両エースがゴールで共演! 神戸とG大阪の上位戦線生き残りをかけた関西勢対決は勝敗つかず【明治安田J1第27節】
2024.08.17 21:15 Sat
明治安田J1リーグ第27節の1試合が17日にノエビアスタジアム神戸で行われ、ヴィッセル神戸vsガンバ大阪は2-2のドローに終わった。
出場停止の扇原貴宏だけでなく、酒井高徳、山口蛍もケガと主力に不在者が続く5位神戸はマテウス・トゥーレル、鍬先祐弥が先発。4位G大阪も引き続きイッサム・ジェバリを欠いての戦いになるが、ファン・アラーノが復帰し、同胞ブラジルのダワン、ウェルトンとともにスタートから出場した。
前回対戦で苦杯の神戸にとってリベンジを期す一戦だが、G大阪が序盤の入りから攻め手に。シュートの形にも持っていけず、リズムに乗り切れない神戸は勝機を手繰り寄せようと我慢の時間帯を続けるなか、16分に武藤嘉紀が腰を痛めたか、プレー続行不可能のアクシデントに見舞われてしまう。
だが、G大阪も崩しの鋭さを欠き、それが神戸の押し返すきっかけにもなると、GK一森純が忙しくなる展開に。すると、45+3分に途中出場の飯野七聖が右サイドからクロスを上げ、井出遥也、広瀬陸斗の連続シュートから、最後はゴール前の大迫勇也がこぼれ球を左足で蹴り込み、神戸が一歩前に出る。
後半の入りこそ神戸の勢いがまさったが、次第にボールを握りながら引き戻したG大阪は54分、左サイドを起点にしたパスワークから、大外の宇佐美が右足フィニッシュ。続く55分にも左サイドでのFKから、宇佐美のクロスに福岡将太がドンピシャヘッドで合わせるが、神戸のゴールに飛ばし切れず。
その後、G大阪ゴール裏で急病人発生で試合が一時中断のなるひと幕もあったなか、互いに交代で試合を動かしにかかると、84分に神戸が3人の途中出場者で勝ち越す。84分、ボックス左で佐々木大樹を追い越した初瀬亮が折り返すと、ニアの宮代大聖が左足ヒール。これが福岡に当たってゴールを割る。
ケガ明けの宮代弾で再び一歩前に出た神戸はこのまま試合を終わらせにかかるが、G大阪が90+5分に宇佐美の縦パスでボックス左に抜け出した坂本一彩が強引に右足を振っていくと、ゴール前に攻め上がる中谷進之介にヒット。これがゴールマウスに吸い込まれ、G大阪が土壇場で再び追いついた。
上位戦線生き残りをかけた一戦とあって、それぞれ物足りない結果だが、両エースがゴールで共演するなどの熱戦を経て、1ポイントずつを分け合う結果に。神戸は2連勝ならず。G大阪は3戦連続ドローの4戦勝ちなしとなっている。
ヴィッセル神戸 2-2 ガンバ大阪
【神戸】
大迫勇也(前45+3)
宮代大聖(後39)
【G大阪】
宇佐美貴史(後11)
中谷進之介(後45+5)
出場停止の扇原貴宏だけでなく、酒井高徳、山口蛍もケガと主力に不在者が続く5位神戸はマテウス・トゥーレル、鍬先祐弥が先発。4位G大阪も引き続きイッサム・ジェバリを欠いての戦いになるが、ファン・アラーノが復帰し、同胞ブラジルのダワン、ウェルトンとともにスタートから出場した。
前回対戦で苦杯の神戸にとってリベンジを期す一戦だが、G大阪が序盤の入りから攻め手に。シュートの形にも持っていけず、リズムに乗り切れない神戸は勝機を手繰り寄せようと我慢の時間帯を続けるなか、16分に武藤嘉紀が腰を痛めたか、プレー続行不可能のアクシデントに見舞われてしまう。
後半の入りこそ神戸の勢いがまさったが、次第にボールを握りながら引き戻したG大阪は54分、左サイドを起点にしたパスワークから、大外の宇佐美が右足フィニッシュ。続く55分にも左サイドでのFKから、宇佐美のクロスに福岡将太がドンピシャヘッドで合わせるが、神戸のゴールに飛ばし切れず。
G大阪は依然としてゴールが生まれずとも攻め切るシーンを増やしていくと、56分に左サイドから縦にボールを持ち上がった宇佐美がバイタルエリア左に差しかかったところで少し中に切れ込み、思い切りよく右足を一閃。相手ゴールから遠い位置だったが、右下に決め、G大阪が4戦ぶり得点で追いつく。
その後、G大阪ゴール裏で急病人発生で試合が一時中断のなるひと幕もあったなか、互いに交代で試合を動かしにかかると、84分に神戸が3人の途中出場者で勝ち越す。84分、ボックス左で佐々木大樹を追い越した初瀬亮が折り返すと、ニアの宮代大聖が左足ヒール。これが福岡に当たってゴールを割る。
ケガ明けの宮代弾で再び一歩前に出た神戸はこのまま試合を終わらせにかかるが、G大阪が90+5分に宇佐美の縦パスでボックス左に抜け出した坂本一彩が強引に右足を振っていくと、ゴール前に攻め上がる中谷進之介にヒット。これがゴールマウスに吸い込まれ、G大阪が土壇場で再び追いついた。
上位戦線生き残りをかけた一戦とあって、それぞれ物足りない結果だが、両エースがゴールで共演するなどの熱戦を経て、1ポイントずつを分け合う結果に。神戸は2連勝ならず。G大阪は3戦連続ドローの4戦勝ちなしとなっている。
ヴィッセル神戸 2-2 ガンバ大阪
【神戸】
大迫勇也(前45+3)
宮代大聖(後39)
【G大阪】
宇佐美貴史(後11)
中谷進之介(後45+5)
中谷進之介
扇原貴宏
