J1最強攻撃陣の札幌が3試合連続複数得点で京都を下す、ケガ人続出も3連勝達成!【明治安田J1第14節】
2023.05.19 21:40 Fri
明治安田生命J1リーグ第14節、北海道コンサドーレ札幌vs京都サンガF.C.が札幌ドームで催され、ホームの札幌が2-1で勝利を収めた。打ち合いの湘南ベルマーレ戦を制し、今季初の連勝を飾った8位札幌は、好調のままに前節と同じ11人でスタート。対して3連敗中の14位京都は、セレッソ大阪戦からスタメンを3人変更し、木村勇大は開幕戦以来の先発となった。
開始早々にCKからパトリックがヘディングシュートと、セットプレーを絡めて勢いを持って試合に入った京都だったが、これをしのいだ札幌が試合を動かす。
中央の選手が下がり、京都の最終ラインも伴って上がったタイミングで金子拓郎が裏を取り、それに合わせて岡村大八が好フィードを供給。右深い位置での仕掛けから折り返すと、ニアに飛び込んだ小柏剛が麻田将吾に倒されてPKを獲得する。
これを金子がGKに触れられながらも右隅に沈め、札幌が7分に先制点を奪取。得点後には菅大輝の双子誕生を祝福する揺りかごパフォーマンスも披露された。
井上黎生人のクサビを降りてきたパトリックが落とし、川崎颯太が右に展開すると、少ないタッチから白井がスルーパス。右ポケットを取った山田楓喜が左足で対角を狙い、これにパトリックが詰めてタイスコアに戻した。
同点で迎えた後半は札幌が先に動く。前半途中で相手との交錯時に右足を痛めた宮澤裕樹に代え、中村桐耶を送り出しスリーセンターバックの左へ。福森晃斗がボランチに入る。
56分にはドリブル数、クロス数でリーグトップに立つ金子が2枚のDFを抜かずに、間を左のアウトサイドキックで通し、受けた小柏が反転シュートと、J1最多得点数を誇る札幌攻撃陣が異彩を放つ。
だが61分にアクシデントが発生。ここまでリーグ戦フル出場中の田中駿汰が右足首を気にして座り込み、担架に乗ってピッチを後に。急遽、馬場晴也が投入された。
70分過ぎにはカウンターの応酬となるが、これを制したのはホームチーム。途中出場のスパチョークが中央から右へはたき、金子がえぐって柔らかい浮き球で折り返すと、浅野が3試合連続ゴールとなるヘディングを沈めて72分に札幌が勝ち越しに成功した。
勢いづいた札幌はその3分後にも浅野が波状攻撃から左足のフィニッシュ。直後にも駒井善成のフィードを浅野が頭で落としてスパチョークが鮮やかにネットを揺らす。だが、惜しくも浅野の位置がオフサイドポジションだった。
スペクタクルな攻撃を見せる札幌だったが、85分には馬場も足を痛めての負傷交代という再びのアクシデントに見舞われた。それでも、荒野拓馬とスパチョークがそれぞれ一列下がるスクランブル体制で耐え、虚を突いた谷内田哲平のミドルもGK菅野孝憲がファインセーブ。追加タイムは押し込まれたものの、最後まで集中を切らすことなく試合終了のホイッスルを迎え、札幌が3試合連続の複数得点で3連勝を飾っている。
北海道コンサドーレ札幌 2-1 京都サンガF.C.
【札幌】
金子拓郎(前7)
浅野雄也(後27)
【京都】
パトリック(前41)
開始早々にCKからパトリックがヘディングシュートと、セットプレーを絡めて勢いを持って試合に入った京都だったが、これをしのいだ札幌が試合を動かす。
これを金子がGKに触れられながらも右隅に沈め、札幌が7分に先制点を奪取。得点後には菅大輝の双子誕生を祝福する揺りかごパフォーマンスも披露された。
出はなをくじかれた京都だったが、木村が12分にミドル、直後にも白井康介のクロスから左足と、積極性を披露。球際でも激しくボールにチャレンジする姿勢を前面に押し出すと、同点ゴールは流れるようなパスワークから41分に生まれた。
井上黎生人のクサビを降りてきたパトリックが落とし、川崎颯太が右に展開すると、少ないタッチから白井がスルーパス。右ポケットを取った山田楓喜が左足で対角を狙い、これにパトリックが詰めてタイスコアに戻した。
同点で迎えた後半は札幌が先に動く。前半途中で相手との交錯時に右足を痛めた宮澤裕樹に代え、中村桐耶を送り出しスリーセンターバックの左へ。福森晃斗がボランチに入る。
56分にはドリブル数、クロス数でリーグトップに立つ金子が2枚のDFを抜かずに、間を左のアウトサイドキックで通し、受けた小柏が反転シュートと、J1最多得点数を誇る札幌攻撃陣が異彩を放つ。
だが61分にアクシデントが発生。ここまでリーグ戦フル出場中の田中駿汰が右足首を気にして座り込み、担架に乗ってピッチを後に。急遽、馬場晴也が投入された。
70分過ぎにはカウンターの応酬となるが、これを制したのはホームチーム。途中出場のスパチョークが中央から右へはたき、金子がえぐって柔らかい浮き球で折り返すと、浅野が3試合連続ゴールとなるヘディングを沈めて72分に札幌が勝ち越しに成功した。
勢いづいた札幌はその3分後にも浅野が波状攻撃から左足のフィニッシュ。直後にも駒井善成のフィードを浅野が頭で落としてスパチョークが鮮やかにネットを揺らす。だが、惜しくも浅野の位置がオフサイドポジションだった。
スペクタクルな攻撃を見せる札幌だったが、85分には馬場も足を痛めての負傷交代という再びのアクシデントに見舞われた。それでも、荒野拓馬とスパチョークがそれぞれ一列下がるスクランブル体制で耐え、虚を突いた谷内田哲平のミドルもGK菅野孝憲がファインセーブ。追加タイムは押し込まれたものの、最後まで集中を切らすことなく試合終了のホイッスルを迎え、札幌が3試合連続の複数得点で3連勝を飾っている。
北海道コンサドーレ札幌 2-1 京都サンガF.C.
