アジアカップ帯同、J3レンタル、プレーオフ、U-19代表活動参戦…。濃密だった2024年を飛躍の糧にできるか?/大関友翔(福島ユナイテッド)【新しい景色へ導く期待の選手/vol.55】

2024.12.27 15:00 Fri
武者修行先の福島で飛躍した大関友翔
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武者修行先の福島で飛躍した大関友翔
12月16〜19日にかけて千葉・幕張で行われたU-19日本代表合宿。2028年ロサンゼルス五輪代表コーチに就任したばかりの羽田憲司コーチも今回から帯同する中、2025年2月のAFC・U-20アジアカップ(中国=アジア最終予選)に向けて選手たちがアピール合戦を繰り広げた。

19日には流通経済大学とトレーニングマッチが行われ、佐藤龍之介(FC東京)や井上愛簾(広島)、徳田誉(鹿島)らがゴールをゲット。インパクトを残した。彼らアタッカー陣を中盤から力強くサポートした1人がボランチの大関友翔(福島)である。

2005年2月生まれの若きボランチはロス世代の年長者の1人。川崎U-18から2023年にトップ昇格し、今季は寺田周平監督率いる福島ユナイテッドへレンタル移籍した。開幕前のプレーシーズンにはアジアカップ(カタール)のトレーニングパートナーとして市原吏音(大宮)、本間ジャスティン(横浜)らとともに帯同。遠藤航(リバプール)や川崎の先輩・守田英正(スポルティング・リスボン)、旗手玲央(セルティック)ら同ポジションの面々のプレー基準を体感。それをJ3の舞台に持ち込もうとした。
「試合体力というか、90分間フルパワーで行くところはフロンターレでやっていた時よりも成長したかなと思います」と本人も語っていたが、もともともテクニックに加え、強度・パワー・スピードといった部分で進化が見られたからこそ、今季J3で32試合出場8ゴールという結果を残し、チームを史上初のJ2昇格プレーオフへとけん引したのである。

しかしながら、福島は12月1日の準決勝・松本山雅戦で1-1のドロー。順位が下のチームは勝利しなければ次のステージに上がれないというルールだったため、この時点で福島の昇格の夢は途絶えた。試合後には寺田監督が「彼と松長根(悠仁)は川崎で試合に出られない中、試合に出ることが成長だと思って福島に来て、力をつけてくれたと思っています。でも最後に悲しい表情にさせてしまったのは申し訳ない」と涙ながらにコメント。大関自身も「周さんをJ2に連れていきたかった」と悔しがっていた。
ただ、このプレーオフという緊張感ある一戦は年代別代表でW杯切符を取れるかどうかの大一番に酷似している。今年9月のAFC・U-20アジアカップ予選(キルギス)に参戦した彼自身もその厳しさは痛感していることだろう。修羅場をくぐり抜け、世界への道をこじ開ける力をつけないといけないと改めて感じ、サッカーに取り組んでいるに違いない。

そんな彼は12月になって大先輩・中村憲剛(川崎FRO)の引退試合とU-19代表合宿に立て続けに参加。2025年の飛躍を誓ったという。

「憲剛さんはテレビやスタジアムでずっと見ていた選手。憧れの人の引退試合で隣でプレーさせてもらったのは感無量でした。横にいるだけでオーラがあるし、自分の目指すべき選手がこの人なんだというのを立ち姿から感じました」と本人も嬉しそうに語っていた。

2010年南アフリカW杯戦士・中村憲剛の領域を追い求めようと思うなら、やはり来季のJ1での活躍はマスト。まだ正式発表はないものの、おそらく大関は2025年はレンタル元の川崎に戻って、長谷部茂利新監督の下で勝負を賭けることになりそうだ。川崎の中盤にはキャプテン・脇坂泰斗を筆頭に、大島僚太橘田健人河原創山本悠樹といった実績十分のボランチがズラリと並ぶだけに、厳しいポジション争いを強いられるのは間違いない。

