主将・森田晃樹が殊勲の1G1A! 東京Vが千葉との白熱オリジナル10対決制して決勝進出! 16年ぶり昇格懸けて清水との国立決戦へ【J1昇格PO】
2023.11.26 17:10 Sun
2023J1昇格プレーオフ準決勝、東京ヴェルディvsジェフユナイテッド千葉が26日に味の素スタジアムで行われ、2-1で勝利した東京Vが決勝進出を決めた。
十数年ぶんのJ1昇格への強い思いを胸に、運命のプレーオフ初戦に臨んだオリジナル10同士の一戦。キックオフ直後はリスク回避の長いボールの蹴り合いとなるが、セットプレーから千葉にいきなりのチャンスが訪れる。
開始3分、相手陣内左サイドで得たFKの場面でキッカーの田口泰士がゴールへ向かうボールを入れると、ゴール前でバウンドしたボールがそのままゴール右隅に決まる。だが、オフサイドポジションで飛び込む形となった風間のオフサイドによってゴールは認められず。
それでも、2度目のビッグチャンスを作ったのはアウェイチーム。18分、田口の正確なフィードに抜け出した田中が右サイドからクロスを供給。これをゴール前でフリーの呉屋が左足で合わせるが、ゴール至近距離からのシュートはGKマテウスが驚異的な反射神経ではじき出した。
前半半ばを過ぎると、試合は徐々にオープンな展開に。その流れで千葉はドゥドゥや呉屋のフリックにサイドバックや2ボランチが飛び出していく形で幾度も良い形を作り出すが、最後のところで粘るホームチームの守備を崩し切れない。
すると、試合巧者の東京Vが先にゴールをこじ開ける。34分、左サイドで齋藤功佑がタメを作って内側の森田晃樹にパス。染野とのパス交換でボックス内侵入を試みた森田は一度引っかかったところをうまくボックス左の中原輝に繋ぐと、緑の左足のスペシャリストがゴール前の密集を抜くグラウンダーシュートをゴール右下隅へ突き刺した。
リーグ上位のアドバンテージに加えて、先制に成功した東京Vはここから本来のリズムで試合を進めると、44分には追加点も奪取。相手陣内中央で中原がルーズボールを制すと、染野を経由したボールが左サイドの齋藤に繋がる。齋藤はゴール前の状況を確認して正確な右足のクロスをゴール前に入れると、中盤から走り込んだ森田がヘディングシュート。GK鈴木椋大の手をはじいてボールがゴールネットに吸い込まれた。
勝利が突破の必須条件となったなか、2点ビハインドで試合を折り返した千葉は呉屋を下げて、ハーフタイム明けに大卒ルーキーで今季チーム得点王の小森飛絢を投入。リーグ前回対戦で相手にやられた大逆転劇の再現を目指す。
51分には自陣深くからのロングカウンターでドゥドゥが一気に背後のスペースへ抜け出すと、一度スピードダウンさせされるもボックス左の小森に繋げる。だが、左足のシュートはDFに触られてわずかに枠の左へ外れる。
以降はリスクを冒して攻撃に出る千葉、堅守速攻でリードの維持、カウンターでの3点目を狙う東京Vという構図がより明確に。その流れのなかで両ベンチが60分過ぎに動く。
ゴールをこじ開けたい千葉はドゥドゥと風間を下げて米倉恒貴、福満を投入。米倉を右サイド、田中を左サイドに配置。対する東京Vは山田、齋藤を下げて綱島悠斗、加藤というより守備的な選手をピッチに送り込んだ。
一連の交代によって試合に動きが出始めると、東京Vは加藤の推進力のある2つのプレーから綱島、染野が決定的なシーンを作り出し、前がかる千葉に背後への脅威をちらつかせる。
以降は睨み合いの状況がしばらく続くなか、千葉が相手の一瞬の隙を突いて1点を返す。78分、東京Vの自陣左サイドでのビルドアップを嵌めて鈴木大輔が体勢を崩しながらも蹴り出したボールを福満が絶妙なフリックでペナルティアーク付近でフリーの小森に繋ぐ。小森は左でフリーの味方をオトリに自ら左足を振り抜くと、GKマテウスの脇下を抜けたシュートがゴールネットを揺らした。
これで一気に試合の行方が分からなくなると、余裕がなくなってきたホームチームは2-1での逃げ切りを意識した戦い方にシフト。深澤、足が攣った林尚輝を下げて平智広、奈良輪雄太とベテランDFを続けて投入。染野を前線に残した[5-4-1]の守備的布陣でゴールに鍵をかける。
その後、7分が加えられた後半アディショナルタイムでは鈴木を最前線に上げたパワープレーで千葉が決死の猛攻を仕掛けるが、リーグ最少失点の東京Vの守備は2度は崩れなかった。
この結果、千葉との白熱のオリジナル10対決を制した東京Vが決勝進出を決定。12月2日に国立競技場で行われる決勝では清水エスパルスとのオリジナル10対決で16年ぶりの悲願達成を目指す。
東京ヴェルディ 2-1 ジェフユナイテッド千葉
【東京V】
中原輝(前34)
森田晃樹(前44)
【千葉】
小森飛絢(後33)
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今シーズンの明治安田生命J2リーグを2位のジュビロ磐田と同じ勝ち点75で終えたものの、得失点差で涙を呑んで3位フィニッシュとなった東京V。これにより、2018シーズン以来の参戦となるプレーオフで、16年ぶりのJ1昇格という悲願達成を目指した。プレーオフ初挑戦となる城福浩監督は、最終節の大宮アルディージャ戦から先発2人を変更。山越康平と加藤蓮に代えてサスペンション明けの深澤大輝、山田剛綺を起用。山田と染野唯月を2トップに配した[4-4-2]で臨んだ。一方、最終節のV・ファーレン長崎戦での敗戦によって6位でプレーオフ参戦となった千葉。2017シーズン以来、通算5度目のプレーオフでは15年ぶりの悲願達成を目指し、敵地味スタに乗り込んだ。就任1年目でプレーオフ出場権を勝ち取った小林慶行監督は長崎戦から先発1人を変更。福満隆貴に代えて風間宏矢を復帰させ、最前線に呉屋大翔、2列目に田中和樹、風間、ドゥドゥを配する[4-2-3-1]で臨んだ。開始3分、相手陣内左サイドで得たFKの場面でキッカーの田口泰士がゴールへ向かうボールを入れると、ゴール前でバウンドしたボールがそのままゴール右隅に決まる。だが、オフサイドポジションで飛び込む形となった風間のオフサイドによってゴールは認められず。
以降も千葉が強烈なプレッシングとロングボールを効果的に使った攻めで押し込む展開が続く。だが、東京Vも徐々に硬さが取れてサイドを起点に押し込む場面も作り出していく。
それでも、2度目のビッグチャンスを作ったのはアウェイチーム。18分、田口の正確なフィードに抜け出した田中が右サイドからクロスを供給。これをゴール前でフリーの呉屋が左足で合わせるが、ゴール至近距離からのシュートはGKマテウスが驚異的な反射神経ではじき出した。
前半半ばを過ぎると、試合は徐々にオープンな展開に。その流れで千葉はドゥドゥや呉屋のフリックにサイドバックや2ボランチが飛び出していく形で幾度も良い形を作り出すが、最後のところで粘るホームチームの守備を崩し切れない。
すると、試合巧者の東京Vが先にゴールをこじ開ける。34分、左サイドで齋藤功佑がタメを作って内側の森田晃樹にパス。染野とのパス交換でボックス内侵入を試みた森田は一度引っかかったところをうまくボックス左の中原輝に繋ぐと、緑の左足のスペシャリストがゴール前の密集を抜くグラウンダーシュートをゴール右下隅へ突き刺した。
リーグ上位のアドバンテージに加えて、先制に成功した東京Vはここから本来のリズムで試合を進めると、44分には追加点も奪取。相手陣内中央で中原がルーズボールを制すと、染野を経由したボールが左サイドの齋藤に繋がる。齋藤はゴール前の状況を確認して正確な右足のクロスをゴール前に入れると、中盤から走り込んだ森田がヘディングシュート。GK鈴木椋大の手をはじいてボールがゴールネットに吸い込まれた。
勝利が突破の必須条件となったなか、2点ビハインドで試合を折り返した千葉は呉屋を下げて、ハーフタイム明けに大卒ルーキーで今季チーム得点王の小森飛絢を投入。リーグ前回対戦で相手にやられた大逆転劇の再現を目指す。
51分には自陣深くからのロングカウンターでドゥドゥが一気に背後のスペースへ抜け出すと、一度スピードダウンさせされるもボックス左の小森に繋げる。だが、左足のシュートはDFに触られてわずかに枠の左へ外れる。
以降はリスクを冒して攻撃に出る千葉、堅守速攻でリードの維持、カウンターでの3点目を狙う東京Vという構図がより明確に。その流れのなかで両ベンチが60分過ぎに動く。
ゴールをこじ開けたい千葉はドゥドゥと風間を下げて米倉恒貴、福満を投入。米倉を右サイド、田中を左サイドに配置。対する東京Vは山田、齋藤を下げて綱島悠斗、加藤というより守備的な選手をピッチに送り込んだ。
一連の交代によって試合に動きが出始めると、東京Vは加藤の推進力のある2つのプレーから綱島、染野が決定的なシーンを作り出し、前がかる千葉に背後への脅威をちらつかせる。
以降は睨み合いの状況がしばらく続くなか、千葉が相手の一瞬の隙を突いて1点を返す。78分、東京Vの自陣左サイドでのビルドアップを嵌めて鈴木大輔が体勢を崩しながらも蹴り出したボールを福満が絶妙なフリックでペナルティアーク付近でフリーの小森に繋ぐ。小森は左でフリーの味方をオトリに自ら左足を振り抜くと、GKマテウスの脇下を抜けたシュートがゴールネットを揺らした。
