「ホームで必ず勝たないといけない」、強く意識する磐田との昇格組対決に臨む東京Vの深澤大輝…後輩の活躍も刺激に

2024.05.05 19:30 Sun
昇格組対決に臨む深澤大輝
©超ワールドサッカー
昇格組対決に臨む深澤大輝
東京ヴェルディのDF深澤大輝が、今シーズン初の連勝、ホーム初勝利を狙うジュビロ磐田戦への意気込みを語った。
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前節、サガン鳥栖とのアウェイゲームを2-0で勝利した14位の東京V。これで5試合ぶりの白星を挙げたチームは4試合続いたドローをストップし、無敗試合を「8」に更新した。そして、6日に味の素スタジアムで行われる明治安田J1リーグ第12節では、勝ち点1差で11位に位置する磐田と対戦。
第2節の浦和レッズ戦から9試合連続左サイドバックでスタメン出場した深澤だが、鳥栖戦ではDF袴田裕太郎に先発を譲ってベンチスタート。後半終盤にMF翁長聖に代わって右サイドバックに入り、今季初のクローザー役として3試合連続クリーンシートに貢献した。

自身がバトンを受け継いだ翁長は、66分にFWマルセロ・ヒアンの決定的なシュートをポストに交錯しながらも、スーパーブロックで防ぐ魂のディフェンスを披露。アップ中でそのプレーをハッキリと確認はしていなかったが、バトンを引き継いだ選手として「自分も力になりたい」とより一層気を引き締めてプレーしたという。
「僕らはアップしていて、誰かが入れ替わられたところは見えていて、最後にゴール前でガシャっとなったところだけは見えました。映像で見たら本当にスーパークリアでしたし、あれがなかったと考えたら、どうなったかわからないし、逆転されていたかもしれないですし、そういうプレーがチームを勇気づけるし、頼もしいと思いました。そこで自分も力になりたいというふうに強く思いました」

クローザー役としての自身のプレーに関しては、「もう少しうまく守れた」と反省の言葉を口にしつつも、ある程度冷静にプレーできたと感じている。

「ゲームを終わらせるというところが、あの時間だったので途中から入る選手の使命だったと思います。そこで、横山(歩夢)選手のドリブルが脅威だなと感じたところで、(齋藤)功佑くんともう少しうまく守れたというところもありましたけど、うまく功佑くんがサポートしてくれたことによって、中に行かれてシュートを打たれる形は防げました。クロスを上げさせないところが一番ですけど、中のディフェンスが強い部分もあって最低限のことはできたと思います」

その1-0の痺れる最終盤の攻防では、ヴェルディユースの後輩であるMF松橋優安が値千金のJ1初ゴールを決めてダメ押しの追加点を奪取。「J1初ゴールを先に取られて悔しい」と先輩として正直な思いを口にしたが、これまでの苦労や努力を知る一人として、ひたむきな後輩のぶれない姿勢へのリスペクトを示す。

「最初の立ち位置というか、いろいろありましたけど、ああやって試合に出て結果を残すところはすごいなと思いますし、自分の1年目のときは半年間一緒にやった後に(期限付き移籍で)相模原に行ってしまいましたが、プレーだけでなくメンタルのところも成長しているなと思います、あいつはぶれないところがすごいです」

さらに、袴田や翁長に加え、絶対的な主力であるDF宮原和也の戦列復帰が迫り、より厳しいサイドバックのポジション争いに臨む上でその後輩からの刺激を良い形で日々の取り組みに還元していきたいと語る。

「『この環境が当たり前ではない』というのは言っていましたし、相模原、山口への移籍を経験したところで、僕は全てを把握しているわけではないですが、メンタルのところが成長していると感じています。僕らはそういう先輩たちを見て育ってきたというか、(現トップチームコーチの)奈良輪(雄太)さんであったり、(昨季まで在籍した小池)純輝さんであったり、そういう人たちを見て育ってきた。あいつも多分そうだと思います」

「僕自身も出られない時期、今も実際出てないですけど、そういうときに何ができるかというところ。自分の置かれた立場で、本当全力を尽くすというところ。それが後々の結果に繋がってくると思ってやっていますし、それを全員がやればやるほど、チームというのはぶれないと思いますし、そこはどんな立場になってもやり続けるだけかなと思います」

「質の違いというか、そこはJ2になかった部分ですし、そこに対応しなくてはいけないところで、もっと冷静に、よりタイトに守備しなくてはいけないと思いながらやってきた中、少しずつ順応している」と、シーズン序盤に比べて、J1仕様のタフさ、判断面の改善の部分での手応えを実感する深澤。

一方で、左サイドバックでのプレー時は右足でのダイレクトプレー、利き足ではない左足の精度を含め、より課題を感じているところだ。その中でチームのストロングになりつつある、2トップの活かし方を含めて質を追求する。