大関が視野に入れるべきなのは、プロ3年目の2019年にブレイクした先輩・田中碧(リーズ)の成長曲線だろう。当時の田中碧も中村憲剛、大島僚太、守田らがひしめく中、大島や中村憲剛のケガで空いたポジションをガッチリとつかみ取り、1年でA代表にまで駆け上がったのである。

180センチ・75キロの田中碧と178センチ・60キロの大関ではフィジカル面に大きな違いがあるが、そこも含めてまだまだレベルアップが必要だ。J1トップの当たりや強度の中、自身のストロングである創造性やアイディア、ひらめきを発揮していくためにも、パワーや運動量の向上にもっともっと取り組まなければならないだろう。

「碧君も2年目の終わりくらいにちょっと出始めて、3年目にガッツリ出るようになった。自分も碧君みたいに活躍するなら来年が勝負だと思うので、いち早く等々力のピッチに立てるように頑張りたい。監督が変わるというのは僕みたいな若い選手にとっては大きなチャンス。みんなフラットな状態で入れるので、始動日からガンガンアピールしていきたいですね」

目を輝かせた大関。2月にはU-20W杯最終予選、9月にはU-20W杯(チリ)も控えていて、さらには大岩剛監督率いるロス五輪代表も始動する。この重要なタイミングを絶対に逃してはいけない。目まぐるしかった2024年の経験を糧にして、来季は新生・川崎の看板へと飛躍してほしいものである。

文・元川悦子

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2024年はJ1・12試合出場1得点。17歳の若き点取屋は鬼木新体制の鹿島で分厚いFW陣にどう食い込むか?/徳田誉(鹿島アントラーズ)【新しい景色へ導く期待の選手/vol.57】

