【J1注目プレビュー|第28節:東京Vvs鹿島】オリジナル10対決! 3選手が起用できない東京V、消耗激しい鹿島と激突

2024.08.25 10:15 Sun
東京Vvs鹿島 予想フォーメーション
©超ワールドサッカー
東京Vvs鹿島 予想フォーメーション
【明治安田J1リーグ第28節】
2024年8月25日(日)
18:00キックオフ
東京ヴェルディ(12位/35pt) vs 鹿島アントラーズ(3位/48pt)
[味の素スタジアム]

◆3選手不在、4試合ぶり勝利を【東京ヴェルディ】

前半戦は粘り強さを見せていた東京Vだが、後半戦に入り苦戦。8試合を終えて2勝2分け4敗と負けが混んできた。
直近3試合は1分け2敗。特に後半戦に入りゴールが奪えなくなっているのが課題だ。それでも今季初の連敗をダービーでストップできたことをキッカケにしたいが、今節は別の試練を迎える。

鹿島から3選手が期限付きでプレーしている東京V。チームの守備を支えてきた林尚輝、そして夏に加入した松村優太が契約上の理由で出場不可に。さらに、元々出場できない染野唯月も出場停止となった。
交代選手も含めてカードが限られる中、チーム一丸となって乗り越えられるか。前半戦では3点差を追い付いての引き分けとなったが、今節も粘り強く戦いたい。

★予想スタメン[3-4-2-1]
GK:マテウス
DF:宮原和也千田海人谷口栄斗
MF:松橋優安齋藤功佑森田晃樹翁長聖
FW:山田楓喜木村勇大山見大登
監督:城福浩
出場停止:染野唯月
契約上出場不可:林尚輝、松村優太

◆3試合ぶり勝利で町田追走へ【鹿島アントラーズ】

前節はホームに浦和レッズを迎えた中、熱のこもった試合は0-0のゴールレスドローとなった。

アウェイでジュビロ磐田に負けていた中、勝利が欲しかった一戦では引き分け止まり。ただ、悲観するような内容ではなかった。

チームとして気がかりなのはミッドウィークに天皇杯を戦ったこと。ヴァンフォーレ甲府との試合では主力がプレーしており、雨の中苦しんだ末になんとか勝利した。疲労は気になるが、勢いにも乗れたはずだ。

攻撃陣は想定より長い出場時間に、そして守備陣はフル出場をしており、しっかりと準備期間を設けられた東京Vとの差があることは間違いない。固定してメンバーを戦ってきた鹿島に重くのしかかる可能性があるが、優勝を果たすためには勝利以外はない。

★予想スタメン[4-2-3-1]
GK:早川友基
DF:濃野公人植田直通関川郁万安西幸輝
MF:知念慶柴崎岳
MF:師岡柊生名古新太郎仲間隼斗
FW:鈴木優磨
監督:ランコ・ポポヴィッチ

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山田楓喜&チアゴ・アウベスJ1初弾の東京Vが今季初の3連勝で6位浮上! 3連勝でストップの札幌は逆転残留へ痛恨黒星に【明治安田J1第30節】

