1人退場もドロー持ち込みの岡山が首位堅持! 2位・清水が首位浮上のチャンス活かせず、熊本FW神代慶人はJ2最年少得点記録更新【明治安田J2第7節】

2024.03.30 20:31 Sat
最年少得点記録更新の神代慶人
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最年少得点記録更新の神代慶人
30日、明治安田J2リーグ第7節の10試合が各地で行われた。ここまで5勝1分けで首位を走るファジアーノ岡山は、中位につける大分トリニータと敵地で対戦。前半、岡山はセットプレーからいくつかチャンス作るが、ネットを揺らすには至らず、0-0でハーフタイムを迎える。

後半に入ると51分にアクシデント。大分の渡邉新太がカウンターから決定機を迎えると、岡山の柳貴博が後ろから倒す形で決定機を阻止。残りの40分以上を10人で戦うこととなった岡山だが、なんとかゴールを守り抜きゴールレスドローで終え、開幕からの無敗を継続している。
勝ち点差「1」で岡山を追う清水エスパルスは、モンテディオ山形とのアウェイゲーム。先手を取ったのは34分の山形。ボックス手前でボールを持った氣田亮真が、キックフェイントから右足でゴール右隅に決めて先制点を奪う。

ホームチーム1点リードのまま終盤を迎えると、88分には高橋潤哉が頭で押し込んで追加点。山形が2-0で勝利し、敗れた清水は首位浮上のチャンスを活かせなかった。
その他、勝ち点「11」同士の上位対決となった横浜FCvsベガルタ仙台は、中山仁斗相良竜之介のゴールで仙台が逆転勝利。同勝ち点のV・ファーレン長崎は90分に追いつかれてドロー決着となった。唯一未勝利だったザスパ群馬は、徳島ヴォルティスとの下位対決を制し、今シーズン初白星を手にしている。

なお、1-0でジェフユナイテッド千葉に勝利したロアッソ熊本は、PKから決勝点をあげた神代慶人がJ2リーグ最年少得点記録を更新。2020年にレノファ山口FCの河野孝汰が樹立した16歳11カ月17日を、16歳5カ月5日に塗り替えている。

◆明治安田J2リーグ第7節
▽3/30(土)
ヴァンフォーレ甲府 0-2 レノファ山口FC
横浜FC 1-2 ベガルタ仙台
水戸ホーリーホック 0-0 鹿児島ユナイテッドFC
モンテディオ山形 2-0 清水エスパルス
ブラウブリッツ秋田 1-0 いわきFC
大分トリニータ 0-0 ファジアーノ岡山
徳島ヴォルティス 0-1 ザスパ群馬
ロアッソ熊本 1-0 ジェフユナイテッド千葉
愛媛FC 3-0 藤枝MYFC
栃木SC 1-1 V・ファーレン長崎

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