【2023-24 ラ・リーガベストイレブン】優勝マドリーから最多5名、躍進ジローナから3名選出

2024.06.06 21:01 Thu
優勝マドリーから最多5名選出
©超ワールドサッカー
優勝マドリーから最多5名選出
2023-24シーズンのラ・リーガは全日程を消化しました。そこで本稿では今シーズンのベストイレブンを超ワールドサッカー編集部が独自に選定してみました。

◆ラ・リーガベストイレブン
GK:ウナイ・シモン
DF:カルバハル、ビビアン、リュディガー、ミゲル・グティエレス
MF:バルベルデ、アレイシ・ガルシア、ベリンガム、クロース
FW:ドフビク、グリーズマン
GK ウナイ・シモン(26歳/アスレティック・ビルバオ)
出場試合数:36(先発:36)/失点数:33
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サモラ賞初受賞。ラ・ロハでもポジションを争うレミロとの熾烈なサモラ賞争いを制して初受賞。ルニンやバジェスといった選手の活躍も光ったが、やはり偉大なる個人賞に敬意を評して最優秀GKに選出。2022-23のUEFAネーションズカップ制覇貢献によって自信や存在感が増し、よりGKとして成熟した印象だ。

DF ダニエル・カルバハル(32歳/レアル・マドリー)
出場試合数:28(先発:25)/得点数:4
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世界屈指のラテラルとして存在感。飛車角抜きの状況で臨んだシーズンでフル稼働のリュディガーと共に、リーグ最少失点の堅守を見事に支えた。さらに、持ち味の攻撃面でも4ゴール3アシストにビルドアップの起点としても機能。ビッグマッチにおける安定感、勝負強さも含めて素晴らしいシーズンを過ごした。

DF ダニ・ビビアン(24歳/アスレティック・ビルバオ)
出場試合数:33(先発:31)/得点数:0
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アスレティックの堅守支えたディフェンスリーダー。イニゴ・マルティネスのバルセロナ移籍によって今季は経験豊富なジェライのバックアップを受けながらディフェンスラインの主軸として活躍。バスク人らしい屈強なフィジカルを武器に、対人守備で無類の強さを披露。攻守両面でまだまだ粗削りな部分も見受けられるが、今季のソリッドなパフォーマンスが評価されてラ・ロハ入りも果たし、ユーロ2024での活躍も期待されるところだ。
DF アントニオ・リュディガー(31歳/レアル・マドリー)
出場試合数:33(先発:30)/得点数:1
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リーグ最少失点の立役者。守護神クルトワにミリトン、アラバの長期離脱で火の車となったエル・ブランコの守備陣をカルバハルと共に見事に統率。地対空の対人戦で無類の強さをみせ、無理の利く守備で再三のピンチの芽を積み続けた。今季は悪癖であるリスキーなプレー選択も減り、頼もしいディフェンスリーダーだった。

DF ミゲル・グティエレス(22歳/ジローナ)
出場試合数:35(先発:35)/得点数:2
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ミラクル・ジローナで躍動。加入2年目で完全ブレイクを果たした左のラテラルは、ミチェル監督仕込みの攻撃的なポジショナルプレーにおいて偽SB以上にフレキシブルな役割を担った。攻撃ではインテリオールとして組み立てに参加しながらドリブラーのサヴィオを適切な立ち位置でサポートし、崩しの局面に参加。傑出した運動量とアスリート能力、戦術理解度を武器に、戦術上のキーマンの一人となった。さらに、2ゴール7アシストという数字面の貢献度も非常に高かった。

MF フェデリコ・バルベルデ(25歳/レアル・マドリー)
出場試合数:37(先発:33)/得点数:2
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稀代の名将が全幅の信頼置く世界屈指のダイナモ。多士済々のタレントを中盤に有するマドリーでは比較的ターンオーバーが行われているが、最多37試合出場という事実からもわかるように、アンチェロッティ監督はウルグアイ代表MFを最も替えが利かない選手と捉えている。今季は2ゴール7アシストと、7ゴール4アシストを記録した昨季に比べて数字上のインパクトは欠いたが、変則的な布陣において攻守両面で中盤、右サイドの広大なエリアをカバーしたその運動量と献身性、効果的なプレー判断はマドリーの独走優勝において非常に重要だった。

MF アレイシ・ガルシア(26歳/ジローナ)
出場試合数:37(先発:36)/得点数:3
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躍進ジローナのカピタン。過去にマンチェスター・シティに青田買いされたこともあり、10代から将来を嘱望された大器は紆余曲折を経て2021年に2度目の加入となったジローナでその才能を開花。今季はチームの“心臓”として中盤に君臨し、卓越した戦術眼、パスセンスを武器にオーガナイザーとして攻撃のテンポ、リズムを司った。また、高精度の右足のキックを活かして3ゴール6アシストと決定的な仕事にも絡んだ。なお、直近の報道では同胞シャビ・アロンソ率いるレバークーゼン行きが濃厚だ。

MF ジュード・ベリンガム(20歳/レアル・マドリー)
出場試合数:28(先発:27)/得点数:19
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シーズンMVP。1億ユーロ超えの高額な移籍金によって鳴り物入りでの加入となった中、シーズン序盤の活躍で目の肥えたマドリディスタのハートをわしづかみにした。後半戦は勤続疲労や細かいケガの影響でパフォーマンスを落としたが、前半戦から終盤手前までは文句なしでエル・ブランコの絶対的な主役だった。

MF トニ・クロース(34歳/レアル・マドリー)
出場試合数:33(先発:24)/得点数:1
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稀代のマエストロが最高のフィナーレ迎える。バルベルデと共に中盤の絶対的な主力としてハイパフォーマンスを披露。傑出した戦術眼とパスセンスでエル・ブランコの中盤に君臨し、複数のシステムや前線のタレントに合わせた抜群のゲームメークによって、ほぼすべての試合でチームに優位性をもたらせた。多くのフットボールファンはあと数年はそのプレーを拝みたいところだったが、以前から公言していた通り、トップレベルでの現役引退を決断した。

FW アルテム・ドフビク(26歳/ジローナ)
出場試合数:36(先発:32)/得点数:24
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初挑戦のラ・リーガでピチーチ獲得。ウクライナ代表での活躍によって一部では知られた存在ではあったものの、加入時点ではほぼ無名の存在だったが、シーズンを通してゴールを量産してジローナ躍進の立役者となった。189cmの恵まれた体躯もあり純然たるターゲットマンという印象だが、空中戦とポストワークを特長としながらもオフ・ザ・ボールの動き出しの巧さ、個での打開力、中盤的な資質も持つ万能型だ。そして、パワフル且つ精度の高い左足のフィニッシュでゴールを量産し、最終節のトリプレーテでセルロートを振り切って単独での得点王に輝いた。

FW アントワーヌ・グリーズマン(33歳/アトレティコ・マドリー)
出場試合数:33(先発:31)/得点数:16
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コルチョネロスのエースとして奮闘。2トップの一角での配置ながら実質前線と中盤を繋ぐフリーマンとして振る舞い、卓越したテクニックと戦術眼を武器にコルチョネロスの攻撃を牽引。前半戦から中盤戦はモラタと、終盤戦はアンヘル・コレアやデパイといった異なる相棒を巧みに活かしながら16ゴール6アシストをマーク。今季はルイス・アラゴネスを抜きクラブ歴代最多ゴール記録を181ゴールまで更新し、新シーズンは200ゴールの大台を狙う。

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初戦だけで浮かれてはいけないけど…/原ゆみこのマドリッド