酒井高徳
山口蛍
マテウス・トゥーレル
鍬先祐弥
イッサム・ジェバリ
ファン・アラーノ
ウェルトン
武藤嘉紀
一森純
飯野七聖
井出遥也
広瀬陸斗
大迫勇也
福岡将太
佐々木大樹
初瀬亮
宮代大聖
坂本一彩
宇佐美貴史
ヴィッセル神戸
ガンバ大阪
J1
中谷進之介の関連記事
ヴィッセル神戸の関連記事
J1の関連記事
記事をさがす
|
中谷進之介の人気記事ランキング
1
【J1注目プレビュー|第36節:磐田vsG大阪】磐田は逆転残留へ欲しい勝ち点3、G大阪は天皇杯決勝までの流れを作りたい
【明治安田J1リーグ第36節】 2024年11月9日(土) 15:00キックオフ ジュビロ磐田(18位/35pt) vs ガンバ大阪(5位/57pt) [ヤマハスタジアム(磐田)] <h3>◆逆転残留へプレッシャーをかけたい【ジュビロ磐田】</h3> 前節はアウェイでヴィッセル神戸と対戦し2-0で完敗。優勝を争う相手に力の差を感じさせられてしまった。 勝ち点を積み上げたい中で、力負けを感じた一戦。ただ、残り4試合での残留の可能性は残されている。 今節は上2つの柏と新潟が直接対決。どちらかは間違いなく留まり、引き分けに終われば両者との差は大きく広がらない。1試合消化が少ないことをアドバンテージとするためにも、ここでの勝ち点3は大きな意味を持つ。 気掛かりなのは攻撃陣。3試合ぶりにノーゴールとゴールは生まれているが、ストライカー陣は調子が良いとはいえない。勝利のために必要なゴールをどう奪うのか。上位相手の戦い方に注目だ。 ★予想スタメン[3-4-2-1] GK:川島永嗣 DF:ハッサン・ヒル、伊藤槙人、リカルド・グラッサ MF:植村洋斗、レオ・ゴメス、中村駿、松原后 MF:ジョルディ・クルークス、高畑奎汰 FW:ジャーメイン良 監督:横内昭展 <h3>◆優勝はなし、それでも1つでも上でフィニッシュを【ガンバ大阪】</h3> 優勝を争っていた前半戦だったが、夏場に大失速。9試合連続勝ちなしと苦しんだ間に上位との差は大きく開いてしまった。 前節はホームに名古屋グランパスを迎えて3-2で勝利。しかし、優勝の可能性は3試合を残して潰えてしまった。夏場の失速が大きな要因だが、向き合っていけるかが重要。そして、チームとしては天皇杯というタイトルも残されており、勢いづけていきたいところだ。 ここに来て試合終盤の粘り強さが出てきたG大阪。最後まで諦めない気持ちが結果につながっている状況だけに、選手たちも心が折れることはないはず。もっと楽にゲームを運ぶためには、一層守備に集中したいところだ。 前線にもケガ人が出ている状況。厚みのある攻撃を見せて、磐田に引導を渡したいところだ。 ★予想スタメン[4-3-3] GK:一森純 DF:半田陸、中谷進之介、福岡将太、黒川圭介 MF:ダワン、坂本一彩、鈴木徳真 FW:山下諒也、宇佐美貴史、ウェルトン 監督:ダニエル・ポヤトス 2024.11.09 12:15 Sat2
天皇杯決勝はG大阪vs神戸 Jリーグ発足後初の関西勢対決に
第104回天皇杯準決勝の2試合が27日に行われ、ガンバ大阪とヴィッセル神戸が決勝進出を決めた。 G大阪は26分に山田康太のスーパーな左足ボレーで先制したが、横浜FMも37分にヤン・マテウスが同点弾。88分にも松原健がこぼれ球を押し込み、横浜FMに勝機が漂うが、G大阪がそこから90+3分に中谷進之介の渾身ヘッドで追いつき、120+5分に坂本一彩が勝ち越しゴールを決めた。 神戸は京都サンガF.C.との対戦となり、18分に佐々木大樹の右サイドからのクロスに宮代大聖が頭で合わせて先制。京都は32分にマルコ・トゥーリオの反撃弾で前半のうちに追いついてみせるが、55分のPKチャンスから佐々木大樹が勝ち越しゴールを決めて、神戸が競り勝った。 G大阪は2015年大会以来9大会ぶり6度目の優勝を目指して4大会ぶりのファイナル。神戸は2019年大会以来5大会ぶり2度目の優勝を目指して5大会ぶりの決勝進出となった。 11月23日に国立競技場で行われる決勝は関西勢対決となり、1953年の全関学vs大阪クラブ以来となる71年ぶり。1993年のJリーグ発足後は初となる。 2024.10.27 17:44 Sun3
G大阪が節目の10冠目へ4大会ぶりファイナル! 後半AT&延長後半ATの劇的弾2つで横浜FMとの死闘制す【天皇杯】
第104回天皇杯準決勝の1試合が27日にパナソニック スタジアム 吹田で行われ、ガンバ大阪が延長戦の末に横浜F・マリノスを3-2で下した。 今季の明治安田J1リーグで1勝1敗のこのカード。ACLEでの中国遠征を挟み、今季唯一のタイトルがかかる一戦の横浜FMは0-4の完敗を喫した苦い思い出が残る地でのゲームだが、入りからボールを前進させていく。 それでも、今季J1で2位の最少失点数を誇る堅守も光らせ、ボールを握る時間を増やすG大阪は26分にバイタルエリア中央の山田がクリアボールに左足ボレー。古巣のゴール右にスーパーな一撃で、G大阪が先手を奪う。 そんなG大阪は攻めでも勢いづく始めるが、追いかける横浜FMも反撃。