初代王者が16年ぶりJ1復帰、百戦錬磨の指揮官が最年少スカッドと共にサプライズ狙う【J1開幕直前ガイド|東京ヴェルディ】
2024.02.16 18:30 Fri
2024シーズンの明治安田J1リーグが23日からいよいよ開幕する。今季からは20チーム制となり、降格も3つに増枠しての争いに。ここでは新シーズンの幕開けに先駆け、J1リーグ全チームをピックアップし、東京ヴェルディを紹介していく。【直近3シーズンの成績】
2023シーズン(J2):3位(21勝12分け9敗)
2022シーズン(J2):9位(16勝13分け13敗)
2021シーズン(J2):12位(16勝10分け16敗)
【昨季チーム得点王】
染野唯月 6ゴール
【今季ノルマ】
残留
【編集部イチオシ】
DF谷口栄斗
昨季J2:20試合出場/1ゴール
昨季は就任2年目の城福浩監督の下、一昨季の終盤戦に手応えを掴んだハイプレス・ハイラインの戦いを先鋭化。“リカバリーパワー”を合言葉に、クラブ伝統の高い技術と新たに加えたハイインテンシティを武器に、シーズン通して昇格争いのメインキャストを担い、最終的に3位フィニッシュ。その後、劇的な形で昇格プレーオフを制し、16年ぶりのJ1復帰という悲願を達成した。
◆平均年齢24歳の今季J1最年少スカッド
昇格組ではJ1仕様への大幅な入れ替え、強力な外国籍選手の補強、J2&J3の主力引き抜きなど様々な強化策がある。そのなかで東京Vは育成路線を継続し、若手偏重の補強を敢行。指揮官が求めるスタイルに合致したタレントを集めた結果、30代の選手がわずか3名、平均年齢24.1歳という今季J1で最も若いスカッドができあがった。
◆得点力不足改善に、J1仕様の堅守構築がカギ
現スカッドで最もJ1での実績を持つ宮原和也や染野唯月、林尚輝の残留によって、主力クラスの流出は中原輝、加藤蓮の2選手のみに。その後釜に山田楓喜、翁長聖を迎え入れ、新10番の見木友哉、山見大登といった実力者を補強し、昨季から間違いなく戦力アップに成功した。
ただ、J1基準という点ではエースの染野、J2ベストイレブンに選出された主将の森田晃樹、ディフェンスリーダーを担う谷口栄斗を含め未知数な部分は否めない。とりわけ、昨季J2での総得点が「57」で、2桁得点者不在だった得点力は最大の懸念材料。染野、山田楓、木村勇大といったパリ五輪候補、プロ2年目で本格ブレイクが期待される山田剛綺らアタッカー陣の覚醒は必須だ。
J2最少失点(31)を記録した守備に関しても個のレベルが圧倒的に上がるJ1の舞台において、ハイラインの強気な守備を牽引する谷口や林、守護神マテウスを中心に、いかに早い段階でJ1仕様に仕上げられるかが浮沈のカギを握る。
◆初志貫徹で残留勝ち取れるか
16年ぶりのJ1挑戦に向けて「新たなヴェルディのスタイル追求」を掲げ、どんな状況においてもブレない戦いを強調した城福監督。今季J1で最も成長の余白を残すチームは、幾多の苦難が待ち受けるシーズンにおいて、その指揮官の言葉通りの戦いができれば、ノルマである残留と共に下馬評を覆した昨季同様のサプライズをもたらせるはずだ。
◆2024年冬移籍情報
【IN】
GK中村圭佑(18)←静岡学園高校/新加入
DF河村匠(23)←いわきFC/完全移籍
DF山田裕翔(22)←国士舘大学/新加入
DF袴田裕太郎(27)←大宮アルディージャ/完全移籍
DF林尚輝(25)←鹿島アントラーズ/期限付き移籍延長
MF見木友哉(25)←ジェフユナイテッド千葉/完全移籍
MF山田楓喜(22)←京都サンガF.C./期限付き移籍
MF翁長聖(28)←FC町田ゼルビア/完全移籍
MF永井颯太(24)←いわきFC/完全移籍
MF食野壮磨(22)←京都産業大学/新加入
MF山本丈偉(17)←東京Vユース/昇格
MF松橋優安(22)←レノファ山口FC/期限付き移籍より復帰
FW山見大登(24)←ガンバ大阪/期限付き移籍
FW木村勇大(22)←京都サンガF.C./期限付き移籍
FW古川真人(22)←国士舘大学/新加入
FW白井亮丞(18)←東京Vユース/昇格
FW染野唯月(22)←鹿島アントラーズ/期限付き移籍延長
【OUT】
GK高木和徹(28)→ジェフユナイテッド千葉/完全移籍
GK飯田雅浩(23)→ヴァンラーレ八戸/期限付き移籍
DFアルハン(22)→水原FC(韓国)/完全移籍
DF佐古真礼(21)→いわてグルージャ盛岡/期限付き移籍
DF加藤蓮(24)→横浜F・マリノス/完全移籍
DF宮本優(24)→ヴェルスパ大分/期限付き移籍
MF奈良輪雄太(36)→現役引退
MF小池純輝(36)→クリアソン新宿/完全移籍
MF梶川諒太(34)→藤枝MYFC/完全移籍
MF杉本竜士(30)→ザスパクサツ群馬/完全移籍移行
MF楠大樹(23)→テゲバジャーロ宮崎/期限付き移籍
MF阿野真拓(20)→テゲバジャーロ宮崎/期限付き移籍
MF西谷亮(20)→FC岐阜/期限付き移籍
MF橋本陸斗(18)→Y.S.C.C.横浜/育成型期限付き移籍期間延長
MF持井響太(25)→アスルクラロ沼津/完全移籍移行
MF石浦大雅(22)→愛媛FC/完全移籍移行
MF甲田英將(20)→名古屋グランパス/育成型期限付き移籍満了
MF北島祐二(23)→アビスパ福岡/期限付き移籍満了
MF長谷川竜也(29)→横浜FC(→北海道コンサドーレ札幌)/期限付き移籍満了
MF中原輝(27)→セレッソ大阪(→サガン鳥栖)/期限付き移籍満了
FW佐川洸介(23)→ザスパクサツ群馬/期限付き移籍
2023シーズン(J2):3位(21勝12分け9敗)
2022シーズン(J2):9位(16勝13分け13敗)
2021シーズン(J2):12位(16勝10分け16敗)
【昨季チーム得点王】
染野唯月 6ゴール
残留
【編集部イチオシ】
DF谷口栄斗
昨季J2:20試合出場/1ゴール
◆城福体制2年目で悲願達成
昨季は就任2年目の城福浩監督の下、一昨季の終盤戦に手応えを掴んだハイプレス・ハイラインの戦いを先鋭化。“リカバリーパワー”を合言葉に、クラブ伝統の高い技術と新たに加えたハイインテンシティを武器に、シーズン通して昇格争いのメインキャストを担い、最終的に3位フィニッシュ。その後、劇的な形で昇格プレーオフを制し、16年ぶりのJ1復帰という悲願を達成した。
◆平均年齢24歳の今季J1最年少スカッド
昇格組ではJ1仕様への大幅な入れ替え、強力な外国籍選手の補強、J2&J3の主力引き抜きなど様々な強化策がある。そのなかで東京Vは育成路線を継続し、若手偏重の補強を敢行。指揮官が求めるスタイルに合致したタレントを集めた結果、30代の選手がわずか3名、平均年齢24.1歳という今季J1で最も若いスカッドができあがった。
◆得点力不足改善に、J1仕様の堅守構築がカギ