「もちろん左足を使えれば、一番いいですし、それは練習外のところで取り組んでいる部分はありますけど、中に差せるところであったり、右足で持って背後に蹴る。前節のPK獲得に繋がったシーンのヒジくん(翁長)の左足の逆バージョンであったりというのは、相手も少し予想しづらいというか、ソメ(染野唯月)と(木村)勇大がいるから前線はウチのストロングのひとつでもあるので、そこの縦パスを狙いつつ、左足で前に付けられれば一番いいので、その両方をできるようにするというのが、自分の課題でもあります」

過酷な連戦、鳥栖戦でのポスト交錯の際に脇腹を痛めた翁長の状態を考えれば、左右のサイドバックの双方で出場の可能性がある磐田戦に向けて深澤は、「昇格組とはいえJ1レベルのチーム」と対戦相手をリスペクトしつつ、ホームでの今季初勝利を誓った。

「ジャーメイン(良)選手が10点ぐらい取っていてすごいなと思いますし、町田にも2-0で勝っていたり、マリノス戦も(1-1で)引き分けているというところで、昇格組とはいえJ1レベルのチーム。昇格組というところは意識しますし、そこは負けてはいけないと思いますし、ホームで必ず勝たないといけないというふうに思っているので、必ず勝ちたいなと思っています」

また、4試合連続クリーンシートを狙う上ではMF平川怜、MF松本昌也の両サイドの主力、ジョーカー役を担うMF古川陽介とのマッチアップをイメージしながら、臨機応変な対応で抑え込みたいと語った。

「平川選手なんかは去年の熊本ですごく嫌な選手だなと思っていましたし、松原(后)選手とかがすごく上がってきたりして、平川選手が内側に入ったりというのもあると思います。ジャーメイン選手のところでタメができて、松本選手だったり、平川選手のところのサポートとかがすごくキーになってくると思うので、それはどちらのサイドで出ても状況に応じて対応できればと思います」

「(古川は)独特なドリブルをするなという印象がありますし、マッチアップしたら冷静に対応するところ。味方を使って2対1を作るのか、1対1なら飛び込まないで縦に誘導してクロスを上げたところでブロックするといったように冷静に対応したいです」

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「悔しさしか残ってない」味スタ帰還も不完全燃焼に終わった鳥栖の中原輝…J1昇格の立役者は古巣東京Vへの想いも口に

サガン鳥栖のMF中原輝が“不完全燃焼”に終わった古巣初対戦を振り返った。 鳥栖は22日、味の素スタジアムで行われた明治安田J1リーグ第31節で東京ヴェルディと対戦し、0-2で敗戦した。 直近4連敗中で8戦未勝利の最下位と苦境の中で3連勝中の6位チームのホームに乗り込んだ中、19分にボックス手前の危険な位置で与えたFKをMF山田楓喜に直接決められると、前半半ば以降は盛り返したものの、チャンスを決め切れずに1点ビハインドで試合を折り返した。 後半は押し込む入りを見せたが、徐々にイーブンな展開に持ち込まれると、後半終盤の81分にセットプレーの流れからMF翁長聖にダイビングヘッドで叩き込まれて万事休す。逆転残留がより厳しくなる今シーズンのワーストを更新する5連敗となった。 昨シーズン途中にセレッソ大阪から期限付き移籍で加入し、攻撃の中心として緑の名門の16年ぶりJ1昇格に貢献した中原は、前回対戦を負傷で欠場しており、今回が古巣初対戦となった。 傑出した左足の精度と勝負強さによってチームの窮地を何度も救い、悲願達成に貢献したことから“救世主(メシア)”の愛称も冠するレフティは、戦前から今回の一戦の主役と目された。 