「やっといい天気になったのに残念ね」そんな風に私が溜息をついていたのは火曜日、ドイツ滞在5日目になって、ようやく半袖が着られる気温となったにも関わらず、もうマドリッドに戻る日が来てしまった時のことでした。いやあ、前日は午前5時半の早起きをして、シュツットガルトから、スペイン代表のベースキャンプがあるドナウエッシンゲンに移動。11時からの練習に間に合うよう、SVアーセン(地元の地方リーグのクラブ)のトレーニングセンターに駆けつけたものの、その日は個別調整ということで、セッション公開の15分がないのにショックを受けることに。 要はまるでマハダオンダ(マドリッド近郊)のアトレティコ練習場のように、目隠しシートで覆われた柵の外から、隙間を縫って、グラウンドにいる選手をチョロ見したり、声を聞いて、何をしているのか、推測するしかできなかったんですけどね。ただ、その日は午前練習の後、選手たちは夜までフリータイムをもらえるとあって、ええ、訪問した家族とシュツットガルトまで観光に行ったり、そうでない15人程の選手たちは揃って、近隣のミシェラン1つ星のイタリアンレストランで140ユーロ(約2万5000円)のランチへ。おかげで正午過ぎにはグラウンドに併設するメディアセンターでの記者会見にウナイ・シモン(アスレティック)が姿を現わし、バスク地方紙の記者の質問で、実は彼、手首に慢性のトラブルを抱えていたことを知ったのは収穫でしたけどね。 当面、プレーに支障はないものの、「Me operaré de la muñeca después de terminar la Eurocopa/メ・オペラレ・デ・ラ・ムニェカ・デ・テルミナル・ラ・エウロコパ(ユーロの後、手首を手術する)」(ウナイ・シモン)そうですが、いやあ。その日の午後は雨が降ったり止んだりだったため、ずっとドナウエッシンゲンのホテルに籠っていた私は翌午前中も練習見学運に恵まれず。セッションが完全非公開だったためで、ええ、キャリーケースを引いて、ホテルを出たところ、何故か、国外で遭うといつもより親切になる顔馴染みのスペイン人記者が車で通りかかり、「練習場まで乗っていく?」と訊いてくれたんですけどね。 ここずっと生配信でチェックしていて、定例記者会見の開始予定12時半はブラフ。常に午後1時頃から始まっていたのを知っていたため、電車の時間との折り合いから、スビメンデイ(レアル・ソシエダ)を見るのは諦めるしかなかったんですが、まあ、代表の予定は水物で、ほぼ推測ベースで旅行の手配をしないといけませんでしたからね。チームと一緒に先週月曜からドナウエッシンゲン入りし、小さいリゾート町のレストランの全てを知り尽くしてしまった代表番記者たちのように、延々といる訳にもいかず、練習見学できなかったことだけを心残りにドイツをあとにしたんですが…。 まあ、そんなことはともかく、今回、私が現地に赴いたスペインの開幕クロアチア戦から、お話ししていかないと。先週金曜、ミュンヘンでホスト国のドイツがスコットランドとの大会開幕戦を迎える日の午前中にベルリン入りして、クロアチアのスタジアム練習と両チームの記者会見のためにまずはオリンピア・シュタディオンを訪問することに。その際はあれこれあって、スタジアム周りを延々と歩かないといけなかったのは別として、中に入るのは簡単だったんですが、土曜のマッチデーは大違い。ええ、ベルリンではこの試合が開幕ゲームだったせいもあるんでしょうが、ゲート前に大多数はクロアチア人ファン、そこにスペイン人ファンも混じって入場を待っていたところ、一向に前に進まなくてねえ。 満員電車並みのギッチリ状態で人込みに埋まっていたため、まだ時間は40分程あったものの、果たしてキックオフまでに入れるのか、不安になったものでしたが、何とかセーフ。アップが終わる頃には席にも辿り着くことができ、開幕セレモニーから楽しむことができたんですが、それより、嬉しい驚きだったのは、デ・ラ・フエンテ監督のスペインの強さが大会前の強化親善試合、アンドラ戦や北アイルランド戦限定ではなかったことでしょうか。 そう、序盤は拮抗した展開だったものの、前半28分、昨夏のネーションズリーグ・ファイナルフォー決勝では120分の間、点が取れなかった相手にスペインはgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)の堰を切ったんですよ。まずはファビアン・ルイス(PSG)のスルーパスを受けたモラタ(アトレティコ)が1対1でGKリバコビッチ(フェネルバフチェ)を破ったんですが、いやあ、その瞬間、CL準々決勝ドルトムント戦2ndレグでの大失敗シーンが頭をよぎったのはきっと、私だけではなかった? ちなみに後日のインタビューで当人は、「今季あったようなチャンスだってわかっていたから、la había preparado mentalmente respecto a cosas ya vividas/ラ・アビア・プレパラードー・メンタルメンテ・レスペクトー・ア・コーサス・ジャー・ビビーダス(経験したことを踏まえて、メンタル的に準備していた)。ライコビッチがあの方向に跳ぶ傾向があるのはわかっていたし」と言っていたんですけどね。覆水盆に返らずなのはともかく、この日のモラタは自分に対してだけでなく、チームメートへの根回しにも抜かりなし。「ファビアンにはクロアチアのCBコンビがしばしば、離れてスペースができるのを見ておけって、8回も言った」そうで、そのおかげで最高のスルーパスを送ってもらえたんですが、それも受け手が決められなければ元も子もありませんからねえ。 この先制点で勢いに乗ったスペインはその3分後、今度はペドリ(バルサ)がエリア前右から出したパスを受けたファビアンが発奮。ええ、モドリッチ(レアル・マドリー)以下、クロアチア勢複数人をかわして、golazo(ゴラソ/スーパーゴール)を決めてしまったとなれば、2022年W杯に彼を招集しなかった当時のスペイン代表監督、現PSG指揮官のルイス・エンリケ監督も今更ながら、後悔していたかも。おまけに前半ロスタイムにもスペインは、16才で最年少参加のジャマル(バルサ)のクロスを今季のアンチェロッティ監督のチーム同様、セットプレーで上がっていたカルバハル(マドリー)が押し込み、とうとう3点差にしてしまったとなれば、もうこっちのもんですって。 いえまあ、後半早々にはスタニシッチ(レバークーゼン)の至近距離シュートを、同僚のグリマルドを出し抜き、サプライズ先発となったククレジャ(チェルシー)がゴール前で身を挺して防いだり、更に続けて、GKウナイ・シモンがクラマリッチ(ホッフェンハイム)のヘッドをパンチングでかわさないといけなかったりというピンチもあったんですけどね。それどころか、20分まで無得点のままだったため、クロアチアのダリッチ監督がモドリッチとコバチッチ(マンチェスター・シティ)の両旗艦選手を下げた後の32分など、シモンが敵にボールを出してしまい、ロドリ(マンチェスター・シティ)がシュートをしようとしたペトコビッチ(ディナモ・ザグレブ)を倒してしまうなんてことも。 幸い、この時はVAR(ビデオ審判)でPKが確定したものの、ええ、「ルイス・エンリケ監督の下でプレーするまで、誰も自分にボール出しがどう機能するか、説明してくれた人はいなかった」という、足技自慢のクルトワ(マドリー)やノイアー(バイエルン)などとは違い、その点では遅咲きのシモンでもParapenalti(パラペナルティ/PK止め屋)の才能は疑いようがありませんからね。ネーションズリーグ・ファイナルフォー決勝のPK戦でマイェル(ボルクスブルク)に続き、最終キッカーだったペトコビッチを阻止していた彼はこの日も再び、ペトコビッチのPKを見事に弾いてくれたんですよ。 それが経験による賜物だったことは、当人も「Tenía claro que Petkovic iba tirar a mi derecha/テニア・クラーロ・ケ・ペトコビッチ・イバ・ア・ティラール・ア・ミ・デレッチャ(ペトコビッチが自分の右側に蹴るのははっきりわかっていた)」と認めていたんですが、実はこのプレーはここでは終わらず。ええ、こぼれたボールがペリシッチ(ハイジュク・スプリト)から、またペトコビッチに渡り、最後はシュートを決められてしまったんですけどね。今度はVARがPKを蹴る前にペルシッチがエリア内に入っていたことを見つけてくれたため、クロアチアのゴールはスコアに挙がらないことに。 結局、5分あった後半ロスタイムも恙なく終わり、そのまま初戦に3-0で快勝したスペインだったんですが、え?後半22分に引っ込んだモラタと、彼からキャプテンマークを受け取りながら、41分にはカルバハルにバトンタッチして、ピッチを出たロドリはケガをしたんじゃないのかって?いやあ、前者はヒザを打撲、後者は今季のプレー時間過多が祟っての疲労からの交代だったんですけどね。特に木曜午後9時(日本時間翌午前4時)からのイタリア戦の出場には支障がないようで、ええ、相手は同日、アルバニアに2-1と勝利。水曜には一足先にプレーしたコロアチアがアルバニアと2-2で引き分けたため、ここでスペインが勝てば、グループ1位突破への道が開けるとなれば、頑張る価値は十分ある? その傍らで引分ければ、イタリア共々、もう突破は決まったも同然という見方もあるため、死にもの狂いでぶつかってくるだろう、アルバニアとの来週月曜の最終節のため、ロドリに休養を与える可能性もなくはありませんが、その辺は前日記者会見で、「Vamos a ver cómo se desarrolla el partido/バモス・ア・ベル・ッコモ・セ・デサロジャ・エル・パルティードー(試合がどう進展するかを見てみよう)」と言っていたデ・ラ・フエンテ監督の腹積もり次第かと。 ちなみに火曜のセッションから、筋肉系の痛みに悩まされ、しばらく個別メニューに取り組んでいたラポール(アル・ナスリ)もチームに合流したスペインは水曜午前中、ベースキャンプ地での前日練習をこなした後、シュツットガルト、ドュッセルドルフ経由で片道3、4時間かけて、アレナ・アウフシャルケのあるゲルゼンキルヘン入り。クロアチア戦だけに留まらず、2節イタリア戦でも更なる強さを見せてくれると、2012年以来のユーロ優勝を夢見るスペイン代表ファンもかなり、増えてくるんじゃないでしょうかね。 そして土曜の夜、ベルリンで一泊してから、日曜にドナウエッシンゲンに帰ったスペインとは別れ、私はシュットガルトに寄り道。そう、シュツットガルト・アレナでの開幕戦となるスロベニアvsデンマークの試合で、ユーロ初出場となるGKオブラク(アトレティコ)を応援したかったからですが、こちらは試合当日にいきなりスタジアムに行ったせいもあり、またしても大変な距離を歩くことに。いえ、ベルリンからの電車が遅れた上、前日のゲートに辿り着くまでの大渋滞トラウマのせいで、ホテルの人にじっくり、Uバーンでの行き方を訊く時間を惜しみ、最寄り駅がメディア用入口から遠いSバーンで行ってしまった私も悪いんですけどね。 それでも何とか、スタジアム大周回をして辿り着いたんですが、こちらは拍子抜けする程、入場待ちの行列はまったくなし。場内は大会があるたび、民族大移動するので有名なデンマークファンと24年ぶりの出場に湧くスロベニアファンで満員だったものの、プレス席などガラガラで、好きな場所を選んで座れるんですから、まったくどうなっているのやら。ただ、試合の方は前半17分、スローインから、ビンド(ボルフスブルク)が繋いだボールをエリクセン(マンチェスター・ユナイテッド)がシュート。オブラクを破って、先制点を挙げ、前回のユーロで心停止という悲劇に見舞われたMFに絵に描いたような復活劇を演じられてしまうことに。 うーん、後でマティアク・ケズ監督も「ウチの選手の多くはこんな大きな国際大会を経験したことがない」と言っていた通り、0-1で前半が終わった時には、とてもじゃないけど、スロベニアが得点できるようには思えなかったんですけどね。後半19分にはオブラクがホイルンド(マンチェスター・ユナイテッド)の至近距離シュートをparadon(パラドン/スーパーセーブ)で防ぐなど、耐え忍んでいた甲斐が32分に訪れたから、ビックリしたの何のって。そう、デンマークがクリアしたCKを「目を閉じて、全力で蹴った」ヤンジャ(ゴルニク・ザブルゼ)がvolea(ボレア/ボレーシュト)。そのボールがヒュルマンド(スポルティングCP)に当たって、同点ゴールになってくれたんですよ。 おかげで1-1で引分けることができたスロベニアは白星ではなくても、今大会最初の勝ち点を祝えることになったんですが、ちょっと気になったのは、スペインメディアもいたミックゾーンをオブラクが無言で去っていってしまったこと。ええ、今季はアトレティコがどんなに悲惨な負け方をした時でも第2キャプテンとして、粛々と試合後インタビューに答えていた彼でしたからね。これまでお国の奉公に勤しむアトレティコの同僚とは違い、シーズン終了後はすぐにバケーション入りしていたのが、初めて今回、国際メジャー大会に参加。 とうとう、肩身の狭い思いをせずに済む夏を迎え、どんな気持ちでいるか訊きたかった私もガッカリだったんですが、「もっと上手くやれると常に考えているから、自分が満足することはない」という当人ですからね。逆転勝利できなかったのがきっと、悔しかったんでしょうが、大丈夫。木曜のセルビア戦で勝てば、最終節のイングランド戦で負けてもきっと、決勝トーナメントに進めますって。 まあ、そんな調子で私のユーロ現地観戦は終わったんですが、他の試合でも月曜にはオーストリアにオウンゴールで0-1と勝ったフランスでマドリー入団が決まったエムバペ(PSG)が鼻を骨折。グリーズマン(アトレティコ)もピッチ脇の広告版に顔をぶつけて血まみれになるなど、マドリッドのクラブのファンには心配なニュースもなきにしろあらず。いえ、その一方でベリンガム(イングランド)はセルビア戦の決勝ゴール、ギュレル(トルコ)もジョージア戦で勝ち越しゴールを挙げるといった朗報もあるんですけどね。とりあえず、まだユーロも2節が始まったばかりですし、その辺はおいおいに伝えしていくことにしますね。 <hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2024.06.20 20:00 Thu

