悲願のJリーグ参入へ…昨季超えの1年に! JFL高知ユナイテッドが新体制発表
2024.01.29 14:30 Mon
高知ユナイテッドSCが2024シーズンの体制を発表
日本フットボールリーグ(JFL)の高知ユナイテッドSCは28日、2024シーズンの体制を発表した。実り多き2023シーズンを送った高知。J3参入資格こそ継続審議止まりだったが、JFL4年目にして過去最高となる7位フィニッシュ、天皇杯で立て続けにJ1勢を撃破、かごしま国体(※1)で国体初優勝…ポジティブな1年となった。
(※1)サッカー競技・成年男子の高知県代表は高知ユナイテッドSCの単独チーム。決勝戦で鹿児島県代表に勝利して優勝を決めた
ただシーズン後には、四国リーグ時代からチームをけん引してきたFW西村勇太(30)、昨季ゲーム主将も務めたFW金井冬土(26)、司令塔のMF栗原純弥(26)という主力3選手が現役引退。また、その他の主力選手を含めて計12名の退団が発表されている。
2024シーズンに向けての新戦力は28日時点で6名。昨季の1番手GK上田樹(22)が去ったゴールキーパー陣にはJ3福島を退団したGK大杉啓(27)、DF今井那生(26)がJ2山口へ移籍したセンターバック陣にはJ2水戸からの武者修行となる田辺陽太(21)ら2名を加えている。
▽3月10日(日)13:00
高知ユナイテッドSC vs ヴィアティン三重
高知県立春野総合運動公園陸上競技場(高知市)
◆JFL第2節
▽3月17日(日)13:00
高知ユナイテッドSC vs ラインメール青森
高知県立春野総合運動公園陸上競技場(高知市)
◆2024シーズン選手一覧(1月29日現在)
▽(年齢/昨季JFL成績・新加入選手は前所属)
GKタンドゥ・ベラフィ(36/6試合3失点)
GK大杉啓(27)←福島ユナイテッドFC(完全移籍)
GK井上聖也(25/7試合3失点)
DF小林大智(25/27試合2得点)
DF中田永一(27/21試合1得点)
DF福田玲央(23/2試合0得点)
DF岩瀬蒼生(22)←金沢星稜大学(入団)
DF田辺陽太(21)←水戸ホーリーホック(育成型期限付き移籍)
DF橋本峻輝(25/24試合1得点)
DF吉田知樹(25/25試合0得点)←いわきFC(完全移籍移行)
MF横竹翔(34/11試合1得点)
MF高野裕維(23/28試合0得点)
MF田尻康晴(22/21試合0得点)
MF佐々木敦河(25/28試合2得点)
MF樋口叶(22/20試合3得点)
MF金原朝陽(23/16試合0得点)
MF上月翔聖(23)←FC大阪(完全移籍)
MF児玉壮琉(22)←大阪商業大学(入団)
MF宇田光史朗(19)←横浜FC(期限付き移籍)
FW小林心(23/24試合7得点)
FW新谷聖基(25/10試合2得点)
FW東家聡樹(26/26試合2得点)
FW原田烈志(23/4試合0得点)
◆コーチングスタッフ
監督:吉本岳史
ヘッドコーチ:立田将大
アシスタントコーチ:毛利雅志
アシスタントコーチ:濱田一希
トレーナー:茂木一樹
トレーナー:渡辺有羽
主務:安達星輝
ゼネラル・マネージャー(GM):西村昭宏
強化部:松山周平
(※1)サッカー競技・成年男子の高知県代表は高知ユナイテッドSCの単独チーム。決勝戦で鹿児島県代表に勝利して優勝を決めた
2024シーズンに向けての新戦力は28日時点で6名。昨季の1番手GK上田樹(22)が去ったゴールキーパー陣にはJ3福島を退団したGK大杉啓(27)、DF今井那生(26)がJ2山口へ移籍したセンターバック陣にはJ2水戸からの武者修行となる田辺陽太(21)ら2名を加えている。
◆JFL第1節
▽3月10日(日)13:00
高知ユナイテッドSC vs ヴィアティン三重
高知県立春野総合運動公園陸上競技場(高知市)
◆JFL第2節
▽3月17日(日)13:00
高知ユナイテッドSC vs ラインメール青森
高知県立春野総合運動公園陸上競技場(高知市)
◆2024シーズン選手一覧(1月29日現在)
▽(年齢/昨季JFL成績・新加入選手は前所属)
GKタンドゥ・ベラフィ(36/6試合3失点)
GK大杉啓(27)←福島ユナイテッドFC(完全移籍)
GK井上聖也(25/7試合3失点)
DF小林大智(25/27試合2得点)
DF中田永一(27/21試合1得点)
DF福田玲央(23/2試合0得点)
DF岩瀬蒼生(22)←金沢星稜大学(入団)
DF田辺陽太(21)←水戸ホーリーホック(育成型期限付き移籍)
DF橋本峻輝(25/24試合1得点)
DF吉田知樹(25/25試合0得点)←いわきFC(完全移籍移行)
MF横竹翔(34/11試合1得点)
MF高野裕維(23/28試合0得点)
MF田尻康晴(22/21試合0得点)
MF佐々木敦河(25/28試合2得点)
MF樋口叶(22/20試合3得点)
MF金原朝陽(23/16試合0得点)
MF上月翔聖(23)←FC大阪(完全移籍)
MF児玉壮琉(22)←大阪商業大学(入団)
MF宇田光史朗(19)←横浜FC(期限付き移籍)
FW小林心(23/24試合7得点)
FW新谷聖基(25/10試合2得点)
FW東家聡樹(26/26試合2得点)
FW原田烈志(23/4試合0得点)
◆コーチングスタッフ
監督:吉本岳史
ヘッドコーチ:立田将大
アシスタントコーチ:毛利雅志
アシスタントコーチ:濱田一希
トレーナー:茂木一樹
トレーナー:渡辺有羽
主務:安達星輝