明治安田J1リーグ第30節の北海道コンサドーレ札幌vs東京ヴェルディが14日に大和ハウスプレミストドームで行われ、アウェイの東京Vが0-2で勝利した。 中断前に行われた前節の川崎フロンターレ戦を2-0で制し、今シーズン初の3連勝と共に最下位脱出に成功した札幌。直近のルヴァンカップでは横浜F・マリノス相手に1-6で敗れた第1戦の大敗が大きく響くも、ホーム開催の第2戦では意地の3-1の勝利。きっちりバウンスバックを果たしてリーグ再開初戦を迎えた。ペトロヴィッチ監督はリーグ前節から先発1人を変更。菅大輝に代えて馬場晴也を起用し、[3-4-2-1]の布陣で臨んだ。 一方の東京Vは前節、打ち合いとなった柏レイソルとのアウェイゲームを3-2で制して約3カ月ぶりの2連勝。暫定ながら今シーズン最上位となる7位に浮上した。今季初の3連勝を目指した中断明けの一戦では先発1人を変更。林尚輝に代えてサスペンション明けの谷口栄斗が復帰した。 様子見の入りが続いたなかで札幌にアクシデント発生。10分、足を痛めた高尾瑠がプレー続行不可能となり、担架でピッチを後に。これを受けて荒野拓馬が中盤に投入され、馬場がポジションを一列下げた。 立ち上がり以降はミラーゲームの展開のなかで互いにダイレクトプレーや個での打開でずれを生み出そうとするが、決定機まであと一歩という拮抗した状況に。 木村勇大をシンプルに使いつつ、セカンドボールの攻防で優位に立つアウェイチームがペースを握るものの、直近2戦連続クリーンシートの札幌も要所を締める守備で粘り強く対応。34分にはペナルティアーク付近で持ち運んだ山田楓喜が得意の左足ミドルを枠に飛ばすが、GK菅野孝憲の好守に遭う。 その後、前半終盤にかけては左サイドを起点に札幌が完全に押し込む形を作り出す。良い形でのショートカウンターを含め決定機を作りかけたが、相手の体を張った守備に阻まれた。 時間の経過と共にホームチームが優位に進めたものの、5-3の打ち合いとなった前回対戦とは一変してクローズな状況のままゴールレスで後半に突入。札幌はスパチョークに代えて菅をハーフタイム明けに左ウイングバックに投入。青木亮太が2シャドーの一角にポジションを上げた。 前半終盤からの流れを継続する形で札幌が勢いを持って試合に入る。立ち上がりの47分には鈴木武蔵のスルーパスに抜け出した駒井善成がボックス内に持ち込んで右足シュートを放つが、ここれはGKマテウスの足を使った見事なセーブに阻まれる。その直後には菅がミドルシュートを狙うも、これは枠を捉え切れない。 一方、守備の堅さは光るものの、前半半ば以降は自分たちのリズムでボールを動かせず、背後への長いボール一辺倒の攻撃がめだった東京V。だが、50分には高い位置でのボール奪取からショートカウンターに持ち込んで森田晃樹、山田楓の連続シュートで後半最初の決定機を創出する。 さらに、ベンチサイドで松村優太、染野唯月が交代の準備を見せると、そのベンチの動きに触発されたアタッカー2人が交代前に大きな仕事を果たした。54分、自陣から谷口、齋藤功佑と繋いで左で背後を狙う山見大登にボールが渡る。グラウンダーのクロスは木村の手前でGK菅野にはじかれたが、ボックス中央でこぼれ球を収めた山田楓が冷静にゴールカバーを外す左足シュートをゴールネットに突き刺した。 殊勲の山田楓と山見に代わって染野、松村を2シャドーに入れた東京Vは、ビハインドを撥ね返そうと前がかる札幌に対して松村のスピードを活かした左サイドからの崩しで追加点に迫るも、いくつかのチャンスで仕留め切れない。 一方、何とか連続失点を凌いだ札幌は63分、左サイドを崩した波状攻撃から荒野、青木がボックス内で決定的なシュートを続けて放つが、これは相手の体を張った守備に阻まれる。さらに、直後には大﨑玲央、青木に代えてアマドゥ・バカヨコ、ジョルディ・サンチェスを同時投入。攻撃に高さと強さを加え、力業でゴールをこじ開けにかかる。 その後は球際での激しい攻防を巡って両チームがヒートアップ。スタジアムのボルテージが高まる中、80分には東京Vが染野と木村の両エースの連携から見事にロングカウンターを完結。アウェイチームが再びゴールネットを揺らす。だが、オンフィールド・レビューの確認が入ると、木村にスルーパスを出した後に攻め上がろうとした染野が相手の菅に対してオフェンスファウルがあったとしてゴールは取り消しとなった。 この大きな判定によって1点差が維持された後半終盤は猛攻を仕掛ける札幌、森田を下げてDF林を投入し綱島悠斗をボランチに上げて専守防衛に入った東京Vという明確な構図の下で白熱の攻防が繰り広げられる。 最後まで集中した守備でホームチームの猛攻を耐え切った東京Vは、後半ラストプレーとなったロングカウンターからチアゴ・アウベスが嬉しいJ1初ゴールでようやくトドメを刺し切った、そして、荒れ模様となった好調同士の一戦をしぶとく制し、今季初の3連勝で6位に浮上した。一方、敗れた札幌は連勝が「3」でストップし、奇跡の逆転残留へ厳しい黒星となった。 北海道コンサドーレ札幌 0-2 東京ヴェルディ 【東京V】 山田楓喜(後9) チアゴ・アウベス(後45+7) <span class="paragraph-title">【動画】冷静すぎ!山田楓喜がチャンスを逃さずに決め切る!</span> <span data-other-div="movie"></span> <blockquote class="twitter-tweet" data-media-max-width="560"><p lang="ja" dir="ltr"><a href="https://twitter.com/hashtag/DAZN?src=hash&amp;ref_src=twsrc%5Etfw">#DAZN</a> でライブ配信中<a href="https://twitter.com/hashtag/%E6%9C%AD%E5%B9%8C%E6%9D%B1%E4%BA%ACV?src=hash&amp;ref_src=twsrc%5Etfw">#札幌東京V</a> <a href="https://t.co/yEDxekvRp0">pic.twitter.com/yEDxekvRp0</a></p>&mdash; DAZN Japan (@DAZN_JPN) <a href="https://twitter.com/DAZN_JPN/status/1834841141637681358?ref_src=twsrc%5Etfw">September 14, 2024</a></blockquote> <script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script> 2024.09.14 16:08 Sat
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タイトル奪還の覚悟はあるか、戦力が削がれた中新体制で目指す頂点【J1開幕直前ガイド|鹿島アントラーズ】

