横浜FMとの“クラシコ”で16年ぶりJ1のスタート切る東京V…城福浩監督「我々の積み上げてきたものを確かめたい」
2024.02.24 20:27 Sat
横浜FMとの今季初陣に臨む城福浩監督
東京ヴェルディを率いる城福浩監督が、25日に行われる横浜F・マリノスとの明治安田J1リーグ開幕戦に向けた強い想いを語った。
昨シーズンのJ2リーグを3位フィニッシュし、その後の昇格プレーオフを制して16年ぶりのJ1帰還を果たした東京V。
就任2年目で長らくJ2での低迷が続いた緑の名門を“いるべき舞台”に戻した百戦錬磨の指揮官は、今季J1で最年少となる平均年齢24.1歳の若きスカッドを率い、日本のトップカテゴリーでの戦いに挑む。
その初陣を飾る新シーズンの開幕戦は、1993年5月15日に行われたJリーグの開幕カードであり、“クラシコ”、“ナショナル・ダービー”とも称される、横浜FMとの黄金カード。
さらに、通常は味の素スタジアムを本拠地として使用する東京Vだが、試合会場は31年前に開幕カードが開催された国立競技場。両クラブを長らく応援してきたファン・サポーターのみならず、Jリーグの黎明期を知るJリーグファンにとって、感慨深い一戦となることは間違いないはずだ。
「もちろん、J1リーグでの我々の立ち位置からすると、簡単な戦いにはならないですが、それでも楽しみでしかない。選手と一緒にここまで積み上げてきたものを、どれだけ出せるか、出せるはずだという思いもあります」
「一瞬の隙を与えれば、仕事をする選手たちが相手にもいるので、痛い目にも合うでしょうが、我々の積み上げてきたものを、確かめたいという思いが強いです」
「どのチームもそのときの全てを懸けてやってきました。そこに差はないですが、ヴェルディのこの経てきた歴史というか、これはもうどのクラブにもない紆余曲折が詰まったというか、その歴史というのはもう、その言い方が正しいかどうか分かりませんが、どこにも真似のできない唯一無二のは良いことも悪いこともあったので…。だからこそ、開幕戦がマリノス戦という舞台が用意されたのではないかと思います」
「この用意されたものというのは、やはり歴史のなせるわざなのかなというふうに思いますし、改めてヴェルディのブランドと言うべきか、ヴェルディが持ちうる可能性を感じさせられた、この年末年始でした。Jリーグに全体に影響を及ぼすような注目度のなかで良い試合ができれば、今後JJリーグの価値に対しても影響を及ぼせるのではないかというぐらいの思いでやりたいと思います」
また、ハリー・キューウェル新監督を迎えた昨季J1リーグ2位の横浜FMについては、直近に行われたAFCチャンピオンズリーグのバンコク・ユナイテッド戦の2試合を見た上で、これまで同様に攻撃的な思考を強く持ったチームとの印象を抱いている。
「攻撃的な思考であることは変わらない印象はありますし、今まで主力を担ってきた選手たちが変わらずいるので、攻撃の特徴っていうのは、変わらないと思います。ただ、特にサイドバックのアグレッシブさというのはまた、より強固になったなというふうに思います」
「何にも増して、ACLを2試合経験しているので、そういう意味でのゲーム慣れをしているというか、良い時間帯も悪い時間帯も含めて、もう2試合経験してきています」
その難敵相手にJ1・大舞台での経験が少ない若きスカッドで臨む上では相手の対策を頭に入れながらも、まずは自分たちのスタイルの徹底、チームとして最大値を出すことを注視している。
「ゲーム慣れしているマリノスに対して我々は初めてのゲームというところだけは気をつけなければいけないですが、それ以外のところに関しては、もう我々の持っているもの全てをぶつけるのみだと思います」
「まずは、自分たちの今持っているものを全て出さしてあげられる状況にしたい。相手対策に偏りすぎず、相手をリスペクトしすぎず、リスクを考えすぎず、ただ先鋭的な戦術に偏りすぎず、しっかりベーシックなものも頭に入れながら、我々の思うところの12時のところにしっかりと針を整えて、ピッチに立たせたい。何よりも自信を持たせて、キックオフを迎えさせてあげたいです」
