「アジアは何してくるか分からない」。先輩・岡崎、同僚・鈴木彩艶のアドバイスを大岩ジャパンの主将・山本理仁はどう生かす?【新しい景色へ導く期待の選手/vol.37】

2024.03.29 11:30 Fri
U-23マリ代表戦に出場した山本理仁
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U-23マリ代表戦に出場した山本理仁
4月の2024年パリ五輪アジア最終予選(AFC・U-23アジアカップ=カタール)で8大会連続五輪切符をつかみに行く大岩ジャパン。彼らにとって本番前最後のテストの場だったU-23マリ・ウクライナ2連戦は、ご存じの通り、1勝1敗という結果で終わった。

22日のマリとの初戦(京都)は、平河悠(町田)が早い時間帯に先制点を奪ったものの、アフリカ勢特有のフィジカルやスピード、高い個人能力に苦戦。最終的に1-3で逆転負け。世界の壁の高さを痛感させられた。

その反省を踏まえて戦った25日のウクライナとの第2戦(北九州)は2年ぶりの復帰となった荒木遼太郎(FC東京)が貪欲にゴールを狙いに行き、チームを活性化。前半こそスコアレスで折り返したが、後半開始早々にその荒木が得たCKから佐藤恵允(ブレーメン)が泥臭い先制点をゲット。さらに途中出場の田中聡(湘南)が追加点を挙げ、2-0で勝利。何とか自信を取り戻した状態でカタールに向かうことができそうだ。
「プレスの質っていうのは絶対上がってると思います。前からかけて後ろがしっかりついていけるし、それを全員が90分やり通せる。そういう力は確実に上がってますし、僕らのストロングだなとこの2試合で特に感じることはできた。それをしっかりアジアカップで出すだけかなと思います」とキャプテン・山本理仁(シント=トロイデン)は前向きにコメントしていた。

2試合を通してハッキリしたのは、山本と藤田譲瑠チマのシント=トロイデンコンビの国際経験値の高さ。山本はマリ戦、藤田はウクライナ戦でそれぞれ中盤を統率したが、彼らがいるいないでチームの落ち着きや攻守のバランス、周囲との関係性が全く違ったのだ。2人が揃ったマリ戦の終盤の安定感は特に目を引いた。
「譲瑠はウザいほど通る声がみんなの士気を上げるし、僕だったらボールをさばくことが得意。僕らは小学校から知ってる中で10年以上の付き合いで積み重ねてきたものがある。その強みを最終予選で体現したいですね」と山本は目を輝かせた。

彼らは鈴木彩艶を交えた3人で12月のオフを利用してパリへ小旅行に出かけたという。「五輪の下見」という意味合いもあったようで、「エッフェル塔とか観光地も行ったことがなかったんで楽しかった」と藤田は語っていた。本番半年前にわざわざ五輪開催地に足を踏み入れたのだから、そこでプレーしないわけにはいかない。

今回の大岩ジャパンは鈴木唯人(ブレンビー)ら欧州組が最終予選に招集できず、コロナ禍の影響もあって国際経験不足が懸念されている。それを払拭すべく、山本らはベルギー1年間の積み重ねを遺憾なく発揮することが肝要なのだ。

「一瞬でも後ろを向いている時に気を抜いてしまうと、クルっとターンされて剥がしにかかってくる。そういうのがアフリカ勢ですよね。それに足も伸びてくる。僕はベルギーに行って相手の出方を少しは理解したし、中東の選手も似たようなところがあると思います」と本人もベルギーで屈強で大柄な選手と日々、対峙することで得た駆け引き、技術の出し方などには自信を持っている様子。それをうまく出せれば、山本はチーム全体を落ち着かせられるし、冷静な展開に持っていける。ギリギリの局面で彼にはチームを浮上させる“違い”をもたらしてもらうしかない。

「A代表で1〜2月のアジアカップ(カタール)に参加した彩艶は『普通には感じないアウェー感というのを感じた』としみじみと話していましたね。代表経験豊富なオカさん(岡崎慎司)からも『練習試合とかでは分からない別の圧がある』と言われました。やっぱりアジアは簡単じゃない。4月のカタールの暑さ含めて全員がしっかり準備していく必要があると思います。あとは前でしっかり崩しきる力っていうのをチームとしても上げていきたいし、個人個人でも2週間で全てのクオリティを上げてのぞみたいです」