ゼネラル・マネージャー(GM):西村昭宏
強化部:松山周平
吉本岳史
立田将大
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“責任感” J3参入高知の運命を好転させた上月翔聖24歳「あの浦安戦はベンチスタートで…」 秋田新監督については「キツい練習だけど僕のスタイルに合う」
2025シーズンから明治安田J3リーグに参入する高知ユナイテッドSC。MF上月翔聖(24)はチームに欠かせない存在である。 昨年12月、史上初開催のJ3・JFL入替戦でY.S.C.C.横浜を撃破し、JFLからJ3へのステップアップを掴んだ高知。“サッカー不毛の地”とも言われた南国土佐にJクラブが誕生した。 改めて昨季を振り返ると、JFL後期で大苦戦しながらも「2位」と「入替戦」を掴んだターニングポイントだったと考えられるのは、10月27日の第26節・ブリオベッカ浦安戦(A)。 高知は第22〜25節にかけ、4試合連続ノーゴールによる4連敗を喫し、その間に首位から陥落。浦安戦も早い時間から0-1となり、高知陣営の大多数が5連敗を覚悟したはずだ。 それでも85分、この日先発落ちしていた途中出場のMF上月がボックス外から強烈な右足弾丸ミドルを叩き込み、起死回生の同点弾に。 最終的に逆転ならず1-1ドローも、5試合ぶりにゴールと勝ち点を確保し、翌週は“鬼門”といえようアウェイHonda FC戦で勝利。上月の思い切りがなければ、高知は2025年もJFLを戦っていたかもしれない。あの弾丸ミドルに高知陣営の誰もが心を奮い立たせたはずだ。 上月は昨季を「充実しながらも苦しくて難しい1年だった」と振り返りつつ、浦安戦での1発はYS横浜との入替戦までつながったと語る。 「昨季はこれまでのキャリアでいちばん、時間の流れが速くて、楽しくて、つらかったシーズンでした。僕個人は試合に出て(JFL)ベストイレブンも獲って…と思われるかもしれませんが、とくに後半戦は自分の責任で負けた試合がありますし、なによりなかなか勝てなかった」 「あの浦安戦まで、後半戦の僕はチームのために何も貢献できてなくて…副キャプテンとしての声がけはできます。でもゴールやアシストだったり『結果』を出せなかった。とにかくチームを助けたい一心だったと思いますね」 「浦安戦はベンチスタートで、もちろんゴールを強く意識しました。あのミドルが決まり、結果を出すっていう意識を高く持ち続けられたことが、YS横浜戦(1stレグ)での同点ゴールにもつながったと思います」 また、「いま自信を持って闘えているのは、“つばくん”から貰った言葉のおかげでもあります」と、昨年末に現役引退を発表した“高知家の大黒柱”横竹翔氏への感謝も語る。 「僕のミスで失点して負けてしまった試合があって、次の練習でつばくんと一緒にジョギングさせてもらったとき、自分の率直な心境を話しました。つばくんからは『俺も同じので悩んだことあったよ』とか言葉をもらいましたね」 「プレー面もメンタル面もつばくんに支えてもらいました。つばくんのおかげで精神的に成長できたと思いますし、このチームもつばくんがいなかったらJ3に上がれなかったと思います」 今季就任の秋田豊監督については。 「もちろん当初はタカさん(吉本岳史前監督)と一緒に続けたかったです。秋田さんになって最初『どんな監督なんだろう?』って不安はありましたね。でも蓋を開けると、秋田監督は『自分のスタイルに合うな』って感じましたね」 「スプリントとか球際で闘う部分はもちろんそうですし、僕も監督に負けないくらい勝利へ貪欲です。秋田さんのもとで毎日キツい練習をやってますけど、トレーニングマッチなんかも含めて、楽しく成長している実感がありますね」 上月自身はFC大阪時代に続くキャリア2度目の“J3リーグ入会”。高知のチームメイトと共有できる経験値が彼にはある。 「FC大阪のJ3初戦は『やってやろう』という気持ちと勢いがあったなかでも、やはり少し“硬かった”記憶があります。高知も硬くなる部分はあると思うけど、少しでも楽しく自信を持って臨めるよう、伝えられることは伝えるようにしています。相手がどこであれやることは同じなので、全力で勝ちに行きたいと思います」 ◆明治安田J3リーグ第1節 2月16日(日) 14:00KO 栃木SC vs 高知ユナイテッドSC ◆明治安田J3リーグ第2節 2月23日(日) 14:00KO 高知ユナイテッドSC vs ガイナーレ鳥取 ◆2025シーズン主将 DF4 小林大智 ◆2025シーズン副主将 GK21 大杉啓 DF5 田辺陽太 MF16 上月翔聖 <span class="paragraph-title">「ムムッ! 欲しいですかッ!?」気さくな高知ユナイテッドSCの公式X</span> <span data-other-div="movie"></span> <blockquote class="twitter-tweet"><p lang="ja" dir="ltr">ムムッ!欲しいですかッ <a href="https://t.co/e7Yt68zkdK">https://t.co/e7Yt68zkdK</a></p>— 高知ユナイテッドSC (@kochi_United) <a href="https://twitter.com/kochi_United/status/1883412935701307707?ref_src=twsrc%5Etfw">January 26, 2025</a></blockquote> <script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script> 2025.01.26 16:32 Sun2