【札幌】
金子拓郎(前7)
浅野雄也(後27)
【京都】
パトリック(前41)
1
2
木村勇大
金子拓郎
岡村大八
小柏剛
菅大輝
白井康介
井上黎生人
パトリック
川﨑颯太
山田楓喜
中村桐耶
宮澤裕樹
田中駿汰
馬場晴也
駒井善成
荒野拓馬
谷内田哲平
菅野孝憲
北海道コンサドーレ札幌
京都サンガF.C.
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2025.04.29 18:50 Tue
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明治安田J1リーグ第13節の鹿島アントラーズvs東京ヴェルディが12日に県立カシマサッカースタジアムで行われ、3-3のドローに終わった。 前節、柏レイソルとの接戦を2-1で制して3連勝を飾った3位の鹿島。ここにきて結果・内容が伴った好パフォーマンスが続くホームチームは、前節と全く同じスタメンを採用。チャヴリッチは引き続き切り札としてベンチスタートとなった。 一方、ジュビロ磐田との昇格組対決を3-2で制し、今季初のホーム初白星と連勝を飾った10位の東京V。3連勝を狙ったアウェイゲームでは前節から先発5人を変更。保有元との契約によって起用できない林尚輝と染野唯月に加え3選手を入れ替え、山田裕翔、綱島悠斗、山見大登がいずれも今季リーグ戦初スタメン。また、U-23日本代表帰りの山田楓喜が起用された。 山見と木村勇大を2トップに配した[4-4-2]で臨んだ東京Vがいきなりの決定機。開始1分、相手陣内右サイドでのスローインの流れからボックス内の山見が左へのカットインから左足シュートを枠の左に飛ばす。だが、これはGK早川友基の好守に阻まれた。 開始早々のピンチを凌いだ鹿島はこの直後に先制点を奪い切る。3分、右CKの場面でキッカーの名古新太郎が右足アウトスウィングのクロスを入れると、これがニアでクリアを試みた木村の左ヒジ付近に当たる。オンフィールド・レビューの結果、PKが与えられる。これをキッカーの鈴木が冷静に左隅へ蹴り込み、開始5分の先制点とした。 さらに、畳みかけるホームチームは8分、後方での繋ぎから右のタッチライン際でボールを受けた師岡柊生が中央から右へのダイアゴナルランを見せた名古に斜めのスルーパスを入れると、カットを試みたDF山田裕と完全に入れ替わった名古がそのままボックス内に持ち込んでGKマテウスとの一対一を制し、2試合連続ゴールとした。 厳しい立ち上がりの連続失点で動揺も見受けられ、以降も攻守両面で圧倒される東京V。この状況を受け、山見と見木友哉の立ち位置を入れ替えるなど変化を付けて反撃を狙う。30分にはボックス手前中央の好位置で得たFKを山田楓が得意の左足で直接狙うが、このシュートはわずかに落ち切らずにクロスバーを越えた。 前半半ばから終盤にかけては、ようやく落ち着きを取り戻した東京Vが球際の攻防を五分に戻しつつ、中盤や相手陣内でボールを動かす時間を増やしていく。だが、要所を締める鹿島のソリッドな守備を前に決定機まで持ち込むことはできなかった。 ホームチームの2点リードで折り返した後半。ハーフタイムに両ベンチが動く。鹿島は仲間隼斗を下げてチャヴリッチを、東京Vは山田裕を下げて負傷明けの谷口栄斗を投入した。 互いにアグレッシブな入りを見せた中、前半同様に鹿島がファーストチャンスをモノにする。50分、右CKの場面でキッカーの名古が右足アウトスウィングの正確なボールをボックス中央のスペースに上げると、マークを外してフリーになった植田直通がドンピシャのヘディングシュートを右隅に叩き込んだ。 出ばなを挫かれる形で今季最多3失点目を喫した東京V。後半も決定機まで持ち込めない状況が続く中、61分には2枚替えを敢行。綱島と山田楓を下げて齋藤功佑、チアゴ・アウベスを同時投入。前線とサイドに変化を加えると、この交代直後にはボックス内でルーズボールを制した木村にシュートチャンスも、右足のシュートはGK正面を突く。 一方、冷静にゲームを進める鹿島も直後に3枚の交代カード切る。右サイドのユニットを濃野公人と師岡から、須貝英大と藤井智也に入れ替え、さらに名古を下げて樋口雄太をピッチに送り込む。 すると、一連の交代によって試合が動く。69分、左サイドで仕掛けたチアゴ・アウベスの横パスは森田晃樹が収められずも、カウンタープレスで奪い返してペナルティアーク付近の齋藤に短く繋ぐ。ここで齋藤が細かいステップワークからゴール前の密集を抜く左足のグラウンダーシュートをゴール右隅に流し込んだ。 齋藤の今季初ゴールによって息を吹き返したアウェイチームは、ここからギアを上げて攻勢を強めていく。そして、81分には自陣左サイドで見事な縦への突破を見せたチアゴ・アウベスがDF2枚に潰されるも、こぼれを引き取った齋藤が左のスペースを狙う翁長聖にスルーパスを通す。