2024シーズンの明治安田J1リーグが23日からいよいよ開幕する。今季からは20チーム制となり、降格も3つに増枠しての争いに。ここでは新シーズンの幕開けに先駆け、J1リーグ全チームをピックアップし、鹿島アントラーズを紹介していく。 【直近3シーズンの成績】 2023シーズン:5位(14勝10分け10敗) 2022シーズン:4位(13勝13分け8敗) 2021シーズン:4位(21勝6分け11敗) 【昨季チーム得点王】 鈴木優磨 14ゴール 【今季ノルマ】 優勝 【編集部イチオシ】 MF佐野海舟 昨季J1:27試合出場/1ゴール <span class="paragraph-subtitle">◆試行錯誤を繰り返した1年</span> 岩政大樹監督が正式に就任して1年目のシーズン。前シーズンからの積み上げも期待され、今年こそはとタイトル獲得に意気込んだシーズンだったが、またしても開幕からつまづくこととなった。結果として5位という成績だったが、それでは成功とは言えないクラブ。「勝利」と「タイトル」に飢える中で、そろそろ「結果」を残したい。 <span class="paragraph-subtitle">◆待ち侘びるタイトルを</span> 当然ながらチームとしてタイトル獲得が求められるシーズンに。何年もサポーターを失望させていることは、クラブ全体が十分理解している。その中でJリーグでも指揮経験が豊富なランコ・ポポヴィッチ監督を招へい。2022年のレネ・ヴァイラー監督に続いて、2人目のヨーロッパ出身の監督を迎えることとなった。 スタイルとしてはアグレッシブで組織的なサッカーとなり、岩政監督が求めたものと変化はありながらも、要求されることは積み上げているはずだ。ただ、チームとして迷いが生じていたことも事実であり、如何にしてシーズンを通してパフォーマンスを結果に繋げられるかがポイントになる。ポポヴィッチ監督には、チームビルディングをしながらも、結果を常に追い求められる環境で期待に応えられるか。内容を求めつつ、まずは結果を残したい。 <span class="paragraph-subtitle">◆戦力はダウン、成熟と新たな力の台頭に期待</span> 今オフの補強に関しては最低限。外国人は総入れ替え、ブラジル人のMFギリェルメ・パレジ、セルビア人FWアレクサンダル・チャヴリッチを補強。獲得合意のクロアチア人DFヨシプ・チャルシッチはメディカルチェックで問題が見つかり、加入しないこととなる不測の事態も起きている。主軸選手が抜けた中での補強としては不安も残る状況だ。 また、昨季復帰した柴崎岳はケガでほとんど貢献できず。今シーズンは10番を背負い、しっかりとチームの軸になれるかは大きなポイント。近くでプレーするであろう日本代表で経験を積む佐野海舟のブレイクもチームの結果を後押しすることになるだろう。プロ2年目から指導を受けた指揮官との再会だけに、スタイルを理解することも早そう。エースの鈴木優磨が開幕に間に合わない可能性もあるが、得点力も上げていきたい。 <span class="paragraph-subtitle">◆2024年冬移籍情報</span> 【IN】 GK梶川裕嗣(32)←ジュビロ磐田/完全移籍 GK山田大樹(22)←ファジアーノ岡山/期限付き移籍より復帰 DF濃野公人(21)←関西学院大学/新加入 MFギリェルメ・パレジ(28)←タジェレス(アルゼンチン)/期限付き移籍 FWアレクサンダル・チャヴリッチ(29)←スロヴァン・ブラチスラヴァ(スロバキア)/完全移籍 【OUT】 GKクォン・スンテ(39)→現役引退 GK沖悠哉(24)→清水エスパルス/完全移籍 DF昌子源(31)→FC町田ゼルビア/完全移籍 DF広瀬陸斗(28)→ヴィッセル神戸/完全移籍 DF林尚輝(25)→東京ヴェルディ/期限付き移籍延長 DFキム・ミンテ(30)→湘南ベルマーレ/期限付き移籍→完全移籍 MFディエゴ・ピトゥカ(31)→サントス(ブラジル)/完全移籍 MFアルトゥール・カイキ(31)→スポルチ・レシフェ(ブラジル)/完全移籍 MF小川優介(21)→FC琉球/完全移籍 MF荒木遼太郎(22)→FC東京/期限付き移籍 MF中村亮太朗(26)→清水エスパルス/期限付き移籍 FWブレッシング・エレケ(27)→未定 FW染野唯月(22)→東京ヴェルディ/期限付き移籍延長 2024.02.08 18:45 Thu

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シンガポール代表が日本遠征2戦目で勝利…古巣対戦となった小倉勉監督「国際親善試合に勝るとも劣らない。ASEANでやることと同じぐらいの意味がある」