伏兵ファビアン・ルイスが華麗1G1A、スペインが前半の3発でクロアチアに快勝発進【ユーロ2024】

ユーロ2024グループB第1節、スペイン代表vsクロアチア代表が15日に行われ、スペインが3-0で快勝した。 前回王者イタリア代表の他、アルバニア代表も同居するグループB。3大会ぶりの優勝を狙うスペインはロドリやペドリ、カルバハルらが先発。3トップはモラタ、ヤマル、ニコ・ウィリアムズが形成した。 一方、ワールドカップでは結果が出ているもののユーロは2大会連続ベスト16止まりのクロアチアは、重鎮のモドリッチがコバチッチ、ブロゾビッチと中盤を形成した。 共に[4-3-3]で臨んだ中、スペインがポゼッションする展開で立ち上がるも、徐々にクロアチアも盛り返し前半半ばまでには五分のボール保持率に戻していった。 互角の攻防で推移する中、スペインが29分に試合を動かす。ファビアン・ルイスの絶妙なスルーパスに抜け出した主将モラタがGKとの一対一を決めきった。 さらに32分、ファビアン・ルイスが再び魅せる。ペナルティアーク中央でパスを受けるとモドリッチとブロゾビッチをかわしてシュートを蹴り込んだ。 スペインがリードを広げた1分後、ブロゾビッチにコントロールシュートでゴールに迫られるもGKウナイ・シモンが好守で凌ぐと、追加タイム3分に大きな3点目。ショートコーナーの流れからヤマルの鋭いクロスをカルバハルがボレーで合わせた。 スペインが3-0として迎えた後半、52分に4点目の絶好機。ロングカウンターの流れからペドリのラストパスを受けたボックス右のヤマルがシュート。しかしGKリヴァコビッチのファインセーブに阻まれた。 その後、ククレジャがゴール前での身体を張った好守備で失点を防いだスペインに対し、クロアチアは次戦のアルバニア戦を見据えてモドリッチとコバチッチをベンチへ。 終盤、PKを与えたスペインだったが、ペトコビッチのシュートをGKウナイ・シモンが止めてシャットアウト勝利。難敵クロアチア相手の快勝で好発進を切っている。 スペイン代表 3-0 クロアチア代表 【スペイン】 アルバロ・モラタ(前29) ファビアン・ルイス(前32) ダニエル・カルバハル(前47) <span class="paragraph-title">【動画】死の組の初戦はスペインが圧倒! スペインvsクロアチア</span> <span data-other-div="movie"></span> <script>var video_id ="N16zBmIz-Xg";var video_start = 0;</script><div style="text-align:center;"><div id="player"></div></div><script src="https://web.ultra-soccer.jp/js/youtube_autoplay.js"></script> 2024.06.16 02:58 Sun

ラ・ロハ浮沈のカギを握る世界最高峰のピボーテ/ロドリ(スペイン代表)【ユーロ2024】

14日、ユーロ2024がいよいよ開幕。ドイツで行われる今大会は24カ国が出場し、7月14日までの1カ月間開催される。 今大会には最後の国際大会になる選手や、所属クラブで躍動した若手選手まで、622名の選手にプレーの可能性がある状況。出場24カ国を注目選手と共に紹介していく。 <span class="paragraph-subtitle">■スペイン代表</span> 出場回数:8大会連続12回目 最高成績:優勝(1964、2008、2012) ユーロ2020結果:ベスト4 予選結果:グループA・1位 監督:ルイス・デ・ラ・フエンテ <span style="font-weight:800">◆注目選手</span> MFロドリ(マンチェスター・シティ) 1996年6月22日(27歳) ラ・ロハ浮沈のカギを握る世界最高峰のピボーテ。“ティキ・タカ”隆盛の2008年大会、2012年大会の連覇から10年以上が経過し、すっかりフットボールのトレンドが変化した中、近年はユーロ、ワールドカップの舞台で苦戦が続くスペイン代表。 FWラミン・ヤマルと楽しみなティーンエイジャーに大きな期待が集まる一方、黄金期に比べて各ポジションのタレントは小粒となり、真のワールドクラスと呼べるタレントはマンチェスター・シティの中盤に君臨する27歳MFのみと言っても過言はなく、今大会のキーマンとなるはずだ。 ビジャレアルで台頭し、アトレティコ・マドリーを経て2019年に加入したシティで稀代の名将グアルディオラの薫陶を受け、世界最高峰のピボーテに進化を遂げたロドリは、巧さ、強さ、戦術眼をハイレベルで完備する完全無欠のMF。的確なポジショニング、視野の広さ、複雑な状況を瞬時に処理する判断能力の高さによって攻守両面で難度の高いプレーを事もなげにやってのける安定感が最大の特長だ。 シティの前人未踏のリーグ4連覇に貢献し、直近のFAカップで敗れるまで出場した公式戦74試合連続無敗という快記録を残した“負けない男”は、前大会王者イタリアとクロアチアと同居した最激戦区突破を目指す無敵艦隊にとって最も重要な存在となるはずだ。 <span style="font-weight:800">◆試合日程</span> ▽6月15日(土) 《25:00》 【B】スペイン代表 vs クロアチア代表 ▽6月20日(木) 《28:00》 【B】スペイン代表 vs イタリア代表 ▽6月24日(月) 《25:00》 【B】アルバニア代表 vs スペイン代表 <span style="font-weight:800">◆招集メンバー</span> GK 1.ダビド・ラヤ(アーセナル/イングランド) 13.アレックス・レミロ(レアル・ソシエダ) 23.ウナイ・シモン(アスレティック・ビルバオ) DF 2.ダニエル・カルバハル(レアル・マドリー) 3.ロビン・ル・ノルマン(レアル・ソシエダ) 4.ナチョ・フェルナンデス(レアル・マドリー) 5.ダニ・ビビアン(アスレティック・ビルバオ) 12.アレハンドロ・グリマルド(レバークーゼン/ドイツ) 14.アイメリク・ラポルテ(マンチェスター・シティ/イングランド) 22.ヘスス・ナバス(セビージャ) 24.マルク・ククレジャ(チェルシー/イングランド) MF 6.ミケル・メリーノ(レアル・ソシエダ) 8.ファビアン・ルイス(パリ・サンジェルマン/フランス) 15.アレックス・バエナ(ビジャレアル) 16.ロドリ(マンチェスター・シティ/イングランド) 18.マルティン・スビメンディ(レアル・ソシエダ) 20.ペドリ(バルセロナ) 25.フェルミン・ロペス(バルセロナ) FW 7.アルバロ・モラタ(アトレティコ・マドリー) 9.ホセル(レアル・マドリー) 10.ダニ・オルモ(RBライプツィヒ/ドイツ) 11.フェラン・トーレス(バルセロナ) 17.ニコ・ウィリアムズ(アスレティック・ビルバオ) 19.ラミン・ヤマル(バルセロナ) 21.ミケル・オヤルサバル(レアル・ソシエダ) 26.アジョセ・ペレス(レアル・ベティス) <span class="paragraph-title">【動画】シティの中盤を支えるロドリ、2023-24プレー集</span> <span data-other-div="movie"></span> <script>var video_id ="UVwOKmIFD0g";var video_start = 0;</script><div style="text-align:center;"><div id="player"></div></div><script src="https://web.ultra-soccer.jp/js/youtube_autoplay.js"></script> 2024.06.15 18:30 Sat

