【2022年カタールへ期待の選手vol.68】アルゼンチン相手に値千金の先制弾。岡崎慎司同様、結果で成り上がるストライカー/林大地(サガン鳥栖/FW)
2021.03.30 20:20 Tue
主導権を握りながら均衡を破れないまま、スコアレスで折り返そうとしていた29日のU-24アルゼンチン戦(北九州)。そんな前半終了間際に最終ラインを統率する瀬古歩夢(C大阪)から絶妙なタテパスが出た。最前線に陣取っていた背番号8・林大地(鳥栖)は迷わず前線に飛び出し、DF2枚の背後へ出て、GKの位置を見ながら右足を一閃。喉から手が出るほどほしかった先制点を叩き出した。
「歩夢からすごいいいボールが来た。その前も味方同士でしっかりつないで僕のところに来たので、決めないといけない責任がFWにはある。しっかり裏に出てゴールを決められてよかったなと思います」
「ビースト(野獣)」の異名を取る23歳のFWは歓喜の雄叫びを上げた。この一撃で勢いに乗った日本は強豪を3-0で撃破。26日の第一戦(東京)のリベンジを果たしたのである。
そもそも今回の彼は堂安律(ビーレフェルト)の負傷離脱によって追加で呼ばれた選手。今季開幕から3ゴールを挙げ、目下暫定3位につけるサガン鳥栖の快進撃の原動力になっている点が評価され、何とかチャンスを与えられた格好だ。
とはいえ、ここまで輝かしい経歴はほぼなかった。ガンバ大阪ジュニアユース時代は同期に初瀬亮(ヴィッセル神戸)や市丸瑞希(FC琉球)、1つ下に堂安と食野亮太郎(リオ・アヴェ)がいたが、彼らの陰に隠れてユース昇格を断念。田中駿汰(北海道コンサドーレ札幌)とともに履正社高校から大阪体育大学と回り道してプロになった。
ところが、プロ2年目の今季も競争は厳しく、ジェフ千葉から加入した山下敬大が重用され、林といえども毎試合スタメンという状況には至っていない。雑草魂を持つ野獣はそんな中でも決して腐らず前向きにトライし続けられる。こうした貪欲さと泥臭さはこれまでの東京五輪代表に足りなかった部分。エリート集団にはないハングリーさを彼は力いっぱい持ち込んでくれたと言っていい。
ゴールを奪い続けて成り上がるという意味では、日本代表の偉大な先輩・岡崎慎司(ウエスカ)と重なる部分が少なくない。岡崎もプロ入り当初は清水エスパルスでFWの8番手で右サイドバックを打診されるところからのスタートだった。技術的にも下手で、洗練されたタイプとは対極に位置していたが、22歳だった2008年に10ゴールを奪い、一気に北京五輪代表に滑り込んだ。直後の2010年南アフリカワールドカップアジア最終予選で抜擢され、2009年に代表16試合で15ゴールという驚異的なゴールラッシュを披露。一気に主力FWの座をつかんだのだ。
林の場合は岡崎より1年遅れのペースだが、このままJリーグでゴールを量産すれば、4カ月後の東京五輪本大会でメンバー入りも夢ではない。実際、FW陣は第1戦で先発した田川亨介(FC東京)、ケガで選外となった上田綺世(鹿島アントラーズ)、前田大然(横浜F・マリノス)含めて絶対的存在が不在だ。オーバーエージで大迫勇也(ブレーメン)が抜擢される可能性が大きいと見られるが、森保・横内両監督は最終的に一番乗っている点取屋を選ぶはず。岡崎を抜擢した反町康治技術委員長が後ろについているのだから、「旬なFWを選ぶ」という傾向はより強まるだろう。
そこで林がチャンスをつかみ、ここ一番で決定的な仕事をし続ければ、岡崎の系譜を歩むことも不可能ではないはず。今回のアルゼンチン戦の先制弾を見れば、そうなりそうな予感も少なからず漂ってくる。
「タケ(久保建英=ヘタフェ)は技術がすごいあるし、僕はどちらかというと前に張ってガチャガチャやるので、『自分の周りをウロチョロしておいてほしい』と言われました」
林は久保との関係をこう評したが、かつての岡崎もテクニックに秀でた中村俊輔(横浜FC)や遠藤保仁(ジュビロ磐田)、中村憲剛(川崎FRO)に生かされていた。そういう意味では環境的にも似ている。自分をうまく使ってくれるハイレベルなメンバーに囲まれながら、数字を残し続けていくことで、いつか必ず道は開けるはずだ。
ガンバ大阪ジュニアユース出身という観点で見ると、本田圭佑(ネフチ・バクー)や昌子源(ガンバ大阪)、鎌田大地(フランクフルト)に象徴される通り、回り道した人間の方がなぜか大成功するという法則がある。無印の林は大きな期待がかかるところ。勝負を左右する重要局面でゴール取れる勝負強さに磨きをかけ、五輪に滑り込みを果たし、先々にブレイクする…。そんな成功街道を歩んでくれることを楽しみに待ちたい。