現スカッドで最もJ1での実績を持つ宮原和也や染野唯月、林尚輝の残留によって、主力クラスの流出は中原輝、加藤蓮の2選手のみに。その後釜に山田楓喜、翁長聖を迎え入れ、新10番の見木友哉、山見大登といった実力者を補強し、昨季から間違いなく戦力アップに成功した。
ただ、J1基準という点ではエースの染野、J2ベストイレブンに選出された主将の森田晃樹、ディフェンスリーダーを担う谷口栄斗を含め未知数な部分は否めない。とりわけ、昨季J2での総得点が「57」で、2桁得点者不在だった得点力は最大の懸念材料。染野、山田楓、木村勇大といったパリ五輪候補、プロ2年目で本格ブレイクが期待される山田剛綺らアタッカー陣の覚醒は必須だ。
J2最少失点(31)を記録した守備に関しても個のレベルが圧倒的に上がるJ1の舞台において、ハイラインの強気な守備を牽引する谷口や林、守護神マテウスを中心に、いかに早い段階でJ1仕様に仕上げられるかが浮沈のカギを握る。
◆初志貫徹で残留勝ち取れるか
16年ぶりのJ1挑戦に向けて「新たなヴェルディのスタイル追求」を掲げ、どんな状況においてもブレない戦いを強調した城福監督。今季J1で最も成長の余白を残すチームは、幾多の苦難が待ち受けるシーズンにおいて、その指揮官の言葉通りの戦いができれば、ノルマである残留と共に下馬評を覆した昨季同様のサプライズをもたらせるはずだ。
◆2024年冬移籍情報
【IN】
GK中村圭佑(18)←静岡学園高校/新加入
DF河村匠(23)←いわきFC/完全移籍
DF山田裕翔(22)←国士舘大学/新加入
DF袴田裕太郎(27)←大宮アルディージャ/完全移籍
DF林尚輝(25)←鹿島アントラーズ/期限付き移籍延長
MF見木友哉(25)←ジェフユナイテッド千葉/完全移籍
MF山田楓喜(22)←京都サンガF.C./期限付き移籍
MF翁長聖(28)←FC町田ゼルビア/完全移籍
MF永井颯太(24)←いわきFC/完全移籍
MF食野壮磨(22)←京都産業大学/新加入
MF山本丈偉(17)←東京Vユース/昇格
MF松橋優安(22)←レノファ山口FC/期限付き移籍より復帰
FW山見大登(24)←ガンバ大阪/期限付き移籍
FW木村勇大(22)←京都サンガF.C./期限付き移籍
FW古川真人(22)←国士舘大学/新加入
FW白井亮丞(18)←東京Vユース/昇格
FW染野唯月(22)←鹿島アントラーズ/期限付き移籍延長
【OUT】
GK高木和徹(28)→ジェフユナイテッド千葉/完全移籍
GK飯田雅浩(23)→ヴァンラーレ八戸/期限付き移籍
DFアルハン(22)→水原FC(韓国)/完全移籍
DF佐古真礼(21)→いわてグルージャ盛岡/期限付き移籍
DF加藤蓮(24)→横浜F・マリノス/完全移籍
DF宮本優(24)→ヴェルスパ大分/期限付き移籍
MF奈良輪雄太(36)→現役引退
MF小池純輝(36)→クリアソン新宿/完全移籍
MF梶川諒太(34)→藤枝MYFC/完全移籍
MF杉本竜士(30)→ザスパクサツ群馬/完全移籍移行
MF楠大樹(23)→テゲバジャーロ宮崎/期限付き移籍
MF阿野真拓(20)→テゲバジャーロ宮崎/期限付き移籍
MF西谷亮(20)→FC岐阜/期限付き移籍
MF橋本陸斗(18)→Y.S.C.C.横浜/育成型期限付き移籍期間延長
MF持井響太(25)→アスルクラロ沼津/完全移籍移行
MF石浦大雅(22)→愛媛FC/完全移籍移行
MF甲田英將(20)→名古屋グランパス/育成型期限付き移籍満了
MF北島祐二(23)→アビスパ福岡/期限付き移籍満了
MF長谷川竜也(29)→横浜FC(→北海道コンサドーレ札幌)/期限付き移籍満了
MF中原輝(27)→セレッソ大阪(→サガン鳥栖)/期限付き移籍満了
FW佐川洸介(23)→ザスパクサツ群馬/期限付き移籍
城福浩
中村圭佑
河村匠
山田裕翔
袴田裕太郎
見木友哉
山田楓喜
翁長聖
永井颯太
食野壮磨
山本丈偉
松橋優安
山見大登
木村勇大
古川真人
白井亮丞
染野唯月
林尚輝
高木和徹
飯田雅浩
佐古真礼
加藤蓮
宮本優
奈良輪雄太
小池純輝
梶川諒太
杉本竜士
楠大樹
阿野真拓
西谷亮
橋本陸斗
持井響太
石浦大雅
甲田英將
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長谷川竜也
中原輝
佐川洸介
宮原和也
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谷口栄斗
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東京Vが日大とのTM実施、城福監督「試合をやれたから良かっただけではない」結果に不満も「可能性のありそうなことを試したかった」
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大学サッカー界屈指の名将・栗田大輔氏が東京Vの副社長就任! 「一番はヴェルディの魅力」明大指揮官退任し新たな挑戦選んだ経緯語る
先日に明治大学サッカー部の指揮官を退任した栗田大輔氏(54)が、東京ヴェルディの代表取締役副社長に就任することが明かされた。 昨年末に栗田氏は「新たなチャレンジの話を頂き、私自身も挑戦しようと思い、今回の決断に至りました」と、10年間指揮を執った明治大サッカー部の指揮官退任を発表。 その「新たなチャレンジ」として同氏は、J1クラブの副社長就任を決断した。 7日、味の素スタジアムで行われた東京Vの新体制発表会見にて、中村考昭代表取締役社長は「更なる我々の成長を加速させるため、ヴェルディとしてのマネジメント体制を強化促進していきたい」との観点から、栗田氏が2025年2月1日付で代表取締役副社長に就任することを発表した。 そして、来月からの就任に際して会見に登壇した大学サッカー界屈指の名将は新たな挑戦への意気込みを語った。 「ビジネス経験も30年、大学サッカーでの11年の監督経験と、自分自身もクラブチームを34歳のときに立ち上げました。そういった経験全てを活かして、東京ヴェルディの発展のために尽力したいなと思っております。まずは首都・東京というところで、東京から発信できるクラブというのは、本当に数少ないわけで、今までの“明治発、世界へ”という言葉もいつも言っていましたが、“東京発、世界へ”ではないですけど、日本を代表するようなクラブとしての魅力を感じて決断しました」 「副社長をやるにあたって細かいことはこれからですけれども、ビジネス側サイドと、あとは現場サイドというものが、やっぱりイコールにしっかりと結びつきながら、同じ軸でしっかりと同じ目線を持って進んでいくというのが非常に大事だと思っていまして、私はそういったビジネスの経験とサッカーの経験を生かして尽力したいなと思っております」 今回の招へいの経緯に関しては同大OBでもある江尻篤彦強化部長との関係や、近年数人の選手が加入してきたなかでの交流を通じて、「長い間ラブコールを送っていました」と中村社長が語ったように東京V側から熱心な働きかけがあった。 