スペイン代表のプレシーズンも終わった…/原ゆみこのマドリッド

2024.09.11 19:00 Wed
©︎RFEF
「メルヘンユニでも弱くはないのよね」そんな風に私が頷いていたのは火曜日、またTVで流し見していたU21ユーロ予選でスペインがハンガリーにロベルト・ナバロ(マジョルカ)のゴールで0-1と勝利。10試合中7試合目にして、早くも2025年の本大会の切符を掴むのを見た時のことでした。いやあ、確かにこの夏のパリ五輪を制したU23代表も何故か、フランスの地では第2ユニのレモンイエローを着用してプレーする試合が多かったんですけどね。金メダリストであるクバルシ(バルサ)やサム(アトレティコからポルトに移籍、昨季はアラベスでプレー)、トゥリテンテス(レアル・ソシエダ)、イトゥルベ(アトレティコB)、ディエゴ・ロペス(バレンシア)、ファンル(セビージャ)らにもっと若いメンバーを加えた、五輪の指揮官でもあったサンティ・デニア監督の率いるチームはサクサク、2連勝で目的を果たすことに。
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まあ、その出場権獲得祝いに加われなかったバリオス(アトレティコ)の話はまた後ですることにして、まさに頼もしい後輩たちですが、この9月代表戦は兄貴分たちもアウェイ戦が2試合続き、うーん、こちらはネーションズリーグ同グループの他3チーム、セルビア、スイス、デンマークも揃って、第1ユニが赤いというのもあるんですけどね。パステル調の色だけでなく、シャツの背中の首のところ付いている、赤いカーネーションを見る度、私もこんな可愛いユニでプレーして、敵に舐められるんじゃないかと思ったもの。それこそ先週木曜のグループリーグ初戦、セルビア戦でスコアレスドローした際など、7月に12年ぶりに戴冠したユーロのせいで、王者呆けしちゃったのかと恐れもしたところ、全然大丈夫。というのも…。そう、日曜にジュネーブで2節のスイス戦に挑んだスペインA代表だったんですが、実は試合前はセルビア戦で足首に重度のネンザを負ったオジャルサバル(レアル・ソシエダ)が離脱していただけでなく、ダニ・オルモも打撲のせいで、プレーできないという逆境が発生。モラタ(アトレティコからミランに移籍)も負傷中で招集されていなかったこともあり、ゴール不足が懸念されていたんですけどね。蓋を開けてみれば、ええ、シメオネ監督もよく、「La pelota no quiso entrar/ラ・ペロータ・ノー・キソ・エントラル(ボールがゴールに入りたがらなかった)」と言い訳しているように、セルビア戦は本当に撃っても撃っても入らない日だっただけなのが判明したんですよ。
何よりの大当たりだったのは、デ・ラ・フエンテ監督がセルビア戦のアジョセ(ベティスからビジャレアルに移籍)から、CFをホセル(レアル・マドリーへのレンタルが終わってアル・ガラファに移籍)に変えたことで、早くも3分にはシュート。これは代表引退をしたゾマー(ミラン)の後を継いだGKコベル(ドルトムント)に弾かれてしまったものの、それから1分もしないうち、エリア内右奥からのジャマル(バルサ)のクロスをヘッドでジャストミートとは頼もしい。そのボールはコベルが弾いたものの、ゴールラインを越えていたことがVAR(ビデオ審判)で確認され、先制点となってくれたから、驚いたの何のって。

それでも初戦のデンマーク戦で2-0と負けていたスイスは同胞の熱い応援を受けて、すぐに反撃を開始。ユーロの後、ゾマー以外にもファビアン・シェア(ニューキャッスル)、ジェルダン・チャチリ(バーゼル)らも代表引退、その日は直前の試合で退場したグラニト・ジャカ(レバークーゼン)も出場停止だったにも関わらず、7分にはエンボロ(モナコ)のアシストでオメラジッチ(モンペリエ)にGKダビド・ラジャ(アーセナル)が破られているって、どういうこと?いえ、この時はプレーの起点でフロイラー(ボローニャ)の手にボールが当たり、ハンドのファールでゴールは認められなかったんですけどね。
実際、この試合の前半は波乱続きで、いえ、13分にニコ・ウィリアムス(アスレティック)のシュートがコベルに弾かれた後、エリア内に駆けつけたファビアン(PSG)が撃ち込んで、スペインは2点目をゲット。セルビア戦の精度のなさは一過性だったことを証明してくれたのは良かったですよ。それが21分、カウンターで抜け出したエンボロを追ったル・ノルマン(アトレティコ)が相手を力づくで止め、最後のDFのファールということで、レッドカードを出されてしまうとは、これ如何に。最初はエンボロがオフサイドだった可能性もあったため、私もすがるような思いで、VAR判定を待っていたんですが、そうは問屋が卸しません。

結局、オフサイドはなく、ル・ノルマンは退場に。いえ、アトレティコ的には代表2試合フル出場とならず、体力を温存できたのは有難いんですけどね。この試合の後半にイエローカードをもらい、累積警告となったカルハバル(マドリー)と共に、彼も10月最初の1試合は出場停止になるため、スペイン代表から、マドリッド勢が消滅してしまう危険もなきにしろあらず。まあ、そんな心配はもっと先にすればいいんですが、すぐにデ・ラ・フエンテ監督はペドリ(バルサ)を下げ、CBビビアン(アスレティック)を入れたとはいえ、残り70分以上、数的劣勢でプレーしなければいけなくなったスペインが持ち越えたのかというと…。

それが雨がザーザー降っていたスタッド・ドゥ・ジュネーブで、耐えちゃたどころじゃなかったんですよ。いえ、41分にはエンボロがヘッドで繋いだボールをアムドゥニ(ベンフィカ)にゴールに蹴り込まれ、1点差に迫られて、ハーフタイムに入ったスペインだったんですけどね。更に後半3分はやはりCKから、アンドゥニにヘッドされ、そのボールをビビアンがクリアし損ねて、オウンゴールに。その時は幸い、バルガス(アウクスブルク)のCKの軌道がゴールラインを越えていたおかげで命拾いという幸運に恵まれたんですが、10人で何とか、やりくりしていたスペインに再び、火が点いたのは残り15分となってからのことでした。

そう、後半頭から、「とても要求の高い前半のせいで疲れ果てていた」(デ・ラ・フエンテ監督)ジャマルとバトンタッチしたフェラン・トーレスが、バルサの先輩としての矜持を見せてくれたんですよ。32分にはGKラジャのロングキックを追って、敵エリアの右側からファビアンにキラーパス。これをユーロでも2得点を挙げているMFがゴールに変えると、その3分後にはまたフェランがホセルのスルーパスからドリブルで上がり、今度は自分で4点目を挙げてしまったとなれば、もう恐れるものは何もない?

