日本対中国。他国の取りこぼしに納得/六川亨の日本サッカー見聞録
2024.09.06 19:00 Fri
2点目を奪うのに時間がかかったものの、前半を終えた段階で中国の疲弊度から隣の記者とも「これは5-0ペースだね」と話し合ったものだ。結果は7-0の圧勝だった。アジア2次予選のミャンマー戦やシリア戦から三笘薫や伊東純也が復帰。DF冨安健洋と伊藤洋輝はケガで不参加だったものの、森保一監督が指摘する「個の成長」が間違いなく日本のレベルアップにつながっていることを実感した中国戦だった。
むしろ意外だったのは、グループCでオーストラリアが退場者を出したとはいえバーレーンに0-1で敗れたことと、サウジアラビアもホームでインドネシアと1-1で引分けたこと。さらにグループBでは韓国もホームでパレスチナと0-0で引分けたことだ。
とはいえバーレーンは昔から中東の中堅国で日本も過去に何度か痛い目に遭っている。今年1月のアジアカップでも韓国を抑えてグループリーグを首位で突破した実力国だ。そしてインドネシアも近年は東南アジアでの成長が著しい。アジアカップでは日本と同グループで1-3と敗れたもののライバルのトルシエ・ベトナムを1-0で下してベスト16に進出している(パレスチナも戦禍にありながらUAEと1-1で引分けるなど健闘した)。
それに比べて、今回の予選の試合をテレビで見たわけではないが、アジアカップでの印象からするとオーストラリアも韓国も、そしてサウジアラビアも世代交代がうまく進んでいない気がした。どの国も“野性味”あふれる選手が出現するものの、それが持続しないのと、チーム力に反映されていない印象が強いのだ。
アジアサッカーの勢力図をJリーグに例えると、というとお叱りを受けるのは重々承知だ。それでも感じるのは、これまでのアジアの強国、韓国を始めサウジアラビア、イラン、オーストラリア、そして日本も同じだったと思うが、現在の横浜FMのように(前線の)突出した選手のタレント力に頼ったサッカーをしてきた。それはそれでストロングポイントであるし、日本以外も現在は続いている。なんてったって楽である。
しかし現在の日本は、横浜FMのようなスタイルではなく、川崎Fの全盛時のように(現代表には谷口彰悟、板倉滉、守田英正、三笘薫、田中碧、高井幸大に加えて中国戦は出番のなかった旗手怜央もいるが)、全選手が海外リーグでもまれたフィジカルの強さやインテンシティに加え、高いスキルと戦術眼を併せ持ちながら、それを共有できている。これが森保ジャパンの強みである。
こうしたスタイルを構築するには時間がかかり、代表チームでは難しいものだが、森保監督は8年間という長期の任期でトライしている。そして予選突破は当り前のノルマになる。ではW杯ベスト8を達成できるか。それは現段階では見守るしかないと言いようがないだろう。
文・六川亨
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中国は、前半は4-4-2、後半は5-3-2で守備を固めてきた。勝てないまでも、少しでも失点を回避してW杯出場に望みをつなごうというプランだったのだろう。しかし三笘と久保建英がボールを持つと、SBとサイドMFに加え、時にはボランチも含め3人がかりでドリブルを阻止しようとした。その試み自体は悪くない。プレミアリーグでもリーガ・エスパニョーラでも見られるシーンだからだ。だが、“個の強さ”が違った。突破を阻止、もしくはボールを奪えないと必然的に数的不利な状況を強いられる。日本は3BKとボランチで余裕を持ってボールを回しながら、中国DF陣に綻びが出るのを待っていればよかった。その間隙を逃さなかったのが3点目と4点目を決めて中国の息の根を止めた南野拓実である。これで南野は代表通算23ゴール。現メンバーで最多ゴールを誇っているだけに、森保監督としても今後もスタメンから外すわけにはいかないだろう。とはいえバーレーンは昔から中東の中堅国で日本も過去に何度か痛い目に遭っている。今年1月のアジアカップでも韓国を抑えてグループリーグを首位で突破した実力国だ。そしてインドネシアも近年は東南アジアでの成長が著しい。アジアカップでは日本と同グループで1-3と敗れたもののライバルのトルシエ・ベトナムを1-0で下してベスト16に進出している(パレスチナも戦禍にありながらUAEと1-1で引分けるなど健闘した)。
これまで東南アジアではタイが頭一つ抜けていると思っていたが、アジアカップでのインドネシアは欧州でプレーする選手が増えるなど着実にレベルアップしている。11月15日のアウェーの試合は警戒する必要があるだろう。
