セルティックの宿敵・レンジャーズ、かつて“1年間で5回退場”のエースが退団へ… 識者は辛辣「誰が彼を求める?」

2023.05.23 20:23 Tue
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レンジャーズの元コロンビア代表FWアルフレッド・モレロス(26)に、スコットランドのご意見番が辛辣な言葉を投げかけた。

古橋亨梧ら日本人選手5人が所属するセルティックの宿敵・レンジャーズ。そのレンジャーズで攻撃の核として活躍しているのが、今シーズンのリーグ戦30試合で11ゴール6アシストを記録しているモレロスだ。

クラブ通算268試合の出場で124ゴール58アシストという素晴らしい数字を誇る一方、気性の荒さやラフプレーの多さでも知られ、2018-19シーズンには1年間でなんと5回も退場処分を受けている。当時のスティーブン・ジェラード監督が「もう守れない」と呆れ返ったことも有名な話だ。
そんなモレロスだが、レンジャーズとの契約は今シーズンまでとなっており、延長交渉は進展せず。27日に行われるリーグ戦の最終節が終わり次第、退団する見込みとなっている。

イギリス『フットボール・インサイダー』でコラムニストを務める元スコットランド代表FWのフランク・マカベニー氏は、モレロスがこの先「大きく後悔することになる」と予測。ピッチ内外での振る舞いや態度から、極めて自己中心的な選手だと捉えているようだ。
「他のクラブへ行きたいなら、上手くプレーするべきだ。ベビーカーからおもちゃを投げ捨てるような選手をどこの誰が引き取ってくれるというのだ。少なくとも彼をほしいなどと思う監督はいない」

「レンジャーズの一員なら、セルティックの支配に歯止めをかけたいと思ってプレーすべきだったはずだ。それが最初にやるべきことだ。2つ目は自分にお金を与えてくれているクラブ、ファンのためにプレーすることだ」

「それなのに、最近の選手たちは自分がクラブより大きい存在だと勘違いしている。必ずしも隣の芝生が青いわけではないと気づく日はそう遠くない」

モレロスについては、クラブが契約更新に消極的だったという見方、選手の方が消極的だったという見方、相反する情報が出ている状況。真相のほどはわからないが、マカベニー氏はモレロスが退団の意志を貫いたとみているようだ。

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「これは貴重な映像」男子日本代表からなでしこジャパンへエール!サンライズユニフォームで場内挨拶「男子も似合う」「女子を応援する男子、かっこいいな」

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スコットランドの名門・レンジャーズが買収交渉を認める…田中碧が所属するリーズのオーナー「49ersエンタープライズ」が名乗り

レンジャーズがクラブの買収について交渉していることを認めたという。イギリス『BBC』が伝えた。 セルティックと共にスコットランド・サッカーを牽引するレンジャーズ。スコットランド1部では55回の優勝を誇り、スコティッシュカップも34回、スコティッシュ・リーグカップでも28回の優勝を誇る。 長年のライバル関係にあるセルティックとは、宗教上の派閥や民族的な対立などもあり、世界でも有数のダービーとされる一方で、2012年にはクラブが経営破綻に陥る悲劇を迎えることに。それでも4部から復活を遂げ、2020-21シーズンは再び優勝を果たしている。 近年はセルティックの前にタイトルから遠ざかっているレンジャーズだが、サンフランシスコ・フォーティナイナーズを含むアメリカの投資家らと交渉を行っていると共同声明で認めた。 「レンジャーズとその既存の支配株主は、コンソーシアムの2人の主要メンバーであるアンドリュー・カベナ氏と49ersエンタープライズ・グローバル・フットボール・グループと、コンソーシアムがクラブの支配権を取得し、追加資本を注入する可能性について建設的な話し合いを行っている」 「これらの議論は、レンジャーズFCの長期的な方向性、野心、経営の重要性についての共通の認識を反映している」 レンジャーズの買収に動いている「49ersエンタープライズ」は、2023年7月にリーズ・ユナイテッドを1億7000万ポンド(約321億8000万円)で買収。また、23日にはエバートンのフットボールディレクターであるケビン・セルウェル氏をスポーツディレクター(SD)に任命していた。 2025.04.24 18:40 Thu
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リバプールの“ジェラード2世”MFロシターがレンジャーズと4年契約

▽レンジャーズは13日、リバプールのU-19イングランド代表MFジョーダン・ロシター(19)の獲得を発表した。4年契約を締結し、契約期間は2020年までとなる。 ▽6歳からリバプールに所属するアカデミー出身のロシターは、“ジェラード2世”と称されるほどの有望株で、アカデミーの年間最優秀選手にも選ばれた経験がある。2014年9月にトップチームデビューを果たすと、デビュー戦となったキャピタル・ワン・カップのミドルスブラ戦で初ゴールを記録していた。 ▽今シーズンは、昨年8月に行われたプレミアリーグ第3節のアーセナル戦に出場し、ヨーロッパリーグでも3試合に出場していたが、ハムストリングの負傷で長期離脱していた。 ▽スコティッシュ・プレミアリーグで54回の優勝を誇る名門で、セルティックとのダービーである「オールドファーム」が有名なレンジャーズは、2012年に多額の負債を抱えて破産。2012-13シーズンは4部に降格し、来シーズンから1部に復帰することが決まっている。 2016.05.14 10:50 Sat
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レンジャーズ、7つのタイトル獲得に貢献した元オランダ代表DFリックセン氏の死去を発表…

レンジャーズは18日、かつて同クラブで活躍した元オランダ代表DFフェルナンド・リックセン氏が亡くなったことを発表した。43歳だった。 リックセン氏は、現役引退後の2013年に筋萎縮性側索硬化症(ALS)を患ったことを発表。闘病生活を送っていたが、レンジャーズによれば18日の朝に息を引き取ったという。 1994年にオランダのフォルトゥナ・シッタートでプロデビューしたリックセン氏は、AZでのプレーを経て、2000年にレンジャーズへ加入。6シーズンを過ごしたレンジャーズでは、2度のリーグ優勝など7つのタイトル獲得に貢献。2004-05シーズンにはリーグ最優秀選手賞も受賞した。 2006年からレンタルで加入したゼニトに翌年完全移籍を果たしたリックセン氏だが、2009年に双方合意の上でゼニトを退団。1年以上の無所属期間を経て、2010年にプロキャリアをスタートさせた古巣のフォルトゥナ・シッタートに復帰し、2013年の現役引退までプレーした。 また、オランダ代表としても2000年から2003年にかけてプレー。オランダ代表としては12試合に出場していた。 2019.09.19 00:01 Thu

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