そのまま、1-4で勝利したスペインだったんですが、この日の彼らの冴えぶりはデータからもわかって、21本も撃ちながら、ゴールがまったく入らなかったセルビア戦と違い、合計9本のシュートで枠内が8本も。この勝利でようやく、代表もプレシーズンが終わったと言っていいかと思いますが、いやあ。次回は1カ月先の10月12日、2連勝で首位に立っているデンマークをムルシアのエンリケ・リコに、その3日後にセルビアをコルドバのヌエボ・アルカンヘルに迎えるとあって、それまでに誰に何が起きるかわかりませんからね。チームの継続性を保証できないのは辛いところですが、とりあえず、ユーロ同様に強いスペインが見られたのは良かったかと。

え、スペイン代表戦が終わったってことはもう、リーガ再開も近いんじゃないかって?その通りで、金曜には弟分のレガネスがアウェイのベティス戦で5節の先陣を切るんですけどね。このparon(パロン/リーガの停止期間)のおかげで、8月末の移籍市場クローズ最後の瞬間にサプライズ加入したハラー(ドルトムントからレンタル)がチームに慣れることができたのは嬉しい限り。とりあえず、1部再昇格してからの4試合を1勝2分け1敗で9位と、まずまずなスタートを切ったボルハ・ヒメネス監督のチームは、これでFWが6人となり、ミゲール・デ・ラ・フエンテを筆頭にディエゴ・ガルシア、ファン・クルス、ラバ、ムニル(ラス・パルマスから移籍)と駒は十分なんですけどね。やはり2部と違って、そうそうゴールは入るもんじゃないため、アタッカーは多いに越したことはありませんって。

そして土曜にはお隣さん、ヘタフェもセビージャへ赴き、こちらはサンチェス・ピスファンでベティスのお隣さんとアウェイゲーム。ボルダラス監督のチームは開幕から、ずっと引分けで16位と、マドリッド勢の中で一番下にいるんですが、それにはミッドウィーク開催の3節ベティス戦が、相手にコンフェレンスリーグ予選プレーオフがあったために順延となり、まだ3試合しかプレーしていないという事情も。いえ、だからって、得点がボランチ本職ながら、CFに抜擢されているウチェ(RFEF1部/実質3部のセウタから移籍)の開幕アスレティック戦での同点ゴールしかないというのはあまり、励ましにはなりませんけどね。

0-0に終わったコリセウムでのレアル・ソシエダから、2週間も経つとなれば、今度こそ、エースのボルハ・マジョラル、マドリーの夏のアメリカツアーでネンザしたアルバロ・ロドリゲス(RMカスティージャからレンタル)らの実戦復帰が期待されるところですが、こればっかりはねえ。幸い、相手のセビージャは開幕から1分け3敗で最下位と、調子が悪いのは都合がいいんですけどね。来週はそのベティス戦が水曜に入って、3連戦となるため、ヘタフェも早く、最善がスコアレスドローという状態から、脱却してほしいものです。

そして土曜の午後9時(日本時間翌午前4時)からは兄貴分マドリーの番で、こちらはサン・セバスティアンでのレアル・ソシエダ戦。ええ、オジャルサバルが松葉杖をついて、帰って行ったチームですが、彼らはヘタフェ戦でもブライス・メンデス、トラオレを負傷で失うという不運に遭遇しているんですよ。とはいえ、ケガ人自慢ではマドリーの方が上を行っていて、ええ、ご存知の通り、昨季、ヒザの靭帯を断裂したアラバ、UEFAスーパーカップの前日練習でヒザを捻ったカマビンガ、代表戦直前のベティス戦で重度のネンザを負ったセバージョスはまだ当分、戻れない見込み。

唯一、フランス代表から即Uターンとなった2人組のうち、メンディだけは大丈夫そうなんですけどね。足の中足骨の痛みに悩むチュアメニ、足底筋を痛めたベリンガム、太もものケガでブラジル代表を早退してきたミリトンは微妙なところで、何せ、マドリーはこの先、3週間、地獄の連戦サイクルに突入。とりわけ、来週火曜には新フォーマットのCL1節、シュットガルト戦も控えているため、アンチェロッティ監督も選手にムリはさせないでしょうが、何はなくとも攻撃面では人が余りまくっていますからね。

ええ、この各国代表戦でもロドリゴが土曜のエクアトリア戦で決勝ゴールを挙げたかと思えば、ブライムもモロッコ代表で2得点して帰還。ネーションズリーグ1節のウェールズ戦で終盤、交代を頼み、すわ負傷かと心配されたギュレルもただの打撲で、月曜のアイスランド戦でアシストを記録していますし、モドリッチまでが日曜のポーランド戦で直接FKを決め、クロアチアを勝利に導いているとなればって、え?長年の夢が叶って、とうとうマドリー入団を果たした超大型新人、エムバペはどうしたのかって?

いやあ、4節のベティス戦で2得点挙げ、とうとうリーガでもゴールデビューした彼だったんですが、お隣さんのグリーズマン同様、フランス代表の2試合ではあまり貢献できなくてねえ。イタリアに1-3と負けた後、月曜のベルギー戦では共々、ベンチスタートとなったんですが、チームは彼らがピッチに入る前にコロ・ムアニとデンベレのPSGコンビがゴールを決め、2-0と勝利。もう33才になったグリーズマンはともかく、25才のエムバペがあれではデシャン監督も大変かと。

一方、そのグリーズマンや太平洋の向こうに出向しているアルゼンチン代表組の帰りを首を長くして待っているアトレティコは日曜午後9時から、メトロポリターノでのバレンシア戦でリーガ再開となるんですが、週が明けて、ショックなニュースが一つ。というのも筋肉痛でU21スペイン代表を離脱してきたバリオスが思ったより重傷で、実は全治1ケ月のケガだったというのがわかったからですが、マドリー同様、連戦期間に入るシメオネ監督のチームにとっては、かなりの痛手になったかと。同様に体調不良のオブラクの代わりに出場したデビュー戦、アスレティック戦で痛めた背中のせいで、アルゼンチン代表を早退してきたGKムッソは火曜のマハダオンダ(マドリッド近郊)の練習から合流しています。

