宮原和也 Kazuya MIYAHARA

ポジション DF
国籍 日本
生年月日 1996年03月22日(28歳)
利き足
身長 172cm
体重 68kg
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東京Vの城福浩監督、節目10戦目の福岡戦に向けJ1での現状語る…「日本一のトレーニングだと胸を張れるか」と緩みも見逃さず

東京ヴェルディの城福浩監督が、ホーム初白星を狙うアビスパ福岡戦への意気込みを語った。 前節、川崎フロンターレ相手に今シーズン初のクリーンシートを達成も、0-0のドローで3試合ぶりの白星を逃した15位の東京V。 これで無敗試合を「6」に伸ばしたものの、3試合連続ドローと勝ち点3奪取に苦戦する昇格組は、28日に味の素スタジアムで行われる明治安田J1リーグ第10節で、同じく3試合連続ドロー中で11位の福岡を相手に、今季ホーム初勝利と共に4試合ぶりの白星を狙う。 城福監督は26日にクラブハウスで行われた公式会見で、今季2勝目に向けた意気込みを語った。 63歳の指揮官は、開幕からちょうど10戦目となる今回の福岡戦に先駆けて、クラブにとって16年ぶりとなるJ1でのここまでの戦いを総括した。 「1試合勝ち点1というのは、そのペースで残留できないと思っています。やはり勝ち点3の試合というのを積み上げていかないといけない」と、1試合平均勝ち点1という現状が十分ではないと語った。 一方で、「どうやっても勝てない。負けた試合でも、これはどう振り返っても負けだなというような試合が1試合もない」、「我々らしくやれば、どことやっても勝てる可能性を見出せるという手応えがここまである」と、手応えも口にした。 ここまでリーグ最多の6引き分けという結果に関しては、「ひとくくりに総括はできない」としながらも、この経験を今後の戦いにおいて、勝ち点1を勝ち点3に、勝ち点0を勝ち点1に変えていくことが可能であると主張。とりわけ、「最後の局面での判断と表現の仕方」を学ぶことが重要な要素になると考えている。 「ゲームの状況が違うし相手も違うので、ひとくくりにして総括はできないですけど、もっと言えば、我々は2敗してますが、その2敗は勝ち点0のはずがないというふうに、今でも思っています。そういう試合展開だったし、少なくとも勝ち点1は両方ともそこに持ち込まなければいけなかったと思います」 「ここまでトータルで見た時に、ある程度のことを自分たちの信念を持って、全員で目指すサッカーをやるというところと、最後の最後の局面というのは、何が起きてもおかしくない状況というのは、個人とかグループの判断になってくる」 「目指しているものがこういうサッカーだからこうしようという状況は、もう90分以降では、そういうシチュエーションではないシチュエーションもあるということは、ここで勝つためにここで勝ち点を取るためにどういうプレーの選択をして、どういう強度を出して、自分のポジションだからこれは行くべきなのか、行かないべきなのかではなくて迷うのであれば、身体が反応して走っているという11人ではないと、おそらく勝ち点を取るのは難しい」 「なぜならばJ1というのは、後から入ってくる選手ほど実績がもの凄くて、状況判断ができて、それを表現するスキルがある選手が75分以降で出てくる。それに、対等以上に我々が戦うためには、状況判断ではなくて量も含めて効率性だけではなくて、自分が3倍動けばいいんだというぐらいの割り切りも含めて、最後の局面というのを全員が判断と表現の仕方というのを学んでいかないと、なかなか勝ち点3には繋がらないということは今まで学んでいると思います」 「逆の言い方をすれば、そこを学びさえすれば勝ち点3を取れるような試合も何試合かできてきているので、これまでのことを下を向かずにしっかりとやり続けることと、最終盤は今まで培った、ひょっとしたら経験しなくていい経験だったかもしれないですけど、こういう経験というのが生きたと思えるような試合を、今後やっていきたいと思います」 川崎F戦では今季初のクリーンシートを達成した一方、守備面でのさらなる改善を訴える指揮官は、福岡戦に向けた今週のトレーニングの中で改めて自分たちの守備の課題克服に着手。その中で「意識の部分で全体的に緩かった」と、自信や手応えが慢心に繋がりかねない状況にしっかりと釘を刺す。 「守備のトレーニングにも関わらず、いわゆる先発を多くしている選手側というか、レギュラー側が失点を重ねるような状況になって、スタッフとも話し合いながら映像を見返しながら、全体として『トレーニングはトレーニング』と、『ゲームはゲーム』みたいなちょっと緩さがあったので、今日はしっかりそこを締めることができたのは良かったかなと思います」 「違う色のビブス(控え)の選手が頑張ってくれたということで、そこが露見したというのもありますし、それはポジティブ。ただ、チームとしたら、表現としてこれは面白いなというか、気をつけなければいけないのは、“6戦負けなし”と言っていただけると聞こえはいいですが、5回引き分けている。それを考えたら、我々が安心するものとか、掴み取ったものが何かあるかと言えば、何もない…」 「フロンターレ戦で自分たちがある程度やれた感が、何となくですがありました。我々の振り返りで、一番最後に見せたシーンが、マテウスが本当に指の先で触って防いだ脇坂(泰斗)のシュートでした。そこをあえて最後見せましたが、それでも選手は大枠として勝てた試合ができたと、対等以上の試合ができたという感覚はあった。それは大事なことですけども、それで何かを自分たちが掴んだとか、何かを成し得たのかというと、結局勝ち点1しか取ってない」 「勝ち点1しか取れない試合というので、我々は勝ち点を積み上げることができずに、苦しんでるわけではないですけど、手応え以上の勝ち点にはなっていないというところを、忘れてるわけではないけれども、あのフロンターレ相手に対等以上にできたというのが、それが何なのかと」 「むしろ違う強みを持っている相手が週末に控えていますし、何の達成感なんだ、ということは強く言いました。それがトレーニングに表れていたのではないかと。まさにそれが何人も表れているシーンも見せましたし、我々が日本一のトレーニングを目指さない限り、このチームの残留と驚きを示すということはあり得ないので、果たしてこれが日本一のトレーニングだと胸を張れるのかと、彼らに問いました」 そういった反省を踏まえて臨む福岡戦では、加入後6試合で5ゴールを挙げるイラン代表FWシャハブ・ザヘディが強烈なインパクトを残している。その対戦相手のキーマンに対しては「足元もひと振りも、ヘディングもあるような1トップ」、「そこを中心に日本人選手がハードワークして、しっかりチームとして機能している」と、その能力を評価すると共に警戒を口にした。 なお、ホームチームでは川崎F戦を欠場したDF谷口栄斗、DF宮原和也の主力2選手が今週のトレーニングで部分合流。長期の離脱を回避できたことは朗報だが、「3歩進んで2歩下がる感じ。もう少し慎重にしてあげなければいけない」と、今節での復帰は時期尚早だと説明。また、前節の川崎F戦で途中出場から攻守に上々のパフォーマンスを見せたMFチアゴ・アウベスについては「彼の攻撃の良さはわかっている」とした上で、「グッドディフェンスの一員であってほしい。それをやるのであれば、さらに長い時間を与えたい」と、選手本人の努力を認めつつ今後の起用法について言及した。 2024.04.27 19:30 Sat

