イニゴ・ペレス
Inigo PEREZポジション | 監督 |
国籍 | スペイン |
生年月日 | 1988年01月18日(36歳) |
利き足 | |
身長 | 178cm |
体重 | 74kg |
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ゴールが入れば多少の問題は凌げる…/原ゆみこのマドリッド
「もしやクロースよりナチョがいないことを悔やむべきでは?」そんな風に私が考え込んでいたのは各国代表戦週間入りした月曜日、すでにネーションリーグ16強対決の進出が決定しているスペイン代表の11月の合宿スタートが1日遅れに。ラス・ロサス(マドリッド近郊)のサッカー協会本部グラウンドでの公開練習も火曜夕方になったため、ゆっくりできたのはともかく、お昼のニュースでは土曜のオサスナ戦で負傷したレアル・マドリーの3選手のうち、いえ、前日にはミリトンが昨季靭帯断裂をした左ヒザと反対の右ヒザの靭帯断裂で今季絶望となったことがわかっていたんですけどね。左太ももをケガしたルーカス・バスケケスは全治1カ月、同様にロドリゴも全治5~6週間というのを知った時のことでした。 いやあ、頭数的に不足のないFW陣とは違い、元々、今季はヒザの靭帯断裂からのリハビリ中のアラバが戻って来るまで、CBはリュディガー、ミリトンの2人で賄い、緊急時にはチュアメニがジョブチェンジで対応というスタンスで始めたマドリーだったんですけどね。不幸はまとまってやって来るというか、現在、チュアメニはCLミラン戦で足首をネンザして、1カ月の離脱中。オサスナ戦でも完全幽霊部員化しているバジェホはアップにも出ず、21才のカンテラーノ(RMカスティージャ)、アセンシオが急遽デビューすることになったんですが、アンチェロッティ監督に彼をアンフィールドでのCLリバプール戦で先発させる勇気がある? もっと悲惨なのは右SBで、ええ、10月にカルハバルがやはり、ヒザの負傷で今季絶望となったため、ルーカス・バスケスしかいませんでしたからね。となると、この1カ月間はオサスナ戦のようにバルベルデにやってもらうか、メンディ、フラン・ガルシアと2人いる左SBのどちらかが反対サイドに回るか、それともこちらもカンテラーノを抜擢するか。よって、こんな時こそ、マルチDFのナッチョ(アル・カーディシーヤに移籍)がいれば助かったのにと思ったんですが、あれ?このケースはナッチョが2人いないといけない? どちらにしろ、まっとうなDFを補強するとすれば、アンチェロッティ監督も「Hasta el parón de Navidad hay que tirar con lo que temenos/アスタ・エル・パロン・デ・ナビダッド・アイ・ケ・ティラール・コン・ロ・ケ・テネモス(クリスマスの休止期間までは、いる者で賄うしなかい)」と言っていたように、1月に移籍市場が開くのを待つしかないんですが、まさに必要は発明の母。今は無名のカンテラーノでも実戦を重ねれば、バルサの17才クバルシや今回、スペインA代表に初招集された21才カサドーのように化けるってこともありますしね。 ただ、今季は前人未踏のSeptete(セプテテ/7冠優勝)を目指すマドリーには12月18日に今季2つ目のタイトル、インターコンティネンタルカップ(クラブW杯が2025年夏に拡大バージョンで行われるため、従来の大会の名称が変更)決勝も控えているため、それまでに頼れるDFラインを構築しないといけないのは辛いところですが…これって、撃ち勝てるチームになる以外、解決策はないかも。 そんなことはともかく、先週末のマドリッド勢のリーガの結果もお伝えしていかないと。それが何と、この13節は効率のいいチームと悪いチームがはっきり分かれてしまってねえ。先陣を切ったのは金曜試合に当たったラージョだったんですが、ラス・パルマスをエスタディオ・バジェカスに迎えた一戦では、いやまあ、前節こそ、アトレティコに負けたとはいえ、デェイゴ・マルティネス監督に代わってから、3連勝と相手が調子を上げていたせいもあったんでしょうけどね。前半6分、メトロポリターノで唯一の枠内シュートを放っていたファビオ・シウバにCKからヘッドを決められたのはまだいいとしても、どうやらこの日のラージョは撃っても撃っても入らない病にかかっていたよう。 後半17分にもCKから、今度はアリダネのヘッドオウンゴールで2点差にされると、その5分後にはフステルにも決められて0-3に。結局、前後半通じて、34本(枠内7本)もシュートを撃ちながら、得点は後半ロスタイムにデ・フルートスのシュートをマッケンナがクリアしようとして、GKシレッセンを破ってしまったオウンゴールの1点だけとは、「Ellos han sido más efectivos que nosotros/エジョス・アン・シード・マス・エフェクティーボス・ケ・ノソトロス(相手の方がウチより効率的だった)」(イニゴ・ペレス監督)どこじゃありませんって。 結局、ラージョは1-3で負けて、順位も9位から12位に落ちてしまったんですが、これってもしや12節のビジャレアル戦がバレンシア州洪水災害のせいで延期となり、コパ・デル・レイ1回戦から中9日も空いてしまったせいもあったかも。とりあえず、今は代表戦明けのセビージャ戦を目指して、この2週間でシュート精度を上げるしかありませんが、そうそう、ピミエンタ監督のチームに挑むには、今季から再び1部仲間に加わった、マドリッド南部の弟分、レガネスの試合が参考になるかも。 そう、まさしくそのセビージャを土曜の午後9時のブタルケに迎えた彼らだったんですが、うーん、その日は6本もシュートを撃ちまくりながら、ガンガン外してくれたルケバキオのおかげもあったんですけどね。チャンスらしいチャンスもなかったボルハ・ヒメネス監督のチームは0-0のままだった後半35分、予期せぬプレゼントをもらうことに。ええ、アグメがエリア内からGKにバックパスしたボールが緩かったこともあり、シセが追いかけたところ、焦ったアグメが彼を倒してしまったんですよ。 それには間髪入れず、ペナルティの判定が出て、当人はレッドカードで退場。最近、レギュラーに返り咲いた、1部昇格時のエース、ミゲール・デ・ラ・フエンテがPKを決めて、当人も嬉しい今季初ゴールを挙げると共に1-0でチームに白星も呼び込んでしまったとなれば、こんな効率的な勝利はない?おかげでレガネスは順位も14位に上がり、代表戦明けにマドリーが4年ぶりにブタルケにやって来る兄弟分ダービーにも心穏やかに挑めるようになりましたしね。ただ、1つだけ悪い知らせもあって、それは2度の接触プレーで後半22分に交代した左SBのフランケサがヒザの靭帯断裂の重傷を負ってしまったこと。幸い、こちらはマドリー程、DF陣は逼迫していないんですが、本当に最近はこの手のケガ多くてイヤですよね。 え、その負傷者続出の悲劇が起きたオサスナ戦をマドリーがプレーしたのは土曜の昼間だったんじゃないかって?その通りで、私もサンティアゴ・ベルナベウに行ったんですが、もう前半20分にはロドリゴがケガしてブライムに代わる始末。更にその10分後にはボヨモに倒されたミリトンの絶叫が響き渡り、その瞬間から、場内は最悪を覚悟することに。当人が担架退場となった後、若いアセンシオが入ったんですが、39分にもルーカス・バスケスがメディカルスタッフの手当てを要請。こちらはテーピングをして、何とかハーフタイムまではピッチで頑張ったものの、後半頭からはモドリッチが入り、バルベルデが急造右SBとして対応しています。 ただ、その一方でチームはゴール力を取り戻したようで、ええ、このところ、クラシコ(伝統の一戦)でバルサに0-4、CLミラン戦でも1-3と連敗していたマドリーですからね。