翁長が早いタイミングで入れたクロスをニアの山見がワンタッチでファーに流すと、これに詰めた木村が右足で押し込んで3試合連続ゴールとした。 1点差となって一気に勝敗が分からなくなると、後半終盤の攻防は白熱。6分が加えられた後半アディショナルタイムでは鹿島の鈴木に勝負を決める4点目のチャンスが訪れるが、ここはGKマテウスのビッグセーブに阻まれる。 すると、16年ぶりのJ1の舞台で開幕から幾度も後半最終盤にドラマを起こしてきた緑の名門がこの試合でもドラマを起こす。93分、相手陣内で得たFKの場面でキッカーの翁長がゴール前に入れたボールに谷口が競り勝つと、ゴール左でこぼれに詰めた木村が足に当てたボールを最後は見木が押し込み、土壇場で3点差を追いついた。 その後、チアゴ・アウベスの決定機は枠の左に外れて逆転には至らなかったが、16年ぶりの名門対決に相応しいスペクタクルな一戦は壮絶な3-3のドロー決着となった。 この結果、共に連勝はストップしたものの、ホームで3点差を追いつかれた鹿島にとっては悔やまれる勝ち点逸となった。 鹿島アントラーズ 3-3 東京ヴェルディ 【鹿島】 鈴木優磨(前5) 名古新太郎(前8) 植田直通(後5) 【東京V】 齋藤功佑(後24) 木村勇大(後36) 見木友哉(後45+3) <span class="paragraph-title">【動画】ヴェルディの10番が0-3から引き分けに持ち込む劇的弾</span> <span data-other-div="movie"></span> <blockquote class="twitter-tweet"><p lang="ja" dir="ltr">/<br>アディショナルタイムの脅威<br>\<br><br>翁長のFKから<br>谷口が競り勝ち<br>ゴール前の混戦から最後はNo.10 見木が決めて同点に追いつく!<br><br>これでヴェルディは<br>3試合連続の<br>アディショナルタイムの得点<br><br>明治安田J1第13節<br>鹿島×東京V<br> <a href="https://twitter.com/hashtag/DAZN?src=hash&ref_src=twsrc%5Etfw">#DAZN</a> ライブ配信中<a href="https://twitter.com/hashtag/%E9%B9%BF%E5%B3%B6%E6%9D%B1%E4%BA%ACV?src=hash&ref_src=twsrc%5Etfw">#鹿島東京V</a> <a href="https://t.co/DRcbhKEaBp">pic.twitter.com/DRcbhKEaBp</a></p>— DAZN Japan (@DAZN_JPN) <a href="https://twitter.com/DAZN_JPN/status/1789538687346241588?ref_src=twsrc%5Etfw">May 12, 2024</a></blockquote> <script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script> 2024.05.12 15:10 Sun5
東京Vの城福監督「非効率、間違いもあるけどやり切る」…原点回帰でC大阪撃破へ
東京ヴェルディの城福浩監督が、6日に味の素スタジアムで行われる明治安田J1リーグ第22節のセレッソ大阪戦に向けて会見を行った。 前節、東京Vは横浜F・マリノスとのクラシコに2-1で勝利。前々節のジュビロ磐田戦で喫した0-3の惨敗を払拭し、後半戦初白星を挙げた。 その横浜FM戦では保有元との対戦で起用できなかった試合を除き、リーグ全試合で先発起用してきたFW木村勇大、FW染野唯月の両エースに加え、背番号10のMF見木友哉をベンチスタートとし、MF山田楓喜、FW山田剛綺、FW山見大登を前線で起用する大きな賭けに出た。 さらに、中2日のアウェイ連戦という厳しい状況となったなか、ハイインテンシティのスタイルに原点回帰すると、前半はその3トップが2度追い、3度追いを辞さない、超アグレッシブな守備で全体のスイッチを入れ、ディフェンスラインも強気なライン設定で連動。攻撃面での縦への高い意識を含め相手を圧倒した結果、後半は防戦一方の展開となりながらも、前半奪った2ゴールを守り切って勝ち点3を手にした。 試合後会見で「目をつぶっていた自分がいた」とここ数試合での自身の反省を口にしていた指揮官は、今回の会見で改めてその発言の意図を説明。「非効率」というキーワードと共に、チームと共に昨季のJ2や今季序盤戦で見せていた愚直な戦いを改めて取り戻す必要性があったと語った。 