東京Vの城福浩監督、勝ち点1にとどまるも今季初無失点の川崎F戦を評価「もう一度やらせてくれと思えるような試合をやれたのは我々にとって成果」

東京ヴェルディの城福浩監督が、今シーズン初のリーグ戦クリーンシートを達成した川崎フロンターレ戦を振り返った。 東京Vは、20日にUvanceとどろきスタジアム by Fujitsuで行われた明治安田J1リーグ第9節で川崎Fと対戦し、0-0で引き分けた。 前節のFC東京戦で負傷交代したDF谷口栄斗に加え、DF宮原和也とディフェンスラインの主力2選手を欠く中で、強力なアタッカー陣を擁する川崎F相手に苦戦も予想されたが、J1初出場となったDF千田海人を中心に急造のディフェンスラインが奮闘。FWマルシーニョやMF脇坂泰斗に幾度か決定的なシーンは作られたものの、9戦目にして今季初のクリーンシートを達成した。 一方、開幕から全試合で得点を記録していた攻撃面ではFW木村勇大、FW染野唯月の2トップを起点にショートカウンターや背後を突く形から決定機を作り出したが、それを得点に結びつけることができず。今季初の無得点に終わり、3試合ぶりの白星を挙げることはできなかった。 それでも、10人相手に2点差を追いつかれて2-2のドローに終わった東京ダービー後の会見とは異なり、今回の試合後の会見では同じ勝ち点1ながらもチームの戦いに対する手応えを窺わせた。 「ディフェンスラインが2人変わった中、試合を通じて全員が良い守備をしてくれてクリーンシートを今シーズン初めて達成できたことは自信になる。選手層の厚さを含めて、評価したいと思います」 「良い守備からの良い攻撃という意味では、決定機の創出においては我々の方が上回ったと自負しているので、今日の勝ち点1は本当に悔しい」と、勝ち点1にとどまった結果への歯がゆさも認めたが、「もう一度試合をやりたいと思えるような、もう一度やらせてくれと思えるような試合をやれたというのは、我々にとっては成果だと思いますし、続けていきたい」と、改めて今後に繋がる試合になったことを強調した。 その手応えという部分では、選手交代によるパワーダウン、ハイインテンシティのスタイルゆえの後半終盤のガス欠という開幕からの課題に関して、この試合では守備に走らされる時間帯はありながらも、終盤に押し返したこと。先発選手がより長い時間プレー強度を維持し、途中出場でリーグ戦初出場となったMFチアゴ・アウベスが上々のプレーを見せるなど収穫もあった。 城福監督は交代枠3枚を残した用兵については「ピッチ上で表現してくれていることは決して悪くない。自分たちのペースでやれているという自負があった。変えることで新しいエネルギーを注入するということも選択肢に入れながら、今やれていることを継続するということを選んだ」と、その意図を説明。 試合終盤のパフォーマンスについては「息が上がりきった中での最後の精度というのは、我々は学び続けていかなければいけない」と攻撃面での課題を口にしながらも、「ひとつのミスが誰かのカバーで帳消しになるというか、この繰り返しだと思うので、ここは痛い思いをしてきた中で、勇気を持って繋ごうとした中でのミスを、みんながしっかりカバーしているからこその失点ゼロだった」と、就任時からチームコンセプトに掲げる“リカバリーパワー”が徹底できた点を評価した。 今回の川崎F戦のドローによって6戦無敗(1勝5分け)としぶとく勝ち点を積み重ねる東京Vだが、今季初のリーグ戦でのクリーンシートと共にいくつかの収穫を得て臨む次節のアビスパ福岡戦では、待望のホーム初勝利を手にすることはできるか…。 2024.04.21 06:30 Sun