守備の見直しも重要課題ではあったものの、要は敵より多く、点を取れば、問題はなかったんですが、この日は前半34分にビニシウスがベリンガムのラストパスから先制点をゲット。すると42分にはアセンシオが自陣からロングボールを送り、それを受けたベリンガムが見事なvaselina(バセリーナ/ループシュート)でGKエレーラを破ってくれたとなれば、こんなに心強いことはない? というのも移籍1年目の昨季はシーズン開幕から鬼のようにゴールを入れまくり、通算23得点という、お隣さんのエースだったモラタ(アトレティコからミランに移籍)より多かったぐらいのベリンガムでしたが、エムバペが入って、ポジションが下がった今季はこれが初ゴールでしたからね。当人も「昨季は沢山、ゴールを入れていたから、周りがザワついていた」と認めていましたが、これから追い上げてくれれば、たとえ、エムバペの爆発が多少、遅れても問題はないかと。 実際、この日も今回、フランス代表に招集されなかった代表キャプテンはここ3試合同様に不発で、シュートは撃つものの、相変わらず狙いが定まらず。後半、更に2点を追加したのもビニシウスで、16分にはGKルニンの長いゴールキックを追って、エリア内までドリブルで侵入すると、ヘレーラをかわしてゴール。23分にもボヨモがエリア前でブライムに奪われたボールをもらい、とうとうハットトリックを達成してしまうとは、もしやすでに狙いを来年のバロンドール獲得に切り替えた? 結局、そのままマドリーは4-0と大勝して、まあ、オサスナの枠内シュートが1本もなかったことから、「El equipo más ordenado, con mejor actitud, más solidarios, mejor colocados.../エル・エキポ・マス・オルデナードー、コン・メホール・アクティトゥッド、マス・ソリダリオス、メホール・コロカードス(より統制がとれて、姿勢も良くて、協調性があって、ポジショニングもより良いチーム)」(アンチェロッティ監督)になっていたんだと思いますけどね。ビニシウスによると、「Creo que la clave ha sido poder subir el ritmo de cómo jugamos/クレオ・ケ・ラ・クラベ・ア・シードー・ポデール・スビール・エル・リトモ・デ・コモ・フガモス(鍵はプレーのリズムを上げられたこと)」だそうですが、ただゴール力の改善はレガネス戦ではなく、その次のリバプール戦で証明しないといけませよね。 そして日曜にはアトレティコの番が回ってきたんですが、うーん、先週ミッドウィークにはCLのアウェイ戦でPSGに勝ったとはいえ、とにかく昨今は近所のバル(スペインの喫茶店兼バー)が彼らの試合をTV観戦するのが辛くて、辛くて仕方ない私でしたからね。その日もソン・モイシュでマジョルカ相手に専守防衛、攻撃に出る時は亀のような動きしかしないシメオネ監督のチームにイライラするばかり。前半42分にラリンのヘッドをGKオブラクがparadon(パラドン/スーパーセーブ)で逸らし、何とか0-0でハーフタイムに入ったところで、助かったとばかりにヘタフェの試合を見にコリセウムに向かったんですが…。 メトロの道々、オンダ・マドリッド(ローカルラジオ局)の中継で追っていたところ、同じメンバーでスタートした後半もしばらくは変化がなったようなんですが、どうやらPSG戦の後半ロスタイムの奇襲が成功したことにオブラクが味をしめたよう。というのも16分、マジョルカのCKからのヘッドをキャッチした彼は即座にカウンター攻撃を発動。この日は足でロングのゴールキックを送ったところ、それを脱兎のごとく追ったシメオネ監督の三男、ジュリアーノがモヒカとマッフェオに勝ってボールを取ったんですよ。最後はゴール前でフリアン・アルバレスにパスして、先制点を奪っているって、もしやこのチーム、最近一発芸に目覚めた? いえまあ、その直後に4人一斉交代を行ったアトレティコにはすぐに似たようなチャンスが巡って来て、リケルメがドリブルでエリア内に入ったものの、並走してきたコレアが目に入らず。自分で撃って、お約束通り、GKグライフに弾かれてしまったなんてこともあったんですけどね。これにはシメオネ監督も「No hay que ser egotista/ノー・アイ・ケ・セル・エゴイスタ(エゴイストになってはいけない)。自分でシュートする決断をしたが、すべきだったのは押し込める位置にいるチームメートを探すことだった」と苦言を呈していたんですが、大丈夫。 絶好調のオブラクが40分、アブドン・プラッツの1対1のシュートも弾いてくれたため、そのまま試合は0-1で勝つことができたんですが、はあ。これで一応、3位をビジャレアルから取り戻すこともできましたし、バレンシア戦の延期で1試合少ない2位のお隣さんとも勝ち点1差。日曜夜の試合でレアル・ソシエダに負けた首位のバルサとの差も7に縮まったとはいえ、あのリーガ1部のチームとはとても言い難いスローサッカーを90分間、見せられるのは苦痛以外の何物でもありませんからね。せめて代表戦明けのホームゲーム、アラベス戦では内弁慶ぶりを思う存分、発揮してほしいものです。 え、そんな突極の効率性でアトレティコが勝った後、コリセウムではまたしても非効率な弟分の試合を見ることになったんだろうって?いやあ、確かにヘタフェも8本と、10人以上の負傷者を抱える相手のジローナの3本より、シュートは多かったんですけどね。枠内に飛んだものが1つもなかったため、前半42分にブライアン・ヒルのクロスをヤンヘル・エレーラがヘッドで決めたミチェル監督のチームに0-1で負けてしまうことに。おかげで降格圏18位のエスパニョールと同じ勝ち点の17位になってしまったとあって、とうとうスタンドからは「La directive, dimision!/ラ・ディレクティバ、ディミシオン(経営陣、辞職しろ)」のカンティコまで聞こえていたんですが、こればっかりはねえ。 実際、ボルダラス監督も「私はプレシーズンから警告していた。Hacen falta seis fichajes de primer nivel/アセン・ファルタ・セイス・フィチャヘス・デ・プリメール・ニベル(一流レベルの補強が6人不足している)」と言っていたようにとにかく、ヘタフェには点を取れるFWがいませんからね。当てにしていたボルハ・マジョラルも未だに昨季のヒザの半月板損傷から、完全回復したとは言えず、この日もベンチに入っていませんでしたし、他は見習い扱いの若いベルトゥとアルバロ・ロドリゲスだけとあって、未だにボランチのウチェがCFを務めているようでは…とりあえず、この2週間はセットプレーの腕を磨いて、次節バジャドリー戦ではコリセウムのファンを喜ばせてあげられるといいのですが。 2024.11.12 18:30 Tue2
安全策を取ったはずだったのに…/原ゆみこのマドリッド