そんななか、栗田氏は東京V行きを選択した理由として、首都のクラブが秘める大きな可能性。城福浩監督の下で築き上げられている、チームのスタイルに大きな魅力を感じたことだったという。 「(決断の理由)一番はヴェルディの魅力です。やっぱり東京のクラブであるということ、可能性を秘めているというところ。それと自分もサッカー人なので、サッカーのスタイル、もしくは自分はこういうサッカーで世界に出ていきたいなというのが常日頃からありまして、それを思ったときに、城福監督、江尻強化部長を中心にやっていたサッカーが本当にピタッとはまったということ。その辺が一番大きな理由だということです」 栗田氏は2013年に明治大学のサッカー部コーチに就任。2014年に助監督となると、神川明彦前監督の後を継ぐ形で2015年に監督に就任した。 就任後、10年間指揮を執り、関東大学サッカーリーグ1部で5度の優勝に導き、2024年は史上初の無敗優勝を達成。 また、総理大臣杯全日本大学サッカートーナメントでは3度の優勝、2度の準優勝を経験。全日本大学サッカートーナメント(インカレ)でも2度の優勝、3度の3位の成績を収めていた。さらに、アミノバイタルカップで3度の優勝、2度の準優勝を経験。天皇杯も監督に就任してからは2度出場を果たしていた。 一方で、明治大卒業後は清水建設に入社し、長年に渡ってサラリーマンも経験。さらに、2005年には横浜市で小学生・中学生を対象としたサッカークラブ・FCパルピターレを設立。指導者としての傑出した実績、サッカー界での人脈に加え、社会人経験やクラブ運営にも携わってきたビジネスマンとしての感覚はサッカークラブの運営において重要な要素。 直近2シーズンは城福監督の下、ピッチ内での躍進が目立った東京Vだが、クラブとしての両輪のバランスが懸念される部分もあったなか、ピッチ外におけるマネジメント体制強化によってその両輪のバランスはより良いものになっていくはずだ。 2025.01.07 23:07 Tue3
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東京ヴェルディは27日、京都サンガF.C.から期限付き移籍で加入していたFW木村勇大(23)の完全移籍加入を発表した。 木村は東京ヴェルディジュニアで育ち、その後ヴィッセル神戸の下部組織に加入しU-12、U-15と昇格。大阪桐蔭高校、関西学院大学へと進学し、2023年に京都へ正式加入した。 ただ、京都でのプロ1年目は思うような活躍を見せられず、2023年8月にはツエーゲン金沢へ育成型期限付き移籍もカテゴリーを落とした舞台でも輝きを放てなかった。そんななか、2024シーズンはアカデミー在籍経験があり、大学時代からラブコールを受けていた古巣へ背水の陣で期限付き移籍した。 すると、今シーズンの明治安田J1リーグでは契約上出場できなかった京都との2試合を除く36試合に出場し、J1での初ゴールを含めチーム最多となる10得点を記録。傑出したアスリート能力を遺憾なく発揮し、攻撃では屈強なフィジカルやスピード、鋭いターンを武器に被ファウル数でリーグ上位となるなど前線のターゲットマンとして奮闘。さらに、課題の守備でもシーズンを通して城福浩監督が求めるファーストディフェンダーの役割を身に着け、ハイライン・ハイプレスを志すチームスタイルを体現する献身性と連続性で前線の守備者としても大きな進化を遂げた。 今冬の移籍市場で国内外の多くの選択肢を得たことは想像に難くないが、『ヴェルディに恩を返し、ヴェルディから自分の目標への道を歩んでいく』との決意の下で完全移籍での残留を決断。 その木村は両クラブを通じてコメントしている。 ◆東京ヴェルディ 「完全移籍で加入することになりました。この決断をするにあたって、ありがたいことに多くの選択肢をいただきたくさん悩みました。しかし、ヴェルディに来たことによって自分が見失いかけていたものを取り戻し、サッカー人生において最も大きな1年を過ごせたと思います」 「『ヴェルディに恩を返し、ヴェルディから自分の目標への道を歩んでいく』そのために来季もファン・サポーターの皆さんと1年間戦い抜きたいと思います! 改めて来季もよろしくお願いします!」 ◆京都サンガF.C. 「このたび、東京ヴェルディに完全移籍することになりました。サンガには特別指定選手時代、そしてプロ1年目の半年間お世話になりました」 「苦しいことが多く、自分を見失いかけ、本当に苦しくてしんどいプロ1年目を過ごしました。自分の力不足が故にチームの力になれず、ファン・サポーターの声に応えることができず自分を責めては見失っていました。サッカーすることが憂鬱で毎朝サンガタウンに行くことが嫌で嫌で仕方なく、自問自答を繰り返す日々でした。それでもサンガタウンでファン・サポーターの方々が声をかけてくれ、スタジアムに行けば15番のユニフォームを着た人がたくさんいて、この人たちのためにピッチで結果を残したいとこれほどまでに思ったことはなかったです。サンガで活躍する自分を想像してプロの世界に飛び込みましたが、それを実現することができず本当に悔いが残るし、申し訳ない気持ちでいっぱいです」 「また、この世界に導いてくれた中山さんには感謝の気持ちと申し訳ない気持ちが入り混じっています。中山さんのおかげでプロの舞台に立つことができ、様々なところでサポートをしていただきました。直接15番を背負って欲しいと言っていただき、大切な番号をいただいたのにも関わらずこのような形でサンガを去ることになってしまい本当に申し訳ありません」 「また、最終節サンガスタジアムに行き、皆さんの前で挨拶をしたかったですがチームに帯同できず挨拶できなかったことが心残りです」 「サンガでの経験があったから、悔しい気持ちがあったから、ヴェルディで昨シーズン1年を通して試合に出続けることができました。京都サンガF.C.でプロ生活を始められたことは自分にとって誇りであり、何一つ後悔はありません。この先自分の目標を叶え、プロをスタートしたチームは京都サンガF.C.ですと胸を張って言えるようにこれからも頑張っていきたいです! ファン、サポーターの皆さんの声はどんな時も僕を励ましてくれました。次は対戦相手としてサンガの前に力強く立ちはだかることができるよう日々精進していきます! 短い間でしたがありがとうございました!」 2024.12.27 14:27 Fri4
城福体制2年目で悲願のJ1復帰目指す東京Vが新体制始動
