【J1注目プレビュー|第17節:東京Vvs札幌】3バックを機能させたい東京V、監督続投で腹を括った札幌は何を見せる

2024.06.02 10:40 Sun
東京Vvs札幌 予想フォーメーション
©超ワールドサッカー
東京Vvs札幌 予想フォーメーション
【明治安田J1リーグ第17節】
2024年6月2日(日)
13:05キックオフ
東京ヴェルディ(12位/21pt) vs 北海道コンサドーレ札幌(19位/11pt)
[味の素スタジアム]

◆3バックをどう機能させるか 【東京ヴェルディ】
前節はアウェイでのヴィッセル神戸戦でオウンゴールながらも勝利を収めた東京V。FC町田ゼルビア相手に大敗を喫した中で、しっかりとバウンスバックを見せた。

ミッドウィークには久保建英擁するレアル・ソシエダと対戦した中、相手を受けてしまう前半から一変、後半は前からのプレスを激しくかけていくことに。相手の素晴らしいゴールの前に2失点はしたが、一定の手応えはあったはずだ。

そんな中で迎える札幌戦。3バックの相手に立ち向かうが、札幌はビルドアップ時に4バックに変わるため、しっかりと前からのプレスでハメていきたいところだ。
実戦ではまだまだ精度は高められていないシステムだが、しっかりと準備はしている。この戦い方を武器にできれば、チームとしても大きなポジティブな材料になるだろう。

★予想スタメン[3-3-2-2]
GK:マテウス
DF:宮原和也千田海人林尚輝
MF:翁長聖森田晃樹稲見哲行
MF: 綱島悠斗見木友哉
FW:染野唯月木村勇大
監督:城福浩

◆腹を括って何を見せる【北海道コンサドーレ札幌】

前節はホームに鹿島アントラーズを迎えて0-3の完敗。なかなか光明が見出せない札幌だったが、クラブはミハイロ・ペトロヴィッチ監督と共に戦い抜くことを表明した。

7年目を迎えた今シーズンは、かつてない苦しみを味わっている。それもそのはず、毎年のように主軸を担った選手が引き抜かれ、チームを支える選手たちには大きな変化がない状況。補強も最低限という状況では、育たなければ苦しむのは明らかだ。

マンツーマンディフェンスを武器に相手を押し込めていた昨季までに比べ、局面での強度の弱さ、デュエルの勝率の低さなど、個々のクオリティで勝てない状況がある。

メンタル面も非常に難しい状況だろう。ただ、そこで落としてしまっては、絶対に結果はついてこない。これまでの札幌のように、しっかりと強いメンタルを持って、アグレッシブさを取り戻せるか。ミシャ監督と続けていくと決めたならば、そのスタイルを見せてもらいたいものだ。

★予想スタメン[3-4-2-1]
GK:菅野孝憲
DF:髙尾瑠、岡村大八中村桐耶
MF:近藤友喜荒野拓馬馬場晴也菅大輝
MF:駒井善成、スパチョーク
FW:キム・ゴンヒ
監督:ミハイロ・ペトロヴィッチ