川崎Fと東京Vはゴールレス決着…川崎Fは連敗ストップも4戦無得点、東京Vは今季初の無失点試合に【明治安田J1第9節】

明治安田J1リーグ第9節の川崎フロンターレvs東京ヴェルディが20日にUvanceとどろきスタジアム by Fujitsuで行われ、0-0のドローに終わった。 前節、セレッソ大阪とのアウェイゲームを0-1で落とし、3試合連続無得点での未勝利となった16位の川崎F。4試合ぶりの得点と共に勝利を狙ったホームゲームでは先発3人を変更。山本悠樹、瀬古樹、家長昭博に代えてファンウェルメスケルケン際、ゼ・ヒカルド、山田新を起用した。 一方、前節のFC東京との東京ダービーを2-2のドローで終えた15位の東京Vは、これで5戦無敗もその内訳は1勝4分けと勝ち切れない状況が続く。3試合ぶりの白星を目指したアウェイゲームでは先発2人を変更。ベンチ外の宮原和也、谷口栄斗に代えて翁長聖と、J1初出場の千田海人を起用した。 J1では16年ぶり、公式戦では2022年6月の天皇杯以来の対戦となる両者の一戦。立ち上がりは互いに長いボールを使ってリスクを回避しながら相手の出方を窺う。 以降は球際のバトルを優位に進めるアウェイチームが、木村勇大の背後への飛び出しを効果的に使いながらボックス内でシュートまで持ち込むが、いずれも枠を捉え切れない。だが、13分にはセットプレーの二次攻撃からボックス手前左の深澤大輝のヘディングでの折り返しがファーに流れると、フリーの染野唯月が右足ハーフボレーシュート。だが、ここは勇敢に間合いを詰めたGKチョン・ソンリョンのビッグセーブに阻まれた。 守護神のビッグプレーで何とか守勢を凌いだホームチームは20分に最初の決定機を創出。相手陣内左サイドでのスローインの流れから味方とのパス交換でハーフスペースで縦に仕掛けた脇坂泰斗がボックス手前で右足を振り抜くが、これは惜しくも右ポストを叩いた。 決定機を作り合った後は球際の激しい接触によって選手が痛んでプレーが止まるシーンが多く、互いにリズムを掴み切れず。一進一退の攻防が続く。34分にはGKチョン・ソンリョンに圧力をかけた木村がボックス内で引っかけて染野にビッグチャンスも、左足で放ったシュートはチョン・ソンリョンがブロック。こぼれに森田晃樹が詰めるもDF大南拓磨が何とか先にかき出した。 前半終盤にかけてはスペースができ始めた状況で脇坂らが存在感を示すと、ここまで鳴りを潜めていたエリソンが馬力のある仕掛けから続けて際どいシュートを放ったが、いずれも先制点には繋がらなかった。 ゴールレスで折り返した試合は互いに選手交代なしでスタート。開始直後には東京Vのセットプレーを撥ね返した流れからのロングカウンターで川崎Fに決定機。快足を飛ばして左サイドを独走したマルシーニョがボックス手前から右足を振り抜くが、このシュートは大きく枠の右に外れた。さらに、53分にはボックス付近で脇坂、エリソンと短く繋いでボックス左のマルシーニョに再びの決定機。今度はシュートが枠を捉えるが、GKマテウスのファインセーブに阻まれた。 以降もホームチームペースで進む中、60分を過ぎて両ベンチが動く。川崎Fは64分、エリソンとマルシーニョを下げて小林悠、遠野大弥を同時投入。これに対して、東京Vは67分に齋藤功佑を下げてJ1初出場となるチアゴ・アウベスを投入した。 一連の交代によって流れに変化が生まれ、アウェイチームが押し返してイーブンに持ち込むと、川崎Fが再び動く。山田とファンウェルメスケルケン際を下げて家長昭博、瀬古樹を投入。橘田健人を左サイドバックに移す。さらに、84分には脇坂を下げて負傷明けのバフェティンビ・ゴミスをピッチに送り出した。 後半半ばから終盤にかけて試合が膠着し、完全に1点勝負の様相を呈す。3分が加えられた後半アディショナルタイムには土壇場で底力を見せた東京Vが決定的なシーンを作り出したが、山見大登の右CKに合わせた千田のヘディングシュートはGKチョン・ソンリョンの好守に阻まれた。そして、試合はこのまま0-0でタイムアップを迎えた。 ホームの川崎Fは連敗をストップしたが、4試合連続無得点とまたしても決定力に課題を残した。一方、3試合ぶりの勝利を逃した東京Vは今季初めて無得点に終わったものの、今季初のクリーンシート達成で敵地から勝ち点1を持ち帰る形となった。 川崎フロンターレ 0-0 東京ヴェルディ 2024.04.20 18:06 Sat

【J1注目プレビュー|第9節:川崎Fvs東京V】ともに白星が欲しい両者、“川崎”で勝利をあげるのは?

【明治安田J1リーグ第9節】 2024年4月20日(土) 16:00キックオフ 川崎フロンターレ(16位/7pt) vs 東京ヴェルディ(15位/8pt) [Uvanceとどろきスタジアム by Fujitsu] <span class="paragraph-subtitle">◆“川崎"たる所以を示せるか【川崎フロンターレ】</span> どうしても波に乗れないチーム。前節はセレッソ大阪とアウェイで対戦した中、0-1で敗戦。シーズン2度目の連敗となった。 攻撃を武器にしてきた川崎Fの影はどこへ。3試合連続無得点、当然勝利はついてこない。 どうしてもチームとして勢いがつかない試合が多く、積極性にかけるプレーが目立つ。結果が出てないからなのか、それとも組み合わせの問題か。システムを変えて一時期は復調の可能性もあったが、再び難しい状況に陥っている。 “川崎"のプライドをかけて、かつて“川崎"を本拠地としていた相手には負けられない。 ★予想スタメン[4-2-3-1] GK:チョン・ソンリョン DF:瀬川祐輔、大南拓磨、佐々木旭、橘田健人 MF:瀬古樹、山本悠樹 MF:家長昭博、脇坂泰斗、マルシーニョ FW:エリソン 監督:鬼木達 U-23日本代表活動参加:高井幸大 <span class="paragraph-subtitle">◆遠い2勝目、戻ってきた“川崎"で勝利を【東京ヴェルディ】</span> 前節はFC東京との“東京ダービー"を戦い、優位に試合を進めながらも終盤にまたしても痛恨の失点。2-2のドローに終わった。 2勝目が遠く、16年ぶりのJ1で善戦はしているが、終盤の戦い方に問題があることは明らか。長年離れていたからなのか、パワーをかけられて押し切られてしまう。 失点を防いでいくことがJ1昇格のカギだったが、それをJ1の舞台で発揮できていても90分は持たない。加えて、今節はDF谷口栄斗が負傷により欠場。より一層気を引き締めたいところだ。 幸いにして攻撃面は全試合でゴールを記録しており、形もある。攻撃に難を抱えているものの、本来は攻撃的な川崎Fをどう封じるのか。J1で16年ぶりに戻ってきた“川崎"の地で2勝目をあげたい。 ★予想スタメン[4-4-2] GK:マテウス DF:宮原和也、千田海人、林尚輝、深澤大輝 MF:齋藤功佑、稲見哲行、森田晃樹、見木友哉 FW:木村勇大、染野唯月 監督:城福浩 U-23日本代表活動参加:山田楓喜 2024.04.20 13:55 Sat