東京ヴェルディが10日に2023シーズンの始動を迎えた。 昨シーズン、堀孝史、城福浩と2人の指揮官の下、明治安田生命J2リーグを9位でフィニッシュした東京V。 今冬の移籍市場においては、加入から2シーズン連続でリーグ2桁ゴールを記録したFW佐藤凌我(アビスパ福岡)、パリ五輪候補のDF馬場晴也(北海道コンサドーレ札幌)、DFンドカ・ボニフェイス(横浜FC)ら主力がJ1のクラブに流出。 その一方で、J1で豊富な経験を持つDF宮原和也(名古屋グランパス)、横浜FCのJ1昇格に貢献したMF齋藤功佑、DF千田海斗(ブラウブリッツ秋田)、ドイツ人FWマリオ・エンゲルス(スパルタ・ロッテルダム)。昨シーズンの関西大学1部リーグでMVPに輝いたFW山田剛綺(関西学院大学)ら大学サッカー界屈指のタレント5名が加入した。 城福体制2年目で2008年以来のJ1復帰を目指すチームは、10日に新体制を始動。必勝祈願を実施した後、約1時間半ほどのトレーニングを行った。 ランニングや基礎的なメニューをこなしたあとは、4チームに分かれてミニゲームを実施し、MF梶川諒太らベテランを中心に新加入選手たちも和やかな雰囲気で久々のヴェルディグラウンドでのトレーニングを楽しんだ。 <span class="paragraph-title">【写真】東京V初日の練習風景</span> <span data-other-div="movie"></span> <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/800/img/2023/20230110_1_tw1.jpg" style="max-width: 100%;"></div> <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/800/img/2023/20230110_1_tw2.jpg" style="max-width: 100%;"></div> <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/800/img/2023/20230110_1_tw3.jpg" style="max-width: 100%;"></div> <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/800/img/2023/20230110_1_tw4.jpg" style="max-width: 100%;"></div> <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/800/img/2023/20230110_1_tw5.jpg" style="max-width: 100%;"></div> <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/800/img/2023/20230110_1_tw6.jpg" style="max-width: 100%;"></div> <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/800/img/2023/20230110_1_tw7.jpg" style="max-width: 100%;"></div> <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/800/img/2023/20230110_1_tw8.jpg" style="max-width: 100%;"></div> <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/800/img/2023/20230110_1_tw9.jpg" style="max-width: 100%;"></div> <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/800/img/2023/20230110_1_tw10.jpg" style="max-width: 100%;"></div> <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/800/img/2023/20230110_1_tw11.jpg" style="max-width: 100%;"></div> 2023.01.10 23:06 Tue5
東京V、バスケス・バイロンの異例の移籍経緯を説明…
J2リーグの上位2チームの間で実現したシーズン途中の異例の移籍を受け、東京ヴェルディが経緯を明かした。 FC町田ゼルビアは6日、東京ヴェルディからチリ人MFバスケス・バイロン(23)を完全移籍で獲得したことを発表。 現在、両クラブは勝ち点10差が付いているものの、町田が首位、東京Vが2位と自動昇格、優勝争いを繰り広げている。さらに、同じ東京を本拠地とするローカルライバルの間柄ということもあり、シーズン途中のライバルチームへの移籍は衝撃をもって伝えられた。 6日の移籍決定後に新天地での加入会見に臨んだバスケス・バイロンは、移籍リリース時のコメント同様に「批判されるのもわかった上での決断」と、大きな覚悟をもっての移籍だったとコメント。それでも、恩師である黒田剛監督の元でのプレーを熱望し、町田行きを決断した。 一方、ライバルに主力を引き抜かれる形となった東京Vは移籍発表翌日となった7日、江尻篤彦強化部長がクラブハウスで報道陣の囲み取材に応じ、交渉の詳細に関する言及は避けながらも移籍の経緯を説明。 クラブとしては契約延長交渉を含め、全力で慰留に努めながらも、最終的には選手自身の強い意向によって移籍を認めざるを得なかったとしている。 「我々にとって欠かせない選手でした。1カ月プラスアルファ前から彼との契約の更新というのは当然進めていました。そういった中で最終的に今回のような形となりました」 「今まで巻き直し(延長交渉)は年度末にやっていたと思いますが、この時期に巻き直しをちゃんとやって、残さなければいけないというのは、今までのヴェルディではなかったことだと思います。去年お金を作ったぶん、早い段階でそういったことをやっていくことは自分の仕事だと思っていました」 「そういった中、(自分たちが)早く動けば、(他クラブから)早く動きがくるというのはしょうがないことです」 「当然、ある程度のお金を彼が置いていってくれました。そのへんは抜かりなく自分も仕事をしているつもりです」 「(延長オファーを拒否され、他クラブからのオファーが来て違約金を払われての移籍という形か)そういう流れでした」 「彼も彼で悩み抜いた結果だと思いますし、僕らも個人的に彼と話を重ねて、最終的に彼が決めた決断でした。ただ、クラブは指をくわえて見ているような状況ではなく、クラブとしてやれることを全力でやった結果、こうなってしまったことは致し方ないというところです」 また、9日に新国立競技場で行われる『東京クラシック』を間近に控える中での移籍発表に関しては、様々な要素が絡み合った上での偶然だったという。 