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鹿島アントラーズから東京ヴェルディに期限付き移籍加入したMF松村優太が24日にチームに初合流した。 静岡学園高校から2020年に鹿島入りした松村は、鹿島で通算99試合10得点5アシストを記録。パリ・オリンピック候補としてU-23日本代表にも招集されていたが、今シーズンはここまで公式戦9試合の出場で、明治安田J1リーグでは先発機会なしだった。 そんななか、出場機会と共に環境を変えて個人としての成長を目指す23歳は、同じJ1の舞台で戦う昇格組へのレンタル移籍を決断した。 24日に行われたトレーニングセッションで初合流となった松村は、オフ明けのチームメイトと共に1時間半弱のトレーニングをこなした。 その後、囲み取材に応じたサイドアタッカーは、「年齢が若くて、顔見知りも多い。若いエネルギッシュな力でみんなが切磋琢磨している」と合流初日の印象を語った。 プロ5年目のシーズン途中にキャリア初の移籍を決断し、移籍発表時の両クラブのリリースでも「覚悟を持って」という強い決意を感じさせるコメントを残していた松村。 その決断について「まずはプレーすること。ここに来たからといって、その確約があるわけではないですし、競争があることは理解しています。その争いの中でポジションを勝ち取っていくことや、ゲームの中でいかに自分がどれだけできるか」、「あとはこの夏のタイミングで、僕自身も5年目で移籍が初めてですが、覚悟を持って来たので、しっかりとヴェルディの力になれるように頑張っていきたい」と、改めて決意の強さを示した。 単純な出場機会を考慮すれば、カテゴリーを下げるか、自身のプレーポジションの選手層が手薄なクラブも選択肢にあった中、東京Vを移籍先に選択した理由について松村は、自身の足りない部分を改善しつつ、「その上で自分の良さを最大限活かしていける」という感触を得られたことが大きかったという。 「鹿島だとポジションは右ウイング、左ウイングの2つだけでしたが、ヴェルディでは2シャドーと両ウイングバックを含めてやることになる。そのなかでシャドーであれば中での組み立て。ウイングバックであればサイドバックとしてのプレーも必要になってくると思います」 「移籍するにあたって自分自身の成長が必要だと感じているので、その部分でウイングバックとしての守備の部分、上がるタイミングを含めてより成長できると思います」 「(城福浩監督のサッカーは)攻守にアグレッシブなプレーだったり、走り切るところ。しっかりと要求される部分はあるので、その上で自分の良さを最大限活かしていけるという感触があったので、それがここに決めたきっかけでもあります」 一方、「自分の能力やポテンシャルを確信して取ったと言ってくれた」と、クラブからはチームとしてより攻撃的に戦っていく部分で攻撃面の貢献を期待されているという。 松村自身も「まずは要求されるところを理解して表現して、チームのやり方や要求されるタスクをこなしつつ、いかに確信を持ってもらったところを表現していくかだと考えています」と、その意図を理解。「初日なのでまだまだですが、ブライトン戦もありますし、次のリーグ戦まで時間があるので、順応していきたいです」と、早期フィットを目指す。 自身初の移籍ということもあり、少なからずの不安を感じるところだが、今回の移籍に際してはMF三竿健斗とDF安西幸輝という東京Vの下部組織出身の2選手。プロ加入時の同期であるFW染野唯月、プライベートでも仲がいいDF林尚輝という、同じ鹿島からのレンタル組の存在もその不安を軽減する役割を担っている。 「(移籍に際して鹿島の選手やスタッフから)全員が『マツは大丈夫だよ』と言ってくれました。そこは自分の今までのプレーだったり、トレーニングや姿勢をみんなが見てくれていたからこその言葉だったのかなと思います。中には『(移籍という決断が)正解だよ』と言ってくれた人もいました」 「特に三竿選手、安西選手とかは『ヴェルディいいじゃん』と言ってくれましたし、みんなが『マツなら大丈夫』と言ってくれました。個人的に初めての移籍ですし、自分が思っている以上に少し不安なこともあると思いますが、そうやって周りの人が自分のことを評価してくれていますし、そこは自信を持っていい部分だと思うので、自分をしっかりと表現しながら、チームのことを吸収していければと思います」 「(移籍が発表されてすぐに)あの2人(染野と林)から連絡が来て、自分よりも喜んでくれている感じでした。今のところはいい話しか聞いていないので、楽しみです(笑)」 静学時代以来、袖を通した緑のユニフォームについて移籍の際には「ずっと鹿島にいたので、あまり緑のイメージはないと思われています。鹿島の人にも『緑は初じゃない?』って言われましたけど、『高校の時は緑でした』と答えておきました」と周囲に違和感を指摘されたという。 そのため、「僕自身は違和感ないですけど、そこはみなさんにどう思ってもらえるかですね(笑)」と、チーム同様に緑のチームカラーにも馴染んでいきたいとしている。 最後に、緑の新たな快足アタッカーは「スピードや仕掛けの部分。鹿島で成長してきたのはカットインからのシュートやクロスの精度。そこはずっと取り組んできた部分ですし、自分自身でも左足のシュートや右足のクロスというところで結果もついてきたりもしていたので、そこはこのチームのために発揮していかないといけないですし、力になれると考えています」と、新天地のファン・サポーターに向けて自身のアピールポイントを語った。 現在、16年ぶりの昇格ながら9位と健闘している東京Vだが、ここに来て下位クラブも勝ち点を積み上げており、最大限の目標であるJ1残留、その先にある上位への躍進に向けて、鹿島から今季3人目の加入となった韋駄天の攻撃面における起爆剤となる働きが期待される。 2024.07.24 13:55 Wed
東京ヴェルディが“総力戦”で敵地から大きな勝ち点3を持ち帰った。 東京Vは20日、ベスト電器スタジアムで行われた明治安田J1リーグ第24節でアビスパ福岡と対戦し、1-0で勝利した。 前節、FC町田ゼルビア相手に0-1の敗戦を喫し、宿敵相手に屈辱のシーズンダブルを喫したチームは、公式戦連敗ストップと共にリーグ3試合ぶりの白星を目指して8位の福岡と激突。 互いに決定力に問題を抱えており、ロースコアの展開が想定された中、試合はその予想通りの形に。それでも、より効果的にチャンスを作っていたアウェイチームは38分にFW山見大登のゴールで先制に成功。 後半はFWシャハブ・ザヘディの投入や攻撃的な[4-4-2]への布陣変更で勢いを出したホームチームに攻勢を仕掛けられたが、最後の局面でしっかりと身体を張った緑の壁は最後まで決壊せず。敵地で大きな勝ち点3を掴み、9位に浮上している。 試合全体としては前半序盤に地上戦、後半半ば以降は相手のリスクを冒したロングボールやクロスに押し込まれ、追加点を奪い切るという部分でも課題を残した。 試合後の会見でも城福浩監督はそういった課題を受け止めつつも、就任時からのコンセプトを達成した部分を高く評価した。 クラブの予算規模もあり、個に依存しない全員守備・全員攻撃のハイインテンシティのフットボールを志向する指揮官は、常日頃から“バトンを繋ぐ”というキーワードを使い、先発の11人が前半キックオフから出し惜しみせずにフルパワーを使い、5枚の交代選手がバトンを引き継いで試合終了のホイッスルが鳴るまで強度を維持することを求めている。 J1最年少スカッドという事情もあり、シーズン序盤戦では交代選手の経験不足やクオリティ不足もあってリードを守り切れない試合や、同じく指揮官が求める“ゲームチェンジャー”の不在が散見されたが、ここに来て一段階上のチーム内競争が行われており、その問題が徐々に改善されている。 そして、この福岡戦では脳震とう疑いで染野が途中交代となった部分を含めフィールドプレーヤー6人全員を投入した中、MF森田晃樹はゲームを落ち着かせる役割を、FW山田剛綺とMFチアゴ・アウベスは前線からの果敢なチェイシングや身体を張ったボールキープやファウルをもらう仕事、DF千田海人が再三のクロスやロングボールを撥ね返し続けるなど各自が先発選手の役割を引き継ぎつつ、プラスして自身の特長も示した。 そのため、指揮官は「今日は何よりも、我々がチームとして目標としているバトンを繋いでいくというところで、最高のバトンの受け渡しができたのではないかと思っています」と、“総力戦”での勝利を称えた。 スタートから中盤で攻守にハードワークをこなし、出し切って味方にバトンを繋いだMF齋藤功佑は、「チームとして守備からアラートにやる。ハードワークをやる。全部出し切って交代して、また入った選手がハードワークしていくというのが体現できている」と指揮官同様にこの試合での手応えを口に。 ここ数試合ポジション争いが激化している状況において各自が葛藤を抱えながらも、チームのために求められている役割をこなすことでチーム力の向上に繋がっていると感じているという。 「いろんな思いを持ちながら、ただひたむきにやるしかないという状況の中で、いろんな葛藤が出てくると思いますが、自分なりにみんなが消化しながらうまくやれています」 「前回も個人のパフォーマンスは悪くなかったけど、結果が出ないからスタメンから外れた選手もいる中で、そういった選手も勝つために途中から出てやるべき仕事をやっていたので、そこは本当にリスペクトするところだなと思いますし、それがチーム力に繋がっていると感じています」 一方、ここ最近の公式戦2試合では右ウイングバックのポジションで攻撃を活性化させたMF松橋優安だが、この試合では守勢の展開において守備面でのハードワークでチームの逃げ切りに貢献。 「だんだんと攻撃のイメージが湧いてきている」と攻撃面での手応えを感じつつも、「あそこのポジション(ウイングバック)というのはどちらも求められるポジションだと思うので、まずは守備からという意識を持っている」とチームにとってより必要な仕事を完遂した。 現状では自身もポジション争いに挑む立場にある中で22歳MFは、「スタメンを確約されている選手なんていないと思いますし、今日ここに来ることができていないメンバーの中でも、いい選手、やり続けている選手というのがいます。いつそういう選手たちと入れ替わってもおかしくない。そういうメンバーがいるからこそ、自分たちもここのピッチで頑張れるというのがあるので、チームとして全員がいい競争をしている」とコメント。 今回ピッチに立った選手だけでなく、日頃から高いレベルで競い合うベンチ外の選手たちの存在が引き出した責任感、ハードワークが「最高のバトンの受け渡し」に繋がったと、“総力戦”での勝利であることを強調している。 2024.07.21 13:10 Sun
東京ヴェルディのFW山見大登が、前節の悔しさを晴らす殊勲の仕事を果たした。 東京Vは20日、ベスト電器スタジアムで行われた明治安田J1リーグ第24節でアビスパ福岡と対戦し、1-0で勝利した。 前節、FC町田ゼルビア相手に0-1の敗戦を喫し、宿敵相手に屈辱のシーズンダブルを喫した城福浩監督のチームは、公式戦連敗ストップと共にリーグ3試合ぶりの白星を目指して8位の福岡と激突した。 互いに決定力に問題を抱えており、ロースコアの展開が想定された中、試合はその予想通りの形に。それでも、前半により効果的にチャンスを作っていたアウェイチームは38分、GKマテウスからのロングボールを撥ね返された流れからFW染野唯月、MF見木友哉と中央で繋ぎボックス左で浮いた山見に絶妙なラストパスが通る。ここで山見は左への持ち出しからGK村上昌謙に寄せられる前に左足でニアを破り、チームにとって公式戦3試合ぶりのゴールをもたらした。 後半はFWシャハブ・ザヘディの投入や攻撃的な[4-4-2]への布陣変更で勢いを出した福岡に攻勢を仕掛けられたが、最後の局面でしっかりと身体を張った緑の壁は最後まで決壊せず。敵地で大きな勝ち点3を掴み、9位に浮上している。 「自分が決定機を外しすぎたから前節は負けた」と惜敗した町田戦を振り返り、その敗戦の責を負った山見は、この試合の立ち上がりにもFW木村勇大との連携から迎えた決定機を逃した。 ただ、「前節の方が酷い外し方だったので、今日の試合ではチャンスに絡んだという部分でうまくゲームに入れているという感じ」とポジティブな切り替えが殊勲の働きに繋がった。 そのゴールシーンについては「(左足で打ったのは)トラップが流れたから」と意図した形ではなかったものの、「後ろに相手選手がいないのがわかっていたので、うまく運べればキーパーと一対一になるかなというのはありましたし、うまく流し込めた」と咄嗟の切り替えを含め、冷静にプレーできたと自賛。 これで今シーズンのリーグ戦ゴール数を「4」に伸ばしたガンバ大阪からのローンプレーヤーは、そのうちの2ゴールが決勝点、残りの2ゴールも勝利や勝ち点奪取に繋がる価値ある仕事を果たしている。 ただ、「守備をして頑張っていれば、おのずとチャンスはこぼれてくるかなと思っているので、守備の部分が最近ある程度できてきたからこそ、ああいうふうにチャンスが出てきている」と、個人としては勝負強さという側面よりも守備面の向上や献身性という部分を評価した。 開幕から継続するリーグ連敗回避且つ、上位相手のアウェイゲームで勝ち点3を持ち帰ることに成功した中、山見は敗戦後の試合でバウンスバックを果たせている要因について「監督からの言葉もありますし、負けた試合の次の試合というのはより激しい練習、競争というのが生まれているからこそ、うまくそこでメンバーも変わりながらという形ができている」と、ヘッドダウンさせずに反発力を促す指揮官のマネジメントとチーム内での競争力の高さを挙げる。 また、ここ最近の活躍によってレギュラーポジション確保と言ってもいい状況だが、「自分が結果を残しているからといってスタメンが確約されているわけではないと思うので、中断期間やブライトン戦でまたいい結果を残して、次の広島戦に向けて頑張っていきたい」と常に危機感を抱きながらポジション争いと共にさらなる活躍を誓っている。 2024.07.21 09:20 Sun
