「地域CL」1次ラウンドA組をざっくり展望 FC.ISE-SHIMAが3年ぶり出場、プライドかけた九州勢対決も【Road to JFL】

2024.11.01 17:00 Fri
Jリーグ30年史のレジェンド、FC.ISE-SHIMAの小倉隆史理事長
©︎J.LEAGUE
Jリーグ30年史のレジェンド、FC.ISE-SHIMAの小倉隆史理事長
日本フットボールリーグ(JFL)参入をかけた全国地域サッカーチャンピオンズリーグ2024(地域CL)が8日に開幕。ここでは1次ラウンドAグループをざっくり紹介する。

◆Aグループ(静岡会場)
FC徳島(四国/徳島)
ヴェロスクロノス都農(九州/宮崎)
ジェイリースFC(全社枠2/大分)
FC.ISE-SHIMA(東海1部/三重)

A組はそれぞれ四国、九州の王者に輝いたFC徳島と都農、九州2位の実業団ジェイリース、東海1部初優勝でリーグ王者としての地域CL参戦は初となるISE-SHIMA。
4クラブとも初のJFL参入を目指すなか、うち3クラブが決勝ラウンドまでは経験。FC徳島とISE-SHIMAが2021年、都農が旧名称時代の2018年に1次ラウンドを突破した。

小倉隆史氏が理事長を務めるISE-SHIMAは、2021年に輪番枠で地域CL初出場。決勝ラウンドまで6試合無敗、同2位でJFL側との入替戦へ進むも、ホンダロックSC(現:ミネベアミツミFC)に2-3と惜敗して涙を呑んだ。
今回はこの時以来、3年ぶり2度目の地域CLとなるわけだが、つまりISE-SHIMAは地域CLで、まだ負けたことがない。

対し、FC徳島と都農は、昨季の地域CL1次ラウンドでも対戦。この時は互いに2連敗して敗退が決まったなか、3日目での激突となり、FC徳島が2-1と勝利している。しかし、今回は1日目の第1試合…緊張感は1年前とまるで違う。

一方、ジェイリースは地域CL初出場。

2018年創立の新興実業団は、松本怜八反田康平など九州Jクラブにゆかりのある選手を多数擁し、全社枠から大舞台へ。全社では初出場の22年大会で1回戦敗退、昨年は準々決勝敗退、今年は3位と、一歩ずつ階段を上がってきた。

注目すべきは、都農との九州勢対決か。都農は16勝1分け1敗で九州制覇も、“1分け1敗”はジェイリース戦。敗れた1試合は優勝確定後の消化試合だが、詰まるところ、王者都農は2位ジェイリースに勝てていないのである。

過去2年の地域CL王者は、関東1部で優勝できずも、それぞれその年の関東1部王者を地域CLで撃破したブリオベッカ浦安、栃木シティ。

2022年の浦安は関東1部6位も、優勝した栃木Cを、地域CL決勝ラウンド最終戦で3-1と撃破。この年、栃木Cは年間公式戦「5敗」のうち、実に「3敗」が浦安戦となった。

悔しさを味わった栃木Cは翌23年、関東1部2位で、優勝したVONDS市原には2戦2敗。しかし、地域CLでは1次ラウンド、決勝ラウンドともにV市原を撃破し、JFLまで駆け上がった。

下剋上が起こりうる舞台、地域CL。ジェイリースに足元をすくわれるのは避けたい都農だ。

◆Aグループ日程
▽第1節
[11月8日(金) 10:45]
FC徳島 vs ヴェロスクロノス都農
[11月8日(金) 13:30]
ジェイリースFC vs FC-ISE.SHIMA

▽第2節
[11月9日(土) 10:45]
FC徳島 vs ジェイリースFC
[11月9日(土) 13:30]
ヴェロスクロノス都農 vs FC-ISE.SHIMA

▽第3節
[11月10日(日) 10:45]
FC徳島 vs FC-ISE.SHIMA
[11月10日(日) 13:30]
ヴェロスクロノス都農 vs ジェイリースFC

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全12クラブがJFL入会希望…地域CL1次ラウンドは明日スタート、決勝ラウンド進出を勝ち取るのは?【Road to JFL】