ちなみに現在、相手のバレンシアはウーゴ・ドゥロの負傷と、強姦容疑で逮捕されたラファ・ミル(セビージャからレンタル)がチームから隔離されたのが重なり、得点力が低下しているのはともかく、シメオネ監督はこの試合でこの夏、最後の補強となったCBレングレ(バルサからレンタル)のデビューを計画しているよう。まあ、今回の代表戦週間はヒメネスも出場停止でウルグアイ代表に行っていませんから、守備の面では心配はなさそうですけどね。それより指揮官の願いは、チリ戦でgolazo(ゴラソ/スーパーゴール)を挙げたフリアン・アルバレス(マンチェスター・シティから移籍)が火曜深夜のコロンビア戦でもゴールづいて、その勢いをアトレティコでの初得点に繋げてくれることだった?

いや、実際、不思議な縁で、その対戦のコロンビア側では、ペルー戦で後半だけの出場だったハメス・ロドリゲスが先発。しかもアルゼンチンに2-1と勝利するPKゴールを決めたとなれば、嫌が応でも月曜にオサスナ戦をエスタディオ・バジェカスで迎えるラージョファンの胸は、ファルカオに続く、この夏の目玉移籍のデビューへの期待で高鳴ることになったんですが、もしやそれはイニゴ・ペレス監督も同じだった?ええ、今は11位とはいえ、ラージョはバルサ、エスパニョールとカタルーニャ勢に負けて、2連敗中ですからね。RdT(ラウール・デ・トマス)の姿をほとんど見かけなくなった昨今、さすがにカメージョだけでは頼りないため、チームが勝ち癖を取り戻すためにもハメスには貢献してもらいたいものですが…何かちょっと、再びスタジアム通い漬けになる今週末以降のハードスケジュールが私も恐ろしいんですよね。

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「全員を信頼している」大胆ターンオーバー実らず初黒星、日本とベスト8対戦のU-23スペイン代表指揮官「守備を改善するように努力する」と立て直しに意欲