約1カ月ぶりの戦列復帰を果たした緑の頼れる主将がチーム3戦ぶり勝利への貢献を誓った。 東京ヴェルディのMF森田晃樹は今シーズン開幕からのリーグ戦で全試合でスタメン出場。2ボランチの一角において攻守に存在感を示してきたが、先月初旬のトレーニングマッチで負ったケガによって1カ月以上の戦線離脱を強いられた。 それでも、14日に行われた明治安田J1リーグ第23節のFC町田戦ゼルビア戦で途中出場。チームは0-1で惜敗したが、個人としては後半終盤に絶妙なスルーパスから同点機を演出するなど攻撃面で存在感を示した。 直前にトレーニングマッチもこなしていたものの、1カ月ぶりの復帰からのリバウンドも懸念されたが、幸いなことに「特に問題なくやれている」とコンディションに問題はないという。 久々の出場の上、昨シーズンも含めて試合途中の出場は珍しいが、「ある程度、後半の中では自分たちがボールを持てる状況を出ていた選手が作ってくれていましたし、僕個人としては相当入りやすいゲーム展開の中で入らせてもらったので、その辺は特に違和感なかった」と試合勘を含めスムーズに入れたと振り返った。 その一方で、試合後の会見で城福浩監督が「まだまだ守備が試合に出られるレベルではない」と指摘したようにプレー強度、守備の部分では「試合の強度の部分でまだ個人的に全然良くないシーンとかもあった」と、指揮官の指摘に同意している。 また、試合全体に関しては「後半しっかり自分たちのボールで相手コートに押し込む時間を多く作れたのは良かった」と攻撃面での手応えを口にしたものの、「守備では失点のところもそうですけど、5バックで多くのシチュエーションで後ろで人が余る状態がある。ボランチをどこに付かせに行くのか、ウイングバックがどこまで出ていくのかとか、そういう守備のところの判断は課題」と、[3-4-2-1]への変更後から続く守備面の課題克服の必要性を訴えた。 その町田戦の反省を踏まえた上で臨む次節は、20日にベスト電器スタジアムでアビスパ福岡戦となる。 前回対戦は後半に入って互いに幾つか決定機を作ったものの、決め手を欠いてのゴールレス決着だった。 ここ数試合の福岡は離脱者の影響や停滞した攻撃の活性化という部分で、前線を中心によりモビリティを意識した戦い方も見せているが、森田は相手の変化を把握しながらも守備面においてチームがやるべきことはあまり変わらないと語る。 「堅い印象は相変わらずあります。ただ、クロスからの得点能力というのはフォワードが持っていますし、そういうところは気をつけなければいけない」 「(シャハブ・)ザヘディ選手が出てきたときは、わりと背後へのロングボールが多かったと思いますけど、最近の戦い方を聞いている感じだと、直近の試合では地上戦というか、足元の展開も増えているということなので、どちらにも対応できるようにできればいいかなと思っています」 「もちろんどちらもあると思うので、セカンドボールのところも相手は変わらず徹底してくると思うので、その辺は臨機応変に対応できればいいです」 直近の公式戦2試合で無得点という状況の中、ホームチームの堅守攻略に向けては町田戦の後半に見せたような戦い方を研ぎ澄ませつつ、少ないチャンスを今度こそきっちりモノにしたい考えだ。 「先制点がほしいのはありますけど、そんなに慌てずにやれればいいかなと…。相手コートで自分たちの時間を作れるなら、それはそれでいいと思うので、そういう時間もありつつ、しっかり背後も狙いつつという感じ。相手陣地でボールを持つことになると、相手の守備の堅さはあると思うので、一発で背後とかも狙いつつ、セットプレーも大事にできたらいいかなと思います」 守備面のリスクを考慮すれば、今回もジョーカー起用が見込まれるが、「直近は勝ち点3を取れていないので、しっかり勝ち点3を取れるようにやりたい」と、森田はリーグ3試合ぶりの勝利へ意気込んだ。 2024.07.19 20:00 Fri
東京ヴェルディの城福浩監督が、20日にベスト電器スタジアムで行われる明治安田J1リーグ第24節のアビスパ福岡戦に向けた会見を実施した。 前節、首位のFC町田ゼルビア相手に0-1の敗戦を喫した10位の東京V。これで天皇杯の湘南ベルマーレ戦に続く公式戦連敗となったチームは、連敗ストップと共にリーグ3戦ぶりの白星を目指して8位の福岡とのアウェイゲームに臨む。 町田戦では0-5の惨敗を喫した前回対戦からスコア、内容共に改善を示したが、一方で湘南戦に続く2試合連続無得点と攻撃面、とりわけ決定力という課題が浮き彫りとなった。 その点に関して指揮官は「決め切れる選手になれというふうに強く言うことは簡単」と、個のクオリティの部分だけに目を向けず、攻撃のスタートとなるビルドアップや前線の選手により多くの時間、選択肢を与えるという部分を含め、あくまでチーム全体の問題と捉えている。 「(町田戦では)もちろん決定機という表現をしていいシーンがいくつかあった。それを決め切れる選手になれというふうに強く言うことは簡単ですけど、その決定機が例えば5回作って、決め切れないのであれば、その決定機を今度は10回作ろうと。その10回の中の3回で“超決定機”ができれば、2点は取れるだろうと…」 「チームとして試合内容はそういうふうにありたいですし、自分としても『あそこはキーパーを見て浮かせ』とか、そんな具体的なことを言っても再現性はないわけです。我々としたら、決定機、超決定機を増やしていくという意味では相手のロングボールをクリアするのか、胸で収めてパスするのか。最終ラインのフィードが相手を見ながら相手の逆足にボールをつけるのか、怖がってバックパスするのか。もうそこからスタートしているので、そういうところは全員で共有しました」 今シーズンここまでは大敗後にシステム変更や前線を中心とする大胆なメンバーの入れ替えを行ってきた中、公式戦連敗となったこのタイミングでのマイナーチェンジも想定される。ただ、町田戦では試合内容自体に手応えもあり、百戦錬磨の指揮官の用兵により注目が集まるところだ。 「次の試合に向けての準備としては基本的には変わらない」と普段通りを強調する城福監督だが、この状況をポジション奪取のチャンスと捉え、ここまで出番がない選手を中心に“ギラギラ”した姿を求めている。 「結果が出たから絶対メンバーが変わらないかとか、試合に負けたから次は大幅に変わるとかという問題ではないですけど、選手としてはこれはチャンスだと思ってほしいし、練習に取り組むというか、それを表現するのは、選手はピッチ上でしかできない。だからこそ、練習場の笛から笛までのところをどれぐらい自分がポジションを掴むぞという姿勢でやってくれているかというところは、もっともっと要求したい」 「チャンスを与えてくれれば出るではなくて、試合に出ていくというか、自分で掴みにいくような、それがギラギラしたという表現がいいかどうかわからないですけど、そこは若い選手が多いので、そういうことを表面に出すのが得意な選手ばかりではないですけど、『オレを使え』というぐらいのギラつき感というか、そこはチームとしてもっともっとほしいところです」 そんななかで奮起が求められるのは、チームトップのリーグ9得点を挙げながらも5試合連続無得点で、直近3試合ではスタメンを外れているFW木村勇大。 今週のトレーニングでも守備を中心に多くの要求を行い「このチームの成長にも直結するぐらいの大きな影響がある」と、23歳のストライカーのさらなる成長を促している。 「彼の持っている能力というのは、実際J1の舞台でも示してきたものもあると思いますし、逆にそれがこのチームの武器になっているという状況があると思っています」 「ただ、彼が自分の能力を気がついたときに出す、能力を出せるときに出すという言い方がいいですかね。そこのところから、自分から引き出していくというところと、あとはチームの目指している守備。いい守備からのいい攻撃にという部分で、特に彼のポジションのところで言えば、スイッチを入れる役になると思いますけど、それがセットされた状態からのスイッチなのか。ルーズボールから相手にボールが渡った瞬間のスイッチなのか。マイボールになった瞬間の攻撃のスイッチなのか、というところに関しては、彼がもう一段上に行ってもらいたいというふうに強く思っていますし、彼の成長がこのチームの成長にも直結するぐらいの大きな影響があると思っています」 「彼に限らず、各々が今の自分の殻を破らないと、このチームの成長はないと思っているので、チームとして取り組む部分と、個人として殻を破るというところは、我々同様に選手も努力していかなければいけない」 一方、シーズン序盤の難しい時期を乗り越え、ここ数試合では攻守両面で進境著しい姿を見せているMF綱島悠斗について指揮官は、元々のポテンシャルと日々のたゆまぬ努力に加え、「メンタルの成長とコンディションの良さ」を好調の理由に挙げている。 「まずひとつは、彼がすごく地道にというか、やり続けている技術的なトレーニングがあって、おそらくそれがゲームの中で表現できている充実感というか、そういうものがあってそれが多少自信になっている」 「彼は自信を持ったときには本当に素晴らしいプレーをします。そこはわかっていますが、例えば1個のミス、2個目のミスというところで、自分で天を仰いで、自分から負のスパイラルに入っていくことが多かった。ただ、ここ最近はひとつのミスがあったとしても、メンタル的に切り替えられているなということ。そこで次にやるべきことというのを、すぐに体で判断してやってくれている、コンディションの良さもある」 前回対戦のゴールレスドローを含め、今回も堅い展開が見込まれる福岡とのアウェイゲームに向けては、FWシャハブ・ザヘディら相手の強烈な個を引き続き警戒しつつ、0-1で惜敗したサンフレッチェ広島戦を筆頭に、より前線でのモビリティも見せる相手の新たな戦い方への対応がカギになると考えている。 「前節の広島戦は本当に地上戦でも互角に戦っていましたし、ある意味で違う顔を見せた福岡だった。非常に良い試合をしたと思います。前への意識とかクロスの意識とか、ルーズボールの意識が強い福岡のイメージと、地上戦でもやれる、そういう選手を配置してそういう選手を最大限活かしてくるというサッカーもできるという意味では、すなわちゲームの中でも両方の変化を見せられるということなので、我々は両方の準備をしなければいけないというふうに思います」 「特にストロングがはっきりした選手が外国人選手も日本人選手もいるので、ここはそれを出させないためにも、そこの供給源であったり、ヘディングで競る前の駆け引きだったりというところも含めて、よりアラートにならないといけない。わかっていてもやられるというぐらい福岡のストロングは強く、はっきりしているので、ここはチーム全員で警戒したい」 その上で「まずはキックオフの時点で勝ち点1を持っているわけですから、アグレッシブに戦いながらもこの勝ち点1は絶対に死守する。さらにアグレッシブに戦って我々らしいサッカーをやって勝ち点3を取るというところは、もう1回みんなで萎縮することなく、緊張感を持って全員で準備しなければいけない」と、下位チームとの勝ち点差が詰まりつつある中でのリーグ3試合ぶりの白星を誓った。 2024.07.19 19:00 Fri

