オランダは無敗で大会を去り、王者フランスは苦戦もベスト4へ/六川亨の日本サッカー見聞録

2022.12.11 22:00 Sun
Getty Images
帰国後の会見でキャプテンの吉田麻也は、「いままでで一番短いワールドカップだったんですけど、一番楽しかったです」と大会を振り返った。彼の言葉にもあるように、今大会はこれまでの“中4日”での連戦ではなく“中3日”の連戦で、それはグループリーグからノックアウトステージのラウンド16まで変わることなく続けられた。

選手はもちろんのこと、取材するメディア、観戦に訪れたファン・サポーターにとってもハードなW杯であることは間違いない。せめてもの救いはスタジアムがドーハ近郊に集中していて長距離移動のストレスがないことか。しかしそのぶん、これまでのW杯のように各都市に分散することなく注目カードにメディアもファン・サポーターも殺到するため、移動時の混雑は体力の消耗につながったことだろう。

そんなカタールW杯も準々決勝が終了し、残すは13〜14日の準決勝と17日の3位決定戦、そして18日の決勝戦の4試合となった。
準々決勝では優勝候補ブラジルのネイマールが延長前半に鮮やかなワンツーから先制点を奪い、『キング』ペレと並ぶ代表通算77ゴールを決めながら、後半の失点からクロアチアにPK戦で敗れた。ラウンド16でスペインをPK戦で撃破したモロッコは、ポルトガルとの準々決勝ではエースのエン=ネシリが驚異的なジャンプ力から高打点のヘッドを決めてクリスティアーノ・ロナウドの夢を打ち砕いた。

アフリカ勢初となるベスト4進出は快挙と言うしかない。
残念だったのは、オランダが0-2のビハインドから2-2のタイスコアに追いついたもののPK戦で散ったアルゼンチンとの試合だった。両チーム合わせて18枚のイエローカードは大会最多。さらにPK戦後も相手を挑発するアルゼンチンの選手の行為は見苦しかった。

リオネル・メッシはガブリエル・バティストゥータに並ぶW杯通算最多の10ゴールを決め、通算出場試合数も24に伸ばし、ローター・マテウス(ドイツ)の持つ25試合の記録更新も視野に入ってきた。もう少しキャプテンらしく振る舞って欲しかったが、やはり両者には“因縁”があるのだろうか。

この両国がW杯で初めて対戦したのは74年の西ドイツ大会で、2次リーグで顔を合わせたものの、ヨハン・クライフ率いるオランダに0-4と完敗した。そして4年後のアルゼンチンW杯では決勝で激突。66年イングランド大会以来となる延長戦に突入すると、ここで活躍したのがこの試合でもテレビカメラに抜かれたVIP席にいたマリオ・ケンペス。延長前半終了間際に決勝点を決め(試合は3-1)、6ゴールで得点王も獲得した。

その後は98年フランス大会(オランダが2-1で勝利)、06年ドイツ大会(0-0)と対戦して迎えた14年ブラジル大会。前回準優勝のオランダは今度こそ悲願達成をとファン・ハール監督に率いられたが、準決勝でアルゼンチンと0-0からのPK戦を2-4で落として3位決定戦に回る。そしてアルゼンチンも決勝ではドイツの軍門に下った。

メッシのW杯デビューは06年ドイツ大会で、当時はエルナン・クレスポの控えという位置づけだった。しかしグループリーグではオランダもアルゼンチンもノックアウトステージ進出を決めていたため、第3戦でメッシはテベスとの2トップでスタメン出場を果たす。そして14年は「メッシのチーム」だったが延長後半に力尽きてマリオ・ゲッツェの一撃に涙を飲んだ。

この両国に比べ、同じく準々決勝で激突したイングランドとフランスは、98年フランス大会以降は今大会まで7回連続出場だが、W杯ではこれが3度目の対戦と“意外”と少ない。試合はハリー・ケインが2本目のPKを上に外すなどしたためフランスが2-1で競り勝った。しかしキリアン・ムバッぺもこれまでのような縦横無尽の活躍というわけにはいかない、レベルの高い一戦だった。