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ただ、40分にはヒヤリもあって、藤田譲瑠チマ(シント=トロイデン)のスルーパスを細谷真大(柏レイソル)がクバルシ(バルサ)を背負いながらシュート。すわ同点かと思いきや、VAR(ビデオ審判)が3分近く、長々チェックした後、細谷選手の足先がわずかにオフサイドだったことが発覚し、スペインは難を逃れることに。気の毒にも彼の不運はロスタイム6分にも続き、FKからヘッドを撃ったところ、惜しくもポストに嫌われるなんてことがありましたが、前半はスペインの1点リードで終わります。 その時はまだ、かなりゲームも拮抗していたんですが、ハーフタイムにサンティ・デニア監督に「守ってばかり、後方に引いてばかりでないようにするにはサッカーをプレーしないと。Teníamos que mover el balón, ser nosotros/テニアモス・ケ・モベール・エル・バロン(ボールを動かして、自分たち自身であらねばならない)」と叱咤されたのが効いたんでしょうかね。後半は再びフェルミンの躍動が始まり、序盤から、エリア外シュートを2度撃って、日本ゴールを脅かすことに。それがとうとう、27分には、セルヒオ・ゴメス(レアル・ソシエダ)にCKをエリア外に送ってもらった当人が胸トラップして、vaselina(バセリーナ/ループシュート)を決めてしまったから、ビックリしたの何のって。 37分にはまた、細谷選手にエリック・ガルシア(バルサ)から奪ったボールを撃ち込まれた時もFKアルナウ・テナス(PSG)がparadon(パラドン/スーパーセーブ)で失点を防いでくれましたしね。最後は40分、CKから、アベル・ルイス(ジローナ)が敵のクリアミスを押し込んで、3点目をゲット。ロスタイムが5分と短かったのも幸いして、そのまま無事、0-3で準決勝進出が決まりましたっけ。ちなみに、もう月曜午後6時(日本時間翌午前1時)にはキックオフとなる、その試合の相手は大人のスペイン代表がW杯カタール大会で敗退させられたモロッコ。相手が同日の準々決勝でアメリカを4-0とボコボコにしていたことより、彼らのグループリーグ初戦アルゼンチン戦がスタンドから大量侵入してきたモロッコ人ファンにより、2時間も試合中断の憂き目に。今度の開催地、マルセイユもモロッコ人の移民人口が多いだけにむしろ、そっちの方が心配ですが、スペインの選手たちも日本戦快勝に慢心せず、心して乗り込まないとですよね。 そして翌土曜には女子の番が回ってきたんですが、男子と同じリヨンでコロンビアと対戦した彼女たちはレアル・マドリー並の根性のremontada(レモンターダ/逆転劇)精神を備えていたことを証明。そう、前半12分にはカウンターから、マイラ(チェルシー)に先制ゴールを許し、後半8分にもカイセド(マドリー)のシュートはGKカタ・コル(バルサ)が弾いたものの、レイシー(ワシントン・スピリット)にゴール前から蹴り込まれ、まさかの2点ビハインドとなった時には、私も男子たちの後を追って、マルセイユに行くのは無理かなと思ったもんでしたけどね。 それが何と、後半34分、アレクシア・プテジャス(バルサ)と交代で入っていたジェニ・エルモーソ(ティグレ)が1点を返して、反撃の狼煙を上げると、10分とこの日も長かったロスタイムの7分目にはサルマ(バルサ)のクロスを土壇場戦法で前線に上がっていたCBパレデス(バルサ)が同点ゴールにしてしまうんですから、凄い底力じゃないですか。試合はそのまま延長戦に入ったため、夜9時からのプレシーズンマッチにコリセウムに行かないといけなかった私はメトロの中で続きをスマホで追うことになったんですが、その前後半30分にはずっと、攻めまくっていながら、スペインは勝ち越し点を挙げられず。 2-2のまま、パビ(デポルティボ・カリ)やカイセドを負傷で失っていたコロンビアが唯一の希望を託したPK戦入りしてしまったんですが、いやあ、やはりW杯とネーションズリーグ・ファイナルフォーのダブル女王は格が違う?グループリーグ最終節のブラジル戦で鼻中骨骨折し、その日はユーロのエムバペ(フランス)ばりのフェイスガードを着用していたGKカタ・コルがまさか、出だしに相手の第1キッカー、ウスマ(パチューカ)を弾いてしまうとは!これで心を挫かれたコロンビアは第3キッカーのサラサル(ミジョナリオ)も枠を外してしまい、逆にマリオナ(アーセナル)、エバ・ナバーロ(マドリー)、サルマが成功。そして4人目のバロンドール女子、ボンマティ(バルサ)ももちろん決めて、2-4で準決勝進出を勝ち取っているんですから、逞しいっちゃありゃしませんって。 そんなスペイン女子は火曜午後9時(日本時間翌午前4時)に再び、ブラジルと準決勝となるんですが、こちらの懸念は、相手は準々決勝フランス戦を0-1の辛勝ながら、90分で終えていることで、120分戦った後、中2日で挑む彼女たちが消耗から回復できるかどうか。前回はローテーションしながらもアテニア(マドリー)、プテジャスがゴールを挙げて、0-2で勝っているため、体力さえ戻っていれば、問題はないはずですが、男女揃って、パリでの決勝戦に行けるといいですよね。 え、それでこの夏、初めて自分の目で見ることができたヘタフェとアトレティコのプレシーズン兄弟分ダービーはどうだったのかって?いやあ、夜になっても収まらない猛暑に頭がクラクラしていたせいか、記者席前にあるパルコ(貴賓席)に入団ほやほやのセルロートとル・ノルマンが観戦に現れたのに気を取られていたせいか、お馴染みの青いユニの弟分と一緒に灰緑っぽいユニを着たチームがピッチに出て来た時にはどこの誰?状態だった私なんですけどね。まさか、今季の第2ユニが、個人的には好きな色合いでも、そんな弱っちく見える、”マリンブルー”(オフィシャルウェブ)だったのには呆気に取られるばかりでねえ。 でも試合が始まるとそんなことはなく、もしや無害に見せて敵の油断を誘う深い意図があったのかと穿ってしまったぐらいなんですけどね。ファン・セラーノとコスティス以外、トップチームの選手を並べたアトレティコは相変わらず、FWがいなくて、その日はオリンピックのドミニカ共和国代表グループリーグ敗退で戻って来たばかりのペテル(マドリーからレンタル、昨季はバレンシアでプレー)をトップに置いたボルダラス監督のチームに前半、まったくチャンスを与えず。それどころか、38分にはフェアメーレンからボールを受けたコレアが先制ゴールを挙げてくれたとなれば、元々、相性のいいヘタフェ戦、怖いことは何もありませんって。 実際、45分にもグリーズマンの調整不足で駆り出された、ほぼ放出間違いなしのジョアン・フェリックスが2点目を決めたんですが、ウザかったのはコリセウムに駆けつけたフレンテ・アトレティ(ウルトラのグループ)の一団。アトレティコのためにゴールを挙げてくれたのに、「Ese portugués, qué hijo puta es/エセ・ポルトゥゲス、ケ・イホ・プータ・エス(そのポルトガル人は娼婦の息子)」と、ジョアンに悪口カンティコを浴びせなくてもいいのでは?更には「Getafe, superaldea/ヘタフェ、スーペルアルデア(ヘタフェは超田舎の村)」なんて歌って、場内からpito(ピト/ブーイング)されていたんですが、彼らがいないと、メトロポリターノでも揃った応援ができないという状況をクラブもまず、何とかしないといけないですよね。 そしてジョアンとフェアメーレンは前半だけで退き、後半頭からはリケルメとレイニウドが入ったアトレティコだったんですが、10分にはとうとう3点目が入ります。ええ、ユーロのスペイン代表招集最終選考に漏れた代わりに長いバケーションを満喫したジョレンテが右サイドを駆け上がり、そのラストパスをコレアが再び決めて、セルロートに挑戦状を叩きつけていましたが、それから間もなく、ヘタフェにこのプレシーズン初のゴールを決められることになるとは。 うーん、昨季の後半、ヒザの靭帯断裂から復帰したレイニウドのツキの悪さはまだ続いていたようで、この時は彼に当たったボールがウチェ(RFEF1部/実質3部のセルタから移籍)の前に落ち、そのエリア前からのシュートがGKモルドバンを破ったんですが、その直後、アトレティコはスタメン7人を、こちらも放出予定のハビ・ガランと6人のカンテラーノ(アトレティコBの選手)に一斉交代。よって、ヘタフェもこの夏、初めてアップしているところを見た、ヒザの半月板損傷からのリハビリが終わったボルハ・マジョラルが出ていれば、あと1点ぐらいは取れたかもしれませんが、結局、そのまま試合は1-3で終了です。 一応、これでプレシーズンマッチ2連勝としたアトレティコは翌日曜の早朝練習から、最後のバケーション明けメンバー、ヒメネス、デ・パウル、モリーナ、ル・ノルマン、そしてセルロートも加わったんですが、彼らと個別調整中のグリーズマン、オブラクを除いたチームの方は夕方に香港に向けて出発。水曜午後2時(日本時間午後10時)からのキッチー戦をプレーする1試合だけアジアツアーに行ってしまったんですが、帰って来ても日曜にはストックホルムでユベントス戦と来週は少々、忙しない感じに。もうその次の週末はもうリーガ開幕ですし、ヘタフェ戦ではすでに松葉杖から解放されていたシメオネ監督も最後の仕上げに余念がないといったところでしょうが、何より新戦力到着がファンを勇気づけてくれたのは良かったかと。 一方、CFの補強をする前にマジョラルのビジャレアルorレアル・ソシエダ移籍が噂されているヘタフェはプレシーズン4試合で1分け3敗という、当然の結果を携えて、この水曜にはまたコリセウムにサン・テティエンヌを迎える新生チームお披露目試合を開催。確かにウチェの他にもアレックス・ソラ(レアル・ソシエダから移籍)、カルレス・ペレス(同セルタ)といった新顔がいない訳ではないんですけどね。それよりカンテラーノ(ヘタフェBの選手)をファンに広く知ってもらう機会になりそうなのが怖いところ。最後は土曜のイギリス遠征、サザンプトン戦で締めるんですが、1勝ぐらいはできるといいですよね。 そして今週はイギリスでキャンプしていたレガネスはバーンリー(イングランド2部)戦に続き、土曜のシェフィールド・ウェンズデー(同)戦もスコアレスドローで終わり、日曜に1部再昇格の功労者であるイラオラ監督率いるボーンマスと対戦したラージョは1-0の敗戦。マドリッドの弟分たち全員がまだ、このプレシーズンで白星を挙げていないのは気になるところなんですが、いや、ホント、勝っているのはアトレティコだけなんですって。というのも土曜深夜にニュージャージーでアメリカツアー2試合目のクラシコ(伝統の一戦)を迎えたお隣さんも…。 そう、開始11分には落雷警報で選手にも観客にも避難命令が出て、試合が一時中断。1時間半後に再開されるという、ハプニングがあったバルサ戦でもマドリーはミラン戦に続いて、負けちゃったんですよお。前半22分にはギュレルがゴールを決めながら、オフサイドで認められなかった不運もあったものの、42分にはカンテラーノ(バルサBの選手)満載の相手にアレクス・バジェのクロスから、レバンドフスキが撃ち損じたシュートをパウ・ビクトルにヘッドされ、先制点を奪われると、後半9分にも再び、パウ・ビクトルがGKクルトワを破って、doblete(ドブレテ/1試合2得点のこと)を達成。 その当人も昨季はジローナからのレンタルでBチームでプレーして、チーム内得点王になったことから、300万ユーロ(約5億円)で買い取られたFWとなると、筋肉痛のバジェホに代わって、現地でチームに合流したばかりのミリトンが先発していたとて、ちょっと不安にならない?この日もエンドリックはゴールデビューできず、後半途中から入ったビニシウスももちろん、ミリトンと同じ状況とあって、結局、37分にギュレルのCKをニコ・パスがヘッドして、1点を返すだけに留まることに(最終結果1-2)。 いえまあ、これで夏のアメリカツアークラシコでは4連敗とはいえ、「バルサに負けるのはプレシーズンでも嫌だけど、cuando cuenta es durante la temporada/クアンドー・クエンテ・エス・ドゥランテ・ラ・テンポラーダ(大事なのはシーズン中だからね)」(クルトワ)というのは事実ですからね。アンチェロッティ監督も「慌てることはない。ウチは多くの選手がまだいないし、esto es para coger la forma/エスト・エス・パラ・コヘール・ラ・フォルマ(これはフォームを整えるための試合だから)」と落ち着いたもんでしたが、せめて水曜午前1時(日本時間午前8時)からのチェルシー戦ぐらいは勝っておかないと。エムバペ、ベリンガム、カルバハル、カマビンガ、チュアメニ、メンディが戻るのは帰国後になりますし、実質、今季初公式戦となるUEFAスーパーカップ、アタラタンタ戦は現メンバーで戦うとなれば、勝ち癖をつけるのも必要なんじゃないでしょうか。 2024.08.05 19:00 Mon
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スペインA代表指揮官がパリ五輪制覇のU23代表を称賛…「五輪とスペインスポーツの歴史に残る壮大な物語を生きてきた」