「今まで今年に入ってからずっと言ってきましたが、チームとして感覚を共有しながら腰が引けたサッカーだけはやらない。これだけは間違いない。我々らしく全員でリスクを背負う。リスクがないサッカーはないので、全員で共有しながらゲームに入りたいです」
最後に、清水エスパルスとの昇格プレーオフ決勝同様に5万人以上の観客の来場が見込まれるビッグマッチに向けては、黄金期を知る往年のファン、新たに興味を持ってくれた新規のファンに対して、新たなヴェルディのサッカーを披露すると共に、低迷期も献身的にクラブを支えたサポーターに報いる戦いを見せたいと、強い覚悟を示した。
「僕は2022年6月に着任しましたが、当時おそらく、ホームの平均入場者数が5000人ぐらい。5000人を切るときもありました。そういう意味では、本当にずっと苦しいときに、応援し続けてくれた方たちとともに戦っていたと思います」
「それが、1年半後にはその10倍の観客の中で戦うわけです。これは、おそらくこのクラブのフロントも選手も経験したことがない。もっと言えば、22年の6月には想像もできなかったことです」
「それでも、ヴェルディのこういう試合を待っていた方々がいるという事実。クラブが元々持っていたポテンシャルというのは頭で分かっていましたが、実際に形としていろんなものが情報として入ってきているので、改めてさすがヴェルディ、やっぱりヴェルディは捨てたもんじゃないなと。ヴェルディを待ってくれてた方というのは本当にいるんだなと。それは本当に苦しいときがあったからこそ、そういう反作用が起こったんじゃないかと思います」
「これが順風満帆で資金的にも環境的にも、20年前と変わらない状況でJ2でやっていたのであれば、おそらくこんな作用にならなかったと思います。本当に苦しい状況が分かっていたからこそ、おそらくこういう現象が僕らから見て感じられるのかなというふうに思います」
「(監督としての)目標はとにかくヴェルディがどこに向かっているのかを見せること。だから負けてもいいわけじゃない、J1にいなきゃいけないんです。ただ、新しいヴェルディというのは、単語だけじゃなくて、こういうサッカーをするんだと、これを目指してるんだということが、見に来てくださる方々に、サッカーに詳しい方にはそれなりに分かるだろうし、そうじゃないビジターの方々にも、何となくヴェルディちょっと尖ってるよね。というふうに思わせるサッカーをしない限り、丸いサッカー(オーソドックス)をやったら、我々はJ1で一番小さい丸なので、それでは勝てないと考えています」
「僕はどのクラブでもそうですが、一番我々がサポーターの方々の存在を感じるのは、やっぱり苦しいときに背中を押してくれるときなんですよ。現場は順風満帆ではないですから。そうではないときに、やっぱり人間というのは背中を押してくれる存在がいて、救われることがあります。だからこそ、この15年のスパンで見ても苦しいときに背中を押してくれるサポーターがいて、僕がやった1年半のときでも、本当に苦しいときに押してくれた存在がいるので、とにかく彼らを喜ばしてあげたいと思うし、彼らと一緒に喜び合いたいと思います」
昨シーズンのJ2リーグを3位フィニッシュし、その後の昇格プレーオフを制して16年ぶりのJ1帰還を果たした東京V。
就任2年目で長らくJ2での低迷が続いた緑の名門を“いるべき舞台”に戻した百戦錬磨の指揮官は、今季J1で最年少となる平均年齢24.1歳の若きスカッドを率い、日本のトップカテゴリーでの戦いに挑む。
さらに、通常は味の素スタジアムを本拠地として使用する東京Vだが、試合会場は31年前に開幕カードが開催された国立競技場。両クラブを長らく応援してきたファン・サポーターのみならず、Jリーグの黎明期を知るJリーグファンにとって、感慨深い一戦となることは間違いないはずだ。