1月12日に行われた2025年鹿島アントラーズ新体制発表会。それに先駆けて午前に行われたユースとのトレーニングマッチでいきなりハットトリックを達成したのが、今季正式にトップ昇格を果たした徳田誉だ。 「チームとしてつながりを持った攻撃や技術のところは言われていて、それを出せたシーンはチャンスになっていましたけど、もっともっと増やして開幕を迎えられればと思います」と今季は34番をつけることになった17歳の点取屋は目をギラつかせた。 2024年はチャヴリッチの長期離脱、夏に欧州から戻ってきた田川亨介のコンディションが上がり切らなかったこともあり、徳田がジョーカー一番手と位置づけられた時期もあった。J1は12試合に出場。優勝争いに踏みとどまれるかどうかが懸かっていた9月のサンフレッチェ広島戦では起死回生の同点弾をゲット。存在感を強烈にアピールした。 「あのシーン含めて手ごたえをつかんだ部分もありましたけど、もっともっとゴールだったり、チームに貢献できるところはあった。シーズン1点というのは満足できないですし、出場時間が短いという言い訳もできない。もっと自分に厳しくして、結果を求めてやっていく必要があると思います」と本人は野心に満ち溢れているのだ。 公式戦に出た2024年の1年間で、確実に進化を遂げたのは間違いない。屈強なDFとのマッチアップや駆け引き、ボールをタメて起点を作るプレーなども十分通用していた印象だ。 「体の使い方だったりボールの隠し方という部分はすごく意識させられたところ。中後(雅喜=現コーチ)さん、羽田(憲司=現U-20日本代表コーチ)さん、(鈴木)優磨君にも求められていたし、自分なりに出せたこともあったかなと思います」と本人も自信を口にする。 そういった部分を研ぎ澄ませていき、得点数をアップさせていけば、レオ・セアラが加わった分厚いFW陣の中でも一定の地位を築けるのではないか。彼の伸びしろは無限大なのだ。 「鹿島の未来を背負う選手」との呼び声も高い徳田。彼は今、宮崎キャンプで徹底的に自分を追い込んでいるが、2月15日の開幕・湘南ベルマーレ戦の前に、AFC・U-20アジアカップ(中国)メンバー入りという重要なハードルがある。まずはそれをクリアしなければならないのだ。 船越優蔵監督率いるU-20日本代表はこの大会でベスト4に入り、9月のU-20ワールドカップ(W杯=チリ)の出場権を手にすることが絶対条件だ。徳田自身は昨年9月の1次予選(キルギス)は選外だっただけに、今年は中国・チリの両方とも主力の1人として参戦し、世界から熱視線を浴びることができれば理想的なのである。 実際、2017年大会(韓国)直後に堂安律(フライブルク)、2019年大会(ポーランド)直後に菅原由勢(サウサンプトン)と中村敬斗(スタッド・ランス)、2023年大会(アルゼンチン)直後に佐野航大(NECナイメンヘン)が欧州移籍を果たしたように、U-20W杯は「世界への登竜門」となっている。徳田の世代は2つ上の後藤啓介(アンデルレヒト)、同期の道脇豊(ベフェレン)、高岡伶颯(日章学園高→サウサンプトン)がすでに海外クラブの扉を叩いており、彼自身も「いずれは自分も外に出たい」という思いは少なからずあるだろう。 だからこそ、まず2月の中国大会に行き、戻って鹿島でコンスタントにプレー。レオ・セアラや鈴木優磨、チャヴリッチらからそれぞれのよさを盗み、自分なりの得点スタイルを確立させたうえで、チリに行くというのがベストな流れ。鹿島の分厚いFW陣に食い込めれば、U-20W杯での活躍は確実と言っていい。その先に欧州への道も見えてくるはずだ。 自身が「憧れの選手」と公言するユース時代の恩師・柳沢敦トップコーチも、かつてはU-20など年代別代表と鹿島を掛け持ちし、両方で目覚ましい実績を残していた。もちろん徳田はその時代をリアルタイムでは知らないだろうが、周囲は「同じように2つのチームで異彩を放ってほしい」と願っているに違いない。 その恩師から今季、引き続き指導を受けられることになったのは朗報。本人も再タッグ結成を嬉しく感じているという。 「柳沢さんや小笠原満男(アカデミー・テクニカル・アドバイザー)さんからは『練習試合だろうが何だろうが、結果が一番大事。勝たなければ意味がない』と言われています」と話していたが、それこそが鹿島のDNAに他ならない。勝利と結果に強くこだわり、それをピッチ上で表現し、グングン成長していけば、輝かしい20代が現実のものとなる。 偉大な先人たちの系譜を継ぐべく、今季の徳田には強烈なインパクトを残してほしいものである。 文・元川悦子 2025.01.14 20:00 Tue
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途中出場の高岡伶颯が値千金の同点弾! U-20日本代表は苦戦もU-20シリア代表に2度追いつきドロー【U20アジアカップ】