「どっちもダービー後遺症だったとか」そんな風に私が考え込んでいたのは木曜日、思惑がまったく外れたマドリッド勢のCL2節の記事をスポーツ紙で読みながら、反芻していた時のことでした。いやあ、火曜にバルサがヤングボーイズに5-0と大勝したことや、水曜の早い時間にプレーしたジローナがオウンゴール2発を献上。2-3でフェイエノールトに負けてしまったのにも驚かされたと言えば、まあ、そうなんですけどね。 それが、レアル・マドリーとアトレティコがアウェイで同時開催となった水曜夜9時には、探し回る手間を省いて、近所の行きつけのバル(スペインの喫茶店兼バー)に直行。前者のリール戦をTVで見つつ、ラジオの2元中継でベンフィカ戦の様子を伺っていたところ、まさか筋金入りのアウェイ弱者であるアトレティコのみならず、マドリーまで負けてしまうとは!うーん、確かに日曜のマドリー本家ダービーでは、結果は1-1の痛み分けだったとはいえ、途中、GKクルトワへの物の投げ込みが止まらず。15分程中断されたため、試合が終わったのも午後11時半頃と、リーガ戦にしては遅かったなんてことも。 実際、シメオネ監督が「挑発したクルトワも処分を受けるべき」といった発言が巻き起こした論争や、まさに水曜当日、競技委員会から下された、fondo sur/フォンド・スール(南側ゴール裏)のフレンテ・アトレティコ(ウルトラグループ)が陣取る区画を3試合閉鎖という処分などで、後を引いていたのはアトレティコの方だったんですが、もしやマドリーにも影響があった?どちらにしろ、アンチェロッティ監督も「Golpe de atención. Autocrítica. Esto viene bien para mejorar/ゴルペ・デ・アテンシオン。アウトクリティカ。エストー・ビエネ・ビエン・パラ・メホラル(注意喚起の一撃。自己批判。改善するためにはいいことだ)」と言っていたように、ええ、CL3連覇したジダン監督時代だって、グループリーグで3節まで勝利がなく、決勝トーナメント進出を不安視されていたシーズンもありましたからね。 今は36位チーム中17位と、16強対決に直接進める8位以上からは遠くても、最後は辻褄を合わせちゃうような気がしますが、同じ2試合で勝ち点3ながら、23位となったアトレティコは別の話。というのも、同じく毎回、毎回、こちらも反省の弁は聞くものの、昨季から続くアウェイで力入らずの現状が一向に改善の兆しを見せていないから。 そう、残り6試合、3試合のアウェイ戦全敗ということも考えて、ホーム全勝の勝ち点12となっても8位以上は夢のまた夢。それでも24位以上になれて、決勝トーナメント進出プレーオフに出られることを祈るしかありませんが…マドリーを破って気勢上がるリールとの3節、そして7節にはブンデスリーガ王者のレバークーゼンも来るとなると、メトロポリターノでも満願達成するのは難しいかもしれませんよ。 え、それで肝心の試合はどんなだったのかって?そうですね、とりあえず、アトレティコの方からお伝えしてくことにすると、予定ではオンダ・マドリッド(ローカルラジオ局)の詳しい2元中継を当てにしていたものの、今節はメイン周波数でマドリーの実況、サブの方にアトレティコの実況という新機軸に。しかもそちらは電波が弱いのか、バルの中では音声がほとんど入らず、仕方なく、全国放送の大手ラジオが6対4ぐらいの割合でリールとリスボンを行ったり来たりしていた中継を聴いていたんですけどね。もう序盤からGKオブラクがparadon(パラドン/スーパーセーブ)を余儀なくされているとはまったく、心臓に悪い。それこそル・ノルマンがダービーでチュアメニと頭をぶつけ、このベンフィカ戦遠征に参加できなかったことを悔やむしかなかったんですが…。 とはいえ、アトレティコの呆け呆け守備はDFだけの問題ではなく、ええ、早くも前半13分にはレイニウドが自陣エリア内でクリアしそこねたボールをコケが遠ざけようとして、あろうことか、目の前にいた敵のアウルスネスにパス。そこから、アクトゥルコールに繋がれ、先制点を奪われてしまうって、もしやリーガのアウェイ戦ではたらたらしてても、アスレティック戦やセルタ戦など、相手も点を取れず、スコアレスドローで終盤まで持ちこたえられたのに胡坐をかいていた? 33分にはジョレンテが負傷。モリーナと交代するアクシデントなどはあったものの、ディ・マリアとの1対1をオブラクが防いでくれたこともあって、何とか1-0のままでハーフタイムに入ることはできたんですけどね。それが、この日はラージョ戦では功を奏した後半頭から、3人一気替えもどこかチグハグでねえ。だってえ、いくら前半パッとしなかったからって、グリーズマン、コケ、デ・パウルの重鎮3人をセルロート、ギャラガー、そしてカンテラーノ(Bチームの選手)のセラーノに代えちゃったんですよお。 まさに新たにピッチに入ったMF2人がやらかしてくれたのは後半7分のことで、ええ、エリア内にボールを持って入ったパブリディスを囲んだのはいいものの、近すぎてギャラガーは相手の足を踏んでしまうわ、更にヒメネスまで踏んでいるって、一体、何考えている?当初こそ、主審にスルーされたものの、VAR(ビデオ審判)注進が入り、モニターチェックでペナルティとなってしまったって、そんなの自業自得ですよ。 いやあ、そのPKを決めたのが元マドリーのディ・マリアだったせいもあったんでしょうかね。どうやら、2点差にされて、改めてダ・ルスが2014年CL決勝後半ロスタイム3分、セルヒオ・ラモス弾で追いつかれ、延長戦でボロ負けして、Decima(10回目のCL優勝のこと)をお隣さんに贈った元の悪いスタジアムだったことをシメオネ監督も思い出したよう。 というのも、どうもこの時点で彼は勝負を投げてしまったような感じもして、だってえ、15分にはもう、フリアン・アルバレスを下げて、自身の三男、ジュリアーノを入れ、交代枠を使い切っているんですよ。とはいえ、30分にCKから、フリーのバーにヘッドで3点目を決められたのは別にそのせいではなく、相変わらず、アトレティコのセットプレー守備がザルだったためですが、更に39分には再び、レイニウドがアムドゥニをゴール前で倒してPKを献上。そのPKもコクチェに決められて、枠内シュートが1つもないまま、最後は4-0の大敗で終わり、ええ、それすら御の字で、オブラクがいなければ、10点ぐらい取られていたんじゃないかと思える程、最低の試合をされてはねえ。 それでもシメオネ監督に言わせると、「No hubo falta de actitud ni de tensión, sólo jugamos mal/ノー・ウボ・ファルタ・デ・アクティトゥッド・ニ・デ・テンシオン、ソロ・フガモス・マル(試合に対する姿勢が悪かったのでも、緊張感が欠けていた訳でもない。プレーが悪かっただけ)」だそうなですけどね。さすがにこうまで、アウェイ弱者ぶりを徹底して見せられると、「Pienso en positivo y pienso que es una oportunidad para seguir mejorando/ピエンソー・エン・ポシティボ・イ・ピエンソー・ケ・エス・ウナ・オポルトゥニダッド・パラ・セギール・メホランドー(自分はポジティブに考えて、改善し続けるチャンスだと思う)」という指揮官の言葉を信じるのもそろそろ、限界ですよね。 とまあ、こんなアトレティコの惨劇をライブで目撃することが避けられたという点では、私がマドリーを見ることにしたのは正解だったんですが、余裕の勝利を楽しもうという目論見も外れちゃったんですよ。そう、試合前は1年前にマドリーを退団して、現役からも退いたエデン・アザールが台頭したクラブというぐらいしか、話題がなかったリールなのに、アンチェロッティ監督のチームはなかなか点が取れず。 いえ、序盤にはビニシウスやベリンガムが決められなかったり、14分には背筋痛でベンチとなったロドリゴの代わりに移籍後、初先発。18才のエンドリックもドリブルで上がって、シュートをGKシュバリエに弾かれてしまったなんてこともあったんですけどね。マドリーが実力を出すのは後半だからと、最初は私もあまり気にしていなかったところ…。 ダービーで負傷したクルトワに代わり、久々にゴールを守ったGKルーニンもディビッドの2度撃ちシュートを両方共弾くなど、しっかりしていたため、ハーフタイム間近の44分、シュゲロバの蹴ったFKにカマビンガが手に当ててしまったのが、後追いVAR判定でペナルティに。ディビッドのPKで先制された時も、却って、これでマドリーのremontada(レモンターダ/逆転劇)精神に火が点くに違いないと確信していたんですが、とんでもない。 