「富士山の五合目、六合目」高度2640mでの過酷な戦い…U-20女子W杯に臨む狩野倫久監督が世界一へ意気込み「失敗を恐れず、チャレンジ」
2024.08.14 22:15 Wed
U-20日本女子代表を率いる狩野倫久監督
U-20日本女子代表の狩野倫久監督が14日、U-20女子ワールドカップ(W杯)に臨むメンバー21名を発表。2度目の優勝を目指す戦いに向けて意気込みを語った。
「我々U-20日本女子代表は、2023年の3月にU-19日本女子代表として立ち上げ、アジアの予選を勝ち抜き、U-20女子ワールドカップを目標にチャレンジしてきました」
「その中で、我々U-20日本女子代表として世界で選手たちがアグレッシブに躍動する姿を果敢にチャレンジしていけるのか。日本の女子代表としてオリンピックの後にそういった大会があり、多くの注目を集める中で、我々としてもこの女子サッカーを大きな発展、進歩させるために大きな大会だと思って参加させていただきます」
パリ・オリンピックではなでしこジャパンがベスト8で敗退。メダルに届かずに悔しい思いをしたが、2022年の大会に出場していたFW浜野まいかやFW藤野あおば、DF石川璃音、GK大場朱羽も参加した。
今大会はコロンビアでの開催。中2日での戦いに加え、グループステージを戦うボゴタは標高2640mと、普段過ごすことのない高地に。チームとしてタフに戦え、複数のポジションができる選手を選んだとした。
「今回のW杯ではコロンビアで行われ、特に初戦からグループステージはボゴタという土地で戦います。高地、2600mほどあるところですが、日本の女子代表としてまずはタフに戦えること。なおかつ、複数のポジションを多くこなすことができる。大会はトータル7試合あり、多くの試合が中2日で進んでいき、そうした環境、状況の中でポリバレントな選手たち。なおかつ、今までのU-19や日常の取り組み、パフォーマンス、活躍を含めて選考しました」
高地で戦うことは、対戦相手以上に環境への適応が非常に重要な要素となる。日本は早々に現地へ入り、調整を続けて慣れていくことになるが、慎重にやっていきたいとし、所属クラブにも協力をしてもらってコンディションを整えてきたと語った。
「グループステージを戦うボゴタは2600mほどあります。富士山の五合目、六合目に当たる場所です」
「今までのアンダーカテゴリーだと、2011年にU-17がメキシコで試合をやりました。それが1900mくらいです。南アフリカも標高が高かったんですが、今までにやったことがない標高でやります」
「準備段階でできるだけ環境適応、高度順化ということで、約2週間前から入って、できるだけ向こうでコンディションを慣らすということです。色々議論して、フィジカルやメディカルの観点からも色々話をさせていただき、少しでも高度順化して、体を慣らした上で、高山病にならない、コンディションを整えるという形で、心肺機能も併せてゲームに作っていくということです」
「今まさにWEリーグがプレシーズンでキャンプやトレーニングマッチを行っていますが、各クラブと連携しながら、各チームでコンディションをしっかり作ってもらって頂いている。U-20女子代表の多くの対象の選手をもとにクラブに協力してもらい、準備を幅広くしてもらったところからすると、しっかり選手たち個人の準備もそうですが、各クラブとの連携でコンディションを整えている。WEリーグも他国のリーグと同じスケジュールですので、同じ準備をしているかもしれませんが、日本の女子サッカーが一丸となって準備をしてきました」
アンダーカテゴリーでの世界一を目指し、クラブや日本サッカー協会(JFA)とも協力してきたという狩野監督。出場権を懸けたAFC U19女子アジアカップでは準優勝という結果になったが、より強度を上げたプレーを見せていきたいとした。
「我々としてはアグレッシブにどんどん前線からプレッシングをかけてボールを奪うというスタイルの中で、いかに効果的に素早くゴールまでいけるか。そういった部分を多く見せることができた中で、決勝のDPRコリア戦では、相手の圧力も含めて、少しボールを持てる時間が少なく、プレッシャーに負ける時間もありました」
「もちろんフィジカルフィットネスとして、強度を上げ、それらに対応する、フィットネスレベルを上げるというのは、選手たちに共有して各チームで取り組んでもらっています」
「それだけではなく、プレッシングに対してどういうふうに攻撃をして、マイボールの時間を増やして攻撃をしていくか。そこからさらに即時奪回して、チャレンジして高い位置でボールを奪うのか。課題だけでなく、新たなチャレンジとして見せることがこのアジアカップからW杯に繋がる取り組みだと考えています」
チャレンジを新たにしていくことを語った狩野監督。パリ・オリンピックのなでしこジャパンの戦いやU-23日本代表の戦いを見て、ヒントを得られた部分もあったという。
「パリ・オリンピックではなでしこジャパンが守備的な組織としてブロックを作ってボールを奪い攻めていくということは、非常に参考になる部分もあったかなと思います」
「それだけでなく、日本の代表として男子のオリンピックチームも含めて、世界と対等に戦ったり、素晴らしい日本人として見せるべきフットボールの参考になる部分がありました。女子だけではなく、日本の代表として積み上げていくことの1つだと思っているので、攻守に連動して関わってゴールに迫っていく。それは男女共に参考になる部分だったと思います」
その中でのこのチームの強みの1つは選手たちの“判断力”だという。
「1つというのは難しいですが、選手たちの判断力です。頭の中、シンキングスピードというのは今までずっと取り組んできた部分です。それが攻撃の部分やインテンシティを上げていくということ。ただ力強く走る、力強く飛び出すというただ走力の部分や球際の部分、バトルの部分も大事ですが、思考の部分。予知・予測・判断が攻撃でも守備でも我々の強み、もしくはキーになると思っています」
