栃木シティが地域CLへ首の皮一枚繋がる…東京23FCは敗退で関東2部降格の危機加速…ジェイリース、刈谷ら地域CLへ王手【Road to JFL/全社2回戦】
2023.10.22 17:02 Sun
各クラブの運命が交差する“全社”...JFLへの道のりは険しい
22日、第59回全国社会人サッカー選手権大会(以下:全社)の2回戦8試合が佐賀県各地で行われた。日本全国の地域リーグから全国地域サッカーチャンピオンズリーグ(地域CL)の出場権獲得(※1)、そして日本フットボールリーグ(JFL)昇格を目指すチームが集う“全社”。今年は佐賀県開催となり、22日に2回戦8試合が行われた。
(※1)大会レギュレーションは「目指すはJFL昇格!前回王者ブリオベッカ浦安に続け! “全社”2023が21日開幕【Road to JFL】」をご参照ください
1回戦では、すでに地域CL出場権を獲得済みのBTOP北海道(北海道1位)、福山シティFC(中国1位)、VONDS市原FC(関東1部1位)が敗退。また「全社から地域CLへ」を目指したチームの中からも、栃木シティFC(関東1部2位)が敗退する波乱が起きている。
なお、1回戦終了時点で地域CL全社枠(ベスト4)3チームのうち、2つが埋まる形となったため、Jリーグ百年構想クラブ枠の繰り上げ適用しか道がない栃木シティは早くも窮地に。2回戦でFC徳島が敗れれば、2017年以来となるJFL復帰はまたしてもお預けとなる。
「全社から地域CLへ」を目指す十勝と、今大会を地域CLの前哨戦として戦うFC徳島。24分、徳島は昨日が23歳の誕生日だったFW野村魁(23)が混戦の中から右足を振り抜き、値千金の先制弾を叩き込む。
徳島は追加点こそ奪えずも、虎の子の1点を守り抜いて1-0で勝利し、準々決勝へ進出。昨年の地域CL一次ラウンドで3戦全敗に終わっていた徳島にとって、貴重な強化の場である全社でさらなる“テストマッチ”の機会を得た格好だ。
一方の十勝は地域CL出場、JFL昇格が消滅。悲願は来季以降にお預けとなった。
この結果、栃木シティは地域CL出場に向け、首の皮一枚で繋がったことに。百年構想枠を申請するには、明日もFC徳島の勝利を願うしかない。
◆FC BASARA HYOGO(関西1部6位) 1-2 ジェイリースFC(九州3位)
1回戦で栃木シティを撃破した、九州は大分県の新興勢力・ジェイリース。生ける伝説FW我那覇和樹(43)に加え、MF松本怜(35)やMF小手川宏基(34)、FW木島悠(37)といった大分のサッカーに縁深い元Jリーガーを多数擁し、MF永芳卓磨(37)が選手兼任監督を務めるという企業クラブだ。
2回戦含めあと2勝で地域CL一次ラウンドへ、というなか、20分に右CKから先制を許して追いかける展開に。しかし直後の21分、リスタート後のファーストアタッキングからFW遠藤純輝(28)が右足コントロールショットを流し込む。
後半立ち上がりの46分(全社は40分ハーフ)には、スルーパスに抜け出した九州リーグ18試合24ゴールで得点王の薗田卓馬(30)がボックス外から強烈な右足シュートを叩き込んで逆転する。
その後はスコアラー2人を下げて我那覇、木島らを投入するなど層の厚さを見せつけつつ、試合のクローズに成功。2-1で勝利し、準々決勝進出を決めた。
◆FC刈谷(東海1部2位) 2-1 東京23FC(関東1部9位)
2年連続の地域CL出場へここで終わるわけにはいかない名門・刈谷と、JFL昇格を逃せば関東サッカーリーグ2部降格の危険性が増してしまう23FC。全社2回戦にしてとてつもない緊張感の漂う一戦が実現してしまった格好だ。
序盤からハイテンポの攻防が続き、所属選手28人の平均年齢24.0歳という若き刈谷、就任3年目の小松祐己監督体制下でチーム全体が走力に自信を持つ23FC、どちらも高い集中力が光る。したがってなかなか決定機が訪れない。
均衡を破ったのは23FC。72分、CKのピンチを切り抜けてカウンターを発動すると、MF原科勇我(25)が自陣からドリブルを開始し、敵陣に入ってすぐに右足を振り抜く。高いポジションを取っていた刈谷GK兒島拓哉(27)の頭上を越すロングシュートがネットへ吸い込まれた。
それでも刈谷は80+1分、ロングボールの折り返しをMF小沼樹輝(23)が蹴り込んで起死回生の同点弾。さらに80+4分、右CKからDF大島遼介(24)が押し込んでまさかの大逆転。刈谷が激戦を2-1で制し、準々決勝進出を決めた。