「1カ月前のそういったところから始めていて、町田さんのいろんな狙いがあるとは思いますが、それを含めてのJ1昇格への戦いだと捉えています。J1昇格にはクラブ力が問われる。現場だけでなくクラブの力が当然問われます。そういう戦いのステージに、万年中位のチームが上がったということは、それだけの戦いをしている。現状の上位のチームと戦うということはピッチだけではない。そこをチーム全体で認識してやっていける機会なのかなと思います。そういう舞台で戦っていることを私も監督含めた現場、クラブ側もわかってJ1昇格に向けて戦っていかないと良い形にはなりません」 「こういったタイミングになったことに関しては、彼と真剣に我々が向き合って話し合った結果がこのときになってしまったというだけで、意図してやっているわけではないです」 主力の穴埋めに関しては名古屋グランパスから育成型期限付き移籍で獲得したMF甲田英將らを含めた現有戦力の台頭を促しつつも、クラブとして新戦力補強に動くことを認めている。 「それは当然です。今年は(J1昇格の)チャンスがあると思っています。そこに向けて全力投球していきたいと思っています。(伸びしろ十分の若手選手が)補強しなくても自分たちがいるというような形が一番です。ただ、それを指をくわえて待つわけではなく、強化部としてそこに適する選手を取っていくという考えではいます」 「ただ、間違ってもバカげた補強というか、端的に言えば多くのお金が必要となる補強をするつもりは明確にありません。あくまでクラブに合った形でないと、それ以後のことに関して上がっても上がれなくても大変になりますし、そこは10年、20年とヴェルディがやっていく上で重要なことだと考えています」 また、現場を預かる城福浩監督も同日に行われた記者会見、その後の囲み取材で今回の移籍に言及。「サッカーの世界ではよくあること」、「弱肉強食の世界」と前置きしながらも、百戦錬磨の指揮官にとっても今回の移籍は前例がないものだと感じている。 「“強奪”という言い方が適切かはわかりませんが、我々の目からそのように映ることはサッカーの世界ではよくあることです」 「ただし、サッカー先進国やサッカー先進国に近づこうとしている国のリーグでシーズン途中に、このような順位でこういった移籍が実現した例がはたしてほかにあるのであれば、聞かせてほしいというふうに思っています。シーズン中にこういう2位から1位に主力が行くというのが、こういうことが成立するのか。自分が知り得る限りでは聞いたことがないです」 さらに、クラブ同様に1カ月以上の期間を通じて何度となく対話を重ねて慰留を図ったという。その中で「これ以上は話せない」と慎重に言葉を選びつつも、起用の可否を含めて難しいチーム状況の中で指揮官として繊細な対応を行っていたことを明かした。 「彼とは話しすぎるぐらい話しました。もちろん条件というのはサッカー選手にとって重要なものです。20年も30年もサッカー選手を続けていくのは難しい。あとは個人でバックボーンが異なります。その部分は無視できないです」 「ひとつは彼がそういう選択肢を得た事実があったこと。そこで条件がはね上がったとするのであれば、それは彼が勝ち取ったものです。そこを否定することはありません」 「あとは手段を選ばずにJ1昇格を考えたとき、今回のような向こうの手段が意表というものではありません。僕らはそういった部分も含めて昇格を争っています。ただ。ピッチの上で90分、戦術や選手交代がどうのという部分だけで戦っているわけではない」 「何がなんでも昇格しようとしているチームが何チームもあります。これほどインパクトがある補強がこれからあるかはわかりませんが、そのチームの戦力をもぎ取れば二乗倍の補強になるという思考があってしかるべきというほど、みんなが是が非でも昇格したい。そういう世界だと思います」 「この1カ月はこの騒動にチームが巻き込まれないようにすることにかなり努力しました。おそらく選手は僕らが言わなくても、どんな混沌とした状況かというのは、この1カ月感じながらやっていました」 「僕らは起用するしないの判断も含めて考えていました。それはなぜかと言えば、行くか残るのかわからなかったからです。行くか残るかわからない状況でどういう準備をしてという部分は、少なくともチームに影響がないという部分で自分が努力する。今はその努力をしなくていいという部分でスッキリしていますし、個人的には間違いなくプラスです」 「(残留の可能性に賭けていた部分は?)僕らが賭けていたというか、(選手本人が)ファイナルアンサーしたら僕らはどうしようもないです。それにものすごい差があろうがなかろうかというところです」 「誰よりも1人いなくなったことで、チームが沈んだと言われたくないのは我々当事者です。それをプラスにできると確信しています」 2023.07.07 17:10 Fri東京ヴェルディの人気記事ランキング
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東京Vが日大とのTM実施、城福監督「試合をやれたから良かっただけではない」結果に不満も「可能性のありそうなことを試したかった」
東京ヴェルディは12日、ヴェルディグラウンドで日本大学とのトレーニングマッチ(45分×2)を戦い、2-3で敗れた。 前日にホームで行われた湘南ベルマーレ戦に0-2で敗れた東京V。リーグ次節のサンフレッチェ広島戦(17日)、YBCルヴァンカップ3回戦のアルビレックス新潟戦(21日)の連戦も意識するなか、出場機会の少ない選手に実戦経験を与えつつ新たな力の台頭を期待し、試合翌日にトレーニングマッチを行った。 関東大学サッカーリーグ戦1部で5位に位置する日大がほぼ主力に近いメンバーを起用したなか、東京Vは1本目にGK長沢祐弥、鈴木海音、山本丈偉、稲見哲行。宮原和也、平川怜、松橋優安、川村楽人。熊取谷一星、白井亮丞、山見大登を起用。前日の試合に途中出場した選手とベンチ入りメンバー中心の構成で臨んだ。 勢いを持って入った序盤の11分には左サイド深くで川村が折り返したボールがファーへ流れると、ボックス手前右で反応した宮原が抑えの利いた見事な左足ミドルシュートをゴール左隅に突き刺して先制した。 だが、時間の経過とともに可変を使って後方からボールを動かす相手に前からの守備が嵌らず、背後へのランニングも織り交ぜた日大の攻撃に苦戦。28分には阿部水帆の左からのアーリークロスを長谷川皓哉に頭で左隅に流し込まれて失点。 その後も守勢が続いたなか、前半アディショナルタイムには左CKの場面でキッカーの阿部水帆のクロスをゴール前に飛び込んだ白濵聡二郎にダイビングヘッドで押し込まれ、1本目を1-2のスコアで終える形となった。 