小倉勉監督の率いるシンガポール代表は11日、AGFフィールドで東京ヴェルディとのトレーニングマッチに臨んだ。 2026年北中米ワールドカップ(W杯)のアジア2次予選で敗退したシンガポールは、今年12月から2025年1月にかけて開催される『ASEAN Mitsubishi Electric Cup 2024』に向けて調整を進める。 今回のインターナショナルマッチウィークでは日本遠征を実施し、FC東京、東京ヴェルディ、横浜F・マリノスと、J1の3クラブとのトレーニングマッチを組んだ。 その初陣となった8日のFC東京戦を0-4で落としたチームは、小倉監督が昨シーズンまでヘッドコーチを務めた古巣の東京Vと対戦した。 35分×3本の形式で行われた1本目は、普段のリーグ戦とは異なり主力クラス数名に控えメンバー中心の布陣で臨んだ東京Vに対して守勢を強いられたシンガポールだったが、15分にカウンターからMFハミ・シャヒンのミドルシュートで先制に成功。以降はMFチアゴ・アウベスらに際どいシュートを打たれたものの、リードを維持したまま終えた。 2本目は招待選手として参加している元U-17日本代表MF仲村京雅が途中出場。リーグ戦に近いメンバーを起用したJ1クラブ相手に、1本目以上に押し込まれる展開を強いられたが、時間の経過とともに[5-4-1]の堅固な守備が機能。相手の決定力不足に助けられた部分はあったが、格上相手の代表戦で見せている真骨頂の粘りの守備で無失点を継続。 メンバーを入れ替えた3本目は立ち上がりの6分にFW白井亮丞にゴールを決められたが、守勢の中でも虎視眈々と攻撃のチャンスを窺っていたシンガポールは終了間際の28分に相手ディフェンスラインの不用意なバックパスをかっさらったショートカウンターからMFファリス・ラムリの冷静なコントロールシュートでゴールネットを揺らし、最終的に2-1の勝利を収めた。 盟友である城福浩監督が率いる古巣相手に今遠征初勝利を収めた小倉監督は、試合後の囲み取材で今回の遠征の意義と手応えについて語った。 「成果というか、こういう環境でやらせてもらえているというのは、すごくありがたい経験で、選手だけではなく、スタッフもコーチもバックルームスタッフも、みんなに日本で得られるこういう環境を体験してもらいたかったというのが一番。それに関してはすごく良かったかなと」 「こうやって試合に出ている選手とか、Jリーグの選手とやっていただけることがすごく僕らにとってはありがたいし、そういう機会というのはなかなかない。今回FIFAウインドーで日本に来た甲斐があったというか、本当に感謝ですね」 「こういう環境でお客さんが入っている中でやらせてもらえることは、国際親善試合に勝るとも劣らない。ASEANでやることと同じぐらいの意味がある、それ以上の意味があるかなという感じです。あともう1試合あるので、それをやり遂げて帰ろうかなという感じです」 試合内容に関しては今シーズンのJ1リーグでも屈指の強度を誇る東京Vに対して、フィジカルや切り替えの部分で互角にやれる選手が数名見受けられた一方、多くの選手は正当なコンタクトでも簡単に倒れ込む場面も散見された。 その点については「強度の部分だとかはレベルが全然違うので、今日も何人か倒れてファウルをアピールした選手がシンガポール代表にはいましたが、それを耐えてプレーするとか、レフェリーの基準や、スタンダードのところを上げていきたいというのが一番にあって、そういう意味ではすごく勉強になった」と、アジアにおいてトップレベルと言えるJリーグの基準を肌で感じられた部分をポジティブに捉えた。 基本的にはW杯予選などで格上と対峙する際の戦いを意識した戦いを見せながらも、チャンスがあれば、ゴールキックからのショートパスを用いたビルドアップや、ロングボールだけに頼らずにゲームを構築しようとする様子も窺えた。 その能動的な振る舞いに対しては城福監督も「押されている中でもしっかりとボールを握ろうとする、あるいはラインを作ろうとするところはやっぱり彼らしいなと思います」と語り、「格上とやるというところでの、リスペクトという部分のほど良さというか、それを考えながらも我慢しながら自分たちのものをしっかりと示していくというのは、我々もいい刺激になりました」と小倉監督の下で進化を図るシンガポールの戦い方を評価している。 それでも、現状の自分たちの立ち位置や練度も熟知する指揮官は「自分たちがやりたいことをやるんですけど、それだけでは勝てない。それはお互いに相手があってのことなので、今日であれば下から繋ぐという、それだけを目標にしているわけではない。一番はゴールを取ることなので、ゴールに直結する。人がフリーであれば、そこに出すのが一番なので、目的と手段が逆になってしまうとまずいので、そういうことだけにはしたくない」と、成長のためのチャレンジに取り組みながらもしっかりと自分たちの足元を見て戦っていきたいと自戒の念を込めている。 また、FC東京戦に続いてこの試合でもプレーした仲村に関しては今年初めにシンガポールの永住権を取得したことで、帰化選手として前述のAFFでの起用も期待されている。 4度のシンガポール・プレミアリーグ年間ベストイレブンに輝くなど、同国リーグで最高の選手の一人としての評価を得ている元日本代表MFの現状について小倉監督は、「今は(市民権が)取れそうな状況。一応僕らにとって次の大きな大会であるAFFという大会があって、その大会が12月にある。それに向けての準備で、取れてからすぐ呼んでもなかなか間に合わないので、そのために呼んでいる」と説明。 ただ、「彼もシンガポール人になっただけで、別に彼が日本人で特別なものをもたらすとか、そういうのは全然思っていないので、彼が良ければ使えますし選べます。それはシンガポール人になったというだけで、他の選手と全く変わりなく扱うつもりでいます」と、かつてジェフユナイテッド千葉時代に指導した教え子に対しても、厳しいメンバー争いを勝ち抜く必要があると競争を促している。 日本遠征2戦目を勝利で終えたシンガポールは、14日にF・マリノススポーツパークで横浜FMとの最終戦に臨む。 シンガポール代表 2-1 東京ヴェルディ 1本目:0-1 2本目:0-0 3本目:1-1 ■得点者 1本目:15分 ハミ・シャヒン 3本目:6分 白井亮丞、28分 ムハンマド・ファリス・ビン・ラムリ 2024.10.11 19:10 Fri
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東京V、7戦ぶり敗戦からのバウンスバック図るもシンガポール代表に敗戦…城福監督「危機感があまりない」