昨年12月末の開幕カード決定以降、幾度となくその開幕戦について触れてきた城福監督は、大一番を2日後に控えた公式会見の場で改めて横浜FM戦に向けた強い想いを語った。
「もちろん、J1リーグでの我々の立ち位置からすると、簡単な戦いにはならないですが、それでも楽しみでしかない。選手と一緒にここまで積み上げてきたものを、どれだけ出せるか、出せるはずだという思いもあります」
「一瞬の隙を与えれば、仕事をする選手たちが相手にもいるので、痛い目にも合うでしょうが、我々の積み上げてきたものを、確かめたいという思いが強いです」
「どのチームもそのときの全てを懸けてやってきました。そこに差はないですが、ヴェルディのこの経てきた歴史というか、これはもうどのクラブにもない紆余曲折が詰まったというか、その歴史というのはもう、その言い方が正しいかどうか分かりませんが、どこにも真似のできない唯一無二のは良いことも悪いこともあったので…。だからこそ、開幕戦がマリノス戦という舞台が用意されたのではないかと思います」
「この用意されたものというのは、やはり歴史のなせるわざなのかなというふうに思いますし、改めてヴェルディのブランドと言うべきか、ヴェルディが持ちうる可能性を感じさせられた、この年末年始でした。Jリーグに全体に影響を及ぼすような注目度のなかで良い試合ができれば、今後JJリーグの価値に対しても影響を及ぼせるのではないかというぐらいの思いでやりたいと思います」
また、ハリー・キューウェル新監督を迎えた昨季J1リーグ2位の横浜FMについては、直近に行われたAFCチャンピオンズリーグのバンコク・ユナイテッド戦の2試合を見た上で、これまで同様に攻撃的な思考を強く持ったチームとの印象を抱いている。
「攻撃的な思考であることは変わらない印象はありますし、今まで主力を担ってきた選手たちが変わらずいるので、攻撃の特徴っていうのは、変わらないと思います。ただ、特にサイドバックのアグレッシブさというのはまた、より強固になったなというふうに思います」
「何にも増して、ACLを2試合経験しているので、そういう意味でのゲーム慣れをしているというか、良い時間帯も悪い時間帯も含めて、もう2試合経験してきています」
その難敵相手にJ1・大舞台での経験が少ない若きスカッドで臨む上では相手の対策を頭に入れながらも、まずは自分たちのスタイルの徹底、チームとして最大値を出すことを注視している。
「ゲーム慣れしているマリノスに対して我々は初めてのゲームというところだけは気をつけなければいけないですが、それ以外のところに関しては、もう我々の持っているもの全てをぶつけるのみだと思います」
「まずは、自分たちの今持っているものを全て出さしてあげられる状況にしたい。相手対策に偏りすぎず、相手をリスペクトしすぎず、リスクを考えすぎず、ただ先鋭的な戦術に偏りすぎず、しっかりベーシックなものも頭に入れながら、我々の思うところの12時のところにしっかりと針を整えて、ピッチに立たせたい。何よりも自信を持たせて、キックオフを迎えさせてあげたいです」
「今まで今年に入ってからずっと言ってきましたが、チームとして感覚を共有しながら腰が引けたサッカーだけはやらない。これだけは間違いない。我々らしく全員でリスクを背負う。リスクがないサッカーはないので、全員で共有しながらゲームに入りたいです」
最後に、清水エスパルスとの昇格プレーオフ決勝同様に5万人以上の観客の来場が見込まれるビッグマッチに向けては、黄金期を知る往年のファン、新たに興味を持ってくれた新規のファンに対して、新たなヴェルディのサッカーを披露すると共に、低迷期も献身的にクラブを支えたサポーターに報いる戦いを見せたいと、強い覚悟を示した。
「僕は2022年6月に着任しましたが、当時おそらく、ホームの平均入場者数が5000人ぐらい。5000人を切るときもありました。そういう意味では、本当にずっと苦しいときに、応援し続けてくれた方たちとともに戦っていたと思います」