ただ、右のサイドハーフやウイングを主戦場に躍動した東京V時代とは異なり、現在は[3-5-2]のインサイドハーフという慣れないポジションでチームと共に試行錯誤が続く28歳は、前半序盤にセットプレー流れから放った挨拶代わりのミドルシュートやMF久保藤次郎の前半の決定機をお膳立てするスルーパスなど幾つか見せ場を作ったが、決定的な仕事はできぬまま60分にMF清武弘嗣との交代でピッチを退いた。 中原は試合後、「悔しさしか残ってない」と消化不良に終わった味スタでの古巣初対戦を振り返った。 「まずは無失点でいくことを意識して入りましたが、ああやって決められてしまい、いつも通りというか、自分たちで苦しい展開にしてしまった。やっぱりヴェルディは守備が堅いので、先制されるとこういう展開になるのを予想していた中で、先にやられてしまったという感じです」 戦前に東京Vの選手たちは誰よりもその怖さを理解する元同僚への警戒を口にし、この日のピッチでも中原の“スペシャルな左足”を意識する対応を見せていた。 ただ、中原自身はそういった古巣の対策に手を焼いたというよりも、周囲との連携を含め自身のプレー自体に問題を感じていたという。 「正直、自分の得意なポジションではないところで、ああいう間でもらってポケットを狙ってゲームを作るというか、自分で仕掛けるとか今までサイドでやっていた仕事ではないことを、今はやっている中で、もっとボールを引き出したかったですし、引き出した部分でもっと決定的な仕事をしたかった」 「いつもとポジションが違うので、仕掛ける場面もそんなに多くないですし、自分自身が相手の脅威になれていたのかというところでは不完全燃焼というか、もっとやりたかったというか、やれたかなと思います」 試合前のアウェイチームのスタメン発表の際にはホームサポーターから昇格の立役者への愛情や感謝に溢れる盛大な拍手が送られ、試合後にはスタンドへの挨拶を期待する東京Vのファン・サポーターも多かったはずだ。 ただ、不完全燃焼に終わった自身のパフォーマンス、5連敗というチーム状況もあり、中原は古巣のファン・サポーターへの試合後の挨拶を見送る決断をした。 それでも、自身のプロキャリアにおいても最も密度が濃い半年間に苦楽を共にした緑のファン・サポーター、ヴェルディへの想いを改めて語った。 「昨シーズン夏から加入してすごく応援や声援をくれて、皆さんと喜びを分かち合えた半年間でした。チームが変わっても変わらず声援をくれているというのは、ものすごく嬉しいことです」 「こうやってヴェルディがいま勝っていて、いい順位にいる中で、僕自身は苦しい立場ですけど刺激というか、ヴェルディの試合はチェックしていました。いろいろ難しいというか、状況は違いますけど、ただ本当にみんなすごいなというふうに思いますし、僕自身この状況を変えられるように頑張りたいです」 昇格1年目で大躍進と言っていい活躍をみせる古巣から良い刺激を受け取った中、残り7試合では鳥栖の逆転残留へ全力を注ぐ。残留圏内とは8ポイント差と厳しい状況だが、次節は悪い流れを払拭する上で大きなきっかけになり得るアビスパ福岡とのダービーが控える。 中原はその重要な大一番に向け「ダービーというのは今まで経験もありますし、とてもチームとして勢いに乗るにはいい試合だと思うので、今は勝ち切れていない苦しみの中で、ひとつのきっかけとして勝てればと思っています」と必勝を誓った。 2024.09.23 07:15 Mon
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飛躍続ける緑の名門支える強靭な翼…右WBで存在感示す東京Vの宮原和也「いまは少しずつできている部分がある」