東京ヴェルディは11日、AGFフィールドでシンガポール代表とのトレーニングマッチ(35分×3)を戦い、1-2で敗れた。 先週末に行われた明治安田J1リーグ第33節の湘南ベルマーレ戦で0-2の完敗を喫し、リーグ戦7試合ぶりの敗戦を喫した東京V。 その試合後の会見で城福浩監督は、「このチームは何も得ていないし、何も示していないのに、チームとして大きな勘違いをさせてしまった」と自戒するなど、残留が決定的な状況におけるチームの緩みを糾弾。さらに、「指定席があってはいけないと、改めて思いました」とメンバー選考の部分での再考を示唆する発言も行っていた。 そんななか、チームは19日にホームで行われる浦和レッズとの一戦に向けて再始動。11日には昨シーズンまでヘッドコーチとして16年ぶりのJ1昇格に貢献した小倉勉監督が率いるシンガポール代表とのトレーニングマッチに臨んだ。 35分×3本の形式で行われた1本目は、普段のリーグ戦とは異なり主力クラス数名に、控えメンバー中心の布陣で臨んだ東京V。序盤からボールを握って押し込んだが、左サイドを崩した立ち上がり以降は攻撃が停滞。すると、15分には相手のカウンターからMFハミ・シャヒンにミドルシュートを決められて、相手のファーストチャンスで失点を喫した。以降はFW染野唯月のお膳立てからMFチアゴ・アウベスにチャンスが訪れたものの、ボックス右で放ったシュートは枠を捉え切れず。0-1で1本目を終えた。 2本目はリーグ戦に近いメンバーを起用し、MF森田晃樹とMF齋藤功佑を起点に攻撃のテンポを上げて1本目以上に押し込む展開に。その中でゴール前でのFW木村勇大のヘディングシュート、左のウイングバックから効果的な攻撃参加を見せたDF深澤大輝のボックス内でのシュートなど決定機を作ったが、ここは相手GKのファインセーブに阻まれると、時間の経過とともにボールを持たされる感が強くなり、攻め切れないまま2本目を0-0で終えた。 それでも、互いにメンバーを入れ替えた3本目は立ち上がりの6分にMF見木友哉のスルーパスを起点にボックス左へ抜け出したMF翁長聖の完璧な折り返しを、ゴール前に詰めたFW白井亮丞がタップイン。ようやくこの試合最初のゴールを記録。以降もMF山田楓喜の右ポスト直撃のシュートや見木、白井の鋭いミドルシュートなどで2点目に迫ったが、ここまでの展開と同様に仕留め切れず。 すると、終了間際の28分にはディフェンスラインでの不用意なバックパスをかっさらわれると、MFファリス・ラムリに冷静なコントロールシュートをゴール右隅に突き刺され、1-1のタイに戻された。そして、最終スコアは1-2の敗戦となった。 湘南戦の敗戦を受け、ポジション奪取を狙う控え選手たちの台頭や主力選手の奮起を促したものの、振るわない内容での敗戦に城福監督は各選手の気迫や危機感を含めて物足りなさを口にした。 「追いかける展開になって、シンガポールもすごく体を張ってきたので、トレーニングマッチとしてはすごく意味がある状況になりましたけど、結果的に我々のイージーなミスでああいう形になったというのは、あのミスだけではなくて、ここまで点が取れなかったところとか、1本目の低調さとか、それを見ながらも見ている選手たちの危機感があまりないという意味では、やっぱり今までの実績関係なく、しっかりとジャッジしなければいけないなと。集中して入ってもらったつもりなので、今日のパフォーマンスというのはちゃんとジャッジして次に向かいたいと思います」 3本共にメンバーをシャッフルしたゆえの機能不全や連携の問題をエクスキューズにしながらも、開幕前から若さや経験不足を埋めるため、質を追求しながらもまずは量でカバーするというコンセプトを掲げる中、その量のところでも勝負できていないと感じている。 「もちろんメンバーをシャッフルしたというか、ミックスしたので、いつも通りではない状況というのは出たと思います。ただ、チームとしたら最終ラインのあり方とか、前線のあり方というのは全員で共有しているつもりなので、そもそもの量が足りないなと、特に1本目は量が足りなかったです」 「もちろん質があって、さらに量があることで、肝心なところで力をさけると思いますが、うまくいかないのであれば、量でカバーしなければいけないという意味でのコンディションも含め、それがトータルで質なので、そこはジャッジしたいなと思います」 指揮官は全体的な物足りなさを語ったものの、この試合でポジション奪取への気概を示したのは、ボランチとシャドーの一角で3本すべてに出場した見木だ。 シーズン序盤はボランチやサイドハーフで主力を担ってきた背番号10だが、ここにきて序列が低下し、ゲームチェンジャーとして途中出場が目立っている。それだけにこの試合に懸ける思いは人一倍強かった。 「90分やったのがアビスパ(福岡)戦以来で、7月以来だったので、自分も長い時間出たいということは言っていて、久しぶりに90分出て決定的なところのチャンスがあったので、そこで仕留め切れなかったことが悔しいです」 「チャンスを演出するところで少しはできたというのもありますけど、こういう試合でもっと決定的な仕事をしなければいけないですし、点もアシストも取れなかったことを考えると、とても悔しい試合になりました」 ポジション奪取への明確なアピールに至らなかったことを自覚するものの、依然として浦和戦に向けた準備期間を大きなチャンスと捉える見木は「最近ずっとサブでめちゃくちゃ悔しい思いをしてきましたし、湘南戦はああいう負け方をして、間違いなくチャンスだというのは自分自身もみんなもわかっている。そこのチャンスをつかむためには日々のパフォーマンスでアピールするしかないので、今日もっとアピールできたら良かったですけど終わってしまったので、もう切り替えて次の試合までの練習でどうにかアピールしてスタメンで出て、そこで結果を残したいなと思います」と、新たな決意を示した。 シンガポール代表 2-1 東京ヴェルディ 1本目:0-1 2本目:0-0 3本目:1-1 ■得点者 1本目:15分 ハミ・シャヒン 3本目:6分 白井亮丞、28分 ムハンマド・ファリス・ビン・ラムリ 2024.10.11 20:43 Fri
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残留近づく好調の東京Vで虎視眈々とチャンス窺う…清水とのTMで結果残した山田剛綺らが意気込む