1回戦でも後半ラストプレーで同点被弾があり、なんとかPK戦を制して刈谷戦に駒を進めていた23FC。これで全社敗退が決まり、地域CL出場、JFL昇格の可能性が潰え、関東2部降格回避はJFL昇格の可能性を残す関東1部のライバルたちに委ねられた。
◆アルテリーヴォ和歌山(関西1部1位) 2-1 アルティスタ浅間(北信越5位)
「和歌山県に初のJリーグクラブを」という使命を背負い、関西リーグ1部2連覇で2年連続となる地域CLへのストレートインを決めている和歌山。前哨戦となる今回の全社初戦では、在籍7年目のMF堀野翔(29)が決勝点を叩き込んだ。
過去3回の地域CL(2015、16、22)では一次ラウンド突破経験がなく、昨年は2度目のJFL昇格を成し遂げたブリオベッカ浦安にセットプレーからの2発で逆転負け(1●2)。浦安にある種の“格”を見せつけられた。今回の全社では1試合でも多く“テストマッチ”をこなしておきたいところだ。
「全社から地域CLへ」を目指す本気のアルティスタに対しては、19分にFW北野純也(34)のゴールで先制も、試合も終盤の73分に同点とされる。
それでも試合終了間際の80+4分、途中出場MF清本将史(23)がボックス内で縦パスを受け、DFを手で押さえつつワントラップで前を向き、勢いよく右足シュート。これが豪快にネットを揺らして決勝点となった。
和歌山は北信越1部の強豪・アルティスタを2-1と撃破。ヴェロスクロノス都農(九州1位)との地域CL出場権獲得済みどうしの前哨戦対決へ駒を進めた。一方のアルティスタは3年連続となる地域CL出場の可能性が消滅。来季も北信越から再チャレンジだ。
◆2回戦結果
▽10月22日/11:00
[17]FC BASARA HYOGO 1-2 ジェイリースFC
[18]ジョイフル本田つくばFC 1-0 コバルトーレ女川
[19]FC刈谷 2-1 東京23FC
[20]東邦チタニウム 0-0(PK:3-5) KMGホールディングスFC
▽10月22日/13:30
[21]ヴェロスクロノス都農 2-0 wyvern
[22]アルテリーヴォ和歌山 2-1 アルティスタ浅間
[23]北海道十勝スカイアース 0-1 FC徳島
[24]FCバレイン下関 0-3 FC延岡AGATA
◆準々決勝対戦カード
(★のチームは勝利で地域CL全社枠が確定)
▽10月23日/11:00
[25]ジェイリースFC★ vs ジョイフル本田つくばFC★
[26]FC刈谷★ vs KMGホールディングスFC★
▽10月23日/13:30
[27]ヴェロスクロノス都農 vs アルテリーヴォ和歌山
[28]FC徳島 vs FC延岡AGATA★
(※1)大会レギュレーションは「目指すはJFL昇格!前回王者ブリオベッカ浦安に続け! “全社”2023が21日開幕【Road to JFL】」をご参照ください
なお、1回戦終了時点で地域CL全社枠(ベスト4)3チームのうち、2つが埋まる形となったため、Jリーグ百年構想クラブ枠の繰り上げ適用しか道がない栃木シティは早くも窮地に。2回戦でFC徳島が敗れれば、2017年以来となるJFL復帰はまたしてもお預けとなる。
◆北海道十勝スカイアース(北海道2位) 0-1 FC徳島(四国1位)
「全社から地域CLへ」を目指す十勝と、今大会を地域CLの前哨戦として戦うFC徳島。24分、徳島は昨日が23歳の誕生日だったFW野村魁(23)が混戦の中から右足を振り抜き、値千金の先制弾を叩き込む。
徳島は追加点こそ奪えずも、虎の子の1点を守り抜いて1-0で勝利し、準々決勝へ進出。昨年の地域CL一次ラウンドで3戦全敗に終わっていた徳島にとって、貴重な強化の場である全社でさらなる“テストマッチ”の機会を得た格好だ。
一方の十勝は地域CL出場、JFL昇格が消滅。悲願は来季以降にお預けとなった。
この結果、栃木シティは地域CL出場に向け、首の皮一枚で繋がったことに。百年構想枠を申請するには、明日もFC徳島の勝利を願うしかない。
◆FC BASARA HYOGO(関西1部6位) 1-2 ジェイリースFC(九州3位)
1回戦で栃木シティを撃破した、九州は大分県の新興勢力・ジェイリース。生ける伝説FW我那覇和樹(43)に加え、MF松本怜(35)やMF小手川宏基(34)、FW木島悠(37)といった大分のサッカーに縁深い元Jリーガーを多数擁し、MF永芳卓磨(37)が選手兼任監督を務めるという企業クラブだ。