湘南戦のワンプレーで吹っ切れた東京Vの林尚輝…初完封狙う柏戦へ「CBのマッチアップでいかに安定感出せるか…」

東京ヴェルディのDF林尚輝が、柏レイソル戦に向けて意気込みを語った。 東京Vは前節、湘南ベルマーレとのアウェイゲームを2-1の逆転勝利で飾り、J1では16年ぶりとなる待望の今シーズン初白星を挙げた。 これで15位に順位を挙げたチームは、7日に味の素スタジアムで開催される明治安田J1リーグ第7節の柏戦で、ホーム初白星と共に今季初の連勝を狙う。 鹿島アントラーズからの期限付き移籍延長によって今季も東京Vのディフェンスラインの主軸を担う林は、開幕から全試合でフル出場している。 善戦しながらも勝ち切れない状況が続いた6戦目での初勝利となったが、安堵の気持ちよりも自分たちの課題に目を向けている。 「流れ的に最初の試合(横浜F・マリノスとの開幕戦)というのは、自分たちが前半から良い試合ができて点も取れて、でも最後に押し切られて負けてしまった。その後も負けたり、引き分けになってしまったりという試合が続いていました」 「良いことではないですけど、前半失点して後半巻き返してというのは、自分たちの中でひとつできてきているので、それを次は前半からやっていくことで勝利というのは繋がると思いますし、今回も引き分けじゃなくて勝ち切れたというのは、ひとつ大きな点だと思っています」 その湘南戦を含め、チームは直近数試合で前半の失点を含め試合への入りという部分で問題を露呈している。林は守備の局面でのアラートさに加え、前後半で走行距離に大きな差が出ている部分で、よりアグレッシブな入りが必要だと語る。 「前半難しくなってしまっている要因は、入りのところで自分含めもう少しアラートにならないといけないというのを、ミーティングでも振り返りました。前半と後半で感覚的には前半の方が走らされているイメージがありましたけど、実際後半の方が自分たちの形で走っている部分が多かったので、その立ち上がりからいかに後半の入りのようにできるかというのは、ひとつ課題だと思っています」 林個人としては開幕3試合では持ち味である出足の鋭い潰しや、地対空での撥ね返すプレーで存在感を示した一方、以降の試合では自身も課題に挙げるビルドアップでの貢献に加え、守備面でも迷いながらの対応で後手を踏むシーンも目立っている。 「良さが出てないというのは最近感じている」と自覚する一方、湘南戦の後半にFW染野唯月のカウンターの決定機に繋げたプレーをきっかけに少し吹っ切れた部分もあるという。そして、周囲との連携を深めながら、より自分の良さを出していきたい考えだ。 「マークが決まっているというか、自分たちの中で嵌っている感覚があるときは強くいける部分がありますが、数的不利やセーフティーに守るべきだと思うときに、良さが出てないというのは最近感じています。そこは自分だけの問題もありますけど、周りとの連携の部分というのもあると思うので、守備のリスク管理のときに(宮原)和也くんにももう少し内側からスタートしてほしいというのは話しましたし、そういった連携というのも必要だと思います」 「自分たちセンターバックのマッチアップというところで、いかに安定感を出せるかというのが、チームとしてもラインが押し上がる要因。そこがちょっと曖昧になっている部分がありましたし、PKのことを考えて、セーフティーにやっている部分もありましたけど、もうひとつ強く相手選手に行くというのは自分の長所でもあるので、出していけたらなと思っています。インターセプトして染野がシュート打ったシーンとかは行き切った、割り切った部分もあって出たプレーだったので、そういうシーンを増やしていけたらなと思います」 細谷真大、マテウス・サヴィオら前線に強力なタレントを擁する柏戦に向けては、「細谷選手は代表に入ったりもしていますし、推進力があって強いイメージ。マテウス・サヴィオ選手もヒールとかテクニカルな部分もありますけど、推進力がある選手だと思っているので、そういうところで走り負けてはいけない」と、個のマッチアップで抑え込んでクリーンシートを達成したいと意気込んだ。 2024.04.06 20:15 Sat

「相手を見ながらやれなかった」…今季初のフル出場となった東京Vの宮原和也が経験値少ないチームの課題口に

東京ヴェルディのDF宮原和也が、ドローに終わった京都サンガF.C.戦を振り返った。 開幕4戦未勝利と16年ぶりのJ1で厳しい戦いが続く東京V。29日に味の素スタジアムで行われた明治安田J1リーグ第5節の京都戦では待望の初勝利を目指した。 だが、前半に攻守両面で圧倒されたホームチームは前半半ばにFW豊川雄太、FW原大智に続けてゴールネットを揺らされて0-2のビハインドで試合を折り返す。それでも、後半終盤にFW染野唯月が決めた2ゴールによって土壇場で追いついたチームは、前節のアルビレックス新潟戦に続きしぶとく勝ち点1を拾った。 プレシーズンの負傷によって出遅れた中、前節の途中出場で今季初出場を飾った宮原はこの京都戦で初スタメン。練習試合を含め自身初のフル出場については「試合勘や最後の精度、身体のキレだったりは本当にまだまだ」と厳しい自己評価を下したが、安定した対人守備に後半は積極的な攻撃参加でアクセントを加えるなど、しっかりと存在感は示した。 その右サイドバックは苦戦を強いられた前半の戦いについて言及。インターナショナルマッチウィークの中断期間での準備期間を含め、相手の戦いを分析していたものの、戦前から勝敗のキーポイントに挙がっていた球際の勝負、セカンドボールへの対応の部分で後手を踏んだことで難しい戦いになったと語っている。 「前半はずっと押し込まれた感じだったので、相手のロングボールの使い方に対して、自分たちは対応できていなかった。まず撥ね返せなかったところもありますし、やっぱり簡単にそらされてシュートまで持っていかれるシーンが多かったので、ただ単にそこで負けないことだったり、セカンドボールの対応だったりが、良くなかった」 「今までの相手と比べると、ロングボールをかなり多く使ってくる。前線のターゲットにシンプルに当てて、セカンドを拾ってという感じでした。自分たちはしっかり相手がそういうサッカーをしてくるという準備をしてきたつもりでしたが、そこで簡単にセカンドを拾われ過ぎたところがありました」 一方、攻撃では強度の高いハイプレスを特徴とする京都に対して、ファーストプレッシャーの越え方、ロングボールでハイラインの背後をシンプルに使うプレーの使い分けが同じくキーポイントになると見られていた中、前半はその使い分けが中途半端で自陣でのパスミスやセカンドの拾い合いでの劣勢によって自らの首を絞めるような戦いとなってしまった。 その点について宮原は相手の特徴を踏まえた上で「しっかり相手を見ながらという話はしていたが、それができていなかった」と、チームとして状況に応じたプレー選択ができなかったと、改めて経験値が少ないチームの課題を口にしている。 「相手が嵌めてきたときに、そこで自分たちが引っ掛けてしまってカウンターされるシーンも多かったです。相手はラインが高かったので、そこの背後だったりをシンプルに使っていってもいいと思いますし、自分たちも今日相手がやったようなことを、やっていかなければいけない。足元、足元だけだと食われてしまうので、そこはしっかり相手を見ながらやらなければいけなかったです」 それでも、盛り返した後半はメンバー交代を含め中断期間に取り組んだボールを保持するという部分でチームとしての成長を示した。その手応えを感じながらも、宮原は今後の勝ち点3奪取に向け、より相手がフレッシュな前半の段階から同じようなパフォーマンスを見せる必要があると、チームに対してもう一段階上のレベルに到達することを求めた。 「相手の足が止まってきたこともありますけど、やっぱり入ってきたメンバーが少しテンポを変えてくれるというか、僕の前には(齋藤)功佑が入りましたけど、功佑がしっかりポジションを取りながらやってくれたので、自分も幅を取りながら、非常にやりやすいというか、ニアゾーンを取れたりというのはありました」 「ただ、それをしっかり前半はスペースがないかもしれないですけど、そこをうまくもっと活用できるようにやっていかなければいけないなと思います」 2024.03.30 09:06 Sat