2025年2月16日、高知ユナイテッドSCの歴史的Jリーグ初戦は栃木SCと…「J3で20番目のチーム」は気概を示せるか
高知ユナイテッドSCにとって歴史的な2025シーズンがいよいよ幕を開ける。 昨年12月の入替戦を制し、日本フットボールリーグ(JFL)から明治安田J3リーグへの栄転を掴んだ高知。“サッカー不毛の地”とさえ呼ばれた南国土佐に、史上初のJクラブが誕生した。 年の瀬には吉本岳史監督が電撃退任し、サポーター間で大きな衝撃が。それでも、いわてグルージャ盛岡時代に『J3』で酸いも甘いも経験した秋田豊新監督のもと、選手たちは厳しくも充実のトレーニングを積んでいるようで、MF上月翔聖は「キツいけど成長を実感中」と話す。 昨シーズンは3月の開幕時点で24選手、途中加入&移籍を経ても総勢27選手というコンパクトな陣容でJ3まで駆け上がった高知。 今季に向けては主力の大半が残留した一方、新たに17選手が加わり、総勢32選手に。指導体制も変化したなか、“秋田高知”初陣で一体どのような11人が並ぶのか…蓋を開けてみねばわからないところであり、楽しみな点でもある。 2025年2月16日、高知がJリーグの舞台で初めて対戦するは、J2復帰を期す栃木SC。 栃木SCは昨季J2リーグ18位で降格、2017年以来8年ぶりのJ3に。同時にJFLからは高知とともに栃木シティがJ3へ…来季のJ2復帰を誓うなら、本拠地カンセキで迎えるJリーグ1年生高知との開幕戦を落とすわけにはいかない。 高知としても、気概を示すには絶好の相手。 キャプテンのDF小林大智、また秋田新監督は「我々はJ3で20番目のチーム」「Jリーグで60番目のチーム」とコメント。一昨年の天皇杯しかり、昨年末の入替戦しかり、“上”の相手を倒して大きな何かを成し得た経験を持つ選手が、Jリーグ1年目のチームにも複数残っている。 統合設立から10年目、県勢初のJクラブとなった高知ユナイテッドSC。Jリーグ1年目の歴史的初戦でどのような戦いを見せるのか。 筆者が高校1年生時、クラスの副担任は高知ユナイテッドSCの前身たる南国高知FCでプレーした元選手。先生が「プロは『準備』が大事」と話していたことを、今でも覚えている。 ◆明治安田J3リーグ第1節 2025年2月16日(日) 14:00KO 栃木SC vs 高知ユナイテッドSC 会場:カンセキスタジアム栃木(宇都宮市) 中継:とちぎテレビ、NHK高知放送局 配信:DAZN、Lemino <span class="paragraph-title">【公式X】高知ユナイテッドSCのファンクラブがJ3入会でリニューアル!“プチ会員”でも「コスパ高すぎ」!?</span> <span data-other-div="movie"></span> <blockquote class="twitter-tweet"><p lang="ja" dir="ltr">高知ユナイテッドSC「クラブユナイテッド2025」のご案内<br><br>皆様大変お待たせいたしました<br><br>これから観戦に行かれる方など、多くの皆様により一層お楽しみいただけるよう、昨年から内容をリニューアル!<br><br>詳細はこちら<a href="https://t.co/9bqr4UFzqh">https://t.co/9bqr4UFzqh</a><a href="https://twitter.com/hashtag/%E9%AB%98%E7%9F%A5%E3%83%A6%E3%83%8A%E3%82%A4%E3%83%86%E3%83%83%E3%83%89SC?src=hash&ref_src=twsrc%5Etfw">#高知ユナイテッドSC</a> <a href="https://twitter.com/hashtag/%E9%AB%98%E7%9F%A5%E4%B8%80%E5%BF%83?src=hash&ref_src=twsrc%5Etfw">#高知一心</a><a href="https://twitter.com/hashtag/%EF%BC%AA%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%B0?src=hash&ref_src=twsrc%5Etfw">#Jリーグ</a> <a href="https://t.co/0s77SM4MUs">pic.twitter.com/0s77SM4MUs</a></p>— 高知ユナイテッドSC (@kochi_United) <a href="https://twitter.com/kochi_United/status/1885288364758405412?ref_src=twsrc%5Etfw">January 31, 2025</a></blockquote> <script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script> 2025.02.13 17:00 Thu3
「高知県にJリーグを」目指すは来季のJ3参入!「残り4試合戦い抜きます」【JFL高知の歩み】