好調を継続する昇格組の右ウイングバックが存在感を示している。 東京ヴェルディは前節、サガン鳥栖とのホームゲームを2-0で勝利し、今シーズン初の4連勝を達成。開幕前は残留争いのメインキャストを担うと見られていた中、残り7試合の時点で勝ち点47の6位と大躍進を見せている。 直近の4連勝では全試合で複数得点を記録するなど、一時の3試合連続無得点の苦境を乗り越えた攻撃陣の活躍がフォーカスされるが、左サイドのMF翁長聖と共に、90分を通じ攻守両面でハイクオリティのパフォーマンスを継続するDF宮原和也の安定感が際立っている。 昨シーズン、名古屋グランパスを離れて長らくJ2の沼にはまっていた緑の名門に加入した28歳は、右サイドバックの絶対的な主力に君臨。傑出した対人守備や優れたサッカーIQを活かした的確な判断能力でサイドに蓋をすると、攻撃でもボランチでのプレー経験を活かした安定した繋ぎ、機を見た攻撃参加からの正確なクロスでチャンスを演出。J2ベストイレブンに選出される、見事な活躍によって16年ぶりのJ1昇格の立役者の一人となった。 チームとして16年ぶりのJ1挑戦となった今シーズンはJ1未経験組や通算出場数が「50」に満たない経験不足のチームにおいて、牽引車としての活躍も期待されたが、プレシーズンとシーズン序盤に負った2度のケガの影響で本来のパフォーマンス発揮には至らず。一時はボランチやウイングバックでのクローザー役も経験した。 それでも、[3-4-2-1]のセンターバックでのプレーや中断期間の集中的なコンディション調整を経て状態を上げると、直近は4試合連続で右ウイングバックとしてフル出場。持ち味の安定した守備に加え、相手ボックス内に侵入していくアグレッシブな攻撃参加も増えている。 ここまでコンディション面に関して途上にあると語ってきた宮原だが、より運動量やハードワークが求められるウイングバックでの継続起用の効果も含め、ここにきて自身のフィジカルコンディションの向上を実感しているという。 「ウイングバックをすることによって上下動するシーンはたくさんあると思いますし、自分はしっかり攻撃の部分ではクロスのシーンに入っていくというのも意識しています。守備の部分でもしっかりチャレンジ&カバーというか、そういうのも含めて意識している部分はあるので、それに関して体がついてきています」 キャリアを通じてもちろん経験はあるものの、ここにきて本格的にプレーし始めたウイングバックでのプレーについては試行錯誤の部分はありながらも徐々に手応えを感じている。 「基本的に最初のプレッシャーの部分で、相手との距離が近い部分はウイングバックだとあるので、そこの間合いというのは少し近づける部分が4バックのときよりありますし、絞りの部分だったりは、自分の予測だったりそういう部分。いまは少しずつできている部分があるので、しっかり続けられるようにという感じです」 「(攻撃面に関して)次は相手が4バックなので、相手のサイドハーフがどこにプレッシャーに行くのかで、自分の立ち位置とかも決まってくると思いますし、サイドハーフが自分たちの3センターバックの方に食いつくのであれば、しっかりサイドバックを引き出す動きというか、そこは見せながらフォワードかシャドーに当てさせるというイメージもしなければいけないと思うので、しっかり相手を見ながら動き出せるようにしたいです」 その新境地を開きつつある宮原に関して、城福浩監督は右サイドバックがジャストなポジションであることを認めながらも、[4-4-2]から[3-4-2-1]への布陣変更後に、今後のキャリアも見据えた上で「自分の可能性を追い求めるチャンス」と捉えて新たな役割にチャレンジしてほしいと腹を割って話し合ったことを明かしている。 「彼は以前所属していたチームでも4バックでやっているときにサイドバックとしてやっていましたし、3バックでやったときにはおそらくウイングバックあるいはセンターバックで可能性を試されていたと思います。4バックでやることが、おそらく彼のサッカー人生の中でも多かったと思いますし、その中でこのチームでもJ2であったときに存在を示してきた」 「その中で3バックになったときに、本来のジャストなポジションというのがなくなったと感じるのか、そういう思考になるのか。これで3バックのセンターバックか、あのシステムのウイングバックがやれるようになれば、選手の幅が広がるようになるのか。おそらく彼はあと数年トップレベルでやれる選手だと思いますけど、さらにもう5年トップレベルでやるためにここがチャンスと思うのか。自分のジャストなポジションがなくなったと思うか。これは考え方次第だということを復帰したときに彼と話していました」 「『これをどう捉えるかだぞ』、『自分の可能性を追い求めるチャンスだと思ってやってくれ』と、ただそれにはセンターバックもウイングバックも両方ある。そこをやらされているのではなくて、『そこでもできる宮原和也を示してくれ』ということは話しました」 その指揮官の要求に真摯に応えた結果が直近の好パフォーマンスに繋がっていることは明白だ。そして、城福監督も「彼は非常にポジティブに取り組んでくれたと思っていますし、最近のあの運動量とかスプリントの回数というのは僕もちょっと驚いています」と、ベテランに差し掛かりつつある28歳の活躍に目を細めている。 逆サイドの翁長と共に飛躍を続ける緑の名門を支える強靭な翼は、28日にパナソニックスタジアム吹田で行われる明治安田J1第32節のガンバ大阪戦でも攻守にカギを握る存在となる。 勝ち点2差で臨む5位チームとのシックスポインターに向け、宮原は前節の反省や元同僚DF中谷進之介、FW宇佐美貴史ら相手の攻守のキーマンを警戒しつつ、チームとしてしっかりとした戦いをみせ、勝ち点3を持ち帰りたいと意気込んだ。 「前の鳥栖戦では結構危ないシーンはたくさんありましたし、決められてもおかしくないシーンというのはたくさんあったので、そこへの修正というのは絶対大事になってくる。正直点を決められて、勝敗がわからなくなってもおかしくないシーンというのがあったので、本当に紙一重だと思うので、そういうのは本当に90分通して、そういうチャンスを作らせないようにすることが大事です」 「(中谷は)対角へのフィードとかはうまいと思うので、そこはしっかりと見ながらという感じ。前回対戦でも守備は堅くてブロックをしっかり組んでいる感じなので、しっかり左右に揺さぶりながらというのは大事」 「(宇佐美は)少しの時間や余裕を与えると足を振ってきますし、右も左も蹴れると思うので、そこに対しては本当に厳しくいかなければいけないと思います」 2024.09.27 20:00 Fri
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緑の快進撃止まらず! 山田楓喜の今季3発目芸術FK弾などセットプレー2発の東京Vが鳥栖撃破で4連勝【明治安田J1第31節】