チャレンジをしながらも、賢く戦うことが重要だと語る狩野監督。世代別の大会では、大会中の成長も大きなポイントとなる。
「立ち上げた当初から、我々U-20のカテゴリーとしてはなでしこジャパンにエントリーされていく、上のカテゴリーを後押しして、または池田太監督の選手層の幅を増やしていくということでチャレンジしてきました」
「選手たちは世界の舞台で自分の活躍の場を求めてチャレンジしていく選手や、この大会で自分のパフォーマンス、ワールドカップで今までの取り組みがどれだけチャレンジできるのかを含めて、個人の目標をベースにどれだけ縦に伸ばしていけるかをチャレンジしてきました」
「大会中に色々な選手がチャレンジし、それは成功だけではなく、失敗から創意工夫してチャレンジしていくことで更に伸びていくと思います。何か失敗を怖がってというよりは、今までやってきたもの、その上にあるなでしこジャパンに繋がるような、日本の女子サッカーとして世界で躍動する姿を1つでも多く見せられるように選手をサポートすることが、チームの後押しになると思います」
結果を求めつつ、1試合1試合の成長も求めていくU-20日本女子代表。ニュージーランド、ガーナ、オーストリアとまずはグループステージで戦うが、狩野監督はそれぞれの国についても言及。1試合ずつ集中して戦っていくとした。
「ニュージーランドは日本のなでしこも数多くの試合もしています。我々の特徴を含めてわかっていると思いますが、体格差、パワー、スピードを持ったチームであることは間違いないです」
「ガーナに関しても、特有のフィットネスレベルが高い選手たちが多いですし、アフリカの予選を勝ち抜いたポイントだと思います」
「オーストリアに関しても、ヨーロッパの予選を勝ち抜いてきた試合を見た中で、前線には早い選手がいる中で、ディフェンスにはしっかりと大柄な選手で個々で守れる選手も多いです」
「どの試合も簡単なゲームはないと思いますし、1試合目から集中した入りを見せたいと思っています」
その中で、優勝を目指すために必要なこと。ノックアウトステージに入った途端にパリ・オリンピックでは男女共に敗れ、A代表でも日本代表はW杯でノックアウトステージを勝ったことがない。
狩野監督は、「余裕はない」としながらも、ノックアウトステージでギアを入れ替えられるようにしたいと語った。
「一戦一戦戦うというところでは余裕があるわけではないですが、オリンピックだけではないですが、U-17日本代表をかつて指揮した森山佳郎監督も言われていましたが、W杯を戦ってグループステージからノックアウトステージを戦い、ファイナルまで行くとなると、ノックアウトステージになった時に一気にギアを上げる必要があるという議論をしました」
「グループステージも一戦一戦しっかりと勝ち点を取りながらも、更なる成長をしてノックアウトステージに行く必要はあると思います。そういうところでは、もう1つ先、さらにその上という形になると思います」
世界にも称賛されている日本のアンダーカテゴリーの女子代表。日本が2度目の頂点に立てるのか。試合は『FIFA+』で無料視聴が可能となる。
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9月にコロンビアで行われるU-20女子W杯。2022年の前回大会はU-20スペイン代表に敗れて準優勝。2018年の同大会では池田太監督に率いられて初優勝を果たしていた。今大会のメンバーには、2022年の大会を経験した松窪真心や小山史乃観、天野紗、土方麻椰、林愛花なども招集。狩野監督は、優勝を目指して戦っていくと意気込みを語った。「その中で、我々U-20日本女子代表として世界で選手たちがアグレッシブに躍動する姿を果敢にチャレンジしていけるのか。日本の女子代表としてオリンピックの後にそういった大会があり、多くの注目を集める中で、我々としてもこの女子サッカーを大きな発展、進歩させるために大きな大会だと思って参加させていただきます」
「失敗を恐れず、チャレンジし、日本の女子としてアグレッシブに躍動する選手たちの姿が世界で見せられるように、全力で戦って優勝を勝ち取りたいと思います」
パリ・オリンピックではなでしこジャパンがベスト8で敗退。メダルに届かずに悔しい思いをしたが、2022年の大会に出場していたFW浜野まいかやFW藤野あおば、DF石川璃音、GK大場朱羽も参加した。
今大会はコロンビアでの開催。中2日での戦いに加え、グループステージを戦うボゴタは標高2640mと、普段過ごすことのない高地に。チームとしてタフに戦え、複数のポジションができる選手を選んだとした。
「今回のW杯ではコロンビアで行われ、特に初戦からグループステージはボゴタという土地で戦います。高地、2600mほどあるところですが、日本の女子代表としてまずはタフに戦えること。なおかつ、複数のポジションを多くこなすことができる。大会はトータル7試合あり、多くの試合が中2日で進んでいき、そうした環境、状況の中でポリバレントな選手たち。なおかつ、今までのU-19や日常の取り組み、パフォーマンス、活躍を含めて選考しました」
高地で戦うことは、対戦相手以上に環境への適応が非常に重要な要素となる。日本は早々に現地へ入り、調整を続けて慣れていくことになるが、慎重にやっていきたいとし、所属クラブにも協力をしてもらってコンディションを整えてきたと語った。
「グループステージを戦うボゴタは2600mほどあります。富士山の五合目、六合目に当たる場所です」
「今までのアンダーカテゴリーだと、2011年にU-17がメキシコで試合をやりました。それが1900mくらいです。南アフリカも標高が高かったんですが、今までにやったことがない標高でやります」
