「大事にしていて良かった」FKで圧巻3ゴール、引退試合を終えた中村俊輔氏、“戦友”たちと最後にプレーした三ツ沢への想い「世界一好きな場所」
2023.12.17 23:42 Sun
引退試合を終えた元日本代表MF中村俊輔氏が、改めてキャリアを振り返った。17日、ニッパツ三ツ沢球技場で中村氏の引退試合が開催。「SHUNSUKE NAKAMURA FAREWELL MATCH」と題された試合は、横浜FCで共にプレーしたチームメイトたちで構成された「YOKOHAMA FC FRIENDS」と日本代表で共にプレーしたチームメイトで構成された「J-DREAMS」の試合で行われた。
前半は「YOKOHAMA FC FRIENDS」でプレーした中村氏は、直接FKで2本を決めるなどハットトリックの活躍。後半は「J-DREAMS」の一員でプレーすると、こちらでもFKを含めてハットトリックを達成。PK失敗というおまけ付きもあったなか、試合は3-6で「J-DREAMS」が勝利を収めた。
「J-DREAMS」のメンバーには、2006年のドイツ・ワールドカップ(W杯)、2010年の南アフリカW杯で共に戦ったメンバーが参戦。当初発表されていなかった中田英寿氏も急きょ参加したことで、スタンドはどよめきを隠せなかった。また「YOKOHAMA FC FRIENDS」には、往年のメンバーの他、瀬古樹(川崎フロンターレ)や齋藤功佑(東京ヴェルディ)ら現役選手も参加した。
超豪華メンバーが集まった試合。試合後に会見に臨んだ中村氏は協力してくれたクラブやスタッフ、選手に感謝した。
長年切磋琢磨した小野伸二らと楽しくプレーしていた中村氏。「楽しかったですし、J-DREAMのみんなは歳とったなと思いました(笑)」とコメント。「三ツ沢でプレーできたこと、試合ができたことは、また思い出させてくれたというか、純粋に楽しかったです」と、自身のルーツでもある三ツ沢でのプレーを感慨深く感じたようだ。
世界でも知られる中村の左足。“伝家の宝刀”でもあるFKから3つのゴールを奪った中村は「みなさんが頑張って、城(彰二)さんだったり、鈴木隆行さんだったりがファウルをもらってくれて、お膳立てじゃないですけどチャンスを作ってくれました」とコメント。また、前半は横浜F・マリノスやジュビロ磐田、日本代表でも共にプレーした川口能活氏との対戦となったが、「僕の師匠と言っても良いぐらいの方の(川口)能活さんを、自分と反対のチームにメンバー入りさせてもらって、そういう対決ができたのは引退試合と言えども良いものでした。能活さんも真剣勝負でやってくれました。1点目は入ってないんじゃないかと思いますけど(笑)、さすがだなと思いました。2本目はもっと力を入れてやれて、そういうのが楽しかったです」と、真剣勝負ができたことも楽しめたようだ。
その川口氏からは、セレモニーでメッセージをもらったが、「自分の尊敬するプレーヤーですし、人間なので、そういう方からメッセージを最後にもらえるというのは光栄ですし、嬉しかったです」と中村氏はコメント。「ほとんど今日来てくださった選手たちは“戦友”と呼べる方たちなので、またやれて良かったです。能活さんは入団した1年目からお世話になっているので、思い入れは凄くあります」と、多くの選手への想いがある中で、川口氏は特別な存在のようだ。
そして、特別な存在という点では、今回のメンバーに入った松田直樹氏(享年34歳)、奥大介氏(享年38歳)も同じだろう。中村が共にプレーした2人への想いを語った。
「松さん(松田直樹)は僕が若い時からずっと面倒を見てもらっていて、僕がサッカーばっかりやっていたので、『サッカーばかり見てちゃダメだ。世間知らずだ』と色々な方と会わせてくれたり、食事に行ってずっとサッカーの話をしたり、僕を成長させようとしてくれた方です」