スペインA代表を率いるルイス・デ・ラ・フエンテ監督が、U-23スペイン代表のパリ・オリンピック制覇を称えた。『ESPN』が伝えている。 先日にユーロ2024優勝に導いたラ・ロハの指揮官は、9日にパルク・デ・プランスで行われたパリ五輪男子決勝のU-23フランス代表vsU-23スペイン代表を現地観戦し、母国の5-3の勝利を見届けた。 A代表を率いる以前はU-21スペイン代表を指揮し、2021年の東京五輪で采配を振るったものの、ブラジルに敗れて銀メダルに終わっていたデ・ラ・フエンテ監督は、1992年の自国開催となるバルセロナ大会以来、32年ぶりの金メダル獲得に輝いたサンティ・デニア監督率いるチームの偉業を称えた。 また、今大会では4位入賞に終わったものの、先の女子ワールドカップ、UEFA女子ネーションズリーグを制した女子代表、先日のU-19欧州選手権を制したU-19スペイン代表を含め、ここ最近のスペインサッカーの躍進を誇っている。 「我々は今年達成したことを自覚しておらず、スペインサッカーを十分評価していない。偏見を捨てよう。実際、これを達成するチームはほとんどない」 「また、先のU-19チーム、U-21欧州選手権準優勝…。今日達成されたことを重視しよう。これは歴史的な夜であり、我々はオリンピックとスペインスポーツの歴史に残る壮大な物語を生きてきた」 さらに、同監督は先日のユーロ制覇に続き今大会で金メダルを獲得したMFフェルミン・ロペス、MFアレックス・バエナの2選手を称賛。なお、同じ夏にユーロと五輪を制覇したのは1984年のフランス代表GKアルベール・ラスト以来、歴代2例目の偉業となった。 「フェルミンとバエナは非常に自らの力を惜しみなくチームに捧げられるプレーヤーだ」 「彼らは、素晴らしいテクニカルスタッフが指導する素晴らしいチームとともに、チームメイトと一緒にここにいたいと思っていた」 2024.08.10 17:21 Sat

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「求めていた継続性がある」負傷なく今季過ごすペドリ、幾度もの試練経て「自分に合うものを見つけた」