ドーバー海峡を挟むライバル同士が初めて対戦したのは66年イングランド大会のグループリーグで、このときはイングランドが2-0と快勝。フランスは58年スウェーデン大会以来の出場だったが、グループリーグ最下位に終わった。

イングランドは自国開催の大会で初優勝を果たし、70年メキシコ大会は『前回優勝国』として予選免除で出場した(それは02年日韓大会まで続き、06年ドイツ大会から廃止された)。しかし74年西ドイツ大会はポーランドに、78年アルゼンチン大会はイタリアに競り負けて欧州予選で敗退。「サッカーの母国」がW杯に出場できないという“暗黒の時代”が続いた。

同じようにフランスも66年以降は70年メキシコ大会、74年西ドイツ大会と欧州予選で敗退。当時のフランスはまだ「W杯の常連国」ではなかった。“流れ”が変わったのは78年アルゼンチン大会から82年スペイン、86年メキシコ大会の3大会で、“将軍”ミシェル・プラティニの台頭があったからだった。

78年アルゼンチン大会のときに22歳でW杯にデビューすると、82年スペイン大会では準決勝で西ドイツと延長戦でも決着がつかず(3-3)、初めてPK戦が導入され4-5で敗れた。彼だけでなくアラン・ジレス、ジャン・ティガナ、ベルナール・ジャンジニのMF4人はジーコらブラジルの“黄金のカルテット”に対抗して“4銃士”と呼ばれた。

この82年スペイン大会の1次リーグ(当時は2次リーグもあった)初戦で、イングランドとフランスはW杯で2度目の対決を経験する。イングランドのキックオフから27秒、ブライアン・ロブソンが最速ゴールで先制点を決めた。78年アルゼンチン大会でフランスのレミー・ラコンブが決めた開始38秒のゴールを更新する新記録と当時は言われた(現在ではFIFAの公式記録として、1位が02年日韓大会の3位決定戦、トルコ対韓国戦のハカン・シュキルの11秒。2位が62年チリ大会のチェコスロバキア対メキシコ戦のバクラフ・マシェク(チェコ)の15秒、3位が66年イングランド大会の北朝鮮対ポルトガル戦の朴承振の23秒となっている)。

試合はイングランドが3-1の勝利を収めてW杯2連勝としたが、今大会でフランスは対イングランド戦初勝利を記録したことになる。難敵を倒したことで、ファイナルまでの視界が開けたのかどうか。モロッコとの準決勝はまた違った意味で注目を集めそうだ。

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衝撃のトラップ! 24年前のW杯準々決勝、アルゼンチンを土壇場で撃墜したオランダ代表FWベルカンプのスーパーゴールが再脚光