シーズン終盤を迎えて最大の目標達成に近づく東京ヴェルディだが、チーム内では依然としてハイレベルのポジション争いが繰り広げられている。そして、虎視眈々とチャンスを窺う選手たちが残り試合への意気込みを語った。 東京Vは前節、ガンバ大阪とアウェイゲームを1-1のドローで終えた。2003年以来の5連勝と共に5位浮上のチャンスは逃したが、勝ち点1を積み上げると共に無敗試合を「6」に更新。 そして、6日に味の素スタジアムで行われる明治安田J1リーグ第33節の湘南ベルマーレ戦や他クラブの結果次第では最大の目標であるJ1残留が確定することになる。 ここにきてチームでは主力メンバーが固定されつつあるものの、城福浩監督は「歯を食いしばってやり続けている選手は必ずどこかでチャンスをあげたい」と日々のトレーニングやチームの最大値を見極めながら、虎視眈々とチャンスを窺う控えメンバーの起用のタイミングを図る。 そんな中で、G大阪戦翌日には昨シーズンの昇格プレーオフ決勝で激闘を演じ、今シーズンのJ2リーグ首位でJ1昇格に王手をかける清水エスパルスとのトレーニングマッチを実施。互いに控えメンバーや若手中心での対戦となったが、東京Vは45分×2の一戦を3-1で勝利した。 そのトレーニングマッチに関して指揮官は「厳しいスケジュールの中、翌日の練習試合に臨んでいくというのはこのチームらしいと思いますし、そこで高いモチベーションでやってくれた選手たちがいる。心強かったというか、『いつでも取って代わるぞ』というファイティングポーズを見せてくれた選手が何人かいた」と、チームの姿勢を評価していた。 その一戦で1ゴール1アシストと大きなアピールを見せたのはFW山田剛綺。加入1年目でJ1昇格に貢献したストライカーは、今季ここまで途中出場を中心にリーグ戦20試合に出場もノーゴール。南米のストライカーを彷彿とさせるゴムまりのような高い身体能力を武器に、攻守両面で才能の片りんを垣間見せるが、初のJ1で苦戦が試行錯誤の日々が続く。 それでも、右シャドーでフル出場した清水戦では「ボールを引き出すところであったり、自分の特長である背後というところは右のシャドーながら、結構できたのかなと。守備のところでの強度であったり、そういう違いは見せられたのかなと思います」と、手応えを口に。 ここ最近はリード時の試合終盤にクローザー役としての出場が多く、ストライカーとしては一番に求められるチームプレーを最優先にこなした上で少ないチャンスを結果に繋げるという部分で難しい部分もある。 ただ、山田はそういったエクスキューズに甘えることなく、チームの勝利を最優先とした上でポジション奪取に繋がる結果を残したいと高い志を示す。 「チームが勝つためにというところで、途中から出るときはそこに全てを懸けてやっていますし、チームを勝たすために出させてもらっているので、自分のやりたいことよりもチームがやるべきこと、自分がやらないといけないことを最優先に考えてやっています」 「点を取りに行くにしても守るにしても自分のできること、求められていることを与えられた時間の中で、全て出し尽くして終わるということしか考えていないです」 「日々の練習や練習試合から結果を残すというところは常に意識していますし、そこで結果を出せなかったら、やっぱり使ってもらえない。自分がもし監督でも使わないと思うので、とにかくやり続けるというところは1年通して意識しています」 DF深澤大輝は清水戦でウイングバック、3バックの右の2つのポジションでプレー。持ち味の攻撃参加から1ゴールを記録。山田と共に目に見える結果でアピールした選手の一人だ。 左右のウイングバックに3バックのサイドでプレー可能な守備のマルチロールは開幕直後こそ9試合連続でスタメン出場したが、ケガによる離脱や序列の低下もあって後半戦は第28節鹿島アントラーズ戦の途中出場の1試合のみ。より激化するウイングバックのポジション争いにおいてベンチメンバーを外れる試合も少なくない。 それでも、久々の練習試合は日本一のトレーニングを志すチームの取り組みの正しさ、試合から遠ざかりながらも自身の成長を実感できるものになったという。 「個人的にも久々の練習試合というのもあって、相手も清水という部分で気持ちも入っていましたし、チームとしても最初は入りが悪い中でセットプレーで失点してしまいましたが、それがなかったらすごくいい試合だったなというのも、やっていたみんなも思っていましたし、仁志さん(森下コーチ)なんかも言ってくださっていました。もっとできたなというところもありましたが、充実した練習試合でした」 「(自身のゴールを通じて)上下動でゴール前に入っていくところというのはもう一度自分のストロングだなというのを再確認できましたし、そこの運動量のところは夏の毎日の積み重ね、2部練とかもしていましたし、そういうので走れるようになっている感覚はあります」 「夏場にすごくハードな練習ができたので、最近涼しくなってきて走れるなという自信に繋がるゲームでもありましたし、数値とかを見てもスプリントの回数とかも個人的には増えていたので、そこら辺は日々の積み重ねが大事だなというふうに改めて思いましたし、あとはJリーグの試合に出るために日々やっていくだけという感じです」 ここまで途中出場がメインながらリーグ戦24試合1ゴールの数字を残し、左右のウイングバックに2シャドー、攻撃的サイドバックのオプションにもなれるMF松橋優安は高い確率で18人のメンバーに入りつつ、より多くのプレータイム確保を狙う選手の一人。 前節のG大阪戦ではここ最近目立つクローザー役ではなくビハインドの状況で攻撃面を期待されての投入に。また、清水戦では本職のサイドに加え、チーム事情でボランチのポジションでもプレーした。 ここ最近では攻撃面で少しずつ手応えを感じつつ、清水戦でのボランチ起用に対しても自身の成長に繋がるとポジティブに振り返る。 「徐々にシーズン中盤から攻撃の部分でも自分の良さを出せるようになってきたので、ピッチに出たときに、まず良い守備からというのは忘れずにしっかり意識しながら、ビハインドのときは自分のところで違いを出せるように、ゴールに向かったプレーができるようにというのはベンチでいつも意識しています」 「(清水戦では)3つのポジションをやらせてもらって、本当にいい経験になりましたし、今回はボランチでプレーする時間が長かったですけど、また違った景色も見られて自分に足りない部分、逆にボランチでも通用する部分というのを感じられたので、そこは今後のサッカー人生にも繋がると思います」 今回の湘南戦に向けては保有元との対戦で前節を欠場したFW山見大登の復帰が確実となり、3選手共に18名のメンバー入りに向けては当落線上と言わざるを得ない。 それでも、天皇杯の前回対戦において攻撃面で見せ場を作っていた松橋は「天皇杯では自分の攻撃が通用するという部分で、少し意識が変わった試合でもあったので、印象はいいですし、やれる自信もある。出るとなれば自分のプレーを出せるように準備しています」と、出場への意欲を示す。 同じく天皇杯ではチャンスに絡みながらも決定機を逃す形となっていた山田は「点を取らなければいけないシーンで点を取れなかったので、そこはリベンジしたい。前からの圧をかけるところであったり、自分の特長で言うと、背後のところを狙っていきたい」と意気込んだ。 2024.10.05 20:30 Sat
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湘南に完敗で7戦ぶりの敗戦喫した東京V…城福監督「前半は話にならないゲーム」、指揮官はチームの姿勢に憤り