これで一気に試合の行方が分からなくなると、余裕がなくなってきたホームチームは2-1での逃げ切りを意識した戦い方にシフト。深澤、足が攣った林尚輝を下げて平智広、奈良輪雄太とベテランDFを続けて投入。染野を前線に残した[5-4-1]の守備的布陣でゴールに鍵をかける。
その後、7分が加えられた後半アディショナルタイムでは鈴木を最前線に上げたパワープレーで千葉が決死の猛攻を仕掛けるが、リーグ最少失点の東京Vの守備は2度は崩れなかった。
この結果、千葉との白熱のオリジナル10対決を制した東京Vが決勝進出を決定。12月2日に国立競技場で行われる決勝では清水エスパルスとのオリジナル10対決で16年ぶりの悲願達成を目指す。
東京ヴェルディ 2-1 ジェフユナイテッド千葉
【東京V】
中原輝(前34)
森田晃樹(前44)
【千葉】
小森飛絢(後33)
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城福浩
山越康平
加藤蓮
深澤大輝
山田剛綺
染野唯月
小林慶行
福満隆貴
風間宏矢
呉屋大翔
田中和樹
ドゥドゥ
田口泰士
齋藤功佑
森田晃樹
中原輝
鈴木椋大
米倉恒貴
綱島悠斗
鈴木大輔
マテウス
マテウス
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奈良輪雄太
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ブレずに今季初3連勝飾った東京Vの城福監督「我々のやり方を研ぎ澄ますということを貫いてきたこの1カ月」
東京ヴェルディの城福浩監督が今シーズン初の3連勝を誇った。 東京Vは14日、大和ハウスプレミストドームで行われた明治安田J1リーグ第30節の北海道コンサドーレ札幌戦を0-2で勝利した。 鹿島アントラーズ、柏レイソルを連破して約3カ月ぶりとなる今季3度目の連勝を達成した昇格組は直近3連勝で最下位を脱出した絶好調の19位チーム相手に3度目の正直での3連勝を狙った。 前回対戦は5-3の激しい打ち合いとなっただけに戦前はオープンな展開も予想されたが、前半はミラーゲーム特有の堅い展開に。東京Vは当初のプラン通り、ボランチを消しながら相手のセンターバックにボールを持たせながら[5-4-1]の堅固なブロックを組んで応対。要所での強度の高いハイプレスも仕掛けつつ、守備は狙い通りに機能。 ただ、攻撃ではピッチ状態の影響や前回対戦で機能した背後への長いボールを意識するあまり停滞。前半終盤はより自陣の深い位置まで侵攻され、最低限の0-0もやや劣勢で試合を折り返した。 後半も立ち上がりは守勢に回ったが、守護神マテウスの好守などで凌ぐと、54分にFW山見大登の背後への飛び出しからの折り返しが生んだゴール前の混戦を制したMF山田楓喜のゴールで先制に成功。以降はフィジカルに優れる外国人アタッカー2人にDF岡村大八を前線に上げたホームチームのパワープレーを撥ね返すと、再三の決定機を逃した中で後半ラストプレーではMFチアゴ・アウベスに待望の加入後初ゴールが生まれ、2-0の勝利を収めた。 試合後の会見で城福監督は、敵地でしたたかに勝ち切った一戦を総括。前半終盤やリード後の劣勢の状況で冷静に耐え切ったソリッドな守備、途中出場の選手で奪い切った2点目を含め、心身ともに頼もしくなってきた選手たちを称えた。 「前半少しボールを持たれることが多かったですけど、最終ラインのところではタイトな守備ができていましたし、決定的なシーンというのは作らせなかった。ここをゼロで抑えられたことが大きかったかなと思います」 「後半になれば、よりオープンな展開になるというのはわかっていましたし、そうすれば我々が積み上げてきた走力というか、ボールに絡んでいくコンビネーションを含めてここを発揮できると思っていたので、そこはうまく出せたなと」 「トドメを刺す2点目を取れたと思うシーンがいくつかあった中で、1-0のまま最終盤まで推移するというのは非常に難しい展開だったと思いますけれど、選手はあそこで飲み込まれることなく足を止めずに、最後また何人もボールに絡んで2点目を取れた、トドメを刺せたということは、このチームの走り切るというところを少し具現化できた。進歩できたところかなと思います」 また、MF松村優太、FW染野唯月をベンチサイドで準備させていた状況で、奇しくも交代予定の山見、山田楓の2人の連携で奪った先制点に関しては「交代のタイミングが遅れてよかった」と正直な思いを語っている。 ここまで連敗が1度と、リバウンドメンタリティに定評がある一方、2連勝が最高と爆発力に欠ける印象もあったが、3度目の正直でついに3連勝を達成。指揮官はその結果自体を評価しているが、それ以上に手応えを感じながらも3戦連続無得点で2敗1分けの生みの苦しみを乗り越えたプロセスに価値を見いだす。 「(最初の2連勝時は)引き分けで、その次が負けという形でした。今回は直前の試合で連敗し、その後の引き分けで2敗1分けの状態からこの3連勝になりましたが、内容そのものに手応えはありました。なので、我々が大事にしなければいけないのはやり方を変えないということ。我々らしくしっかりアンカーを使って、辛抱強く展開していくこと。前半に粘り強い守備をすること。これを続ければ必ず勝ち点は我々のものになってくると思っていたので、変えるというよりも我々のやり方を研ぎ澄ますということを貫いてきた、この1カ月でした」 「彼らがよくそれをやり通してくれたなということ。もうひとつはご承知のように、このチームはレンタルの選手が相当多くて、彼らが試合に出ているようなチーム状況なので、当たり前ですけれど彼らが(契約上の問題で)試合に出られない試合がある。そこで勝ち点を積み上げてきたことで、さらに競争力が高まってきたというところはプラスに働いているかなというふうに思います」 システムやメンバーは入れ替えながらも、“ハイインテンシティ”、“出し切ってバトンを繋ぐ”というチームコンセプトを徹底するブレない指揮官の下、日々の強度の高いトレーニングを通して着実にスキルアップする若きチームは、ここにきて勝つためのしたたかさや勝負の際を制する力を身につけており、シーズン終盤の戦いに向けてさらなる躍進も期待されるところだ。 2024.09.14 23:33 Sat2
札幌との好調対決で今季初の3連勝狙う…東京Vの城福監督「プランしていたことはほとんどできた」中断期間の取り組みに手応え
東京ヴェルディの城福浩監督が、14日に大和ハウスプレミストドームで行われる明治安田J1リーグ第30節の北海道コンサドーレ札幌戦に向けた会見を実施した。 東京Vは前節、打ち合いとなった柏レイソルとのアウェイゲームを3-2で制して約3カ月ぶりの2連勝を達成。暫定ながら今シーズン最上位となる7位に浮上した。 そして、今季初の3連勝を目指す中断明けの一戦では3連勝で最下位を脱出した好調の19位チームと対戦する。 YBCルヴァンカップと天皇杯敗退に伴い、今回のインターナショナルマッチウィークには公式戦がなかった東京V。これまでの中断期間であれば、海外クラブとのフレンドリーマッチや練習試合を組んできたものの、今回はそういった形を取らず、残暑が続く中で強度の高いトレーニングに励んできた。 指揮官は「ちょっと羨ましいなと思いながら見ていた」とカップ戦早期敗退の中、ベスト4進出を懸けて重要な公式戦を戦っていたライバルたちに対する悔しさを口にしながらも、「我々にとって公式戦の期間が空いたからこそできることはある」と前向きな姿勢で、現時点でチームに必要だと考えるトレーニングに特化できたと充実した日々を振り返った。 「(この中断期間に)スタッフとも話し合ってテーマをしっかり決めて、それは我々がやってきたことに何かを加えるのではなくて、とにかく研ぎ澄ましていくというか、そのためのテーマを決めて、負荷をどういうふうにかけていくかということを考えていました。そこで強度の高いことをやりたいということもあったので、プランしていたことはほとんどできたと思いますし、選手はすごく積極的に取り組んでくれたと思います」 その特化した部分は札幌戦対策にもなる“切り替え”と“カウンター”の局面での強度。 「フィジカル的なものを一個追い込みたいなと。どうせ追い込むのであれば、何かをテーマにしたいなということで、それが我々のチームにとってチーム力がアップすることであり、もうひとつはそれが札幌戦の対策になることであれば、それが一番いいというふうに思っていました」 「それが何かというのはスタッフと話しながら、札幌さんというのはリスクを冒しながら、オープンな展開を仕掛けてくるので、逆に我々もそこをソリッドにずっとしたいですけど、そうなると自陣に引き込むような感じになるというのは我々らしくないので、オープンな感じで仕掛けになったときの攻撃のクオリティであるとか、切り替えのところの強度であるとかというのが、我々が目指してきたものでもあるけれども、札幌戦の対策にもなると思ったので、そこはもう切り替えのところとカウンターのところというのはかなり高い強度でやりました」 また、終盤は防戦一方の展開で泥臭く勝ち切った柏戦での反省を踏まえ、チームのコンセプトに掲げる「出し切る」という部分も改めて確認したという。 「柏戦でも選手と共有しましたが、オーバーラップをして、例えば宮原和也が50メートルをオーバーラップしてクロスを上げたと。