2019年の地域CLで2位となり、翌2020年からJFLに舞台を移した高知ユナイテッドSC。クラブ名変更にライバルクラブとの統合を経て、ようやく辿り着いた全国リーグだが、目線は早くもその先へ。“Jなし県”脱却、来シーズンのJ3リーグ参入を目指し、今季も最後まで全力で戦う。【第3回/全3回|<a href="https://web.ultra-soccer.jp/news/view?news_no=452484" target="_blank">前編</a> <a href="https://web.ultra-soccer.jp/news/view?news_no=452485" target="_blank">中編</a>】 <span class="paragraph-subtitle">〜高知県から本気でJリーグ!~</span> 2023年のJFLもいよいよ佳境。財務問題に端を発したFC神楽しまねの除名が開幕直前に決まり、従来の16チーム編成ではなく15チームとなったため、毎節1チームが試合なしとなっているが、あれよあれよという間に全チームが最低24試合(全28試合)を消化するところまで来た。 JFL4年目を迎えた高知ユナイテッドSCも24試合まで消化し、9勝6分け9敗の6位と健闘。過去3年は14位、13位、11位であり、この6位を最後までキープすれば初の1桁順位フィニッシュとなるが、かねてより「高知県から本気でJリーグ!」と掲げてきた高知の目標はあくまで「来季のJ3参入」だ。 しかし、クリアソン新宿とヴィアティン三重のJリーグ入会が条件付き(JFLで2位以内の確保が必須)で承認されている一方、高知は「継続審議」とされており、現状では今季のJFLで2位以内を確保しても、J3への自動昇格、もしくは入替戦行きを掴めるか不透明だ。 そんななか、10月29日には第26節で首位Honda FCと対戦。1-1のドロー決着となったこの一戦は本拠地・高知県立春野総合運動公園陸上競技場に「2156人」が来場し、今季のJFLホームゲームにおける最多の観客動員となった。 首位であり、JFLの“盟主”でもあるHonda相手に勝ち点「1」を掴み、観客動員でも大きな成果…しかし、残り4試合で2位ソニー仙台FCとの勝ち点差が「7」となり、J3参入の大前提である2位以内確保が難しくなった格好だ。 それでも高知の吉本岳史監督は試合後、「J3昇格の可能性がまだあるなか、(Hondaに)負けなかったことは選手たちが勝利に向かって走り続けてくれたから。1-1となってからもビッグチャンスがありましたし、勝ち点1を“もぎ取った”とは思いません。“積み上げ”ました」と選手を称える。 残り4試合に向けても「J3への切符を掴みたいと思っていますが、簡単ではない、そして現実的に難しいことも理解しています。だからこそ、この4試合をひたむきに決勝戦のように戦いたい」と前を向く。 選手からも続々とポジティブな言葉が。昨年までJ3のヴァンラーレ八戸に所属していたDF小林大智は「一戦必勝で目の前の試合に勝てば、その先に何かが見えてくる。そう信じたい。良い準備をします」とコメント。ゲームキャプテンを務めた24歳は真っ直ぐな目で答えてくれた。 また、22歳MF樋口叶はJ3参入の可能性を残す新宿や三重だけでなく「対戦する全チームがライバル」とし、「今日のような雰囲気は励みになりました」と今季最多の観客動員に触れる。高知は残り4試合中2試合がホームゲームだ。 地元・高知県出身のMF佐々木敦河も「今年でJ3に上がって、全国の方たちに『高知県にもJクラブがあるんだな』って知ってもらいたい。残りの4試合、頑張って戦い抜きます」と意欲を見せる。 「自分が高校生の時、高知県のクラブがこのレベル(JFL)で戦うチャンスはありませんでした。今この舞台にいることは素晴らしいことですし、ここからまた『高知県にJリーグを』という想いも強いです」 Jリーグを目指して歩みを進める高知ユナイテッドSC。佐々木が意気込んだように今季の残り4試合、最後まで「来季のJ3参入」を目指して戦い抜く。迷うなかれ、志高く一歩前へ。土佐藩が生んだ幕末の志士・坂本龍馬はこんな言葉を私たちの生きる後世に残したという。 「何の志も無きところに、ぐずぐずして日を送るは、実に大馬鹿者なり」 (完) 2023.11.03 21:00 Fri4
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Jリーグ参入見据えるJFL高知が開幕6連勝で首位…遅攻速攻セットプレー&スーパーサブで14得点、対戦相手を悩ます精鋭集団に