偉大な先人、一足先にA代表に定着している同世代の守護神からのアドバイスを受け、着々と臨戦態勢に入りつつある山本。彼にとっては、この大会の成否が今後の欧州でのキャリアを左右するだろう。今季シント=トロイデンでは28試合出場とピッチに立った回数自体は多いが、スタメンはわずかに5試合。まだまだ定位置を確保したとは言い切れないからだ。シント=トロイデンで絶対的レギュラーになれなければ、A代表への道も開けてこない。

そのためにも、パリ五輪切符を手にし、世界舞台に立って、来季以降への布石を打つことが重要だ。チームで主軸となり、大きな飛躍を遂げた鎌田大地(ラツィオ)のように結果を残し続けていれば、欧州5大リーグへのステップアップ、A代表入りも叶う可能性が高くなる。

そういった明るい未来を切り拓くべく、まずは足元を固めることが第一。クラブは3月31日からのプレーオフ2に参戦するが、そこで可能な限り、調子を上げ、最終予選につなげられれば理想的。今季まだ手にしていないゴールで弾みをつけられたら最高だ。いずれにしても、大岩ジャパンの攻守の要・山本の一挙手一投足から目が離せない。

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20歳の誕生日を迎えた久保建英がFC東京・長谷川健太監督に感謝、20歳の意気込みは「大人のサッカー」

U-24日本代表は、5日に控えるU-24ガーナ代表戦に向けた前日練習に臨んだ。 3日、ジャマイカ代表の来日が遅れたことで、日本代表と急遽試合を行うこととなったU-24日本代表。中1日で福岡に移動し、ガーナ戦に備える中、北海道・東北地方での暴風雨により福岡への移動に支障が起きた。 U-24日本代表は急遽、札幌ドームのウォーミングアップ場でトレニングを実施。時間を遅らせてのフライトとなり、明日のガーナ戦の地である福岡へと向かった。 メディアのオンライン取材に応対したMF久保建英(ヘタフェ)は4日が20歳の誕生日。代表合宿ではチームメイトから手荒い祝福をされることが多いが「今のところ大丈夫です」とまだ被害を受けていないとコメントした。 今回は急な試合に始まり、この日は移動が予定通りにいかないこととなった。この状況については「ポジティブに捉えていると思います」と語り、「こういう状況に本番じゃなく、本番前に想定できることは自分たちにはポジティブに働くかなと。明日が大事なので、明日に向けて逆算していかに戦えるかが試されていると思います」と語り、不測の事態にどう対応できるかが測れる良い機会だとした。 改めて昨日のA代表との試合については「チームとしては急遽試合が決まって、明日も試合があるので、思ったようなスケジュールではないというか、過密日程のなかで1つ組み込まれてしまったという感じです」とコメント。それでも「自分たちもできる限りのコンディションで臨もうとしましたが、その中でやっぱり急遽決まった試合で、メンバーもあまり決められずにというか、5日をイメージした中でコンディションが良かったメンバーが試合に出たと思います」と語り、コンディションが優先されたと語った。 ただ、良い機会だったために悔しさも露わにし「その中では折角の対決だったので、しっかり準備して100%で臨みたかったという思いはあります」とコメント。自身のパフォーマンスについては「個人的には手応えもありましたし、全然やれていないということもなく、なんならいつも練習している人たちが相手だったので、自分が壁を感じることなくやれたと思いますけど、結果で3-0で負けたことは個人的には悔しかったです」と、個人のパフォーマンスには満足感を示すも、結果として負けたことを悔しがった。 