「準備段階でできるだけ環境適応、高度順化ということで、約2週間前から入って、できるだけ向こうでコンディションを慣らすということです。色々議論して、フィジカルやメディカルの観点からも色々話をさせていただき、少しでも高度順化して、体を慣らした上で、高山病にならない、コンディションを整えるという形で、心肺機能も併せてゲームに作っていくということです」
「今まさにWEリーグがプレシーズンでキャンプやトレーニングマッチを行っていますが、各クラブと連携しながら、各チームでコンディションをしっかり作ってもらって頂いている。U-20女子代表の多くの対象の選手をもとにクラブに協力してもらい、準備を幅広くしてもらったところからすると、しっかり選手たち個人の準備もそうですが、各クラブとの連携でコンディションを整えている。WEリーグも他国のリーグと同じスケジュールですので、同じ準備をしているかもしれませんが、日本の女子サッカーが一丸となって準備をしてきました」
アンダーカテゴリーでの世界一を目指し、クラブや日本サッカー協会(JFA)とも協力してきたという狩野監督。出場権を懸けたAFC U19女子アジアカップでは準優勝という結果になったが、より強度を上げたプレーを見せていきたいとした。
「我々としてはアグレッシブにどんどん前線からプレッシングをかけてボールを奪うというスタイルの中で、いかに効果的に素早くゴールまでいけるか。そういった部分を多く見せることができた中で、決勝のDPRコリア戦では、相手の圧力も含めて、少しボールを持てる時間が少なく、プレッシャーに負ける時間もありました」
「もちろんフィジカルフィットネスとして、強度を上げ、それらに対応する、フィットネスレベルを上げるというのは、選手たちに共有して各チームで取り組んでもらっています」
「それだけではなく、プレッシングに対してどういうふうに攻撃をして、マイボールの時間を増やして攻撃をしていくか。そこからさらに即時奪回して、チャレンジして高い位置でボールを奪うのか。課題だけでなく、新たなチャレンジとして見せることがこのアジアカップからW杯に繋がる取り組みだと考えています」
チャレンジを新たにしていくことを語った狩野監督。パリ・オリンピックのなでしこジャパンの戦いやU-23日本代表の戦いを見て、ヒントを得られた部分もあったという。
「パリ・オリンピックではなでしこジャパンが守備的な組織としてブロックを作ってボールを奪い攻めていくということは、非常に参考になる部分もあったかなと思います」
「それだけでなく、日本の代表として男子のオリンピックチームも含めて、世界と対等に戦ったり、素晴らしい日本人として見せるべきフットボールの参考になる部分がありました。女子だけではなく、日本の代表として積み上げていくことの1つだと思っているので、攻守に連動して関わってゴールに迫っていく。それは男女共に参考になる部分だったと思います」
その中でのこのチームの強みの1つは選手たちの“判断力”だという。
「1つというのは難しいですが、選手たちの判断力です。頭の中、シンキングスピードというのは今までずっと取り組んできた部分です。それが攻撃の部分やインテンシティを上げていくということ。ただ力強く走る、力強く飛び出すというただ走力の部分や球際の部分、バトルの部分も大事ですが、思考の部分。予知・予測・判断が攻撃でも守備でも我々の強み、もしくはキーになると思っています」
チャレンジをしながらも、賢く戦うことが重要だと語る狩野監督。世代別の大会では、大会中の成長も大きなポイントとなる。
「立ち上げた当初から、我々U-20のカテゴリーとしてはなでしこジャパンにエントリーされていく、上のカテゴリーを後押しして、または池田太監督の選手層の幅を増やしていくということでチャレンジしてきました」
「選手たちは世界の舞台で自分の活躍の場を求めてチャレンジしていく選手や、この大会で自分のパフォーマンス、ワールドカップで今までの取り組みがどれだけチャレンジできるのかを含めて、個人の目標をベースにどれだけ縦に伸ばしていけるかをチャレンジしてきました」
「大会中に色々な選手がチャレンジし、それは成功だけではなく、失敗から創意工夫してチャレンジしていくことで更に伸びていくと思います。何か失敗を怖がってというよりは、今までやってきたもの、その上にあるなでしこジャパンに繋がるような、日本の女子サッカーとして世界で躍動する姿を1つでも多く見せられるように選手をサポートすることが、チームの後押しになると思います」
結果を求めつつ、1試合1試合の成長も求めていくU-20日本女子代表。ニュージーランド、ガーナ、オーストリアとまずはグループステージで戦うが、狩野監督はそれぞれの国についても言及。1試合ずつ集中して戦っていくとした。
「ニュージーランドは日本のなでしこも数多くの試合もしています。我々の特徴を含めてわかっていると思いますが、体格差、パワー、スピードを持ったチームであることは間違いないです」
「ガーナに関しても、特有のフィットネスレベルが高い選手たちが多いですし、アフリカの予選を勝ち抜いたポイントだと思います」
「オーストリアに関しても、ヨーロッパの予選を勝ち抜いてきた試合を見た中で、前線には早い選手がいる中で、ディフェンスにはしっかりと大柄な選手で個々で守れる選手も多いです」
「どの試合も簡単なゲームはないと思いますし、1試合目から集中した入りを見せたいと思っています」
その中で、優勝を目指すために必要なこと。ノックアウトステージに入った途端にパリ・オリンピックでは男女共に敗れ、A代表でも日本代表はW杯でノックアウトステージを勝ったことがない。
狩野監督は、「余裕はない」としながらも、ノックアウトステージでギアを入れ替えられるようにしたいと語った。
「一戦一戦戦うというところでは余裕があるわけではないですが、オリンピックだけではないですが、U-17日本代表をかつて指揮した森山佳郎監督も言われていましたが、W杯を戦ってグループステージからノックアウトステージを戦い、ファイナルまで行くとなると、ノックアウトステージになった時に一気にギアを上げる必要があるという議論をしました」