これは素晴らしいことですけど、そこでペナの中に入っているのが一人しかいない。そこから相手の攻め返しで、ほぼ点を取られてもおかしくないような決定機を作られましたが、そこには我々のボランチがしっかりと帰っている」 「そういうシーンというのがいくつかあって、これは我々としたら『よく帰ったよね』と、『ここまで攻められて最後に30メートルをスプリントしてよくここに帰ったよね』というふうにも言えるんですけど、もう一個上を目指すのであれば、なんで最初のクロスに一人しか入っていないんだと、そこに何人か入っていって、且つ帰ってくるんだと。それが我々であって、『よく帰ってきたよね』というので満足していたら、柏戦のような内容でまた勝ち点3を取るというのは簡単ではない」 「あの試合は選手が『よく体を張った』とも言えるけれども、ある意味では運もなければ勝ち点3は取れなかった。それをもう一度戦っても、勝ち点3が取れると。この前の試合が勝ち点1で終わったとしても、『いやいやもう一回戦わせてくれ』と、絶対やれるという試合が我々の目指すところ。じゃあはたして柏戦がそういう試合内容だったかというと、これは反省すべきところが多い。そこははたして出し切ってバトンを渡したのかというところを、もう一度突き詰めるべきだなと思ったので、出し切るということがどういうことかというのを確かめる週末にしました」 その成果を試す一戦となる札幌戦に向けて指揮官は、直近の3連勝以前も上位相手に互角以上の戦いを見せられていたと対戦相手を分析。その上で新戦力のフィットや攻守両面において勝負の際を制し始めた自信が、ここ最近の好調に繋がっていると考えている。 「いまは3連勝していますけど、それ以前を見ても勝っておかしくない。クラブの規模が大きい、非常に実力のある相手に対しても、勝ち点3を取ってもおかしくない試合というのはいくつかありますし、それがようやく勝ち点3につながってきたのかなというふうに思います。チャンスもピンチもある中で、悪いというか、よくない時間帯を凌いでいけば、必ず自分たちの方に風が吹くというのを、いま信じてやれているような、そういう強さがあるなと思います」 「それともうひとつは、あのドームのあの雰囲気ですね。本当に満員で札幌の選手を後押ししようとしているサポーターがいて、あの雰囲気も踏まえて、すごくいまはポジティブな思考にチームがなれているのかなと。勢いに乗った終盤なんていうのは本当に強いチームになっています。試合の終盤で相手に勢いを出させるような展開にさせてはいけないなと思います」 前回対戦時と比較しての対戦相手の変化ではFW鈴木武蔵を筆頭に前線の選手が得点を取り始め、新加入選手を軸としたビルドアップの改善、両ウイングバックと2シャドーの局面打開能力と攻撃面の破壊力が格段に増している。 その点について城福監督も強い警戒を示すと共に、相手に勢いを与えるような展開を避けるため、守備においてブロックを構える場面、前から圧力をかける場面などメリハリを利かせた戦い方が重要だと主張した。 「鈴木武蔵選手はいつゴールを取ってもおかしくないようなチャンスがずっとあった。ようやくそれがネットを揺さぶるような状況になってきて、本人の自信が出てきたでしょうし、周りとの信頼関係も強まっていると思います」 「さらに何人かの新しい戦力が入ってきて、そういう競争も出てきたんだと思います。本当に特に終盤のキック精度の高い選手から繰り出されるクロスと、そこに入っていく迫力とか高さというのも札幌の武器になっていると思うので、選手層含めてすごくチームがいい状況になっていると思うので、我々が受けに回らないようにしないといけない」 柏戦の勝利によってチームは残留のひとつの目安である勝ち点40を超えて「41」に到達し、今回の中断期間に入った。残留を重要な目標に掲げる中、ある意味でひとつ重圧から解放される部分もあるかに思われるが、指揮官は周囲の勝ち点に対する反応は聞こえているものの、「ほとんど意識していない」とあくまで目の前の戦いだけに集中している。 「もちろん、『40』の大台という部分で周りの方々はそれが残留のひとつの目安だったりとか、いや今シーズンはたぶん『44』とか『45』じゃないかとか、僕自身はそういうものを聞いて、『ああ、そうなんだな』と思うぐらいの感覚。いつもよりは絶対に残留ラインというのは高くなるんだろうなというのは認識していますけど、それが勝ち点がいくつなのかというのは。正直あまり深く考えたことはないです」 「とにかく目の前のこと、自分たちがどういう競争をした中で選手が出て行って、その目の前の相手とどういう試合をするのかと。この前は何が足りていて、何が足りなかったのかというところに集中する」 「ましてや今回で言えば、間が空くということは、相手が空いていなくて、戦っているチームがあるわけですよね。そこで彼らと差をつけられたくないですし、モチベーションの高い中でルヴァンのベスト4だったりとか、天皇杯のベスト4とかに向かって行っている姿を見れば見るほど、むしろ僕は危機感があります」 「無駄な1週間というのはどこにもないので、とにかくチームが進歩するために、どういうテーマを持ちながら追い込んでいくかと、どういう競争力をつけていくかということだけに集中していたので、あまり柏戦が終わって勝ち点がいくつになったからとかというのは、ちょっとピンときていないというか、目の前のことだけですね」 なお、日々の戦いに神経を研ぎ澄ませる城福監督だったが、今回の中断期間では少し時間的な余裕があったこともあり、「こういうときにちゃんと海外の試合を見ようとか、むしろそっちに刺激を求めました」と以前から高い関心を示すプレミアリーグや昨シーズンまで日本代表MF三笘薫がプレーするブライトンを指揮したロベルト・デ・ゼルビ監督が新たに率いるマルセイユなどをチェックしたという。 そして、「(プレミアリーグは)やはりあの攻守の切り替わったところからのクオリティの高さとか、せめぎ合いというか、そこは自分にとってこのチームにうまく還元できるといいなと思っています」と、個人的な関心、学びの中でもやはり考えていたのは、いかに自身が率いるチームを改善していくかだった。 2024.09.13 19:30 Fri3
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東京ヴェルディの城福浩監督が、泥臭く勝ち切った柏レイソルとの激闘を振り返った。 東京Vは8月31日、三協フロンテア柏スタジアムで行われた明治安田J1リーグ第29節の柏戦を3-2で勝利した。 前節、3位の鹿島アントラーズを2-1で下し、4戦ぶりの得点と共に4戦ぶりの白星を挙げた東京Vは、16位の柏とのアウェイゲームで約3カ月ぶりとなる今季3度目の連勝を狙った。 今節も[3-4-2-1]の布陣で臨んだ東京Vは、鹿島と共通点も少なくない柏の[4-4-2]に対して、ミスマッチの優位性を意識した戦い方で臨むプランだったが、この試合で柏は可変式の布陣を採用。守備時には右サイドハーフのMF鵜木郁哉を1列下げて5バックを形成し、攻撃時もより流動的な形で揺さぶりをかけた。 その想定外の出方に加え、FW細谷真大、MFマテウス・サヴィオの両エースを起点にクオリティとインテンシティの高さを見せた相手に面食らう形でバタバタした入りを強いられると、8分に細谷に先制点を奪われる。 それでも、失点直後のピッチ上で円陣を組んで改めて意思統一を図り、連続失点を回避すると、15分にFW木村勇大、30分にFW山見大登の連続ゴールによって逆転。ただ、前半終了間際に相手のデザインしたセットプレーからMF戸嶋祥郎に強烈な一撃を浴びて2-2のイーブンで試合を折り返した。 迎えた後半、3枚替えで通常の[4-4-2]の戦い方に変化した相手に押し込まれる入りとなったものの、一瞬の隙を突いて55分のMF翁長聖の技ありシュートで勝ち越しに成功。その後は完全に押し込まれてハーフコートゲームを展開されたが、ディフェンスラインを中心としたハードワークに守護神マテウスの土壇場のビッグセーブによって相手の猛攻を耐え抜き、白熱のシーソーゲームをモノにした。 同試合後、公式会見に出席した城福監督は勝ち点3を得た充実感と共に心身ともに激しい消耗を強いられたであろう一戦を総括。チーム全体の献身を称えながらも、自身のアプローチを含め課題の部分をより強調した。 「ゲームの中で反省すべきは前半の入り方と終わらせ方。ここはいくらロッカールームで徹底しようと言っても、自分が徹底させきれなかったと思います。選手がやれなかったら自分の問題なので、どういうアプローチがよかったのか、どういう表現がよかったのか。そこは自分でもしっかり振り返りたいと思います」 「ただ、点を取られてからも我々のペースを崩さなかったこと。そこで2点取ったことはポジティブ。前半は相手の左サイド。ジエゴとマテウス・サヴィオ、あるいは小屋松の2列目のところで、浮いたところをどう掴むかという部分で苦労し、ちょっと押し込まれました。