「そこの答え(自身の反省点)はマリノス戦の前半にあったと思います。見ている方があのメンバーのアグレッシブさというのを、相手チームも含めて感じたと思いますし、それは守備におけるスイッチもそうですし、攻撃のときの優先順位もそうですけど、このチームがまずどこで相手を上回らなければいけないかと。それで90分持つはずがないのであれば、それでバトンを渡していけばいい」 「元々のチームの考え方を自分はぶらしたつもりはないですが、それが表現し切れない姿勢があるというところで、自分自身もちょっと言い訳を考えていたというか、彼らの意思疎通が合わなかったとか、お互いの考えているところを合わせなければいけないなとか、多少疲れていたんだろうなとか。納得するような言い訳を考えていた自分がいました」 「ただその効率だけではなくて、多少非効率でもやり切ろうとする。それがこのチームであって、『今の3度追いは無駄だったな』とか、『今のラインの上げ方だと余計に下げなければいけないな』とか、そういう全ての正解の効率を目指すのはこのチームらしくない。どういうサッカーをやりたいか、そのなかには非効率も間違いもあるけれども、やり切るんだというような姿勢を見せることが大事だということを改めて磐田戦のときに感じました」 「実はそれより前の試合でも、自分の中でモヤモヤしたものもありましたし、それでも大量点を取ってたまたま勝ったという試合もありましたけど、本当に我々らしいアグレッシブさを効率性を求めない。ただただ愚直にまずやるという姿勢を見せられたかというと、ちょっとそれを忘れてしまったというよりも、自分が目をつぶっていたというところがあったと思います。そこは本当に目を背けずに、もちろんそのなかでクオリティも求めるというところが、このチームの成長に繋がっていくのではないかなと思います」 原点回帰と共に同試合では後半戦に向けたチーム内競争という部分でも、契機となる兆しも窺えた。途中出場が続いたなか、スタメン抜擢で結果を残した選手が自信や手応えを得た一方、スタメンを外れた選手は勝利のなかでも悔しさを隠さず。強い刺激を受け取った印象だ。 その点について城福監督は「今まで出ていた選手が何とも思わないわけがない。そういう気持ちがあってしかるべきで、逆に今まで出られなかった選手の思いがどれだけ強かったかということ。そういう選手の活躍だけではないですけど、彼ら自身の思いというのが、ピッチの上で見ていても伝わってきましたし、それで勝ち点3を取れた」と、各選手のリアクションをポジティブに受け止める。 その上で「これをプラスのサイクルにしなければいけない。このチームはレギュラーとして絶対の選手はもちろんいないですけど、今まで核になってきたという事実があるなかで、これでまた新たな競争のフェーズに入ったと思います」、「高いレベルの競争のなかで、自分のチョイスがより苦労していく。あるいは相手によって変えられるような選択肢があるというような状況に、以前よりはなってきたと思います。他のポジションでももっとそういう状況というのを作っていきたいと思うので、『高いレベルの競争になった』と言われるためにも、セレッソ戦でしっかりと勝ち点3を取るということが大事」と、活性化しつつあるポジション争いを歓迎した。 これでトップハーフの10位に再浮上したチームは、開幕3戦目で1-2の敗戦を喫したC大阪相手に後半戦最初の連勝を狙う。 その前回対戦では相手の両サイドバックに大苦戦を強いられたが、毎熊晟矢が移籍、登里享平が負傷離脱で不在となり、C大阪自体も布陣や戦い方にマイナーチェンジを施している。 そういったなか、城福監督は直近2連勝且つ7戦無敗で5位に浮上してきた相手について「これまではかなり属人的な、人から逆算した独特なサッカーをやっていた。それが移籍であったり、ケガ人が出ていますが、元々メンバーの技術は高いチームで、そういうメンバーを揃えている。しかも交代選手のレベルも非常に高いという意味で、元々スキルが高いなかでも、より前線の個人的な能力から逆算した前に速いサッカー。そこの威力が増してきているなと思います。足元の技術は確かだけれども、どちらも選択できるのであれば、より前線の特長を活かすというところで、共通認識を持って今はやっている」と、その印象について語っている。 また、これまでFC東京、ヴァンフォーレ甲府、サンフレッチェ広島、東京Vと4クラブを指揮してきた63歳の指揮官は、今回のC大阪戦でJリーグ公式戦(リーグ戦&リーグカップ)で通算500試合の指揮を達成することになる。 その数字に関して「そういう数字を拾ってくれたこと。このクラブでその試合を迎えることができるというのはすごく嬉しく思います」とクラブへの感謝を示しつつも、「自分はまだまだ戦っている最中の人間なので、その数字に関して何かあるかと言われるとそれはない。