「グループステージも一戦一戦しっかりと勝ち点を取りながらも、更なる成長をしてノックアウトステージに行く必要はあると思います。そういうところでは、もう1つ先、さらにその上という形になると思います」
世界にも称賛されている日本のアンダーカテゴリーの女子代表。日本が2度目の頂点に立てるのか。試合は『FIFA+』で無料視聴が可能となる。
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狩野倫久監督率いるU-19日本女子代表は21日、SUD Ladies Cup 2023最終節でU-19フランス女子代表と対戦し、7-0で勝利。3連勝で大会を締めくくった。 初戦のU-20カメルーン女子代表戦を3-0、続くU-20パナマ女子代表戦を4-0と、無傷の2連勝で最終節に臨んだ日本は、中1日での前節から先発を7人変更。GKは大熊茜(ジェフユナイテッド市原・千葉レディース)が務め、守護神全3選手が出場機会を得た。 日本は開始早々の6分にハイプレスから栗本悠加(セレッソ大阪ヤンマーガールズU-18)がボールを奪い切り、谷川萌々子(JFAアカデミー福島)の先制弾で幸先の良いスタートを切ると、22分には谷川のシュートをGKがはじいたこぼれ球に詰めた笹井一愛(ノジマステラ神奈川相模原)がプッシュして2試合連続ゴール。日本がリードを広げた。 [4-4-2]でセットするフランスは序盤こそボールを保持する時間を作ったが、次第に日本が主導権を握り続ける展開に。フランスは2点のビハインド後に前半でたまらず2枚替えを決行したものの、我慢するだけ精一杯。後半はハーフタイムに3枚替えを行った日本のゴールラッシュとなった。 56分には根府桃子(大和シルフィード)のラストパスを受けた栗本が相手に掴まれながらも粘り、左足で流し込んでリードを広げると、4分後には長いボールで右のハイサイドを突き、林愛花(MVLA Soccer Club)、小川由姫(ジェフユナイテッド市原・千葉レディース)とつないで最後は氏原里穂菜(日テレ・東京ヴェルディベレーザ)が右足の豪快な一撃を沈めた。 フランスは80分に谷川の突破をファウルで止めたアリス・マルケスが2枚目のイエローカードで退場となり、万事休す。数的優位となった日本は82分に猪瀨結子(マイナビ仙台レディース)のクロスから再び氏原がネットを揺らし、4分後には根府のポストプレーから谷川も左足でこの日2点目をマークする。 さらにその1分後には、第2節後のプレーヤー・オブ・ザ・マッチ(POTM)受賞インタビューで「次は点を取りたい」と語っていた小川にも大会初得点が生まれ、終わってみれば7得点の圧勝劇。3試合を終えて14得点無失点の好成績で、優勝トロフィーを手にした。 また、試合後のセレモニーでは各国の表彰に先立って審判団も表彰され、日本の兼松春奈主審、中本早紀副審、曽根未宇副審にも記念のトロフィーが授与された。 U-19フランス女子代表 0-7 U-19日本女子代表 【日本女子】 谷川萌々子(前6、後41) 笹井一愛(前22) 栗本悠加(後11) 氏原里穂菜(後15、37) 小川由姫(後42) ◆U-19日本女子代表 GK 大熊茜(ジェフユナイテッド市原・千葉レディース) DF 柏村菜那(日テレ・東京ヴェルディベレーザ) →猪瀨結子(マイナビ仙台レディース) 白垣うの(セレッソ大阪ヤンマーレディース) 古賀塔子(JFAアカデミー福島) 中谷莉奈(セレッソ大阪ヤンマーレディース) MF 角田楓佳(三菱重工浦和レッズレディース) →林愛花(MVLA Soccer Club) 谷川萌々子(JFAアカデミー福島) 白沢百合恵(アルビレックス新潟レディース) →氏原里穂菜(日テレ・東京ヴェルディベレーザ) FW 栗本悠加(セレッソ大阪ヤンマーガールズU-18) 樋渡百花(日テレ・東京ヴェルディメニーナ) →根府桃子(大和シルフィード) 笹井一愛(ノジマステラ神奈川相模原) →小川由姫(ジェフユナイテッド市原・千葉レディース) <span class="paragraph-title">【写真】U-19日本女子、歓喜のトロフィーリフト!</span> <span data-other-div="movie"></span> <blockquote class="instagram-media" data-instgrm-captioned data-instgrm-permalink="https://www.instagram.com/p/CshCi3VLk5-/?utm_source=ig_embed&utm_campaign=loading" data-instgrm-version="14" style=" background:#FFF; 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高地での戦いに挑むヤングなでしこ、現地ファンの声援も受けU-20女子W杯制覇へ! 狩野倫久監督「攻撃力をどう出していくかがポイント」
U-20女子ワールドカップ(W杯)でベスト16に勝ち残っているU-20日本女子代表の狩野倫久監督が、現地からのオンライン取材に応じた。 ヤングなでしこの愛称でも知られるU-20日本女子代表。2018年のU-20女子W杯では初優勝を果たすと、2022年の前回大会ではU-20スペイン女子代表に敗れたものの、準優勝の成績を残していた。 狩野監督が指揮を執るチームは、2022年のU-17女子W杯を経験した世代。ただ、この大会でもU-17スペイン女子代表に準々決勝で敗れ、ベスト8で敗退していた。 今大会はグループステージ3連勝、13得点1失点とその強さを見せつけている中、ノックアウトステージがスタート。日本は13日10時から(現地時間12日)にU-20ナイジェリア女子代表とラウンド16で対戦する。 