あそこの整理をもっと早くしてあげればよかったと思っています」 「後半は相手も2トップ気味にやってきたので、掴みづらさはなくなったけれどもゴール前の迫力が増えたので、選手はよく体を張って、球際のところでシュートブロックしてくれたなと思います」 押し込まれ続けてセカンドボールを拾えず、奪ったボールも前線への長いボールを選択せざるを得ない厳しい状況となった後半の戦いに関して、MF齋藤功佑や山見は傑出したパフォーマンスを見せたサヴィオら相手のクオリティの高さを認めると共に、攻め切れた前半にもう少し相手陣内でボールを動かす時間帯を作るべきだったとの反省の言葉も口にしていた。 それに加えて、指揮官は交代策の部分で少なからず誤算があったことを示唆。 本来であれば、優れたキープ力と献身的な守備で流れを好転させられたであろうFW染野唯月はコンディションに問題があったか、全体的に無理が利かない場面が散見された。 その点については「我々もちょっとそれを心配していましたけど、本人に確認したら問題ないと。ただ、彼もリードをしている状況で、失点したくないという状況だったので、かなり守備の方に気を使っていたと思います」と、本来での出来ではなかったものの、その中でもチームのためにプレーし続けたエースを慮った。 その染野以外では負傷明けでのプレーとなったDF林尚輝の比較的早いタイミングでの交代、交代枠を使い切った後で足が攣った翁長を最前線に配置せざるを得ないアクシデントも指揮官のゲームプランをより難しいものとした。 「もちろん相手はリスクを冒して、両サイドバックが非常に高い位置を取ってきましたし、そこを裏返すようなボールであったり、動き出しであったり、キープであったりというところは、ちょっと守備に追われて疲弊して押し返すようなキープ、ボールの持ち方ができなかった」 「最後は特に翁長聖が足を攣った中で、我々のカードの切り方も最初に1枚を切った後に、2枚ずつ切った後でのアクシデントだったので、1枚少ないような状況だったので、余計を押し返すことができなかった」 それでも、「ただみんなはそれを承知の上で彼も足を引きずりながらでしたが、よく耐えたなと思います。何よりもゴール前のところやバイタルエリアのシュートブロックというのは魂を見せてくれた」と、試合終了のホイッスルが鳴ったと同時にピッチに倒れ込んだ選手たちの献身に満足感を示した。 昇格プレーオフを制しての昇格という部分で“20番目のチーム”という位置づけで16年ぶりのJ1の戦いに挑み、開幕前はダントツで降格候補に挙げられながらも、今回の勝利によって残留争いの目安のひとつである勝ち点40の大台を超え、勝ち点41で暫定ながら7位に浮上した。 久々のJ1の舞台でサプライズを起こしたいという力強い宣言と共に、常々J1残留への危機感を強調してきた百戦錬磨の指揮官だが、やはり9試合を残しての現在の立ち位置によって最低限であり、最大の目標到達に近づきつつあると感じている。 「我々のクラブの目標が残留であることは間違いない。それはもう経験値とクラブの規模を考えたら、それは絶対唯一無二の目標であることは間違いない。ただ、それを最終節まで持ち込むのか、あとは何試合かを残して、我々らしく我々のサッカーを示すという状況で、終盤を迎えるのかというところでは、選手の経験値としても大きな差がある」 「とにかく一試合一試合を勝ち点3にこだわって、どのステージで最後J1の中で競い合うというところは高い意識を持っていますけど、それにしても後ろを気にしているわけではないですけども、残留というのはこのクラブで絶対的に与えられた使命だと思いますし、まずはそこに到達したいなという思いです」 2024.09.01 07:35 Sun4
「また新しいところに踏み出せた」葛藤、重圧乗り越えて2桁ゴール到達の東京V・木村勇大…「全部が繋がっている」結果残す中での“気付き”
キャリア初のリーグ戦2桁ゴールを達成した緑の若武者が「悩んで悩み抜いた末の一発」となったリーグ11戦ぶりのゴールを改めて振り返った。 京都サンガF.C.からの期限付き移籍で東京ヴェルディに加入したFW木村勇大。アカデミー時代を過ごした古巣では開幕直後の明治安田J1リーグ第2節の浦和レッズ戦で初ゴールを記録。上々の滑り出しを見せると、以降もコンスタントにゴールを重ねつつ得点以外の部分でも著しい成長を遂げ、6月15日に行われた第18節サンフレッチェ広島戦では9ゴール目を挙げた。 しかし、以降は[4-4-2]から[3-4-2-1]へのシステム変更に伴い、相棒であるFW染野唯月と共にゴールペースが著しく鈍化。10試合ゴールから遠ざかり、その間のチームが勝利した際も試合後や日々のトレーニングで浮かない表情を浮かべる場面も少なくなかった。 それでも、8月31日に行われた第29節の柏レイソル戦ではボックス手前から相手DFを振り切って反転しながら右に持ち出すと、強烈な右足のミドルシュートを突き刺し、実にリーグ11戦ぶりとなるゴールでひとつの目標だったJ1での2桁ゴールに到達した。 試合後のミックスゾーンでは「どんな形でもシュートを打つというところをすごく意識して挑んだ」と周囲のフリーの選手を把握した上で、あえて強引に振り抜いたとゴールシーンを振り返っていた木村。 ゴールから遠ざかっていた期間は、布陣変更の影響やチームとして最前線の選手に効果的なチャンスメイクをできなかったという部分もあり、シュート自体の少なさや木村自身もより慎重なプレー選択が目に付いた。 その点について木村は「1点を取りたいがために丁寧になりすぎていた」とシステム変更や、より守備面で多くのタスクを要求される中での葛藤を含め個人としてもモヤモヤした感情を持っていたという。 「シーズンの最初は点が取れていて、途中からフォーメーションが変わったことで、より相手のプレスを受けてなかなか良い形でゴール前でボールを受けることができなくなり、いろいろ思うところもありました」 「点を取れない時間が続きチャンスがなかなか来ないからこそ、余計に確実に点を決めたいみたいな確実なチャンスが欲しいという、その1点を取りたいがために丁寧になりすぎるというか、感情の部分もそうですけど、焦っているから余計に『チャンス1本来い』みたいな感じになっていた。ゴール前で積極的にシュートを打つのもそうですし、ああいう打っていく姿勢というのが、自分の中で慎重になっていて減っていました」 そんななか、通常のトレーニングに加えここまであまり積極的に取り組んでいなかったシュート練習で森下仁志コーチからも多くの助言も受け取りながら、木村自身は「そうじゃないな」とここ最近の自身のストライカーとしての姿勢を反省。その気持ちの切り替えが柏戦のゴールに繋がった。 「レイソル戦のあの場面も右で(宮原)和也くんがフリーだったので、ちょっと前の自分であれば、1回はたいてゴール前でもう1回フリーで入って折り返しをもらって決めたいみたいな選択をしていたかもしれないです。実際、それで折り返しが返ってこないとか、どこかで相手にはじかれてシュートを打てなくてというのが、ここ最近続いていてという中で、改めて『そうじゃないな』というのは思いました」 「そう思って打ったシュートが入ったので、そこが自分の中で『やっぱりそうだよな』と思いましたし、チームの勝利もそうですけど自分の中でもそういう思いが乗ったシュートが入ったのが、余計に分岐点ではないですけど、気持ちの部分で大きく、また新しいところに踏み出せたのかなと思います」 「そういう意味でもあのゴールは10点目というのもそうですし、自分が苦しんでいろいろ悩んで悩み抜いた末の一発だったので、すごく大きかったです」 木村の身体能力や普段のシュート練習を見ていれば、弾丸シュートと形容すべき柏戦のようなゴールがもっとあってもおかしくないが、東京V加入後でペナルティエリア外から決めたゴールはこれが初めてだった。 関西学院大学時代に大学サッカー界屈指のストライカーとしてそういったゴールも多く決めてきたが、プロ入りから東京V加入までの苦しい期間を通じてストライカーとしての「いいサイクル」を失っていた部分もあるという。 「大学のときは今と比べれば、相手のプレスも緩いですし、大学では得点が止まる時間というのはあまりなかった。基本コンスタントに試合に出たらほぼ点を決めていたので、余計にああいうシュートもノッているからこそ打っていくし、またそれが決まって気持ちがさらにノッていくみたいな、いいサイクルでやれていました。それこそ去年とかも点が入らなくて、そういうちょっと消極的ではないですけど、より明確なチャンス一発に賭けるという感じになっていました」 それでも、「今年の最初はいいサイクルでしたが、そこからちょっと入らないサイクルに入ってしまっていろいろ思うことがあって、去年の自分であれば、そのまま沈んでいったかなと思いますけど、そこで決められたというのは、自分の成長という意味でもすごく大きかった。中断前に決められたというのが、心の中でもすごくゆとりを生んでくれました」と、難しいサイクルを乗り越えたプロ3年目での成長を実感する。 2連勝でインターナショナルマッチウィークの中断期間に入ったチームは、「すごくいい雰囲気で練習できている」と木村が語るように、6日に行われたトレーニングセッションでは城福浩監督、和田一郎コーチ、森下コーチから激しい指導の声が飛びながら高強度の内容となったが、良い緊張感と共に充実感を窺わせるものとなった。 攻守の切り替えを意識したハイインテンシティのトレーニングではかなり追い込まれた様子も見せていた木村は、「とにかく頑張る。