「大さん(奥大介)はジュビロから移籍してきて、横並びで一緒にやったんですが、横並びで一緒にやって良かったのは、(小野)伸二と、ワールドユース(1997年)で一緒にやった大野(敏隆)、そして大ちゃんだったので、自分と息が合う感じでした。練習中も試合の時も靴下を下げてふくらはぎ見せて楽しくやって、いつも自分に合わせてくれて、阿吽の呼吸があって、自分の能力を引き上げてくれたので、こういう形でやらせてもらいました」
先に旅立った2人もしっかりと試合に参加させ、3分、14分と2人の背番号にちなんだ時間には、中村氏から感謝のメッセージがビジョンを使って示され、試合が止まり拍手が送られる演出もあった。
そして、共にプレーした選手では、多くの“戦友”がこの試合に参加。特に小野、中田英寿氏は特別な想いがある2人だと明かした。
「若い時はやっぱり(小野)伸二でしたし、代表を意識した時はヒデさん(中田英寿)でした。今日は来ていないですけど、森島(寛晃)さんのような動きは自分に足りなかった。その3人はいつも意識してやっていました」
「ライバルではないです。ヒデさんは雲の上の存在ですし、伸二は僕が持っていないものをたくさん持っています。彼らに持っていないものを自分が磨き上げないと代表で生きていけないということを意識してプレーしていました。そのうちの1つはFKだと思いますし、運動量だったり。中盤の選手はほとんどそういう意識でプレーをしていたかなと思います」
「意識しながら、そういう選手がいたからこそ自分が成長できたと思います」
切磋琢磨という言葉がピッタリなのだろう。争う相手ではなく、共に成長を支えあった仲間。その仲間たちと、自身にとっての大事な場所である三ツ沢で最後にプレーできたことは特別だったという。
「小学生の頃は決勝だったりで使っていましたし、初めてサッカー観戦をした場所であり、高校の決勝も神奈川県がここを使っていた時は僕はやりました」
「プロに入ってもここがホームで、地元にこういう場所がある、地元にJリーグのチームがあるということは、非常に運が良かったと思います」
「やっぱり愛着が湧きます。世界一好きな場所です。ここはめちゃくちゃ良いです。お客さんと近いし、芝も良いし。昔から知っているというのもあります」
自身のルーツであり、常に関係のあった場所でのラストマッチ。そこでは自身の代名詞でもあるFKでスタンドを沸かせ、最後まで輝きを放った。
中村は、世界でも認められるFKについて語り、その技術を磨けたのも、共にプレーしてきた選手たちと環境のおかげだと振り返った。
「FKは自分のプレーの中で、1割にも満たないぐらい。どこにボールを蹴る、どこにコントロールする、ボールが来る前に2つ3つパスコースを見つけておくというようなことの中の1割にも満たないぐらいしか意識していないです」
「(FKは)飛び道具でしかないんですけど、凄く大事にしているので、最後に残ったものがそれでした。こだわっているというか、大事にしていて良かったなという感じです」
「結局FKだったりセットプレーで、日本代表でもクラブでもゲームが動くことが多かったと思うので、そこでの責任感はプロ1年目で植え付いたと思います」
「1年目からキッカーを任されましたし、中で合わせる方々が偉大な方なので、ピンポイントでやらなければいけないですし、色々な発想が出てきます。仲間に良い選手がいたので、自分は能力を引き伸ばせてもらいました」
「壁に日本代表の方がいたら絶対にぶつけてはダメ。上を越えて、その先には能活さんがいる中で決めなければいけない。ハードルが凄く高い中で練習させてもらったのは、自分の能力が伸びた要因だと思います。そのうちの1つがFKです」
その左足で多くの感動と記憶に残るプレーを見せ続けた中村氏。指導者として、自身のように特別な武器を磨き上げる選手を育てられるのか、第2の人生にも注目だ。