明治安田J1リーグ第31節の東京ヴェルディvsサガン鳥栖が22日に味の素スタジアムで行われ、ホームの東京Vが2-0で勝利した。 東京Vは前節、北海道コンサドーレ札幌とのアウェイゲームに2-0で勝利。今シーズン初の3連勝を達成すると共に暫定ながら6位に浮上した。2003年以来のJ1での4連勝を狙うチームは札幌戦と全く同じスタメンで臨んだ。 対する鳥栖は前節、川崎フロンターレ相手に試合終了間際の失点によって2-3の敗戦。4連敗と共に8戦未勝利で最下位に沈む。木谷公亮新監督の下での初勝利と9戦ぶりの白星を狙った一戦では先発2人を変更。ベンチ外となったキム・テヒョン、楢原慶輝に代えて山﨑浩介、ヴィキンタス・スリヴカを起用した。 共に3バックで臨んだ試合は立ち上がりからリスク回避の長いボールも交えながら主導権争いが繰り広げられていく。14分には左CKの流れから味スタ凱旋の中原輝がボックス手前から左足を振るが、これはDFのシュートブロックに遭う。 一方、立ち上がりからカウンターを起点にチャンスを窺う東京Vは18分、宮原和也の見事なボール奪取と木村勇大の馬力のある突破からペナルティアーク付近の好位置でFKを獲得。ここで山見大登と共にボールサイドに立ったのは山田楓喜。 今季ここまで2本の直接FKでゴールを決めているプレースキックの名手は左足を振り抜くと、壁のギリギリ上を越した絶妙なコントロールシュートがゴール右隅に突き刺さった。 山田楓の2試合連続ゴールによって前半序盤の19分にホームチームがスコアを動かすと、試合はよりオープンな展開に。前半のうちに追いつきたい鳥栖はビルドアップでリスクを負いながらテンポを上げると、30分にはカウンターから中原のスルーパスでボックス右に抜け出した久保藤次郎が右足を振り抜くが、ここはGKマテウスの好守に阻まれる。 前半終盤にかけてはカウンターと遅攻を使い分ける東京Vが優勢に進めると、42分には両ウイングバックも絡んだ攻撃から翁長聖の左クロスが相手にディフレクトしてゴール前にこぼれると、山田楓が左足ダイレクトで合わせるが、ミートし損ねて自身の軸足に当たってしまい枠に飛ばせず。 その後、前半アディショナルタイムには鳥栖のカウンターからボックス中央の日野翔太が右足ダイレクトシュートを放ったが、これはGKマテウスの守備範囲。ホームチームの1点リードで前半終了を迎えた。 迎えた後半、東京Vはアクシデントか、谷口栄斗を下げて林尚輝をハーフタイム明けに投入。鳥栖は前半と同じメンバーで入った。 よりアグレッシブに入った鳥栖は押し込む形を作り出すと、49分には福田晃斗の左クロスからゴール前で混戦を作って日野がゴール前で潰れたこぼれを富樫敬真が右足シュート。だが、これを枠に飛ばせない。 立ち上がりの守勢を凌いだ東京Vも序盤に続けて決定機。綱島悠斗の縦パスと翁長の左クロスからボックス内の木村が続けてシュートを放っていくが、仕留め切れない。 ここから拮抗した展開が続くと、60分過ぎに両ベンチが動く。東京Vは札幌戦同様に山田楓と山見を下げて染野唯月、松村優太を同時投入。一方の鳥栖は中原を下げて清武弘嗣をピッチに送り込むと、70分過ぎには富樫と日野の2トップをヴィニシウス・アラウージョ、堀米勇輝に入れ替えた。 互いにボックス近辺まではボールを運べるものの、最後の局面で精度や連携の問題を抱えて決定機まで持ち込めない焦れる状況が続く。75分にはペナルティアーク付近で西矢健人が左足のシュートを枠に飛ばすが、GKマテウスの好守に阻まれた。 完全に1点差勝負の様相を呈して後半終盤に向かうも、これが現状の両チームの力の差か3連勝中のホームチームが突き放す。81分、左CKの場面でキッカーの見木友哉のクロスをファーで回収した齋藤功佑が絶妙な左足インスウィングのクロスを供給。これをニアに飛び込んだ翁長がダイビングヘッドで叩き込んだ。 この2点目で試合の大勢が決した中、試合終盤は一矢報いたい鳥栖が攻勢を仕掛けたが、今季初の2試合連続完封勝利へ守護神マテウスを中心に高い集中力を見せた緑の分厚い壁を最後までこじ開けることはできず。この結果、東京Vが2003年以来となるJ1での4連勝を達成した。 東京ヴェルディ 2-0 サガン鳥栖 【東京V】 山田楓喜(前19) 翁長聖(後36) <span class="paragraph-title">【動画】山田楓喜が壁上の凹みを射抜く芸術FK</span> <span data-other-div="movie"></span> <blockquote class="twitter-tweet"><p lang="ja" dir="ltr">/<br>左足から放たれた虹<br>\<br><br>FKは壁を超えゴール右へ<a href="https://twitter.com/hashtag/%E5%B1%B1%E7%94%B0%E6%A5%93%E5%96%9C?src=hash&amp;ref_src=twsrc%5Etfw">#山田楓喜</a> 2試合連続ゴール<br><br>明治安田J1第31節<br>東京V×鳥栖<br><a href="https://twitter.com/hashtag/DAZN?src=hash&amp;ref_src=twsrc%5Etfw">#DAZN</a> ライブ配信中<a href="https://twitter.com/hashtag/%E6%9D%B1%E4%BA%ACV%E9%B3%A5%E6%A0%96?src=hash&amp;ref_src=twsrc%5Etfw">#東京V鳥栖</a> <a href="https://t.co/MxrWE4Dr09">pic.twitter.com/MxrWE4Dr09</a></p>&mdash; DAZN Japan (@DAZN_JPN) <a href="https://twitter.com/DAZN_JPN/status/1837786266764554352?ref_src=twsrc%5Etfw">September 22, 2024</a></blockquote> <script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script> 2024.09.22 20:07 Sun
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鳥栖戦で4連勝狙う東京V、綱島悠斗「勝てるだろうという過信をしない」、千田海人は「左足で持ったときの怖さある」味スタ凱旋の元同僚警戒