28分にゴールラインぎりぎりのところで中谷進之介に頭で弾かれるなか、33分のカウンターでもアンデルソン・ロペスがゴールに迫っていく。 すると、37分にダウンからのボール奪取をカウンターにつなげ、アンデルソン・ロペスが左足アウトサイドでパス。ボックス右に抜け出したヤン・マテウスが切り返しから左足でネットを揺らし、横浜FMが追いつく。 後半も前がかる横浜FMだが、山田の負傷アクシデントで後半から坂本一彩のカードを切ったG大阪が決定的なシーン。48分、宇佐美貴史の浮き球パスにダワンのヘッドを合わせ、山下が押し込みにかかるが、ゴールを割れず。 一進一退の攻防が続くなか、60分にベンチスタートの西村拓真と宮市亮の勝負手に打って出た横浜FMに対して、G大阪も福田湧矢を投入するが、ともにこじ開けるに至らず。横浜FMは75分に天野純のカードも切っていく。 さらに81分に渡辺皓太の負傷で水沼宏太を送り出した横浜FMに対して、G大阪も88分に美藤倫のカードを切ったなか、その直後にボックス右の宮市がボールをキープ。側にいたアンデルソン・ロペスが左足を振る。 このシュートこそGK一森純にブロックされるが、ゴール前のこぼれ球に猪突猛進の松原健が押し込むと、VARチェックでもゴールが認められ、横浜FMが逆転。この最後の最後に横浜FMが一歩前に出てみせる。 ところが、食野亮太郎の投入に動いた直後の90+3分に左サイドから鈴木徳真がクロスを上げると、攻め残る中谷進之介が頭でねじ込み、試合をひっくり返されたG大阪が執念で同点に。延長戦にもつれ込む。 この延長戦の前半も交代とシステムを動かしながら次のゴールを目指す両軍だが、そのまま後半へ。互いにあの手この手で攻め合うが、疲れもあり、なかなか最後のところで行き切れず、時間だけが過ぎていく。 そのなか、横浜FMが左CKに転じた112分に美藤のハンドがVARチェックとなり、OFRにもつれるが、PKなしのジャッジに。その後、食野と宮市が小競り合いになるひと幕もあるなか、互いに次のゴールが遠い。 このままPK戦の様相も呈したが、120+5分にハーフウェイライン上で宇佐美が相手と交錯しながら前にボールを叩くと、坂本が裏に抜け、そのままボックス左に。最後は左足で勝ち越し弾を決め、G大阪が再びリードした。 このゴールが勝負を分け、横浜FMは7大会ぶりの決勝進出とならず。G大阪は節目の10冠へ4大会ぶりのファイナル進出を果たし、11月23日に国立競技場でヴィッセル神戸と京都サンガF.C.の勝者と対戦する。 横浜F・マリノス 2-3 ガンバ大阪 【横浜FM】 ヤン・マテウス(前37) 松原健(後43) 【G大阪】 山田康太(前26) 中谷進之介(後45+3) 坂本一彩(延後15+5) <span class="paragraph-title">【動画】千金の決勝弾! 宇佐美貴史のお膳立てから坂本一彩</span> <span data-other-div="movie"></span> <blockquote class="twitter-tweet"><p lang="ja" dir="ltr">【速報動画】<br>NHK総合サブチャンネルでLIVE中<br>サッカー <a href="https://twitter.com/hashtag/%E5%A4%A9%E7%9A%87%E6%9D%AF?src=hash&ref_src=twsrc%5Etfw">#天皇杯</a> 準決勝<br>試合終了直前<a href="https://twitter.com/hashtag/%E5%9D%82%E6%9C%AC%E4%B8%80%E5%BD%A9?src=hash&ref_src=twsrc%5Etfw">#坂本一彩</a> 選手の決勝ゴールが決まる!<br>ガンバ大阪のサポーター大興奮!!<br>延長後半15分+5<br>横浜Fマリノス 2-3 ガンバ大阪<br>ネット配信でスマホでも見られます<a href="https://t.co/kPPfN44eQD">https://t.co/kPPfN44eQD</a> <a href="https://t.co/TKtWcnGANF">pic.twitter.com/TKtWcnGANF</a></p>— NHKサッカー (@NHK_soccer) <a href="https://twitter.com/NHK_soccer/status/1850433213065203941?ref_src=twsrc%5Etfw">October 27, 2024</a></blockquote> <script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script> 2024.10.27 16:09 Sun4
勝利にこだわるダニエル・ポヤトス2季目 レジェンドのコーチ就任に補強もしっかり【J1開幕直前ガイド|ガンバ大阪】