前半は「YOKOHAMA FC FRIENDS」でプレーした中村氏は、直接FKで2本を決めるなどハットトリックの活躍。後半は「J-DREAMS」の一員でプレーすると、こちらでもFKを含めてハットトリックを達成。PK失敗というおまけ付きもあったなか、試合は3-6で「J-DREAMS」が勝利を収めた。
超豪華メンバーが集まった試合。試合後に会見に臨んだ中村氏は協力してくれたクラブやスタッフ、選手に感謝した。
「色々な選手たち、試合に当たって動いてくれたスタッフ、来てくださったファン・サポーターの方々が、楽しくできたかなというプレッシャーから少し解放されてホッとしています」
長年切磋琢磨した小野伸二らと楽しくプレーしていた中村氏。「楽しかったですし、J-DREAMのみんなは歳とったなと思いました(笑)」とコメント。「三ツ沢でプレーできたこと、試合ができたことは、また思い出させてくれたというか、純粋に楽しかったです」と、自身のルーツでもある三ツ沢でのプレーを感慨深く感じたようだ。
世界でも知られる中村の左足。“伝家の宝刀”でもあるFKから3つのゴールを奪った中村は「みなさんが頑張って、城(彰二)さんだったり、鈴木隆行さんだったりがファウルをもらってくれて、お膳立てじゃないですけどチャンスを作ってくれました」とコメント。また、前半は横浜F・マリノスやジュビロ磐田、日本代表でも共にプレーした川口能活氏との対戦となったが、「僕の師匠と言っても良いぐらいの方の(川口)能活さんを、自分と反対のチームにメンバー入りさせてもらって、そういう対決ができたのは引退試合と言えども良いものでした。能活さんも真剣勝負でやってくれました。1点目は入ってないんじゃないかと思いますけど(笑)、さすがだなと思いました。2本目はもっと力を入れてやれて、そういうのが楽しかったです」と、真剣勝負ができたことも楽しめたようだ。
その川口氏からは、セレモニーでメッセージをもらったが、「自分の尊敬するプレーヤーですし、人間なので、そういう方からメッセージを最後にもらえるというのは光栄ですし、嬉しかったです」と中村氏はコメント。「ほとんど今日来てくださった選手たちは“戦友”と呼べる方たちなので、またやれて良かったです。能活さんは入団した1年目からお世話になっているので、思い入れは凄くあります」と、多くの選手への想いがある中で、川口氏は特別な存在のようだ。
そして、特別な存在という点では、今回のメンバーに入った松田直樹氏(享年34歳)、奥大介氏(享年38歳)も同じだろう。中村が共にプレーした2人への想いを語った。
「松さん(松田直樹)は僕が若い時からずっと面倒を見てもらっていて、僕がサッカーばっかりやっていたので、『サッカーばかり見てちゃダメだ。世間知らずだ』と色々な方と会わせてくれたり、食事に行ってずっとサッカーの話をしたり、僕を成長させようとしてくれた方です」
「大さん(奥大介)はジュビロから移籍してきて、横並びで一緒にやったんですが、横並びで一緒にやって良かったのは、(小野)伸二と、ワールドユース(1997年)で一緒にやった大野(敏隆)、そして大ちゃんだったので、自分と息が合う感じでした。練習中も試合の時も靴下を下げてふくらはぎ見せて楽しくやって、いつも自分に合わせてくれて、阿吽の呼吸があって、自分の能力を引き上げてくれたので、こういう形でやらせてもらいました」
先に旅立った2人もしっかりと試合に参加させ、3分、14分と2人の背番号にちなんだ時間には、中村氏から感謝のメッセージがビジョンを使って示され、試合が止まり拍手が送られる演出もあった。
そして、共にプレーした選手では、多くの“戦友”がこの試合に参加。特に小野、中田英寿氏は特別な想いがある2人だと明かした。