2回戦含めあと2勝で地域CL一次ラウンドへ、というなか、20分に右CKから先制を許して追いかける展開に。しかし直後の21分、リスタート後のファーストアタッキングからFW遠藤純輝(28)が右足コントロールショットを流し込む。
後半立ち上がりの46分(全社は40分ハーフ)には、スルーパスに抜け出した九州リーグ18試合24ゴールで得点王の薗田卓馬(30)がボックス外から強烈な右足シュートを叩き込んで逆転する。
その後はスコアラー2人を下げて我那覇、木島らを投入するなど層の厚さを見せつけつつ、試合のクローズに成功。2-1で勝利し、準々決勝進出を決めた。
◆FC刈谷(東海1部2位) 2-1 東京23FC(関東1部9位)
2年連続の地域CL出場へここで終わるわけにはいかない名門・刈谷と、JFL昇格を逃せば関東サッカーリーグ2部降格の危険性が増してしまう23FC。全社2回戦にしてとてつもない緊張感の漂う一戦が実現してしまった格好だ。
序盤からハイテンポの攻防が続き、所属選手28人の平均年齢24.0歳という若き刈谷、就任3年目の小松祐己監督体制下でチーム全体が走力に自信を持つ23FC、どちらも高い集中力が光る。したがってなかなか決定機が訪れない。
均衡を破ったのは23FC。72分、CKのピンチを切り抜けてカウンターを発動すると、MF原科勇我(25)が自陣からドリブルを開始し、敵陣に入ってすぐに右足を振り抜く。高いポジションを取っていた刈谷GK兒島拓哉(27)の頭上を越すロングシュートがネットへ吸い込まれた。
それでも刈谷は80+1分、ロングボールの折り返しをMF小沼樹輝(23)が蹴り込んで起死回生の同点弾。さらに80+4分、右CKからDF大島遼介(24)が押し込んでまさかの大逆転。刈谷が激戦を2-1で制し、準々決勝進出を決めた。
1回戦でも後半ラストプレーで同点被弾があり、なんとかPK戦を制して刈谷戦に駒を進めていた23FC。これで全社敗退が決まり、地域CL出場、JFL昇格の可能性が潰え、関東2部降格回避はJFL昇格の可能性を残す関東1部のライバルたちに委ねられた。
◆アルテリーヴォ和歌山(関西1部1位) 2-1 アルティスタ浅間(北信越5位)
「和歌山県に初のJリーグクラブを」という使命を背負い、関西リーグ1部2連覇で2年連続となる地域CLへのストレートインを決めている和歌山。前哨戦となる今回の全社初戦では、在籍7年目のMF堀野翔(29)が決勝点を叩き込んだ。
過去3回の地域CL(2015、16、22)では一次ラウンド突破経験がなく、昨年は2度目のJFL昇格を成し遂げたブリオベッカ浦安にセットプレーからの2発で逆転負け(1●2)。浦安にある種の“格”を見せつけられた。今回の全社では1試合でも多く“テストマッチ”をこなしておきたいところだ。
「全社から地域CLへ」を目指す本気のアルティスタに対しては、19分にFW北野純也(34)のゴールで先制も、試合も終盤の73分に同点とされる。
それでも試合終了間際の80+4分、途中出場MF清本将史(23)がボックス内で縦パスを受け、DFを手で押さえつつワントラップで前を向き、勢いよく右足シュート。これが豪快にネットを揺らして決勝点となった。
和歌山は北信越1部の強豪・アルティスタを2-1と撃破。ヴェロスクロノス都農(九州1位)との地域CL出場権獲得済みどうしの前哨戦対決へ駒を進めた。一方のアルティスタは3年連続となる地域CL出場の可能性が消滅。来季も北信越から再チャレンジだ。
◆2回戦結果
▽10月22日/11:00
[17]FC BASARA HYOGO 1-2 ジェイリースFC
[18]ジョイフル本田つくばFC 1-0 コバルトーレ女川
[19]FC刈谷 2-1 東京23FC
[20]東邦チタニウム 0-0(PK:3-5) KMGホールディングスFC
▽10月22日/13:30
[21]ヴェロスクロノス都農 2-0 wyvern
[22]アルテリーヴォ和歌山 2-1 アルティスタ浅間
[23]北海道十勝スカイアース 0-1 FC徳島
[24]FCバレイン下関 0-3 FC延岡AGATA
◆準々決勝対戦カード
(★のチームは勝利で地域CL全社枠が確定)
▽10月23日/11:00
[25]ジェイリースFC★ vs ジョイフル本田つくばFC★
[26]FC刈谷★ vs KMGホールディングスFC★
▽10月23日/13:30
[27]ヴェロスクロノス都農 vs アルテリーヴォ和歌山
[28]FC徳島 vs FC延岡AGATA★
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