりがある中、左サイドバックでも起用される可能性が高くなった中山。短期決戦となる中では、ユーティリティ性は重要な要素となる。 中山はポジションへのこだわりについて「任されたポジションはどこでもやりたいと思います」とコメント。サイドバックでも楽しみがあると語った。 「今の意識の変化で言えば、サイドバックで楽しみにしていることでは、キャリアであまりやってきていないポジションの挑戦、サイドバックをやれるということは、世界的に見てもサイドバックとボランチを兼任する選手は増えてきて、サッカーの進化に挑戦できることは楽しみです」 「新しいものへの挑戦に楽しみがある中で、自分自身が成長することも踏まえて、ポジティブに気持ちの部分で成長していると思います」 2021.07.08 20:25 Thu
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松木玖生の最適なポジションは?/六川亨の日本サッカーの歩み

今月16日、AFC U-23アジアカップ カタールの初戦、中国戦からパリ五輪出場権獲得のチャレンジが始まる。前回のコラムでも、DF陣の経験不足は否めないものの攻撃陣のタレントはバリエーションに富んでいて期待できるという原稿を書いた。そして先週と今週のJリーグを取材して、FC東京の松木玖生の新しい一面を見ることができて、その期待はさらに高まった。 松木といえば、青森山田高時代から、強靱なフィジカルと体幹の強さを生かした球際での勝負強さ、豊富な運動量と労を惜しまない献身的なプレーでチームに貢献してきたし、それはFC東京でも変わらない。そしてボランチのポジションから、時には意外性のある攻撃参加でゴールを決めたり、左足のロング、ミドルシュートで相手ゴールを脅かしたりしてきた。 そんな松木が、4月3日のJ1リーグ第6節の浦和戦では、荒木遼太郎と2トップに近い形で前線に起用された。すると、トップに張るのではなく変幻自在に左右に流れたり、落ちてきたりする荒木との絶妙のコンビネーションで攻撃陣をコントロール。とりわけ左サイドのFW俵積田晃太とSBバングーナガンデ佳史扶との相性は抜群で、意外性のあるパスで彼らの攻撃参加を引き出していた。 アウトサイドにかけたスペースへの絶妙なパスには「こんな技巧的なパスが出せるんだ」と感嘆してしまった。 試合は0-1とリードされた後半、左サイドで俵積田、佳史扶とつないだパスから荒木が同点弾。さらに松木のサイドチェンジを受けた俵積田のクロスをゴール前に走り込んだ松木がボレーで決めて逆転勝利を収めた。 そして4月7日の鹿島戦では、荒木がレンタル移籍のため起用できないものの、1トップに入った仲川輝人とトップ下の松木は好連係から難敵・鹿島に2-0の完勝を収めた。絶えずボールに触るわけではないが、効果的なサイドチェンジやスルーパスで味方を使う。これまでは、どちらかというと『使われる選手』と思っていたが、そのイメージは一新した。 先制点は左サイドからのふわりと浮かしたニアへのパスで仲川の今シーズン初ゴールを演出。そして後半アディショナルタイムにはMF原川力のヘッドによるインターセプトからのタテパスを簡単にさばいて2点目をお膳立てした。いずれも「肩の力の抜けた」ようなアシストに、松木の“変化"を感じずにはいられなかった。 彼をボランチからトップ下にコンバートし、前線には荒木を起用して松木の飛び出しを演出したピーター・クラモフスキー監督の采配は賞賛に値する。やっと1トップのドリブル突破任せのパターン化された攻撃スタイルから脱却できそうだ。 そんな松木を大岩剛監督はどのポジションで使うのか。攻守に効果的な選手だけに、使い出もあるだろうが、できれば攻撃的なポジションで使って欲しいところである。 2024.04.08 22:25 Mon
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スイスで今季9得点を挙げたFW久保裕也の夢は“セリエA移籍”

▽U-23日本代表のエースとしての活躍が期待されるヤング・ボーイズのFW久保裕也が、『FIFA.com』のインタビューを受けた。インタビュー内では、ヤング・ボーイズでのプレーについてコメント。さらに、自身の夢にも言及した。 ▽2013年に京都サンガF.C.からヤング・ボーイズへと移籍した久保。ヤング・ボーイズでは、ここまで87試合で19得点を記録している。久保は、ヤング・ボーイズでの自身の成長について語った。 「ヤング・ボーイズに加入してから、僕は多くのことをを磨けていると感じています。フィジカル面で追い付くためにハードワークをしていたし、戦術面でも多くのことを学びました。特に今、ストライカーとしてディフェンスを助ける必要性を意識しています」 ▽また、ヤング・ボーイズでは「ドイツ語を使っている」と語り、「最初は大変だったけど、今は問題なくコミュニケーションがとれている」とコメント。周囲の選手や監督とのやりとりをドイツ語で行っていることを明かし、問題なく馴染んでいる様子をうかがわせた。 ▽さらに、自身の将来についても言及。夢はセリエAでプレーすることだと明かした。 「僕の夢は、まだ実現していません。僕はいつの日か、大きなリーグに移籍したいと考えています。僕の願いはイタリアのセリエAに移籍することで、イタリアのビッグクラブでプレーすることが僕のキャリアの目標です」 2016.05.17 14:17 Tue
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柏DF古賀太陽が感じたもの「縦に速い攻撃を増やしても良いのでは」、旗手怜央は「参考になるシーンが多い」