金J開催の東京Vvs京都は白熱ドロー…豊川雄太ゴラッソなど京都2点先行も東京Vが染野唯月2発で劇的ドローに【明治安田J1第5節】

明治安田J1リーグ第5節の東京ヴェルディvs京都サンガF.C.が29日に味の素スタジアムで行われ、2-2のドローに終わった。 インターナショナルマッチウィーク前に行われた前節のアルビレックス新潟戦は後半終盤に追いついて2-2のドローに持ち込んだ東京V。これまでにない形での勝ち点1獲得も、開幕4戦未勝利の19位に沈む。中断明け初戦で初勝利を狙ったフライデーナイト開催の一戦では先発4人を変更。保有元との契約の問題で起用不可の木村勇大、山田楓喜の代役に山田剛綺、松橋優安を起用した一方、宮原和也がスタメンに戻った。 対する14位の京都は、前半序盤に数的不利を背負いながら2-3で競り負けた横浜F・マリノス戦の敗戦によって今季初の連勝はならず。今節は敵地でバウンスバックの白星を狙った。曺貴裁監督は前節から先発2人を変更。出場停止のアピアタウィア久、負傷の金子大毅の代役に宮本優太、武田将平を起用した。 互いにリスク回避の慎重な入りを見せるが、開始3分にアウェイの京都に決定機。ディフェンスラインからのロングボールをマルコ・トゥーリオがすかさず背後へ流すと、これに抜け出した豊川雄太がGKとの一対一を制す。だが、自信を持ってラインを上げていた東京Vのアピール通り、VARの介入の末にオフサイドでのゴール取り消しとなった。 それでも、早々の決定機を作ってリズムを掴んだ京都は切り替えの速さ、前からの強度の高い守備で相手に自由を与えず。カウンターを主体に縦に速い仕掛けでチャンスを窺う。16分にはGKマテウスのパスをカットし、原大智が最初の枠内シュートを記録した。 以降も優勢に進めるアウェイチームは、立ち上がりにオフサイドでゴールが取り消された豊川が今度は文句なしのゴールを決めて見せる。22分、ディフェンスラインからの長いボールをボックス手前フリーで胸トラップした豊川がうまくバウンドに合わせて右足を一閃。鋭いシュートがクロスバーの内側を掠めてゴールネットに突き刺さった。 豊川のゴラッソで先制し、さらに勢い増す京都は畳みかけて2点目まで奪取。26分、右サイドを起点に押し込んだ流れからボックス手前右でクリアボールを回収した松田天馬が右からのダイアゴナルランでボックス右に走り込む原へラストパス。これを原が冷静にゴール左下隅へ流し込んだ。 今季初めて2点差を付けられて厳しくなった東京Vは、相変わらずビルドアップの局面で苦戦が続き効果的に前進できない。それでも、幾度かカウンターや長いボールを使った攻めで相手陣内に侵攻。サイドからのシンプルなクロスをフィニッシュに繋げていく。34分にはデザインされたFKからボックス内で混戦を作ると、最後はボックス左の深澤大輝が鋭い右足シュートを放つが、DFにディフレクトしたボールはGKク・ソンユンのセーブに阻まれた。 前半終盤にかけては京都が再び攻勢を強めたが、トゥーリオらの際どいシュートは枠を外れて前半のうちにトドメを刺すまでには至らなかった。 迎えた後半、東京Vは翁長聖、山田剛を下げて齋藤功佑、稲見哲行をハーフタイム明けに投入。これで見木友哉をセカンドトップ、稲見をボランチ、サイドハーフは右に齋藤、左に松橋という形に。 立ち上がりの守勢を凌いだホームチームは51分、ボックス手前中央左で得たFKをキッカーの染野唯月が右足で直接狙う。壁を越えた鋭いシュートが枠の左隅へ向かうが、これはわずかに左へ外れた。さらに、徐々に相手陣内でのプレーを増やしていく中、59分にはショートカウンターから見木の左足ミドルシュートで枠内シュートも記録した。 前半の京都のように押し切りたいホームチームは、深澤を下げて山見大登を投入し、松橋を左サイドバックに置く攻撃的な布陣に変更。前半には見られなかったボックス付近でのコンビネーションから再三際どいシーンを作り出すが、最後のところで相手の身体を張った守備に撥ね返される。 一方、後半序盤以降はなかなか自陣から出られなくなった京都は足を痛めた豊川に代えて宮吉拓実、トゥーリオに代えて福岡慎平を続けてピッチに送り込む。両ワイドに松田、宮吉を置く形に。大きくやることは変えずに全体の強度を維持する。 後半半ばを過ぎて膠着状態が続いたが、東京Vが反撃の狼煙を上げるゴールを奪う。78分、左サイドで強引に仕掛けた山見がDF福田心之助にボックス内で倒されてPKを獲得。キッカーの染野が冷静に右隅へ蹴り込んだ。 これでホームチームに俄然勢いが出てくると、84分には山見の正確な左クロスをゴール前の染野が頭で合わす。だが、これはGKク・ソンユンの守備範囲。その後、京都は原や松田を下げて山﨑凌吾、三竿雄斗の投入で試合をクローズにかかる。 5分が加えられた後半アディショナルタイムは京都がしたたかに時計を進めたが、東京Vが2試合続けて土壇場での底力を示した。92分、前線に上がっていた綱島悠斗が競り勝ったボールがボックス右に流れると、齋藤が絶妙なグラウンダークロスをゴール前に供給。これに反応した染野が見事なスライディングシュートをゴール左隅に流し込んだ。 そして、試合はこのままタイムアップを迎え、前後半で主導権が大きく入れ替わった一戦は2-2のドロー。2点差を追いついて気概を示した東京Vだったが、またしてもJ1初勝利はお預けに。一方、京都は2点差を守り切れずに悔いが残る勝ち点1となった。 東京ヴェルディ 2-2 京都サンガF.C. 【東京V】 染野唯月(後35、後45+3) 【京都】 豊川雄太(前22) 原大智(前26) <span class="paragraph-title">【動画】染野唯月の執念が生んだ後半ATの同点ゴール!</span> <span data-other-div="movie"></span> <blockquote class="twitter-tweet"><p lang="ja" dir="ltr">/<br>これぞストライカーの嗅覚<br>\<br><br>齋藤功佑のパスに飛び込んだ9番<br>染野唯月がアディショナルタイムに同点ゴール‼️<br>今日2ゴール目でエースの仕事を果たす<br><br>明治安田J1リーグ第5節<br>東京V×京都<br>Live on <a href="https://twitter.com/hashtag/DAZN?src=hash&amp;ref_src=twsrc%5Etfw">#DAZN</a> <a href="https://t.co/Q6b24K8aKt">pic.twitter.com/Q6b24K8aKt</a></p>&mdash; DAZN Japan (@DAZN_JPN) <a href="https://twitter.com/DAZN_JPN/status/1773682281170751940?ref_src=twsrc%5Etfw">March 29, 2024</a></blockquote> <script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script> 2024.03.29 21:07 Fri