狩野監督は大会を進める中でポジティブな点について「この年代の選手で、U-20日本女子代表のチームの特徴は笑顔あふれる選手たちが多く、他の海外遠征もそうですが、色々な環境、状況で常にポジティブで、順応すべく普段の生活から明るく元気な姿というのがポジティブな日常生活、前向きにピッチに向かう姿が印象的でした」と語り、難しい戦いの中でも選手たちの姿勢について評価した。 13ゴールを記録する攻撃面は非常に手応えも感じるところ。「立ち上げ当初から常に取り組んできて、誰が出ても色々なコンビネーションやパスワークから得点が取れるというところは、今までも多くありました」と振り返り、「それをW杯という世界の舞台でいかに発揮させることができるか。予選リーグでは多く見られたというのが良さとして挙げられます」と、グループステージでは一定の手応えを感じているとした。 狩野監督は3試合を通じて、選手を入れ替え、さらにはポジションも入れ替えながら結果を残してきた。マネジメントの部分については「戦い方の部分においては、意図的に回したというところというより、しっかりとマイボールを保持して、相手がブロックを固めてきた中で、効果的にどう崩していくか、1点を取られると相手を勢いに乗せてしまうので、高地というところだけではなく、1試合1試合戦う中で見えてきたことです」とピッチ上での戦い方に言及。「その中で、多くの選手がピッチに立ったなか、しっかりと準備した成果を出してくれたと思います」と、全ての選手の準備ができていたと振り返った。 優勝までは残り4試合を戦うことに。ここからは負ければ終わりのノックアウトステージとなる。勝ち上がっていくイメージについては「この予選リーグからいかにパワーアップして、ギアを上げてさらに4戦を戦っていくかというところで、7試合と考えるとまだ半分も終わっていない。準備してきたことを出すには、これからだろうと。対戦国がどこも強いことはわかっているので、テクニカルスタッフ、選手とも準備をしていきたい」と、これまで以上のパフォーマンスを出せるようにしていくと意気込んだ。 今大会はコロンビアで開催。日本はグループステージ3試合を首都・ボゴタで行ったが、標高は2640mで富士山の五合目から六合目でのプレーとなった。 日常生活からかけ離れている環境下での戦いとなった中、狩野監督は万全の準備をして来たと明かした。 「全てが終了した後に細かく説明させていただきますが、選手個々の体調のモニタリング。細かいところからピッチにおける走行距離だけではなく、心拍数を含めてどう変動しているか。選手は個々に体調の変化が違うので、選手個々をメディカルスタッフ、フィジカルスタッフ、テクニカルスタッフと見ていって、個別に対応したというのが初戦に入るまでの流れです」 「前例がない中で難しさがありながらも、本当にスタッフが色々と準備して対応して、選手もそこに焦ることなく、個人差が順応するまでにあるので、フィードバックしながら着実に個人が試合を行えるコンディションを整えて行ったというのがあります」 高地に順化することを目的に、準備を整えて来た日本。その甲斐もあり、グループステージで圧倒的な結果を残せたとも言えるだろう。 実際に試合を行っての難しさについては「単純に高地に来るということで、酸素飽和度が下がる。それによって酸素を取り入れるというところで通常でも心拍数が上がり、運動すればすぐに心拍数が上がり、回復までに時間がかかる」と説明。「例えば1分やって1分レストという通常の流れでやっても心拍数が下がらないというのがあります。順化するまでに10日から2週間かかり、個人差もあるので、個々にモニタリングして、心拍数が上がることが悪いのではなく、いつどれぐらいで心拍数が落ちるのかというところでトレーニングをやってきました」と、心拍数の上がり方ではなく、下がり方に注目して調整して来たとした。 また、今大会は国際サッカー連盟(FIFA)が試験的に「フットボール・ビデオ・サポート(FVS)」を導入。これはビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)とは違い、チームからのリクエストでVARと同様に「得点かどうか」、「PKかどうか」、「一発退場かどうか」、「人間違いのカード提示」の場面で介入が可能。監督がリクエストすることで発動し、権利は1試合に2回までとなり、リクエストが失敗した場合は1回消化されることとなる。 狩野監督は「FVSは新たな取り組みではありますが、レフェリーが試合を進めることが前提で、我々は色々なレクチャーを受け、それに対して選手もレクチャーや知識を事前に現地に入ってからも進めています」と、ある程度の準備はしているとしたが、「やはりフットボールはフットボールなので、まずはレフェリーが見てくれているということ。その中で重要なアクション、事象があった場合はリクエストができるということに意識を持ってやっているので、気を取られることはなく、審判と共同でゲームを進めていくというところで、オンザピッチで躍動するところを出そうよとやっています」と、大きく意識させていることはないとした。 ラウンド16ではナイジェリアと対戦。身体能力の高さもあるナイジェリアは、グループステージでドイツ、韓国、ベネズエラと同居し、2勝1敗の2位で通過してきた。 狩野監督は「アフリカ大陸特有の身体能力が高い選手が前線に多くいるので、それに対する準備というのがキーになると思っています」と警戒。「そうはいっても我々の良さである攻撃力をどう出していくかがポイントだと思っています」と、怖気付くことなく、しっかりと良さを出して挑んでいくとした。 そのナイジェリア戦も再びボゴタでの試合に。前回大会も現地のファンを虜にしたヤングなでしこだったが、今大会も日本人以外からも大きな声援を贈られている。 「現地でこちらにお住まいの日本の方、多くの方が見にきてくださった中で、コロンビアの現地の方が「ハポン、ハポン」と応援してくれ、試合中にも聞こえてきます」 「選手たちにとっては多くのサポーターの前でプレーできることを感じていると思います。これがこの大会だけではなく、強いなでしこを作っていく、彼女たちが活躍することで次の舞台はなでしこなので、常に失敗してもチャレンジする、前向きな姿勢でピッチに立とうという形が、そういった声援などにつながっていると思います」 現地のファンも味方につけているヤングなでしこ。残り4試合を戦い抜き、頂点に立つことが期待される。 2024.09.12 11:30 Thu5