Jリーグ参入を見据える高知ユナイテッドSCが破竹の開幕6連勝。JFL16チーム中屈指の完成度がそこにはある。 13日、日本フットボールリーグ(JFL)第6節のソニー仙台FCvs高知ユナイテッドSCが行われ、敵地に乗り込んだ高知が0-2と勝利した。 高知はこれで開幕6連勝。その間、「14」得点「2」失点と攻守両面で際立つ数字を残し、2位沖縄SVとはすでに勝ち点「6」差まで広がっている。盤石の首位キープだ。 昨季断片的ながらも高知の試合を眺めていた印象から、今季の戦いぶりを簡潔にあらわすと、「選手個々の鋭さが増している」といったところか。 ◆豊富な得点パターン 今季の選手個々を振り返る前に、昨季の高知をざっとおさらい。基本システムは[3-4-2-1]で、守備時はもちろん[5-4-1]。奪ってからの速攻は鋭く、スピード豊かなMF樋口叶やFW小林心、身体能力が高いターゲットマンのFW西村勇太(昨季限りで引退)はとりわけ危険な存在だった。 “ジャイキリ”達成の天皇杯ガンバ大阪戦、横浜FC戦などで披露した堅守速攻は普段のJFLと同じスタイル。セットプレーも得意とし、2023シーズンのリーグ戦30得点(28試合)中、12得点をCK・FK・PKから挙げている。 では、就任3年目の吉本岳史監督が基本システムを[4-2-3-1]へ移行した今季はどうか。 14得点の内訳は、ポゼッションから相手の守備網を崩して「3」得点、鋭い速攻で「5」得点、ロングボールから「1」得点、CKとFKから「3」得点、PKで「2」得点と、遅攻速攻セットプレー、比較的バランスよくゴールを奪えている印象だ。 ◆際立つ個性 前線の個々に目を向けると、昨季シャドーを主戦場としたMF樋口は2列目左が定位置となり、ここまで全6試合先発で2得点2アシスト。システム変更に伴い守備タスクが変わっても、持ち味のドリブルやアジリティが損なわれた感じはしない。 背番号10を背負う2列目中央のMF佐々木敦河はオールラウンダー的存在。ここまで得点こそないが、視野の広さとキック精度でゴールへ直結するプレーを披露でき、サイドに流れてのプレーやスペースメイキングも苦にしない高知の生命線だ。 2列目右のFW東家聡樹はアンタッチャブルな存在。本職ストライカーの26歳は186cmと長身ながらもずば抜けて足が速く、最終ライン背後に広大なスペースがある場合、後追いする相手DFはノーチャンスだ。第5節アトレチコ鈴鹿戦もこの形でネットを揺らし、今季3得点としている。 また、ストライカーのFW小林心は昨季チームトップの7得点ながらも今季は全6試合途中出場。にもかかわらず今季「4」得点は、JFL得点ランキング首位タイの数字であり、まさにジョーカー。 第1節ヴィアティン三重戦(3◯0)は90+3分にPKを沈めてダメ押し。第3節横河武蔵野FC戦(3◯0)は84分のスルーパスに抜け出し、東家に引けを取らぬスピードを見せつけ、やはりダメ押し。ソニー戦は投入直後の50分にPKで先制点、そして83分に切れ味鋭いドリブルから追加点。PK2つはいずれも自ら倒されて得たものであり、4得点中3得点は80分以降なのだ。 ここでは前線の選手数名だけにフォーカスしたが、攻守両面で気が利く両サイドバックのDF吉田知樹&MF上月翔聖、21歳DF田辺陽太&23歳DF福田玲央の若きセンターバックコンビなど、GKとボランチも含めて各ポジションの選手が際立ち、競争力が向上しているのが現高知。 6試合2失点の堅守を含め、今のところチーム全体の完成度はJFL16チームで群を抜く、と言ってよいだろう。 次節は昨季王者Honda FCとのホームゲーム。JFL昇格初年度の2020シーズン以来勝てていない相手であり、この一戦は高知にとって試金石となるはずだ。 ◆JFL第7節 4月28日(日) 13:00キックオフ 高知ユナイテッドSC vs Honda FC 高知県立春野総合運動公園陸上競技場 LIVE配信:JFL Official Channel(ユーチューブ) ◆過去のハイライト 高知ユナイテッドSCチャンネル(ユーチューブ) 2024.04.15 18:20 Mon高知ユナイテッドSCの人気記事ランキング

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【明治安田J3第12節まとめ】首位・栃木Cは八戸とゴールレスドロー、2位FC大阪は首位と勝ち点で並ぶ白星
明治安田J3リーグ第12節の10試合が6日、7日にかけて各地で行われた。 <h3>【八戸vs栃木C】上位対決は痛み分け</h3> 首位の栃木シティ(勝ち点24)と3位のヴァンラーレ八戸(勝ち点20)の上位対決。試合は立ち上がりから攻め合う形となり2分に八戸は澤上竜二がクロスを頭で合わせるが、GK相澤ピーターコアミが好セーブ。栃木Cは4分に相澤ピーターコアミのロングフィードに抜け出したピーター・ウタカがGK大西勝俉をかわしてシュートを放つが、ポストに嫌われる。 ここまで9試合無敗を続けている栃木Cがペースを握っていく中で、4試合連続ゴール中の田中パウロ淳一に5試合連続ゴールの期待もかかったが、0-0のゴールレスドローに終わった。 <h3>【奈良vs宮崎】宮崎がしっかりと勝ち切り3位浮上</h3> 5位の奈良クラブ(勝ち点19)と4位のテゲバジャーロ宮崎(勝ち点19)の勝ち点で並ぶ戦い。中2日での戦いとなった両者だが、アウェイの宮崎が押し込んでいく展開となる。 3分にはパスに抜け出た吉澤柊がシュートも、ミートせずに枠外に。5分にはボックス内で阿野真拓がシュートも、GKマルク・ヴィトがセーブする。 24分には左サイドのスペースに抜け出た下川陽太が前に出てきたGKの頭上を越えるループシュートを沈めるもこれはオフサイド。ゴールレスで試合を折り返すと、防戦だった奈良は58分にビッグチャンス。ボックス手前で川谷凪がボールを奪うと、ボックス右からグラウンダーのクロス。これを田村 亮介がダイレクトで合わせるがGKイ・チュンウォンがセーブ。こぼれ球を田村 翔太がシュートするとブロックされるも、岡田 優希が再びシュートを狙うが右ポストに嫌われる。 ゴールレスのまま迎えた中、88分に試合が動く。相手の横パスをインターセプトした井上怜がそのまま持ち出してGKとの一対一を決めて宮崎が先制。