カタール・ワールドカップ(W杯)もいよいよ残すところ準々決勝、準決勝、3位決定戦、決勝となった。 残り約1週間となった今大会。ベスト8を目指した日本代表は残念ながら敗退となったが、残された8カ国はどこが優勝してもおかしくない実力国だ。 準々決勝の対戦カードもどちらが勝ってもおかしくない対決ばかり。その中で、これまで多くのレジェンドを輩出し、W杯で何度も対戦しているのがオランダ代表vsアルゼンチン代表だ。 最も直近では、2014年のブラジルW杯。準決勝で対戦すると、PK戦の末にアルゼンチンが勝利を収めていた。 当時を知るルイス・ファン・ハール監督が率い、ステファン・デ・フライやデイリー・ブリントは今大会もメンバーとしている。 W杯で見れば、1974年が最初の対戦に。続いて1978年、1998年、2006年と対戦し、今回がなんと6度目の対戦となる。 グループステージでの対戦は1974年と2006年の2回。それ以外は、ノックアウトステージでの対戦となり、アルゼンチンが勝ったのは1978年の延長戦と、2014年のPK戦のみという結果だ。 その中でも印象深いゴールは1998年の準々決勝での対戦ではないだろうか。 日本が初めて出場したフランスW杯。グループステージでも同居したアルゼンチンが戦った試合だが、この試合で決勝ゴールを決めたのがオランダ代表FWデニス・ベルカンプだ。 アヤックスやインテル、アーセナルでプレーしたベルカンプ。当時はアーセナルに所属していたが、1-1で迎えた中、延長戦に突入するかと思われた89分に衝撃のゴールを決める。 自陣でボールを持ったフランク・デ・ブールが前線にロングフィードを送ると、ボックス内に走り込んだベルカンプが後方からのボールをいとも簡単にトラップ。奪いにきたロベルト・アジャラをトラップの流れでかわし、ゴールに叩き込んだのだ。 デ・ブールの正確なロングフィードはもちろんのこと、後方からのボールwジャンプしながらトラップし、着地と同時に奪いに来たアジャラをボールを叩きつけてかわしてのシュート。今見えても技術の高さがわかるスーパーゴールだ。 なお、ここで勝利したオランダは、準決勝でブラジル代表にPK戦の末に敗れると、3位決定戦ではクロアチア代表に敗れて4位で大会を終えていた。 <span class="paragraph-title">【動画】ベルカンプのテクニック光る!ロングフィードをジャンピングトラップから劇的決勝ゴール</span> <span data-other-div="movie"></span> <blockquote class="instagram-media" data-instgrm-captioned data-instgrm-permalink="https://www.instagram.com/reel/Cl5_q2yt7OD/?utm_source=ig_embed&amp;utm_campaign=loading" data-instgrm-version="14" style=" background:#FFF; 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「僕はスペイン人」18歳ハイセンが母国オランダに決別…2月にスペイン国籍取得でU-21代表デビュー

ローマDFディーン・ハイセン(18)が自らのアイデンティティを語った。オランダ『Voetbal International』が伝えている。 セリエAでメキメキ頭角を表す197cmの両利きセンターバック・ハイセン。16歳でマラガからユベントスへ移籍し、トップ昇格の今季は後半戦からローマへ武者修行…順調に出場機会を得ている。 そんなハイセン、U-17オランダ代表の一員として2022年にU-17欧州選手権準優勝などなど、これまでは世代別オランダ代表の常連。 しかし、今回の代表ウィークはU-21スペイン代表に招集…元アヤックスの父ドン・ハイセン氏を含めて一家揃ってオランダ出身だが、自身が5歳の時にスペイン・アンダルシア州へ移住し、今年2月にはスペイン国籍を取得しているのだ。 そして、21日に行われたU-21スロバキア代表との国際親善試合でラ・ロヒタ(世代別スペイン代表の愛称)デビュー。スペイン『マルカ』のインタビューでは「僕はスペイン人」と明言した。 「そうだね。僕は自分がスペイン人だと感じているよ。5歳からマラガで育ち、今回スペイン代表の一員になれて嬉しい。いずれスペイン代表でトロフィーを勝ち取りたいよ」 ハイセンをDFヴィルヒル・ファン・ダイクやDFステファン・デ・フライ、DFマタイス・デ・リフトらに続く新時代のディフェンスリーダーと捉えていたオランダ側から見れば、今回の所信表明は痛い。 2024.03.26 16:35 Tue
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往年の名手ライカールト、古巣ミランで躍動するオランダ代表の後輩を絶賛「本当に好き」「世界No.1のMFへ軌道に乗った」