2024シーズンの明治安田J1リーグが23日からいよいよ開幕する。今季からは20チーム制となり、降格も3つに増枠しての争いに。ここでは新シーズンの幕開けに先駆け、J1リーグ全チームをピックアップし、ガンバ大阪を紹介していく。 【直近3シーズンの成績】 2023シーズン:16位(9勝7分け18敗) 2022シーズン:15位(9勝10分け15敗) 2021シーズン:13位(12勝8分け18敗) 【昨季チーム得点王】 ファン・アラーノ 7ゴール 【今季ノルマ】 中位 【編集部イチオシ】 DF黒川圭介 昨季J1:32試合出場/2ゴール <span class="paragraph-subtitle">◆好不調の波が激しかった昨季</span> 昨季はダニエル・ポヤトス新監督のもと、攻守に相手を圧倒するスタイルの確立にトライし、浸透まで持っていく土台作りの1年ではあったものの、好不調の波が大きく、3年連続の残留争い。開幕から14試合でわずか1勝で迎えた夏場に8戦負けなし(7勝1分け)のV字回復で順位もトップハーフ入りを見渡せる10位まで挽回したかと思えば、以降はブレーキがかかり、16位終戦の7連敗フィニッシュと最下位のみが降格というレギュレーションに救われたところもあるシーズンだった。 <span class="paragraph-subtitle">◆山本悠樹の移籍は痛手だが</span> チームとして7位以上が目標の今季を迎えるにあたり、入退団は例年以上に活発的。補強は宿敵セレッソ大阪からのダブル獲りや、指揮官にとって徳島ヴォルティス時代の教え子である選手を射止めたりのトピックで彩った。中盤では台頭著しかった山本悠樹の移籍がまさに流失だったが、山田康太と鈴木徳真でカバー。縦の推進力に欠けるサイドも岸本武流と山下諒也、さらにウェルトン・フェリペで補強し、昨季J1最多タイの61失点だった守備陣にも固定し切れなかったセンターバックの新たな軸として中谷進之介を獲得した。 <span class="paragraph-subtitle">◆コーチ就任のレジェンドにも期待</span> ほかにも武者修行から帰還した世代別代表の坂本一彩をはじめ、新卒からも美藤倫&今野息吹を射止めるなど、楽しみなスカッドが揃ったが、チームが獲得した全9つのタイトルを知るクラブきってのレジェンド、遠藤保仁氏のコーチ就任も補強も1つか。現場の長はあくまで監督だが、遠藤氏は現役を退いたばかりな上、G大阪が強かった頃を知る生き証人とあって、選手からすれば一線を画す。選手の拠りどころとしてはもちろんだが、指揮官が思い描く絵の共有者としても大きな存在になりうる。 <span class="paragraph-subtitle">◆勝ちにこだわる1年に</span> 今季は新設「フットボール本部」の本部長で元監督の松田浩氏が強調するとおり、スタイルを継続しながら勝利にこだわる1年に。昨季の終わり方からして不安が大きく、ケガ人が出ているのも気がかりだが、今や不動の左サイドバックに独り立ちし、背番号「4」を受け継いだ黒川圭介をはじめ、好タレントも多い。昨季までの[4-3-3]から新たに[4-2-3-1]のシステムで調整を図るなか、どう失点を減らし、誰を得点源にするかなど、今季も探りながらだが、改革のフロントを含め、チーム一丸で復権を目指す。 <span class="paragraph-subtitle">◆2024年冬移籍情報</span> 【IN】 GK張奥林(18)←ガンバ大阪ユース/昇格 GK一森純(32)←横浜 F・マリノス/期限付きより復帰 DF中谷進之介(27)←名古屋グランパス/完全移籍 DF坂圭祐(28)←大分トリニータ/完全移籍 DF松田陸(32)←セレッソ大阪/完全移籍 DF今野息吹(22)←法政大学/新加入 DF中野伸哉(20)←サガン鳥栖/完全移籍移行 MF岸本武流(26)←清水エスパルス/完全移籍 MF山田康太(24)←柏レイソル/完全移籍 MF鈴木徳真(26)←セレッソ大阪/完全移籍 MF美藤倫(21)←関西学院大学/新加入 FW山下諒也(26)←横浜FC/完全移籍 FWウェルトン・フェリペ(26)←PFCレフスキ・ソフィア(ブルガリア)/完全移籍 FW坂本一彩(20)←ファジアーノ岡山/期限付きより復帰 【OUT】 GK市川暉記(25)→横浜FC/期限付き移籍終了 GK谷晃生(23)→FC町田ゼルビア/期限付き移籍 DFクォン・ギョンウォン(32)→水原FC(韓国)/完全移籍 DF藤春廣輝(35)→FC琉球/完全移籍 DF柳澤亘(27)→徳島ヴォルティス/完全移籍 DF佐藤瑶大(25)→浦和レッズ/完全移籍 DF高尾瑠(27)→北海道コンサドーレ札幌/完全移籍 MF塚元大(22)→ツエーゲン金沢/完全移籍 MF山本悠樹(26)→川崎フロンターレ/完全移籍 MF杉山直宏(25)→モンテディオ山形/期限付き移籍 MF髙橋隆大(19)→ギラヴァンツ北九州/期限付き移籍 MF奥野耕平(23)→湘南ベルマーレ/完全移籍移行 FW山見大登(24)→東京ヴェルディ/期限付き移籍 FW鈴木武蔵(29)→北海道コンサドーレ札幌/期限付き移籍 FW南野遥海(19)→栃木SC/期限付き移籍 2024.02.12 18:45 Mon5
黒川圭介が4番継承! 始動のG大阪が2024年の選手背番号を発表 中谷進之介ら新顔は?