それに比べて、今回の予選の試合をテレビで見たわけではないが、アジアカップでの印象からするとオーストラリアも韓国も、そしてサウジアラビアも世代交代がうまく進んでいない気がした。どの国も“野性味”あふれる選手が出現するものの、それが持続しないのと、チーム力に反映されていない印象が強いのだ。
アジアサッカーの勢力図をJリーグに例えると、というとお叱りを受けるのは重々承知だ。それでも感じるのは、これまでのアジアの強国、韓国を始めサウジアラビア、イラン、オーストラリア、そして日本も同じだったと思うが、現在の横浜FMのように(前線の)突出した選手のタレント力に頼ったサッカーをしてきた。それはそれでストロングポイントであるし、日本以外も現在は続いている。なんてったって楽である。
しかし現在の日本は、横浜FMのようなスタイルではなく、川崎Fの全盛時のように(現代表には谷口彰悟、板倉滉、守田英正、三笘薫、田中碧、高井幸大に加えて中国戦は出番のなかった旗手怜央もいるが)、全選手が海外リーグでもまれたフィジカルの強さやインテンシティに加え、高いスキルと戦術眼を併せ持ちながら、それを共有できている。これが森保ジャパンの強みである。
こうしたスタイルを構築するには時間がかかり、代表チームでは難しいものだが、森保監督は8年間という長期の任期でトライしている。そして予選突破は当り前のノルマになる。ではW杯ベスト8を達成できるか。それは現段階では見守るしかないと言いようがないだろう。
文・六川亨
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「中盤の底で堅実な選択肢」「エネルギッシュなプレー」1カ月ぶりの先発、リバプールMF遠藤航の守備は評価も攻撃面は指摘「スロットを苛立たせた」
久々の先発出場を果たしたリバプールの日本代表MF遠藤航はまずまずの評価となった。 30日、リバプールはカラバオカップ(EFLカップ)4回戦でブライトン&ホーヴ・アルビオンと対戦した。 遠藤は実に1カ月ぶりの先発出場。今季6試合目の出場となった。一方の日本代表MF三笘薫はベンチスタートとなり、後半途中出場もピッチ上で遠藤と対面はならなかった。 試合は前半は互いにゴールに迫るチャンスを作るも、両GKの好セーブもあり得点が生まれず。それでも46分、リバプールはコーディ・ガクポが先制ゴールを決めると、63分にもガクポが追加点を決める。 ブライトンは81分に1点を返すが、85分にルイス・ディアスが決めてリーバプールがリードを広げることに。90分に反撃を許すが、2-3で勝利を収めた。 遠藤はアンカーとしてプレーし64分にトレイ・ニョニと交代してピッチを後に。現地メディアは守備面での評価はするものの、攻撃面でのクオリティに注文をつけた。 <h3>◆イギリス『This is Anfield』/ 6点(10点満点)</h3> 「中央でボールを奪い返そうとする点では、かなり激しいプレーを見せたが、リズムが欠けていることを考えると当然のことながら、パスは安全または後方に出ることが多く、タッチライン上でスロットを何度も苛立たせていた」 「コーディ・ガクポが1vs1で戦うチャンスだったはずのボックス内への通常のパスを強く出しすぎてしまった」 「60分にグラフェンベルフがターンを見せたが、リバプールの選手が近くにいない中で、そのままファン・ヘッケにパスを送ってしまった」 <h3>◆イギリス『リバプール・エコー』/ 6点(10点満点)</h3> 「最初の10分間は調子が悪かったが、その後はいつも通りのエネルギッシュな中盤のプレーで落ち着いていた。しかし、時々不注意なところもあった。警告を受けて交代した」 <h3>◆イギリス『90min』/ 5点(10点満点)</h3> 「ブライトンがプレッシャーをかけてきた時、ボールを保持しているときに完全に落ち着いているようには見えなかったことで、スロットの下で序列が下がった」 <h3>◆イギリス『Liverpool.com』 / 6点(10点満点)</h3> 「相変わらず機能的だった。ボールの保持は限られているが、最終的にはリバプールの中盤の底で堅実な選択肢となった」 「恐ることなく足を踏み入れたが、創造性やボールのクオリティという点では大きなことはできなかった。タックルが遅くなってしまいボールから大きく外れたために警告を受けた」 <span class="paragraph-title">【動画】久々先発の遠藤航!三笘薫との対決ならず</span> <span data-other-div="movie"></span> <script>var video_id ="KsXx-T9lKKs";var video_start = 37;</script><div style="text-align:center;"><div id="player"></div></div><script src="https://web.ultra-soccer.jp/js/youtube_autoplay.js"></script> 2024.10.31 13:55 Thu日本代表の人気記事ランキング