しっかりと(寄せに)行かないと指導が入るので…」と冗談を交えながらも「このチームの掲げているハードワークという部分が一番出る練習だと思うので大事。普通に上手くなる、強くなる練習だと思っています」と、自らの成長を実感する日々の練習に真摯に取り組む。 指揮官が常々自身に対して要求する、攻守における課題の習慣化については今年結果を残している中で、ある“気付き”もあったと語る。 「やっぱり全部慣れだと思います。(コーチ陣からの)指摘はありがたいですし、言われてそれを意識してやっていたら、それが自然と習慣になると思うので、ヴェルディに来て結構経ちますけど、それによって去年の自分と変われたと思いますし、今も変わっている最中。習慣になるように少しずつ落とし込むというのは、すごく大事かなと改めて思っています」 「正直なところ守備はあまり好きではないので、攻撃に力を温存したいですしゴール前にいたい。それは去年までそう思っていましたけど、守備を頑張ることによって、攻撃でチャンスが転がってきたりとか、守備から出て行くことで、逆にマークにつかれなくなってゴール前にフリーで入ったり、もちろん頑張ることで味方の信頼も得られてパスも来る」 「ゴールを取るための過程というのは全部が繋がっているんだなというのは、改めて今年結果を残すことでわかってきたというか、無駄なことではないんだというのをすごく今感じてきているので、そういう感覚は大事にしたいです」 節目のゴールにもなった久々の柏戦のゴールの反響について木村は「もちろんファン・サポーターの方をすごく待たせてしまっていたので、そういう意味でもすごく周りの人には『良かった』というような言葉をかけてもらえました。やっぱり点を決めたら連絡もそうですけど反響が出るので、やっぱりストライカーは単純だなと改めて思いました(笑)」とにやりとした表情で返答。 それと同時に「決めないときはもちろん言われますし、決めたら一発で全部ひっくり返るので、すごく責任もかかって重圧もあるしんどいポジション。それでも、ああいう1本で全てひっくり返るので、改めてすごくやりがいもありますし、自分が一番好きなポジションだなと思ったので、ゴールを決めてまたそう思えるように頑張ろうと思います」と、ストライカーとしてのやりがいを改めて言葉にした。 <span class="paragraph-title">【動画】木村勇大の今季ゴールハイライト!</span> <span data-other-div="movie"></span> <blockquote class="twitter-tweet" data-media-max-width="560"><p lang="ja" dir="ltr">ここまでリーグ戦10ゴールの <a href="https://twitter.com/hashtag/%E6%9C%A8%E6%9D%91%E5%8B%87%E5%A4%A7?src=hash&ref_src=twsrc%5Etfw">#木村勇大</a> 選手のゴールハイライト<br><br>お気に入りや印象に残ったゴールを教えてください!<a href="https://twitter.com/yudai022898?ref_src=twsrc%5Etfw">@yudai022898</a> <a href="https://twitter.com/hashtag/%E6%9D%B1%E4%BA%AC%E3%83%B4%E3%82%A7%E3%83%AB%E3%83%87%E3%82%A3?src=hash&ref_src=twsrc%5Etfw">#東京ヴェルディ</a> <a href="https://twitter.com/hashtag/verdy?src=hash&ref_src=twsrc%5Etfw">#verdy</a> <a href="https://twitter.com/hashtag/J%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%B0?src=hash&ref_src=twsrc%5Etfw">#Jリーグ</a> <a href="https://t.co/LbaDFyt3ig">pic.twitter.com/LbaDFyt3ig</a></p>— 東京ヴェルディ(TOKYO VERDY)公式 (@TokyoVerdySTAFF) <a href="https://twitter.com/TokyoVerdySTAFF/status/1832245099381879184?ref_src=twsrc%5Etfw">September 7, 2024</a></blockquote> <script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script> 2024.09.07 13:55 Sat5
「いい悩ましさが出てきた」…約3カ月ぶり連勝狙う東京V、城福監督は「Jリーグ屈指」と語る柏の司令塔を警戒
東京ヴェルディの城福浩監督が、31日に三協フロンテア柏スタジアムで行われる明治安田J1リーグ第29節の柏レイソル戦に向けた会見を実施した。 東京Vは前節、鹿島アントラーズとのホームゲームを2-1で制し、4試合ぶりの得点と共に中断明け初白星となる4試合ぶりの勝利を挙げた。これにより、降格圏との勝ち点差を「10」に広げ、今節の結果次第では今シーズン最上位となる7位まで順位を上げる可能性も出てきた。 DF林尚輝、MF松村優太、FW染野唯月(累積警告で出場停止)と鹿島から期限付き移籍加入中の主力3選手を契約の影響で起用できなかった中、「バトンの受け渡しが、今シーズンのなかでも本当に高いレベルを示せた」と試合後に振り返った総力戦での勝利の価値を改めて強調。 「その前も3試合勝っていなかったですが、手応えはあったけれども勝ちに繋げられていないという状況は、何かが足りないわけです。何かが足りないものを足していく作業と、鹿島の良さを出させないという作業と、この両方を先発で出た選手と、途中から出た選手が高い意識を持ってやったことで勝ち点3が取れたと思います」 「我々のやり方を何か変えたわけではなくて、前の試合で出た課題に取り組みながら、我々がやろうとしていることをやり抜くと、その延長線上に勝利があるんだということを実感できたことがすごくよかった」 個人の部分では2ゴールの活躍でチームを勝利に導いたFW山見大登、3バックの右での起用となった中で果敢な持ち出しで先制点をお膳立てしたMF綱島悠斗と、シーズン序盤はバックアッパーという位置付けながら、日々の過酷なトレーニングによって大きな進化を遂げた選手たちの充実ぶりが目を引く。 その点について問われた指揮官は、森下仁志コーチを中心に若手や控え選手の課題克服を目的とした“エクストラ”と呼ばれる居残りのトレーニングの効果を挙げている。 「我々にとって全体練習が終わった後の“エクストラ”というのは、基本的には非常に厳しいゲーム形式のトレーニングをやりますが、ほぼオールアウトするようなぐらい追い込んだ中で、ポジショニングであったり、判断というのを要求する。そういうトレーニングをメンバーをチョイスして、コンディションを見ながらやっています」 鹿島戦の先制点に繋がった山見の絶妙な抜け出しからのスムーズなボールコントロール、冷静にニア上へ突き刺したフィニッシュワークもそういった日々の取り組みが実った。 「前線の選手、2列目よりも前の選手はシュート練習を、どんなに厳しいトレーニングをした後でも、最後にルーティンとして持っていますが、我々はそこにも手を入れて、ただ単に気持ちよく止めて蹴るだけでは試合に繋がらないという意味で、森下コーチが強いパスを出しそこにコントロールをして、点で合わせるようなパスをコントロールしてシュートを打つという、少し刺激を入れてくれている」 「まさに山見の点もハイスピードの中でコントロールをして、しっかりコースに打ち抜いたという意味では、ゴール前でフリーになるとしても強いパスと、ミスのないコントロールがない限り足を振らせてもらえないので、そういうエクストラの中のエクストラも目的意識を持って今年はやっているので、ああいう得点が生まれると、さらに(練習の)最後の最後までみんなが意味を持ちながらやってくれるのではないかなと思います」 DF谷口栄斗を累積警告による出場停止で欠くものの、柏戦に向けては保有元相手に躍動感あるパフォーマンスで勝利を挙げたチームに大きな刺激を受けた前述の3選手がメンバー選考に戻り、よりハイレベルなポジション争いが繰り広げられる。 「非常に意識の高い練習ができた」と今週のトレーニングへの手応えを語った城福監督は、「いい悩ましさが出てきた」と18名のメンバー選考に嬉しい悲鳴を上げる。 「レンタルの選手が普段試合に出ている中、その選手たちが出られないという意味では、その前の週からチャンスを掴みたい選手たちは意欲に溢れていたと思いますし、それで勝ち点3をつかみ取った」 「次に誰が出るんだという意味で、選手がやれることは練習場で見せることしかないですし、我々もチームを成長させるためにはピッチの上でしかないので、いい相乗効果というか、非常に意識の高い練習が今週もできたなと。