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戦列復帰した東京Vの森田晃樹、3戦ぶり勝利狙う福岡戦へ「しっかり勝ち点3を取れるように」

約1カ月ぶりの戦列復帰を果たした緑の頼れる主将がチーム3戦ぶり勝利への貢献を誓った。 東京ヴェルディのMF森田晃樹は今シーズン開幕からのリーグ戦で全試合でスタメン出場。2ボランチの一角において攻守に存在感を示してきたが、先月初旬のトレーニングマッチで負ったケガによって1カ月以上の戦線離脱を強いられた。 それでも、14日に行われた明治安田J1リーグ第23節のFC町田戦ゼルビア戦で途中出場。チームは0-1で惜敗したが、個人としては後半終盤に絶妙なスルーパスから同点機を演出するなど攻撃面で存在感を示した。 直前にトレーニングマッチもこなしていたものの、1カ月ぶりの復帰からのリバウンドも懸念されたが、幸いなことに「特に問題なくやれている」とコンディションに問題はないという。 久々の出場の上、昨シーズンも含めて試合途中の出場は珍しいが、「ある程度、後半の中では自分たちがボールを持てる状況を出ていた選手が作ってくれていましたし、僕個人としては相当入りやすいゲーム展開の中で入らせてもらったので、その辺は特に違和感なかった」と試合勘を含めスムーズに入れたと振り返った。 その一方で、試合後の会見で城福浩監督が「まだまだ守備が試合に出られるレベルではない」と指摘したようにプレー強度、守備の部分では「試合の強度の部分でまだ個人的に全然良くないシーンとかもあった」と、指揮官の指摘に同意している。 また、試合全体に関しては「後半しっかり自分たちのボールで相手コートに押し込む時間を多く作れたのは良かった」と攻撃面での手応えを口にしたものの、「守備では失点のところもそうですけど、5バックで多くのシチュエーションで後ろで人が余る状態がある。ボランチをどこに付かせに行くのか、ウイングバックがどこまで出ていくのかとか、そういう守備のところの判断は課題」と、[3-4-2-1]への変更後から続く守備面の課題克服の必要性を訴えた。 その町田戦の反省を踏まえた上で臨む次節は、20日にベスト電器スタジアムでアビスパ福岡戦となる。 前回対戦は後半に入って互いに幾つか決定機を作ったものの、決め手を欠いてのゴールレス決着だった。 ここ数試合の福岡は離脱者の影響や停滞した攻撃の活性化という部分で、前線を中心によりモビリティを意識した戦い方も見せているが、森田は相手の変化を把握しながらも守備面においてチームがやるべきことはあまり変わらないと語る。 「堅い印象は相変わらずあります。ただ、クロスからの得点能力というのはフォワードが持っていますし、そういうところは気をつけなければいけない」 「(シャハブ・)ザヘディ選手が出てきたときは、わりと背後へのロングボールが多かったと思いますけど、最近の戦い方を聞いている感じだと、直近の試合では地上戦というか、足元の展開も増えているということなので、どちらにも対応できるようにできればいいかなと思っています」 「もちろんどちらもあると思うので、セカンドボールのところも相手は変わらず徹底してくると思うので、その辺は臨機応変に対応できればいいです」 直近の公式戦2試合で無得点という状況の中、ホームチームの堅守攻略に向けては町田戦の後半に見せたような戦い方を研ぎ澄ませつつ、少ないチャンスを今度こそきっちりモノにしたい考えだ。 「先制点がほしいのはありますけど、そんなに慌てずにやれればいいかなと…。相手コートで自分たちの時間を作れるなら、それはそれでいいと思うので、そういう時間もありつつ、しっかり背後も狙いつつという感じ。相手陣地でボールを持つことになると、相手の守備の堅さはあると思うので、一発で背後とかも狙いつつ、セットプレーも大事にできたらいいかなと思います」 守備面のリスクを考慮すれば、今回もジョーカー起用が見込まれるが、「直近は勝ち点3を取れていないので、しっかり勝ち点3を取れるようにやりたい」と、森田はリーグ3試合ぶりの勝利へ意気込んだ。 2024.07.19 20:00 Fri
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東京クラシックで意地を見せた城福監督/六川亨の日本サッカーの歩み