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フェイエノールトの日本代表FW上田綺世が試合中に負傷。日本代表の活動にも影響が出てしまいそうだ。オランダ『テレグラーフ』が伝えた。 30日、エールディビジ第4節延期分でフェイエノールトはホームにアヤックスを迎えた。 首位のPSVを追いかけるフェイエノールトとアヤックス。前節は負傷欠場した上田は[4-2-3-1]の1トップで先発出場した。 メキシコ代表FWサンティアゴ・ヒメネスが負傷離脱中の中、チームの得点源として期待されている上田。チャンピオンズリーグ(CL)でも初ゴールを決めるなど、好調を維持していたが、前節のユトレヒト戦はケガの影響でメンバー外となっていた。 その上田はアヤックス戦で復帰したが、0-2とリードされていた40分で交代。チームも0-2で敗れた。 試合後の記者会見に出席したブライアン・プリスケ監督が途中交代のUedaについて言及。負傷し、しばらくはプレーできないと語った。 「良くないようだ。彼はハムストリングを負傷している。数週間、彼に会えなくなるかもしれない」 ストライカー2人を負傷で欠くこととなったフェイエノールト。ヒメネスについても「彼が12月まで彼が戻ってくるとは思わない。彼が我々を助けてくれるとは思えない」と、離脱が続くと言及した。 日本代表のエースでもある上田だが、ハムストリングの負傷となれば11月の日本代表活動の参加は厳しいものに。2026年北中米ワールドカップ(W杯)アジア最終予選では、アウェイでインドネシア代表、中国代表との連戦が待っている中、森保一監督もストライカーの人選を悩むことになりそうだ。 <span class="paragraph-title">【動画】大量の犬に囲まれる上田綺世と妻の由布菜月さん</span> <span data-other-div="movie"></span> <blockquote class="instagram-media" data-instgrm-captioned data-instgrm-permalink="https://www.instagram.com/p/DBbKWkzPp_r/?utm_source=ig_embed&utm_campaign=loading" data-instgrm-version="14" style=" background:#FFF; border:0; 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overflow:hidden; padding:8px 0 7px; text-align:center; text-overflow:ellipsis; white-space:nowrap;"><a href="https://www.instagram.com/p/DBbKWkzPp_r/?utm_source=ig_embed&utm_campaign=loading" style=" color:#c9c8cd; font-family:Arial,sans-serif; font-size:14px; font-style:normal; font-weight:normal; line-height:17px; text-decoration:none;" target="_blank">由布菜月 / Natsuki Yufu(@yufudayo)がシェアした投稿</a></p></div></blockquote> <script async src="//www.instagram.com/embed.js"></script> 2024.10.31 16:05 Thu3
日本戦控える中国代表のメンバーが発表 概ね順当も帰化組FWア・ランは招集外、代わりに不気味な187cmFWが名を連ねる