8日、日本フットボールリーグ(JFL)入会を目指すクラブが集う全国地域サッカーチャンピオンズリーグ2024(地域CL)が開幕する。 今季の地域CLは、出場全12クラブが「JFL入会」を希望する書類をリーグ側へ提出。 1次ラウンドはグループA〜Cの全3組。「各組1位3チーム+各組2位の成績最上位1チーム」の計4チームが決勝ラウンドへ進み、原則として、決勝R1位はJFLへ自動昇格、決勝R2位はJFL最下位との入替戦へ…という流れである。 ◆北海道十勝スカイアース(北海道/北海道) 十勝は北海道リーグ王者として3年ぶりの地域CL。北海道勢は地域リーグからJFLへの昇格を掴んだことがなく、十勝も2020年に決勝R進出も、3戦3敗で夢敗れている。BTOP北海道から道内の覇権を取り戻した勢いで、勝ちたい。 ◆ブランデュー弘前FC(東北1部/青森) 弘前は東北1部を2連覇と、JFL経験を持つコバルトーレ女川を凌駕。東北1部「98得点」は、全国各地域1部で最多の数字である。JFLではラインメール青森が弘前市でホームゲームを開催することもある状況…弘前も上がりたい。 ◆VONDS市原(関東1部/千葉) V市原は関東1部を2連覇。昨季は決勝R2位も、入替戦で沖縄SVに敗れて涙を呑んだ。ソリッドなサッカーを伝統とし、いつの時代も守備が堅い。本拠地「ゼットエー」は改修工事が進んでおり、夜間照明のLED化が完了したそうだ。 ◆福井ユナイテッドFC(北信越1部/福井) 北信越1部2連覇の福井は、まさに地域CLの常連。クラブ発足6年で5回目の出場だ。昨季は1次Rで3戦無敗も、得失点差で2位敗退。今季はホームでのリーグ最終節で観衆「2081人」を記録するなど、県民の期待が大きそうだ。 ◆FC.ISE-SHIMA(東海1部/三重) ISE-SHIMAは東海1部初優勝。輪番枠で地域CL初出場の2021年は、決勝R2位で入替戦へ進み、当時のホンダロックSCに敗れて散った。もし昇格なら、JFLはヴィアティン三重、アトレチコ鈴鹿、ISE-SHIMAと三重県3クラブに。 ◆飛鳥FC(関西1部/奈良) こちらは関西1部初優勝の飛鳥。奈良県勢が地域CLに出場するのは、2014年の奈良クラブ以来で、この時の奈良は優勝してJFLへ。飛鳥の美濃部直彦監督は、自身のXで「超大穴の我々が何か起こせたら面白いよね」とニヤリ。 ◆福山シティFC(中国/広島) 完成度の高いサッカーで中国リーグを3連覇した福山。ただ、全社で3年連続の1回戦敗退を喫し、大会後にコーチングスタッフのテコ入れを発表した。ともあれ、V市原とともに昨季の決勝R組。福山を侮るチームなど存在しない。 ◆FC徳島(四国/徳島) FC徳島は四国リーグ4連覇(※)、6年連続6回目の地域CLに。徳島ヴォルティスのエースストライカーとしてJリーグ参入初期を支えた羽地登志晃氏が今季から監督だ。全社ではクラブ史上最高の準優勝。間違いなく、力はある。 (※)リーグ中断の2021年はカウントせず ◆ヴェロスクロノス都農(九州/宮崎) 都農は九州リーグを2連覇。土日集中開催も多い九州とあって、地域CL出場権獲得の一番乗りとなった。福山で昨季の決勝Rを経験したDF松岡憧が加入したことは大きな補強だったか。松岡が最終ラインに君臨する都農である。 ◆JAPANサッカーカレッジ(全社枠1/新潟) ご存知、天皇杯でJ1名古屋に勝利した専門学校チームJSC。全社はV市原、弘前、FC徳島と3地域のチャンピオンを撃破して頂点に輝いた。一方、1次Rで同居する福井とは、北信越1部で2戦2敗。勢いとヤングパワーでリベンジだ。 ◆ジェイリースFC(全社枠2/大分) 地域リーグ最強の「実業団」ジェイリース。J2大分など九州Jクラブに所属歴のある選手が多く、今季の九州リーグは優勝した都農を相手に1勝1分けだ。ジェイリースと都農も1次Rで同居。全社枠からの勢いで今回も勝ちたい。 ◆FC刈谷(全社枠3/愛知) 刈谷は本来なら東海1部優勝からの地域CLが相応しい実力派集団。かつてJFL上位に食い込んだデンソーを前身とする強豪だ。全社枠3ということで、まさに1番下からの参戦…昨季は栃木シティが百年構想枠から昇格している。 2024.11.07 06:00 Thu

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