「若い時はやっぱり(小野)伸二でしたし、代表を意識した時はヒデさん(中田英寿)でした。今日は来ていないですけど、森島(寛晃)さんのような動きは自分に足りなかった。その3人はいつも意識してやっていました」
「ライバルではないです。ヒデさんは雲の上の存在ですし、伸二は僕が持っていないものをたくさん持っています。彼らに持っていないものを自分が磨き上げないと代表で生きていけないということを意識してプレーしていました。そのうちの1つはFKだと思いますし、運動量だったり。中盤の選手はほとんどそういう意識でプレーをしていたかなと思います」
「意識しながら、そういう選手がいたからこそ自分が成長できたと思います」
切磋琢磨という言葉がピッタリなのだろう。争う相手ではなく、共に成長を支えあった仲間。その仲間たちと、自身にとっての大事な場所である三ツ沢で最後にプレーできたことは特別だったという。
「小学生の頃は決勝だったりで使っていましたし、初めてサッカー観戦をした場所であり、高校の決勝も神奈川県がここを使っていた時は僕はやりました」
「プロに入ってもここがホームで、地元にこういう場所がある、地元にJリーグのチームがあるということは、非常に運が良かったと思います」
「やっぱり愛着が湧きます。世界一好きな場所です。ここはめちゃくちゃ良いです。お客さんと近いし、芝も良いし。昔から知っているというのもあります」
自身のルーツであり、常に関係のあった場所でのラストマッチ。そこでは自身の代名詞でもあるFKでスタンドを沸かせ、最後まで輝きを放った。
中村は、世界でも認められるFKについて語り、その技術を磨けたのも、共にプレーしてきた選手たちと環境のおかげだと振り返った。
「FKは自分のプレーの中で、1割にも満たないぐらい。どこにボールを蹴る、どこにコントロールする、ボールが来る前に2つ3つパスコースを見つけておくというようなことの中の1割にも満たないぐらいしか意識していないです」
「(FKは)飛び道具でしかないんですけど、凄く大事にしているので、最後に残ったものがそれでした。こだわっているというか、大事にしていて良かったなという感じです」
「結局FKだったりセットプレーで、日本代表でもクラブでもゲームが動くことが多かったと思うので、そこでの責任感はプロ1年目で植え付いたと思います」
「1年目からキッカーを任されましたし、中で合わせる方々が偉大な方なので、ピンポイントでやらなければいけないですし、色々な発想が出てきます。仲間に良い選手がいたので、自分は能力を引き伸ばせてもらいました」
「壁に日本代表の方がいたら絶対にぶつけてはダメ。上を越えて、その先には能活さんがいる中で決めなければいけない。ハードルが凄く高い中で練習させてもらったのは、自分の能力が伸びた要因だと思います。そのうちの1つがFKです」
その左足で多くの感動と記憶に残るプレーを見せ続けた中村氏。指導者として、自身のように特別な武器を磨き上げる選手を育てられるのか、第2の人生にも注目だ。
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横浜FCが痛恨の2連敗、昇格決定の清水に首位譲る…18位栃木&19位鹿児島は降格圏フィニッシュが確定【明治安田J2第36節】
27日、明治安田J2リーグの8試合が各地で行われた。 前節は21戦ぶりの黒星を喫し、J1昇格を決められなかった首位横浜FC(勝ち点74)。今節こそ昇格を決めたいなか、昇格プレーオフ進出を争う5位ファジアーノ岡山(勝ち点58)とホームで対戦した。 先に試合を動かしたのは18分の岡山。裏に抜け出した岩渕弘人がGKまでかわして流し込む。さらに前半アディショナルタイム、今度は左CKから鈴木喜丈が押し込んでリードを広げる。 後半立ち上がりにも一美和成がゴール右下に決め、岡山に追加点。55分にはCKからの田上大地の得点で4点差とするが、横浜FCも61分から反撃。