U-19日本女子代表候補メンバーが発表! U-20W杯準優勝メンバーFW土方麻椰やなでしこ経験のDF小山史乃観らが選出
日本サッカー協会(JFA)は3日、トレーニングキャンプに臨むU-19日本女子代表候補メンバーを発表した。 今回のトレーニングキャンプは、6日から9日まで千葉県内で実施。8日にジェフユナイテッド市原・千葉レディースとトレーニングマッチを実施する。 新たに就任した狩野倫久監督が率いるU-19日本女子代表には、2022年になでしこジャパンに選ばれたDF小山史乃観 (INAC神戸レオネッサ)や、2022年のU-20女子ワールドカップ準優勝メンバーのFW土方麻椰( 日テレ・東京ヴェルディベレーザ)、MF天野紗(INAC神戸レオネッサ)らが選出されている。 U-19女子日本代表は、5月にはフランスでSUD Ladies CUPに出場。7月、9月、12月も国内でトレーニングキャンプを実施する予定となっている。 ◆U-19日本女子代表候補 GK 前田真唯(三菱重工浦和レッズレディースユース) 大熊茜(ジェフユナイテッド市原・千葉レディース) 岩崎有波(ノジマステラ神奈川相模原ドゥーエ) DF 熊谷美布(東洋大学) 白沢百合恵(アルビレックス新潟レディース) 柏村菜那(日テレ・東京ヴェルディベレーザ) 佐々木里緒(マイナビ仙台レディース) 松本はな(ちふれASエルフェン埼玉) 米田博美(セレッソ大阪堺レディース) 小山史乃観(INAC神戸レオネッサ) 岡村來佳(三菱重工浦和レッズレディースユース) 白垣うの(セレッソ大阪堺レディース) MF 天野紗(INAC神戸レオネッサ) 猪瀨結子(マイナビ仙台レディース) 高塚映奈(三菱重工浦和レッズレディース) 榊原琴乃(AC長野パルセイロ・レディース) 笹井一愛(ノジマステラ神奈川相模原) 角田楓佳(三菱重工浦和レッズレディース) 大島暖菜(大宮アルディージャVENTUS) 樋渡百花(日テレ・東京ヴェルディメニーナ) 松永未夢(日テレ・東京ヴェルディメニーナ) FW 土方麻椰(日テレ・東京ヴェルディベレーザ) 根府桃子(大和シルフィード) 氏原里穂菜(日テレ・東京ヴェルディベレーザ) 松窪真心(マイナビ仙台レディース) 桑原藍(INAC神戸レオネッサ) 和田麻希(セレッソ大阪堺レディース) オーライリー詩奈(聖カピタニオ女子高) 2023.03.03 16:47 FriU-20日本女子代表の人気記事ランキング
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10番・松窪真心が2ゴール! オランダ下したヤングなでしこが3大会連続決勝進出、アジア女王の北朝鮮と2大会ぶりの優勝を懸けて戦う【U-20女子W杯】
U-20日本女子代表は現地時間18日、FIFA U-20女子ワールドカップ(W杯)準決勝でU-20オランダ女子代表と対戦し、2-0で勝利した。 2大会ぶりの優勝を目指す日本はニュージーランド、ガーナ、オーストリアとのグループステージを3連勝でE組を首位突破。ラウンド16ではグループD2位のナイジェリアを破り、準々決勝では前回王者のスペインを相手に延長戦の末に勝利した。 前回大会決勝のリベンジを果たしたヤングなでしこ。中2日で迎えたオランダ戦には、スペイン戦と同じ11名をピッチに送り込むことに。トップにはここまで5ゴールの土方麻椰、シャドー気味に松窪真心が入ることに。中盤は大山愛笑、小山史乃観がボランチを務め、左に氏原里穂菜、右に松永未夢。最終ラインは右から柏村菜那、白垣うの、米田博美、佐々木里緒と並んだ。GKはここまで全試合でゴールを守っている大熊茜と並んだ。 立ち上がりから日本が攻め込む展開となると、3分、大山からの大きな展開を受けた日本は松窪、氏原と繋ぎ、最後は佐々木がシュートを放った。序盤から積極的にゴールを目指すヤングなでしこ。その後も、松永のスルーパスを受けた松窪がボックス内に入り左足シュートもGKがセーブするなど、ゴールに迫っていく。 ボールを保持しながら、オランダを押し込んでいく日本。相手にチャンスを作らせることはほとんどない中、なかなかフィニッシュの精度が上がらずに攻めあぐね、時間が経過していく中、終盤にはさらに圧力をかけることに。 41分にはビッグチャンス。小山の縦パスをボックス手前で受けた土方が、鋭いターンから左足シュートも、わずかに右に外れていく。さらに43分には小山の縦パスを松窪が受け、相手と競り合いながら浮き球で狙うが、今度は左に外れる。 終始日本が押し込んでいく展開となる中。前半アディショナルタイムにもビッグチャンス。ボックス付近で細かくパスを繋ぐと、最後は大山がボックス手前から強烈なミドルシュート。しかし、これは左ポストを叩いてしまいゴールならず。日本がペースを握ったが、ゴールレスで前半を終えた。 押し込んでいた日本はハーフタイムに氏原を下げて、天野紗を起用。松窪が左サイドに移り、天野がシャドーに入った。 50分には浮き球のパスを土方がヘッドで流すと、受けた松窪がボックス内からシュート。しかし、これも枠の右に外れることとなる。 攻め込み続けた日本は55分についにネットを揺らす。土方が左サイドから仕掛けて横パス。一旦は流れたと思われたが、右サイドを上がった柏村が広いニアゾーンの松永へパス。松永はボックス内の狭いゾーンを仕掛けクロスを入れると、松窪がダイレクトボレーを叩き込み、日本が先制に成功する。 先制した日本は62分に2枚交代。