スペイン代表に過剰な期待はしないことにしている…/原ゆみこのマドリッド

「またアトレテシコはモラタ1人参加なのね」そんな風に私が嘆いていたのは金曜日、UEFAの登録締め切りは深夜零時だったにも関わらず、お昼過ぎにスペイン代表のユーロ参加選手26名が発表された時のことでした。いえ、最初の仮リストでは29名が招集されていて、この日に3人の落選者が出るのは元々、わかっていたんですけどね。予想ではビビアン(アスレティック)、アジョセ(ベティス)、アレイス・ガルシア(ジローナ)と言われていたのが、蓋を開けて見れば、当たったのは3人目だけ。あとはクバルシ(バルサ)とジョレンテ(アトレティコ)がドイツでの本大会に行けないことに。 といっても17才のクバルシに関しては、2021年の夏に梯子して、その次のシーズンから、長期負傷に悩まされるようになったペドリ(バルサ)の二の舞を避けるべく、ユーロではなく、オリンピックの方に行ってもらうという段取りになっているようなので、別に構わないんですけどね。せっかく2022年W杯カタール大会以来、デ・ラ・フエンテ監督の代になってから、初めて招集され、その間、リケルメが1度、呼ばれただけで、いつもたった1人のアトレティコ勢だったモラタもジョレンテと一緒で楽しそうにしていただけに、これはちょっと残念だったかと。 いやまあ、いくら今季終盤は調子が上がっていたと、マルカ(スポーツ紙)などがおだてていても実際、アトレティコの試合を見ていた私にはそれ程には思えず。絶好機にシュートを外して、何度もメトロポリターノのファンに溜息をつかせていたのも事実で、おまけにデ・ラ・フエンテ監督はユーロ前強化親善試合のアンドラ戦で彼を右SBとして起用したんですよ。それも3CB制のカリレーロ(サイドを上がって攻撃参加を頻繁にするSB)ならともかく、4人DF制となると、本職には敵う術もなく、当人の持ち味すら、薄れてしまったとはツイてない。 ただ、自分が当確線上にいるのをわかっていれば、ジョレテンテも先週土曜の集合日の2日も前から、ラス・ロサス(マドリッド近郊)のサッカー協会本部施設に通い、練習を始めていたペドリ、ダニ・オルモ(ライプツィヒ)、ククレジャ(チェルシー)、スビメンディ(レアル・ソシエダ)らのように、やる気をデ・ラ・フエンテ監督にアピールする方法もあったかと。それが、初日に現れた彼は南国のビーチにでもバケーションに行っていたのか、真っ黒に日焼け。金曜午前の練習の後、落選を知らされた3人は土曜に北アイルランド戦があるマジョルカ島には行かなくていいことになったので、また好きなところに行って、バケーションを再開することになりましたっけ。 そんなことはともかく、ユーロの準備に励んでいるスペイン代表が合宿に入ってから、どんな様子だったのかをお話ししていかないと。初日となった先週土曜は、ええ、まさにレアル・マドリーとドルトムントが対決したCL決勝当日でしたからね。もちろん、カルバハル、ホセル、ナチョの3人はロンドンにいて、当人は出場停止だったものの、金曜にサウジアラビア杯決勝があったラポール(アル・ナスル)も来ておらず。更にその日が兄イニャキの結婚式だったニコ・ウィリアムス、自身が式を挙げたミケル・メリーノもいなかったんですが、サンティアゴ・ネルナベウでのCL決勝パブリックビューイングがあったため、私が行けなかった午後7時からの公開練習はいつものように盛況だったよう。 セッション自体は45分ぐらいと短いものでしたが、それと同じぐらいの時間、選手たちはファンサービスに励んでくれたため、今の代表にはこれといったスターはいないものの、皆、満足して帰ったんじゃないかと。その夜は宿舎でCL決勝のTV観戦となった選手たちが、いえ、古巣が準々決勝で逆転負けした相手、ドルトムントにリベンジしてくれて、モラタが喜んだかどうかは知りませんけどね。マドリーに16強対決で負けたダニ・オルモ、準々決勝で負けたロドリ(マンチェスター・シティ)らも改めて、Decimoquita(デシモキンタ/15回目のCL優勝のこと)を達成したReyes de Europa(レジェス・デ・エウロッパ/ヨーロッパの王者)の偉大さを再確認したはずですが、翌日からの代表はずっと非公開練習ばかり。 よってその内容はサッカー協会が送ってくるビデオで知るしかないんですが、日曜にレガネスの1部再昇格が決まり、その脇で街を挙げてのマドリーのCL優勝祝賀行事が済んだ後、月曜には代表もダブルセッションの合間にメディアデーを開催することに。私も見に行ってきたんですが、マドリーのCL決勝前メディアデーとはちょっと違い、個別インタビューできるのはユーロ放映権を持つTVE(スペイン国営放送)だけ。後はTV、ラジオ、文字媒体と3つあるミックスゾーンで大勢の記者に囲まれて、キャプテンのモラタ、GKウナイ・シモン(アスレティック)、ヘスス・ナバス(セビージャ)、グリマルド(レバークーゼン)、ロドリ、オジャルサバル(レアル・ソシエダ)らが質問に答えていたんですが、後から考えると、ユーロ当確メンバーだけ出した協会も賢かった? その場ではそれぞれ、大会に向けた抱負を語っていたんですが、今となっては、チームにはユーロ優勝経験者も最年長38才で参加するナバスしかいませんからね。もちろん、2023年ネーションリーグ・ファイナルフォー優勝時のメンバーはかなりいますし、モラタも実はマドリーで2度CL優勝したことがあり、ロドリも昨季、CL優勝を初体験、そこに6回のCL優勝歴があるナチョとカルバハルが加わるとなれば、決して大舞台に臆するチームではないはずでが…何せ、最初の腕試しがアンドラではねえ。 そう、月曜の午後7時半にはとうとう、エムバペのマドリー入団が公式発表され、5年契約を締結。おかげで、ニュースがそればっかりになってしまった翌日、さらりとデ・ラ・フエンテ監督の2026年までの契約延長が発表された後、チームは個別調整することになったロドリとオルモを置いて、夕方にバダホス(スペイン南西部)に移動。今季、バダホスCFがRFEF3部(実質5部)に降格してしまったせいもあり、現地のファンは熱烈に歓迎してくれたんですが、やっぱり、会場のヌエボ・ビベロでは普段、下位カテゴリーの試合しかないせいでしょうか。 翌日の試合では選手たちが入場して、いざ国歌斉唱となったものの、アップ中はガンガン、ポップミュージックを流していたスピーカーが一番大事な時に故障。両チームは国歌を歌わず、キックオフすることに。人口8万人の小国チーム相手に誰もがすぐさまgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)が始まることを期待していたんですが、敵もそこは十分承知していたんでしょう。唯一のプロ選手だった、アンドラのコルド・アルバレス監督の息子、GKイケルもビジャレアルBが2部からRFEF1部(実質3部)に降格してしまったため、全員がアマチュアというアンドラでも自陣エリア付近に選手を集中させれば、ある程度は守れてしまうんですよ。 ただし、前半24分、アレイス・ガルシアの蹴ったCKをクバルシがヘッドで落とした後、これが代表デビュー戦となったアジョセの動きだけは止められず、先制点を奪われてしまったんですが、それにしたって、心配なのはモラタが相変わらずの状態だったこと。ええ、敵DFにエリア内で倒されてもペナルティは取ってもらえないわ、ペドリのアシストでゴールを決めてもオフサイドで認めてもらえないわと、得点を挙げられないまま、ハーフタイムで交代とは、やっぱりユーロでのCFはホセルにした方がいい? でもねえ、この日は1-0で再開した後半頭から入ったオジャルサバルが絶好調で、いえ、序盤は2度程、チャンスに失敗して、ファンを嘆かせていたんですけどね。8分にはエリア内ではぐれたボールを猟犬のように取りに行ったアジョセからパスをもらい、ゴール前左からシュートを流し込んで、スペインの2点目をゲット。15分にはアジョセのアクロバティックなシュートが、惜しくも敵DFにゴールライン上でクリアされるなんてこともあったものの、21分にもドリブルで上がったフェラン・トーレス(バルサ)から、横パスをもらったオジャルサバルが再び得点することに。 加えて、28分にも今度は交代出場で代表デビューしたフェルミン(バルサ)のシュートが敵DFに当たってこぼれたのを拾い、1度はGKに弾かれながら、2度目のトライでゴールに入れ、とうとうハットトリックを達成してしまったから、ビックリしたの何のって。いえ、キャリア初の1試合3得点を果たした当人は、「Es cuestión de suerte y de estar en el sitio/エス・クエスティオン・デ・スエルテ・イ・デ・エスタル・エン・エル・シティオ(ツキとしかるべき場所にいるかどうかの問題)」と、まあ、相手も相手ですから、謙遜していましたけどね。 それでもFWはゴールづくと波に乗るものですから、これからユーロに挑むスペインには朗報ですが、36分には後輩のフェルミンからパスを送られたフェランも追い馬に乗るかのごとく、ゴールを決め、とうとうスコアは5-0に。こうなれば、ファンも大満足っていうもので、おのずと大会への期待も盛り上がっていくものですが…いや、やっぱりアンドラ相手に大勝したって、グループリーグ初戦のクロアチアや2戦目のイタリアに勝てる保証には全然、ならない? まあ、その辺は翌日早朝にマドリッドに戻り、マドリッド勢とラポールも合流。金曜の本リスト発表があった後、土曜午後9時30分(日本時間翌午前4時30分)から挑む北アイルランド戦を見てから考えることにして、前日会見で話したデ・ラ・フエンテ監督はジョレンテ落選の理由をこう説明。曰く、「彼は複数のポジションをこなせて、縦の動きのある選手。戦術に幅を与えてくれるが、creo que tenemos cubiertas todas las posiciones/クレオ・ケ・テネモス・クビエルタス・トーダス・ラス・ポシシオネス(ウチは全てのポジションがカバーされていると思う)」そうで、ですよねえ。人手の少ないアトレティコではカリレーロでも、MFでも、あまつさえ、FWとしてもシメオネ監督に重宝されている彼ですが、今回の代表チームは26人。以前の23人でなかったことが逆に万能選手の必要性を減らしてしまったということだったようです。 そしてマドリッドのクラブ関連の話についても触れておくと、エムバペ入団で湧いているマドリーは水曜にサンティアゴ・ベルナベウに新しいオフィシャルショップをオープン。今まではコンチャ・エスピーナ通り沿いにあったのが、パドレ・ダミアン通り沿いのVIPパルコ(貴賓席)ゲート脇のスペースに移ったんですが、エムバペのネームと背番号9が入ったユニは当人のPSGとの契約が終わる7月1日まで買えないのだとか。実際、ベルナベウでのメガプレゼンもユーロ後の7月15、16日辺りと言われていますしね。 折りしもマドリー入りを公にした後のルクセンブルク戦ではフランスの3点目を挙げ、3-0での勝利に貢献するなど、肩の荷を下ろして、エムバペも今はユーロに全集中。そんな姿を見ると、もしや、CL複数回優勝経験者の居並ぶマドリーのチームメートに見劣りしないよう、ユーロタイトルを引っ提げて、乗り込んでやろうと思ってそうで怖いんですが、フランス代表にはカマビンガやチュアメニもいるため、それはあまり意味がない? そうそう、そちらではアトレティコのグリーズマンもスペイン代表より、少し前からクレアフォンテーヌでの合宿に行っていて、幸いなことに先日、アンリ監督が発表したオリンピック・フランス代表のリストにはエムバペと共に入らず。いえ、当人は行きたがっていたんですが、大体がして、ユーロとの梯子は体力的にもあまりお勧めでない上、オリンピックのサッカー決勝は8月10日。次の週末にはもう、リーガが始まるとなれば、それこそ、バケーションもプレシーズン練習も一体、いつになるんだという話になりますからね。クラブも参加を認めなかったようで、まあそれが正解かと。 それ以外のアトレティコ話題としては、うーん、またモラタも代表のメディアデーで、「昨季は監督と話して、結局、残ることになったけど、no sé qué va a pasar/ノー・セ・ケ・バ・ア・パサール(何が起きるかわからない)」なんて言っちゃうから、悪いんですよ。最初はFWの補強として、セルロート(ビジャレアル)やドブビク(ジローナ)などが挙がりながら、移籍金4000万ユーロ(約70億円)は高すぎて払えないと言っていたのに、今ではフリアン・アルバレス(マンチェスター・シティ)の名前が出ているって、もうこれは桁が違い過ぎるのでは? その一方で弟分のヘタフェやラージョ、そして1部昇格が決まったレガネスなどは完全にバケーションオードで、ええ、大体、彼らの主戦場は移籍市場が閉じる8月末ですからね。ヘタフェのボルダラス監督が、レンタル移籍が終わり、もう戻って来ないグリーンウッド(マンチェスター・ユナイテッド)の代わりにマドリーのギュレルを熱望しているという噂はあったものの…まあ、ここしばらくはあまり動きはないんじゃないでしょうか。 <hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2024.06.08 20:00 Sat