ガンバ大阪は12日、2024シーズンのトップチーム体制と選手背番号を発表した。 昨年も3年連続の残留争いを強いられ、挽回を期す今季。強化部、アカデミー部、普及部、フットボールマネジメント推進部を統括する新設のフットボール本部長に松田浩氏を招へいしたりとフロントから改革の動きがあるなか、現場では昨季限りで現役を退いた遠藤保仁氏がコーチとして帰還するというトピックもあり、この日からダニエル・ポヤトス体制2年目が始動した。 今季を迎えるにあたっての戦力はというと、新たな司令塔として台頭ぶりが著しかった山本悠樹の移籍もあるなど、例年以上に入退団が激しかったなか、レンタルバックや完全移籍移行も含め、13選手が加入。その新顔では中谷進之介が「20」をつけるほか、宿敵セレッソ大阪から加入した松田陸&鈴木徳真も「46」と「16」に決まるなど、背番号がお披露目となった。 また、昨季から在籍のメンバーではネタ・ラヴィと江川湧清が背番号変更となるなか、黒川圭介も退団した功労者の藤春廣輝から受け継ぐ形で「4」を背負う運びとなった。 GK 1.東口順昭 22.一森純←横浜F・マリノス/復帰 25.石川慧 31.張奥林←ガンバ大阪ユース/昇格 DF 2.福岡将太 3.半田陸 4.黒川圭介 ※背番号変更「24」 5.三浦弦太 19.今野息吹←法政大学/新加入 20.中谷進之介←名古屋グランパス/完全 24.江川湧清 ※背番号変更「34」 28.坂圭祐←大分トリニータ/完全 33.中野伸哉←サガン鳥栖/完全移行 46.松田陸←セレッソ大阪/完全 MF 6.ネタ・ラヴィ ※背番号変更「18」 9.山田康太←柏レイソル/完全 10.倉田秋 14.福田湧矢 15.岸本武流←清水エスパルス/完全 16.鈴木徳真←セレッソ大阪/完全 23.ダワン 27.美藤倫←関西学院大学/新加入 41.中村仁郎 47.ファン・アラーノ 48.石毛秀樹 FW 7.宇佐美貴史 8.食野亮太郎 11.イッサム・ジェバリ 13.坂本一彩←ファジアーノ岡山/復帰 17.山下諒也←横浜FC/完全 40.唐山翔自 2024.01.12 19:20 Friヴィッセル神戸の人気記事ランキング
1
G大阪が降格圏の磐田に劇的勝利、前半戦苦しんだ13位湘南や14位京都など6クラブのJ1残留が確定!
9日、明治安田J1リーグ第36節の8試合が行われた。 首位のヴィッセル神戸、2位のサンフレッチェ広島は10日に試合が控える中、3位のFC町田ゼルビアは今まで勝ったことがない国立競技場でFC東京との“新東京ダービー”を戦い、3-0で快勝。国立で初めて勝利したとともに、逆転優勝への望みを繋いだ。 熾烈な優勝争いとは真逆の残留争いも今シーズンは白熱。残留ラインの17位・柏レイソルと16位・アルビレックス新潟の直接対決は柏が勝利目前でまたしても失点。新潟はルヴァンカップ決勝同様に粘りを見せ、1-1のドローに終わった。 そんな中、降格圏の18位に位置するジュビロ磐田(勝ち点35)と5位のガンバ大阪(勝ち点60)の対戦は激闘に。試合は23分に磐田が渡邉りょうのゴールデ先制するも27分に半田陸のゴールでG大阪が同点に。前半アディショナルタイム9分には山下諒也がゴールを決めて逆転に成功する。 さらに62分には宇佐美貴史がネットを揺らして追加点。しかし、残留するためには負けられない磐田は87分に上原力也、そして91分に鈴木海音がゴールを奪い、土壇場で同点に追いつく。 残留に向けて貴重な勝ち点1を手にできるかと思われたが、G大阪は93分にパスを繋いで崩すと最後は坂本一彩が落ち着いて決めて勝ち越しに成功。G大阪が粘りを見せて勝利を収めた。 これにより、降格圏の18位・磐田は勝ち点35のまま。消化が1試合少ないものの、3試合で最大勝ち点「9」しか積み上げられないため、「44」までに。これにより、残留が確定していなかった多くのチームの残留が確定した。 磐田の敗戦により、勝ち点47の9位・名古屋グランパス、10位・アビスパ福岡、勝ち点46に伸ばした11位・横浜F・マリノス、勝ち点45の12位・川崎フロンターレ、13位・湘南ベルマーレ、14位・京都サンガF.C.までが残留決定となった。 15位の浦和レッズは10日に広島と対戦し、勝利すれば残留が確定する。 <h3>◆明治安田J1リーグ順位表(11/9時点)</h3> 1位:ヴィッセル神戸|勝ち点67/35試合/20 2位:サンフレッチェ広島|勝ち点65/35試合/30 ーーーーーACLE出場 3位:FC町田ゼルビア|勝ち点63/36試合/19 4位:ガンバ大阪|勝ち点60/36試合/10 5位:鹿島アントラーズ|勝ち点58/35試合/13 6位:東京ヴェルディ|勝ち点54/35試合/1 7位:セレッソ大阪|勝ち点52/36試合/-1 8位:FC東京|勝ち点51/36試合/5 9位:名古屋グランパス|勝ち点47/36試合/-2 10位:アビスパ福岡|勝ち点47/36試合/-4 11位:横浜F・マリノス|勝ち点46/35試合/-2 12位:川崎フロンターレ|勝ち点45/35試合/8 13位:湘南ベルマーレ|勝ち点45/36試合/-3 14位:京都サンガF.C.|勝ち点45/35試合/-12 ーーーーー残留決定 15位:浦和レッズ|勝ち点43/34試合/2 16位:アルビレックス新潟|勝ち点41/36試合/-14 17位:柏レイソル|勝ち点40/36試合/-10 ーーーーー残留ライン 18位:ジュビロ磐田|勝ち点35/35試合/-15 19位:北海道コンサドーレ札幌|勝ち点34/36試合/-20 20位:サガン鳥栖|勝ち点29/36試合/-26 ※降格決定 2024.11.09 17:59 Sat2