(メンバーの)チョイスに関しては最後の最後まで考えたいと思いますけど、全員が試合に対する意欲を出して練習に取り組んでくれているので、むしろいい悩ましさが出てきたなという感触」 そういった充実を感じながら臨む今回のアウェイゲームでは6月初旬以来、今季3度目のリーグ連勝を目指す。 前回対戦で1-1と引き分けた柏は勝ち点5差で16位と苦しい戦いが続いているが、日本代表に選出されたFW細谷真大、リーグ屈指のアタッカーであるMFマテウス・サヴィオを擁する難敵だ。 指揮官は直近の鹿島と「大枠において似ている」と語る次節の対戦相手に言及。その両エースへの警戒と共に、前節の反省を踏まえて相手の攻撃陣がより輝くオープンな展開を避けたい考えだ。 「もちろん細かいところは違いますけど、[4-4-2]という言い方がいいか、[4-2-3-1]の中でサイドバックがどう構えてくるか、2列目がどういう起点になるかという大枠において柏と鹿島は似ています。ただ当たり前ですけど選手が違って、本当にJリーグの中で屈指の外国人選手がいますし、日本の将来を担うと言われているスピードスターもいるので、特徴がハッキリしている」 「そこを強く意識をしなければいけないですし、クオリティ的にもおそらくオープンな展開が何分か続くと、フィニッシュまで持っていくクオリティというのを、柏の前線の選手は持っている」 「(鹿島戦の後半序盤で)なぜオープンになったのかと言えば、我々がPKではないかと手を広げている間に、一気にゴール前まで持って行かれた。彼らが手を広げている暇があったら、そこの何十メーターかを(守備に戻るため)フルスプリントすることが大事だというのは確認しました」 「おそらくそれを許していれば、柏のクオリティであれば、本当に決定的なところまで持っていくと思うので、もう一度そこの手綱を締めて鹿島戦のようにコンパクトにしながら、簡単に中を通させないというところは徹底しなければいけない」 さらに、前回対戦で途中出場から同点ゴールを決められたFW木下康介、鹿島から今夏加入のFW垣田裕暉、アタッキングサードでの局面打開に優れるMF島村拓弥ら多士済々の“ゲームチェンジャー”を警戒しつつも、やはり崩しの局面で全権を握ると言っても過言ではないブラジル人アタッカーへの対応を勝負のカギに挙げた。 「スピードが特徴の選手と高さが特徴な選手と、ドリブルが好きな選手といろんな特徴を持った選手がメンバーとしているので、どういう先発できて途中でどういうふうに変わっていくのかで様子が変わってくる。我々はいろんなことを想定しなければいけない」 「ただひとつ言えるのは、彼らのカウンターを発動するときにマテウス・サヴィオが軸になっているのは間違いないので、自由にポジションを取る彼をいかにチームとして制限をかけていくかというのは、肝になるかなと思います」 2024.08.30 15:00 Fri東京ヴェルディの人気記事ランキング
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「ノーカードはあり得ない」東京Vvs鹿島のハンドの判定にJFA審判委が見解、PKは妥当も「基本的にはレッドカード」
11日、日本サッカー協会(JFA)は第6回のレフェリーブリーフィングを実施した。 中断期間などを挟み、久々の開催となった今回のブリーフィング。第23節〜第29節の試合から、いくつかのジャッジをピックアップして判定に関しての説明がなされた。 その中の1つの事象は、明治安田J1リーグ第28節の東京ヴェルディvs鹿島アントラーズのワンシーン。86分に起きた事象だ。 右サイドからの名古新太郎のクロスに東京VのGKマテウスが飛び出してパンチング。しかし、これがミートしないと、流れたボールを拾った藤井智也がボックス内で左足シュートを放った。 GKマテウスが飛び出していたことでガラ空きだったゴール。東京Vは綱島悠斗と千田海人が戻っていた中、綱島が体を投げ出してセーブ。しかし、その際に手に当たっていたとしてVARチェックが行われ、オンフィールド・レビュー(OFR)に。主審はPKの判定を与えた。 このPKは鈴木優磨がしっかりと決めて1点差に詰め寄るも、東京Vが2-1で勝利。しかし、この判定は大きな間違いだったという。 ブリーフィングに出席した佐藤隆治JFAレフェリーマネジャーはこの件について解説。PKは妥当な判断だったが、カードが出ないということはあり得ないとした。 「ノーカードはあり得ない判断。GKがいなく、DFが阻止している」と事象について語り、OFRが時間を要したことについては「シュートが枠に入っているかどうかで時間がかかっていた」と、主審がハンドかどうかではなく、カードの対象かどうかで判定を悩んでいたとした。 ハンドの競技規則は夏に変更。競技規則の改定により、意図的なハンドと不自然な動きによるハンドの懲戒罰が変わってくる。 佐藤氏は「シーズン当初であればレッドカードで悩むことはない」とし、「競技規則の改正で、意図的なハンドと不自然な動きのハンドは懲戒罰が違う。主審は逸れると判断したのでノーカードとなった」と、シュートをハンドで止めたものの、枠に飛んでいないものだったためにカードを出さないことにしたと解説した。 ただ「ギリギリ入っていようが入っていまいが、ゴール方向にシュートを打っていて、結果的にそれをハンドで止めたので、シュートを止めたと判断すべき」と、今回の事象について説明。「基本的にはレッドカードで考えて良いと思う」と、カードが出ないという判断は間違っていたとした。 佐藤氏は、競技規則の改定の際に、元ウルグアイ代表FWルイス・スアレスの2010年の南アフリカ・ワールドカップ(W杯)での出来事を例に出しており、ワザと手でセーブすることと、手に当たったハンドは違うとしていた。佐藤氏は「三重罰を避けるという判断の中で、何をしても良いわけではない」と語り、これまではPK、退場、出場停止という三重罰にならないようなジャッジがされていたが、だからといって手で止めて良いというわけではないとした。 <span class="paragraph-title">【動画】シュートを腕で止めハンドになるもカードなし…</span> <span data-other-div="movie"></span> <script>var video_id ="VyHpiJ066hg";var video_start = 422;</script><div style="text-align:center;"><div id="player"></div></div><script src="https://web.ultra-soccer.jp/js/youtube_autoplay.js"></script> 2024.09.12 20:58 Thu2
ブレずに今季初3連勝飾った東京Vの城福監督「我々のやり方を研ぎ澄ますということを貫いてきたこの1カ月」
東京ヴェルディの城福浩監督が今シーズン初の3連勝を誇った。 東京Vは14日、大和ハウスプレミストドームで行われた明治安田J1リーグ第30節の北海道コンサドーレ札幌戦を0-2で勝利した。 鹿島アントラーズ、柏レイソルを連破して約3カ月ぶりとなる今季3度目の連勝を達成した昇格組は直近3連勝で最下位を脱出した絶好調の19位チーム相手に3度目の正直での3連勝を狙った。 前回対戦は5-3の激しい打ち合いとなっただけに戦前はオープンな展開も予想されたが、前半はミラーゲーム特有の堅い展開に。東京Vは当初のプラン通り、ボランチを消しながら相手のセンターバックにボールを持たせながら[5-4-1]の堅固なブロックを組んで応対。要所での強度の高いハイプレスも仕掛けつつ、守備は狙い通りに機能。 ただ、攻撃ではピッチ状態の影響や前回対戦で機能した背後への長いボールを意識するあまり停滞。前半終盤はより自陣の深い位置まで侵攻され、最低限の0-0もやや劣勢で試合を折り返した。 後半も立ち上がりは守勢に回ったが、守護神マテウスの好守などで凌ぐと、54分にFW山見大登の背後への飛び出しからの折り返しが生んだゴール前の混戦を制したMF山田楓喜のゴールで先制に成功。以降はフィジカルに優れる外国人アタッカー2人にDF岡村大八を前線に上げたホームチームのパワープレーを撥ね返すと、再三の決定機を逃した中で後半ラストプレーではMFチアゴ・アウベスに待望の加入後初ゴールが生まれ、2-0の勝利を収めた。 試合後の会見で城福監督は、敵地でしたたかに勝ち切った一戦を総括。前半終盤やリード後の劣勢の状況で冷静に耐え切ったソリッドな守備、途中出場の選手で奪い切った2点目を含め、心身ともに頼もしくなってきた選手たちを称えた。 「前半少しボールを持たれることが多かったですけど、最終ラインのところではタイトな守備ができていましたし、決定的なシーンというのは作らせなかった。ここをゼロで抑えられたことが大きかったかなと思います」 「後半になれば、よりオープンな展開になるというのはわかっていましたし、そうすれば我々が積み上げてきた走力というか、ボールに絡んでいくコンビネーションを含めてここを発揮できると思っていたので、そこはうまく出せたなと」 「トドメを刺す2点目を取れたと思うシーンがいくつかあった中で、1-0のまま最終盤まで推移するというのは非常に難しい展開だったと思いますけれど、選手はあそこで飲み込まれることなく足を止めずに、最後また何人もボールに絡んで2点目を取れた、トドメを刺せたということは、このチームの走り切るというところを少し具現化できた。