スペイン代表26名が決定! 候補メンバーからパウ・クバルシら3選手が外れる…【ユーロ2024】

スペインサッカー連盟(RFEF)は7日、ユーロ2024に臨むスペイン代表メンバー26名を発表した。 ルイス・デ・ラ・フエンテ監督は、先月27日に発表した候補メンバー29名からDFパウ・クバルシ(バルセロナ)、MFマルコス・ジョレンテ(アトレティコ・マドリー)、MFアレイシ・ガルシア(ジローナ)の3選手を外す決断を下した。 一方、初招集となったMFフェルミン・ロペスとFWアジョセ・ペレス(レアル・ベティス)はデビュー戦となった直近のアンドラ代表戦での活躍がメンバー入りの決め手となったようだ。 なお、スペインはユーロでグループBに入っており、クロアチア代表、イタリア代表、アルバニア代表と同居している。今回発表されたスペイン代表メンバーは以下の通り。 ◆スペイン代表メンバー26名 GK ウナイ・シモン(アスレティック・ビルバオ) ダビド・ラヤ(アーセナル/イングランド) アレックス・レミロ(レアル・ソシエダ) DF ダニエル・カルバハル(レアル・マドリー) ヘスス・ナバス(セビージャ) アイメリク・ラポルテ(マンチェスター・シティ/イングランド) ロビン・ル・ノルマン(レアル・ソシエダ) ナチョ・フェルナンデス(レアル・マドリー) ダニ・ビビアン(アスレティック・ビルバオ) アレハンドロ・グリマルド(レバークーゼン/ドイツ) マルク・ククレジャ(チェルシー/イングランド) MF ロドリ(マンチェスター・シティ/イングランド) マルティン・スビメンディ(レアル・ソシエダ) ファビアン・ルイス(パリ・サンジェルマン/フランス) ミケル・メリーノ(レアル・ソシエダ) ペドリ(バルセロナ) アレックス・バエナ(ビジャレアル) フェルミン・ロペス(バルセロナ) FW アルバロ・モラタ(アトレティコ・マドリー) ホセル(レアル・マドリー) ミケル・オヤルサバル(レアル・ソシエダ) ダニ・オルモ(RBライプツィヒ/ドイツ) フェラン・トーレス(バルセロナ) ニコ・ウィリアムズ(アスレティック・ビルバオ) ラミン・ヤマル(バルセロナ) アジョセ・ペレス(レアル・ベティス) 2024.06.07 19:57 Fri

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ラ・ロハ浮沈のカギを握る世界最高峰のピボーテ/ロドリ(スペイン代表)【ユーロ2024】

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初戦だけで浮かれてはいけないけど…/原ゆみこのマドリッド