「成長を見せる試合に」…東京Vの稲見哲行が京都戦へ意気込み

東京ヴェルディのMF稲見哲行が、今季初勝利を狙う京都サンガF.C.戦への意気込みを語った。 東京Vは開幕4試合を2分け2敗の19位で終え、インターナショナルマッチウィークの中断期間に入った。ここまでの試合では攻守両面で手応えを感じながらも、久々のJ1の舞台で勝ち点3を獲得する難しさを痛感している。 そのため、この中断期間では自分たちの志向するスタイルを追求すると共に、勝ち点3を取り切るために必要な“プラスアルファ”を模索。29日に味の素スタジアムで行われる明治安田J1リーグ第5節の京都戦では、その答えを示すようなパフォーマンスを披露し、16年ぶりの白星を掴みたいところだ。 ここまで2試合に出場し、セレッソ大阪戦では退場というほろ苦い経験もした稲見。個人としてもチームとしても、「やろうとしていることはできている」とある程度の手応えを感じる一方、個々のクオリティを含め、J1基準に達する上でチームとしてより賢く、したたかに戦う必要があると語っている。 「チームとしてやろうとしていることはできている試合が多いですし、J1でも通用している部分も多いと感じています。あとは際の部分というか、J1のチームのその徹底力や際の勝負強さを感じている4試合でした」 「チームとしてやりたいことをやって、ただそれは相手のチームもそういったスタイルがあるわけで、なおかつ相手はその臨機応変に対応してくるサッカーIQだったり、経験値のある選手が多い中、自分たちも1人がそれを思うだけではなくて、相手の変化にまず気づく選手を増やして、その後にアイデアを出して、そこで繋がれるという選手が大事というか、それが多いだけチームの対応力が変わってくると思いますし、上がっていくので、そこは全員が意識することが大事だと思います」 「弱点を突いてきたり、PKになる部分でもやっぱりぺナ内での相手のプレー一つをとっても、自分たちの弱点だったり、試合の流れだったりを見ながらやっていると思うので、そこはやっぱり自分たちも賢くやっていかないといけないです」 また、DF宮原和也の離脱の影響もあって出場2試合では本職ではない右サイドバックでのプレーとなった稲見だが、宮原の戦列復帰によって、今後はサイドバックではなく本職の中盤での出場機会増加が見込まれる。 先日の明治大学との練習試合でボランチでもプレーした稲見は、「一番難しいポジション」とサイドバックとは視野、タスクが大きく異なるポジションでの感覚的なブランクを認めながらも、現在主力としてプレーするMF森田晃樹、MF見木友哉にはない自身の特徴を活かしてチームの勝利に貢献したい考えだ。 「ボランチは一番難しいポジションだなというのを改めて感じました。やっていないと感覚的なものは鈍るというのもそうですし、特徴を出すという部分でも、自分の形に持ち込むところでは感覚的に少し失っている部分があったので、そこは練習からやっていきたいです」 「森田と友哉くんをよく見ていても相当走っていますし、一般的に2人とも攻撃の選手、技術のある選手と言われていますが、しっかりと走って戦って、自陣まで戻ってというのをすごくやっているので、そこは自分が出たときも変わらずやりたいですし、さらに基準を上げられればなと思います」 「相手に持たれる時間が結構多いと思うので、そこを少しでも自分たちの時間にする。そのためにマイボールにするというのが自分の役割だと思うので、イーブンのボールや、セカンドボールだったりを少しずつ自分が拾って流れを変えていきたいと考えています」 現状では幾つかの起用法が想定されるものの、傑出したアスリート能力を武器に球際でタフに戦える、サスペンション明けのMFは、高いインテンシティを特徴とする京都相手にキーマンの一人となるはずだ。 稲見はその一戦に向け、「まずしっかりと走ってくるチームだと思うので、そこの部分で負けていたら自分たちのスタイルが揺らいでしまう。そこはまず負けないことと、ここまでの4試合の反省をしっかり活かせるような全員が意識を持って、成長を見せる試合にしたい」と、意気込んでいる。 2024.03.28 19:45 Thu