進歩できたところかなと思います」 また、MF松村優太、FW染野唯月をベンチサイドで準備させていた状況で、奇しくも交代予定の山見、山田楓の2人の連携で奪った先制点に関しては「交代のタイミングが遅れてよかった」と正直な思いを語っている。 ここまで連敗が1度と、リバウンドメンタリティに定評がある一方、2連勝が最高と爆発力に欠ける印象もあったが、3度目の正直でついに3連勝を達成。指揮官はその結果自体を評価しているが、それ以上に手応えを感じながらも3戦連続無得点で2敗1分けの生みの苦しみを乗り越えたプロセスに価値を見いだす。 「(最初の2連勝時は)引き分けで、その次が負けという形でした。今回は直前の試合で連敗し、その後の引き分けで2敗1分けの状態からこの3連勝になりましたが、内容そのものに手応えはありました。なので、我々が大事にしなければいけないのはやり方を変えないということ。我々らしくしっかりアンカーを使って、辛抱強く展開していくこと。前半に粘り強い守備をすること。これを続ければ必ず勝ち点は我々のものになってくると思っていたので、変えるというよりも我々のやり方を研ぎ澄ますということを貫いてきた、この1カ月でした」 「彼らがよくそれをやり通してくれたなということ。もうひとつはご承知のように、このチームはレンタルの選手が相当多くて、彼らが試合に出ているようなチーム状況なので、当たり前ですけれど彼らが(契約上の問題で)試合に出られない試合がある。そこで勝ち点を積み上げてきたことで、さらに競争力が高まってきたというところはプラスに働いているかなというふうに思います」 システムやメンバーは入れ替えながらも、“ハイインテンシティ”、“出し切ってバトンを繋ぐ”というチームコンセプトを徹底するブレない指揮官の下、日々の強度の高いトレーニングを通して着実にスキルアップする若きチームは、ここにきて勝つためのしたたかさや勝負の際を制する力を身につけており、シーズン終盤の戦いに向けてさらなる躍進も期待されるところだ。 2024.09.14 23:33 Sat3
山田楓喜&チアゴ・アウベスJ1初弾の東京Vが今季初の3連勝で6位浮上! 3連勝でストップの札幌は逆転残留へ痛恨黒星に【明治安田J1第30節】
明治安田J1リーグ第30節の北海道コンサドーレ札幌vs東京ヴェルディが14日に大和ハウスプレミストドームで行われ、アウェイの東京Vが0-2で勝利した。 中断前に行われた前節の川崎フロンターレ戦を2-0で制し、今シーズン初の3連勝と共に最下位脱出に成功した札幌。直近のルヴァンカップでは横浜F・マリノス相手に1-6で敗れた第1戦の大敗が大きく響くも、ホーム開催の第2戦では意地の3-1の勝利。きっちりバウンスバックを果たしてリーグ再開初戦を迎えた。ペトロヴィッチ監督はリーグ前節から先発1人を変更。菅大輝に代えて馬場晴也を起用し、[3-4-2-1]の布陣で臨んだ。 一方の東京Vは前節、打ち合いとなった柏レイソルとのアウェイゲームを3-2で制して約3カ月ぶりの2連勝。暫定ながら今シーズン最上位となる7位に浮上した。今季初の3連勝を目指した中断明けの一戦では先発1人を変更。林尚輝に代えてサスペンション明けの谷口栄斗が復帰した。 様子見の入りが続いたなかで札幌にアクシデント発生。10分、足を痛めた高尾瑠がプレー続行不可能となり、担架でピッチを後に。これを受けて荒野拓馬が中盤に投入され、馬場がポジションを一列下げた。 立ち上がり以降はミラーゲームの展開のなかで互いにダイレクトプレーや個での打開でずれを生み出そうとするが、決定機まであと一歩という拮抗した状況に。 木村勇大をシンプルに使いつつ、セカンドボールの攻防で優位に立つアウェイチームがペースを握るものの、直近2戦連続クリーンシートの札幌も要所を締める守備で粘り強く対応。34分にはペナルティアーク付近で持ち運んだ山田楓喜が得意の左足ミドルを枠に飛ばすが、GK菅野孝憲の好守に遭う。 その後、前半終盤にかけては左サイドを起点に札幌が完全に押し込む形を作り出す。良い形でのショートカウンターを含め決定機を作りかけたが、相手の体を張った守備に阻まれた。 時間の経過と共にホームチームが優位に進めたものの、5-3の打ち合いとなった前回対戦とは一変してクローズな状況のままゴールレスで後半に突入。札幌はスパチョークに代えて菅をハーフタイム明けに左ウイングバックに投入。青木亮太が2シャドーの一角にポジションを上げた。 前半終盤からの流れを継続する形で札幌が勢いを持って試合に入る。立ち上がりの47分には鈴木武蔵のスルーパスに抜け出した駒井善成がボックス内に持ち込んで右足シュートを放つが、ここれはGKマテウスの足を使った見事なセーブに阻まれる。その直後には菅がミドルシュートを狙うも、これは枠を捉え切れない。 一方、守備の堅さは光るものの、前半半ば以降は自分たちのリズムでボールを動かせず、背後への長いボール一辺倒の攻撃がめだった東京V。だが、50分には高い位置でのボール奪取からショートカウンターに持ち込んで森田晃樹、山田楓の連続シュートで後半最初の決定機を創出する。 さらに、ベンチサイドで松村優太、染野唯月が交代の準備を見せると、そのベンチの動きに触発されたアタッカー2人が交代前に大きな仕事を果たした。54分、自陣から谷口、齋藤功佑と繋いで左で背後を狙う山見大登にボールが渡る。グラウンダーのクロスは木村の手前でGK菅野にはじかれたが、ボックス中央でこぼれ球を収めた山田楓が冷静にゴールカバーを外す左足シュートをゴールネットに突き刺した。 殊勲の山田楓と山見に代わって染野、松村を2シャドーに入れた東京Vは、ビハインドを撥ね返そうと前がかる札幌に対して松村のスピードを活かした左サイドからの崩しで追加点に迫るも、いくつかのチャンスで仕留め切れない。 一方、何とか連続失点を凌いだ札幌は63分、左サイドを崩した波状攻撃から荒野、青木がボックス内で決定的なシュートを続けて放つが、これは相手の体を張った守備に阻まれる。さらに、直後には大﨑玲央、青木に代えてアマドゥ・バカヨコ、ジョルディ・サンチェスを同時投入。攻撃に高さと強さを加え、力業でゴールをこじ開けにかかる。 その後は球際での激しい攻防を巡って両チームがヒートアップ。スタジアムのボルテージが高まる中、80分には東京Vが染野と木村の両エースの連携から見事にロングカウンターを完結。アウェイチームが再びゴールネットを揺らす。だが、オンフィールド・レビューの確認が入ると、木村にスルーパスを出した後に攻め上がろうとした染野が相手の菅に対してオフェンスファウルがあったとしてゴールは取り消しとなった。 この大きな判定によって1点差が維持された後半終盤は猛攻を仕掛ける札幌、森田を下げてDF林を投入し綱島悠斗をボランチに上げて専守防衛に入った東京Vという明確な構図の下で白熱の攻防が繰り広げられる。 最後まで集中した守備でホームチームの猛攻を耐え切った東京Vは、後半ラストプレーとなったロングカウンターからチアゴ・アウベスが嬉しいJ1初ゴールでようやくトドメを刺し切った、そして、荒れ模様となった好調同士の一戦をしぶとく制し、今季初の3連勝で6位に浮上した。一方、敗れた札幌は連勝が「3」でストップし、奇跡の逆転残留へ厳しい黒星となった。 北海道コンサドーレ札幌 0-2 東京ヴェルディ 【東京V】 山田楓喜(後9) チアゴ・アウベス(後45+7) <span class="paragraph-title">【動画】冷静すぎ!山田楓喜がチャンスを逃さずに決め切る!</span> <span data-other-div="movie"></span> <blockquote class="twitter-tweet" data-media-max-width="560"><p lang="ja" dir="ltr"><a href="https://twitter.com/hashtag/DAZN?src=hash&ref_src=twsrc%5Etfw">#DAZN</a> でライブ配信中<a href="https://twitter.com/hashtag/%E6%9C%AD%E5%B9%8C%E6%9D%B1%E4%BA%ACV?src=hash&ref_src=twsrc%5Etfw">#札幌東京V</a> <a href="https://t.co/yEDxekvRp0">pic.twitter.com/yEDxekvRp0</a></p>— DAZN Japan (@DAZN_JPN) <a href="https://twitter.com/DAZN_JPN/status/1834841141637681358?ref_src=twsrc%5Etfw">September 14, 2024</a></blockquote> <script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script> 2024.09.14 16:08 Sat4
