8大会連続五輪出場危機の日本。難敵・カタール戦の勝敗を託されるメンタルモンスター・松木玖生(FC東京)【新しい景色へ導く期待の選手/vol.39】
2024.04.24 12:45 Wed
U-23日本代表を牽引する松木玖生
4月22日のU-23韓国戦を0-1で落とし、AFC・U-23アジアカップ・グループBで2位となってしまったU-23日本代表。まさかの敗戦によって、25日の準々決勝はホスト国・カタールとの真っ向勝負を余儀なくされることになった。
もちろんグループA・2位のインドネシアも難敵は難敵だが、カタールの強さはA代表がアジア2連覇を達成した1〜2月のアジアカップでも実証済み。スタジアムの熱狂的サポーターも味方にして、彼らは凄まじい迫力で日本に向かって来るはずだ。
この関門を突破しなければ、8大会連続五輪出場権獲得の道は途絶えてしまう。日本サッカー界としてはそれだけは絶対に避けなければいけない。
大岩剛監督もキャプテン・藤田譲瑠チマ、山本理仁(ともにシント=トロイデン)ら主力級をズラリと並べて勝負を賭けるはずだが、こういう時こそ頼りになるのは、メンタルモンスターの松木玖生(FC東京)。青森山田高校時代から数々の修羅場をくぐり、2023年U-20ワールドカップ(W杯=アルゼンチン)にも参戦した男のタフさと精神力は折り紙付きだ。
年齢的には下から3番目だが、FC東京でキャプテンマークを巻き、年長の選手を激しく鼓舞する姿を見れば、チーム内の序列や20歳という若さは一切関係ない。崖っぷちに追い込まれた今、カタール相手に猛然と突き進めるのは、やはりこういう選手だろう。
これらのチャンスは惜しくも得点には至らなかったが、「松木なら得点に直結する仕事ができる」という印象を見る者に強烈に残した。その底力を大一番で遺憾なく発揮し、日本をベスト4へと導くこと。それが背番号17に託されたタスクなのだ。
「やっぱり一発勝負なんで、中2日の疲労とかもあるとは思うんですけど、そういうのは言い訳にできない。つねに1試合1試合を大切に戦っていけたらいいかなというふうに思います」と日本を出発する前にも目をぎらつかせていた松木。ある意味、次のカタール戦は彼のサッカーキャリアを左右するビッグマッチになるかもしれない。
ここで今大会最強とも言われる敵を倒し、準決勝でイラクとベトナムの勝者を撃破できれば、彼は堂々とパリ五輪へ行くことができる。そうすれば、前々からの念願である海外移籍も実現できるだろうし、A代表へのステップアップ、9月からスタートする2026年北中米W杯アジア最終予選参戦も見えてくるはずだ。
近未来の森保ジャパンでボランチの座を争うと目される遠藤航(リバプール)、田中碧(デュッセルドルフ)らも五輪を足がかりに飛躍し、A代表、海外でのプレーを勝ち取っている。遠藤などはご存じの通り、30歳を過ぎてリバプールという名門クラブ行きを勝ち取り、主力級の地位まで上り詰めた。そう考えると、20歳の松木にはまだまだ無限のチャンスが広がっているが、1つ1つステージを上がっていかなければ、彼らに勝負を挑めない。だからこそ、カタールには絶対に勝たなければいけないのである。
今大会の大岩ジャパンは細谷真大(柏)、藤尾翔太(町田)、内野航太郎、佐藤といったFW陣にゴールが生まれていない。特にエース・細谷の不振は際立っている。彼らは彼らなりにゴールへの意欲を燃やし、感覚を研ぎ澄ませていくだろうが、松木はすでに16日の初戦・U-23中国戦で1点をマークしている。
ゆえに、彼がより高い位置でプレーした方が日本は得点に近づくはず。本人もバランスを見ながらプレーするだろうが、ここ一番の状況でが思い切って前に突っ込んでいってもいい。敵の意表を突く攻めが上がりで日本に足りないゴールをもたらすこと。それもこの男には大いに期待したい。
とにかく、日本最大の危機的状況を打開できるのは、強靭なメンタルと勝負強さのある人間だけ。今のチームでは松木をおいて他にいないと言っても過言でないくらい、彼はそういった部分で突き抜けている。そのストロングを出すべき時はまさに今しかない。
25日の大一番は背番号17の一挙手一投足から目が離せない。
もちろんグループA・2位のインドネシアも難敵は難敵だが、カタールの強さはA代表がアジア2連覇を達成した1〜2月のアジアカップでも実証済み。スタジアムの熱狂的サポーターも味方にして、彼らは凄まじい迫力で日本に向かって来るはずだ。
この関門を突破しなければ、8大会連続五輪出場権獲得の道は途絶えてしまう。日本サッカー界としてはそれだけは絶対に避けなければいけない。