2本目は馬渡洋樹と中村圭佑と2人のGKに出場時間を与えつつ、木村勇大、佐古真礼、川崎修平を新たに起用。さらに、ユース所属の中村宗士朗、今井健人、練習生も起用する布陣で各自の立ち位置も変えながら、より急造の布陣での戦いとなった。 立ち上がりの12分には自分たちのセットプレーを撥ね返されてのロングカウンターから左サイドを持ち上がった阿部水帆のラストパスに抜け出した平尾勇人にGKとの一対一を決められて先に失点。この直後には熊取谷がボックス内で倒されてPKを獲得。これをキッカーの木村がきっちり右隅に蹴り込んで1点を返す。 以降は川村の右からの仕掛けや木村の個人技、白井の決定的なヘディングシュートでゴールに迫った一方、幾度かのピンチをGK中村の好守で凌ぐ場面もあり、やや劣勢のまま2本目は1-1で終了となった。 試合後に囲み取材に対応した城福浩監督は「ルヴァンも控えているので、いろんなポジションを試してみたいのもあり、ゲーム感覚を保ってもらいたいというのもあり、ユースからも選手を借りてギリギリでもやれたことはまず良かった」と、連戦を控えるなかで当初の目的は達成できたと総括。 一方で、前日の湘南戦も含めこの試合でも出たチームの明確な課題についても言及。プレーの連続性の中での精度・判断の改善を改めて求めた。 「こういう試合でも勝つことにこだわって両ゴール前(守備も攻撃)のところをやらなければいけないと思うので、誰が出ていたとしても、彼らも悔しいでしょうけど、(試合を)やれたから良かっただけではない」 「チーム全体が上げていかなければいけないのは、いい守備をした直後のプレーの雑さによってもう一回守備をし直す。それが自陣の近くなのか、中盤のエリアなのかはケースによって違うと思いますが、簡単に相手に渡してしまうところ」 「もちろん守備をした連続性のなかで、息が上がった時のスキルというか、それは難しいことをやるのではなく、シンプルにそこを失わないような状況。そこの局面を打開していくような2本、3本の丁寧なパスというところは、このチームが1個克服しなければいけないというか、それは昨日のゲームにも通じていること」 「立ち位置はよく取りました。我々の望むようなボール回しで相手を動かすというようなところから、その先というのはもっとインテンシティの高い場面になるわけで、そこで奪い合いがあって、奪った瞬間の次のプレーというようなところは、昨日も今日も同じような課題が出たのかなと思います」 また、新たなオプション構築へあえてチャレンジした部分では山見の最前線起用と、湘南戦でもトライした松橋と川崎のボランチ起用。いずれもあくまで有事やオプションの域は出ないものの、その狙いについて説明している。 いずれも180cmを超える木村や染野唯月に対して、166㎝の山見にの1トップ起用に関してはセットプレーの局面におけるディスアドバンテージのリスクを考慮する必要があるとしながらも、「攻撃の可能性としてより得点のチャンスを作り出していく」という部分でトライする価値があると判断している。 「彼の引き出す動きは後ろから見ていて非常にわかりやすい。それは裏も引いてくるところもです。じゃあ長いボールに対しての競り合いがどうかというと、頑張ってほしいものはあるけれども、彼のそういうボールを引き出す力と、オン・ザ・ボールになった時の推進力というのは、そこのポジションも試してみるべきかなと。今日はだいたいイメージ通りの動き出しをしてくれたかなと思います」 一方、川崎に関しては「全員が揃っている状況であれば、彼のオリジナルのポジションは2列目」と断言。それでも、湘南戦同様にビハインドで点を奪う際に、より前線に攻撃的な選手を送り込む“超攻撃的”仕様に移行した際のオプションとして、選手が持つ特徴を踏まえて試したという。また、限られた選手層でチームとして最大値を出すことを目指すなか、その他の選手に関しても“新たな可能性”を見いだしていく構えだ。 「いろんな状況で(ボランチが)揃っていない時に、ゲームのなかでボールを集められる。集めたなかで前に供給して出ていくという意味では、そういうものも経験しておかなければいけないと」 「ゲーム状況のなかで超攻撃的になった時に、さらに前線に選手を投入した時に、誰かが1つポジションが下がるということはあり得るので、昨日も彼は最後にバイタルエリアに戻れずに2点目を取られている。そこは自分が0-1のまま我慢する選択をすれば、もうちょっと違うことができたと思います。そこは自分の責任でもありますけれども、他の選手たちにも誰がどういうバージョンで、どういう状況で、どういうポジションになったとしても、何をしなければいけないかという意味では、可能性のありそうなことというのは、今日の練習試合で試したかったです」 湘南戦の敗戦を受け、直近でチャンスを得たDF深澤大輝らに続く新たな力の台頭も期待されたなか、ポジション争いの序列を変えるようなアピールには乏しい一戦となった。だが、今後のオプション構築に向けた幾つかのトライも行った指揮官は、今後も辛抱強くチームの成長を促し、選手層の底上げを図っていくはずだ。 東京ヴェルディ 2-3 日本大学 ▽1本目 1-2 得点者 11分 宮原和也(東京V) 28分 長谷川皓哉(日大) 45分+1 白濵聡二郎(日大) ▽2本目 1-1 得点者 12分 平尾勇人(日大) 15分 木村勇大(東京V) 2025.05.12 15:45 Mon2
Jリーグが理念強化配分金とファン指標配分金の支給額を発表! 「DAZN」ベースのファン指標分配金の1位は浦和、最下位はYSCCに…連覇神戸は5.5億円
Jリーグは25日、2025年度理念強化配分金の支給対象候補クラブ、2024年度ファン指標配分金支給対象クラブを発表した。 理念強化配分金は、2023年の明治安田生命J1リーグで1位から10位に対して送られるもの。20チーム制に変更となったために1チーム増えることとなった。また、2024シーズン年間ファン指標順位(DAZN視聴者数等1~10位)に基づいても支給される。 競技面では連覇を達成したヴィッセル神戸から10位のセレッソ大阪までに支給され、神戸は2025年、2024年にそれぞれ2億5000万円ずつを手にする。なお、2023年も優勝したため、その分の2億5000万も今回支給される。また、2位のサンフレッチェ広島には2年間で1億8000万円ずつ、3位のFC町田ゼルビアは、1億5000万円(2025年)と7000万円(2026年)を手にする。なお、2023年2位の横浜F・マリノスには1億8000万円、3位の広島には7000万円がしキュされる。 また、ファン指標順位は1位は2024年も浦和レッズとなり1億7000万円。2位が鹿島アントラーズで1億2000万円、3位が横浜FMで7000万円と続き、10位は名古屋グランパスで1000万円となった。