後半頭からメンディをフラン・ガルシアに代え、12分にはもう、ミリトンとエンドリックから、モドリッチと1週間前のアラベス戦で負傷して、全治3週間と言われながら、超特急で回復してきたエムバベを投入したアンチェロッティ監督だったんですが、どうにもリールの堅固な守備を破れなくてねえ。40分過ぎにはとうとう、土壇場の猛ラッシュが始まったんですが、ベリンガムのゴール前からのシュートも、リュディガー、ギュレルのヘッドもシュバリエに弾かれてしまってはどうしようもありませんって。 結局、そのまま試合は1-0で終了です。いやあ、せっかく昨季の鬼門、唯一の黒星となったメトロポリターノでのダービーを引分けでやり過ごしながら、今年の1月18日、コパ・デル・レイ準々決勝での敗戦以来となる36試合ぶりの黒星をリールに喫してしまうとは、まさに皮肉。要は今季のマドリーがまだ完璧ではないということでしょうが、それでもCL3、4節はドルトムント、ミランをサンティアゴ・ベルナベウに迎えるホームゲーム。その前には10月の各国代表戦によるparon(パロン/リーガの停止期間)もありますしね。せっかく弟のエタンのいるリールへの遠征に間に合いながら、ピッチでは大したことができなかったエムバペもその頃にはまた、ゴールづいてくれるのではないかと。 え、でもその前に7連戦最後のリーガ9節がこの週末に迫っているんじゃないかって?その通りで、折しも木曜にはデシャン監督が、ケガを治さないといけないという理由で10月はエムバペを招集免除にしたことを発表。それだけに、果たして土曜午後9時(日本時間翌午前4時)からのビジャレアル戦で彼がプレーできるのか、わからないんですけどね。リール戦を打撲で途中交代したミリトンは木曜には普通にバルデベバス(バラハス空港の近く)での練習に参加しており、頭数不足のCBは心配ないんですが、この試合の懸念は、今季は珍しく、ビジャレアルがヨーロッパの大会フリーのチームだということ。 たとえ、ベルナベウ開催とあっても休養十分の相手を前にすれば、フィジカル負けしてしまうこともありますからね。未だにブライム、セバージョスらが回復しておらず、ローテーションもなかなか難しいとあって、アンチェロッティ監督もスタメン選びには苦労しそうですが、その点、ツイているのはアトレティコの方。ええ、サン・セバスティアン(スペイン北部のビーチリゾートタウン)でのアウェイ戦だということを除けば、日曜午後9時からの相手のレアル・ソシエダは木曜にELアンデルレヒト戦をプレーして、おまけに1-2で負けるというショックを受けていますからね。 中1日多いアトレティコが体力的には有利なはずですが、木曜にはジョレンテが右太ももの負傷で全治3週間と判明。ル・ノルマンも頭部のケガなだけにまだ様子見ですし、そろそろバリオスは戻って来られそうなのだけが頼りですが…何より先日、フランス代表引退を表明したグリーズマンがこの先2週間、ゆっくり休めることを励みに古巣への恩返しに張り切ってくれたら、助かりますよね。 そして今週はミッドウィークに試合がなかった弟分たちは、まずは金曜にレガネスがバレンシアをブタルケに迎えて9節の先陣を切るんですが、ボルハ・ヒメネス監督のチームはここ、2試合のダービーラッシュでヘタフェ、ラージョと連続ドロー。そろそろ、今季2勝目を挙げて、ホームのファンを喜ばせてあげたいところですが、相手が降格圏の18位と不調なのがいいチャンスになるかも。今のところ、頼りになるアタッカーがファン・クルスしかいないのは何ですが、早くハラーのゴールも見てみたいものです。 一方、土曜試合組なのが弟分の古株2チームで、ヘタフェはコリセウムでのオサスナ戦。いえまあ、相手は前節、バルサに4-2と勝利して、注目を浴びているんですが、それはホームのエル・サダルでの話ですからね。アウェイではラージョに負けているところも私は目撃していますし、先週末のアラベス戦で今季初勝利、ようやくボルハ・マジョラル、アルバロ・ロドリゲス、ベルトゥとCFも3人揃い、降格圏も脱出したボルダラス監督のチームが勝ち癖をつけるには、ここでガツンと行くしかないかと。 ラージョの方はアウェイのバジャドリー戦で、こちらも降格圏19位の相手なんですが、イニゴ・ペレス監督のチームも現在、3連続引分け中でねえ。それでも9位と弟分中、最高位にいるだけに、弱い訳ではないんですが、注目どころはやはり、ハメス・ロドリゲスがいつ本格的な稼働状態になるのかどうか。ええ、来週は彼もまた、コロンビア代表のお勤めが待っているはずですからね。何はともあれ、これで連戦続きの3週間が終わるのには、私もちょっとホッとしています。 2024.10.04 20:00 Fri3
弟分たちは頑張ったのに…/原ゆみこのマドリッド
「大人気ないというか何と言うか」そんな風に私が呆れていたのは月曜日、お昼のニュースでレアル・マドリーがバロンドール表彰式をボイコット。バルデベバス(バラハス空港の近く)での練習後、ペレス会長を筆頭に男子バロンドール候補30人リストに名のあるビニシウス、ベリンガム、バルベルデ、リュディガー、カルバハル、エムバペ、最優秀監督候補のアンチェロッティ監督、コパ(若手最優秀賞)候補のギュレル、ヤシン(最優秀GK賞)候補のルニンら、大所帯でパリにチャーター便で乗り込む予定だったのを急遽、キャンセルしたという報を知った時のことでした。 いやあ、今年のバロンドールに関しては、何故か先週中にはビニシウスに確定という流れになっていて、はて、表彰式当日までわからないんじゃなかったのかと、私も不思議に思っていたんですけどね。とはいえ、スペインのマスコミ全てがそう言っているのだから、きっと何か理由があるんだろうと、深くは考えなかったところ、いよいよ当日になって、ビニシウスではなく、ロドリ(マンチェスター・シティ)が本命という情報が。それで同僚のカルバハルならともかく、他チームの選手を選ばれたことに憤慨したクラブが式典のドタキャンを決定したらしいんですが、いや、少し前なら、メッシ(インテル・マイアアミ)とクリスティアーノ・ロナウド(アル・ナスル)が会場で、並んで発表を待っている光景が普通じゃなかった? おかげで夜の表彰式では、マドリーが選ばれた最優秀チーム賞、アンチェロッティ監督が選ばれた最優秀監督賞を誰もステージで受け取る者がいないという、前代未聞の光景が繰り広げられることになったんですが、まあ、そんなことはともかく、今はマドリッド勢の弟分たちは大健闘、兄貴分らは情けなかったリーガ11節の結果をお伝えしていかないと。先週末はホームゲーム集中ターンに当たったため、私も土日と出動することになったんですが、最初に向かったのはエスタディオ・バジェカス。 いやあ、それがいきなり波乱の展開で、他の弟分に比べると、上の方にいるラージョがアラベスを迎えたこの試合、前半22分にトニ・マルティネスをハードなタックルで倒して、イエローカードをもらったCBムミンが、最悪なことに、VAR(ビデオ審判)判定でカード色が変わり、退場させられてしまうという逆境に襲われことに。それでもイニゴ・ペレス監督は代わりのCBを入れず、ボランチのバレンティンを下げて対応していたんですが、相手のアラベスはここ4連敗と絶不調中でしたからね。 GKバタジャのparadon(パラドン/スーパーセーブ)などで何とか、後半30分過ぎまで0-0をキープしたところ、何と交代出場組のエンバルバが同グンバウにパスを送り、彼のエリア前からのシュートがゴールバーを直撃。落ちて来たボールがGKシベラの身体に当たり、ゴールになってくれるとは、こんなラッキーなことがあってもいい? そのまましっかり1-0をキープして、念願の今季ホーム2勝目を手に入れ、ファンと「Vida de pirata(ビダ・デ・ピラータ/海賊人生)」を歌って、久々にお祝いすることができたラージョは、いえ、順位は9位と変わらなかったんですけどね。5~7位のヨーロッパ大会出場圏順位まで、勝ち点2差と急接近。