J1リーグの第23節は、神戸が最下位の札幌と1-1で引分け、鹿島も横浜FMに1-4と大敗する一方で、首位の町田は“東京クラシック”で東京Vに1-0ながら勝利を収めた。この結果、勝点49の首位・町田と3位・神戸、4位・鹿島は勝点41で並んでいるため、その差は勝点8に広がった。 神戸と鹿島が町田に追いつくためには町田の3連敗を期待するしかないが、今シーズンは一度も連敗がなく、手堅く勝点を拾っているだけに期待は望み薄というところ。辛うじて連勝で勝点を44に伸ばした2位・G大阪が町田を追いかけているが、すでに今シーズンは直接対決(1-1、1-3)を終えているだけに自力での逆転は不可能だ。 町田とG大阪、神戸に共通しているのは失点の少なさである(町田とG大阪は17、神戸は18)。町田のクリーンシートは23試合を終えて12試合もある。5割の確率で無失点というのは驚異的と言うしかない。労を惜しまぬ献身的で強度の高い守備は誰もが認めるところ。しかし、それ以外にも町田の堅守には別の理由があることが、14日の東京V戦後の黒田剛監督の会見で知ることができた。 試合は東京Vがキャプテンの森田晃樹と見木友哉がベンチスタート。対する町田も柴戸海とエリキ、オ・セフンが控えに回ったが、こちらは潤沢な戦力を誇っているからだろう。城福浩監督にすれば、まずは前半を0-0で折り返し、後半勝負というゲームプランだったのではないだろうか。 ところが前半6分、192センチの長身SB望月ヘンリー海輝に変わって右SBに入った鈴木準弥のアーリークロスが東京VのOGを誘って早々と町田が先制する。「前回の試合から右サイドバックに鈴木を入れて功を奏した。今日もあの1点が大きかった」と黒田監督も認める先制点だった。 ところが後半は選手交代により東京Vが町田に襲いかかった。とりわけ大きかったのが44分の攻撃で、右スルーパスに抜け出た松橋優安のアーリークロスを左サイドでフリーになった山見大登が確実にミート。しかしGK谷晃生がとびっきりの反応で弾いて左CKに逃れた。 GK谷は東京五輪の正GKで、A代表にも選出されたがG大阪では出番に恵まれなかった。しかし町田では正守護神として快進撃を支えている。そんな谷について黒田監督は「サッカー選手としてのセンスは頼もしい。誠実だし模範となる選手。充実しているからこその今日のセーブだと思う」と最大級の賛辞を送った。 さらに「クロスでのキャッチはリーグトップ。彼が思いきって(キャッチに)行けるようDF陣を配置している」とまで言い切った。セットプレーやカウンターなど緻密な戦略を練る黒田監督だが、GKとDF陣の配置まで「気を遣っている」というか「細部に目配り」している、“チーム黒田”の充実度に驚かされた東京V戦でもあった。 ただ、単純な戦力比較で町田が東京Vを圧倒しているのは登録メンバーを見れば一目瞭然。それでも東京Vは粘りに粘った。城福監督のゲームプランは面白かったし、試合後の拳による黒田監督との握手も一切、目を合わせようとしなかった。J1昇格後の連敗にプライドが許さなかったのだろう。2人の“名将”の激突は、J1リーグの名物になるかもしれない。 <hr>【文・六川亨】<br/><div id="cws_ad">1957年9月25日生まれ。当時、月刊だった「サッカーダイジェスト」の編集者としてこの世界に入り、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長や、「CALCIO2002」、「プレミアシップマガジン」、「サッカーズ」の編集長を歴任。現在はフリーランスとして、Jリーグや日本代表をはじめ、W杯やユーロ、コパ・アメリカな 2024.07.15 20:00 Mon
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宿敵にダブル喫するも確かな成長示す…東京Vの綱島悠斗「J1首位に自分たちのサッカーができたのは少しプラスに捉えるべき」

宿敵相手にシーズンダブルを喫した東京ヴェルディだが、スコア、内容ともに約2カ月前の前回対戦から確かな成長を示した。 14日、味の素スタジアムで行われた明治安田J1リーグ第23節の東京ヴェルディvsFC町田ゼルビアは、アウェイの町田の0-1の勝利に終わった。 東京Vはリベンジ、町田はシーズンダブルを懸けて臨んだ激戦必至の東京クラシックは、前回対戦同様に開始6分という早い時間帯にFW藤尾翔太が誘発したオウンゴールによって町田が先制した。 その町田が0-5で圧勝した前回対戦では以降も強烈なプレッシングと球際の勝負、セットプレーのアイデア・精度でことごとく上回り、東京Vにほぼ何もさせないままゴールを重ね、歴然たる差を示した。 展開を考えれば、今回のリターンマッチもそういったワンサイドゲームになってもおかしくなかったが、失点直後に続けて決定機を創出するなど素早いリアクションを示したホームチームは、前半をほぼイーブンの内容で粘った。 ビハインドを追う後半はボールの主導権を握り、前半にはなかなか見られなかった両ウイングバックの攻撃参加や中央のボランチ脇も使いながら前進。再三のビッグセーブを見せたGK谷晃生を中心とする、リーグ最少タイの首位チームの堅守攻略はならずも、盤石のウノゼロとは言えないぐらいに相手を苦しめた。 前回対戦の大敗後に「今シーズンはこの歴然とした差をどう埋めていくか」と語った城福浩監督の下、システム変更や各ポジションの序列の変化を含め、同じ昇格組ながら首位を走るライバルとの溝を埋めるべく、この2カ月間を通じて一段階の上のレベルの取り組みを行ってきた。 そのなかで「プロで一番の悔しさだった」と前回対戦の惨敗を振り返ったMF綱島悠斗は、同じ敗戦という結果に終わった今回のリターンマッチで目に見える進化を示した選手の筆頭だった。 前回対戦ではFWオ・セフンとの空中戦の競り合いでの劣勢に加え、相手のロングボールによってディフェンスラインが押し下げられた中盤で攻守に圧倒された。 しかし、この試合では夏の暑さに高湿度の過酷な環境、開始早々のリードによって町田の圧力が前回対戦に比べて緩かったという部分はあったものの、持ち味の球際のバトルで互角以上に渡り合い、相手の圧力を受けながらも冷静にボールをピックアップし、ボックス・トゥ・ボックスの役割を高いレベルでこなした。 前回対戦同様の結果に悔しさをにじませた綱島だが、「J1首位を相手に自分たちのサッカーができたというのは、少しプラスに捉えるべきだなと思いますし、後半のようなサッカーを続ければ、それを前半からできれば、自分たちが勝てないなと思う相手はひとつもないと思う」と敗戦の中でもチームとしての確かな手応えを口に。 元々定評がある188cmの長身とリーチの長さを活かしたボール奪取能力に加え、この試合では課題である繋ぎ、展開力の部分でも成長を感じさせるプレーを随所に見せた。 その点について23歳MFは「前回対戦で負けてからの自分の取り組みというのは、たぶん誰よりもやってきたつもり。そこは前回の自分とは全然違うわけで、そこで自信を持ってボールを受けられるというのは、ある意味で当然」と日々の研鑽を自負。 本職の守備的MFに加え、センターバック、ゲームプランによっては前線でもプレー可能なポリバレントな能力を有する23番は、「以前であれば、ああいう動きはなかなか出せなかったですけど、そこを意図的に自分から出せたというのはすごくプラス。再現性あるものなので、これからもっとあそこのゾーンに入っていって、決定的な仕事ができるかなという自信はあります」と、3列目からの飛び出しで相手ボックス内に侵入するなど、効果的なオフ・ザ・ボールの動きを駆使したチャンスメイクへの手応えも語った。 惜しむらくはチームが優勢な状況での66分の交代。当初、MF見木友哉を投入する際に交代するのはDF千田海人だったが、綱島が足を攣ったことで急遽交代選手が代わっていた。 「前半のスプリント量というのが、いつもより3倍ということを伝えられていて、そこに対するアプローチが今までできていなかったというのはプロフェッショナルとして反省するべき点」とペース配分という部分でのマネジメントを悔いたが、「逆に、そこのスプリント量を増やして、あれがアベレージになれば、もっと怖い選手になれる」とポジティブな考えも忘れない。 「結果的に負けているということは最後の勝負強さという部分で、若干の差はある。ワンチャンスで決め切る力は自分たちも見習わなければいけない」と真摯に結果を受け止めたが、「そこが自分たちに付いたら、より強いチームになれる。そういう自信もあるので、もう一個日常の基準というのを上げていきたい」と、2カ月前からより近づきながらも敗れたこの敗戦をさらなる成長に繋げたいと語った。 個人としては「今日の試合に出たなかで、いろいろな課題も見つかりましたし、もっと自分が上手くなる、相手にとって怖い存在になるために、もっとできることはたくさんあるので、次はチームを勝たせられる方向により近づけていきたい」と、昨季加入時から期待を集める大型ボランチは“勝敗を左右する選手”への進化を誓った。 2024.07.15 08:00 Mon
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東京V・城福監督「両方の変化見せられる」違う顔みせる福岡を警戒…3戦ぶり勝利へ「『オレを使え』というぐらいのギラつき感」求める