大山と松永を下げ、笹井一愛と早間美空を投入する。すると64分、オランダのスローインのシーンで天野がボックス内でエヴァ・オウデ・エルベリンクを倒す形となるがノーファウル。しかし、リクエストがあった中でオンフィールド・レビューが行われるもPKなしの判定は変わらなかった。 73分にはボックス左でパスを受けた笹井がボックス内に侵入してクロス。GKが触るもファーで早間がヘッド。しかし、ミートできずに枠を越えていく。 オランダもリードされたことで盛り返そうとしたが、83分に日本が追加点。早間のスルーパスを受けた松窪がボックス内から落ち着いて流し込み、この試合2点目。日本が大きく勝利を手繰り寄せることとなった。 日本は86分に佐々木を下げて岡村來佳を投入。試合を締めにかかる。87分には笹井の浮き球のパスをボックス内で早間がシュートも枠を捉えられず。日本は最後まで追加点を目指しにいく。 89分には2ゴールの松窪を下げて林愛花を入れることに。松窪にはスタンドからスタンディングオベーションで迎えられた。 アディショナルタイムは8分間と長い時間がとられた中、日本は最後まで主導権を握り続けてオランダを寄せ付けずに2-0で勝利を収めた。 オランダも下した日本は3大会連続の決勝進出。2大会ぶりの優勝を懸けた決勝の相手は、U-20アメリカ女子代表を0-1で下したU-20北朝鮮女子代表に決定。アジア予選も兼ねたAFC U20女子アジアカップの決勝で敗れた相手と世界一を懸けて戦う。試合は日本時間23日の6時キックオフとなる。 U-20日本女子代表 2-0 U-20オランダ女子代表 【日本】 松窪真心(後10、後38) ◆U-20日本女子代表 出場メンバー GK:大熊茜 DF:柏村菜那、白垣うの、米田博美、佐々木里緒(→86分 岡村來佳) MF:松永未夢(→62分 早間美空)、松窪真心(→89分 林愛花)、大山愛笑(→62分 笹井一愛)、小山史乃観、氏原里穂菜(→HT 天野紗) FW:土方麻椰 2024.09.19 11:57 Thu2
ヤングなでしこは2大会連続準優勝…アジア杯に続き北朝鮮に敗れる【U-20女子W杯】
U-20日本女子代表は現地時間22日、FIFA U-20女子ワールドカップ(W杯)の決勝でU-20北朝鮮女子代表と対戦し、0-1で敗戦。2大会連続の準優勝に終わった。 グループステージを全勝突破し、決勝トーナメントではナイジェリア、スペイン、オランダをしぶとく連破してファイナル進出を決めたヤングなでしこ。2大会ぶり2度目の優勝に向けた大一番では、U-20アジアカップ決勝で敗れた因縁の相手にリベンジを狙った。 狩野倫久監督は準決勝のオランダ戦から氏原里穂菜に代えて早間美空を起用した以外同じメンバーを継続した。 やや硬さが見受けられる日本は開始直後にいきなりピンチを招く。5分、右サイドのスペースに抜け出したチェ・イルソンにボックス内に持ち込まれると、カバーを試みたDF米田博美も交わされてしまい、左足の強烈なシュートを打たれるが、ここはGK大熊茜の好守で事なきを得た。 最初のピンチは何とか凌いだが、以降も強度の高い北朝鮮の圧力を前に守勢を強いられる日本。すると、15分には右サイドのチェ・イルソンの馬力ある仕掛けにDF佐々木里緒が振り切られて中央に切り込まれると、カバーに入った大山愛笑も止められず、再び左足シュートを打たれる。ヘディングでのブロックを試みたDF白垣うのにディフレクトしたボールがそのままゴールネットに突き刺さった。 守勢を耐え切れずにいきなりビハインドを背負う形となった日本。すぐさま反撃に出たいところだが、引き続きハイインテンシティのプレーを継続する相手の攻撃を防ぐのが精いっぱいという状況が続く。 前半半ばを過ぎて徐々にボールを動かし始めると、32分には大山の縦パスを前線の土方麻椰が落としたところに前向きでサポートに入った松窪真心がミドルシュートを狙うが、これは枠を捉え切れない。 難しい状況が続く中で狩野監督は37分、早間を下げて笹井一愛を投入。オフ・ザ・ボールの動き出しとボールキープも期待できるストライカーに局面打開を託す。だが、前半の内に攻撃を活性化させることはできず。1点ビハインドでハーフタイムを迎えた。 ハーフタイムの修正に注目が集まった後半立ち上がりも、勢いを持った北朝鮮の圧力に苦しむ日本。後半もチェ・イルソンの再三の仕掛けや連動したハイプレスからのショートカウンターで幾度となく際どいシーンを作られるが、体を張った守備や相手のシュートミスにも救われて1点差を維持。62分には大山を下げて天野紗を2枚目のカードとして切った。 さらに、76分には佐々木と松永未夢を下げて林愛花、角田楓佳を同時投入した日本。さすがに相手も疲れの色が見え始めるなか、82分には最大の決定機が訪れる。右サイド深くでボールを持った柏村菜那から内側でパスを引き出した松窪が縦への鋭い仕掛けでポケットを取って正確な折り返しを供給。これをゴール前にタイミング良く入ってきた小山史乃観が右足ダイレクトで合わすが、パワー不足のシュートはGKにキャッチされた。 その後はしたたかに時計を進めるプレーを選択する相手に対して、最後の力を振り絞って攻撃を仕掛けていく日本。8分が加えられた後半アディショナルタイムにはGK大熊も攻撃参加させたセットプレーやラストプレーでは松窪がボックス内に抜け出す決定機も作ったが、最後まで北朝鮮ゴールをこじ開けることはできず。 この結果、アジアカップに続き北朝鮮に敗れたヤングなでしこは前回大会に続き2大会連続の準優勝に終わった。 U-20北朝鮮女子代表 1-0 U-20日本女子代表 【北朝鮮】 チェ・イルソン(前15) ◆U-20日本女子代表 出場メンバー GK:大熊茜 DF:柏村菜那、白垣うの、米田博美、佐々木里緒(→76分 林愛花) MF:松永未夢(→76分 角田楓佳)、大山愛笑(→62分 天野紗)、松窪真心、小山史乃観、早間美空(→37分 笹井一愛) FW:土方麻椰 2024.09.23 08:08 Mon3