17日、AFC U20アジアカップ第2節が行われ、U-20日本代表はU-20シリア代表と対戦。2-2のドローに終わった。 初戦のU-20タイ代表戦で3-0と快勝した日本。先発メンバーはGK荒木琉偉、DF髙橋仁胡、DF市原吏音、MF小倉幸成、MF佐藤龍之介、MF大関友翔が継続して先発出場。最終ラインにはDF喜多壱也、DF布施克真、中盤に土屋櫂大、MF齋藤俊輔が起用され、トップにFW道脇豊が入った。 対するシリアは初戦でU-20韓国代表と対戦し2-0で敗戦。ここで敗れれば敗退が決定する可能性もある中で日本戦に臨んだ。 連勝を目指す日本は、立ち上がりからシリアゴールに迫っていくもなかなか良い形が作れない。すると10分、U-20シリア代表が先手を奪う。 スルーパスに反応したモハメド・アル・ムスタファが裏に抜け出すと、GK荒木琉偉が前に飛び出すが、ゴールがポッカリ空いてしまったところにボックス内左からシュート。シリアが先制に成功する。 ちょっとした隙を突かれ失点した日本。16分にはボックス手前でFKを獲得すると、髙橋がゴール前にクロス。市原がフリーでヘディングシュートを放つが、枠を捉えられない。 日本は積極的に攻め込んでいくと24分にネットを揺らす。ボックス際の右サイドからのクロスをボックス内でクリアされるもボールが上に。これを小倉が競りにいくと、こぼれ球を大関が左足ボレー。これが決まり、日本が同点に追いつく。 前半のうちに落ち着いた日本だったが33分にまたしてもリードを奪われる。ボックス手前のFKをアランド・アブディが直接シュートもこれはクロスバーを直撃。ただ、跳ね返りをアーマド・ソフィがボレーで沈め、シリアが再びリードする形となった。 前半を1点ビハインドで終えた日本は、土屋と齋藤をハーフタイムで下げ、神田奏真、石井久継を投入。攻撃面での改善を図っていく。 攻勢を強めていく日本だが、良い形で攻撃を組み立てられず、なかなかゴールを奪えない。シリアにうまく対応される中、62分には左CKから髙橋がクロス。喜多がボックス内でヘッドで合わせるが、GKの正面に飛んでいく。 シリアは守備に重心を置きつつ、少ない人数でのカウンターで日本ゴールに迫る形に。ミスから相手ボールになってしまうなど、流れを掴み切ることができない。 攻めあぐねている日本は70分に道脇を下げて、高岡伶颯を投入。すると72分に大ピンチ。右サイドを突破されるが、ボックス外に飛び出たGK荒木がなんとかタックルで凌ぐことに。すると73分、右サイドに展開するとパスを受けた布施がボックス右からグラウンダーのクロス。これを神田が走り込んでシュートも、GKマクシム・サラフが左足でセーブする。 日本は72分に、イエローカードをもらっていた小倉を下げて中川育を投入。そのまま日本が攻め込んでいくが、79分には大関がボックス右でパスを受けて仕掛けた中で倒れたが、シミュレーションを取られてイエローカードをもらう。 日本は81分に最後のカードとして右サイドバックの布施を下げて梅木怜を起用。右サイドを活性化させにいく。すると84分には自陣での守備からパスを繋ぐと、最後は石井がシュートも枠外となる。 それでも85分、ついにゴールを奪い切る。クリアボールの流れからボックス手前で佐藤が浮き球のパス。これを神田がボックス内でトラップすると、こぼれ球を拾った石井がボックス内左から折り返し、最後は高岡が押し込み同点に追いつく。 苦しんだ中でゴールをこじ開けた日本。しかし90分には大ピンチ。シリアがボックス付近で細かくつなぎ、最後は折り返しをフリーのモハメド・アル・ムスタファがシュートも、市原が身体を張ったブロックでなんとか凌ぐ。 U-20シリア代表 2-2 U-20日本代表 【シリア】 モハメド・アル・ムスタファ(前10) アーマド・ソフィ(前33) 【日本】 大関友翔(前24) 高岡伶颯(後40) <span class="paragraph-title">【動画】高岡伶颯が値千金の同点ゴール</span> <span data-other-div="movie"></span> <blockquote class="twitter-tweet" data-media-max-width="560"><p lang="ja" dir="ltr"><a href="https://twitter.com/DAZN_JPN/status/1891408615195496503?ref_src=twsrc%5Etfw">February 17, 2025</a></blockquote> <script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script> 2025.02.17 17:55 Mon
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優勝目指した日本、ターンオーバーもオーストラリアに完敗…ベスト4で敗退【U20アジアカップ】