東京ヴェルディの城福浩監督が、20日にベスト電器スタジアムで行われる明治安田J1リーグ第24節のアビスパ福岡戦に向けた会見を実施した。 前節、首位のFC町田ゼルビア相手に0-1の敗戦を喫した10位の東京V。これで天皇杯の湘南ベルマーレ戦に続く公式戦連敗となったチームは、連敗ストップと共にリーグ3戦ぶりの白星を目指して8位の福岡とのアウェイゲームに臨む。 町田戦では0-5の惨敗を喫した前回対戦からスコア、内容共に改善を示したが、一方で湘南戦に続く2試合連続無得点と攻撃面、とりわけ決定力という課題が浮き彫りとなった。 その点に関して指揮官は「決め切れる選手になれというふうに強く言うことは簡単」と、個のクオリティの部分だけに目を向けず、攻撃のスタートとなるビルドアップや前線の選手により多くの時間、選択肢を与えるという部分を含め、あくまでチーム全体の問題と捉えている。 「(町田戦では)もちろん決定機という表現をしていいシーンがいくつかあった。それを決め切れる選手になれというふうに強く言うことは簡単ですけど、その決定機が例えば5回作って、決め切れないのであれば、その決定機を今度は10回作ろうと。その10回の中の3回で“超決定機”ができれば、2点は取れるだろうと…」 「チームとして試合内容はそういうふうにありたいですし、自分としても『あそこはキーパーを見て浮かせ』とか、そんな具体的なことを言っても再現性はないわけです。我々としたら、決定機、超決定機を増やしていくという意味では相手のロングボールをクリアするのか、胸で収めてパスするのか。最終ラインのフィードが相手を見ながら相手の逆足にボールをつけるのか、怖がってバックパスするのか。もうそこからスタートしているので、そういうところは全員で共有しました」 今シーズンここまでは大敗後にシステム変更や前線を中心とする大胆なメンバーの入れ替えを行ってきた中、公式戦連敗となったこのタイミングでのマイナーチェンジも想定される。ただ、町田戦では試合内容自体に手応えもあり、百戦錬磨の指揮官の用兵により注目が集まるところだ。 「次の試合に向けての準備としては基本的には変わらない」と普段通りを強調する城福監督だが、この状況をポジション奪取のチャンスと捉え、ここまで出番がない選手を中心に“ギラギラ”した姿を求めている。 「結果が出たから絶対メンバーが変わらないかとか、試合に負けたから次は大幅に変わるとかという問題ではないですけど、選手としてはこれはチャンスだと思ってほしいし、練習に取り組むというか、それを表現するのは、選手はピッチ上でしかできない。だからこそ、練習場の笛から笛までのところをどれぐらい自分がポジションを掴むぞという姿勢でやってくれているかというところは、もっともっと要求したい」 「チャンスを与えてくれれば出るではなくて、試合に出ていくというか、自分で掴みにいくような、それがギラギラしたという表現がいいかどうかわからないですけど、そこは若い選手が多いので、そういうことを表面に出すのが得意な選手ばかりではないですけど、『オレを使え』というぐらいのギラつき感というか、そこはチームとしてもっともっとほしいところです」 そんななかで奮起が求められるのは、チームトップのリーグ9得点を挙げながらも5試合連続無得点で、直近3試合ではスタメンを外れているFW木村勇大。 今週のトレーニングでも守備を中心に多くの要求を行い「このチームの成長にも直結するぐらいの大きな影響がある」と、23歳のストライカーのさらなる成長を促している。 「彼の持っている能力というのは、実際J1の舞台でも示してきたものもあると思いますし、逆にそれがこのチームの武器になっているという状況があると思っています」 「ただ、彼が自分の能力を気がついたときに出す、能力を出せるときに出すという言い方がいいですかね。そこのところから、自分から引き出していくというところと、あとはチームの目指している守備。いい守備からのいい攻撃にという部分で、特に彼のポジションのところで言えば、スイッチを入れる役になると思いますけど、それがセットされた状態からのスイッチなのか。ルーズボールから相手にボールが渡った瞬間のスイッチなのか。マイボールになった瞬間の攻撃のスイッチなのか、というところに関しては、彼がもう一段上に行ってもらいたいというふうに強く思っていますし、彼の成長がこのチームの成長にも直結するぐらいの大きな影響があると思っています」 「彼に限らず、各々が今の自分の殻を破らないと、このチームの成長はないと思っているので、チームとして取り組む部分と、個人として殻を破るというところは、我々同様に選手も努力していかなければいけない」 一方、シーズン序盤の難しい時期を乗り越え、ここ数試合では攻守両面で進境著しい姿を見せているMF綱島悠斗について指揮官は、元々のポテンシャルと日々のたゆまぬ努力に加え、「メンタルの成長とコンディションの良さ」を好調の理由に挙げている。 「まずひとつは、彼がすごく地道にというか、やり続けている技術的なトレーニングがあって、おそらくそれがゲームの中で表現できている充実感というか、そういうものがあってそれが多少自信になっている」 「彼は自信を持ったときには本当に素晴らしいプレーをします。そこはわかっていますが、例えば1個のミス、2個目のミスというところで、自分で天を仰いで、自分から負のスパイラルに入っていくことが多かった。ただ、ここ最近はひとつのミスがあったとしても、メンタル的に切り替えられているなということ。そこで次にやるべきことというのを、すぐに体で判断してやってくれている、コンディションの良さもある」 前回対戦のゴールレスドローを含め、今回も堅い展開が見込まれる福岡とのアウェイゲームに向けては、FWシャハブ・ザヘディら相手の強烈な個を引き続き警戒しつつ、0-1で惜敗したサンフレッチェ広島戦を筆頭に、より前線でのモビリティも見せる相手の新たな戦い方への対応がカギになると考えている。 「前節の広島戦は本当に地上戦でも互角に戦っていましたし、ある意味で違う顔を見せた福岡だった。非常に良い試合をしたと思います。前への意識とかクロスの意識とか、ルーズボールの意識が強い福岡のイメージと、地上戦でもやれる、そういう選手を配置してそういう選手を最大限活かしてくるというサッカーもできるという意味では、すなわちゲームの中でも両方の変化を見せられるということなので、我々は両方の準備をしなければいけないというふうに思います」 「特にストロングがはっきりした選手が外国人選手も日本人選手もいるので、ここはそれを出させないためにも、そこの供給源であったり、ヘディングで競る前の駆け引きだったりというところも含めて、よりアラートにならないといけない。わかっていてもやられるというぐらい福岡のストロングは強く、はっきりしているので、ここはチーム全員で警戒したい」 その上で「まずはキックオフの時点で勝ち点1を持っているわけですから、アグレッシブに戦いながらもこの勝ち点1は絶対に死守する。さらにアグレッシブに戦って我々らしいサッカーをやって勝ち点3を取るというところは、もう1回みんなで萎縮することなく、緊張感を持って全員で準備しなければいけない」と、下位チームとの勝ち点差が詰まりつつある中でのリーグ3試合ぶりの白星を誓った。 2024.07.19 19:00 Fri

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元ブラジル代表MFモアシール氏が54歳で逝去…1998年にヴェルディ川崎でもプレー