東京ヴェルディがホームで行われた湘南ベルマーレ戦で7試合ぶりの敗戦を喫した。 直近4勝2分けの6戦無敗と好調を維持していた東京Vは6日、味の素スタジアムで行われた明治安田J1リーグ第33節で湘南と対戦。この試合で勝利すればチーム最大の目標であるJ1残留を確定することができたが、0-2の完敗となった。 前節、鹿島アントラーズ相手に2点差を引っくり返す大逆転勝利で連敗をストップしたアウェイチームに対して、前節のガンバ大阪戦を後半終了間際の劇的同点ゴールにドローに持ち込んだホームチームの勢いは遜色ないものだったが、試合は立ち上がりから球際、切り替えの精度、全体的な動きの量も湘南が圧倒。 序盤の劣勢を徐々に撥ね返しつつあった東京Vだったが、32分には自陣右サイドでのスローインの流れから失点。DF鈴木淳之介にオフサイドラインの味方との入れ替わりを狙ったMF小野瀬康介に絶妙なフィードを通されると、後手の対応で小野瀬に内側に運ばれて丁寧な横パスを入れられると、中央でフリーのMF鈴木雄斗に強烈な左足ダイレクトシュートを突き刺された。 1点リードで折り返した後半は前半の不出来を激しく叱責した指揮官による檄の効果もあってか、キックオフ直後からチーム全体の覚悟、インテンシティの高さが窺える良い入りを見せたが、51分には両ウイングバックも攻撃参加した状況で不用意なロストから数的同数のロングカウンターを浴びると、FW福田翔生とのコンビネーションからFW鈴木章斗に痛恨の2点目を決められて出ばなをくじかれる形に。 以降は積極的に交代カードを切り、より攻撃的な[4-4-2]への布陣変更を含めて猛攻を仕掛けたが、古巣対戦のGK上福元直人の再三のビッグセーブなど湘南のチーム一丸となった守備を最後までこじ開けられず、ホームで0-2の敗戦を喫した。 この敗戦によって今節でのJ1残留はお預けとなり、同勝ち点ながらFC東京、セレッソ大阪に得失点差で上回られて6位から8位に後退した。 今シーズンここまでは10人相手に2点差を追いつかれた東京ダービー、敵地で同じ昇格組に0-3で完敗したジュビロ磐田戦、入りの悪さが響いて初の連敗を喫した名古屋グランパス戦後に厳しい口調でチームの戦いぶりに苦言を呈してきた城福浩監督だが、今回の敗戦後には「前半は話にならないゲーム」とより厳しい口調で憤りを示した。 「ファン・サポーターには本当に申し訳ないことをしたなと思います。自分たちのサッカーに向き合う姿勢というものが、特に前半見せられなかったことは本当に恥ずかしい限りです。私の準備、人選、もろもろ自分の力が足りなかったと痛感しています」 とりわけ、指揮官が問題視したのは1失点目での対応。オフサイドを確信していたか、副審にオフサイドをアピールして全体の動きが緩慢になると、ボールホルダーの寄せの甘さ、ゴール前に入っていく鈴木雄にドフリーでゴール前に走り込まれて何の制限もかけられずにゴールを決められていた。 普段通りのアラートさ集中力を維持し、全力で人とスペースをケアしていれば、失点を防げた可能性もあり、指揮官としては受け入れがたい形での失点だった。 「自分たちのペースでいかない、そういうふうにならない時間帯、ゲームというのはシーズンを通してありますが、そこで辛抱しきれなかったという意味では、あの失点シーンは本当に受け入れられない」 「受け入れられないというのは何かと言うと、歩いている選手がいるということ。このチームで(相手が)シュートを打つ場面で歩いている選手がいるようでは、絶対にJ1では戦えない。そういう選手をピッチに立たせてしまった、そういうメンタリティで試合に臨ませてしまったという意味でも自分の至らなさを感じています」 後半に関しては2失点目以外で相手にシュートを許さず、試合全体を通しては相手の2倍となるシュート数を記録。上福元のビッグセーブがなければ、少なくとも勝ち点1は得られるような内容ではあった。 だが、城福監督は後半のパフォーマンスはあくまで通常の水準のパフォーマンスであり、ハーフタイムを機に好転したように見えたプレー内容も前半の低調すぎる出来の影響だったと厳しい態度は崩さなかった。 「(後半へ流れを変えるために)もちろんやり方も伝えましたが、それよりも姿勢。サッカーに対する姿勢です。前半は話にならないゲームでした。押され気味だったというところではなく、最後の際のところで歩いている選手がいるというのは受け入れられないと。その映像も見せました。それで(後半の出来が大きく)変わるのだから、ということは試合に入る準備がこのチームは足りなかったということ」 「もちろん後半、湘南はあのシュート1本のみだったので、我々からするとそれは非常に痛かった。1失点で終わっていれば、ゲームはどうなったかわからなかったと思います」 「我々にとっては痛かったですが、削られて倒れているのはウチの選手。イエローカードが出ているのは相手選手。では我々が戦ったのか、我々がやられっぱなしで何をしたのか。“やられている”というのは悪い意味ではなく、湘南は戦っていた」 「これは自分の大きな責任。このチームは何も得ていないし、何も示していないのに、チームとして大きな勘違いをさせてしまった。後半は当たり前で、あれぐらいやらないといけない。あれぐらいを前半45分で(出し切って)代わっていく選手がいないと戦えないというのは、このチームがやってきたこと。