「歩夢からすごいいいボールが来た。その前も味方同士でしっかりつないで僕のところに来たので、決めないといけない責任がFWにはある。しっかり裏に出てゴールを決められてよかったなと思います」
「ビースト(野獣)」の異名を取る23歳のFWは歓喜の雄叫びを上げた。この一撃で勢いに乗った日本は強豪を3-0で撃破。26日の第一戦(東京)のリベンジを果たしたのである。
とはいえ、ここまで輝かしい経歴はほぼなかった。ガンバ大阪ジュニアユース時代は同期に初瀬亮(ヴィッセル神戸)や市丸瑞希(FC琉球)、1つ下に堂安と食野亮太郎(リオ・アヴェ)がいたが、彼らの陰に隠れてユース昇格を断念。田中駿汰(北海道コンサドーレ札幌)とともに履正社高校から大阪体育大学と回り道してプロになった。
田中駿汰の方は大学時代から森保一・日本代表監督や横内昭展U-24代表監督の目に留まり、過去に何度も代表招集を受けてきたが、林は2019年ユニバーシアード(ナポリ)に名を連ねるのが精一杯。2020年に鳥栖入りした時点でも金崎夢生(名古屋グランパス)筆頭に優れた点取屋がひしめいており、厳しい競争を強いられた。が、金崎がリーグ中断期間中に移籍したことも追い風になり、ルーキーイヤーの同年はチーム最多の9ゴールをマーク。結果を残して必死に這い上がり、鳥栖のエースFWの座をつかんだと思われた。
ところが、プロ2年目の今季も競争は厳しく、ジェフ千葉から加入した山下敬大が重用され、林といえども毎試合スタメンという状況には至っていない。雑草魂を持つ野獣はそんな中でも決して腐らず前向きにトライし続けられる。こうした貪欲さと泥臭さはこれまでの東京五輪代表に足りなかった部分。エリート集団にはないハングリーさを彼は力いっぱい持ち込んでくれたと言っていい。
ゴールを奪い続けて成り上がるという意味では、日本代表の偉大な先輩・岡崎慎司(ウエスカ)と重なる部分が少なくない。岡崎もプロ入り当初は清水エスパルスでFWの8番手で右サイドバックを打診されるところからのスタートだった。技術的にも下手で、洗練されたタイプとは対極に位置していたが、22歳だった2008年に10ゴールを奪い、一気に北京五輪代表に滑り込んだ。直後の2010年南アフリカワールドカップアジア最終予選で抜擢され、2009年に代表16試合で15ゴールという驚異的なゴールラッシュを披露。一気に主力FWの座をつかんだのだ。
林の場合は岡崎より1年遅れのペースだが、このままJリーグでゴールを量産すれば、4カ月後の東京五輪本大会でメンバー入りも夢ではない。実際、FW陣は第1戦で先発した田川亨介(FC東京)、ケガで選外となった上田綺世(鹿島アントラーズ)、前田大然(横浜F・マリノス)含めて絶対的存在が不在だ。オーバーエージで大迫勇也(ブレーメン)が抜擢される可能性が大きいと見られるが、森保・横内両監督は最終的に一番乗っている点取屋を選ぶはず。岡崎を抜擢した反町康治技術委員長が後ろについているのだから、「旬なFWを選ぶ」という傾向はより強まるだろう。
そこで林がチャンスをつかみ、ここ一番で決定的な仕事をし続ければ、岡崎の系譜を歩むことも不可能ではないはず。今回のアルゼンチン戦の先制弾を見れば、そうなりそうな予感も少なからず漂ってくる。
「タケ(久保建英=ヘタフェ)は技術がすごいあるし、僕はどちらかというと前に張ってガチャガチャやるので、『自分の周りをウロチョロしておいてほしい』と言われました」
林は久保との関係をこう評したが、かつての岡崎もテクニックに秀でた中村俊輔(横浜FC)や遠藤保仁(ジュビロ磐田)、中村憲剛(川崎FRO)に生かされていた。そういう意味では環境的にも似ている。自分をうまく使ってくれるハイレベルなメンバーに囲まれながら、数字を残し続けていくことで、いつか必ず道は開けるはずだ。
ガンバ大阪ジュニアユース出身という観点で見ると、本田圭佑(ネフチ・バクー)や昌子源(ガンバ大阪)、鎌田大地(フランクフルト)に象徴される通り、回り道した人間の方がなぜか大成功するという法則がある。無印の林は大きな期待がかかるところ。勝負を左右する重要局面でゴール取れる勝負強さに磨きをかけ、五輪に滑り込みを果たし、先々にブレイクする…。そんな成功街道を歩んでくれることを楽しみに待ちたい。