年齢的には下から3番目だが、FC東京でキャプテンマークを巻き、年長の選手を激しく鼓舞する姿を見れば、チーム内の序列や20歳という若さは一切関係ない。崖っぷちに追い込まれた今、カタール相手に猛然と突き進めるのは、やはりこういう選手だろう。
改めて韓国戦を見ても、後半18分から藤田、佐藤恵允(ブレーメン)とともにピッチに立つや否やアグレッシブさと激しさを前面に押し出した。後半20分には相手選手2人に囲まれながらボールをキープし、そのまま抜け出して内野航太郎(筑波大学)の決定機を演出するスルーパスを供給。その直後にも左サイドを突破し、ゴール前の高井幸太(川崎フロンターレ)目がけて決定的なクロスを上げている。
これらのチャンスは惜しくも得点には至らなかったが、「松木なら得点に直結する仕事ができる」という印象を見る者に強烈に残した。その底力を大一番で遺憾なく発揮し、日本をベスト4へと導くこと。それが背番号17に託されたタスクなのだ。
「やっぱり一発勝負なんで、中2日の疲労とかもあるとは思うんですけど、そういうのは言い訳にできない。つねに1試合1試合を大切に戦っていけたらいいかなというふうに思います」と日本を出発する前にも目をぎらつかせていた松木。ある意味、次のカタール戦は彼のサッカーキャリアを左右するビッグマッチになるかもしれない。
ここで今大会最強とも言われる敵を倒し、準決勝でイラクとベトナムの勝者を撃破できれば、彼は堂々とパリ五輪へ行くことができる。そうすれば、前々からの念願である海外移籍も実現できるだろうし、A代表へのステップアップ、9月からスタートする2026年北中米W杯アジア最終予選参戦も見えてくるはずだ。
近未来の森保ジャパンでボランチの座を争うと目される遠藤航(リバプール)、田中碧(デュッセルドルフ)らも五輪を足がかりに飛躍し、A代表、海外でのプレーを勝ち取っている。遠藤などはご存じの通り、30歳を過ぎてリバプールという名門クラブ行きを勝ち取り、主力級の地位まで上り詰めた。そう考えると、20歳の松木にはまだまだ無限のチャンスが広がっているが、1つ1つステージを上がっていかなければ、彼らに勝負を挑めない。だからこそ、カタールには絶対に勝たなければいけないのである。
今大会の大岩ジャパンは細谷真大(柏)、藤尾翔太(町田)、内野航太郎、佐藤といったFW陣にゴールが生まれていない。特にエース・細谷の不振は際立っている。彼らは彼らなりにゴールへの意欲を燃やし、感覚を研ぎ澄ませていくだろうが、松木はすでに16日の初戦・U-23中国戦で1点をマークしている。
ゆえに、彼がより高い位置でプレーした方が日本は得点に近づくはず。本人もバランスを見ながらプレーするだろうが、ここ一番の状況でが思い切って前に突っ込んでいってもいい。敵の意表を突く攻めが上がりで日本に足りないゴールをもたらすこと。それもこの男には大いに期待したい。
とにかく、日本最大の危機的状況を打開できるのは、強靭なメンタルと勝負強さのある人間だけ。今のチームでは松木をおいて他にいないと言っても過言でないくらい、彼はそういった部分で突き抜けている。そのストロングを出すべき時はまさに今しかない。
25日の大一番は背番号17の一挙手一投足から目が離せない。
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U-23日本代表は12日、AFC U-23選手権タイ2020のグループB第2節でU-23シリア代表と対戦し、1-2で敗戦した。 3日前に行われた開幕節のU-23サウジアラビア代表戦を終盤のミスによる失点で黒星スタートとなった日本は、サウジアラビア戦のスタメンから6選手を変更。上田綺世、森島司、相馬勇紀、齊藤未月、松本泰志、町田浩樹がスタメンとなった。 初戦のU-23カタール代表戦を引き分けたシリアに敗れて2連敗となると敗退が決まってしまう日本は、初戦同様に[3-4-2-1]のシステムで臨み、GKに大迫敬介、3バックに右から渡辺剛、岡崎慎、町田、中盤に右から橋岡大樹、齊藤、松本、相馬、2シャドーに食野亮太郎と森島、最前線に上田が入った。 開始7分、日本はPKを献上する。CKの流れから町田の足が相手の頭に当たっていたとしてVARの末にPKとなり、これを決められて日本は先制を許してしまった。 先手を取られた日本は自陣に引くシリア相手に敵陣でボールを持つも、シュートに持ち込むことはできない。26分にようやく上田がミドルシュートでゴールの予感を感じさせると、28分に決定機。左サイドからのクロスが流れ、ボックス右で拾った橋岡が胸トラップからボレーシュート。だが、GKのセーブに阻まれた。 それでも30分、日本がファインゴールで追いつく。ボックス手前左から相馬が右足を振り抜くと、ゴール左隅に強烈なシュートが突き刺さった。 