26日、AFC U20アジアカップの準決勝がに行われ、U-20オーストラリア代表vsU-20日本代表は、2-0で敗れベスト4に終わった。 準々決勝ではU-20イラン代表と対戦した日本は、PK戦までもつれこむ激闘となった中で勝利。これにより、4大会連続となるU-20ワールドカップ(W杯)の出場権を確保した。 ここからはアジアの頂点を目指す戦いが待っている中、オーストラリア戦に向けては大幅にターンオーバーを敢行。イラン戦から8名を入れ替え、GKには後藤亘(FC東京)が初出場。最終ラインはセンターバックにDF喜多壱也(京都サンガF.C.)とDF土屋櫂大(川崎フロンターレ)、右にDF布施克真(日本大学藤沢高校)、左にDF桒原陸人(明治大学)。中盤はMF中島洋太朗(サンフレッチェ広島)とMFニック・シュミット(ザンクト・パウリU-19)がボランチを務め、左にMF石井久継(湘南ベルマーレ)、右にMF齋藤俊輔(水戸ホーリーホック)となり、2トップはFW井上愛簾(サンフレッチェ広島)、FW高岡伶颯(日章学園高校)となった。 対するオーストラリアは今大会ここまで全勝で来ている唯一のチーム。日本は桒原陸人がキャプテンを務め、準決勝からVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)が入っている。 前半から互いに攻め込むシーンはある中、決定機まではいけず。オーストラリアは背後を狙ったボールを入れてシンプルに狙っていく展開。日本は中盤でなんとかボールを奪いたいなか、あまりプレスがかからない。 それでも14分、左サイドのスペースでパスを受けた石井はカットインから右足シュート。これはディフレクトして枠を外れていく。 日本は高岡がプレスのスイッチとなるも、あまり良い形に持ち込めず。一方のオーストラリアは積極的に攻め込んでいく中、38分に決定機を迎える。 ボックス右での競り合いで桒原がダニエル・ベニーにつぶされると、ベニーのパスをボックス内右で受けたフランス・デリのマイナスのパスをボックス手前中央からポール・オコン=エングストラーがミドルシュートもブロックする。 日本は前半の終盤にかけて攻勢を強めると43分には左を上がった桒原がパス。石井から高岡に繋いで、ボックス中央から高岡がシュートも枠を越えていく。 ゴールレスで折り返した試合。互いに交代はない中で先にスコアを動かしたのはオーストラリアだった。49分、ボックス際でベニーがボールを保持すると、右サイドをオーバーラップしたジョニー・ユルをフリーにさせてしまいグラウンダーのクロス。これをムサ・トゥーレがボックス中央で合わせてオーストラリアが先制する。 一瞬の隙を見せたことで先に失点してしまった日本。54分には高岡が粘ってもらったFKから、サインプレー。中島の浮き球のパスに反応した喜多が折り返すが、GKがキャッチする。 日本は57分にニック・シュミットと井上を下げて、FW神田奏真とMF大関友翔(共に川崎フロンターレ)を投入。すると、大関は投入直後の59分にスローインの流れから間で受けるとボックス手前から左足一閃。強烈なミドルシュートを放ったが、これはクロスバーに直撃。それでもいきなり違いを見せつける。 日本は桒原、齋藤も下げ、髙橋仁胡(セレッソ大阪)、梅木怜(FC今治)を投入。しかし67分、ボックス付近での布施のパスをカットされると、細かくパスを繋がれ、最後はジェイラン・ピアマンがミドルシュート。これをGK後藤が正面で受けるも弾き切れず、強烈なシュートがネットに突き刺さった。 2点ビハインドとなった日本。73分にはボックス内左でスルーパスを受けた石井が切り返しで相手を外し、右足でシュート。しかし、これは枠を外れていく。 さらに77分にも日本はチャンス。左サイドから髙橋が右足でクロスを入れると、ファーサイドに走り込んだ神田がヘッド。しかし、これはGK正面に飛んでしまう。 82分には再び大関が左足でミドルを放ちゴールを狙うもこれは枠を越えていく。90分にはボックス手前でFKを獲得すると、中島が直接狙っていくが、わずかに枠の右に外れる。 最後まで大きなチャンスは迎えられなかった日本はそのまま2-0で敗れて敗退。決勝進出は叶わなかった。なお、決勝はオーストラリアとサウジアラビアの対決となる。 U-20オーストラリア代表 2-0 U-20日本代表 【オーストラリア】 ムサ・トゥーレ(後4) ジェイラン・ピアマン(後22) <span class="paragraph-title">【動画】サイドを崩されて日本は痛恨の失点</span> <span data-other-div="movie"></span> <blockquote class="twitter-tweet" data-media-max-width="560"><p lang="ja" dir="ltr"> <a href="https://twitter.com/hashtag/%E4%BB%A3%E8%A1%A8%E3%81%BF%E3%82%88%E3%81%86%E3%81%9C?src=hash&amp;ref_src=twsrc%5Etfw"><a href="https://t.co/7OH49M3vYU">pic.twitter.com/7OH49M3vYU</a></p>&mdash; DAZN Japan (@DAZN_JPN) <a href="https://twitter.com/DAZN_JPN/status/1894729648187027897?ref_src=twsrc%5Etfw">February 26, 2025</a></blockquote> <script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script> 2025.02.26 22:27 Wed
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「高校生相手にはぶっちぎりたい」卒業後はサウサンプトン行きの高岡伶颯、良きライバルでG大阪内定のFW名和田我空に言及「刺激を与えていきたい」