なお、競技順位で10位以内に入っていないクラブでは、1位の浦和、10位の名古屋に加え、8位に北海道コンサドーレ札幌が入り2000万円となった。 さらに、「ファン指標配分金」として、13億6000万円をJリーグの全60クラブに分配。これは、2024シーズンのDAZN視聴者数やDAZNシーズンパス販売実績等で配分され、1位が浦和で8921万5930円。2位が横浜FMで7945万2984円、3位が川崎フロンターレで6648万1993円となっている。なお、最下位はY.S.C.C.横浜となり182万4625円が分配される。 <h3>◆理念強化配分金(競技)/総額11億2000万円</h3> 1位:ヴィッセル神戸 1年目ー2億5000万円、2年目ー2億5000万円 2位:サンフレッチェ広島 1年目ー1億8000万円、2年目ー1億8000万円 3位:FC町田ゼルビア 1年目ー1億5000万円、2年目ー7000万円 4位:ガンバ大阪 1年目ー1億5000万円、2年目ーなし 5位:鹿島アントラーズ 1年目ー1億2000万円、2年目ーなし 6位:東京ヴェルディ 1年目ー9000万円、2年目ーなし 7位:FC東京 1年目ー6000万円、2年目ーなし 8位:川崎フロンターレ 1年目ー5000万円、2年目ーなし 9位:横浜F・マリノス 1年目ー4000万円、2年目ーなし 10位:セレッソ大阪 1年目ー3000万円、2年目ーなし <h3>◆理念強化配分金(人気)</h3> 1位:浦和レッズ/1億7000万円 2位:鹿島アントラーズ/1億2000万円 3位:横浜F・マリノス/7000万円 4位:ヴィッセル神戸/5000万円 5位:川崎フロンターレ/4000万円 6位:サンフレッチェ広島/3000万円 7位:ガンバ大阪/2000万円 8位:北海道コンサドーレ札幌/2000万円 9位:FC町田ゼルビア/1000万円 10位:名古屋グランパス/1000万円 <h3>◆ファン指標配分金</h3>(昨年との金額比較) 1位:浦和レッズ/8921万5930円(↑) 2位:横浜F・マリノス/7945万2984円(↑) 3位:川崎フロンターレ/6648万1993円(↓) 4位:鹿島アントラーズ/6598万4095円(↓) 5位:ヴィッセル神戸/6491万8131円(↑) 6位:ガンバ大阪/5864万8883円(↑) 7位:名古屋グランパス/5851万4812円(↓) 8位:北海道コンサドーレ札幌/5315万3249円(↑) 9位:FC東京/4924万9886円(↑) 10位:サンフレッチェ広島/4572万5356円(↑) 11位:FC町田ゼルビア/4558万3908円(↑) 12位:アルビレックス新潟/4466万3143円(↓) 13位:ジュビロ磐田/4426万2918円(↑) 14位:セレッソ大阪/3988万8434円(↓) 15位:サガン鳥栖/3834万3648円(↑) 16位:柏レイソル/3695万3904円(↓) 17位:湘南ベルマーレ/3554万5920円(↓) 18位:東京ヴェルディ/3459万9966円(↑) 19位:京都サンガF.C./3438万1632円(↑) 20位:清水エスパルス/3362万962円(↓) 21位:アビスパ福岡/3259万3587円(↓) 22位:ベガルタ仙台/2298万6246円(↑) 23位:V・ファーレン長崎/1758万2571円(↑) 24位:大分トリニータ/1716万3388円(↑) 25位:ファジアーノ岡山/1704万1315円(↑) 26位:横浜FC/1664万9981円(↓) 27位:ジェフユナイテッド千葉/1608万1426円(↓) 28位:モンテディオ山形/1442万3396円(↓) 29位:ヴァンフォーレ甲府/1362万8966円(↓) 30位:松本山雅FC/1324万9873円(↑) 31位:ロアッソ熊本/1008万4227円(↓) 32位:栃木SC/983万8888円(↓) 33位:徳島ヴォルティス/934万7583円(↓) 34位:RB大宮アルディージャ/925万5971円(↓) 35位:ザスパ群馬/888万8344円(↓) 36位:レノファ山口FC/886万2864円(↓) 37位:いわきFC/878万641円(↓) 38位:鹿児島ユナイテッドFC/825万2572円(↑) 39位:愛媛FC/768万2897円(↑) 40位:水戸ホーリーホック/718万9579円(↓) 41位:藤枝MYFC/708万1435円(↓) 42位:ツエーゲン金沢/622万6288円(↓) 43位:ブラウブリッツ秋田/619万6520円(↓) 44位:カターレ富山/481万4398円(↑) 45位:ギラヴァンツ北九州/459万264円(↓) 46位:FC岐阜/396万9504円(↓) 47位:SC相模原/341万1253円(↓) 48位:FC今治/327万7554円(↓) 49位:AC長野パルセイロ/317万8338円(↓) 50位:カマタマーレ讃岐/313万7389円(↓) 51位:FC琉球/309万4569円(↓) 52位:福島ユナイテッドFC/288万7440円(↑) 53位:ガイナーレ鳥取/282万3403円(↓) 54位:ヴァンラーレ八戸/265万6822円(↓) 55位:いわてグルージャ盛岡/261万6733円(↓) 56位:アスルクラロ沼津/251万5766円(↓) 57位:テゲバジャーロ宮崎/237万4594円(↑) 58位:FC大阪/226万1536円(↑) 59位:奈良クラブ/223万1534円(↓) 60位:Y.S.C.C.横浜/182万4625円(↓) 2025.02.25 17:40 Tue3
16年ぶりJ1の東京V、京都から“緑の血”が流れるFW木村勇大を期限付き移籍で獲得「アカデミーのDNAを持ち続けています!」
東京ヴェルディは28日、京都サンガF.C.のFW木村勇大(22)が期限付き移籍で加入することを発表した。 移籍期間は2025年1月31日までとなり、京都との公式戦には出場できない。 木村は東京ヴェルディジュニアで育ち、その後ヴィッセル神戸の下部組織に加入しU-12、U-15と昇格。大阪桐蔭高校、関西学院大学へと進学し、2021年に京都に加入した。 今シーズン途中にはツエーゲン金沢へ育成型期限付き移籍。金沢では明治安田生命J2リーグで10試合1得点を記録。京都では、明治安田生命J1リーグで7試合、YBCルヴァンカップで5試合、天皇杯で1試合に出場していた。 東京Vは京都からMF山田楓喜も期限付き移籍で獲得しており、今冬2人目の京都からの補強となる。 木村は両クラブを通じてコメントしている。 ◆東京ヴェルディ 「京都サンガF.C.から加入しました木村勇大です。ヴェルディジュニアに所属していた自分にとっては、『初めまして』ではなく『ただいま』といった感情が強いです!」 「毎日のようによみうりランドに通ってボールを蹴っていたことは昨日のことのように思い出せますし、ヴェルディを離れて10年ちょっと経ちましたが、アカデミーのDNAを持ち続けています!」 「小さいころ毎週のように通っていた味の素スタジアムで今度は自分が選手としてピッチに立ち、大声で歌っていたチャントを聴けると思うとワクワクが止まりません!」 「昇格を果たし、16年ぶりにいるべき場所に戻ってきたヴェルディに舞い戻り、緑のユニフォームに再び袖を通せることが本当にうれしく誇りに思います」 「必ずヴェルディの力になり良い結果を残せるよう、緑のハートをたぎらせて戦います!熱い声援をよろしくお願いします!」 ◆京都サンガF.C. 「自分のことを応援してくれる、期待してくれているファン、サポーターの方々のために、活躍する姿を届けられるよう頑張ります!」 2023.12.28 11:40 Thu4