0-1で勝利した宮崎が3位に浮上した。 <h3>【FC大阪vs松本】エースのゴールでFC大阪が首位に勝ち点で並ぶ</h3> 2位のFC大阪(勝ち点22)と10位の松本山雅FC(勝ち点15)の試合。勝てば首位の栃木Cに勝ち点で並ぶFC大阪は序盤からペースを握っていく展開となる。 しかし、互いになかなかゴールが奪えない展開に。それでも松本は38分にチャンス。小川大貴がボックス手前から左足シュートも枠の右に外れる。すると40分にFC大阪が先制。センターサークル内で佐藤諒が左サイドからのパスをダイレクトで前線へ送ると、抜け出した島田拓海が落ち着いて流し込みゴール。島田は3試合連続ゴールとなった。 FC大阪はさらに42分にもビッグチャンス。左からのクロスをファーサイドで増田隼司がヘッド。これはGK大内一生がセーブすると、こぼれ球を佐藤がシュートも、GK大内が体を張って止める。 後半は互いにゴールを目指すも、やはりゴールが遠い展開に。結局前半のゴールが決め手となり、1-0でFC大阪が勝利し、首位の栃木Cと勝ち点で並ぶこととなった。 その他、FC琉球に勝利した鹿児島ユナイテッドFCが5位、ツエーゲン金沢に勝利したギラヴァンツ北九州が6位に浮上し、昇格プレーオフ圏内に入った。 <h3>◆明治安田J3リーグ第12節</h3> ▽5/6(火) 福島ユナイテッドFC 2-4 ザスパ群馬 【福島】 中村翼(後10) 清水一雅(後51) 【群馬】 青木翔大(前39) 小西宏登(前43) 高橋勇利也(後14) 米原秀亮(後27) ヴァンラーレ八戸 0-0 栃木シティ 栃木SC 1-0 AC長野パルセイロ 【栃木SC】 矢野貴章(後46) SC相模原 1-0 ガイナーレ鳥取 【相模原】 加藤大育(後43) ツエーゲン金沢 0-1 ギラヴァンツ北九州 【北九州】 河辺駿太郎(前24) 奈良クラブ 0-1 テゲバジャーロ宮崎 【宮崎】 井上怜(後43) 高知ユナイテッドSC 0-2 カマタマーレ讃岐 【讃岐】 附木雄也(後34) 大野耀平(後40) FC琉球 1-2 鹿児島ユナイテッドFC 【琉球】 高木大輔(前29) 【鹿児島】 近藤慶一(前11) 岡崎慎(後47) FC岐阜 3-2 アスルクラロ沼津 【岐阜】 ドゥドゥ(前3) 横山智也(前7) 西谷亮(前11) 【沼津】 鈴木拳士郎(前38) 菅井拓也(後24) ▽5/7(水) FC大阪 1-0 松本山雅FC 【FC大阪】 島田拓海(前40) 2025.05.07 21:02 Wed2
【明治安田J3第11節まとめ】J3新規参入の栃木CがFC大阪との首位攻防戦を制して首位浮上! 宮崎は高知を相手に2点差を逆転して3位浮上
明治安田J3リーグ第11節の10試合が3日に各地で行われた。 <h3>【栃木CvsFC大阪】初のJ3挑戦の栃木Cが首位浮上</h3> 2位の栃木シティと首位のFC大阪の一戦。首位攻防戦となった中、ホームの栃木Cが主導権を握ることに開始6分、右サイドを仕掛けた田中パウロ淳一がクロスを入れると、相手のハンドを誘いPKを獲得。これを田中が自らしっかりと決めて栃木Cが先制。得意の「えっほえっほ」のパフォーマンスを見せる。 さらに18分、栃木CはGK相澤ピーターコアミがロングフィードを送ると、これを抜け出てトラップした平岡将豪が切り返しから豪快に決めてリードを広げる。 首位のFC大阪は栃木Cのペースに飲まれていた中、76分には自陣でボールを奪うと西村 真祈のスルーパスに反応した島田 拓海が決めて1点を返すことに。それでも反撃はここまでとなり、2-1で栃木Cが勝利して首位に浮上した。 <h3>【宮崎vs高知】土壇場の勝利で宮崎が3位浮上</h3> 6位のテゲバジャーロ宮崎は10位の高知ユナイテッドSCをホームに迎えた。 試合は33分に高知がカウンターから新谷聖基が決めて先制すると、44分には相手のハンドで得たPKを小林心が決めて前半で2点をリードする。 宮崎は2点ビハインドとなったが51分に反撃。左サイドからのクロスに対して橋本啓吾がヘッドで合わせて1点を返すと、78分にも左からのクロスを今度は黒木謙吾がヘッドで同点に追いつく。 2つのクロスから追いついた宮崎だったが89分にドラマが。ロングボールから、最後は橋本が泥臭く決め切って大逆転。3-2で勝利し、3位に浮上した。 なお、3位の鹿児島ユナイテッドFCは7位の奈良クラブに1-2、4位のツエーゲン金沢は16位の松本山雅FCに2-1、5位のギラヴァン北九州は11位の栃木SCとゴールレスドローとなり、勝ち点を伸ばせなかった。 <h3>◆明治安田J3リーグ第11節</h3> ▽5/3(土) 栃木シティ 2-1 FC大阪 【栃木C】 田中パウロ淳一(前6) 平岡将豪(前18) 【FC大阪】 島田拓海(後32) ザスパ群馬 1-1 FC岐阜 【群馬】 加々美登生(後45) 【岐阜】 粟飯原尚平(後8) アスルクラロ沼津 0-1 ヴァンラーレ八戸 【八戸】 音泉翔眞(前7) ガイナーレ鳥取 2-0 FC琉球 【鳥取】 三木直土(前32、後15) カマタマーレ讃岐 1-2 福島ユナイテッドFC 【讃岐】 大野耀平(後14) 【福島】 樋口寛規(前7、後43) ギラヴァンツ北九州 0-0 栃木SC テゲバジャーロ宮崎 3-2 高知ユナイテッドSC 【宮崎】 橋本啓吾(後6、後44) 黒木謙吾(後33) 【高知】 新谷聖基(前33) 小林心(前44) 鹿児島ユナイテッドFC 1-2 奈良クラブ 【鹿児島】 福田望久斗(後28) 【奈良】 岡田優希(後2) 田村翔太(後24) 松本山雅FC 2-1 ツエーゲン金沢 【松本】 田中想来(前29、後5) 【金沢】 長倉颯(前38) AC長野パルセイロ 1-1 SC相模原 【長野】 藤川虎太朗(後47) 【相模原】 高井和馬(後44) 2025.05.03 22:10 Sat3