「やっといい天気になったのに残念ね」そんな風に私が溜息をついていたのは火曜日、ドイツ滞在5日目になって、ようやく半袖が着られる気温となったにも関わらず、もうマドリッドに戻る日が来てしまった時のことでした。いやあ、前日は午前5時半の早起きをして、シュツットガルトから、スペイン代表のベースキャンプがあるドナウエッシンゲンに移動。11時からの練習に間に合うよう、SVアーセン(地元の地方リーグのクラブ)のトレーニングセンターに駆けつけたものの、その日は個別調整ということで、セッション公開の15分がないのにショックを受けることに。 要はまるでマハダオンダ(マドリッド近郊)のアトレティコ練習場のように、目隠しシートで覆われた柵の外から、隙間を縫って、グラウンドにいる選手をチョロ見したり、声を聞いて、何をしているのか、推測するしかできなかったんですけどね。ただ、その日は午前練習の後、選手たちは夜までフリータイムをもらえるとあって、ええ、訪問した家族とシュツットガルトまで観光に行ったり、そうでない15人程の選手たちは揃って、近隣のミシェラン1つ星のイタリアンレストランで140ユーロ(約2万5000円)のランチへ。おかげで正午過ぎにはグラウンドに併設するメディアセンターでの記者会見にウナイ・シモン(アスレティック)が姿を現わし、バスク地方紙の記者の質問で、実は彼、手首に慢性のトラブルを抱えていたことを知ったのは収穫でしたけどね。 当面、プレーに支障はないものの、「Me operaré de la muñeca después de terminar la Eurocopa/メ・オペラレ・デ・ラ・ムニェカ・デ・テルミナル・ラ・エウロコパ(ユーロの後、手首を手術する)」(ウナイ・シモン)そうですが、いやあ。その日の午後は雨が降ったり止んだりだったため、ずっとドナウエッシンゲンのホテルに籠っていた私は翌午前中も練習見学運に恵まれず。セッションが完全非公開だったためで、ええ、キャリーケースを引いて、ホテルを出たところ、何故か、国外で遭うといつもより親切になる顔馴染みのスペイン人記者が車で通りかかり、「練習場まで乗っていく?」と訊いてくれたんですけどね。 ここずっと生配信でチェックしていて、定例記者会見の開始予定12時半はブラフ。常に午後1時頃から始まっていたのを知っていたため、電車の時間との折り合いから、スビメンデイ(レアル・ソシエダ)を見るのは諦めるしかなかったんですが、まあ、代表の予定は水物で、ほぼ推測ベースで旅行の手配をしないといけませんでしたからね。チームと一緒に先週月曜からドナウエッシンゲン入りし、小さいリゾート町のレストランの全てを知り尽くしてしまった代表番記者たちのように、延々といる訳にもいかず、練習見学できなかったことだけを心残りにドイツをあとにしたんですが…。 まあ、そんなことはともかく、今回、私が現地に赴いたスペインの開幕クロアチア戦から、お話ししていかないと。先週金曜、ミュンヘンでホスト国のドイツがスコットランドとの大会開幕戦を迎える日の午前中にベルリン入りして、クロアチアのスタジアム練習と両チームの記者会見のためにまずはオリンピア・シュタディオンを訪問することに。その際はあれこれあって、スタジアム周りを延々と歩かないといけなかったのは別として、中に入るのは簡単だったんですが、土曜のマッチデーは大違い。ええ、ベルリンではこの試合が開幕ゲームだったせいもあるんでしょうが、ゲート前に大多数はクロアチア人ファン、そこにスペイン人ファンも混じって入場を待っていたところ、一向に前に進まなくてねえ。 満員電車並みのギッチリ状態で人込みに埋まっていたため、まだ時間は40分程あったものの、果たしてキックオフまでに入れるのか、不安になったものでしたが、何とかセーフ。アップが終わる頃には席にも辿り着くことができ、開幕セレモニーから楽しむことができたんですが、それより、嬉しい驚きだったのは、デ・ラ・フエンテ監督のスペインの強さが大会前の強化親善試合、アンドラ戦や北アイルランド戦限定ではなかったことでしょうか。 そう、序盤は拮抗した展開だったものの、前半28分、昨夏のネーションズリーグ・ファイナルフォー決勝では120分の間、点が取れなかった相手にスペインはgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)の堰を切ったんですよ。まずはファビアン・ルイス(PSG)のスルーパスを受けたモラタ(アトレティコ)が1対1でGKリバコビッチ(フェネルバフチェ)を破ったんですが、いやあ、その瞬間、CL準々決勝ドルトムント戦2ndレグでの大失敗シーンが頭をよぎったのはきっと、私だけではなかった? ちなみに後日のインタビューで当人は、「今季あったようなチャンスだってわかっていたから、la había preparado mentalmente respecto a cosas ya vividas/ラ・アビア・プレパラードー・メンタルメンテ・レスペクトー・ア・コーサス・ジャー・ビビーダス(経験したことを踏まえて、メンタル的に準備していた)。ライコビッチがあの方向に跳ぶ傾向があるのはわかっていたし」と言っていたんですけどね。覆水盆に返らずなのはともかく、この日のモラタは自分に対してだけでなく、チームメートへの根回しにも抜かりなし。「ファビアンにはクロアチアのCBコンビがしばしば、離れてスペースができるのを見ておけって、8回も言った」そうで、そのおかげで最高のスルーパスを送ってもらえたんですが、それも受け手が決められなければ元も子もありませんからねえ。 この先制点で勢いに乗ったスペインはその3分後、今度はペドリ(バルサ)がエリア前右から出したパスを受けたファビアンが発奮。ええ、モドリッチ(レアル・マドリー)以下、クロアチア勢複数人をかわして、golazo(ゴラソ/スーパーゴール)を決めてしまったとなれば、2022年W杯に彼を招集しなかった当時のスペイン代表監督、現PSG指揮官のルイス・エンリケ監督も今更ながら、後悔していたかも。おまけに前半ロスタイムにもスペインは、16才で最年少参加のジャマル(バルサ)のクロスを今季のアンチェロッティ監督のチーム同様、セットプレーで上がっていたカルバハル(マドリー)が押し込み、とうとう3点差にしてしまったとなれば、もうこっちのもんですって。 いえまあ、後半早々にはスタニシッチ(レバークーゼン)の至近距離シュートを、同僚のグリマルドを出し抜き、サプライズ先発となったククレジャ(チェルシー)がゴール前で身を挺して防いだり、更に続けて、GKウナイ・シモンがクラマリッチ(ホッフェンハイム)のヘッドをパンチングでかわさないといけなかったりというピンチもあったんですけどね。それどころか、20分まで無得点のままだったため、クロアチアのダリッチ監督がモドリッチとコバチッチ(マンチェスター・シティ)の両旗艦選手を下げた後の32分など、シモンが敵にボールを出してしまい、ロドリ(マンチェスター・シティ)がシュートをしようとしたペトコビッチ(ディナモ・ザグレブ)を倒してしまうなんてことも。 幸い、この時はVAR(ビデオ審判)でPKが確定したものの、ええ、「ルイス・エンリケ監督の下でプレーするまで、誰も自分にボール出しがどう機能するか、説明してくれた人はいなかった」という、足技自慢のクルトワ(マドリー)やノイアー(バイエルン)などとは違い、その点では遅咲きのシモンでもParapenalti(パラペナルティ/PK止め屋)の才能は疑いようがありませんからね。ネーションズリーグ・ファイナルフォー決勝のPK戦でマイェル(ボルクスブルク)に続き、最終キッカーだったペトコビッチを阻止していた彼はこの日も再び、ペトコビッチのPKを見事に弾いてくれたんですよ。 それが経験による賜物だったことは、当人も「Tenía claro que Petkovic iba tirar a mi derecha/テニア・クラーロ・ケ・ペトコビッチ・イバ・ア・ティラール・ア・ミ・デレッチャ(ペトコビッチが自分の右側に蹴るのははっきりわかっていた)」と認めていたんですが、実はこのプレーはここでは終わらず。ええ、こぼれたボールがペリシッチ(ハイジュク・スプリト)から、またペトコビッチに渡り、最後はシュートを決められてしまったんですけどね。今度はVARがPKを蹴る前にペルシッチがエリア内に入っていたことを見つけてくれたため、クロアチアのゴールはスコアに挙がらないことに。 結局、5分あった後半ロスタイムも恙なく終わり、そのまま初戦に3-0で快勝したスペインだったんですが、え?後半22分に引っ込んだモラタと、彼からキャプテンマークを受け取りながら、41分にはカルバハルにバトンタッチして、ピッチを出たロドリはケガをしたんじゃないのかって?いやあ、前者はヒザを打撲、後者は今季のプレー時間過多が祟っての疲労からの交代だったんですけどね。特に木曜午後9時(日本時間翌午前4時)からのイタリア戦の出場には支障がないようで、ええ、相手は同日、アルバニアに2-1と勝利。水曜には一足先にプレーしたコロアチアがアルバニアと2-2で引き分けたため、ここでスペインが勝てば、グループ1位突破への道が開けるとなれば、頑張る価値は十分ある? その傍らで引分ければ、イタリア共々、もう突破は決まったも同然という見方もあるため、死にもの狂いでぶつかってくるだろう、アルバニアとの来週月曜の最終節のため、ロドリに休養を与える可能性もなくはありませんが、その辺は前日記者会見で、「Vamos a ver cómo se desarrolla el partido/バモス・ア・ベル・ッコモ・セ・デサロジャ・エル・パルティードー(試合がどう進展するかを見てみよう)」と言っていたデ・ラ・フエンテ監督の腹積もり次第かと。 ちなみに火曜のセッションから、筋肉系の痛みに悩まされ、しばらく個別メニューに取り組んでいたラポール(アル・ナスリ)もチームに合流したスペインは水曜午前中、ベースキャンプ地での前日練習をこなした後、シュツットガルト、ドュッセルドルフ経由で片道3、4時間かけて、アレナ・アウフシャルケのあるゲルゼンキルヘン入り。クロアチア戦だけに留まらず、2節イタリア戦でも更なる強さを見せてくれると、2012年以来のユーロ優勝を夢見るスペイン代表ファンもかなり、増えてくるんじゃないでしょうかね。 そして土曜の夜、ベルリンで一泊してから、日曜にドナウエッシンゲンに帰ったスペインとは別れ、私はシュットガルトに寄り道。そう、シュツットガルト・アレナでの開幕戦となるスロベニアvsデンマークの試合で、ユーロ初出場となるGKオブラク(アトレティコ)を応援したかったからですが、こちらは試合当日にいきなりスタジアムに行ったせいもあり、またしても大変な距離を歩くことに。いえ、ベルリンからの電車が遅れた上、前日のゲートに辿り着くまでの大渋滞トラウマのせいで、ホテルの人にじっくり、Uバーンでの行き方を訊く時間を惜しみ、最寄り駅がメディア用入口から遠いSバーンで行ってしまった私も悪いんですけどね。 それでも何とか、スタジアム大周回をして辿り着いたんですが、こちらは拍子抜けする程、入場待ちの行列はまったくなし。場内は大会があるたび、民族大移動するので有名なデンマークファンと24年ぶりの出場に湧くスロベニアファンで満員だったものの、プレス席などガラガラで、好きな場所を選んで座れるんですから、まったくどうなっているのやら。ただ、試合の方は前半17分、スローインから、ビンド(ボルフスブルク)が繋いだボールをエリクセン(マンチェスター・ユナイテッド)がシュート。オブラクを破って、先制点を挙げ、前回のユーロで心停止という悲劇に見舞われたMFに絵に描いたような復活劇を演じられてしまうことに。 うーん、後でマティアク・ケズ監督も「ウチの選手の多くはこんな大きな国際大会を経験したことがない」と言っていた通り、0-1で前半が終わった時には、とてもじゃないけど、スロベニアが得点できるようには思えなかったんですけどね。後半19分にはオブラクがホイルンド(マンチェスター・ユナイテッド)の至近距離シュートをparadon(パラドン/スーパーセーブ)で防ぐなど、耐え忍んでいた甲斐が32分に訪れたから、ビックリしたの何のって。そう、デンマークがクリアしたCKを「目を閉じて、全力で蹴った」ヤンジャ(ゴルニク・ザブルゼ)がvolea(ボレア/ボレーシュト)。そのボールがヒュルマンド(スポルティングCP)に当たって、同点ゴールになってくれたんですよ。 おかげで1-1で引分けることができたスロベニアは白星ではなくても、今大会最初の勝ち点を祝えることになったんですが、ちょっと気になったのは、スペインメディアもいたミックゾーンをオブラクが無言で去っていってしまったこと。ええ、今季はアトレティコがどんなに悲惨な負け方をした時でも第2キャプテンとして、粛々と試合後インタビューに答えていた彼でしたからね。これまでお国の奉公に勤しむアトレティコの同僚とは違い、シーズン終了後はすぐにバケーション入りしていたのが、初めて今回、国際メジャー大会に参加。 とうとう、肩身の狭い思いをせずに済む夏を迎え、どんな気持ちでいるか訊きたかった私もガッカリだったんですが、「もっと上手くやれると常に考えているから、自分が満足することはない」という当人ですからね。逆転勝利できなかったのがきっと、悔しかったんでしょうが、大丈夫。木曜のセルビア戦で勝てば、最終節のイングランド戦で負けてもきっと、決勝トーナメントに進めますって。 まあ、そんな調子で私のユーロ現地観戦は終わったんですが、他の試合でも月曜にはオーストリアにオウンゴールで0-1と勝ったフランスでマドリー入団が決まったエムバペ(PSG)が鼻を骨折。グリーズマン(アトレティコ)もピッチ脇の広告版に顔をぶつけて血まみれになるなど、マドリッドのクラブのファンには心配なニュースもなきにしろあらず。いえ、その一方でベリンガム(イングランド)はセルビア戦の決勝ゴール、ギュレル(トルコ)もジョージア戦で勝ち越しゴールを挙げるといった朗報もあるんですけどね。とりあえず、まだユーロも2節が始まったばかりですし、その辺はおいおいに伝えしていくことにしますね。 <hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2024.06.20 20:00 Thu
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スペイン代表26名が決定! 候補メンバーからパウ・クバルシら3選手が外れる…【ユーロ2024】