「あのときから積み上げてきた」東京Vが神戸との再戦で成長示す…「ふさわしい形で勝てたらもっと成長できる」
10日、味の素スタジアムで行われる明治安田J1リーグ第36節のヴィッセル神戸戦に臨む東京ヴェルディは首位撃破での3連勝を狙う。 東京Vは前節、アルビレックス新潟に2-1で勝利し、今シーズン4度目の連勝を達成。順位を6位に上げている。AFCチャンピオンズリーグ出場権争いに踏みとどまるなか、残り3試合ではより上位でのフィニッシュを目指しつつ、来シーズンに繋がるような戦いを意識する。 新潟戦が前倒し開催となった影響で、中17日での開催となる今回のホームゲームでは、5月末に行われた前回対戦で1-0と競り勝ったJ1王者相手のシーズンダブルを目指す。 その前回対戦ではFC町田ゼルビア戦での大敗、ルヴァンカップのサンフレッチェ広島戦での今季初の連敗を受け、短い準備期間の中で[4-4-2]から[3-4-2-1]へ布陣変更。内容的には課題も少なくなかったが、王者相手に泥臭く勝ち切った勝利がチームに与えた自信は大きく、シーズンのターニングポイントのひとつとなった。 そして、約5カ月を経て再戦する今回の試合はチームとしての完成度、成長を示す重要な一戦となる。 前回対戦では3バックの中央でFW大迫勇也、FW武藤嘉紀らと激しいマッチアップを繰り広げたDF千田海人は、「ほぼ外国人みたいな感じ」とJリーグ屈指のタレントを誇る相手の前線の印象について言及。 「タレントも実力もあってベテランの経験もあって、宮代選手もすごくいい選手。前線はみんなキープ力があって推進力もありますし、個の能力が高い選手たちばかり。スタイルというのがしっかり固まってきて、シーズンを通して作り上げてきたチーム」 相手の実力を認めた上で、「ファーストのところは自分たちが責任を持って守備しなければいけないですし、そこに対してのセカンドラインとかのコンパクトさ」を守備のポイントに挙げつつ、「守備の切り替えとかも早いですし、そこでしっかり対策と相手の良さをどう消すかというところを意識してやっていきたい」と、守備のポイントについても語った。 5カ月ぶりの再戦に向けては約1年前の熾烈なJ1昇格争いを振り返りつつ、チームとしての成長を示したいと意気込む。 「自分たちは去年J2から上がってきて、日本でも資金力もあるし、実力ともに整ったチーム相手にやれるのは本当に幸せなこと。自分たちがどうやってそこまで来たかと振り返ると、もちろん結果もそうですけど、しっかり成長したところは自信を持ってやってきたところなので、まだチャレンジャーかもしれないですけど、しっかり自分たちの力を示さないといけない」 「前回対戦も決して簡単なゲームではなかったですし、本当に前半はいつやられてもおかしくないというか、かなりチャンスメイクもされました。あのときから3バックが始まって、シーズンのなかで自分たちが作り上げてきたものはそこから始まって、もちろん相手も積み上げていると思いますけど、僕たちもそれ以上に積み上げている部分がある。それをしっかり見せるというか、ピッチで体現できれば、ここ2試合いいゲームができているので、そこのところで慢心せずにしっかり危機感を持ちながら向かっていきたい」 前回対戦ではクローザー役を担い、直近の新潟戦で待望のJ1初ゴールを挙げたFW山田剛綺は、スタート起用が想定される今回の一戦で2試合連続ゴールが期待される。 「各年代のコーチや監督から連絡をもらったり、すごくうれしかった」と初ゴールを喜んだが、「特に何か変わることはなく全員が熱量高く、首位の神戸相手にどう勝っていくかというところを再確認してトレーニングしている」と、浮足立つことなく2週間以上に渡る準備期間の取り組みを振り返った。 前回対戦同様に持ち味でもある前線からの守備での貢献が求められる一方、シャドーのポジションでのプレーも整理されてきたストライカーは、「クロスの部分では個人的にも得点の匂いを感じているので、そこは狙い続ける。あとは、自分たちの真ん中には(森田)晃樹とか(齋藤)功佑くんとかボールを持てる巧い選手がいるので、そこと合わせて背後へ抜けたり、ディフェンスとのライン間で受けて、ゴールというのは意識している」と、堅守攻略へのイメージも持っている。 優勝争いの真っただ中にいる首位との対戦に特別な意識はないと語る山田剛だが、3連勝に向けては個の能力で勝る相手に対して「全員がひとつになって戦うこと」、「目の前の相手に負けないこと」を常に意識して戦いたいとしている。 一方、前回対戦では2ボランチの一角で勝利に貢献し、ここ最近では2シャドーの一角で再び存在感を示し始めているMF見木友哉。 前回対戦からは「守備のところでは、3バックに変えた当初に比べれば間違いなく成熟している。そういうところでは間違いなく成長した姿を見せられる」と守備面の成長を実感。 攻撃面に関しては「相手は4バックなので5レーンをうまく使いながら、サイドに揺さぶっていくところが大事。