イニゴ・ペレス監督は、「Yo intento no mirar la clasificación, la puntuación. 40, 43 es el objetivo/ジョ・インテントー・ノー・ミラール・クラシフィカシオン。クアレンタ、クアレテタイトレス・エス・エル・オブヘティボ(自分は順位表を見ないようにしている。40、43ポイントが目標だ)」とあくまで、残留確定優先を強調していたものの、これでまた、バジェカスのファンの夢も大きく膨らむ? ええ、下を見る必要がないおかげで、今週から始まるコパ・デル・レイ1回戦、火曜のビジャムリエル(地方1部リーグ)戦でも余裕で、これまであまりプレーしていないハメス・ロドリゲスやトレホ、そして未だに出場していないRdT(ラウール・デ・トマス)らを試すことができますし、土曜のアウェイゲーム、ビジャレアル戦にも自信を持って挑めるかと。おかげでその日は私も、クラシコ(伝統の一戦)の予想記事では、僅かにマドリー優勢の意見が多かったのもあって、気分を高揚させたまま、サンティアゴ・ベルナベウに向かったところ…。 うーん、先週火曜のCLドルトムント戦に続き、今度はスタンド全面がモザイクで覆われて始まった試合だったんですけどね。序盤から、勢いよく攻めていくホームチームにいつゴールが入るか、スタンドも期待でウズウズしていたんですが、それがあれ?となってきたのは、15分にGKイニャキ・ヘニャに止められたベリンガムのシュートや19分にビニシウスが外したシュートがオフサイドだったとわかった頃からだったでしょうか。極め付きは31分で、ルーカス・バスケスのパスから、とうとうエムバペがゴールをゲット。自慢の音響装置と天井吊り下げ360度大型スクリーンで大々的に祝った後、VAR通信により、これもオフサイドでスコアに上がらないって、どういうこと? 要はバルサのフリック監督の作戦にはまってしまったんですよ。ええ、後でイニゴ・マルティネスも「el Madrid lo que tiene bueno es la contra... Hemos estado bien tirando la línea/エル・マドリッド・ロ・ケ・ティエネ・ブエノ・エス・ラ・コントラ…エモス・エスタードー・ビエン・ティランドー・ラ・リネア(マドリーの長所はカウンター…ウチは上手く守備ラインを引くことができた)」と言っていたんですけどね。最初からかなり高い位置にいたバルサのDFたちによる完璧なオフサイドトラップにしてやられ、マドリーはこの試合、オフサイドを12回も犯すことに。うち8回がエムバペのものとなると、ラジオの実況や解説がこぞって、「モラタ化している」と嘆いていたのも納得ですが、いや、モラタだって、1試合にここまでのオフサイドはしませんって。 ただ、それで点が取れないだけならば、まだ良かったものの、デ・ヨングが入った後半にはバルサの主砲が爆発。そう、9分にはカサドーがセンターサークスから出したスルーパスに抜け出し、レバンドフスキがエリア前からGKルニンを破ると、その2分後にも今度はバルデのクロスをミリトンとリュディガーの間で悠々ヘッドして、2点目をゲットされていてはねえ。ようやくアンチェロッティ監督がチュアメニを下げ、モドリッチを入れた後の21分に決まったエムバペのゴールはまたしてもオフサイドでしたし、もしやレバンドフスキがそれから2度もエリア内からの絶好のチャンスに外していなければ、あっという間に大量得点差をつけられていた? ま、結局はそうなるんですけどね。ええ、この時点ではまだ、2点差を引っくり返したドルトムント戦の例も記憶に新しかったですし、ファンも決して希望は捨ててはおらず。それがようやく負傷の治ったブライムが投入された直後の32分にも、ラフィーニャからパスを受けたジャマルに決められてしまっては。これで3点差にしたバルサは、39分、今度はラフィーニャがvaselina(バセリーナ/ループシュート)で止めの4点目も追加と、これでは根性のremontada(レモンターダ/逆転劇)を期待していたスタンドだって、どんどん空になっていきますって(最終結果0-4)。 うーん、確かにマドリーはドルトムント戦でGKクルトワが負傷し、ルニンと代わっていたというのもあるんですけどね。ただ、アンチェロッティ監督も「El problema es que cuando encajas dos goles arriesgas/エル・プロブレマ・エス・ケ・クアンドー・エンカハス・ドス・ゴーレス・アリエスガ(2失点して、危険を犯して攻めないといけないのが問題だった)。それをカウンターが得意なチーム相手にやると、普通より危ないのは当然だ」と言っていたように、4点も取られてしまったのは仕方ない面もあったかと。それより、失望させられたのはオフサイドでない時ですら、エムバペのシュートがことごとく、決まらなかったことの方。 加えて、ジャマルやラフィーニャのゴールに怒った1階席のファンが人種主義的野次を飛ばして問題になったり、ビニシウスはビニシウスで、manita(マニータ/5本指をヒラヒラさせて、5得点を自慢した)往時のカンテラーノの大先輩、ピケじゃあるまいし、残り3分に入ったガビが指で4-0という仕草をするのに激高。一気触発だったなんてこともありましたからね。幸い、それ以上の騒ぎは起こらず、バルサはベルナベウのロッカールームで宿敵相手の勝利を盛大に祝った後、あっさり帰って行ったんですが…はあ。 何せこれで、首位バルサとマドリーの勝ち点差は倍増して、6になってしまいましたからね。もちろん、アンチェロッティ監督は「Salimos muy bien de la última derrota en Liga en el derbi del año passado/サリモス・ムイ・ビエン・デ・ラ・ウルティマ・デロータ・エン・リーガ・エン・エル・エル・デルビ・デル・アーニョ・パサードー(ウチはリーガで負けた最後の試合、昨季のマドリーダービーから上手く立ち直った)。今も同じことをやるだけだ」とアトレティコに負けた後、ほぼ1年間の無敗を継続。リーガとCLのダブル優勝を遂げた経験から、決してサジは投げていないとはいえ、とにかく現在は負傷者もあって、守備陣が手薄ですからねえ。 未だにギャラクティコ補強のエムバペも上手く機能しているとは言えず、堅守で零封もできないとなると、ちょっと辛いものがありますが、とりあえず、1月にスペイン・スーパーカップがあるおかげで、コパ1回戦免除となる彼らは、今週はミッドウィークフリー。早いところ、ビニシウスのバロンドール落選ショックも乗り越えて、週末土曜のバレンシア戦に備えたいところですが、その先にはCL4節ミラン戦があるのもちょっと、ファンにとっては不安かもしれませんね。 そして翌日曜には午後2時のセルタ戦を見にブタルケに足を運んだんですが、ええ、前節の兄弟分ダービーではメトロポリターノでアトレティコに3-1の逆転負けと、気の毒な目に遭っていたレガネスでしたからね。ホームファンの前で面目躍如してくれるのを私も願っていたんですが、残念ながら、前半は大したことも起こらず、0-0で終了。でも、ボルハ・ヒメネス監督が先発したハラーとシセに代え、ミゲール・デ・ラ・フエンテとブラサナツを早くも後半9分、ピッチに送り出したのが功を奏したんです。 そう、14分にはミゲールがモリバスからボールを奪って上がると、ラバにパス。最後はディエゴ・ガルシアが決めて、昨季の1部昇格主力トリオで先制点を挙げてしまったから、ビックリしたの何のって。とりわけ、これが1部初ゴールとなるカンテラーノ(下部組織出身の選手)のディエゴにとっては嬉しい得点だったかと。