来年2月に開催されるU20アジアカップ2025に出場するU-19日本代表候補が、16日から国内トレーニングキャンプをスタートさせた。 船越優蔵監督が率いるU-19日本代表。来年9月にはチリでU-20ワールドカップ(W杯)が開催され、先日大岩剛監督が就任したロサンゼルス・オリンピックを目指す世代となる。 プロ選手はシーズンオフ、高校生、大学生は選手権やインカレがある中でのトレーニングキャンプとなった。 トレーニング後、FW高岡伶颯(日章学園高校)が初日を振り返り「全員が集まって、色々なコンディションがある中でも良いトレーニングができたと思います」とコメント。「移動日も含めて想定していたので、良いコンディションでできました」と、問題なく動けたとした。 今回のトレーニングキャンプに自身が持ってきたテーマについては「今年は「ぶっちぎる力」ということを掲げてやってきて、この代表でも自分がやってきた「ぶっちぎる力」に特化した練習もしてきたことをしっかり出せればと思います」とコメント。「昨年の選手権で悔しい思いをして、自分は何もやれなかったです。色々な良い経験をさせてもらっている中で、高校生の中では「ぶっちぎる」ということをやらなければいけないと思います」と、活躍できなかった思いから設定したとし、「“やれる”ではなく“ぶっちぎる”ということ。先を見据えて、高校生相手にやれることは当たり前で、高校生相手に“ぶっちぎる”ことで上に行った時に普通になるかなと思います。先を見据えた成長として設定しました」と、高い目標設定のためにも、同世代で“ぶっちぎる”ことが必要だと感じたようだ。 具体的な取り組みについては「色々なことをやってきましたが、気持ちの面もそうですし、(高校では)主将としてやらせてもらってきたので、自分の課題だけじゃなく、チームとしての課題を克服することは難しかったですが、チームメイトも支えてくれたので、「ぶっちぎる力」ということは色々な経験を通して、メンタルなども育ったと思います」と、精神面での成長があったとのこと。「サッカーへの考え方が変わって、このままじゃダメだということを自覚してプレーに変化が出たと思います」と、高いレベルを目指すための心が育まれたようだ。 2025年は2月にAFC U20アジアカップが開催。自身は3月にサウサンプトンへと加入し、卒業後にヨーロッパに挑戦する。それでも今考えているのは年末から始まる最後の高校サッカー選手権だという。 「今年は選手権もありますし、来年は1月13日に選手権の決勝に行けばあるので、今年はまずこの代表に集中して、得たものを選手権のためにみんなに還元したいと思います」 選手権での活躍と母校の勝ち上がりに貢献したい高岡。一方で、同世代であり代表でも共にプレーしてきた神村学園高等部のFW名和田我空は、ブレンビーへのトレーニング参加もしていたが、ガンバ大阪入りが決定した。 ライバルの選択については「これからも刺激していく中なので、ガンバ大阪を選んだ意見は尊重したいと思います」とコメント。ただ「これから僕はサウサンプトンに行って、しっかりトップに昇格して、そこで活躍して我空にもっと刺激を与えていきたいと思います」と語り、良きライバルよりも先にヨーロッパに挑戦し、先を歩んでいきたいと意気込んだ。 2024.12.17 07:30 Tue
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「イメージしながら練習していた」イラン戦で値千金の同点ミドルを決めた小倉幸成、鹿島ユース時代の小笠原満男氏の指導も生かす「キックはたくさん教わった」