ボールホルダーへの寄せだったりは間違いなく強度も高いと思いますけど、そこを自分たちの技術で打開することができればチャンスを作れる」と、相手のプレッシャーを上回る個や連携での打開をポイントに挙げている。 また、今回の神戸戦がJリーグ通算200試合目の節目の一戦となる見木は、「(ジェフユナイテッド千葉時代に)100試合のセレモニーのときは、相手が水戸でしたが点を取りました。今回も神戸、(川崎)フロンターレ相手に点を取って、チームの勝利に貢献したい」と、メモリアルゲームでのゴールも虎視眈々と狙っている。 最後に、緑の背番号10は「前回神戸に勝ちましたが、あまり勝てるような内容ではないけど勝ったみたいな感じだったので、今回ホームでしっかり自分たちのやるべきことをやって、勝ちにふさわしい形でしっかり勝てたら、チームとしてもっと成長できる」と、内容にもこだわった上で王者相手のシーズンダブルを誓った。 2024.11.09 20:00 Sat3
【J1注目プレビュー|第36節:東京Vvs神戸】シーズンダブル目指す東京V、神戸は連覇へ負けられない
【明治安田J1リーグ第36節】 2024年11月10日(日) 14:00キックオフ 東京ヴェルディ(6位/54pt) vs ヴィッセル神戸(1位/67pt) [味の素スタジアム] <h3>◆目標は高く、1つでも上へ【東京ヴェルディ】</h3> 前節はアウェイでのアルビレックス新潟戦で0-2と勝利。浦和レッズ戦から中3日と厳しい日程でもしっかりと連勝を収めた。 16年ぶりのJ1での戦いが注目された今シーズンだったが、前半戦の11戦無敗などチームは勝ち点を積み上げ、上位フィニッシュも可能な状況だ。 アウェイでの神戸戦では、3バックのシステムを採用して勝利。そこからチームはそのシステムでしっかりと経験を積み、結果を残し続けてきた。 半月ぶりの試合となるこの一戦に向けてコンディションは十分。前節J1での初ゴールを記録した山田剛綺らの活躍にも注目が集まるが、優勝を争う首位チームにどこまで通用するのかもポイントだ。 ★予想スタメン[3-4-2-1] GK:マテウス DF:綱島悠斗、千田海人、谷口栄斗 MF:宮原和也、森田晃樹、齋藤功佑、翁長聖 FW:山田剛綺、見木友哉 FW:木村勇大 監督:城福浩 <h3>◆連覇へ勝ち続けたい【ヴィッセル神戸】</h3> 連覇を目指す中、サンフレッチェ広島との熾烈な優勝争いを繰り広げている神戸。勝ち点差は「2」という状況であり、このまま勝ち続ければ自力で優勝ができる状況だ。 残り3試合。昨年の経験もしっかりと活かせるところ。前節はしっかりとホームでジュビロ磐田を下した中、アウェイでの連戦で勝利をもぎ取りたいところだ。 今節の相手は前半戦で敗れた東京V。また、次節は残留を争っている柏レイソルと気が抜ける相手はいない。しっかりと自分たちのストロングを出し切って戦いたいところだ。 チームとしては天皇杯との2冠も見えている状況。一方でAFCチャンピオンズリーグ・エリート(ACLE)でも結果を残しており、その原動力の1人が宮代大聖。リーグ戦のゴールもキャリア初の2桁に乗せており、勢いそのままに優勝へ突き進みたい。 ★予想スタメン[4-3-3] GK:前川黛也 DF:酒井高徳、山川哲史、マテウス・トゥーレル、本多勇喜 MF:井手口陽介、扇原貴宏、井出遥也 FW:武藤嘉紀、大迫勇也、宮代大聖 監督:吉田孝行 2024.11.10 11:40 Sun4
「成長を感じられる試合」…東京Vは王者相手のダブル逃すも前回対戦以上の手応えと自信得る
J1連覇を目指す王者との約5カ月ぶりの再戦で引き分けた東京ヴェルディは、勝ち点3を得た前回対戦以上の手応えと自信。そして、さらなる成長に向けた課題を得た。 東京Vは10日、味の素スタジアムで行われた明治安田J1リーグ第36節でヴィッセル神戸と対戦し、1-1のドローに持ち込んだ。 リーグ2連勝で6位に再浮上したチームは、中17日と試合間隔が大きく空いたなか、公式戦4連勝で首位に立つ絶好調の神戸をホームで迎え撃った。 過密日程においても「相当な勢いを持ってくる」と指揮官が戦前の段階から警戒した前半の入りではFW木村勇大がキックオフ直後に見事な個人技でボックス内に侵入し、1分経たずに最初の枠内シュートを記録。機先を制して主導権を握りかけたが、直後の7分には「ああいう拙いところを逃さないのが神戸」と、よりベターな対応もできたなかでセットプレーの流れからDF山川哲史に先制点を奪われた。 それでも、開始早々の失点にも動じることなく直後にはセットプレーからDF谷口栄斗が際どいシュートを見せるなどすぐさま反発力を示すと、以降はハイプレスと中央を締める堅固なブロックの使い分けで、メリハリのある戦いを見せたアウェイチームに対して、チームとして“へそ”と重視する中盤の底でMF森田晃樹、MF齋藤功佑の2ボランチを起点にボールを動かしつつ、3バックの両脇の谷口、DF綱島悠斗の状況に応じたボールキャリー、サイドチェンジを交えながら良い形での揺さぶりをみせて主導権を掌握した。 抜群の危機察知能力を見せたMF井手口陽介、献身的なプレスバックで再三の好守でチームを救ったFW武藤嘉紀に加え、要所を締める神戸のディフェンスラインを前に決定機までは持ち込めなかったが、失点場面を除き優勢な内容で前半を終えた。 