苦境の東京Vに頼れる守備者が帰還…宮原和也「しっかり勝ち点3を拾っていかないと、J1では戦っていけない」

開幕から厳しい戦いが続く東京ヴェルディのディフェンスラインに頼もしい男が帰ってきた。 16年ぶりのJ1昇格を果たしたものの、開幕3試合を1分け2敗の未勝利で終えた東京V。その3試合ではいずれも後半終盤に与えたPKによる失点が勝ち点逸に繋がっていた。 その背景には開幕時点で24.1歳のJ1最年少スカッドという偏ったチーム編成による経験不足、選手層の問題はもちろんのこと、昨季J2ベストイレブンに選出され、リーグ最少失点に貢献した右サイドバック不在の影響が非常に大きかった。 沖縄で行われたキャンプ中のアクシデントで1月末から戦列を離れていたDF宮原和也は、今月に入ってチームトレーニングに完全合流。10日に行われたヴァンフォーレ甲府とのトレーニングマッチでの実戦復帰を経て、16日に行われた明治安田J1第4節のセレッソ大阪戦で待望の今季初出場を果たした。 DF山越康平に代わって後半頭から投入されると、持ち味の安定した対人守備、カバーリングで右サイドの守備に蓋をしつつ、繋ぎの局面でも卒なくプレー。さらに、1-2のビハインドで迎えた後半終盤の90分には高精度の右クロスからMF翁長聖の劇的な同点ゴールの起点となり、さすがの存在感を示した。 「試合勘のところは正直まだまだ。コンディションも今から上げていく状況」と、自身の今季初出場をやや辛口に評価した27歳DFは、2-2のドローという結果に対しても、「結果的に追いつけたのは良かったと思いますが、やっぱり勝ち切りたい」と、先制しながらも勝ち点3を逃した事実に目を向けた。 ただ、自身も絡んだ同点ゴールに関しては、チームの攻撃のコンセプトでもある、ボールとは逆サイドのサイドバックがボックス内に入っていくという狙い通りの形に手応えを感じている。 「僕がクロスを上げられる時には中に入ってほしいというふうに、ソメ(染野)とかには伝えています。他のフォワードの選手にも伝えているので、そこはよく目が合うので、信じて上げました」 「ああいうシーンはここまでなかなかなかったと思いますけど、やっぱりしっかりクロスに入っていくというのは、チームとしてやっていることなので、その形が出て良かったです」 また、チームの大半が今季J1初挑戦という中、サンフレッチェ広島、名古屋グランパスで、J1の厳しい戦いを経験してきた宮原は、経験不足ゆえのチームの詰めの甘さを指摘。自身が不在だった開幕3試合での戦いぶりについては、勝ち点3を得るため、より細部にこだわっていく必要があると説く。 「やっぱり良い試合ができただけでは絶対ダメで、勝つためにサッカーをやっているので、しっかり勝ち点3を取れるようにというか、その試合状況に応じてやっていくことが大事。勝ち点をこぼさないようにやっていかなければいけないと思います」 「今日はこういう感じで1-2の状況で追いつけたということで、勝ち点を拾えたと思いますけど、しっかり勝ち点3を拾っていかないと、J1では戦っていけない。そこはしっかりと一試合一試合を丁寧に戦っていくことが大事だと思います」 さらに、城福浩監督が志向するハイインテンシティのスタイルを機能させる上で重要な「バトンを渡す」、「ゲームチェンジャー」という部分で物足りなさを感じていた中、この新潟戦では自らその役割を強く意識し、背中で伝える意図も持っていた。 「前線から追う展開で体力の消耗も激しいと思いますけど、僕たちはそれを90分やっていかないと勝てない。交代で入った人だったりが、もっとやっていかなければいけないと見ていて感じていたので、今日は途中から入ったので、そこが自分の役割だと思っていましたし、それを意識してやりました」 開幕4試合で勝ち点2の19位と厳しい戦いが続く緑の名門だが、厳しくも頼もしい守備者の復帰と、伸びしろ豊かな若手の覚醒によって、代表戦明けからの巻き返しを図る。 2024.03.17 07:30 Sun