“決断” 現役続行かソニーで社業専念か…J3参入高知に新天地を求めた伊藤綾汰24歳「高知のことをすごくいいチームだなって…Jリーグに挑戦したい」
2025シーズンから明治安田J3リーグに参入する高知ユナイテッドSC。新戦力としてソニー仙台FCから加入したMF伊藤綾汰(24)が「現役続行」という決断の経緯を語った。 昨年12月、史上初開催のJ3・JFL入替戦でY.S.C.C.横浜を撃破し、JFLからJ3へのステップアップを掴んだ高知。“サッカー不毛の地”とも言われた南国土佐にJクラブが誕生した。 クラブの“J仕様”をブラッシュアップするべく関係者らが日々奔走するなか、新加入選手としてソニー仙台FCからやってきたのが伊藤綾汰。 尚志高校3年次に背番号「10」を背負って選手権4強メンバーとなり、法政大学を経て、2023年から地元仙台の名門実業団・ソニー仙台FCで主軸MFとして活躍していた24歳である。 しかし、2年間所属するソニーのJFL退会、活動終了を告げられ、結果的に新天地を求めることに。今年高知でJリーガーとなるわけだが、「大学時代は就職活動もしていたんです」と言う。 「プロサッカー選手の道は諦めかけていました。だけど、就活をするなかで『やっぱりどこかでサッカー続けたいな』って」 「(大学)4年生の秋ごろ、進路をようやくサッカーに切り替えて、いくつかのJリーグクラブに練習参加したりして。だけど、なかなかオファーを貰えず…そこへソニー仙台から声をかけて貰い、練習参加も経て入団が決まりました。ソニーに拾っていただいた形ですね」 伊藤のサッカーキャリアをつないだソニーは昨年9月、半世紀以上にわたる歴史に幕を下ろすと発表。引退して社業に入る選手も少なくないなか、24歳伊藤は現役続行を選択した。 「活動終了を聞いたときは唖然としましたね。発表前日だったんですけど、全くもって予想しなかったこと…サッカーを続けるべきか社業に専念するべきか、最初はかなり迷いました」 「深く考えていたなかで、高知ユナイテッドさんからお話をいただいたんです。そして、Jリーグの舞台で挑戦できる機会なんてなかなか貰えないだろうな…と。挑戦したい気持ちが強くなり、サッカーを続けることに決めました」 高知からの打診で現役続行を決意した伊藤。 高知との対戦経験も決断に影響したようで、26日の新体制発表会では「2年間で1度も高知に勝てませんでした。手強い相手だったぶん、今年からチームメイトになるので心強いです」とコメント。話を聞くと「高知のことを『すごくいいチームだな』って。『このチームでサッカーできる』というのもありましたね」と語った。 年が明けてから東北仙台を離れ、「高知県に来てまだ3週間くらい。晴れの日が多くて温かいですね」と話す伊藤。新天地入りして日は浅いが、キャリア初のJリーグはもう目の前だ。 「瀬尾純基くん(※)とは高知ユナイテッドへの加入が決まる前から連絡を取り合っていました。高知の色んなことを教えてくれましたし、実際来てからも仲良くさせて貰っています」 (※)2023年にソニー所属で昨季高知入り 「僕の得意な部分は『チャンスメイク』や『シュート精度』。多くのゴールに絡みたいし、そこに至るまでの“動き”も大事にしています。高知の勝利につながれば嬉しいですね」 「Jリーグの舞台でサッカーができる…自分が持っている全てをこの舞台で出し尽くしたいですね。高知ユナイテッドSCの勝利に貢献できるよう、引き続き頑張っていきます」 ◆明治安田J3リーグ第1節 2月16日(日) 14:00KO 栃木SC vs 高知ユナイテッドSC カンセキスタジアムとちぎ ◆明治安田J3リーグ第2節 2月23日(日) 14:00KO 高知ユナイテッドSC vs ガイナーレ鳥取 高知県立春野総合運動公園陸上競技場 <span class="paragraph-title">【高知ユナイテッドSC公式X】J3初戦!奴田原さんと行く0泊3日弾丸バスツアー</span> <span data-other-div="movie"></span> <blockquote class="twitter-tweet"><p lang="ja" dir="ltr">【2/16(日) 栃木SC戦】<br>名鉄観光様による「J3初戦!奴田原さんと行く0泊3日弾丸バスツアー」を開催いたします<br><br>明治安田J3リーグ初戦となる歴史的な試合をみんなで観戦に行きましょう!