スペインサッカー連盟(RFEF)は7日、ユーロ2024に臨むスペイン代表メンバー26名を発表した。 ルイス・デ・ラ・フエンテ監督は、先月27日に発表した候補メンバー29名からDFパウ・クバルシ(バルセロナ)、MFマルコス・ジョレンテ(アトレティコ・マドリー)、MFアレイシ・ガルシア(ジローナ)の3選手を外す決断を下した。 一方、初招集となったMFフェルミン・ロペスとFWアジョセ・ペレス(レアル・ベティス)はデビュー戦となった直近のアンドラ代表戦での活躍がメンバー入りの決め手となったようだ。 なお、スペインはユーロでグループBに入っており、クロアチア代表、イタリア代表、アルバニア代表と同居している。今回発表されたスペイン代表メンバーは以下の通り。 ◆スペイン代表メンバー26名 GK ウナイ・シモン(アスレティック・ビルバオ) ダビド・ラヤ(アーセナル/イングランド) アレックス・レミロ(レアル・ソシエダ) DF ダニエル・カルバハル(レアル・マドリー) ヘスス・ナバス(セビージャ) アイメリク・ラポルテ(マンチェスター・シティ/イングランド) ロビン・ル・ノルマン(レアル・ソシエダ) ナチョ・フェルナンデス(レアル・マドリー) ダニ・ビビアン(アスレティック・ビルバオ) アレハンドロ・グリマルド(レバークーゼン/ドイツ) マルク・ククレジャ(チェルシー/イングランド) MF ロドリ(マンチェスター・シティ/イングランド) マルティン・スビメンディ(レアル・ソシエダ) ファビアン・ルイス(パリ・サンジェルマン/フランス) ミケル・メリーノ(レアル・ソシエダ) ペドリ(バルセロナ) アレックス・バエナ(ビジャレアル) フェルミン・ロペス(バルセロナ) FW アルバロ・モラタ(アトレティコ・マドリー) ホセル(レアル・マドリー) ミケル・オヤルサバル(レアル・ソシエダ) ダニ・オルモ(RBライプツィヒ/ドイツ) フェラン・トーレス(バルセロナ) ニコ・ウィリアムズ(アスレティック・ビルバオ) ラミン・ヤマル(バルセロナ) アジョセ・ペレス(レアル・ベティス) 2024.06.07 19:57 Fri
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【2023-24 ラ・リーガベストイレブン】優勝マドリーから最多5名、躍進ジローナから3名選出