後半は引き続き主導権を握りながらも、したたかにプレーを切る王者のゲームコントロール、前半機能した2ボランチとMF見木友哉の3枚をケアされたことで攻撃の停滞を余儀なくされたが、あわよくばカウンターから追加点を奪いたい相手の攻撃は封殺。最少得点差を維持して終盤を迎えると、ウイングバックにアタッカー2枚を並べる攻撃的なメンバー変更に、[4-4-2]への布陣変更と勝負手を打ったなか、91分にはFW山見大登のクロスがゴール前でスクランブルを生み出し、相手DFのオウンゴールによって土壇場で追いつく。 完全に逃げ切りに入っていたなかでの痛恨の失点を喫した神戸に対して、残り時間の勢いの差は明白で、ホームサポーターの熱狂的な後押しを含めて逆転まで持っていく可能性も十分にあったが、右CKからのFW染野唯月のヘディングシュートは枠を外れ、ほぼ数的同数だった木村のカウンターも撥ね返されて1-1のドローに終わった。 王者相手のシーズンダブルを逃したが、指揮官・選手も一様に「なんで勝てたかわからない試合だった」と率直な言葉で振り返った約5カ月前の前回対戦から“個々の成長”、“チームとしての成熟”をテーマに掲げて臨んだ一戦において、これまでの積み重ねの正しさを証明した。 試合後の会見で城福浩監督は「勝ち点1というのは、今日の手応えから逆算したら非常に悔しい」と勝ち切れなかった悔しさを滲ませながらも、「もう一度やらせて欲しい、もう一度やれば絶対に勝ち点3が取れる。そういうふうに思える試合ができた」と、その戦いぶりへの満足感を示した。 「アウェイで1-0で勝ったときには、もう一度試合をやったときに『これ勝てるのか』と、選手も正直ですし我々もいくつかの決定機が相手にあって、我々がゴール前にくぎ付けになるようなシーンというのが、正直アウェイのときはいくつかありました。それでも、1-0で勝てたと…」 「今回は勝ち点1で終わりましたけども、もう一度やらせて欲しい、もう一度やれば絶対に勝ち点3が取れる。そういうふうに思える試合ができた。我々の成長を感じられる試合だったと思います」 「もちろん勝ち点1で終わったことは、必ず理由があるんですけれども、内容的には本当に自分たちのやりたいこと、表現したいことをある程度見せられた。守備もビルドアップのところも含めて、我々が表現したいことはやれたのではないかなと思います」 指揮官同様にキャプテンの森田は相手のストロングと警戒していた中でのセットプレーでの失点、堅守を誇る相手に先制点を与えたゲーム運びの部分での課題に言及しつつも、「前回の試合と比べると、かなり自分たちの時間でゲームを進めることができた」、「後半もぶれずにやれたことで、ああいう得点に繋がって、何とか引き分けに持ち込めた」とポジティブな言葉をミックスゾーンで語っている。 「(前回対戦から)自分たちも成長しているなと思います。メンバーはもちろん相手も変わっていますし、こっちも変わっているところはありますけど、今日みたいなゲームを神戸さん相手にできたのは、チームとしても自信になると思っていますし、収穫の多かったゲームかなと思います」 さらに、神戸の下部組織育ちで古巣相手に前線の起点として奮闘を見せた木村も、「ベースの部分で負けないというのを前提としてトレーニングから積んできた中、今日の方がしっかり同じ土俵で戦えた」と、勝利しながらも歴然とした実力の差を見せつけられた前回対戦から、確実に個人・チームとしてその差を埋められた手応えを実感している。 「神戸相手だからこそベースに目を向けて、ここをもっと高めなければ勝負にならない」と指揮官が戦前に重視した部分では、神戸サイドにFW大迫勇也、DF酒井高徳らの欠場、過密日程による消耗というエクスキューズがあったこともあり、この試合では互角以上に渡り合って見せた。 一方で、今季2度の対戦では奪ったゴールはいずれもオウンゴールで、ボール支配率やパス本数、セットプレーの数では相手を凌駕しながらもシュート数は6本で並び、枠内シュート数で下回るなど、アタッキングサードでの精度、判断の質、チャンスクリエイトの部分は明確な課題に。チームとしてより高みを目指す上で来シーズンへの宿題となった。 その点について指揮官が「あれだけボールを持てたのであれば、もっと決定機を作らなければいけないし、シュートを打たなければいけない」と語れば、森田も「どう崩すかという点で正解はないですが、なるべくチャンスを増やせるようにしたい」と、“決定力”という曖昧な言葉に逃げることなく、チームとしてより多くのチャンスクリエイトが必要だと主張。 最後の仕上げを担う攻撃陣も「ラストパスの部分やクロスに入って行く人数のところは改善していかない(山見)」、「自分たちがボールを持てていると思う時間帯こそゴールにもっと近づけるように(木村)」と改善の必要性を改めて訴えた。 今回のドローによって天皇杯の結果次第で4位までチャンスがあるACL出場権獲得は厳しくなったが、“成長”を重要なテーマに掲げてきたチームは首位チームとの対戦を通じてより高い基準を経験し、残り2試合でのさらなる成長を目指す。 MF綱島悠斗は「どこが自分たちにとってストロングなのかをもっと全員で共有し、どういうサッカーをしたらいいのかという部分はもっと高められる。残り2試合ですけど、そこを改善してより怖いチームに、より強いチームになっていければいい」と、新たな決意を示した。 2024.11.11 20:05 Mon5