おまけに37分には再び、ミゲールがエリア前までボールを運び、今度はブラサナツにラストパスを送ったところ、今年の1月に出戻りしたMFがクルリと1回転して、2点目を決めているとなれば、いくら前節のマドリー戦で出場停止だったイアゴ・アスパスが戻っているセルタでももうお手上げでは? 実際、レガネスはその5分後にもファン・クルスのクロスをキャプテンのセルヒオ・ゴンサレスがヘッドで決め、3-0のスコアでとうとう、こちらも今季ホーム2勝目を挙げたんですが、おかげで降格圏ギリギリだった順位が14位まで上昇したこと。いえ、まだ18位とは勝ち点差2しかないんですが、再昇格1年目の彼らにしてみれば、上々の部類の出だしですからね。今週は水曜にコパのルセナ(RFEF3部/実質5部)戦が入るとはいえ、この白星のおかげで、土曜のモンティリビでのジローナ戦にも勇気を持って挑めそうなのは有難いかと。 一方、日曜はお隣さんのヘタフェも続く時間帯にコリセウムでバレンシア戦となったんですが、いやあ、車で10分の距離は、車がないと遠くのメトロ駅まで歩いての30分以上になるんですよ。更にその後にはアトレティコのアウェイ戦も控えていたため、この日は梯子を遠慮した私だったんですが、ブタルケからセントロ(市内中心部)に戻り、近所のバル(スペインの喫茶店兼バー)に着く頃には嬉しいニュースが届くことに。いえ、ヒザの半月板損傷の重傷から復帰し、数試合出た後、また脚を痛めたエースのボルハ・マジョラルはこの日もお休みだったんですけどね。 おまけに彼らは前半36分、CKからバレネチェアに決められて、ずっと0-1と負けていたんですが、リードしてから、守りに徹していた相手を根気良く攻めていたのが報われて、前節ビジャレアル戦同様、起死回生のペナルティをゲット。ニヨムのパスがエリア内でカウフリエスの腕に当たったプレーがハンドとなり、再びアランバリがPKを決めて、土壇場で1-1の同点に追いつくとは偉いじゃないですか。そう、今は決定力のあるFWがいないヘタフェですからね。今は若いベルトゥやRMカスティージャからレネタル修行に来たアルバロ・ロドリゲスが成長するのを待ちつつ、昨季のサラ(スペイン人選手の得点王)が完全復帰してくれるのを祈るばかり。15位と降格圏とちょっと離れられたのを励みに、木曜のコパのマニセス(地方リーグ)、来週月曜のセルタ戦と乗り切っていくしかないかと。 そしてとうとう、アトレティコの恐怖のアウェイゲームが始まったんですが、いやあ、今節のベティス戦はもう、見慣れていたはずの私でも最高に酷く感じる試合だったんですよ。だってえ、開始4分にアブデのシュートをヒメネスがクリアしようとして、オウンゴールになってしまったのはともかく、それ以降のシメオネ監督のチームは完全崩壊としか言えないような状態に突入。それこそ、3度もパスが続かないどころか、レイニウドを始め、敵に目掛けてパスを出す選手が続出し、気がつくとベティスがシュートを撃っているって、もしかして先週、CLリール戦に負けてから、彼らはまったく練習してなかった? ただ、相手のベティスもアブデを始め、チミ・アビラ、ヒトール・ロッキもシュート精度が悪く、追加点が入らなかったのが救いだったんですが、後半頭から、シメオネ監督はレイニウドとギャラガーに代えて、ガランとセルロートを投入。するとようやく、フリアン・アルバレスも敵エリアに近づけるようになり、7分には強烈なシュートも放ったものの、GKルイ・シウバに弾かれてしまっては。それどころか、19分にはアブデとフォルナルスのシュートが連続してゴールバーを叩いた後、フォルナルスの頭の位置まで足を上げてクリアしたガランにペナルティの笛が吹かれ、ドッキリさせられるなんてことも。 その時はVARが味方してくれて、PK献上には至らなかったんですが、その後入ったコレアのシュートも複数回、ゴール枠に嫌われてしまう始末。結局、オウンゴールの1点で負け、とうとう首位バルサとの差が勝ち点10になってしまったとなれば、もう今季のリーガは終わった?いやもう、この惨状には「El entrenador no ha logrado dar a los jugadores lo que necesitaban para este Partido/エル・エントレナドール・ノー・ア・ログラードー・ダル・ア・ロス・フガドーレス・ロ・ケ・ネセシタバン・パラ・エステ・パルティードー(監督がこの試合で選手たちに必要なことを伝えられなかった)」とシメオネ監督も俯くばかりだったんですけどね。 とはいえ、ボールをキープするエネルギーもない選手たちをどう指導したらいいかなんて、誰にもわかりませんし、大体がして、昨季から続いているアウェイ弱者状態をまったく改善できないとなると、もう手の施しようがないような。ええ、今週木曜のコパ1回戦も相手は地方リーグのビックとはいえ、アウェイですしね。ここで呆気なく敗退して、CLリーグフェーズも年内に敗退確定。更には日曜のラス・パルマス戦でも今ではもう、難攻不落とは言えなくなったメトロポリターノで負けて、勝ち点2差に迫られてしまった、5位と6位のビジャレアル、ベティスに追い抜かれるような破目になったら…2011年にマンサーノ監督が解任されて以来、無縁になっていたはずのアトレティコ恒例、真冬のクライシスが再びやって来そうで、ちょっと怖いです。 2024.10.29 19:00 Tue4
スペイン代表のプレシーズンも終わった…/原ゆみこのマドリッド
「メルヘンユニでも弱くはないのよね」そんな風に私が頷いていたのは火曜日、またTVで流し見していたU21ユーロ予選でスペインがハンガリーにロベルト・ナバロ(マジョルカ)のゴールで0-1と勝利。10試合中7試合目にして、早くも2025年の本大会の切符を掴むのを見た時のことでした。いやあ、確かにこの夏のパリ五輪を制したU23代表も何故か、フランスの地では第2ユニのレモンイエローを着用してプレーする試合が多かったんですけどね。金メダリストであるクバルシ(バルサ)やサム(アトレティコからポルトに移籍、昨季はアラベスでプレー)、トゥリテンテス(レアル・ソシエダ)、イトゥルベ(アトレティコB)、ディエゴ・ロペス(バレンシア)、ファンル(セビージャ)らにもっと若いメンバーを加えた、五輪の指揮官でもあったサンティ・デニア監督の率いるチームはサクサク、2連勝で目的を果たすことに。 まあ、その出場権獲得祝いに加われなかったバリオス(アトレティコ)の話はまた後ですることにして、まさに頼もしい後輩たちですが、この9月代表戦は兄貴分たちもアウェイ戦が2試合続き、うーん、こちらはネーションズリーグ同グループの他3チーム、セルビア、スイス、デンマークも揃って、第1ユニが赤いというのもあるんですけどね。パステル調の色だけでなく、シャツの背中の首のところ付いている、赤いカーネーションを見る度、私もこんな可愛いユニでプレーして、敵に舐められるんじゃないかと思ったもの。それこそ先週木曜のグループリーグ初戦、セルビア戦でスコアレスドローした際など、7月に12年ぶりに戴冠したユーロのせいで、王者呆けしちゃったのかと恐れもしたところ、全然大丈夫。というのも…。 そう、日曜にジュネーブで2節のスイス戦に挑んだスペインA代表だったんですが、実は試合前はセルビア戦で足首に重度のネンザを負ったオジャルサバル(レアル・ソシエダ)が離脱していただけでなく、ダニ・オルモも打撲のせいで、プレーできないという逆境が発生。モラタ(アトレティコからミランに移籍)も負傷中で招集されていなかったこともあり、ゴール不足が懸念されていたんですけどね。蓋を開けてみれば、ええ、シメオネ監督もよく、「La pelota no quiso entrar/ラ・ペロータ・ノー・キソ・エントラル(ボールがゴールに入りたがらなかった)」と言い訳しているように、セルビア戦は本当に撃っても撃っても入らない日だっただけなのが判明したんですよ。 