スペイン代表MFペドリ(バルセロナ)がコンディション維持について語った。スペイン『マルカ』が伝えた。 11月のUEFAネーションズリーグを戦うスペイン代表にも招集され、15日に行われたリーグAグループ4第5節のデンマーク代表戦に途中出場したペドリ。チームは2-1の勝利を収め、グループ首位通過を決めた。 18日にはスイス代表をホームに迎えるグループ最終節。会場はセグンダ・ディビシオン(スペイン2部)を戦うテネリフェの本拠地エスタディオ・エリオドロ・ロドリゲス・ロペスとなっている。 カナリア諸島・テネリフェ出身のペドリにとっては故郷での代表戦。前日会見に出席し、「カナリア諸島出身の3人にとって、この試合は特別なものだ」とコメントした。 一方、負傷離脱が散見されるペドリだが、今シーズンはケガなく過ごし、バルセロナでも好調のチームを支えている状況。自身の身体に向き合い続けた結果だと述べている。 「身体的に自分に合うものを見つけたし、継続性もある。今シーズンは良いスタートが切れたし、この調子が続くことを願っている」 「たくさんの試合があるけど、何よりも自分の身体を見つめることだ。手がかりを見つけるためにね。僕は自分に合うものを見つけたし、求めていた継続性がある」 2024.11.18 19:15 Mon
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UEFAネーションズリーグ(UNL)2024-25のリーグAグループ4最終節のスペイン代表vsスイス代表が18日に行われ、3-2でスペインが勝利した。 前節のデンマーク代表戦でグループ首位通過を決めたスペインは、その試合からスタメンを全員変更。[4-2-3-1]の布陣にGKレミロ、最終ラインはミンゲサやクバルシ。ボランチにファビアン・ルイス、カサドを起用し、2列目はピノ、ペドリ、ニコ・ウィリアムズ。そして前線にはモラタが入った。 一方、未勝利でリーグB降格の決まったスイスは、ドローに終わった直近のセルビア代表戦からスタメンを5人変更。GKコベルやエンボロ、オカフォーらに代えてGKムボゴやゾーム、ウグリニッチらをスタメンで起用した。 立ち上がりから相手陣内でプレーするものの、なかなか決定機まで持ち込めずにいたスペインだったが、31分に最初の決定機が訪れる。ミンゲサのロングフィードに反応したモラタがボックス右からカットインするとR・ロドリゲスに後方から倒され、PKを獲得。 キッカーのペドリのシュートはGKムボゴがファインセーブに阻まれたが、相手DFの中途半端なクリアをボックス内のニコ・ウィリアムズが右足ボレーシュート。これも相手DFに当たったが、最後はゴールエリア右手前のピノがこぼれ球をゴールに突き刺した。 両チーム選手交代をして迎えた後半、先にチャンスを作ったのはスイス。49分、自陣からのロングパスに反応したモンテイロがDFパレデスとの走り合いを制してボックス右から侵入。フリーで右足を振り抜いたが、このシュートはわずかにゴール左に外れた。 同点のチャンスを逃したスイスだったが、63分に試合を振り出しに戻す。シエロのサイドチェンジを右サイドで受けたモンテイロがドリブルでボックス内まで侵入。強引に縦へ仕掛けると、ボックス右角度のないところから右足シュート。これがGKロベルト・サンチェスの股下を抜き、ネットに吸い込まれた。 追いつかれたスペインは、すぐに反撃。すると68分にボックス左から侵入したブライアン・ヒルのクロスは相手DFにカットされたが、素早い切り替えで再びボールを奪い返したブライアン・ヒルがボックス中央左からシュートをゴールに突き刺した。 ブライアン・ヒルの代表初ゴールで再びリードしたスペインは、直後にピノを下げてサラゴサを投入。すると71分、細かな切り替えしでボックス右深くまで侵入したサラゴサの折り返しをグリマルドがダイレクトで合わせたが、これはGKムボゴのセーブに阻まれた。 その後も互いに選手を入れ替えながらゴールを目指すなか、スイスは83分にチャンス。右クロスがブロックされて浮いたボールに反応したシエロがクリアを試みたファビアン・ルイスに足を蹴られると、主審はPKを宣告。このPKをゼキリがゴール左に決めた。 このまま試合終了かと思われたが、スペインが試合終了間際に勝ち越す。90分、右サイドからドリブルで仕掛けたサラゴサがボックス右でシエロに倒されてPKを獲得。これをサラゴサがゴール左隅に決め、スペインが5連勝でグループステージを締めくくった。 スペイン 3-2 スイス 【スペイン】 ジェレミ・ピノ(前32) ブライアン・ヒル(後23) ブライアン・サラゴサ(後46)【PK】 【スイス】 ジョエル・モンテイロ(後18) アンディ・ゼキリ(後40)【PK】 2024.11.19 06:46 Tue
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王者スペインvsオランダに、イタリアvsドイツ! UNL決勝Tおよび各PO対戦カードが決定

UEFAネーションズリーグ2024-25の決勝トーナメントおよび各プレーオフの抽選会が実施された。 今月のインターナショナルマッチウィークでグループリーグの全日程が終了したなか、22日にはグループAの各グループ上位2チームが参戦する決勝トーナメントおよび昇降格を懸けたプレーオフの対戦カードを決める抽選会がスイスのニヨンで実施された。 注目のUNL準々決勝ではグループAの4グループの首位チームと2位チームが対戦するレギュレーションの中で、グループ4・首位で前大会王者のスペインがグループ3・2位のオランダと対戦。グループ2・首位のフランスはグループ1・2位のクロアチアと、グループ1・首位のポルトガルはグループ4・2位のデンマークと。グループ3・首位のドイツはグループ2・2位のイタリアとの対戦が決定した。 なお、UNLファイナルズ進出を懸けた準々決勝2試合は2025年3月20日、同23日に開催予定で、1stレグを2位チームのホームで、2ndレグを首位チームのホームで開催する。 今回決定したUNL決勝トーナメントおよび各プレーオフの対戦カードは以下の通り。 ◆UNL準々決勝 オランダ vs スペイン[1] クロアチア vs フランス[2] デンマーク vs ポルトガル[3] イタリア vs ドイツ[4] ◆UNL準決勝 [4]の勝者 vs [3]の勝者[5] [1]の勝者 vs [2]の勝者[6] ◆UNL決勝3位決定戦 [5]の勝者 vs [6]の勝者 ◆UNL3位決定戦 [5]の敗者 vs [6]の敗者 ◆リーグAvsリーグB プレーオフ トルコ vs ハンガリー ウクライナ vs ベルギー オーストリア vs セルビア ギリシャ vs スコットランド ◆リーグBvsリーグC プレーオフ コソボ vs アイスランド ブルガリア vs アイルランド アルメニア vs ジョージア スロバキア vs スロベニア ◆リーグCvsリーグD プレーオフ ジブラルタル vs ラトビア マルタ vs ルクセンブルク 2024.11.22 21:10 Fri
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スペイン代表26名発表…バルセロナの21歳カサドら3名初招集、頭部負傷モラタが選出の一方でクバルシは選外に【UEFAネーションズリーグ】