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31日、日本代表はアジアカップ2023のラウンド16でバーレーン代表と対戦する。 過去の対戦成績は日本の8勝2敗となっているが、アジアカップの舞台で最後に対戦したのは2004年の中国大会での準決勝。記憶に残る激闘だった。 MF小野伸二、FW高原直泰ら当時の主力選手が欠場していた当時の日本は、開催国の中国サポーターにブーイングを浴びせられながらも決勝トーナメントに進出すると、準々決勝ではPK戦途中でのサイド変更とGK川口能活の神がかり的なセーブが印象深いヨルダン代表戦に勝利し、準決勝でバーレーンと対戦した。 しかし、バーレーン戦では開始6分に先制ゴールを許すと、40分にはMF遠藤保仁が不可解な判定で一発退場。日本はビハインドの状況で数的不利を負ってしまった。 数的不利の状況でもMF中田浩二とFW玉田圭司のゴールで逆転した日本だったが、その後2失点。2-3と1点ビハインドで試合終盤を迎えた。 それでも日本は最後まで諦めず。DFも攻めあがって同点ゴールを狙うと、90分にDF中澤佑二が値千金の同点ゴール。不屈の精神で同点に追いつくと、延長前半には玉田の独走ゴールが決まり、4-3で激闘を制していた。 なんとか決勝に進出した日本は、決勝で中国代表を撃破。見事に大会連覇を成し遂げていた。 久しぶりの対戦を前に『DAZN』は当時の試合映像をプレイバック。SNS上のファンも「このゴールで中澤佑二に惚れた」、「バーレーン戦といえばこの試合よな」、「痺れたね、玉田」、「まさに「死闘」ってカンジだった!」、「2004の大会は激熱だった」と当時を思い返している。 ベスト8を懸けた一戦は、31日の20時30分にキックオフ。『DAZN』で視聴が可能だ。 <span class="paragraph-title">【動画】当時の記憶が蘇る!2004年大会でのバーレーンとの激闘ハイライト</span> <span data-other-div="movie"></span> <blockquote class="twitter-tweet" data-media-max-width="560"><p lang="ja" dir="ltr">/<br>「バーレーンvs日本」<br>過去対戦をプレイバック<br>\<br><br>アジアカップ2004年大会で起きた<br>奇跡の大逆転劇<br><br><a href="https://twitter.com/hashtag/AFC%E3%82%A2%E3%82%B8%E3%82%A2%E3%82%AB%E3%83%83%E3%83%97?src=hash&ref_src=twsrc%5Etfw">#AFCアジアカップ</a> ラウンド16<br>バーレーン×日本<br>1/31(水)20:30(19:45配信開始)<br><a href="https://twitter.com/hashtag/DAZN?src=hash&ref_src=twsrc%5Etfw">#DAZN</a> 独占配信<br>出演:水沼貴史/小野伸二/佐藤寿人/下田恒幸/桑原学 <a href="https://t.co/x7Sals8iKu">pic.twitter.com/x7Sals8iKu</a></p>— DAZN Japan (@DAZN_JPN) <a href="https://twitter.com/DAZN_JPN/status/1752609401201189348?ref_src=twsrc%5Etfw">January 31, 2024</a></blockquote> <script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script> 2024.01.31 18:45 Wed3
「公式がこれは泣けるよ」W杯を終えた日本代表、JFA公開の映像がイナズマイレブンの楽曲含め大反響「4年後も期待」