「それが、1年半後にはその10倍の観客の中で戦うわけです。これは、おそらくこのクラブのフロントも選手も経験したことがない。もっと言えば、22年の6月には想像もできなかったことです」
「それでも、ヴェルディのこういう試合を待っていた方々がいるという事実。クラブが元々持っていたポテンシャルというのは頭で分かっていましたが、実際に形としていろんなものが情報として入ってきているので、改めてさすがヴェルディ、やっぱりヴェルディは捨てたもんじゃないなと。ヴェルディを待ってくれてた方というのは本当にいるんだなと。それは本当に苦しいときがあったからこそ、そういう反作用が起こったんじゃないかと思います」
「これが順風満帆で資金的にも環境的にも、20年前と変わらない状況でJ2でやっていたのであれば、おそらくこんな作用にならなかったと思います。本当に苦しい状況が分かっていたからこそ、おそらくこういう現象が僕らから見て感じられるのかなというふうに思います」
「(監督としての)目標はとにかくヴェルディがどこに向かっているのかを見せること。だから負けてもいいわけじゃない、J1にいなきゃいけないんです。ただ、新しいヴェルディというのは、単語だけじゃなくて、こういうサッカーをするんだと、これを目指してるんだということが、見に来てくださる方々に、サッカーに詳しい方にはそれなりに分かるだろうし、そうじゃないビジターの方々にも、何となくヴェルディちょっと尖ってるよね。というふうに思わせるサッカーをしない限り、丸いサッカー(オーソドックス)をやったら、我々はJ1で一番小さい丸なので、それでは勝てないと考えています」
「僕はどのクラブでもそうですが、一番我々がサポーターの方々の存在を感じるのは、やっぱり苦しいときに背中を押してくれるときなんですよ。現場は順風満帆ではないですから。そうではないときに、やっぱり人間というのは背中を押してくれる存在がいて、救われることがあります。だからこそ、この15年のスパンで見ても苦しいときに背中を押してくれるサポーターがいて、僕がやった1年半のときでも、本当に苦しいときに押してくれた存在がいるので、とにかく彼らを喜ばしてあげたいと思うし、彼らと一緒に喜び合いたいと思います」
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東京ヴェルディの城福浩監督が、勝ち点1を持ち帰るにとどまった柏レイソルとのアウェイゲームを評価した。 東京Vは29日、三協フロンテア柏スタジアムで行われた明治安田J1リーグ第7節の柏戦を0-0のドローで終えた。 リーグ前節の名古屋グランパス戦、YBCルヴァンカップのAC長野パルセイロ戦と、2試合連続で課題を残しながらも勝負強く結果を残してきた城福監督のチーム。中断明けの初戦では4位に位置する柏相手に今季初の連勝を目指した。 リカルド・ロドリゲス新監督の下でボール保持率、パス本数でリーグトップクラスのスタッツを記録する柏に対して、守備面のアプローチに注目が集まったなか、この試合では同じ[3-4-2-1]の布陣ながら可変システムを採用する相手にアグレッシブな守備を敢行。 志向するハイライン・ハイプレスには至らずも、共通意識を持ちながら縦ズレ、横ズレを勤勉にこなしながら[5-4-1]のコンパクトな守備で柏の前進を阻んだ。さらに、球際・切り替えのスピード、プレーの連続性で相手を上回り、要所で狙いとする高い位置でのボール奪取からショートカウンターに持ち込んだ。 ただ、課題のアタッキングサードでは精度・判断の問題に加え、再三のセットプレーのチャンスを活かせず。シュート9本は放ったが、ビッグチャンスはDF谷口栄斗が前半に放ったクロスバー直撃の無回転ミドルシュート、後半最終盤に同じく左CKの流れから谷口がゴールネットを揺らすも、オフサイドで認められなかったシーンの2つぐらいだった。 