何よりの大当たりだったのは、デ・ラ・フエンテ監督がセルビア戦のアジョセ(ベティスからビジャレアルに移籍)から、CFをホセル(レアル・マドリーへのレンタルが終わってアル・ガラファに移籍)に変えたことで、早くも3分にはシュート。これは代表引退をしたゾマー(ミラン)の後を継いだGKコベル(ドルトムント)に弾かれてしまったものの、それから1分もしないうち、エリア内右奥からのジャマル(バルサ)のクロスをヘッドでジャストミートとは頼もしい。そのボールはコベルが弾いたものの、ゴールラインを越えていたことがVAR(ビデオ審判)で確認され、先制点となってくれたから、驚いたの何のって。 それでも初戦のデンマーク戦で2-0と負けていたスイスは同胞の熱い応援を受けて、すぐに反撃を開始。ユーロの後、ゾマー以外にもファビアン・シェア(ニューキャッスル)、ジェルダン・チャチリ(バーゼル)らも代表引退、その日は直前の試合で退場したグラニト・ジャカ(レバークーゼン)も出場停止だったにも関わらず、7分にはエンボロ(モナコ)のアシストでオメラジッチ(モンペリエ)にGKダビド・ラジャ(アーセナル)が破られているって、どういうこと?いえ、この時はプレーの起点でフロイラー(ボローニャ)の手にボールが当たり、ハンドのファールでゴールは認められなかったんですけどね。 実際、この試合の前半は波乱続きで、いえ、13分にニコ・ウィリアムス(アスレティック)のシュートがコベルに弾かれた後、エリア内に駆けつけたファビアン(PSG)が撃ち込んで、スペインは2点目をゲット。セルビア戦の精度のなさは一過性だったことを証明してくれたのは良かったですよ。それが21分、カウンターで抜け出したエンボロを追ったル・ノルマン(アトレティコ)が相手を力づくで止め、最後のDFのファールということで、レッドカードを出されてしまうとは、これ如何に。最初はエンボロがオフサイドだった可能性もあったため、私もすがるような思いで、VAR判定を待っていたんですが、そうは問屋が卸しません。 結局、オフサイドはなく、ル・ノルマンは退場に。いえ、アトレティコ的には代表2試合フル出場とならず、体力を温存できたのは有難いんですけどね。この試合の後半にイエローカードをもらい、累積警告となったカルハバル(マドリー)と共に、彼も10月最初の1試合は出場停止になるため、スペイン代表から、マドリッド勢が消滅してしまう危険もなきにしろあらず。まあ、そんな心配はもっと先にすればいいんですが、すぐにデ・ラ・フエンテ監督はペドリ(バルサ)を下げ、CBビビアン(アスレティック)を入れたとはいえ、残り70分以上、数的劣勢でプレーしなければいけなくなったスペインが持ち越えたのかというと…。 それが雨がザーザー降っていたスタッド・ドゥ・ジュネーブで、耐えちゃたどころじゃなかったんですよ。いえ、41分にはエンボロがヘッドで繋いだボールをアムドゥニ(ベンフィカ)にゴールに蹴り込まれ、1点差に迫られて、ハーフタイムに入ったスペインだったんですけどね。更に後半3分はやはりCKから、アンドゥニにヘッドされ、そのボールをビビアンがクリアし損ねて、オウンゴールに。その時は幸い、バルガス(アウクスブルク)のCKの軌道がゴールラインを越えていたおかげで命拾いという幸運に恵まれたんですが、10人で何とか、やりくりしていたスペインに再び、火が点いたのは残り15分となってからのことでした。 そう、後半頭から、「とても要求の高い前半のせいで疲れ果てていた」(デ・ラ・フエンテ監督)ジャマルとバトンタッチしたフェラン・トーレスが、バルサの先輩としての矜持を見せてくれたんですよ。32分にはGKラジャのロングキックを追って、敵エリアの右側からファビアンにキラーパス。これをユーロでも2得点を挙げているMFがゴールに変えると、その3分後にはまたフェランがホセルのスルーパスからドリブルで上がり、今度は自分で4点目を挙げてしまったとなれば、もう恐れるものは何もない? そのまま、1-4で勝利したスペインだったんですが、この日の彼らの冴えぶりはデータからもわかって、21本も撃ちながら、ゴールがまったく入らなかったセルビア戦と違い、合計9本のシュートで枠内が8本も。この勝利でようやく、代表もプレシーズンが終わったと言っていいかと思いますが、いやあ。次回は1カ月先の10月12日、2連勝で首位に立っているデンマークをムルシアのエンリケ・リコに、その3日後にセルビアをコルドバのヌエボ・アルカンヘルに迎えるとあって、それまでに誰に何が起きるかわかりませんからね。チームの継続性を保証できないのは辛いところですが、とりあえず、ユーロ同様に強いスペインが見られたのは良かったかと。 え、スペイン代表戦が終わったってことはもう、リーガ再開も近いんじゃないかって?その通りで、金曜には弟分のレガネスがアウェイのベティス戦で5節の先陣を切るんですけどね。このparon(パロン/リーガの停止期間)のおかげで、8月末の移籍市場クローズ最後の瞬間にサプライズ加入したハラー(ドルトムントからレンタル)がチームに慣れることができたのは嬉しい限り。とりあえず、1部再昇格してからの4試合を1勝2分け1敗で9位と、まずまずなスタートを切ったボルハ・ヒメネス監督のチームは、これでFWが6人となり、ミゲール・デ・ラ・フエンテを筆頭にディエゴ・ガルシア、ファン・クルス、ラバ、ムニル(ラス・パルマスから移籍)と駒は十分なんですけどね。やはり2部と違って、そうそうゴールは入るもんじゃないため、アタッカーは多いに越したことはありませんって。 そして土曜にはお隣さん、ヘタフェもセビージャへ赴き、こちらはサンチェス・ピスファンでベティスのお隣さんとアウェイゲーム。ボルダラス監督のチームは開幕から、ずっと引分けで16位と、マドリッド勢の中で一番下にいるんですが、それにはミッドウィーク開催の3節ベティス戦が、相手にコンフェレンスリーグ予選プレーオフがあったために順延となり、まだ3試合しかプレーしていないという事情も。いえ、だからって、得点がボランチ本職ながら、CFに抜擢されているウチェ(RFEF1部/実質3部のセウタから移籍)の開幕アスレティック戦での同点ゴールしかないというのはあまり、励ましにはなりませんけどね。 0-0に終わったコリセウムでのレアル・ソシエダから、2週間も経つとなれば、今度こそ、エースのボルハ・マジョラル、マドリーの夏のアメリカツアーでネンザしたアルバロ・ロドリゲス(RMカスティージャからレンタル)らの実戦復帰が期待されるところですが、こればっかりはねえ。幸い、相手のセビージャは開幕から1分け3敗で最下位と、調子が悪いのは都合がいいんですけどね。来週はそのベティス戦が水曜に入って、3連戦となるため、ヘタフェも早く、最善がスコアレスドローという状態から、脱却してほしいものです。 そして土曜の午後9時(日本時間翌午前4時)からは兄貴分マドリーの番で、こちらはサン・セバスティアンでのレアル・ソシエダ戦。ええ、オジャルサバルが松葉杖をついて、帰って行ったチームですが、彼らはヘタフェ戦でもブライス・メンデス、トラオレを負傷で失うという不運に遭遇しているんですよ。とはいえ、ケガ人自慢ではマドリーの方が上を行っていて、ええ、ご存知の通り、昨季、ヒザの靭帯を断裂したアラバ、UEFAスーパーカップの前日練習でヒザを捻ったカマビンガ、代表戦直前のベティス戦で重度のネンザを負ったセバージョスはまだ当分、戻れない見込み。 唯一、フランス代表から即Uターンとなった2人組のうち、メンディだけは大丈夫そうなんですけどね。足の中足骨の痛みに悩むチュアメニ、足底筋を痛めたベリンガム、太もものケガでブラジル代表を早退してきたミリトンは微妙なところで、何せ、マドリーはこの先、3週間、地獄の連戦サイクルに突入。