東京ヴェルディは22日、味の素スタジアムで明治安田J1リーグ第31節のサガン鳥栖戦を戦う。2試合連続完封勝利での4連勝を狙うMF綱島悠斗、DF千田海人が意気込みを語った。 東京Vは前節、北海道コンサドーレ札幌とアウェイで対戦。直近3連勝で最下位を脱出した好調の相手との拮抗した一戦を、後半のMF山田楓喜、MFチアゴ・アウベスの2ゴールによって2-0で勝利。3度目の挑戦で今シーズン初の3連勝を達成し、暫定ながら6位に浮上した。 そして、約1カ月ぶりとなるホームゲームでは直近4連敗且つ8戦未勝利(1分け7敗)と結果が出ていない最下位の鳥栖を相手にシーズンダブル達成を目指す。 2-0で勝利した前回対戦では後半終盤にクローザー役として投入された綱島。本職は守備的MFながら、ここ数試合では[3-4-2-1]の3バックの一角で、188cmの恵まれた体躯を活かしたダイナミックなプレーと正確な技術で存在感を示す。 主砲マルセロ・ヒアンの負傷離脱に加え、今夏の移籍市場で主力数名が流出した対戦相手については「前回戦ったときとは全く別のチームになっていると思う」と率直な印象を語る。 ただ、2-3で競り負けた直近の川崎フロンターレ戦のパフォーマンスも踏まえ、相手の順位や直近の調子に関わらず、簡単な試合にはならないと考えている。 「現状自分たちよりも順位的に下にいるからといって、勝てるだろうというのはひとつもないですし、そういった過信をしないようにしたい」 「川崎との試合をみても本当に力はありますし、ただ最後のところで運がないというか、でも確実に難しい相手になるというのはわかっています。相手の特徴と自分たちのストロングを兼ね合わせて、チームの中で共有はできていると思いますし、そこに対する準備をしてきたので、自信をもって戦えるかなと思います」 前回対戦では可変式の[4-2-3-1]で臨んだ鳥栖だが、今回の試合では[3-5-2]でより中盤的な資質を持つ選手がインサイドハーフや2トップの一角でプレーすることが想定される。 綱島はその鳥栖の攻撃に対して3バックとボランチを中心にマークの受け渡しやスライドの部分がカギになると主張。個人としては「いつ自分が出すのか、また自分のスペースを空けないように守備をしたりとか、その判断がすごく重要になってくる」とし、「間違えないようにというか、いい判断をしていきたい」と語った。 札幌戦の反省を踏まえ、ビルドアップの改善と共にJ1初ゴールに向けてその高さと強さを持て余し気味なセットプレーで存在感を出していきたい考えだ。 「個人としてはボールを受ける回数というのが少ないですし、自分が受けてビルドアップのリズムを作ったりというのは、もっともっと回数を増やしていけると思います。札幌戦は少し中への危険なパスというのがあったので、相手は見れていましたが、そこの判断という部分でもうひとつクオリティを上げていかないといけない。鳥栖みたいなショートカウンターが速いチームというか、クオリティがあるチームに関してはそういったところがリスクになってくるので、本当に判断して相手を見てビルドアップしたいと思います」 「自分たちはセットプレーで高さはあるものの、なかなか思ったように点が取れていないので、そこは次の試合で見せられればなと。自分の入り方は少し変えないといけないですし、インパクトのところもより緻密にというか、狙った場所に当てられるようにというのは意識していきたい。何と言っても迫力が足りないと思うので、入り方を含め自分が点を決めてやるぞという迫力をもっと出したいなと思います」 一方、3連勝をスタートした鹿島アントラーズ戦からスタメンに復帰し、3バックの中央で抜群の対人戦の強さと的確なラインコントロールでディフェンスラインを統率する千田。 3試合ぶりのクリーンシートを達成した札幌戦を含め、今季初の3連勝については「自分たちが後手を踏まずに先に点を取れているというところが大きい。最後守り切るというところは、ここ数カ月でかなり成長させられた部分というか、ぶれずにやってきたところであるので、そこは自信持ってやっていいかなと思います」と、ここにきてチームの戦いがかみ合ってきたとその手応えを語る。 また、綱島同様に「相手の順位とか、勝てていないとかはあまり関係ないというか、目の前の試合に対してやるだけという気持ちで自分もチームもやっているからこそ、今のこの位置にいると思うのでそれを続けるだけ」と、“パルティード・ア・パルティード(一試合一試合)”の精神と共に自分たちにフォーカスを当てる姿勢は変わらない。 対鳥栖という部分でも前回対戦からの変化にアジャストする必要性は認めながらも、普段の戦い同様にまずは自分たちのやるべきことを徹底することが結果に繋がると語った。 「相手はしっかり後ろからビルドアップしてくるイメージ。それに対して自分たちはしっかり後ろの人数合わせから嵌めに行くところ、アグレッシブに自分たちからスイッチを入れて、守備していくというところをうまくやっていければと考えています。いいポジションからいい攻撃に繋げられると思うので、そこの守備のところからというのは変わらずにやっていきたい」 「ただ、相手は失点が多いので、前線含めて全員で取りたいときにしっかり取っていくというところ。いい流れのときに取っていくとか、そういうところをしっかりやっていければ、大丈夫かなと思います」 今回の一戦では前回対戦を負傷欠場したMF中原輝の古巣初対戦にも注目が集まるところ。 「前期は出てなかったですし、楽しみですね」と、昨年夏にセレッソ大阪からの期限付き移籍加入で攻撃をけん引した“救世主(メシア)”の愛称で知られるレフティとの対峙について千田は「左足で持ったときの怖さというのはあるので、そこはしっかり人数を出してあまりフリーにさせすぎないところと、持ったときに後ろのステップワークというか、裏もありますしそこのところは注意したい」と、その能力の高さを誰よりも知る一人だけに改めて警戒感を口にした。 最後に、約1カ月ぶりのホームゲームに向けて綱島は「味スタの雰囲気は本当に最高というか、選手を奮い立たせてくれるファン・サポーターの力がありますし、そういった中でプレーできるのはすごく嬉しい。たくさん見に来てくれるサポーターのためにも何としても勝ち点3をつかみ取って4連勝したいなと思います」と、J1に昇格して力強さを増す、緑のファン・サポーターの後押しを結果に繋げたいと意気込んだ。 2024.09.21 20:20 Sat
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日々のたゆまぬ研鑽で躍進の東京V、城福監督は4連勝へ「今の状況を打破しようとしてくる」鳥栖とのタフな試合予想