本当の通過点のうちのひとつだと思います」と、あくまで通過点だと語った。 ただ、長きに渡る監督キャリアを振り返り、自身が携わってきた選手たちに対して、「もっといいアプローチができたのではないか」と自問自答を繰り返してきたことを明かしている。 「その数字を聞いて思うのは、いろんな選手とそれだけ接しさせてもらったということを改めて思いますし、選手が成長して、チームが成長することが自分の存在意義。そうではないと自分の存在意義がないわけで、やはり選手とともに、そのときそのときで彼らと接するなかで、彼らが本当に一生懸命やってくれたからこその今なんだなと思います」 「今も自分はまだまだだと思っているので、日々選手とともに、チームを作っている最中なので、勉強している最中ですけど、今までの若い頃という言い方がいいのか、10年前の自分が果たして、若い選手に自信を持たせてやれたのか、中堅の選手に成長を促せたのか、ベテランの選手の背中を押せたのかと。今まで携わってきた選手を思い浮かべると、もうちょっとやれたのではないかという思いがすごく強いです」 「今の自分が十分ではないけれども、今だったらもう少しやってあげられたのではないかと。そのときはそのときで自分は精一杯のつもりですけど、それが配慮なのか、彼らの迷いを払拭させることなのか、勇気を持たせることなのかはわかりませんけどそういう選手たちを思い出すと、『申し訳ないな』という表現がいいかどうかはわからないですけど、もっとやれたことがあったのではないかという思いがすごくあります。今でもピッチの上で以前携わった選手に会うこともあれば、もう引退している選手と会うこともありますけど、まず心の中で浮かんだり、実際に口に出すのは、『本当に昔は悪かったな』と、もっといいアプローチができたのではないかという思いは常に持っています」 そういった自戒の思いを語りながらも、若きスカッドと共にさらなる成功へ歩みを進める指揮官は、「最終的に何が目標かはわからない」としながらも指導者としての今後の目標についても語った。 「一試合一試合、成長する証というのは、やっぱり勝つことというのが、一番形としてはっきりしていますが、全勝させられる監督はなかなかいない。やはり選手がこのチームでいて、この監督とやって、年齢が何歳であろうが、成長を感じられるような存在でありたい。それを手助けできるような存在でありたいと思っていますし、全員にそれをアプローチできるかどうかはわかりませんけど、そういうふうに思ってもらえる選手が1人でも自分の接したなかで、多くいてほしいという思いはあります」 「ひょっとしたらそれは勝利という目の前の結果よりも、指導者としての立場の自分からすると、形ではないかもしれないけどそれはすごく大きな勲章になるんだろうなと。ただ、結果を出さないと、そういう立場にはいられないので、とにかく彼らの成長を促しながら、結果を出すということに邁進して、最終的に何が目標かというとちょっと僕もわからないです。何か到達点があるかというと、おそらくもう少しでも先に進めばもっと足りないものが見えてくるでしょうから、目の前のことをやるだけです」 自身のメモリアルゲームに対する思いを脇においた城福監督だが、野心的な指揮官の下で着実に成長を続ける緑の若武者と共に、難敵撃破で節目の一戦を白星で飾ることはできるか…。 2024.07.05 21:15 Fri北海道コンサドーレ札幌の人気記事ランキング
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Jリーグが理念強化配分金とファン指標配分金の支給額を発表! 「DAZN」ベースのファン指標分配金の1位は浦和、最下位はYSCCに…連覇神戸は5.5億円
Jリーグは25日、2025年度理念強化配分金の支給対象候補クラブ、2024年度ファン指標配分金支給対象クラブを発表した。 理念強化配分金は、2023年の明治安田生命J1リーグで1位から10位に対して送られるもの。20チーム制に変更となったために1チーム増えることとなった。また、2024シーズン年間ファン指標順位(DAZN視聴者数等1~10位)に基づいても支給される。 競技面では連覇を達成したヴィッセル神戸から10位のセレッソ大阪までに支給され、神戸は2025年、2024年にそれぞれ2億5000万円ずつを手にする。なお、2023年も優勝したため、その分の2億5000万も今回支給される。また、2位のサンフレッチェ広島には2年間で1億8000万円ずつ、3位のFC町田ゼルビアは、1億5000万円(2025年)と7000万円(2026年)を手にする。なお、2023年2位の横浜F・マリノスには1億8000万円、3位の広島には7000万円がしキュされる。 