速攻から山根永遠がGKとの一対一を制し1点を返すと、8分後には左クロスをファーで収めたカプリーニが追加点。2点差まで詰め寄ったが、2-4で試合は終了し、横浜FCは今節も昇格お預けとなった。 前節ホーム初黒星を喫し、こちらも自動昇格を逃していた2位清水エスパルス(勝ち点73)。今節は降格の瀬戸際に立たされ、勝利が必須の18位栃木SC(勝ち点32)とアウェイ戦に臨んだ。 立ち上がりからネットを揺らした栃木だったが、オフサイドでノーゴールの判定。ゴールレスで後半に入ると、50分に住吉ジェラニレショーンがCKから押し込んで清水が先制する。 83分には途中出場の北川航也が一発退場。10人となった清水だがなんとか凌ぎきり、0-1でタイムアップ。清水が3年ぶりのJ1復帰を決め、J2首位に浮上した。 直近2連勝で上位2チームの昇格決定を阻止してきた3位V・ファーレン長崎(勝ち点66)は、残り全勝でも残留が危うい19位鹿児島ユナイテッドFC(勝ち点29)とのホームゲーム。長崎は14分、マルコス・ギリェルメの持ち上がりから名倉巧がゴール右に突き刺して先制。43分には、右サイドから仕掛けたマテウス・ジェズスがコントロールショットを沈め、3試合連続ゴールでリードを広げる。 57分にはロングドリブルからボックス内に侵入したマテウス・ジェズスが落ち着いて流し込み、長崎に3点目。4分後には鹿児島が田中渉のヘディングで一矢報いるが、終盤に長崎の増山朝陽がダメ押し。4-1の大勝を収めた長崎が3位以上を確定させた一方、鹿児島は降格圏フィニッシュが決まった。 その他、PO進出争いは26日に試合のあった8位いわきFC(勝ち点51)が脱落したが、5位岡山、6位ベガルタ仙台(勝ち点58)、7位モンテディオ山形(勝ち点57)がいずれも勝利。4位ジェフユナイテッド千葉から山形までの4チームが残る3枠を争う。 なお、今節敗れた18位栃木は、17位大分トリニータ(勝ち点37)の勝利により、J3降格圏フィニッシュが決定。栃木と鹿児島の降格が今節決まっている。 ◆明治安田J2第36節 ▽10月27日(日) V・ファーレン長崎 4-1 鹿児島ユナイテッドFC 横浜FC 2-4 ファジアーノ岡山 ザスパ群馬 0-2 徳島ヴォルティス モンテディオ山形 1-0 ロアッソ熊本 ブラウブリッツ秋田 0-2 大分トリニータ 栃木SC 0-1 清水エスパルス レノファ山口FC 2-0 ヴァンフォーレ甲府 愛媛FC 0-2 ベガルタ仙台 ▽10月26日(土) 藤枝MYFC 2-3 ジェフユナイテッド千葉 いわきFC 1-2 水戸ホーリーホック 2024.10.27 18:38 Sun2
JFL高知が急失速4連敗…宇田光史朗20歳が語るラスト5試合への宿題「みんなと“合わせる”部分」 次戦は「互いに声がけを」
20日、日本フットボールリーグ(JFL)第25節の高知ユナイテッドSCvs沖縄SVが行われ、高知は0-2と敗戦。とうとう4連敗だ。 第3節から首位の座についた高知は、夏の中断期間前を14勝1分け2敗。ところが、9月頭から沖縄戦まで、8試合でなんと1勝2分け5敗に。 中断明けの4試合は、言っても1勝2分け1敗。しかし、ここ4試合はノーゴールの4連敗と、高知の現在地を端的に表現すれば、「得点への道筋が乏しく、守り切ることもできていない」。 そんなこんなで、第24節・横河武蔵野FC戦を落とした結果、第3節から守ってきた首位の座を栃木シティに明け渡し、高知は2位に。20日のホーム沖縄戦も敗れ、こういった状況下で今季も残り5試合となってしまった。 J3クラブライセンスを取得した高知だが、J3リーグ参入うんぬんに関わらず、さすがに、たいへん深刻な状態であると言わざるを得ない。 