「次のステップに行くため」ブレイクスルー期す東京VのFW木村勇大、神戸戦へ「ここでひとつ自分が変わるためにも頑張りたい」
東京ヴェルディの背番号10が古巣対戦でのブレイクスルーを期す。 東京Vは前節、3連戦の最終戦となった明治安田J1リーグ第9節の横浜F・マリノス戦を0-0のドローで終えた。 この3連戦では2試合でクリーンシートと開幕からの課題だった守備に関して改善が見受けられ、いずれの試合でも勝ち点3を得てもおかしくない内容ではあった。だがしかし、3試合2得点と攻撃面ではアタッキングサードでの精度・判断の質に課題を残した。 そんななか、1勝4分けで5戦無敗の13位のチームは4試合ぶりの白星を目指し、12日に味の素スタジアムで行われるJ1第10節では1試合未消化ながら16位に低迷するヴィッセル神戸と激突する。 京都サンガF.C.から期限付き移籍で加入した昨季はJ1初ゴールを含めキャリアハイの10得点を記録し、東京Vの6位フィニッシュに貢献したFW木村勇大。 今季はチームとともに序盤戦で悔しい思いをしたが、第5節のアルビレックス新潟戦で待望の初ゴールを記録すると、以降はゴールこそ奪えていないものの、攻守両面で徐々に昨季の躍動感を見せ始めている。 ゴールレスドローに終わった横浜FM戦でも最終的に際どいオフサイドで“幻”にはなったが、会心のヘディングシュートでゴールネットを揺らす見せ場も作っていた。 「次はゴールになってほしい」と語った木村だが、「ちょうどライン間で自分が浮いていたので、そういう状況をいかに作れるか。次の試合も相手に捕まらないように浮きながら狙い続ける。クロスへの入り方というのも意識し続けて狙っていきたい」と、プレシーズンから取り組む形のフィニッシュに少なからず手応えを感じている。 3連戦ではほぼフル稼働ながら、関西学院大学の同期で長期離脱中のFW山田剛綺の想いも背負って、より意識を高めるハードワーク、守備面の貢献は試合ごとに高まっている。 「きつい部分もありますけど、自分はあまり休み過ぎると体が重くなるので、連戦の方がいいですね。最後にかけてコンディションも上がっていった」と今後の連戦に向けても頼もしいコメントを残した185cmのストライカーは、「もちろん好きではないですけど…」と偽らざる本音を口にしながらも最前線で攻守にチームを牽引する覚悟も芽生えている印象だ。 「一回スタメンを外れて、(山田)剛綺が頑張る姿を見て、自分は点を決めることに力を注ぎたいという考えがやっぱりありましたけど、このチームでサッカーをやる限り、まず守備でというところ。チームのためにやるしかないので、そこの意識はすごく上がっています」 「走行距離とかを見てもすごく(数値が)上がっていて、チームのために戦い続けるなかでチャンスが来ると思うので、それを信じてハードワークしたい。戦う姿勢を見せるというのは、後ろに勇気を与えることにもなると思いますし、そういう姿勢がどこかでボールをゴール前で呼び込むと思うので、それを信じてやり続けます」 良い守備から良い攻撃というチームコンセプトをより深く理解し、ひとつ殻を破った感のある緑の背番号10は、指揮官がチームとして課題に挙げる得点力不足解消に向けてもブレイクスルーを期す。 昨季のブレイクによって開幕から相手の徹底マークを受けており、相手を背負っての鋭いターンからの推進力あるプレーはここまで鳴りを潜める。加えて、今季のレフェリング基準の変更の影響もあってか、不可解なオフェンスファウルや明らかなファウルを見逃されるケースも散見され、木村自身も「結構フラストレーションは溜まっています」と思うところはあるという。 それでも、「次のステップに行くため」と改善を示す守備同様に、攻撃に関しても意識の部分でポジティブな切り替えが意識できている。 「もちろん対策されていますし、相手もそれをさせないような距離感で守ってきたりとか、入れ替われる瞬間にファウルで止められたりとかという部分が多い。対策されるのは去年の自分の活躍が認められているということだと思うので、そこを上回れるように、ファウルでも止められないぐらいの馬力を身につけたい。そういう対策を上回れるというのが、次のステップに行くためだと思っています」 「去年だったら浮いていたポジションでも、今年は絶対にDFが1人ずっと付いてきていたりとか、自分に入ったときのカバーとプレスバックとかもすごく速いですし、明らかにそういう部分は感じますけど、そこを超えてこそ。そこに対する打開策も考えつつ、自分の良さを失わないようにしつつ、すごく難しいですけど、ここでひとつ自分が変わるためにも頑張りたいです」 得点を奪う上では個人としての改善だけでなく、チームとしての共通認識、連携の精度を高めていくことも重要。 「絶大な信頼を持っています」と今季初ゴールに横浜FM戦の決定機を演出したFW染野唯月とのホットラインに加え、ここに来てボランチで存在感を示すMF平川怜、中学時代に関西のトレセンで共演経験もある新加入のFW川﨑修平とのより良い関係性の構築も図っている。 「(平川は)ボールを持てる選手なので、彼がフリーで前を向いたときには必ず動き出せるようにしたいですし、それが彼に選択肢を与えることにもなる」 「彼(川﨑)もパスを出せる選手で、感覚的にも近い部分がある。一緒に出た際には彼の良さを引き出せるように、自分も引き出してもらえるように、そこはやっていきたいなと思います」 決意新たに今季2点目、チーム4戦ぶりの白星を目指す神戸とのホームゲーム。 ヴィッセル神戸U-12、U-15とアカデミー時代を過ごした古巣対戦に向けて木村は「もちろんクオリティがあるチームなので、チャンスは余計に減ると思いますけど、どうにかして決められるチャンスを、自分としてもチームとしても作っていければと思います。守備のところは引き続きしっかりハードワークして失点をなくせるようにしていければ。ワンチャンスが来たらモノにできるように準備したいです」と、恩返しの一発を狙う。 2025.04.11 17:05 Fri5