札幌との好調対決で今季初の3連勝狙う…東京Vの城福監督「プランしていたことはほとんどできた」中断期間の取り組みに手応え
東京ヴェルディの城福浩監督が、14日に大和ハウスプレミストドームで行われる明治安田J1リーグ第30節の北海道コンサドーレ札幌戦に向けた会見を実施した。 東京Vは前節、打ち合いとなった柏レイソルとのアウェイゲームを3-2で制して約3カ月ぶりの2連勝を達成。暫定ながら今シーズン最上位となる7位に浮上した。 そして、今季初の3連勝を目指す中断明けの一戦では3連勝で最下位を脱出した好調の19位チームと対戦する。 YBCルヴァンカップと天皇杯敗退に伴い、今回のインターナショナルマッチウィークには公式戦がなかった東京V。これまでの中断期間であれば、海外クラブとのフレンドリーマッチや練習試合を組んできたものの、今回はそういった形を取らず、残暑が続く中で強度の高いトレーニングに励んできた。 指揮官は「ちょっと羨ましいなと思いながら見ていた」とカップ戦早期敗退の中、ベスト4進出を懸けて重要な公式戦を戦っていたライバルたちに対する悔しさを口にしながらも、「我々にとって公式戦の期間が空いたからこそできることはある」と前向きな姿勢で、現時点でチームに必要だと考えるトレーニングに特化できたと充実した日々を振り返った。 「(この中断期間に)スタッフとも話し合ってテーマをしっかり決めて、それは我々がやってきたことに何かを加えるのではなくて、とにかく研ぎ澄ましていくというか、そのためのテーマを決めて、負荷をどういうふうにかけていくかということを考えていました。そこで強度の高いことをやりたいということもあったので、プランしていたことはほとんどできたと思いますし、選手はすごく積極的に取り組んでくれたと思います」 その特化した部分は札幌戦対策にもなる“切り替え”と“カウンター”の局面での強度。 「フィジカル的なものを一個追い込みたいなと。どうせ追い込むのであれば、何かをテーマにしたいなということで、それが我々のチームにとってチーム力がアップすることであり、もうひとつはそれが札幌戦の対策になることであれば、それが一番いいというふうに思っていました」 「それが何かというのはスタッフと話しながら、札幌さんというのはリスクを冒しながら、オープンな展開を仕掛けてくるので、逆に我々もそこをソリッドにずっとしたいですけど、そうなると自陣に引き込むような感じになるというのは我々らしくないので、オープンな感じで仕掛けになったときの攻撃のクオリティであるとか、切り替えのところの強度であるとかというのが、我々が目指してきたものでもあるけれども、札幌戦の対策にもなると思ったので、そこはもう切り替えのところとカウンターのところというのはかなり高い強度でやりました」 また、終盤は防戦一方の展開で泥臭く勝ち切った柏戦での反省を踏まえ、チームのコンセプトに掲げる「出し切る」という部分も改めて確認したという。 「柏戦でも選手と共有しましたが、オーバーラップをして、例えば宮原和也が50メートルをオーバーラップしてクロスを上げたと。これは素晴らしいことですけど、そこでペナの中に入っているのが一人しかいない。そこから相手の攻め返しで、ほぼ点を取られてもおかしくないような決定機を作られましたが、そこには我々のボランチがしっかりと帰っている」 「そういうシーンというのがいくつかあって、これは我々としたら『よく帰ったよね』と、『ここまで攻められて最後に30メートルをスプリントしてよくここに帰ったよね』というふうにも言えるんですけど、もう一個上を目指すのであれば、なんで最初のクロスに一人しか入っていないんだと、そこに何人か入っていって、且つ帰ってくるんだと。それが我々であって、『よく帰ってきたよね』というので満足していたら、柏戦のような内容でまた勝ち点3を取るというのは簡単ではない」 「あの試合は選手が『よく体を張った』とも言えるけれども、ある意味では運もなければ勝ち点3は取れなかった。それをもう一度戦っても、勝ち点3が取れると。この前の試合が勝ち点1で終わったとしても、『いやいやもう一回戦わせてくれ』と、絶対やれるという試合が我々の目指すところ。じゃあはたして柏戦がそういう試合内容だったかというと、これは反省すべきところが多い。そこははたして出し切ってバトンを渡したのかというところを、もう一度突き詰めるべきだなと思ったので、出し切るということがどういうことかというのを確かめる週末にしました」 その成果を試す一戦となる札幌戦に向けて指揮官は、直近の3連勝以前も上位相手に互角以上の戦いを見せられていたと対戦相手を分析。その上で新戦力のフィットや攻守両面において勝負の際を制し始めた自信が、ここ最近の好調に繋がっていると考えている。 「いまは3連勝していますけど、それ以前を見ても勝っておかしくない。クラブの規模が大きい、非常に実力のある相手に対しても、勝ち点3を取ってもおかしくない試合というのはいくつかありますし、それがようやく勝ち点3につながってきたのかなというふうに思います。チャンスもピンチもある中で、悪いというか、よくない時間帯を凌いでいけば、必ず自分たちの方に風が吹くというのを、いま信じてやれているような、そういう強さがあるなと思います」 「それともうひとつは、あのドームのあの雰囲気ですね。本当に満員で札幌の選手を後押ししようとしているサポーターがいて、あの雰囲気も踏まえて、すごくいまはポジティブな思考にチームがなれているのかなと。勢いに乗った終盤なんていうのは本当に強いチームになっています。試合の終盤で相手に勢いを出させるような展開にさせてはいけないなと思います」 前回対戦時と比較しての対戦相手の変化ではFW鈴木武蔵を筆頭に前線の選手が得点を取り始め、新加入選手を軸としたビルドアップの改善、両ウイングバックと2シャドーの局面打開能力と攻撃面の破壊力が格段に増している。 その点について城福監督も強い警戒を示すと共に、相手に勢いを与えるような展開を避けるため、守備においてブロックを構える場面、前から圧力をかける場面などメリハリを利かせた戦い方が重要だと主張した。 「鈴木武蔵選手はいつゴールを取ってもおかしくないようなチャンスがずっとあった。ようやくそれがネットを揺さぶるような状況になってきて、本人の自信が出てきたでしょうし、周りとの信頼関係も強まっていると思います」 「さらに何人かの新しい戦力が入ってきて、そういう競争も出てきたんだと思います。本当に特に終盤のキック精度の高い選手から繰り出されるクロスと、そこに入っていく迫力とか高さというのも札幌の武器になっていると思うので、選手層含めてすごくチームがいい状況になっていると思うので、我々が受けに回らないようにしないといけない」 柏戦の勝利によってチームは残留のひとつの目安である勝ち点40を超えて「41」に到達し、今回の中断期間に入った。残留を重要な目標に掲げる中、ある意味でひとつ重圧から解放される部分もあるかに思われるが、指揮官は周囲の勝ち点に対する反応は聞こえているものの、「ほとんど意識していない」とあくまで目の前の戦いだけに集中している。 「もちろん、『40』の大台という部分で周りの方々はそれが残留のひとつの目安だったりとか、いや今シーズンはたぶん『44』とか『45』じゃないかとか、僕自身はそういうものを聞いて、『ああ、そうなんだな』と思うぐらいの感覚。いつもよりは絶対に残留ラインというのは高くなるんだろうなというのは認識していますけど、それが勝ち点がいくつなのかというのは。正直あまり深く考えたことはないです」 「とにかく目の前のこと、自分たちがどういう競争をした中で選手が出て行って、その目の前の相手とどういう試合をするのかと。この前は何が足りていて、何が足りなかったのかというところに集中する」 「ましてや今回で言えば、間が空くということは、相手が空いていなくて、戦っているチームがあるわけですよね。そこで彼らと差をつけられたくないですし、モチベーションの高い中でルヴァンのベスト4だったりとか、天皇杯のベスト4とかに向かって行っている姿を見れば見るほど、むしろ僕は危機感があります」 「無駄な1週間というのはどこにもないので、とにかくチームが進歩するために、どういうテーマを持ちながら追い込んでいくかと、どういう競争力をつけていくかということだけに集中していたので、あまり柏戦が終わって勝ち点がいくつになったからとかというのは、ちょっとピンときていないというか、目の前のことだけですね」 なお、日々の戦いに神経を研ぎ澄ませる城福監督だったが、今回の中断期間では少し時間的な余裕があったこともあり、「こういうときにちゃんと海外の試合を見ようとか、むしろそっちに刺激を求めました」と以前から高い関心を示すプレミアリーグや昨シーズンまで日本代表MF三笘薫がプレーするブライトンを指揮したロベルト・デ・ゼルビ監督が新たに率いるマルセイユなどをチェックしたという。 そして、「(プレミアリーグは)やはりあの攻守の切り替わったところからのクオリティの高さとか、せめぎ合いというか、そこは自分にとってこのチームにうまく還元できるといいなと思っています」と、個人的な関心、学びの中でもやはり考えていたのは、いかに自身が率いるチームを改善していくかだった。 2024.09.13 19:30 Fri5