J2リーグ・横浜FCからの育成型レンタルで高知に所属、先月26日に20歳を迎えた主力ボランチのMF宇田光史朗は、まず、武蔵野戦から沖縄戦までの1週間を振り返る。 「3連敗っていう苦しい状況でしたけど、みんな忘れて割り切って。毎回の練習で選手全員が全力を尽くしていましたし、良い雰囲気で良い準備ができていたと思います」 しかし、自身もフル出場の沖縄戦は0-2。 宇田は「前へ持ち運ぶっていう僕の特徴を、ここ何試合かよりは出せた」としつつ、「だけどそこから足を振る(シュート)ことが重要。チームとしても、求められることを100%で発揮できませんでした」と言う。 この日、高知の2失点は「クロスから」と「ドリブル突破から」。 2失点のシチュエーションは全く異なるが、共通しているのは、相手選手にクロスを上げられる際、また相手選手のドリブルに対し、「寄せきれなかった」という点だ。 「いま欠けているのは、みんなと“合わせる”という部分かなと」 「後半戦を迎えるにあたって、とりわけサイドでの“寄せ”を課題に掲げていたんですが、今日も簡単にクロスを上げられてしまって。今日も後半の入りは良かったのに、あのシンプルな形で先に失点してしまいました」 「こういう状況(連敗中)なので、もう、これ以上気持ちが沈むってことはないです。でもやっぱり、スコアが動いて『0-1』になったら、選手の雰囲気は変わるものだなと」 「それは2失点目のとき、『自分がセカンドボールを回収しなきゃ』と思って奪いにいって、上手く前を向かれて。あそこは自分が空回りました。セカンドボールへの意識が強まりすぎて、冷静さを欠いたと思います」 “セカンドボール” セカンドボールの回収は、蹴球の原則とも言えよう大事な要素。セカンドボールを立て続けに拾えれば、ボディブローのごとく相手にジワジワダメージを与え、やがては1点へと繋がる。 詰まるところ、高知はこの点で沖縄に劣勢。 「沖縄さんが巧みでした。セカンドボールを回収され、そこからの運びも上手だった…回収されて、前を向かれて。クリアを蹴る位置とか、ボランチの反応とか、シンプルなことですけど、このあたりも相手が一枚上手でした」 これもまた、相手ボールホルダーへの寄せと同様、高知が選手どうしの距離感を“合わせる”ことができなかった結果だろう。 次節の対戦相手は、宇田が「前回対戦は何もできなかった」というブリオベッカ浦安。 6月はPK1発で浦安撃破も、当時連勝街道中の高知が全くもって流れを掴めず、守備では最後までボールの奪いどころを絞りきれなかったという、順位表では表せない難敵だ。 「かなり苦戦して、なんとか勝てた…という相手でしたね。そういう相手だからこそ、僕たちがこういう状況だからこそ、前回対戦から、現状から『どれだけ修正できるか』が大事」 「そしてやっぱり『サッカーの本質』ですかね。今の状況では、走る、闘う、競るで相手を上回ることをイメージしたうえで、練習を再開しないといけないと思っています」 「印象としては、浦安さんは強いなと。僕らにプレッシャーなんてないと言ったら嘘になりますけど、相手との駆け引きとか、チームタスクの履行を、楽しみたい。そこはこういう状況でも忘れたくないと常々思っている部分です」 「“楽しむ”ことも、今の状況では難しいけれど、『サッカーの本質』の一部。チームメイトたちと年齢に関係なく声がけしていきます。フィールドでチームを引っ張る存在であることを、浦安戦でも目指します」 20歳宇田が前を向いた一方、高知の守り神、GK大杉啓も自身のXで決意新た。 「ここにきての4連敗は、自分たちの実力です。でも、ラスト5試合でこの位置にいるのも、自分たちの実力。ここまで来たクラブもチームのメンバーも、私の誇りです」 「ここからリーグ最終盤。高知のために、最後まで死ぬ気で戦います」 ◆JFL第26節 2024年10月27日(日) 13:00キックオフ ブリオベッカ浦安 vs 高知ユナイテッドSC 青葉の森スポーツプラザ陸上競技場(千葉市) 2024.10.21 17:00 Mon3