明日はU-24ガーナ代表との試合。アフリカ勢との試合となるが「初戦の相手が南アフリカで、仮想ということで組んでもらっているので、しっかり自分たちがアフリカ勢にどう対応するかを含めて、本番が近づいているのでそれを想定しているのではないかなと思います」とコメント。アフリカ勢に対してのポイントは「最近はアフリカの選手も万能で、僕たちの上位互換のような選手が何人もいますが、全体的には飛び込んでくる選手が多いなと経験から感じています」と語り、「敢えてボールを晒したり、ワンフェイント多めに入れようかなと意識しています」と、攻略法も明かした。 また、メンバーにはヘタフェで共にプレーしたMFサビト・アブドゥライが招集されている。アブドゥライについては「さっきも連絡を取りました」と語り、「個人的に仲が良くて、彼が免許なくて僕が車で迎えに行ったりする仲です。来るなら連絡くれよと言っていて、連絡をもらいました」と、互いに意識する仲のようだ。 スタイルについては「謙遜していましたが、何試合か一緒にやって、メッシ選手を潰したり臆することなく、球際もすごく強いです、練習からもバチバチやっていました」と強度の高いプレーをする選手だとし、「ヘタフェを象徴するような選手です。臆することなく自分たちも正面からぶつかることが大事だと思います」と、しっかりと向き合わないと痛い目に遭う可能性が高い相手のようだ。 この日20歳になった久保。改めて20歳になったことについては「まだあまり実感ないですけど、明日の試合から20歳で1つギアを上げて。19歳ではないので、20歳なので大人な自分をピッチ内で見せられればと思います」と、20歳になってすぐの試合に意気込みを語った。 久保の言う大人のサッカーとは「簡単にいうと、経験だったりとか、昨日の試合を途中から見ていて遠藤選手が入って落ち着いたとか、自分ならここに1人入って欲しいなというところにスッと入って前を向いてくれて、つけてくれたり、しっかり試合でどういうプレーするのかを頭に入っていると思います」とオーバーエイジとしてプレーしたMF遠藤航のプレーを挙げ、「時間帯を考えたりチーム全体を俯瞰してゲームを見るとか、余裕を持ってプレーすると言っていますが、個人だけでなく、チームの流れや時間帯を考えた余裕が大人だと思いました」と、より俯瞰で試合に絡めるようになりたいと語った。 また、FC東京の長谷川健太監督が20歳を迎えた久保にエールを送っていたが、久保にとっての長谷川監督は「自分は健太さんに選手として大きくしてもらいました。辛いことも意見が食い違うことも、健太さんの要求に自分が応えられないこともありました」と、想いを語った。 さらに「自分は18歳の誕生日でヨーロッパに行きたいという考えがあって、そのためには18歳の年に出られなかった諦めようと考えていた中で、監督がプレシーズンでチャンスをくれて、プレシーズンで結果を出せば今シーズンは使ってやると言われて、それに自分が応える事ができて、そこから東京で成長できました」とFC東京時代を回想。「結果として東京のチームを離れることになりましたけど、感謝しかないですし、健太監督に自分は大きくしてもらったと思っています」と感謝の気持ちを述べ、「監督が喜んでくれるような選手になることが恩返しだと思います」と世界で活躍する事が恩返しになるとし、改めて意気込みを語った。 2021.06.04 21:35 Fri
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テレビ朝日がパリ五輪予選を地上波独占放送…中国、韓国、五輪出場が決定する準決勝を放送