元オランダ代表のフランク・ライカールト氏が、古巣ミランで躍動する後輩を絶賛した。 20世紀終盤のサッカー界を代表するスーパースターだったライカールト氏。80年代にミランで欧州を制し、90年代にアヤックスで欧州を制し、そして監督としては2000年代にバルセロナで欧州の頂点へと登り詰めた。 選手キャリアの全盛期は、オランダトリオの一角として時代を謳歌したミランでの5年間。氏は5日、今なお愛着を持つミランのCLレアル・マドリー戦を観戦し、イタリア『ガゼッタ・デッロ・スポルト』で試合を振り返った。 「タイアニ・ラインデルス。私は彼が世界最高のセントラルハーフになることを長らく望んできたが、どうやら正しい軌道に乗ったようだ」 「ほんとうに彼のプレーが好きでね。ミランにおけるラインデルスの役割、重要性がますます高まっているようで嬉しい限りだ」 「あらゆる状況に対応できるユーティリティ性があり、フォア・ザ・チームの精神を持ち合わせている。何よりクオリティが高く、相手にとって危険な場面を作り出す術に長けている」 「そんな選手が自らゴールを陥れる頻度も高まっているという事実だ。これこそがチームのキープレーヤーであることを裏付けている。ラインデルスが進歩し、ミランも進歩する」 「私はこれからもラインデルスに想いを馳せる。彼がミランで素晴らしい瞬間を経験する機会が増えることを、心底願っているよ」 先月末にミラネッロを訪れ、ラインデルスとの対面も果たしていたライカールト氏。オランダ代表における後輩の“虜”となったようだ。 <span class="paragraph-title">【動画】ライカールト氏が絶賛した男はCLマドリー戦でもゴール</span> <span data-other-div="movie"></span> <blockquote class="twitter-tweet"><p lang="pt" dir="ltr">Rafael Leão Reijnders<a href="https://twitter.com/hashtag/UCL?src=hash&amp;ref_src=twsrc%5Etfw">#UCL</a> <a href="https://t.co/BsVVKBQMZc">pic.twitter.com/BsVVKBQMZc</a></p>&mdash; UEFA Champions League (@ChampionsLeague) <a href="https://twitter.com/ChampionsLeague/status/1854493753735872995?ref_src=twsrc%5Etfw">November 7, 2024</a></blockquote> <script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script> 2024.11.07 21:10 Thu
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ティンバー兄弟がオランダ代表史上8組目の共演! 双子はデ・ブール兄弟に次ぐ3組目に

DFユリエン・ティンバー(アーセナル)とMFクインテン・ティンバー(フェイエノールト)の双子兄弟がオランダ代表で初めて共にプレーした。 7日、UEFAネーションズリーグでリーグA・グループ3に属するオランダ代表は、第1節でボスニア・ヘルツェゴビナ代表と対戦。FWジョシュア・ザークツィー(マンチェスター・ユナイテッド)のゴールを皮切りに、5-2の大勝を収めた。 この試合では、ヒザの大ケガにより1年近く代表を離れていたユリエン・ティンバーが66分から出場。また、3月に代表デビューを果たしたクインテン・ティンバーも83分から登場し、2キャップ目を刻んでいる。 オランダ『Algemeen Dagblad』によると、オランダ代表で共にプレーした兄弟はこれが8組目。双子ではウィリーとレネのファン・デ・ケルクホフ兄弟、ロナルドとフランクのデ・ブール兄弟に次ぐ3組目の快挙となった。 ティンバー兄弟が共に戦ったのは約4年ぶり。前回はヨング・アヤックス時代で、2020年9月14日のヨングPSV戦だった。 <span class="paragraph-title">【写真】代表で初共演!ティンバー兄弟の2ショット</span> <span data-other-div="movie"></span> <blockquote class="twitter-tweet" data-media-max-width="560"><p lang="en" dir="ltr">Quinten Timber Jurrien Timber <a href="https://twitter.com/hashtag/NationsLeague?src=hash&amp;ref_src=twsrc%5Etfw">#NationsLeague</a> <a href="https://t.co/llfPptwJqI">pic.twitter.com/llfPptwJqI</a></p>&mdash; UEFA EURO 2024 (@EURO2024) <a href="https://twitter.com/EURO2024/status/1832529198319051109?ref_src=twsrc%5Etfw">September 7, 2024</a></blockquote> <script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script> 2024.09.08 14:54 Sun

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