<br><br>詳細・お申し込みはこちら<a href="https://t.co/vfprDtJkOI">https://t.co/vfprDtJkOI</a><a href="https://twitter.com/hashtag/%E9%AB%98%E7%9F%A5%E3%83%A6%E3%83%8A%E3%82%A4%E3%83%86%E3%83%83%E3%83%89SC?src=hash&ref_src=twsrc%5Etfw">#高知ユナイテッドSC</a> <a href="https://twitter.com/hashtag/%EF%BC%AA%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%B0?src=hash&ref_src=twsrc%5Etfw">#Jリーグ</a> <a href="https://t.co/DbTKyTa6Yr">pic.twitter.com/DbTKyTa6Yr</a></p>— 高知ユナイテッドSC (@kochi_United) <a href="https://twitter.com/kochi_United/status/1883747559518486753?ref_src=twsrc%5Etfw">January 27, 2025</a></blockquote> <script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script> 2025.01.28 17:00 Tue4
“野球王国”高知からJリーグへ… “サッカー不毛の地”を覆せ!【JFL高知の歩み】
“Jなし県”高知。野球王国として知られる一方、“サッカー不毛の地”とさえ言われるこの高知で今年、「高知ユナイテッドSC」が熱を帯びている。JFLで2000人、天皇杯で3000人、7000人という観客動員を記録するなど大きな変化が起きている中で、Jリーグ参入を掲げる彼らはこれまでどんな道のりを歩んできたのか。過去を紐解けば、未来へのヒントとなるかもしれない。【第1回/全3回|<a href="https://web.ultra-soccer.jp/news/view?news_no=452485" target="_blank">中編</a>、<a href="https://web.ultra-soccer.jp/news/view?news_no=452489" target="_blank">後編</a>に続く】 <span class="paragraph-subtitle">~NPB(プロ野球)球団がなくとも野球は文化~</span> 「高知県のスポーツと言えば?」と問われて「高校野球」が頭に思い浮かぶ人は多いと思う。名将・馬渕史郎率いる明徳義塾高校野球部は夏の甲子園優勝1回、秋の神宮大会優勝2回を誇り、社会問題化した星稜高校の4番・松井秀喜に対する“5打席連続敬遠”が色濃く残る人も多いはずだ。 また、明徳義塾と半世紀近く覇権を争う高知高校野球部は甲子園で春夏ともに優勝経験があり、こちらは“ミスター・ロッテ”有藤通世氏、弘田澄男氏などを輩出。この2人はプロ野球史に名を残す高知県出身のスタープレーヤーだ。 高知県とNPBの関係性で言えば、レギュラーシーズンに前後し、多くの球団が秋季・春季キャンプで温暖な高知へと来県。なかでも阪神タイガースは1965年から毎年訪れ、かつて高知県出身の最強クローザー・藤川球児氏を擁していたこともあって県民の間で人気が根強いと聞く。 したがって「高知県のスポーツと言えば?」に対しては、明徳義塾や高知高校に代表される「高校野球」と答えるか、ストレートに「野球」と答えるのが妥当か。もちろん独立リーグ・四国アイランドリーグplusの高知ファイティングドックス(高知FD)も根強い人気を誇る。 では、そろそろ本題へ。NPB球団がなくとも「野球」が文化として根付く高知県において「サッカー」はどういった立ち位置か。 全国高校サッカー選手権大会における高知県勢の最高成績は、全47都道府県から代表校が参加するようになった第62回大会(1983年度)以降でベスト8。高校総体(インターハイ)でも高知県勢がベスト8の壁を破ったことは一度もない。 高知県出身のJリーガーで代表的な存在は元ガンバ大阪DF山口智であり、今のところ、高知県出身選手で唯一の日本代表経験者。他には元名古屋グランパスMF吉村圭司、元セレッソ大阪FW小松塁などがいるが、他県と比べて高知県のJリーガー輩出数は非常に少なく、現役選手はなんと1人。高知ユナイテッドSCのジュニアユース育ちで、カマタマーレ讃岐でプレーするDF山本勇武(18)のみだ。 また、2000年代に入って四国から徳島ヴォルティス(05年)、愛媛FC(06年)、カマタマーレ讃岐(14年)とJクラブが誕生していったなか、高知が四国4県で唯一の“Jなし県”となってもうすぐ10年に。取り残されている感は否めない。 1993年のJリーグ誕生から30年…2023年現在、“Jなし県”は高知を含めて6県のみ。高知以外には、福井、滋賀、三重、和歌山、島根にないが、ヴィアティン三重、レイラック滋賀、アルテリーヴォ和歌山とJリーグ入りを目指すクラブがある県はもちろんある。Jクラブを擁する県と優劣をつける必要はないのだが、サッカーを愛する高知県の人たちが「いつか高知にもJクラブを…」という想いを長年にわたって抱き続けているのは言うまでもない。 このように高知県はプロアマ問わず野球が浸透も、その反面、“サッカー不毛の地”と呼ばれ、Jリーグ誕生後はいつしか“Jなし県”という呼称も定着。しかし、年号が令和となった2019年、高知県のサッカー界は大きな一歩を遂げる。 (中編に続く) ◆クラブ名改称にライバルとの統合…南国高知FCはアイゴッソ高知へ、そして高知ユナイテッドSCへ【JFL高知の歩み/第2回(全3回)】 2023.11.01 21:45 Wed5