とりわけ、来週火曜には新フォーマットのCL1節、シュットガルト戦も控えているため、アンチェロッティ監督も選手にムリはさせないでしょうが、何はなくとも攻撃面では人が余りまくっていますからね。 ええ、この各国代表戦でもロドリゴが土曜のエクアトリア戦で決勝ゴールを挙げたかと思えば、ブライムもモロッコ代表で2得点して帰還。ネーションズリーグ1節のウェールズ戦で終盤、交代を頼み、すわ負傷かと心配されたギュレルもただの打撲で、月曜のアイスランド戦でアシストを記録していますし、モドリッチまでが日曜のポーランド戦で直接FKを決め、クロアチアを勝利に導いているとなればって、え?長年の夢が叶って、とうとうマドリー入団を果たした超大型新人、エムバペはどうしたのかって? いやあ、4節のベティス戦で2得点挙げ、とうとうリーガでもゴールデビューした彼だったんですが、お隣さんのグリーズマン同様、フランス代表の2試合ではあまり貢献できなくてねえ。イタリアに1-3と負けた後、月曜のベルギー戦では共々、ベンチスタートとなったんですが、チームは彼らがピッチに入る前にコロ・ムアニとデンベレのPSGコンビがゴールを決め、2-0と勝利。もう33才になったグリーズマンはともかく、25才のエムバペがあれではデシャン監督も大変かと。 一方、そのグリーズマンや太平洋の向こうに出向しているアルゼンチン代表組の帰りを首を長くして待っているアトレティコは日曜午後9時から、メトロポリターノでのバレンシア戦でリーガ再開となるんですが、週が明けて、ショックなニュースが一つ。というのも筋肉痛でU21スペイン代表を離脱してきたバリオスが思ったより重傷で、実は全治1ケ月のケガだったというのがわかったからですが、マドリー同様、連戦期間に入るシメオネ監督のチームにとっては、かなりの痛手になったかと。同様に体調不良のオブラクの代わりに出場したデビュー戦、アスレティック戦で痛めた背中のせいで、アルゼンチン代表を早退してきたGKムッソは火曜のマハダオンダ(マドリッド近郊)の練習から合流しています。 ちなみに現在、相手のバレンシアはウーゴ・ドゥロの負傷と、強姦容疑で逮捕されたラファ・ミル(セビージャからレンタル)がチームから隔離されたのが重なり、得点力が低下しているのはともかく、シメオネ監督はこの試合でこの夏、最後の補強となったCBレングレ(バルサからレンタル)のデビューを計画しているよう。まあ、今回の代表戦週間はヒメネスも出場停止でウルグアイ代表に行っていませんから、守備の面では心配はなさそうですけどね。それより指揮官の願いは、チリ戦でgolazo(ゴラソ/スーパーゴール)を挙げたフリアン・アルバレス(マンチェスター・シティから移籍)が火曜深夜のコロンビア戦でもゴールづいて、その勢いをアトレティコでの初得点に繋げてくれることだった? いや、実際、不思議な縁で、その対戦のコロンビア側では、ペルー戦で後半だけの出場だったハメス・ロドリゲスが先発。しかもアルゼンチンに2-1と勝利するPKゴールを決めたとなれば、嫌が応でも月曜にオサスナ戦をエスタディオ・バジェカスで迎えるラージョファンの胸は、ファルカオに続く、この夏の目玉移籍のデビューへの期待で高鳴ることになったんですが、もしやそれはイニゴ・ペレス監督も同じだった?ええ、今は11位とはいえ、ラージョはバルサ、エスパニョールとカタルーニャ勢に負けて、2連敗中ですからね。RdT(ラウール・デ・トマス)の姿をほとんど見かけなくなった昨今、さすがにカメージョだけでは頼りないため、チームが勝ち癖を取り戻すためにもハメスには貢献してもらいたいものですが…何かちょっと、再びスタジアム通い漬けになる今週末以降のハードスケジュールが私も恐ろしいんですよね。 2024.09.11 19:00 Wed5
監督解任のラージョ、昨季までアシスタントコーチだった36歳の青年指揮官イニゴ・ペレス氏を招へい
ラージョ・バジェカーノは14日、新監督にイニゴ・ペレス氏(36)を招へいしたことを発表した。シーズン終了までの契約となる。 ラージョは今シーズンから就任していたフランシスコ・ロドリゲス監督(45)の解任を14日に発表。今シーズンは開幕2連勝も徐々に成績を落とし、14位に位置。しかし、現在は3連敗中となっていた。 イニゴ・ペレス氏は、現役時代にはアスレティック・ビルバオの下部組織出身。ウエスカやマジョルカ、ヌマンシア、オサスナでプレーした。 2022年7月まで現役選手としてプレーしており、引退後にラージョでアンドニ・イラオラ前監督の下でアシスタントコーチに就任。今シーズンが始まる前まで、ラージョのベンチに座っていた。 2024.02.14 22:02 Wedイニゴ・ペレスの移籍履歴
移籍日 | 移籍元 | 移籍先 | 種類 |
2022年7月1日 | オサスナ | 引退 | - |
2018年7月2日 | ヌマンシア | オサスナ | 完全移籍 |
2014年7月18日 | アスレティック | ヌマンシア | 完全移籍 |
2014年1月31日 | マジョルカ | アスレティック | レンタル移籍終了 |
2013年8月20日 | アスレティック | マジョルカ | レンタル移籍 |
2011年6月30日 | ウエスカ | アスレティック | レンタル移籍終了 |
2011年3月8日 | アスレティック | ウエスカ | レンタル移籍 |
2010年7月1日 | ビルバオ・アスレティック | アスレティック | 完全移籍 |
2007年7月1日 | CD Basconia | ビルバオ・アスレティック | 完全移籍 |
2006年7月1日 | Bilbao U19 | CD Basconia | 完全移籍 |
2005年7月1日 | Bilbao U18 | Bilbao U19 | 完全移籍 |
2004年7月1日 | Bilbao Youth | Bilbao U18 | 完全移籍 |
2002年7月1日 | Bilbao Youth | 完全移籍 |
イニゴ・ペレスの監督履歴
就任日 | 退任日 | チーム | 種類 |
2024年2月14日 | ラージョ | 監督 |
2022年7月1日 | 2023年6月30日 | ラージョ | コーチ |
イニゴ・ペレスの今季成績
勝
|
分
|
負
|
ラ・リーガ | 12 | 4 | 4 | 4 | 0 | 0 |
合計 | 12 | 4 | 4 | 4 | 0 | 0 |
イニゴ・ペレスの出場試合
ラ・リーガ |
第1節 | 2024-08-18 | vs | レアル・ソシエダ | ||||||
A 1 - 2 |
第2節 | 2024-08-24 | vs | ヘタフェ | ||||||
A 0 - 0 |
第3節 | 2024-08-27 | vs | バルセロナ | ||||||
H 1 - 2 |
第4節 | 2024-08-31 | vs | エスパニョール | ||||||
A 2 - 1 |
第5節 | 2024-09-16 | vs | オサスナ | ||||||
H 3 - 1 |
第6節 | 2024-09-22 | vs | アトレティコ・マドリー | ||||||
H 1 - 1 |
第7節 | 2024-09-25 | vs | ジローナ | ||||||
A 0 - 0 |
第8節 | 2024-09-28 | vs | レガネス | ||||||
H 1 - 1 |
第9節 | 2024-10-05 | vs | レアル・バジャドリー | ||||||
A 1 - 2 |
第10節 | 2024-10-20 | vs | マジョルカ | ||||||
A 1 - 0 |
第11節 | 2024-10-26 | vs | アラベス | ||||||
H 1 - 0 |
第13節 | 2024-11-08 | vs | ラス・パルマス | ||||||
H 1 - 3 |