中国代表の11月招集メンバーが発表された。 19日に厦門で日本代表と対戦する中国代表。累積警告リーチが主力に多いゆえ、26〜27選手の招集が濃厚と国内で伝えられていたなか、その通り27名が今回のリストに名を連ねた。 チームの軸は、これまで通り。 ブランコ・イバンコビッチ体制で正守護神となったGKワン・ダーレイ(山東泰山)、リバプール生まれのDFジャン・グアンタイ(ティアス・ブラウニング/上海海港)、現体制での初招集から中軸となったMFシェ・ウェンネン(北京国安)、主砲のFWウー・レイ(上海海港)などなど。 また、2-1勝利のインドネシア代表戦でスコアラーとなったFWベイヘラム・アブドゥウェリ(深セン新鵬城)、FWチャン・ユーニン(北京国安)も順当に選出。ACLEの川崎F戦で鋭いドリブルを披露したブラジル出身FWフェイ・ナンドゥオ(上海申花)も招集されている。 一方で、こちらもブラジル出身FWア・ラン(青島海牛)は、中国メディアいわく「コンディション不良」で招集外に。これも念頭に置いてか、今回の中国代表はFW登録が8人おり、その中には、なんとも不気味な存在が。 北京国安のFWワン・ツーミン(28)。 過去に5キャップを持つ一方、北京国安でのスタメン起用がほぼ皆無で、終盤のジョーカー投入がほとんどという187cmストライカー。そんななかでも今季リーグ戦19試合6得点…「39分間に1得点」と高い決定力を披露した。 中国代表は14日にW杯アジア最終予選C組第5節でバーレーン代表戦(A)を戦い、19日の第6節で日本代表とのホームゲームを戦う。 <h3>◆中国代表メンバー27名</h3> GK ヤン・チュンリン(上海海港) ワン・ダーレイ(山東泰山) ハン・ジアチー(北京国安) リュー・ジャンズオ(武漢三鎮) DF ジャン・グアンタイ(上海海港) ウェイ・ジェン(上海海港) ガオ・チュンイー(山東泰山) フー・ヘタオ(成都蓉城) チュー・チェンジエ(上海申花) ヤン・ゼシャン(上海申花) ジャン・シェンロン(上海申花) MF リー・ユアンイ(山東泰山) チェン・ジン(浙江FC) シュ・ハオヤン(上海申花) ワン・ハイシャン(上海申花) リー・レイ(北京国安) カオ・ヨンジン(北京国安) ワン・シャンユエン(河南FC) FW ウー・レイ(上海海港) シェ・ウェンネン(山東泰山) ウェイ・シーハオ(成都蓉城) フェイ・ナンド(上海申花) チャン・ユーニン(北京国安) リン・リャンミン(北京国安) ワン・ツーミン(北京国安) タオ・チャンロン(武漢三鎮) ベイヘラム・アブドゥウェリ(深圳新鵬城) 2024.11.05 15:07 Tue4
槙野智章の引退試合の出場選手が発表! 「MAKINO JAPAN」の監督は本田圭佑、「KOBE STARS」にはポドルスキの名前も!
ヴィッセル神戸は16日、元日本代表DF槙野智章の引退試合「槙野智章 大感謝祭 ~1日限りのワッショイ劇場~」の出場選手を発表した。 サンフレッチェ広島、ケルン、浦和レッズ、そして神戸と4つのクラブで現役時代を過ごした槙野。日本代表としても2018年のロシア・ワールドカップに出場し、そのキャラクターも相まって愛される選手として引退した。 引退後はタレント業や解説者、そして現在は品川CCで監督も務める槙野氏。12月14日(土)に引退試合が行われる中、出場選手が発表された。 カードは「MAKINO JAPAN」と「KOBE STARS」の対戦に。「MAKINO JAPAN」は、日本代表で共にプレーした選手たちで構成され、監督は本田圭佑が務めることに。メンバーでは、現役選手ではMF香川真司(セレッソ大阪)、MF乾貴士(清水エスパルス)、MF原口元気(浦和レッズ)、DF森重真人(FC東京)、GK西川周作(浦和レッズ)らが参加。また神戸の選手でもある、FW大迫勇也、FW武藤嘉紀、DF酒井高徳らも参加する。 また、「KOBE STARS」は吉田孝行監督が指揮を執り、神戸の選手が多数出場。また、先日ケルンで記念試合を行い今季限りで引退する元ドイツ代表FWルーカス・ポドルスキや現在は横浜F・マリノスでプレーするGK飯倉大樹、北海道コンサドーレ札幌のDF大﨑玲央、MF小林祐希、ベガルタ仙台のMF郷家友太らが参加する。なお、今後追加で参加する選手は随時発表されるとのことだ。 <h3>◆MAKINO JAPAN</h3> 監督:本田圭佑 選手:香川真司,乾貴士,森重真人,大迫勇也※,武藤嘉紀※,酒井高徳※,原口元気,西川周作,森脇良太,宇賀神友弥,那須大亮,柏木陽介,鈴木啓太,関根貴大,梅崎司,武藤雄樹,李忠成,興梠慎三,林彰洋,槙野智章※ <h3>◆KOBE STARS</h3> 監督:吉田孝行 選手:飯倉大樹,飯野七聖,岩波拓也,扇原貴宏,大﨑玲央,大迫勇也※,菊池流帆,郷家友太,小林祐希,酒井高徳※,櫻内渚,佐々木大樹,中坂勇哉,初瀬亮,藤本憲明,前川黛也,武藤嘉紀※,山川哲史,汰木康也,ルーカス・ポドルスキ,槙野智章※ ※は両チームでプレー 2024.10.16 23:25 Wed5