日本サッカー協会(JFA)の公開したショートムービーに注目が集まっている。 7大会連続7回目となるワールドカップ(W杯)に臨んだサッカー日本代表。カタールではグループステージでドイツ代表、スペイン代表を逆転で下す快挙を達成し、決勝トーナメント進出を決めた。 史上初のベスト8進出を目指した5日のラウンド16では難敵・クロアチア代表と対戦。1-1で120分を終了し、PK戦までもつれ込んだが、残念ながら涙をのむこととなった。 激闘を終えた日本代表。7日にはJFAの公式TikTokアカウントが改めてラウンド16のシーンを振り返る映像を公開すると、これに大きな反響が寄せられた。 「この大会で得た自信も、この大会で流した涙も、夢の力に変える。 たくさんの応援、本当にありがとうございました」 BGMにはイナズマイレブンで使用された楽曲、T-Pistonz+KMCの『GOODキター!』が採用されており、締めくくりの折り鶴と相まって琴線に触れるとの声が相次いだ。 「公式がイナズマイレブンは泣けるのよ」、「4年後もイナズマイレブンの曲使ってくださるの期待してます」、「世代すぎて泣ける」など、選曲への賛辞が送られるとともに、「こんなに熱くなれたのは日本代表のおかげ!感動をありがとう」、「まじ公式ありがとう。日本代表もありがとう!」日本代表への労いのメッセージが多数届いている。 目標としていたベスト8進出とはならなかったが、国内のみならず世界中に大きな感動を与えた日本。4年後こそは新しい景色を期待せずにはいられない。 <span class="paragraph-title">【動画】楽曲含め大きな反響を呼んでいるJFA公開のショートムービー</span> <span data-other-div="movie"></span> <blockquote class="tiktok-embed" cite="https://www.tiktok.com/@jfa_samuraiblue/video/7174331420096138498" data-video-id="7174331420096138498" style="max-width: 605px;min-width: 325px;" > <section> <a target="_blank" title="@jfa_samuraiblue" href="https://www.tiktok.com/@jfa_samuraiblue?refer=embed">@jfa_samuraiblue</a> この大会で得た自信も、この大会で流した涙も、夢の力に変える。 たくさんの応援、本当にありがとうございました。 <a title="サッカー日本代表" target="_blank" href="https://www.tiktok.com/tag/%E3%82%B5%E3%83%83%E3%82%AB%E3%83%BC%E6%97%A5%E6%9C%AC%E4%BB%A3%E8%A1%A8?refer=embed">#サッカー日本代表</a> <a title="worldcup2022" target="_blank" href="https://www.tiktok.com/tag/worldcup2022?refer=embed">#worldcup2022</a> <a title="fifaworldcup" target="_blank" href="https://www.tiktok.com/tag/fifaworldcup?refer=embed">#fifaworldcup</a> <a target="_blank" title="♬ オリジナル楽曲 - サッカー日本代表/JFA" href="https://www.tiktok.com/music/オリジナル楽曲-サッカー日本代表JFA-7174331431253379842?refer=embed">♬ オリジナル楽曲 - サッカー日本代表/JFA</a> </section> </blockquote> <script async src="https://www.tiktok.com/embed.js"></script> 2022.12.08 20:05 Thu4
日本代表、南野拓実がケガで離脱…代替選手は決定次第発表
日本サッカー協会(JFA)は4日、MF南野拓実が日本代表から離脱することを発表した。 現在、カタール・ワールドカップ(W杯)に向けたアジア最終予選に臨んでいる日本代表。2日に行われた初戦のオマーン代表戦は、相手のインテンシティの高さに為す術なく敗戦を喫した。 7日にカタールのドーハで行われる中国代表戦に向けて調整中の日本だが、南野はケガのため離脱することが報告された。オマーン戦も左太ももの問題でベンチ入りも出場していなかった。 なお、JFAは追加招集選手に関しては決定次第知らせると伝えている。 今回の活動では、すでにMF板倉滉(シャルケ)とDF酒井宏樹(浦和)が離脱しており、南野で3人目となった。 2021.09.04 15:11 Sat5