ヤングなでしこが“女王”スペイン撃破で4強 延長戦で米田博美のバックヘッド決勝ゴール【U-20女子W杯】
U-20日本女子代表は現地時間15日、FIFA U-20女子ワールドカップ(W杯)準々決勝でU-20スペイン女子代表と対戦し、1-0で勝利した。 2大会ぶりの優勝を目指す日本はニュージーランド、ガーナ、オーストリアとのグループステージを3連勝でE組を首位突破。ラウンド16ではグループD2位のナイジェリアを破り、このスペイン戦を迎えた。 序盤から攻めたのはこの試合に向けて、ナイジェリア戦の先発から1人を変更し、米田博美を起用した日本。ボールの主導権を握り、高いライン設定でスペイン陣内に押し込む時間を作っていく。 スペインのカウンターをケアしながら、攻め手に回り続けるなか、大山愛笑や、小山史乃観が果敢にフィニッシュ。さらに、佐々木里緒が直接FKで襲いかかったりもしたが、ゴールを割れず。 後半も日本がボールを握り、54分には連続した攻めでハーフタイム明けから出場の早間美空、松窪真心がフィニッシュを放つが、いずれも惜しい止まり。さらに、57分にも松永がゴールに迫る。 62分に笹井一愛の交代カードも切り、先制を目指す日本だが、67分のコラレスに自陣右サイドを突破され、ボックス内に切り込まれるピンチ。だが、シュートは右ポストを叩き、一難を逃れる。 徐々にスペインが押し返し始めるが、日本はその後も75分に早間、柏村が立て続けにゴールに迫り、82分にも白垣うのに決定機。さらに、攻め込む日本だが、仕留め切れず、延長戦に突入する。 そんな日本だが、102分に敵陣右サイドで獲得したFKからついに均衡を破り、キッカーを務めた大山のクロスにゴール前の密集地帯で米田が反応。バックヘッド気味に触ってだったが、ネットを揺らす。 延長後半から天野紗を入れ、バランスを修正した日本は114分にも林愛花を投入。守りに比重を置きつつ、チャンスと見るや次のゴールも目指し、うまく時計の針を進めていく。 120+3分にはボックス内でクロス対応に入った柏村がハンドの可能性でVARチェックの末にOFR対象となるが、スペインのPKなしに。逃げ切った日本が準決勝進出を決めている。 2大会ぶりの優勝に向け、前回女王攻略の日本は準決勝でU-20オランダ女子代表と対戦。試合は現地時間18日に行われる。 U-20日本女子代表 1-0 U-20スペイン女子代表 【日本】 米田博美(延前12) ◆U-20日本女子代表 出場メンバー GK:大熊茜 DF:柏村菜那、白垣うの、米田博美、佐々木里緒(→延後14 岡村來佳) MF:松永未夢(→後17 笹井一愛)、大山愛笑(→延後0 天野紗)、小山史乃観、氏原里穂菜(→後0 早間美空) FW:土方麻椰、松窪真心(→延後9 林愛花) 2024.09.16 10:40 Mon4
後半ATに失点もヤングなでしこが逃げ切りベスト8! 準々決勝では前回決勝で敗れたスペインと対戦【U-20女子W杯】
U-20日本女子代表は現地時間12日、FIFA U-20女子ワールドカップ(W杯)のラウンド16でU-20ナイジェリア女子代表と対戦し、2-1で勝利した。 2大会ぶりの優勝を目指す日本は、ニュージーランド、ガーナ、オーストリアとのグループステージを3連勝で終え、グループE首位通過。ラウンド16ではグループDを2位通過し、初優勝を狙うナイジェリアとの対戦となった。 2-0で勝利したオーストリア戦からはスタメンを3名変更。土方麻椰を最前線に置き、松窪真心がセカンドトップ気味に振る舞う[4-4-2]の形は変えなかった。 序盤はややナイジェリアのペースも、丁寧に繋ぎながらゴールを目指す日本。徐々に敵陣で過ごす時間を増やすと、12分には柏村菜那の右クロスから土方に決定機。GKの弾いたボールをシュートに持ち込むが、ゴールライン手前でDFにブロックされた。 18分には敵陣中央右寄りの位置で得たFKから再びチャンス。キッカーの佐々木里緒がゴール前に意表を突いたスルーパスを送ると、反応した白垣うのにはわずかに合わない。 その後は拮抗した時間が続いたが、33分につい日本が先制。敵陣でボールを奪うと、松窪のパスから左サイドの氏原里穂菜がふわりとしたクロス。ファーに走り込んだ松永未夢が頭で押し込んだ。 前半終盤にはナイジェリアのクロスが直接ゴールに向かう場面もあったが、GK大熊茜が好セーブ。1点のリードを保ったまま前半を終える。 狩野倫久監督は氏原を笹井一愛に代えて後半に突入。松窪が左に移り、笹井が土方と2トップを組む。 耐える時間が続くなか、土方と松窪の位置を入れ替えるなど試行錯誤する日本。クロス対応の際に相手と接触した岡村來佳の状態が心配されたが、プレーを続行する。 しかし、大山のミドルがあった日本は直後に追加点。65分、右ポケットに抜け出した笹井のクロスに土方が合わせると、一度はオフサイドの判定が下されたが、OFRにより得点が認められた。 その後はリズムを取り戻し、先制点を奪った松永の強烈な枠内シュートも。ナイジェリアの攻撃を跳ね返しながら勝負を決める3点目を狙いに行く。 終盤、左サイドから崩した日本は途中出場の天野紗のシュートがクロスバーに直撃。すると後半アディショナルタイム、オルショラ・ショボワレに反撃の1点を許すが、2-1で逃げ切り勝ち。完封とはいかなかったものの準々決勝進出を決めた日本は、カナダを破ったU-20スペイン女子代表と15日に対戦する。 U-20日本女子代表 2-1 U-20ナイジェリア女子代表 【日本】 松永未夢(前33) 土方麻椰(後20) 【ナイジェリア】 オルショラ・ショボワレ(後45+1) ◆U-20日本女子代表 出場メンバー GK:大熊茜 DF: 柏村菜那、岡村來佳、白垣うの、佐々木里緒 MF:松永未夢(→88分 和田麻希)、大山愛笑(→76分 天野紗)、小山史乃観、氏原里穂菜(→46分 笹井一愛) FW:土方麻椰、松窪真心(→76分 早間美空) 2024.09.13 12:06 Fri5