U-24日本代表は27日、29日に控えるSAISON CARD CUP 2021のU-24アルゼンチン代表戦に向けてトレーニングを再開した。 26日に行われたU-24アルゼンチン代表戦では、前半にFWアドルフォ・ガイチがヘディングで合わせて先制。後半に日本が盛り返すシーンもあったが、アルゼンチンにうまく試合を運ばれ、0-1で敗戦を喫した。 南米予選を1位で通過し、東京オリンピックにも出場するアルゼンチンに対して、なかなか良いところを出し切れなかった日本。今回の連戦での経験を本大会に繋げる必要がある。 アルゼンチン戦で後半に途中出場を果たしたDF古賀太陽(柏レイソル)がオンラインでのメディア取材に応対した。 アルゼンチン戦の収穫については「収穫の部分でいうと、僕自身もそうですけど、Jリーグでプレーしている選手たちは、なかなかあのスピード感や強さを相手にすることはないので、ピッチに立ってスピードとかを肌で感じられたことが一番の収穫です」とコメント。一方で課題は「前半は僕は見ている立場でしたけど、強さ、速さに対してどうボールを動かしていくか。球際やセカンドボールでマイボールにする回数を増やさないといけないと感じました。色々な部分で課題はあると思いますが、あのスピードとパワーに対応して上回る必要があるのは課題として残ったと思います」と語り、日本に足りない部分が明確になったと語った。 前半見ていて感じたことは「失点したシーンもそうですし、自分たちの左のCBとSBの間に上手く人を走らせるのを狙ってきたかなと」とコメント。「ピッチ上で改善して対応しないといけないかなと思いました」と気になった部分をあげた。また、自身がピッチに入る際には「球際や一対一でマイボールにすることを心がけてピッチに入りました」と語り、意識してプレーしたと振り返った。 この試合の先発は、本職ではないFW旗手怜央(川崎フロンターレ)が起用された。クラブでの好パフォーマンスを受けての起用となったが、古賀は「攻撃は怜央君のうまさは自分にない部分でもありますし、リスペクトもあるので参考にしないといけない部分はありますが、守備の部分では安定感をもたらせられればと思ってピッチに入りました」とコメント。守備面で力になろうと意識したという。 旗手に関しては「Jリーグの試合を観ていてもそうですが、怜央君の左サイドバックでのプレーというのは、リーグの中でも存在感が強くあると思うので、僕自身参考になるシーンが多いなという部分もありますし、それに負けないように自分自身高めるところを意識してやらないといけないなと感じさせてくれているので、僕自身はポジティブです」と語り、良い意味でのライバル意識を持っているようだ。 今回のアルゼンチン戦では、途中出場だったが差を感じたという古賀。「昨日感じたあのスピードだったりを自分の中で忘れてはいけないと思いますし、自分の中でのスタンダードをあのレベルに持っていかないと、自分たちのレベルを上げていけないと思います」と語り、実際にプレーして感じた差があるとした。 また、「相手ありきの部分あので難しい部分もありますが、自分が常に高いレベルを意識して日頃の練習からプレーすることで、変われる部分も多いと思うので、自分の良さを追求していきたいです」とコメント。クラブに戻ってからも突き詰めていきたいと意気込んだ。 今回は国内組に加えて、海外でプレーしA代表での経験がある選手が加わっている。その影響については「海外組の選手含めてA代表経験者が今回は多いので、明らかに年末の活動と違うのはコミュニケーションの量」とコメント。「1つ1つのプレーに対するコミュニケーションもですし、ただただプレーに対してのコミュニケーションではなく、相手を想定しながらのコミュニケーションの質も上がってきていると思います」と語り、コミュニケーションの部分で大きな差があると感じたようだ。 それでも「チームとして凄く濃いトレーニングが積めていると思います」と前向きに語る古賀。「国内組の選手たちが海外組の選手たちに引っ張られるというか、積極的にプレーできる感じがあり、短い中でも凄く充実しているかなと思います」とし、良い刺激を国内組の選手たちが得ていると感じているようだ。 途中出場となったアルゼンチン戦では、同サイドの前のポジションにFW相馬勇紀(名古屋グランパス)が同時に起用された。2人の関係から何度かチャンスを作ったが「相馬君も縦に速い選手でありますけど、2列目、3列目の選手が追い越すことで相手が動くことが多いので、1人で仕掛けさせることもそうですが、人数をかけるために自分が走ることは試合を前半見て意識していました」とコメント。「選手の良さを生かしながら人数をかけながらということを意識していました」とし、サイドバックとしてサポートを含めて多く関わっていくことを意識したと明かした。 また、それは古賀本人の特徴でもあり武器でもあり、「サポートするという部分ももっともっとやる必要があると思いますが、追い越さなかった時、ビハインドで受けた時の縦に入れるボールは昨日の試合はあまり出せなかったので、自分たちでそういう形を作りたいと思いますし、縦につけることは試合に出れば常に意識して、コミュニケーションを取りながらやっていきたいと思います」と語り、第2戦での改善を誓った。 その古賀は25日に行われた日本代表vs韓国代表の試合を観たという。そこで感じたものについては「日韓戦を実際にテレビで観ましたけど、やっぱりA代表の方がプレッシャーのスピードや強度は、自分たちよりも高いレベルにあるのは感じましたし、実際に昨日試合をしてその差を実際に感じました」とコメント。「そのレベルを日頃の練習から上げる必要があるなと感じました」と語り、A代表との差も大きくあると痛感したようだ。 また、「あとはボールの動かし方、スペースの見つけ方は、もう少し縦に速い攻撃を増やしても良いのではないかなというのは感じたので、A代表の試合を参考にしながら、自分たちも近づけるようにということを意識してやりたいです」と語り、29日の試合ではその点を参考にしたいと考えているようだ。 2021.03.27 21:30 Sat

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