また、ファン指標順位は1位は2024年も浦和レッズとなり1億7000万円。2位が鹿島アントラーズで1億2000万円、3位が横浜FMで7000万円と続き、10位は名古屋グランパスで1000万円となった。なお、競技順位で10位以内に入っていないクラブでは、1位の浦和、10位の名古屋に加え、8位に北海道コンサドーレ札幌が入り2000万円となった。 さらに、「ファン指標配分金」として、13億6000万円をJリーグの全60クラブに分配。これは、2024シーズンのDAZN視聴者数やDAZNシーズンパス販売実績等で配分され、1位が浦和で8921万5930円。2位が横浜FMで7945万2984円、3位が川崎フロンターレで6648万1993円となっている。なお、最下位はY.S.C.C.横浜となり182万4625円が分配される。 <h3>◆理念強化配分金(競技)/総額11億2000万円</h3> 1位:ヴィッセル神戸 1年目ー2億5000万円、2年目ー2億5000万円 2位:サンフレッチェ広島 1年目ー1億8000万円、2年目ー1億8000万円 3位:FC町田ゼルビア 1年目ー1億5000万円、2年目ー7000万円 4位:ガンバ大阪 1年目ー1億5000万円、2年目ーなし 5位:鹿島アントラーズ 1年目ー1億2000万円、2年目ーなし 6位:東京ヴェルディ 1年目ー9000万円、2年目ーなし 7位:FC東京 1年目ー6000万円、2年目ーなし 8位:川崎フロンターレ 1年目ー5000万円、2年目ーなし 9位:横浜F・マリノス 1年目ー4000万円、2年目ーなし 10位:セレッソ大阪 1年目ー3000万円、2年目ーなし <h3>◆理念強化配分金(人気)</h3> 1位:浦和レッズ/1億7000万円 2位:鹿島アントラーズ/1億2000万円 3位:横浜F・マリノス/7000万円 4位:ヴィッセル神戸/5000万円 5位:川崎フロンターレ/4000万円 6位:サンフレッチェ広島/3000万円 7位:ガンバ大阪/2000万円 8位:北海道コンサドーレ札幌/2000万円 9位:FC町田ゼルビア/1000万円 10位:名古屋グランパス/1000万円 <h3>◆ファン指標配分金</h3>(昨年との金額比較) 1位:浦和レッズ/8921万5930円(↑) 2位:横浜F・マリノス/7945万2984円(↑) 3位:川崎フロンターレ/6648万1993円(↓) 4位:鹿島アントラーズ/6598万4095円(↓) 5位:ヴィッセル神戸/6491万8131円(↑) 6位:ガンバ大阪/5864万8883円(↑) 7位:名古屋グランパス/5851万4812円(↓) 8位:北海道コンサドーレ札幌/5315万3249円(↑) 9位:FC東京/4924万9886円(↑) 10位:サンフレッチェ広島/4572万5356円(↑) 11位:FC町田ゼルビア/4558万3908円(↑) 12位:アルビレックス新潟/4466万3143円(↓) 13位:ジュビロ磐田/4426万2918円(↑) 14位:セレッソ大阪/3988万8434円(↓) 15位:サガン鳥栖/3834万3648円(↑) 16位:柏レイソル/3695万3904円(↓) 17位:湘南ベルマーレ/3554万5920円(↓) 18位:東京ヴェルディ/3459万9966円(↑) 19位:京都サンガF.C./3438万1632円(↑) 20位:清水エスパルス/3362万962円(↓) 21位:アビスパ福岡/3259万3587円(↓) 22位:ベガルタ仙台/2298万6246円(↑) 23位:V・ファーレン長崎/1758万2571円(↑) 24位:大分トリニータ/1716万3388円(↑) 25位:ファジアーノ岡山/1704万1315円(↑) 26位:横浜FC/1664万9981円(↓) 27位:ジェフユナイテッド千葉/1608万1426円(↓) 28位:モンテディオ山形/1442万3396円(↓) 29位:ヴァンフォーレ甲府/1362万8966円(↓) 30位:松本山雅FC/1324万9873円(↑) 31位:ロアッソ熊本/1008万4227円(↓) 32位:栃木SC/983万8888円(↓) 33位:徳島ヴォルティス/934万7583円(↓) 34位:RB大宮アルディージャ/925万5971円(↓) 35位:ザスパ群馬/888万8344円(↓) 36位:レノファ山口FC/886万2864円(↓) 37位:いわきFC/878万641円(↓) 38位:鹿児島ユナイテッドFC/825万2572円(↑) 39位:愛媛FC/768万2897円(↑) 40位:水戸ホーリーホック/718万9579円(↓) 41位:藤枝MYFC/708万1435円(↓) 42位:ツエーゲン金沢/622万6288円(↓) 