かつてJリーグでもプレーした元ブラジル代表MFモアシール氏が20日に54歳で逝去した。古巣であるアトレチコ・ミネイロが訃報を伝えた。 “モアシール”の登録名で知られるモアシール・ロドリゲス・サントス氏は、アトレチコ・ミネイロでプロキャリアをスタート。ブラジル国内ではコリンチャンス、ポルトゥゲーザ、イトゥアーノ、ウベラバでもプレーし、1993-1994シーズンにはアトレティコ・マドリー、1994年から1996年まではセビージャとスペインでもプレーした。 また、1998シーズンにはヴェルディ川崎(現・東京ヴェルディ)に1年間在籍し、26試合に出場した。また、1990年にデビューを飾ったブラジル代表では通算6試合に出場していた。 <span class="paragraph-title">【写真】アトレチコ・ミネイロ在籍時のモアシール氏</span> <span data-other-div="movie"></span> <div id="cws_ad"><blockquote class="twitter-tweet"><p lang="pt" dir="ltr">O Galo lamenta profundamente o falecimento do ex-jogador Moacir, nessa madrugada (20), aos 54 anos.<br><br>Meio-campista formado no Clube, Moacir Rodrigues Santos fez 199 partidas e marcou 24 gols com nossa camisa em duas passagens. Foi três vezes campeão mineiro (1988/89/91) e… <a href="https://t.co/jv0TQ9Uptz">pic.twitter.com/jv0TQ9Uptz</a></p>&mdash; Atlético (@Atletico) <a href="https://twitter.com/Atletico/status/1814640181187633418?ref_src=twsrc%5Etfw">July 20, 2024</a></blockquote> <script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script></div> 2024.07.21 18:15 Sun
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鹿児島、東京VのMF永井颯太を期限付き移籍で獲得!「覚悟を持って残りの試合を戦いたい」

鹿児島ユナイテッドFCは17日、東京ヴェルディからMF永井颯太(24)が期限付き移籍で加入すると発表した。背番号は「24」を着用する。 加入期間は2025年1月31日まで。移籍期間中、東京Vとの公式戦には出場できない。 栃木県出身の永井は、2022年に流通経済大学からいわきFCへ入団してプロデビュー。2年目から主力としてプレーしており、今シーズンから東京Vに完全移籍で加入した。 しかし、東京Vでは出場機会を掴めず。ここまで公式戦はYBCルヴァンカップの1試合に出場するのみであり、明治安田J1リーグでは出番がない状態だった。 鹿児島に活躍の場を移すこととなった永井は、両クラブを通じてコメントしている。 ◆鹿児島ユナイテッドFC 「このたび、東京ヴェルディから期限付き移籍で加入することになりました、永井颯太です。鹿児島ユナイテッドFCという素晴らしいクラブでサッカーができることを嬉しく思います。覚悟を持って残りの試合を戦いたいと思いますので、ぜひ応援よろしくお願いします」 ◆東京ヴェルディ 「このたび、鹿児島ユナイテッドFCに期限付き移籍することを決断しました。活躍した姿を見せられるように、そして、半年後、ヴェルディに必要な選手と思ってもらえるような成長をしてきたいと思います。半年という短い期間でしたがありがとうございました。ヴェルディに関わる全ての人が、今シーズン、笑顔で終われるよう、心から願っています」 2024.07.17 10:30 Wed
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「最高のバトンの受け渡しができた」、東京Vの城福監督が“総力戦”での3戦ぶり白星誇る

東京ヴェルディが“総力戦”で敵地から大きな勝ち点3を持ち帰った。 東京Vは20日、ベスト電器スタジアムで行われた明治安田J1リーグ第24節でアビスパ福岡と対戦し、1-0で勝利した。 前節、FC町田ゼルビア相手に0-1の敗戦を喫し、宿敵相手に屈辱のシーズンダブルを喫したチームは、公式戦連敗ストップと共にリーグ3試合ぶりの白星を目指して8位の福岡と激突。 互いに決定力に問題を抱えており、ロースコアの展開が想定された中、試合はその予想通りの形に。それでも、より効果的にチャンスを作っていたアウェイチームは38分にFW山見大登のゴールで先制に成功。 後半はFWシャハブ・ザヘディの投入や攻撃的な[4-4-2]への布陣変更で勢いを出したホームチームに攻勢を仕掛けられたが、最後の局面でしっかりと身体を張った緑の壁は最後まで決壊せず。敵地で大きな勝ち点3を掴み、9位に浮上している。 試合全体としては前半序盤に地上戦、後半半ば以降は相手のリスクを冒したロングボールやクロスに押し込まれ、追加点を奪い切るという部分でも課題を残した。 試合後の会見でも城福浩監督はそういった課題を受け止めつつも、就任時からのコンセプトを達成した部分を高く評価した。 クラブの予算規模もあり、個に依存しない全員守備・全員攻撃のハイインテンシティのフットボールを志向する指揮官は、常日頃から“バトンを繋ぐ”というキーワードを使い、先発の11人が前半キックオフから出し惜しみせずにフルパワーを使い、5枚の交代選手がバトンを引き継いで試合終了のホイッスルが鳴るまで強度を維持することを求めている。 J1最年少スカッドという事情もあり、シーズン序盤戦では交代選手の経験不足やクオリティ不足もあってリードを守り切れない試合や、同じく指揮官が求める“ゲームチェンジャー”の不在が散見されたが、ここに来て一段階上のチーム内競争が行われており、その問題が徐々に改善されている。 そして、この福岡戦では脳震とう疑いで染野が途中交代となった部分を含めフィールドプレーヤー6人全員を投入した中、MF森田晃樹はゲームを落ち着かせる役割を、FW山田剛綺とMFチアゴ・アウベスは前線からの果敢なチェイシングや身体を張ったボールキープやファウルをもらう仕事、DF千田海人が再三のクロスやロングボールを撥ね返し続けるなど各自が先発選手の役割を引き継ぎつつ、プラスして自身の特長も示した。 そのため、指揮官は「今日は何よりも、我々がチームとして目標としているバトンを繋いでいくというところで、最高のバトンの受け渡しができたのではないかと思っています」と、“総力戦”での勝利を称えた。 スタートから中盤で攻守にハードワークをこなし、出し切って味方にバトンを繋いだMF齋藤功佑は、「チームとして守備からアラートにやる。ハードワークをやる。全部出し切って交代して、また入った選手がハードワークしていくというのが体現できている」と指揮官同様にこの試合での手応えを口に。 ここ数試合ポジション争いが激化している状況において各自が葛藤を抱えながらも、チームのために求められている役割をこなすことでチーム力の向上に繋がっていると感じているという。 「いろんな思いを持ちながら、ただひたむきにやるしかないという状況の中で、いろんな葛藤が出てくると思いますが、自分なりにみんなが消化しながらうまくやれています」 「前回も個人のパフォーマンスは悪くなかったけど、結果が出ないからスタメンから外れた選手もいる中で、そういった選手も勝つために途中から出てやるべき仕事をやっていたので、そこは本当にリスペクトするところだなと思いますし、それがチーム力に繋がっていると感じています」 一方、ここ最近の公式戦2試合では右ウイングバックのポジションで攻撃を活性化させたMF松橋優安だが、この試合では守勢の展開において守備面でのハードワークでチームの逃げ切りに貢献。 「だんだんと攻撃のイメージが湧いてきている」と攻撃面での手応えを感じつつも、「あそこのポジション(ウイングバック)というのはどちらも求められるポジションだと思うので、まずは守備からという意識を持っている」とチームにとってより必要な仕事を完遂した。 現状では自身もポジション争いに挑む立場にある中で22歳MFは、「スタメンを確約されている選手なんていないと思いますし、今日ここに来ることができていないメンバーの中でも、いい選手、やり続けている選手というのがいます。いつそういう選手たちと入れ替わってもおかしくない。そういうメンバーがいるからこそ、自分たちもここのピッチで頑張れるというのがあるので、チームとして全員がいい競争をしている」とコメント。 今回ピッチに立った選手だけでなく、日頃から高いレベルで競い合うベンチ外の選手たちの存在が引き出した責任感、ハードワークが「最高のバトンの受け渡し」に繋がったと、“総力戦”での勝利であることを強調している。 2024.07.21 13:10 Sun
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戦列復帰した東京Vの森田晃樹、3戦ぶり勝利狙う福岡戦へ「しっかり勝ち点3を取れるように」