同点後も押し込んだ日本は1-1で迎えた後半、敵陣でのプレーを続けるも、シュートに持ち込むことはできない。 そこで67分、食野に代えて田川亨介を投入。しかし、流れは変わらず攻撃は活性化されない。 そんななか終盤の83分にようやく逆転のチャンス。右サイドのスペースを突いた橋岡が絶妙なクロスを送ると、ファーサイドの上田がボレー。だが、シュートを枠外に外してしまった。 すると88分、致命的な失点を喫する。ロングカウンターに転じられ、ダリにボックス左まで持ち運ばれると、そのままシュートを決められてしまった。 結局、90分の旗手の際どいシュートはGKのセーブに阻まれ、追加タイム3分の橋岡のボレーシュートもGKに阻止された日本は1-2で敗戦。2連敗で史上初のグループステージ敗退となってしまった。 ◆グループB順位表(1/13更新) [勝点/試合数/得失差] 1.サウジアラビア[4/2/1] 2.シリア[4/2/1] 3.カタール[2/2/0] 4.日本[0/2/-2] 2020.01.13 00:13 Mon4
VAR判定は完璧ではない/六川亨の日本サッカー見聞録
人はみな、大人であれ子供であれ、新しいアイテム(玩具)を手に入れれば使いたくなるのは当然だ。人間の性とも言っていいだろう。それが個人的な趣味の範囲にとどまっていればいい。ところが人生を左右しかねないとなると大問題だ。 ここまで書いたら何を言いたいのか、お分かりの読者もいるかもしれない。そう、U-23アジア選手権で導入されているVAR判定だ。 U-23日本は初戦のサウジアラビア戦、第2戦のシリア戦、そして昨日のカタール戦と3試合で4回のVTR判定を経験した。そして、そのうち3回がPKを取られ、1回は田中碧の1発退場という、勝敗の行方を左右する極めて厳しいジャッジだった。 とりわけカタール戦のVAR判定は、記者席に設置されたモニターで確認しても、田中碧が一連のプレーの流れでマイボールにした際に足を着いたところ、相手の足がたまたまあったため踏んでしまったように見えた。齊藤未月のプレーも、相手はシュートモーションに入っていたが、先にボールにアプローチしたのは齊藤だった。その結果、相手は齊藤のふくらはぎを蹴って転倒したにすぎない。キッキングで日本にFKが与えられてもおかしくないシーンだった。 とはいえ、一度下った判定は覆らないことは百も承知だ。それでもあえて苦言を呈したいのは、VARは完璧ではないということだ。というのも、VARを運営するのは人間であり、人間は間違いを犯すからに他ならない。 J1リーグは今シーズンから初めてVARを導入する。本来は人材を育成するため来シーズンから導入予定だった。というのも、韓国のKリーグは一昨シーズンから導入したものの、不慣れな運用からミスジャッジが多かった。このためJリーグは慎重を期し、VARとアシスタントVARの育成に時間をかける方針だった。 しかし育成は順調に進み、1年前倒しで導入できるようになった。もちろん導入してみて、様々なトラブルが発生するかもしれない。しかし、こればかりは実践を重ねるしかない。 そして今大会のVARである。 スタートリストにはVARとして中国人の審判が、アシスタントVARとしてイランとマレーシアの審判が務めた。中国のスーパーリーグと、イランやマレーシアの国内リーグがJ1リーグより先にVARを採用していて、VARの先進国かどうかはわからない。あるいはAFC(アジアサッカー連盟)で研修を重ねたのかもしれない(昨年のアジアカップで準々決勝以降に初めて導入)。 ただ、Jリーグより進んでいるとはどうしても考えられない。そこで、カタール戦のVARによるレッドカードとPKも、素直に承服できないのだ。 それというのもシンガポール人の主審は自らVARを要求したのではなく、いずれのプレーもノーファウルだった。そこでVARからのリクエストで判定することになったが、齊藤のPKになったプレーは、本来なら主審がOFR(オンフィールドレビュー=主審による映像確認)をしてからファウルかノーファウルかジャッジを下すべきである。 ところがOFRをすることなく主審はPKを宣告した。本来なら、VARはアドバイスで主審をサポートするのが本来の役目であり、ジャッジの決定権はない。最終判断を下すのは、あくまで主審である。しかしPKのシーンは、その立場がまるで逆転しているように感じられた。 日本は2つのVAR判定に関して公式な見解を求めるべきだろう。そしてAFCは、今大会終了後、すべてのVAR判定について正確なジャッジが下されたのかどうか検証する義務がある。例え時間がかかっても、それは公表し、各国が情報を共有できるようにするべきだろう。 2020.01.18 21:30 Sat5