東京ヴェルディの城福浩監督が、22日に味の素スタジアムで行われる明治安田J1リーグ第31節のサガン鳥栖戦に向けた会見を実施した。 東京Vは前節、北海道コンサドーレ札幌とアウェイで対戦。直近3連勝で最下位を脱出した好調の相手との拮抗した一戦を、後半のMF山田楓喜、MFチアゴ・アウベスの2ゴールによって2-0で勝利。3度目の挑戦で今シーズン初の3連勝を達成し、暫定ながら6位に浮上した。 その札幌戦では前後半のホイッスルが鳴った後に両チームの一部選手がヒートアップし、口論に発展する場面も散見。そんななか、クラブ公式SNSが試合終了直後の締めの様子を映した動画では「今から札幌をリスペクトすること」と選手たちへの呼びかけが話題となっていた。 その真意について指揮官は「最後は荒れたわけではないけれども、気持ちのいい状況ではないと感じた」と事前に準備していたわけではなかったものの、シーズン終盤に向けて“勝ち点の重み”がより増す状況でさまざまな心情が渦巻く中で釘を刺す必要があると判断しての声掛けだったと説明。 「最後の終わり方というか、終了のホイッスルが鳴ってから、みんなギリギリのところで試合に臨んでいるので、そこにはいろんな思いがある。それは我々だけではなく相手チームも同じで、あのときの札幌さんから見る景色というのは、心情含めてそんな簡単に想像できないもの」 「それぐらい我々は厳しい中で戦っていますし、一試合一試合の勝ち点の重みというのを、今はものすごく感じながら試合をしていると思うので、終了のホイッスルが鳴るまではそれをエネルギーに変えて戦えばいいですけど、終了のホイッスルが鳴ったら、お互いがお互いの見る景色というのをしっかり尊重してあげなければいけない。それは我々だっていつどうなるかわからないことなので、そこは誰がダメというのではなくて、みんなでもう一度確認したということ」 「自分たちも含めてギリギリのところで戦う。それが昇降格のあるJリーグの戦いで、そこを笛が鳴った後に関しては、みんながお互いの立場を理解して行動するというのが大事だと。今後も含めて自分たちが試合を終えた後にどういう心境になるかはそのときにしかわからないので、自分も含めてより終盤であればあるほど、勝ち点の重みというのが出てくるので、そこはリスペクトを持って振る舞えればいいなと思っています」 長い指導者キャリアだけでなく社会人としても豊かな経験を持つ指揮官らしい細やかな指導で気を引き締め直した若きスカッドは、3連勝で6位浮上と残留争いの重圧から解き放たれつつあるものの、今週も残暑厳しいなかでいつも以上にハードなトレーニングを継続。今回の一戦に向けても各選手は現状の戦いぶりへの手応えを口にしながらも、全く気の緩みを見せていない。 そういったチームの姿勢を方向付けているのは、妥協を許さない城福監督の徹底した指導方針によるところが大きい。 札幌戦から中7日での鳥栖戦に向けたアプローチについて指揮官は、開幕前から掲げる“成長”という重要なキーワードの下、日常のスタンダードを上げていくという部分で、余裕のある期間にこそファンダメンタルの部分の向上にフォーカスできると語る。 「我々はシーズン最初から成長というのがひとつのキーワードになっており、練習を休んでいたり練習を軽くしていたら、その成長のキーワードには程遠い。いかにリアリティを持ってプレッシャーの厳しい中でのプレーがトレーニングでできるかということと、もうひとつは、基準を上げるということ」 「今までで言えば、『今日の練習厳しかったな』というのがやり続ければ、それが普通になる。それこそ我々がゲームの中で意外とラクにやれているなと思える日常だと思うので、とにかく日常のスタンダードを上げていくということが大事。特に土曜日に試合をやって次の週が日曜日だったりとか、代表ウィークで間隔が開いたときは、スタンダードを上げるチャンスなので、ここは逃がさないようにしたい」 通常は結果を残す中でチームの熟成と共にメンバーが固定に傾く傾向が多いものの、現在の東京Vではそういった日々の取り組みの成果もあり、試合に絡めていない選手たちも個々の成長著しく、18名のメンバー入りを巡る競争は激化している。 