約1カ月ぶりの戦列復帰を果たした緑の頼れる主将がチーム3戦ぶり勝利への貢献を誓った。 東京ヴェルディのMF森田晃樹は今シーズン開幕からのリーグ戦で全試合でスタメン出場。2ボランチの一角において攻守に存在感を示してきたが、先月初旬のトレーニングマッチで負ったケガによって1カ月以上の戦線離脱を強いられた。 それでも、14日に行われた明治安田J1リーグ第23節のFC町田戦ゼルビア戦で途中出場。チームは0-1で惜敗したが、個人としては後半終盤に絶妙なスルーパスから同点機を演出するなど攻撃面で存在感を示した。 直前にトレーニングマッチもこなしていたものの、1カ月ぶりの復帰からのリバウンドも懸念されたが、幸いなことに「特に問題なくやれている」とコンディションに問題はないという。 久々の出場の上、昨シーズンも含めて試合途中の出場は珍しいが、「ある程度、後半の中では自分たちがボールを持てる状況を出ていた選手が作ってくれていましたし、僕個人としては相当入りやすいゲーム展開の中で入らせてもらったので、その辺は特に違和感なかった」と試合勘を含めスムーズに入れたと振り返った。 その一方で、試合後の会見で城福浩監督が「まだまだ守備が試合に出られるレベルではない」と指摘したようにプレー強度、守備の部分では「試合の強度の部分でまだ個人的に全然良くないシーンとかもあった」と、指揮官の指摘に同意している。 また、試合全体に関しては「後半しっかり自分たちのボールで相手コートに押し込む時間を多く作れたのは良かった」と攻撃面での手応えを口にしたものの、「守備では失点のところもそうですけど、5バックで多くのシチュエーションで後ろで人が余る状態がある。ボランチをどこに付かせに行くのか、ウイングバックがどこまで出ていくのかとか、そういう守備のところの判断は課題」と、[3-4-2-1]への変更後から続く守備面の課題克服の必要性を訴えた。 その町田戦の反省を踏まえた上で臨む次節は、20日にベスト電器スタジアムでアビスパ福岡戦となる。 前回対戦は後半に入って互いに幾つか決定機を作ったものの、決め手を欠いてのゴールレス決着だった。 ここ数試合の福岡は離脱者の影響や停滞した攻撃の活性化という部分で、前線を中心によりモビリティを意識した戦い方も見せているが、森田は相手の変化を把握しながらも守備面においてチームがやるべきことはあまり変わらないと語る。 「堅い印象は相変わらずあります。ただ、クロスからの得点能力というのはフォワードが持っていますし、そういうところは気をつけなければいけない」 「(シャハブ・)ザヘディ選手が出てきたときは、わりと背後へのロングボールが多かったと思いますけど、最近の戦い方を聞いている感じだと、直近の試合では地上戦というか、足元の展開も増えているということなので、どちらにも対応できるようにできればいいかなと思っています」 「もちろんどちらもあると思うので、セカンドボールのところも相手は変わらず徹底してくると思うので、その辺は臨機応変に対応できればいいです」 直近の公式戦2試合で無得点という状況の中、ホームチームの堅守攻略に向けては町田戦の後半に見せたような戦い方を研ぎ澄ませつつ、少ないチャンスを今度こそきっちりモノにしたい考えだ。 「先制点がほしいのはありますけど、そんなに慌てずにやれればいいかなと…。相手コートで自分たちの時間を作れるなら、それはそれでいいと思うので、そういう時間もありつつ、しっかり背後も狙いつつという感じ。相手陣地でボールを持つことになると、相手の守備の堅さはあると思うので、一発で背後とかも狙いつつ、セットプレーも大事にできたらいいかなと思います」 守備面のリスクを考慮すれば、今回もジョーカー起用が見込まれるが、「直近は勝ち点3を取れていないので、しっかり勝ち点3を取れるようにやりたい」と、森田はリーグ3試合ぶりの勝利へ意気込んだ。 2024.07.19 20:00 Fri
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東京クラシックで意地を見せた城福監督/六川亨の日本サッカーの歩み

J1リーグの第23節は、神戸が最下位の札幌と1-1で引分け、鹿島も横浜FMに1-4と大敗する一方で、首位の町田は“東京クラシック”で東京Vに1-0ながら勝利を収めた。この結果、勝点49の首位・町田と3位・神戸、4位・鹿島は勝点41で並んでいるため、その差は勝点8に広がった。 神戸と鹿島が町田に追いつくためには町田の3連敗を期待するしかないが、今シーズンは一度も連敗がなく、手堅く勝点を拾っているだけに期待は望み薄というところ。辛うじて連勝で勝点を44に伸ばした2位・G大阪が町田を追いかけているが、すでに今シーズンは直接対決(1-1、1-3)を終えているだけに自力での逆転は不可能だ。 町田とG大阪、神戸に共通しているのは失点の少なさである(町田とG大阪は17、神戸は18)。町田のクリーンシートは23試合を終えて12試合もある。5割の確率で無失点というのは驚異的と言うしかない。労を惜しまぬ献身的で強度の高い守備は誰もが認めるところ。しかし、それ以外にも町田の堅守には別の理由があることが、14日の東京V戦後の黒田剛監督の会見で知ることができた。 試合は東京Vがキャプテンの森田晃樹と見木友哉がベンチスタート。対する町田も柴戸海とエリキ、オ・セフンが控えに回ったが、こちらは潤沢な戦力を誇っているからだろう。城福浩監督にすれば、まずは前半を0-0で折り返し、後半勝負というゲームプランだったのではないだろうか。 ところが前半6分、192センチの長身SB望月ヘンリー海輝に変わって右SBに入った鈴木準弥のアーリークロスが東京VのOGを誘って早々と町田が先制する。「前回の試合から右サイドバックに鈴木を入れて功を奏した。今日もあの1点が大きかった」と黒田監督も認める先制点だった。 ところが後半は選手交代により東京Vが町田に襲いかかった。とりわけ大きかったのが44分の攻撃で、右スルーパスに抜け出た松橋優安のアーリークロスを左サイドでフリーになった山見大登が確実にミート。しかしGK谷晃生がとびっきりの反応で弾いて左CKに逃れた。 GK谷は東京五輪の正GKで、A代表にも選出されたがG大阪では出番に恵まれなかった。しかし町田では正守護神として快進撃を支えている。そんな谷について黒田監督は「サッカー選手としてのセンスは頼もしい。誠実だし模範となる選手。充実しているからこその今日のセーブだと思う」と最大級の賛辞を送った。 さらに「クロスでのキャッチはリーグトップ。彼が思いきって(キャッチに)行けるようDF陣を配置している」とまで言い切った。セットプレーやカウンターなど緻密な戦略を練る黒田監督だが、GKとDF陣の配置まで「気を遣っている」というか「細部に目配り」している、“チーム黒田”の充実度に驚かされた東京V戦でもあった。 ただ、単純な戦力比較で町田が東京Vを圧倒しているのは登録メンバーを見れば一目瞭然。それでも東京Vは粘りに粘った。城福監督のゲームプランは面白かったし、試合後の拳による黒田監督との握手も一切、目を合わせようとしなかった。J1昇格後の連敗にプライドが許さなかったのだろう。2人の“名将”の激突は、J1リーグの名物になるかもしれない。 <hr>【文・六川亨】<br/><div id="cws_ad">1957年9月25日生まれ。当時、月刊だった「サッカーダイジェスト」の編集者としてこの世界に入り、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長や、「CALCIO2002」、「プレミアシップマガジン」、「サッカーズ」の編集長を歴任。現在はフリーランスとして、Jリーグや日本代表をはじめ、W杯やユーロ、コパ・アメリカな 2024.07.15 20:00 Mon

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