2023-24シーズンのラ・リーガは全日程を消化しました。そこで本稿では今シーズンのベストイレブンを超ワールドサッカー編集部が独自に選定してみました。 ◆ラ・リーガベストイレブン GK:ウナイ・シモン DF:カルバハル、ビビアン、リュディガー、ミゲル・グティエレス MF:バルベルデ、アレイシ・ガルシア、ベリンガム、クロース FW:ドフビク、グリーズマン GK ウナイ・シモン(26歳/アスレティック・ビルバオ) 出場試合数:36(先発:36)/失点数:33 <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2024/get20240607_101_tw1.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> サモラ賞初受賞。ラ・ロハでもポジションを争うレミロとの熾烈なサモラ賞争いを制して初受賞。ルニンやバジェスといった選手の活躍も光ったが、やはり偉大なる個人賞に敬意を評して最優秀GKに選出。2022-23のUEFAネーションズカップ制覇貢献によって自信や存在感が増し、よりGKとして成熟した印象だ。 DF ダニエル・カルバハル(32歳/レアル・マドリー) 出場試合数:28(先発:25)/得点数:4 <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2024/get20240607_101_tw2.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> 世界屈指のラテラルとして存在感。飛車角抜きの状況で臨んだシーズンでフル稼働のリュディガーと共に、リーグ最少失点の堅守を見事に支えた。さらに、持ち味の攻撃面でも4ゴール3アシストにビルドアップの起点としても機能。ビッグマッチにおける安定感、勝負強さも含めて素晴らしいシーズンを過ごした。 DF ダニ・ビビアン(24歳/アスレティック・ビルバオ) 出場試合数:33(先発:31)/得点数:0 <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2024/get20240607_101_tw3.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> アスレティックの堅守支えたディフェンスリーダー。イニゴ・マルティネスのバルセロナ移籍によって今季は経験豊富なジェライのバックアップを受けながらディフェンスラインの主軸として活躍。バスク人らしい屈強なフィジカルを武器に、対人守備で無類の強さを披露。攻守両面でまだまだ粗削りな部分も見受けられるが、今季のソリッドなパフォーマンスが評価されてラ・ロハ入りも果たし、ユーロ2024での活躍も期待されるところだ。 DF アントニオ・リュディガー(31歳/レアル・マドリー) 出場試合数:33(先発:30)/得点数:1 <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2024/get20240607_101_tw4.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> リーグ最少失点の立役者。守護神クルトワにミリトン、アラバの長期離脱で火の車となったエル・ブランコの守備陣をカルバハルと共に見事に統率。地対空の対人戦で無類の強さをみせ、無理の利く守備で再三のピンチの芽を積み続けた。今季は悪癖であるリスキーなプレー選択も減り、頼もしいディフェンスリーダーだった。 DF ミゲル・グティエレス(22歳/ジローナ) 出場試合数:35(先発:35)/得点数:2 <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2024/get20240607_101_tw5.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> ミラクル・ジローナで躍動。加入2年目で完全ブレイクを果たした左のラテラルは、ミチェル監督仕込みの攻撃的なポジショナルプレーにおいて偽SB以上にフレキシブルな役割を担った。攻撃ではインテリオールとして組み立てに参加しながらドリブラーのサヴィオを適切な立ち位置でサポートし、崩しの局面に参加。傑出した運動量とアスリート能力、戦術理解度を武器に、戦術上のキーマンの一人となった。さらに、2ゴール7アシストという数字面の貢献度も非常に高かった。 MF フェデリコ・バルベルデ(25歳/レアル・マドリー) 出場試合数:37(先発:33)/得点数:2 <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2024/get20240607_101_tw6.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> 稀代の名将が全幅の信頼置く世界屈指のダイナモ。多士済々のタレントを中盤に有するマドリーでは比較的ターンオーバーが行われているが、最多37試合出場という事実からもわかるように、アンチェロッティ監督はウルグアイ代表MFを最も替えが利かない選手と捉えている。今季は2ゴール7アシストと、7ゴール4アシストを記録した昨季に比べて数字上のインパクトは欠いたが、変則的な布陣において攻守両面で中盤、右サイドの広大なエリアをカバーしたその運動量と献身性、効果的なプレー判断はマドリーの独走優勝において非常に重要だった。 MF アレイシ・ガルシア(26歳/ジローナ) 出場試合数:37(先発:36)/得点数:3 <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2024/get20240607_101_tw7.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> 躍進ジローナのカピタン。過去にマンチェスター・シティに青田買いされたこともあり、10代から将来を嘱望された大器は紆余曲折を経て2021年に2度目の加入となったジローナでその才能を開花。今季はチームの“心臓”として中盤に君臨し、卓越した戦術眼、パスセンスを武器にオーガナイザーとして攻撃のテンポ、リズムを司った。また、高精度の右足のキックを活かして3ゴール6アシストと決定的な仕事にも絡んだ。なお、直近の報道では同胞シャビ・アロンソ率いるレバークーゼン行きが濃厚だ。 MF ジュード・ベリンガム(20歳/レアル・マドリー) 出場試合数:28(先発:27)/得点数:19 <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2024/get20240607_101_tw8.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> シーズンMVP。1億ユーロ超えの高額な移籍金によって鳴り物入りでの加入となった中、シーズン序盤の活躍で目の肥えたマドリディスタのハートをわしづかみにした。後半戦は勤続疲労や細かいケガの影響でパフォーマンスを落としたが、前半戦から終盤手前までは文句なしでエル・ブランコの絶対的な主役だった。 MF トニ・クロース(34歳/レアル・マドリー) 出場試合数:33(先発:24)/得点数:1 <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2024/get20240607_101_tw9.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> 稀代のマエストロが最高のフィナーレ迎える。バルベルデと共に中盤の絶対的な主力としてハイパフォーマンスを披露。傑出した戦術眼とパスセンスでエル・ブランコの中盤に君臨し、複数のシステムや前線のタレントに合わせた抜群のゲームメークによって、ほぼすべての試合でチームに優位性をもたらせた。多くのフットボールファンはあと数年はそのプレーを拝みたいところだったが、以前から公言していた通り、トップレベルでの現役引退を決断した。 FW アルテム・ドフビク(26歳/ジローナ) 出場試合数:36(先発:32)/得点数:24 <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2024/get20240607_101_tw10.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> 初挑戦のラ・リーガでピチーチ獲得。ウクライナ代表での活躍によって一部では知られた存在ではあったものの、加入時点ではほぼ無名の存在だったが、シーズンを通してゴールを量産してジローナ躍進の立役者となった。189cmの恵まれた体躯もあり純然たるターゲットマンという印象だが、空中戦とポストワークを特長としながらもオフ・ザ・ボールの動き出しの巧さ、個での打開力、中盤的な資質も持つ万能型だ。そして、パワフル且つ精度の高い左足のフィニッシュでゴールを量産し、最終節のトリプレーテでセルロートを振り切って単独での得点王に輝いた。 FW アントワーヌ・グリーズマン(33歳/アトレティコ・マドリー) 出場試合数:33(先発:31)/得点数:16 <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2024/get20240607_101_tw11.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> コルチョネロスのエースとして奮闘。2トップの一角での配置ながら実質前線と中盤を繋ぐフリーマンとして振る舞い、卓越したテクニックと戦術眼を武器にコルチョネロスの攻撃を牽引。前半戦から中盤戦はモラタと、終盤戦はアンヘル・コレアやデパイといった異なる相棒を巧みに活かしながら16ゴール6アシストをマーク。今季はルイス・アラゴネスを抜きクラブ歴代最多ゴール記録を181ゴールまで更新し、新シーズンは200ゴールの大台を狙う。 2024.06.06 21:01 Thu
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「お母さん、嬉しいだろうな」デビュー23秒弾のバルサ17歳、息子の活躍を目の当たりにした家族が感情爆発「最高の親孝行」

バルセロナのU-17スペイン代表FWマルク・ギウのゴールに家族も歓喜している。 22日、ラ・リーガ第10節でアスレティック・ビルバオと対戦したバルセロナ。ジョアン・フェリックスを中心にゴールに迫りながらも、なかなかゴールを奪えない展開が続くと、チャビ・エルナンデス監督は79分にファーストチームデビューとなるギウを投入した。 すると、交代後最初のプレーでギウはフェリックスのスルーパスに抜け出し、右足でシュート。相手GKウナイ・シモンの左手に当たりながらもゴールネットを揺らし、値千金の決勝点となった。 一夜にして大きな注目を浴びたギウだが、そのゴールを誰よりも喜んでいる人たちがいる。 それはギウの家族だ。モンジュイックのスタンドに駆け付けていた両親と妹は、ギウのゴールに大喜び。特にお母さんは感極まった様子で。息子の活躍に心から感動しているようだった。 ギウの家族のリアクションは、SNS上でも話題になっており、「最高の親孝行」、「頑張ってほしい」、「これぞフットボール」、「何て感動的なんだ」、「お母さん、最高にうれしかっただろうなあ」、「美しい」と様々な反響が寄せられている。 また、ギウの父マネルさんはスペイン『カデナ・セル』のインタビューに応じると、「たくさんの感動と喜びとともにある。みんなで抱き合い、飛び跳ね、泣き、たくさん叫んだ」と喜び、「長い間このゴールのために努力してきたのだから、興奮したに違いない」と息子の気持ちを推し量っている。ただ、「ここがゴールか?」という問いには、「そこまでは言いません。やるべきことはまだたくさんあります。ただ、あともう少しです」と浮かれることなくコメントしている。 <span class="paragraph-title">【動画】感動的!息子の活躍にお母さんも感極まる</span> <span data-other-div="movie"></span> <blockquote class="twitter-tweet"><p lang="es" dir="ltr"> LO BONITO DEL FÚTBOL<br><br> Así ha reaccionado la familia de Marc Guiu a su debut y gol para dar la victoria al Barça <a href="https://t.co/PBpB1UMrZB">pic.twitter.com/PBpB1UMrZB</a></p>&mdash; Post United (@postunited) <a href="https://twitter.com/postunited/status/1716203585778704856?ref_src=twsrc%5Etfw">October 22, 2023</a></blockquote> <script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script> 2023.10.23 19:45 Mon

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