その点について城福監督は「メンバーに入れなかった選手のトレーニングの強度は、間違いなく胸を張ってJリーグで一番だと思っている」と自負。その上で自身に求められる「フェアなジャッジ」を念頭に、さらなる奮起と台頭を期待している。 「このチームでは調子の有無に関わらず、(契約上の取り決めで)その選手を絶対使えない試合というのがあるわけで、一番最近であれば鹿島戦がすごく象徴的なところだったと思います。そういう試合に限らず、このチームは日々の練習で18人のメンバーに入ろうとして、試合の当日であっても前日であっても、メンバーに入れなかった選手のトレーニングの強度というのは、僕らは間違いなく胸を張ってJリーグで一番だというふうに思っています」 「歯を食いしばってそれをやっている選手たちがいると。これに対して我々がやらなければいけないのは、フェアにジャッジすること。そのフェアというのは、万人が見てフェアなんてことはありえないわけで、それは10人いれば、10通りのフェアがある。ましてや選手個人から見たら、あの選手が出ていてなんで自分が出られないんだと。練習の厳しさが増せば増すほど、いろんな感情が渦巻きながら、いろんな感情を抱えながらやっていると思います」 「そこに対してコーチ陣が練習中の声かけであったり、練習が終わった後のちょっとした立ち話であったり、あるいは個別ミーティングであったりでケアをしながら、いま選手がどんな状況でどんな心境の中でやりながら、どんなパフォーマンスをしているかというのを、我々は今日だけではなくて、昨日だけではなくて、ずっといろんな目で見てあげながら、最後自分がジャッジするところは、自分の中ではフェアでありたい」 「バトンの受け渡しがいま持っている選手の中でフルでできるか。それをやろうとしているかとか、このチームの守備とはどういうものを指すのか。このチームの走力というのはどういう場面で出すのかというのを、いま持っている選手がやり切ろうとして、それがどれだけ続いているかというのは見逃さないようにしています。ただ、今週よかったから来週出せるかというと、そういうものではない。ただ、歯を食いしばってやり続けている選手は必ずどこかでチャンスをあげたいというふうに思っていますし、それがチームのパフォーマンス、あるいは結果で、そういうタイミングが来るのであれば、そこは逃さないようにしてあげたい」 3連勝中は先発メンバーの入れ替えは最小限にとどまるものの、ベンチメンバーの入れ替えは比較的活発に行われている中、22日の鳥栖戦では厳しい競争を勝ち抜いた18名のメンバー選考にも注目が集まるところ。 城福監督は、直近4連敗且つ8戦未勝利(1分け7敗)と結果が出ていない最下位のチームが「試行錯誤」の状況にあると考えているが、2-3で競り負けた前節の川崎フロンターレ戦のパフォーマンスを含め、札幌戦と同様に自分たちにとって難しい試合になると警戒している。 「元々の鳥栖のボールに絡んでいきながら人数をかけていく。勝負どころでゴール前に入っていく人数というのは、本当にJリーグの中でも多い方だと思いますし、リスクを冒したゴールキーパーを含めたビルドアップというのも、ここ何年か鳥栖が示してきたサッカー」 「こういう苦しい状況であればあるほど原点に戻って、自分たちのサッカーをしながらハードワークしていくというところに徹してくると思っていますし、監督が変わって立ち位置とかも試行錯誤しているようですけど、直近の川崎戦は勝ち点0で終わる試合ではなかったと思います。得点の推移を見れば、川崎が先に点を取って、少し守りを固めようかなというような構えをした瞬間に襲いかかっていく。鳥栖の人数をかけた攻撃というのはここ何年かの鳥栖らしさがすごく出ていたと思いますし、最後は不運な形で決勝点を奪われましたけども、しっかりと同点に追いついていくプロセスというのは、鳥栖の強さを垣間見た試合だった。あれこそが鳥栖の底力だと思うので、今の状況というのを選手1人1人が打破しようとしてくると思うので、我々が受けないようにしなければいけない」 2024.09.21 20:00 Sat

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