U-20日本代表のMF小倉幸成(法政大学)が、U-20ワールドカップ(W杯)出場権獲得の心境を語った。 23日、AFC U20アジアカップの準々決勝が行われ、日本はU-20イラン代表と対戦した。U-20W杯に出場するためには、今大会のベスト4入りが条件となり、この準々決勝での結果が命運を握っていた。 しかし、開始5分で日本は失点。早々にビハインドを負った中、30分には小倉がミドルシュートを沈めて同点に。その後は、日本がペースを握りながらも、イランの体を張った守備の前にゴールを奪えず。延長戦でもゴールは決まらずにPK戦に突入すると、イランは2人連続で失敗。日本は4人が成功し、3-4で勝利を収め、4大会連続のU-20W杯出場を決めた。 激闘から一夜明け、メディアのオンライン取材に応じた小倉は、改めてイラン戦の勝利を振り返った。 「本当に難しい戦いだったなというのがまず1つあって、最初の入りのところで自分からのミスで失点してしまって、自分としても入りがあまり良くなかったです」 「ただ、チームとして焦れずにできた結果、自分自身も同点ゴールを奪えたことは良かったと思いますし、最終的にPKですが、勝利ができたことが凄く嬉しかったです」 苦しい戦いの中での不安については「韓国戦もあまり良くはない終わり方でしたが、そういった試合がある中で、自分達は次のことを考えて、そこで割り切ったからこそ、昨日の勝利があったのかなと思っています」とコメント。グループステージ最終節の結果で気を引き締められたとした。 現在のチームの雰囲気については「凄くこのチームは自分は仲が良いと思っていて、グループも多少なりともあるとは思いますが、全員がコミュニケーション取れていて、良いチームだと思います」とコメント。チーム力も高いという。 船越優蔵監督については「凄く熱量がある監督」と語った小倉。自身も熱い選手である中で、PK戦で勝利が決まった際に駆け寄れなかった理由を明かした。 「走って行こうとしたんですが、自分はこれまでの活動とか、みんなへの思いとかを振り返った時に涙が込み上げてきてしまいました」と、自身で喜びを噛み締めていたと明かした。 中盤を締めていた小倉だが、イラン戦で2枚目のイエローカードをもらい、累積警告により準決勝のU-20オーストラリア代表戦は出場できない。 「自分はスタメンで出させてもらっていて次は出られないんですが、自分がいないとかは考えたことはなく、後ろには(中島)洋太朗とかニック(・シュミット)とか、自分よりも良いんじゃないかという選手がいるので、自分は決勝に良い形で入れるような準備をするだけです」とコメント。仲間を信じ、決勝に向けて備えていくとした。 イラン戦では貴重な同点ゴールをミドルシュートで決めていた小倉。ゴールについては「法政とかでも練習してきた部分はあって、アジアの戦いでは崩すだけじゃなくミドルシュートも大事になってくるので、イメージしながら練習していた部分はあります」と、準備してきたものでもあったとした。 また、鹿島アントラーズのユース出身の小倉は元日本代表のMF小笠原満男氏からも「キックの部分はたくさん教わっていた部分はあります」とコメント。エピソードについては「キックの部分に関しては、コツとかを聞いたんですが、満男さんは自分が蹴りやすい形を練習するだけと言われて、特にコツを教わってはいないです。練習するのみでした」と、自身で磨き続けてきたという。 <span class="paragraph-title">【動画】小倉幸成、値千金の強烈同点ミドル!</span> <span data-other-div="movie"></span> <script>var video_id ="O0PExz2dRGI";var video_start = 261;</script><div style="text-align:center;"><div id="player"></div></div><script src="https://web.ultra-soccer.jp/js/youtube_autoplay.js"></script> 2025.02.24 20:57 Mon

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