初代王者が16年ぶりJ1復帰、百戦錬磨の指揮官が最年少スカッドと共にサプライズ狙う【J1開幕直前ガイド|東京ヴェルディ】

2024シーズンの明治安田J1リーグが23日からいよいよ開幕する。今季からは20チーム制となり、降格も3つに増枠しての争いに。ここでは新シーズンの幕開けに先駆け、J1リーグ全チームをピックアップし、東京ヴェルディを紹介していく。 【直近3シーズンの成績】 2023シーズン(J2):3位(21勝12分け9敗) 2022シーズン(J2):9位(16勝13分け13敗) 2021シーズン(J2):12位(16勝10分け16敗) 【昨季チーム得点王】 染野唯月 6ゴール 【今季ノルマ】 残留 【編集部イチオシ】 DF谷口栄斗 昨季J2:20試合出場/1ゴール <span class="paragraph-subtitle">◆城福体制2年目で悲願達成</span> 昨季は就任2年目の城福浩監督の下、一昨季の終盤戦に手応えを掴んだハイプレス・ハイラインの戦いを先鋭化。“リカバリーパワー”を合言葉に、クラブ伝統の高い技術と新たに加えたハイインテンシティを武器に、シーズン通して昇格争いのメインキャストを担い、最終的に3位フィニッシュ。その後、劇的な形で昇格プレーオフを制し、16年ぶりのJ1復帰という悲願を達成した。 <span class="paragraph-subtitle">◆平均年齢24歳の今季J1最年少スカッド</span> 昇格組ではJ1仕様への大幅な入れ替え、強力な外国籍選手の補強、J2&J3の主力引き抜きなど様々な強化策がある。そのなかで東京Vは育成路線を継続し、若手偏重の補強を敢行。指揮官が求めるスタイルに合致したタレントを集めた結果、30代の選手がわずか3名、平均年齢24.1歳という今季J1で最も若いスカッドができあがった。 <span class="paragraph-subtitle">◆得点力不足改善に、J1仕様の堅守構築がカギ</span> 現スカッドで最もJ1での実績を持つ宮原和也や染野唯月、林尚輝の残留によって、主力クラスの流出は中原輝、加藤蓮の2選手のみに。その後釜に山田楓喜、翁長聖を迎え入れ、新10番の見木友哉、山見大登といった実力者を補強し、昨季から間違いなく戦力アップに成功した。 ただ、J1基準という点ではエースの染野、J2ベストイレブンに選出された主将の森田晃樹、ディフェンスリーダーを担う谷口栄斗を含め未知数な部分は否めない。とりわけ、昨季J2での総得点が「57」で、2桁得点者不在だった得点力は最大の懸念材料。染野、山田楓、木村勇大といったパリ五輪候補、プロ2年目で本格ブレイクが期待される山田剛綺らアタッカー陣の覚醒は必須だ。 J2最少失点(31)を記録した守備に関しても個のレベルが圧倒的に上がるJ1の舞台において、ハイラインの強気な守備を牽引する谷口や林、守護神マテウスを中心に、いかに早い段階でJ1仕様に仕上げられるかが浮沈のカギを握る。 <span class="paragraph-subtitle">◆初志貫徹で残留勝ち取れるか</span> 16年ぶりのJ1挑戦に向けて「新たなヴェルディのスタイル追求」を掲げ、どんな状況においてもブレない戦いを強調した城福監督。今季J1で最も成長の余白を残すチームは、幾多の苦難が待ち受けるシーズンにおいて、その指揮官の言葉通りの戦いができれば、ノルマである残留と共に下馬評を覆した昨季同様のサプライズをもたらせるはずだ。 <span class="paragraph-subtitle">◆2024年冬移籍情報</span> 【IN】 GK中村圭佑(18)←静岡学園高校/新加入 DF河村匠(23)←いわきFC/完全移籍 DF山田裕翔(22)←国士舘大学/新加入 DF袴田裕太郎(27)←大宮アルディージャ/完全移籍 DF林尚輝(25)←鹿島アントラーズ/期限付き移籍延長 MF見木友哉(25)←ジェフユナイテッド千葉/完全移籍 MF山田楓喜(22)←京都サンガF.C./期限付き移籍 MF翁長聖(28)←FC町田ゼルビア/完全移籍 MF永井颯太(24)←いわきFC/完全移籍 MF食野壮磨(22)←京都産業大学/新加入 MF山本丈偉(17)←東京Vユース/昇格 MF松橋優安(22)←レノファ山口FC/期限付き移籍より復帰 FW山見大登(24)←ガンバ大阪/期限付き移籍 FW木村勇大(22)←京都サンガF.C./期限付き移籍 FW古川真人(22)←国士舘大学/新加入 FW白井亮丞(18)←東京Vユース/昇格 FW染野唯月(22)←鹿島アントラーズ/期限付き移籍延長 【OUT】 GK高木和徹(28)→ジェフユナイテッド千葉/完全移籍 GK飯田雅浩(23)→ヴァンラーレ八戸/期限付き移籍 DFアルハン(22)→水原FC(韓国)/完全移籍 DF佐古真礼(21)→いわてグルージャ盛岡/期限付き移籍 DF加藤蓮(24)→横浜F・マリノス/完全移籍 DF宮本優(24)→ヴェルスパ大分/期限付き移籍 MF奈良輪雄太(36)→現役引退 MF小池純輝(36)→クリアソン新宿/完全移籍 MF梶川諒太(34)→藤枝MYFC/完全移籍 MF杉本竜士(30)→ザスパクサツ群馬/完全移籍移行 MF楠大樹(23)→テゲバジャーロ宮崎/期限付き移籍 MF阿野真拓(20)→テゲバジャーロ宮崎/期限付き移籍 MF西谷亮(20)→FC岐阜/期限付き移籍 MF橋本陸斗(18)→Y.S.C.C.横浜/育成型期限付き移籍期間延長 MF持井響太(25)→アスルクラロ沼津/完全移籍移行 MF石浦大雅(22)→愛媛FC/完全移籍移行 MF甲田英將(20)→名古屋グランパス/育成型期限付き移籍満了 MF北島祐二(23)→アビスパ福岡/期限付き移籍満了 MF長谷川竜也(29)→横浜FC(→北海道コンサドーレ札幌)/期限付き移籍満了 MF中原輝(27)→セレッソ大阪(→サガン鳥栖)/期限付き移籍満了 FW佐川洸介(23)→ザスパクサツ群馬/期限付き移籍 2024.02.16 18:30 Fri
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移籍履歴
移籍日 移籍元 移籍先 種類
2023年1月9日 名古屋 東京V 完全移籍
2019年2月1日 広島 名古屋 完全移籍
2019年1月31日 名古屋 広島 レンタル移籍終了
2017年2月1日 広島 名古屋 レンタル移籍
2013年3月25日 広島 完全移籍
今季の成績
明治安田J1リーグ 5 405’ 0 0 0
合計 5 405’ 0 0 0
出場試合
明治安田J1リーグ
第1節 2024年2月25日 vs 横浜F・マリノス メンバー外
1 - 2
第2節 2024年3月3日 vs 浦和レッズ メンバー外
1 - 1
第3節 2024年3月9日 vs セレッソ大阪 メンバー外
2 - 1
第4節 2024年3月16日 vs アルビレックス新潟 45′ 0
2 - 2
第5節 2024年3月29日 vs 京都サンガF.C. 90′ 0
2 - 2
第6節 2024年4月3日 vs 湘南ベルマーレ 90′ 0
1 - 2
第7節 2024年4月7日 vs 柏レイソル 90′ 0
1 - 1
第8節 2024年4月13日 vs FC東京 90′ 0
2 - 2
第9節 2024年4月20日 vs 川崎フロンターレ メンバー外
0 - 0
第10節 2024年4月28日 vs アビスパ福岡 メンバー外
0 - 0