それにもかかわらず、あのような前半を見せたということは本当に恥ずかしいです」 試合後の会見で「前兆を感じていれば今日のメンバーではなかった」とその点は指揮官も認めるように、湘南戦前の1週間のトレーニングや戦前の選手たちのコメントや態度を鑑みても、チームはこの一戦に向けた浮ついた様子はなく、ここ最近の柏レイソル、北海道コンサドーレ札幌、サガン鳥栖と下位に沈む相手に対して、タフな戦いの末にギリギリで勝利した経験もあり、今季公式戦で1勝1敗だった対戦相手を侮るようなことはなかったと断言できる。 1失点目の対応は別として、単純にこの試合で見せた湘南のパフォーマンスが素晴らしかったという部分が完敗の主な要因と指摘できるが、選手たちは普段の試合に比べてソリッドさを欠いた一戦についてそれぞれの見解を示した。 キャプテンのMF森田晃樹は「緩みみたいなものは正直なかったと思いますけど、湘南さんに比べると、やっぱり差があった」と、指揮官同様に試合へのアプローチや勝利への執念という部分を含め相手に上回られていたと感じている。 「前半はあまり入りもよくなかったですし、監督も試合後におっしゃっていましたけど、本当に戦うところというか、根本的な局面のところで、湘南さんに負けていた。そういうところが今日の敗因につながったというふうに思っています」 その森田とボランチでコンビを組んでフル出場したMF齋藤功佑は、「自分たちがやるべきことの部分のクオリティが低かった」と、ハードワークや守備を中心に立ち返るべき部分で徹底し切れなかった点を悔やんだ。 「(前半は)自分たちがロングボールを蹴らされて、それを回収された中で、相手に押し込まれて最終ラインと中盤の受け渡しだったり、スライドだったりがうまくいかず、後手後手でやる形に。耐えている状況で耐え切れずに失点してしまったことで、ちょっと難しい展開になりました」 加えて、停滞した前半の攻撃面に関してはどんな戦い方を選択するにせよ、チームとしてより相手が嫌がるようなやり方が必要だったと主張。 「チームとして何を大事にするかというところが基準になると思いますけど、ちゃんと相手を見ながらビルドアップから剥がしてやりたいのであれば、もう少し立ち位置をずらしながら、それぞれが間に立ってみたいなことをしなければいけない」 「普通に相手陣地で押し込む時間帯を作りたいのであれば、相手を引き込んでプレッシャーが来ていることに対して、“引き込んでいる”という考え方にして、前線の連動性というか、個人で動くのではなくて、2人で動いたりしてスペースを作って、背後にいい質のボールを送ってあげることによって(1トップの木村)勇大が収めやすくするみたいな考え方。そのどちらかの工夫が必要だったかなと思います」 後半の途中出場でチーム最多3本のシュートを放って最もゴールに迫ったFW山田剛綺は「あれだけチャンスをもらったら、ひとつは決めないといけなかった」と自身のパフォーマンスを振り返りつつ、ピッチの外で見守る形となった前半のチームの戦いについても言及。 「湘南さんが巧かったので、自分たちの前から行ってというのを剥がされて、間延びしてみたいなシーンもあったので、自分たちのよさを出すことができなかった」とその印象を語った。 その上で、「その中でもそういう相手に自分たちが試合中にもっと意見を出し合って擦り合わせて対策していかないと、前半がもったいないことになる。そういう適応力というところは、みんなでもう一度話し合ってやっていかないといけないなと思います」と、若きチームの以前からの課題である試合中の修正力を磨く必要があるとの見解を示した。 今回の敗戦によって上位争いから一歩後退することになったが、残り5試合に向けては残留確定と共に、今季ここまでチームが積み上げてきたものを、さらに突き詰めていくという部分でチームの歩みは変わらない。 その中で指揮官は「指定席があってはいけない」と、ここにきて主力メンバーが固定されつつある状況において、今後のメンバー変更を含めてチーム内競争を促した。 「もちろん試合に向けて調整する選手と、頭から湯気を出してエネルギーを振り絞って練習をする選手と分かれていく。そういう選手を大事にしなければいけないと改めて思いました。今日のような(試合当日の)居残り組の練習で、一番練習するのがつらい状況で、頭から湯気を出している選手を、このチームは大事にしないといけない。指定席があってはいけないと、今日改めて思いました」 今季ここまで連敗はわずかに1度と敗戦ごとに力強く立ち上がってきた昇格組は、11日に行われるシンガポール代表とのトレーニングマッチを経て臨む、次節の浦和レッズ戦で湘南戦の厳しい敗戦を教訓に再びリバウンドメンタリティを示せるか。 2024.10.07 19:00 Mon
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ルヴァン決勝進出の名古屋&新潟、J1第35節が前倒し開催に

2024JリーグYBCルヴァンカップ決勝進出チームの決定を受け、明治安田J1リーグ第35節の試合日程が変更となった。 決勝に勝ち上がったのは3年ぶりの優勝がかかる名古屋グランパスと、初の主要タイトルがかかり、初のファイナル行きとなるアルビレックス新潟だ。 両チームの第35節は当初こそそれぞれ11月3日の14時キックオフを予定したが、ともに今月23日の19時キックオフと前倒しで開催される運びとなった。 なお、名古屋はアウェイのガンバ大阪戦、新潟はホームの東京ヴェルディ戦となる。 2024.10.13 18:35 Sun

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