8日、テレビ朝日がU-23日本代表のパリ・オリンピック アジア最終予選であるAFC U23アジアカップカタール2024の放送を発表した。 U-23日本代表は、パリ五輪を目指して4月にAFCU23アジアカップを戦うことに。U-23中国代表、U-23UAE代表、U-23韓国代表とグループステージで対戦する。 大会の上位3チームはパリ五輪の切符を掴むこととなり、4位はアフリカ予選の4位チームと対戦し、勝者が掴むこととなる。 テレビ朝日では、4月16日に行われる第1戦の中国戦、同22日に行われる第3戦の韓国戦、そして同29日には五輪出場が決まる準決勝の試合を地上波独占で放送する、 U-23日本代表は、22日にサンガスタジアム by KYOCERAでU-23マリ代表、25日に北九州スタジアムでU-23ウクライナ代表と対戦。U23アジアカップ前の最後の2試合となる。 2024.03.08 22:40 Fri
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松木玖生の最適なポジションは?/六川亨の日本サッカーの歩み

今月16日、AFC U-23アジアカップ カタールの初戦、中国戦からパリ五輪出場権獲得のチャレンジが始まる。前回のコラムでも、DF陣の経験不足は否めないものの攻撃陣のタレントはバリエーションに富んでいて期待できるという原稿を書いた。そして先週と今週のJリーグを取材して、FC東京の松木玖生の新しい一面を見ることができて、その期待はさらに高まった。 松木といえば、青森山田高時代から、強靱なフィジカルと体幹の強さを生かした球際での勝負強さ、豊富な運動量と労を惜しまない献身的なプレーでチームに貢献してきたし、それはFC東京でも変わらない。そしてボランチのポジションから、時には意外性のある攻撃参加でゴールを決めたり、左足のロング、ミドルシュートで相手ゴールを脅かしたりしてきた。 そんな松木が、4月3日のJ1リーグ第6節の浦和戦では、荒木遼太郎と2トップに近い形で前線に起用された。すると、トップに張るのではなく変幻自在に左右に流れたり、落ちてきたりする荒木との絶妙のコンビネーションで攻撃陣をコントロール。とりわけ左サイドのFW俵積田晃太とSBバングーナガンデ佳史扶との相性は抜群で、意外性のあるパスで彼らの攻撃参加を引き出していた。 アウトサイドにかけたスペースへの絶妙なパスには「こんな技巧的なパスが出せるんだ」と感嘆してしまった。 試合は0-1とリードされた後半、左サイドで俵積田、佳史扶とつないだパスから荒木が同点弾。さらに松木のサイドチェンジを受けた俵積田のクロスをゴール前に走り込んだ松木がボレーで決めて逆転勝利を収めた。 そして4月7日の鹿島戦では、荒木がレンタル移籍のため起用できないものの、1トップに入った仲川輝人とトップ下の松木は好連係から難敵・鹿島に2-0の完勝を収めた。絶えずボールに触るわけではないが、効果的なサイドチェンジやスルーパスで味方を使う。これまでは、どちらかというと『使われる選手』と思っていたが、そのイメージは一新した。 先制点は左サイドからのふわりと浮かしたニアへのパスで仲川の今シーズン初ゴールを演出。そして後半アディショナルタイムにはMF原川力のヘッドによるインターセプトからのタテパスを簡単にさばいて2点目をお膳立てした。いずれも「肩の力の抜けた」ようなアシストに、松木の“変化"を感じずにはいられなかった。 彼をボランチからトップ下にコンバートし、前線には荒木を起用して松木の飛び出しを演出したピーター・クラモフスキー監督の采配は賞賛に値する。やっと1トップのドリブル突破任せのパターン化された攻撃スタイルから脱却できそうだ。 そんな松木を大岩剛監督はどのポジションで使うのか。攻守に効果的な選手だけに、使い出もあるだろうが、できれば攻撃的なポジションで使って欲しいところである。 2024.04.08 22:25 Mon
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岩波に続き亀川もU-23日本代表を離脱「このチームに戻って来れるように」《トゥーロン国際大会》

▽日本サッカー協会(JFA)は25日、U-23日本代表としてトゥーロン国際大会に臨んでいたアビスパ福岡DF亀川諒史が途中離脱し、帰国することを発表した。 ▽亀川はU-23日本代表として、21日に行われたU-21パラグアイ代表戦に出場。試合終盤に負傷し、23日のU-20ポルトガル代表戦を欠場していた。JFAの発表によると、亀川は右足第三中足骨骨挫傷と診断されたとのことだ。亀川はJFAを通じてコメントしている。 「限られた人数の遠征の中で途中で抜けてしまうことに対して申し訳ない気持ちと悔しい気持ちがあります。一日でも早く復帰できるように、そして、またこのチームに戻って来れるように日本で精一杯頑張りたいと思っています。オリンピックでのメダル獲得という目標の力になれるよう今の自分より強くなって戻ってきます」 ▽U-23日本代表は守備陣に負傷者が相次いでおり、今回のトゥーロン国際大会ではヴィッセル神戸のDF岩波拓也が負傷。左ヒザ足内側側副じん帯損傷と診断され、同じく途中離脱していた。また、川崎フロンターレDF奈良竜樹は左足を骨折、アルビレックス新潟のDF松原健、FC東京のDF室屋成、柏レイソルのDF山中亮輔も負傷している。 2016.05.25 11:12 Wed
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東京五輪世代のキャプテンMF中山雄太、OAのDF吉田麻也に「学ぶ部分が多い」