横浜FCが21戦ぶり黒星で昇格決まらず 崖っぷちの鹿児島は4発快勝【明治安田J2第35節】
明治安田J2リーグ第35節の3試合が行われた。 アウェイのベガルタ仙台戦となる今節を勝てば無条件で自動昇格圏内が確定する横浜FCだが、6分に相良竜之介の左足ボレーで先制を許すと、33分にもエロンに右足フィニッシュを決められ、前半のうちに0-2にされる。 後半に入り、猛攻の横浜FCだが、仙台が守りでも集中を切らさず。86分には工藤蒼生の強烈な右足シュートを決められ、今季ワーストの3失点で21戦ぶり黒星。この試合前まで6位の仙台は横浜FCにシーズンダブルで5位に浮上した。 4位ジェフユナイテッド千葉はヴァンフォーレ甲府とホームで対戦。0-0の68分にアダイウトンのゴールで先制を許すが、76分に横山暁之が同点弾を決めると、86分に田中和樹が逆転弾で勝ち越し。千葉が4連勝を達成した。 また、19位鹿児島ユナイテッドFCは16位愛媛FCをホームに迎え撃ち、山口卓己、鈴木翔大 、福田望久斗、オウンゴールで4-0と快勝。今節を落とすと自動降格圏内が決まる一戦だったが、残留圏ぎりぎりの17位大分トリニータ次第という状況を作った。 ◆第35節 ▽10/19(土) 鹿児島ユナイテッドFC 4-0 愛媛FC ベガルタ仙台 3-0 横浜FC ジェフユナイテッド千葉 2-1 ヴァンフォーレ甲府 ▽10/20(日) 《13:00》 ブラウブリッツ秋田 vs V・ファーレン長崎 《13:10》 清水エスパルス vs モンテディオ山形 《14:00》 ザスパ群馬 vs 栃木SC ファジアーノ岡山 vs いわきFC 徳島ヴォルティス vs 藤枝MYFC 大分トリニータ vs 水戸ホーリーホック 《15:00》 ロアッソ熊本 vs レノファ山口FC 2024.10.19 17:07 Sat4
遠藤保仁、柏木陽介、梁勇基ら7名がJリーグ功労選手賞を受賞!12月の2024Jリーグアウォーズで表彰予定
Jリーグは24日、功労選手賞の受賞者7名を発表した。 今回の受賞者は遠藤保仁氏(44)、柏木陽介氏(36)、柴﨑晃誠氏(40)、林卓人氏(42)、南雄太氏(45)、梁勇基氏(42)、渡邉千真氏(38)となっている。 功労選手の受賞基準については、日本人選手はクラブより推薦があった者であり、Jリーグや天皇杯、日本代表の国際Aマッチ、Jクラブ参戦のFIFA及びAFCの国際試合の通算出場試合が500試合以上の者。ただし、原則として、Jリーグ、リーグカップ、天皇杯で400試合以上出場を果たしている選手となる。 また、外国籍選手はクラブの推薦と上記の試合で200試合以上出場であり、母国の代表選手として活躍した者に。ただ、出場試合が500試合以上出場した者は代表活動は関わらないこととなる。 なお、今回受賞が発表された7名は、12月10日に開催される2024Jリーグアウォーズにて表彰される予定だ。 ◆遠藤保仁氏 1980年1月28日(44歳) 出生地: 鹿児島県 ポジション: MF ■所属クラブ 1998年【J1】横浜フリューゲルス 1999年~2000年【J1】京都パープルサンガ(現京都サンガF.C.) 2001年~2020年【J1/J2】ガンバ大阪 2020年〜2023年【J1/J2】ジュビロ磐田 ■出場試合数:通算1136試合156得点 J1リーグ戦:672試合103得点 J2リーグ戦:104試合10得点 リーグカップ戦:78試合5得点 天皇杯:51試合10得点 その他Jリーグ公式:14試合出場 Jクラブ参加の国際大会:65試合13ゴール 日本代表(国際Aマッチ):152試合15ゴール ◆柏木陽介氏 1987年12月15日(36歳) 出生地: 兵庫県 