43位:ブラウブリッツ秋田/619万6520円(↓) 44位:カターレ富山/481万4398円(↑) 45位:ギラヴァンツ北九州/459万264円(↓) 46位:FC岐阜/396万9504円(↓) 47位:SC相模原/341万1253円(↓) 48位:FC今治/327万7554円(↓) 49位:AC長野パルセイロ/317万8338円(↓) 50位:カマタマーレ讃岐/313万7389円(↓) 51位:FC琉球/309万4569円(↓) 52位:福島ユナイテッドFC/288万7440円(↑) 53位:ガイナーレ鳥取/282万3403円(↓) 54位:ヴァンラーレ八戸/265万6822円(↓) 55位:いわてグルージャ盛岡/261万6733円(↓) 56位:アスルクラロ沼津/251万5766円(↓) 57位:テゲバジャーロ宮崎/237万4594円(↑) 58位:FC大阪/226万1536円(↑) 59位:奈良クラブ/223万1534円(↓) 60位:Y.S.C.C.横浜/182万4625円(↓) 2025.02.25 17:40 Tue2
2025シーズンのホームグロウン制度、14クラブが不遵守も罰則なし…最多はFC東京の15名
Jリーグは22日、各クラブの2025シーズンのホームグロウン選手の人数を発表した。 ホームグロウン制度は、各クラブが選手育成にコミットし、アカデミーの現場を変えていくことを目的に導入したもの。12歳の誕生日を迎える年度から21歳の誕生日を迎える年度までの期間において、990日以上、自クラブで登録していた選手が対象となる。 期限付移籍の選手は、移籍先クラブでの登録となり、21歳以下の期限付移籍選手の育成期間は、移籍元クラブでカウント。JFA・Jリーグ特別指定選手は、ホームグロウン選手とはみなされない。 2025シーズンに関しては、J1のクラブは4名、J2・J3のクラブは2名以上と定められている中、14クラブが不遵守となっており、昨シーズンから2クラブ増えることとなった。 明治安田J2リーグではいわきFCと藤枝MYFCが昨シーズンに続いて「0人」、明治安田J3リーグではヴァンラーレ八戸、福島ユナイテッドFC、栃木シティ、SC相模原、FC大阪、高知ユナイテッドSC、テゲバジャーロ宮崎が「0人」、ザスパ群馬、FC岐阜、奈良クラブが「1人」となっている。 これまで不遵守となったクラブは、翌シーズンのプロA契約選手の「25名枠」から不足人数分減じられることとなっていたが、2026シーズンからはプロ契約の区分が撤退されるため、処分はない。 なお、全部60クラブで最も多くホームグロウン選手を登録しているのはFC東京で15名。続いて13名の鹿島アントラーズとサンフレッチェ広島、12名の柏レイソル、11名の川崎フロンターレ、RB大宮アルディージャと続いている。 <h3>◆明治安田J1リーグ(合計160人)</h3> 鹿島アントラーズ:13人 浦和レッズ:7人 柏レイソル:12人 FC東京:15人 東京ヴェルディ:9人 FC町田ゼルビア:4人 川崎フロンターレ:11人 横浜F・マリノス:9人 横浜FC:4人 湘南ベルマーレ:8人 アルビレックス新潟:7人 清水エスパルス:7人 名古屋グランパス:5人 京都サンガF.C.:8人 ガンバ大阪:8人 セレッソ大阪:7人 ヴィッセル神戸:6人 ファジアーノ岡山:2人 サンフレッチェ広島:13人 アビスパ福岡:5人 <h3>◆明治安田J2リーグ(合計83人)</h3> 北海道コンサドーレ札幌:8人 ベガルタ仙台:4人 ブラウブリッツ秋田:2人 モンテディオ山形:4人 いわきFC:0人 水戸ホーリーホック:1人 RB大宮アルディージャ:11人 ジェフユナイテッド千葉:5人 ヴァンフォーレ甲府:7人 カターレ富山:2人 ジュビロ磐田:6人 藤枝MYFC:0人 レノファ山口FC:2人 徳島ヴォルティス:3人 愛媛FC:3人 FC今治:2人 サガン鳥栖:7人 V・ファーレン長崎:5人 ロアッソ熊本:4人 大分トリニータ:7人 <h3>◆明治安田J3リーグ(合計40人)</h3> ヴァンラーレ八戸:0人 福島ユナイテッドFC:0人 栃木SC:3人 栃木シティ:0人 ザスパ群馬:1人 SC相模原:0人 松本山雅FC:9人 AC長野パルセイロ:3人 ツエーゲン金沢:2人 アスルクラロ沼津:8人 FC岐阜:1人 FC大阪:0人 奈良クラブ:1人 ガイナーレ鳥取:2人 カマタマーレ讃岐:2人 高知ユナイテッドSC:0人 ギラヴァンツ北九州:4人 テゲバジャーロ宮崎:0人 鹿児島ユナイテッドFC:2人 FC琉球:2人 2025.04.22 22:10 Tue3
札幌、MF菊地直哉を完全移籍で獲得 2016年夏に鳥栖より期限付き加入