東京オリンピックに臨むU-24日本代表が、31日にトレーニングキャンプをスタートさせた。 開幕まで約1カ月となった東京オリンピック。U-24日本代表は、3名のオーバーエイジ(OA)枠の選手を招集し、最後の選考の場を迎えた。 OAには、A代表でキャプテンを務めるDF吉田麻也(サンプドリア)、DF酒井宏樹(マルセイユ)、MF遠藤航(シュツットガルト)と主力であり、ヨーロッパでの経験もある選手たちが名を連ね、世代の選手たちの競争が激化することとなった。 合宿初日、トレーニング前に選手たちがオンラインのメディア取材に応対。MF中山雄太(ズヴォレ)がOAや東京五輪について語った。 キャプテンとしてU-24日本代表を牽引してきた中山。今回のOA3名については「まずはオリンピック前にも試合はありますが、その前の活動として結果にこだわって、内容も含めてこだわりたいです」とコメント。「OAの3人ともすり合わせたりしていきたいと思います」とチームとしてすり合わせが必要だと語った。 OAの3人が補ってくれるものについては「幸い僕はA代表に何度か絡ませてもらって、考えを共有するアクションや自分たち発信の行動はより深いもの、数は大会まで日数がないので、多くなってくればと思います」と、コミュニケーションの部分を補ってくれると語った。 A代表のキャプテンである吉田が加わったことで、そのサポート役に回ることが予想される中山。「OAの3人についてはU-24の選手と全員が全員絡んでいるわけではないので、スムーズな関係性を取れるようなパイプ役をしっかりになっていきたいと思います」とコメント。「今までやってきたことは自分自身変わらないので、チームがしっかり良い方向に向かえるアクションをしっかり行っていきたいと思います」と語り、これまでと自分の役割は変わらないとした。 中山はボランチでの起用が多い中、センターバックやサイドバックでもプレーができる。ポジションについては「僕自身もそこはわからない状況ですし、この期間中に何が起こるかわからないですし、オリンピックでも色々なことが起こるかはわからないです」と予想外のことが起こる可能性があるとし、「ユーティリティ性は武器ですが、何が起こるかわからない中で、しっかりとどこのポジションでも入れるように準備していきたいと思います」と語り、どんなポジションでプレーすることになっても良い準備をするとした。 今回はU-24ガーナ代表と対戦するが、東京オリンピック本番では初戦で南アフリカ代表と対戦する。アフリカ勢との試合については「アフリカ勢のチームとはキャリアでもそんなに対戦していないので、ここで行えるということは非常に大きいと思います」と良い経験になるとコメント。「特徴はヨーロッパでやっていても身体能力の違いがあるので、ここでやれることはアドバンテージにしていきたいですし、結果的にアフリカ勢ですが、南アフリカとの試合になるので、初戦という設定でもアフリカ勢との経験がないので、ここで得られればと思います」と、本番を想定した形でガーナと戦いたいとした。 3月のアルゼンチンとの連戦は1勝1敗だったが「僕自身、アルゼンチン戦はあまり良くなかったのでしっかり見直してチームとして持ち帰りつつ、ユーティリティ性が発揮できたシーズンを終えたと思っているので、僕自身も代表で生かさないといけない観点で言えば、そこを強化できるようなシーズンだったと思います」とコメント。クラブで積み上げたものをしっかりと出したいとコメントした。 中山は今シーズンのエールディビジで32試合に出場し2ゴール1アシストを記録。ボランチ、左サイドバック、センターバックと様々なポジションでプレーしてきた。 「ただ、1つのポジションのクオリティをより上げなければいけないことはあると思います.。状況がどうなるかわからないので、しっかりと準備していきたいです」とコメント。ポジションに絞ってあげていくことも考える必要があるとした。 チームとしてはやはりコミュニケーションの部分が課題だと語る中山。「僕自身U-24はアンダー世代でよく見られるものだと思いますが、自分の意見、他の選手のアイデアを取り入れることで自分に返ってくるもの。自分たちが何を思っていて、どうしたいのかというアクション、コミュニケーションは少ないというか、増えてきてももっとあったほうが良いなと思っています」とコメント。A代表も見たからこそ感じる差をあげた。 その中ではA代表のキャプテンの吉田の存在は大きいだろう。中山はキャプテンについて「A代表のキャプテンが来るということで、僕より適役だと思っています。キャプテンマークを巻こうが巻かなかろうがやることは一緒です」と語り、「キャプテンマークを任されることは重要ですし、責任感もありますが、巻かないからといってやることが変わることはないです」と、自身の振る舞いや行動は変わることはないとした。 吉田のキャプテンシーについては「まずは僕よりも視野に入れているものが多く、そこから選択している行動は僕自身はA代表での姿を見て学ぶ部分が多いです」とコメント。「それをこっちでもやっていただいたら、変化や刺激がU-24の選手に与えられると思っているので、そこは還元されると思います」と、U-24世代の選手に見せることをしてほしいと語った。 2021.05.31 22:45 Mon

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