ポジション: MF ■所属クラブ 2005年〜2009年【J1/J2】サンフレッチェ広島 2010年~2020年【J1】浦和レッズ 2020年~2023年【J3】FC岐阜 ■出場試合数:通算623試合73得点 J1リーグ戦:392試合56得点 J2リーグ戦:31試合4得点 J3リーグ戦:61試合1ゴール リーグカップ戦:51試合6得点 天皇杯:33試合3得点 その他Jリーグ公式:9試合出場 Jクラブ参加の国際大会:35試合3得点 日本代表(国際Aマッチ):11試合出場 ◆柴﨑晃誠氏 1984年8月28日(40歳) 出生地: 長崎県 ポジション: MF ■所属クラブ 2007年〜2010年【J1/J2】東京ヴェルディ1969/東京ヴェルディ 2011年〜2012年【J1】川崎フロンターレ 2012年【J2】東京ヴェルディ 2013年【J2】徳島ヴォルティス 2014年〜2023年【J1】サンフレッチェ広島 ■出場試合数:通算524試合52得点 J1リーグ戦:301試合28得点 J2リーグ戦:139試合16得点 リーグカップ戦:44試合4得点 天皇杯:20試合2得点 その他Jリーグ公式:6試合出場 Jクラブ参加の国際大会:14試合2得点 ◆林卓人氏 1982年8月9日(42歳) 出生地: 大阪府 ポジション: GK ■所属クラブ 2002年〜2004年【J1/J2】サンフレッチェ広島 2005年〜2006年【J2】北海道コンサドーレ札幌 2007年〜2013年【J1/】ベガルタ仙台 2014年〜2023年【J1】サンフレッチェ広島 ■出場試合数:通算614試合出場 J1リーグ戦:329試合出場 J2リーグ戦:183試合出場 リーグカップ戦:40試合出場 天皇杯:29試合出場 その他Jリーグ公式:8試合出場 Jクラブ参加の国際大会:25試合出場 ◆南雄太氏 1979年9月30日(45歳) 出生地: 神奈川県 ポジション: GK ■所属クラブ 1998年〜2009年【J1/J2】柏レイソル 2010年〜2013年【J2】ロアッソ熊本 2014年~2021年【J1/J2】横浜FC 2021年〜2023年【J2】大宮アルディージャ ■出場試合数:通算732試合出場 J1リーグ戦:266試合出場 J2リーグ戦:400試合出場 リーグカップ戦:37試合出場 天皇杯:21試合出場 その他Jリーグ公式:8試合出場 ◆梁勇基氏 1982年1月7日(42歳) 出生地: 大阪府 ポジション: MF ■所属クラブ 2004年〜2019年【J1/J2】ベガルタ仙台 2020年~2021年【J1】サガン鳥栖 2022年~2023年【J2】ベガルタ仙台 ■出場試合数:通算673試合89得点 J1リーグ戦:297試合29得点 J2リーグ戦:280試合47得点 リーグカップ戦:39試合3得点 天皇杯:27試合2得点 その他Jリーグ公式:4試合2得点 Jクラブ参加の国際大会:5試合1得点 朝鮮民主主義人民共和国代表 (国際Aマッチ):21試合5得点 ◆渡邉千真氏 1986年8月10日(38歳) 出生地: 長崎県 ポジション: FW ■所属クラブ 2009年~2011年【J1】横浜F・マリノス 2012年~2014年【J1】FC東京 2015年~2018年【J1】ヴィッセル神戸 2018年~2020年【J1】ガンバ大阪 2021年~2022年【J1/J2】横浜FC 2023年【J3】松本山雅FC ■出場試合数:通算539試合151得点 J1リーグ戦:381試合104得点 J2リーグ戦:23試合2得点 J3リーグ戦:20試合2得点 リーグカップ戦:70試合23得点 天皇杯:36試合16得点 その他Jリーグ公式:1試合出場 Jクラブ参加の国際大会:7試合3得点 日本代表(国際Aマッチ):1試合出場 2024.10.24 18:15 Thu5