▽北海道コンサドーレ札幌は13日、サガン鳥栖に所属する元日本代表MF菊地直哉(33)の完全移籍加入を発表した。 ▽菊地は、これまでジュビロ磐田、アルビレックス新潟、FCカールツァイス・イェーナ(ドイツ)、大分トリニータでプレー。2016年7月から期限付き移籍で札幌に加わり、2017シーズンは明治安田生命J1リーグ16試合に出場した。 ▽来シーズンも引き続き札幌でプレーすることになった菊池は、両クラブ公式サイトを通じて、次のようにコメントしている。 ◆北海道コンサドーレ札幌 「北海道コンサドーレ札幌に関わる全ての皆様、2018年より完全移籍でお世話になります。プレーヤーとしてのレベルを上げ、良いプレー披露したいと思いますので宜しくお願いします」 ◆サガン鳥栖 「2018シーズン、札幌に完全移籍することを決めました。鳥栖でプレーした2013年から2016年はとてもいい時間でした。ありがとうございました。本当に全てが良い思い出です。熱い素晴らしい気持ちを持ったたくさんの選手とプレー出来た事は僕の財産です。チームは別々になってしまいますが、元鳥栖の選手の繋がりは様々な所にあり、助けられています。この繋がりをこれからのチームでも、引退した後も大切にしたいと思います。鳥栖サポーターのみなさん、3年間応援ありがとうございました。元鳥栖の選手として頑張ります!これからもよろしくお願いします!」 2017.12.13 15:55 Wed4
J昇格請負人だったウーゴ・マラドーナの訃報/六川亨の日本サッカー見聞録
昨年末のこと、残念なニュースが飛び込んできた。一昨年末に亡くなったディエゴ・マラドーナの末弟であるウーゴ・マラドーナ(52歳)が急逝したとの報道だ。死因はナポリにある自宅で心臓発作を起こしたらしい。 ディエゴ自身もこれまで放映された映画やアマゾンTVが放送しているドラマなどで、ナポリ時代に薬物に手を出したことを告白している。もしかしたらウーゴも同じ道を辿ったとしたら、兄ディエゴは“英雄"だったかもしれないが、ファミリーにとってナポリ時代は悔やまれてならない。 ウーゴの存在を身近に知ったのは、92年に浜松市をホームにするPJMフューチャーズに加入した時だった。 PJMは、アメリカ人のポール・J・マイヤーが開発した人材育成のための能力開発システムで、当時、本田技研の研修を担当していた桑原勝義氏が興味を持ったことから“おとぎ話"はスタートした。桑原は藤枝東高時代に高校選手権で優勝し、その後は日本代表にも選ばれた好選手で、本田サッカー部の監督も歴任した(現JFL理事長)。 桑原氏の夢は、一貫した育成システムで育てた選手を2002年のW杯で日本代表に送り込むことだった。そのために本田を辞め、87年にクワバラスポーツクラブと、本田サッカー部の選手を中心にしたPJMフューチャーズを立ち上げた。 当初の予定は7年後の94年にJSL(日本サッカーリーグ)1部入りを果たすことだったが、時代はJリーグ創設へと動き出した。 Jリーグ入りへ、静岡からはJSL1部のヤマハと本田に加え、県リーグ所属の清水クラブ(後の清水エスパルス)の4チームが名乗りを上げた(その後は中央防犯、現アビスパ福岡もJリーグ入りを表明)。後発であり劣勢が否めないPJMにとって、Jリーグ入りへ起死回生の策だったのが当時29歳のディエゴ・マラドーナの獲得だった。 90年7月、PJMフューチャーズのオーナーでありPJMジャパンの社長の有田平は「移籍金は20億円以上、年俸も希望次第」と発表した。しかしナポリとの契約が93年5月まで残っていたため、マラドーナの獲得は夢のまま終わった。 そんなPJMフューチャーズに転機が訪れたのは東海リーグに昇格した91年、マラドーナ3兄弟の末弟であるウーゴを獲得したことだった。兄に似てずんぐりむっくりの体型のウーゴは、「背番号10は兄ディエゴのためにとっておく」と話していた。ディエゴの夢である「兄弟3人(ラウルとウーゴ)でプレーする」ための布石ではないかと報道されることもあった。 残念ながら兄ディエゴは90年イタリアW杯後の91年にコカイン服用の疑いでイタリア警察から告発され、FIFAからは15ヶ月の出場停止処分を受け、兄弟が揃って日本でプレーする夢はかなわなかった。 それでもウーゴはPJM(後の鳥栖フューチャーズ)でプレーした92年から94年の3年間(東海リーグとJFL)で49試合出場31ゴール、95年は福岡ブルックスに移籍し、JFLでは27試合出場で27ゴールを奪ってJリーグ昇格に貢献、97年には札幌でもチームをJリーグ昇格へと導いた。 偉大すぎる兄と比較されながらも、そのひたむきなプレーは鳥栖や福岡、札幌のファン・サポーターの脳裏に焼き付いているのではないだろうか。遅ればせながら、哀悼の意を表します。 2022.01.10 12:30 Mon5