スペインサッカー連盟(RFEF)がスペイン代表メンバー26名を発表した。 11月のスペイン代表は、15日にUEFAネーションズリーグ(UNL)2024-25・グループ第5節でデンマーク代表戦(A)、18日に第6節でスイス代表戦(H)を戦う。 初招集は、アスレティック・ビルバオの24歳センターバックであるパレデス、バルセロナの21歳MFカサド。今夏チェルシー行きに迫っていたポルトの20歳FWオモロディオン。 チームリーダーのモラタは、所属するミランで練習中に頭部を負傷。少なくとも9日のカリアリ戦を欠場することが確実だが、メンバー26名に名を連ねている。一方で、直近の試合で顔面を10針縫うケガを負ったDFパウ・クバルシ(バルセロナ)は選外となっている。 そのほか、先月の代表ウィークをケガで回避したオルモ(バルセロナ)が2カ月ぶりに復帰している。 <h3>◆スペイン代表メンバー26名</h3> GK ダビド・ラヤ(アーセナル) ロベルト・サンチェス(チェルシー) アレックス・レミロ(レアル・ソシエダ) DF オスカル・ミンゲサ(セルタ) ダニ・ビビアン(アスレティック・ビルバオ) アイトール・パレデス(アスレティック・ビルバオ) アイメリク・ラポルテ(アル・ナスル) パウ・トーレス(アストン・ビラ) ペドロ・ポロ(トッテナム) マルク・ククレジャ(チェルシー) アレハンドロ・グリマルド(レバークーゼン) MF ミケル・メリーノ(アーセナル) ファビアン・ルイス(PSG) マルティン・スビメンディ(レアル・ソシエダ) マルク・カサド(バルセロナ) ペドリ(バルセロナ) ダニ・オルモ(バルセロナ) アレックス・バエナ(ビジャレアル) FW ラミン・ヤマル(バルセロナ) ミケル・オヤルサバル(レアル・ソシエダ) アルバロ・モラタ(ミラン) ニコ・ウィリアムズ(アスレティック・ビルバオ) ジェレミ・ピノ(ビジャレアル) アジョセ・ペレス(ビジャレアル) ブライアン・サラゴサ(オサスナ) サム・オモロディオン(ポルト) 2024.11.08 20:12 Fri
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スペイン代表は誰が出ても強かった…/原ゆみこのマドリッド

「便利屋チームにされているみたい」そんな風に私が不満を覚えていたのは日曜日、バリオスに続いて、ジュリアーノもアルゼンチン代表に追加招集されたと知った時のことでした。いやあ、金曜のスペイン代表デンマーク戦で負傷者が2名発生した後、U21代表のお勤め中だったバリオスがデ・ラ・フエンテ監督に呼ばれたのは、ええ、後輩たちはこの11月の2試合共親善試合で、まさに彼も金曜にジブラルタルの近くで行われたイングランド戦にキャプテンとして出場。 プレーしたのは前半だけで、試合もスコアレスドローで終わった後、ネーションズリーグ・グループリーグ最終節スイス戦が開催されるテネリフェに向かうことになったのは、U21の2試合目親善デンマーク戦が火曜だっただけに、却って早めにアトレティコに戻れて、良かったぐらいなんですけどね。10月にやはり、1戦目でジャマル(バルサ)が負傷した後、追加招集されたリケルメのように、大人の代表初招集で喜んでいるであろうバリオスには申し訳ないものの、結局、出場機会なしということも大いにありそうな。 おまけにテネリフェのあるカナリア諸島はスペイン国内のため、月曜の試合が終わった後、翌火曜にはマハダオンダ(マドリッド近郊)での練習に合流するのにもまったく支障がないんですよ。それが大西洋を渡った南米となると話は別で、いやあ、パラグアイが弟分ヘタフェのアンデレテのゴールでアルゼンチンに2-1で勝ったと聞いた時は、そのゴール力を是非とも、ボルダラス監督のチームのリーガ次節、バジャドリー戦でも役立ててほしいと真剣に思ったものですけどね。 ただ、その試合でケガしたのもアトレティコ勢で、モリーナが右太ももを痛めて代表離脱。とはいえ、全治10日とそれ程、重傷ではなく、大体がして、週末のアラベス戦は土曜のため、火曜夜のペルー戦の後、戻るのが木曜になるアルゼンチン勢は最初から、スタメン入りが難しいだろうと思われていましたからね。更にはシメオネ監督がケガ治ったジョレンテの使い場所を探しているため、モリーナは来週火曜のCL5節スパルタ・プラハ戦に備えて、しっかり回復してくれればいいだけですが、ジュリアーノが4泊5日の地球一周の旅に駆り出されたのは計算外。 だってえ、このところ、ジョレンテがいなかったせいもあって、スタメンとして使われるようになったシメオネ監督の三男はまさにチームの動力源。その活力と信念で、コパ・デル・レイ1回戦ビック(地方リーグ/実質6部)戦ではフリアン・アルバレスの先制PKゴールの元となったペナルティをゲット、ラス・パルマス戦ではアトレティコ初得点となる先制ゴール、勝利を絶望視されていたCLのPSG戦でもモリーナの同点ゴールに繋がるシュートを撃ち、更にはマジョルカ戦でもGKオブラクのロングキックを一心不乱に追って、フリアン・アルバレスの決勝点をアシストした、まさにここ4連勝の決め手となった選手ですからね。 フリアン・アルバレスやデ・パウルと違い、スカローニ監督に初招集を受けた9月の代表戦でも出番はなかったジュリアーノがペルー戦でこき使われることはないと思いますが、長旅で体調を壊したりしないかが不安かと。実際、遅く戻って来るのは火曜夜にブラジル戦があるウルグアイ代表のヒメネスも同じですが、同僚のお隣さんのバルベルデはレガネスとの兄弟分ダービーが日曜開催というラッキーさ。今回、ミリトン、ロドリゴの負傷でブラジル代表1人参加となったビニシウスも同じで、その上、レアル・マドリーはフランス代表1人参加のカマビンガも累積警告で2試合目のイタリア戦には出ずに早帰りできるとなると…何か、ちょっと不公平と思ってしまうのは私だけ? まあ、そんなことはともかく、スペインのネーションズリーグ・グループリーグ5節、デンマーク戦がどうだったかもお話していかないと。すでに10月には3月の新設準々決勝進出を決めていたせいか、今回は1日遅れの火曜にラス・ロサス(マドリッド近郊)のサッカー協会本部にチームは集合。初期リストから、足首を痛めたジャマルが落ち、ブライアン・ヒル(ジローナ)が入った後、合宿2日目にはパウ・トーレス(アストン・ビラ)も負傷による離脱が決まり、最初はCLツベルナ・ズベヅダ戦で頬に10針縫う裂傷を負ったため、招集を見送られていたクバルシ(バルサ)が追加招集に。 彼の日のクラブの先輩、ガビのように、いやまあ、彼は耳の裂傷でヘッドギア装着だったんですけどね。17才のCBもベロンと傷の上だけを覆うマスクを付けて、水木のセッションに参加していたんですが、逆に個人練習を続けていた頭部打撲のモラタ(ミラン)と急性胃腸炎を患ったファビアン(PSG)はパルケン・スタディオンでの一戦でスタメンには入らず。手首の手術から回復中のGKウナイ・シモン、ヒザの靭帯断裂で今季絶望となったロドリ(マンチェスター・シティ)やカルバハル(マドリー)もいないため、昨夏のユーロ決勝からリピートした先発選手がラポール(アル・ナスル)、ククレジャ(チェルシー)、ダニ・オルモ(バルサ)しかいないという、リフレッシュメンバーでスタートしたスペインだったところ…。 あんまり関係なかったみたいです。だってえ、開始12分にはシュートをゴールバーに当てていたアジョセ(ビジャレアル)が15分、その日、CFとして入ったオジャルサバルにエリア内右から、憎いばかりにタイミングをピッタリ合わせたラストパスを供給。そのボールを足で引いて、ゴール前からGKシュマイケル(セルティック)を破ってくれるとはまったく、見事じゃないですか。その後もアジョセやオルモが狙っていったものの、前半のうちは追加点が入らず、0-1で折り返したスペインは後半13分、3度目の正直でとうとう、アジョセが2点目をゲットすることに。 そう、この時はオルモが送ったスルーパスをエリア内から決めたんですが、何せ、勝ち点の必要度で言えば、準々決勝進出ができるかどうかが懸かっているデンマークの方が切実でしたからねえ。おまけに3000人余りのスペイン人サポーターを除き、スタジアム全部が応援してくれているとなれば、こんなにすいすい簡単にデ・ラ・フエンテ監督のチームが得点できることの方が不思議ですが、もしやこれがユーロ王者の貫禄? ただその先のスペインは不幸に見舞われて、ええ、まずは17分にアレックス・バエナ(ビジャレアル)が足首を痛めてファビアンに交代。続いて25分にも、10月から立派にロドリの代理を務めていたスビメンディ(レアル・ソシエダ)が腰を痛めてしまい、最初はオルモとアジョセをニコ・ウィリアムス(アスレティック)とモラタに代えるだけのつもりだったデ・ラ・フエンテ監督は急遽、U21から引き抜いた21才のカサドー(バルサ)をA代表デビューさせることに。更にはオジャルサバルがイエローカードをもらい、累積警告で次戦出場停止となったため、彼も負傷者2人共にこの試合後、代表を離脱することになったんですが…。 まあ、スコアの方は途中出場のイサクセン(ラツイオ)が意地を見せ、33分にゴールポストを直撃するシュートを撃ったかと思えば、38分にはビックリ仰天のファビアのバックパスミスが発生。GKダビド・ラジャ(アーセナル)の前でイサクセンにボールを奪われ、1点を返されてしまうなんてこともあったんですが、大丈夫。ウナイ・シモンが戻って来るだろう3月にも代表正GKの座を維持すべく、ロスタイムのスコフ・オルセン(クラブ・ブルージュ)のミドルシュートもラジャがparadon(パラドン/スーパーセーブ)で逸らしてくれたため、無事にスペインは1-2で勝利したんですが、え?1位突破が確定したってことは、月曜午後8時45分(日本時間翌午前4時45分)からのスイス戦は消化試合ってこと? いやあ、相手の最下位スイスの方も勝って、セルビアがデンマークに負ければ、勝ち点で3位に並べるんですが、ゴールアベレージ差が4もあるため、ほぼBリーグへの直接降格は免れられそうにありませんからね。それでもデ・ラ・フエンテ監督は、「Siempre nos jugamos algo/シエンプレ・ノス・フガモス・アルゴ(常に我々には何かが懸かっている)。スペインの名前には大きな重みと責任があるからね」と言っていたんですが、その言葉とは裏腹にデンマーク戦の翌日午前中、コペンハーゲンでやる予定だった練習はジムに置き換えられることに。 午後にはテネリフェに向かい、日曜はバレンシア洪水災害被害者への義援金集めもしたかったため、久々にエリオドロ・ロゴリゲス・ロペス(2部のテネリフェのホーム)で試合前日公開スタジアム練習を有料でしたものの、スタンドを埋めつくした6000人のファンの前で戦術的エクササイズを披露できる訳もなし。テネリフェでチームが到着するのを待っていたバリオスも他愛ないロンド(輪になって中の選手がボールを奪うゲーム)やシュート練習、3/4コートの紅白戦などを楽しんでいただけのようでしたし、やはりスイス戦はデンマーク戦に出なかった、または途中出場だった選手を中心にしたスタメンローテーションが濃厚かと。 それでも見どころはあって、何より注目されているのはカサドー同様、U21から昇格した大型FWサム(ポルト)のA代表デビュー。ええ、この夏にはバリオスと一緒にパリ五輪で金メダルを獲ってきた彼は昨季、アラベスでレンタル修行していたアトレティコ所属の選手だったんですが、当人が移籍を希望。今ではポルトガルのリーグでガンガン、ゴールを挙げているんですが、うーん、あと1本でスペイン代表歴代得点ランキング2位のフェルナンド・トーレスに並ぶモラタといい、2人共、残留していたら、先月から一緒にスペイン代表0人参加になっているマドリーに、アトレティコも少しは大きな顔ができた? 加えて今のチームにはアジョセ、ペドリ(バルサ)、ジェレミー・ピノ(ビジャレアル)と3人もカナリア諸島出身の選手がいて、とりわけテネリフェに実家のある前者2人は親族、友人等に試合のチケットをそれぞれ45枚程も融通しないといけなかったようなんですけどね。30年以上ぶりに代表戦を迎える現地のファンもかなり盛り上がっているようで、すでに満員御礼は確定。その期待に応えられるプレーを披露できるといいんですが、とにかく今はもう、各国代表に選手を派遣しているマドリッド勢のケガ人が増えないことを祈るばかりでしょうか。 2024.11.18 19:00 Mon

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