とはいえ、相手をリスペクトした上で自分たちの持ち味も発揮し、開幕から6試合連続でゴールを挙げていた好調の柏を今季初の無得点に抑え込んでの0-0のドローは評価に値するものだった。 直近2試合の試合後会見では勝利、勝ち抜けという結果にも関わらず、険しい表情や反省の弁が目立った指揮官だったが、この試合後は比較的穏やかな表情でチームのパフォーマンスを称えた。 「今年、柏レイソルさんが表現しているサッカーを頭に入れながらも、我々がいかにアグレッシブに守備をするか。いかに相手陣でサッカーをするかというところを表現することこそが勝ち点3につながると思って準備してきましたし、選手はよく遂行してくれたと思います」 「勝ち点3が欲しかった試合ですし、ある意味で悔しい勝ち点1だったなというふうに思います。そう思えたことが今日の成果。アウェイの地で勝ち点1を取れたこと。内容が非常に充実していたことをプラスに捉えて、次につなげたいというふうに思います」 質疑応答の場ではリーグ戦初先発となったMF平川怜について「今日は彼の失わない技術だけではなくて、ボールを奪う局面の強度のところを含めて、彼のよさはふんだんに出た」と評価するなど、課題こそありながらも各選手のパフォーマンスレベルが期待通りだったことを窺わせた。 とりわけ、特徴的な相手のスタイルにアジャストする上で戦前からポイントのひとつに挙げていた、MF翁長聖とMF新井悠太のウイングバックの仕事ぶりには満足感を示した。 「相手が可変をしてくる中で、我々が対応する上でキーとなるのは、左右のセンターバックとウイングバックの関係でした。そこの縦ズレと横ズレのところは勇気を持ってやること。相手に自由を与えないこと。相手陣で制限をかければ、おのずと相手陣でボールを奪うことになるので、そこのスタートになってくれたなと思います」 「左右特徴が違うので、個での仕掛けで特長が出る選手(新井)と、周りを使いながら前に出ていく選手(翁長)。ここも各自が特長を出してくれたと思うので、本当に最後の精度のところだけ彼らも含めて上げていければ、攻守においてさらにランクアップするかなと思います」 攻撃では長野戦に続いて2試合連続無得点という結果に終わったが、「あのインテンシティの中で90分やれるということは、我々が日頃それだけ高い強度の中でやっている証」とチーム全体のハードワークを評価。その上で「ここから先はボールを奪った後の判断と技術の精度を、いかに1人1人とチームが上げていくかというところだと思うので、ここは辛抱強くやりたいです」と、あくまで前向きに改善を求めている。 今季初の連勝を成し遂げ、3勝1分け3敗の五分に戻って東京ダービーを迎えることはできなかったが、チームは前向きな形で中3日のFC東京戦に臨むことができるはずだ。 2025.03.29 22:20 Sat5
東京Vが清水とのTMで敗戦…城福監督は味スタ開催こぎ着けた尽力に感謝、平川怜は勝負へのこだわり口に
東京ヴェルディは9日、味の素スタジアムで清水エスパルスとのトレーニングマッチ(45分×2)を戦い、2-3で敗れた。 今月にJリーグYBCルヴァンカップのAC長野パルセイロ戦(20日)を控え、若手や控え組の底上げも図りたい東京Vは、明治安田J1リーグ開幕節ですでに対戦した清水とトレーニングマッチを実施した。 ともに前日にアルビレックス新潟、ガンバ大阪とアウェイゲームを戦っており、同試合のベンチ入りメンバーや招集外のメンバーを中心としたメンバー構成での戦いとなった。 そのなかで東京Vは前日の新潟戦に出場した山見大登、稲見哲行、鈴木海音、松橋優安に、招集外だった山本丈偉、熊取谷一星、内田陽介らが1本目からプレー。立ち上がりこそ行ったり来たりの展開となったが、時間の経過とともにアグレッシブな守備からリズムを掴んだ。 そして、ショートカウンターや山見、熊取谷の背後への飛び出しから幾つか良いシーンを作り出すと、41分には左CKの場面でキッカーの山見の正確な右足インスウィングのクロスをゴール前の深澤大輝が頭で合わせて先制点を奪った。 若干メンバーを入れ替えた2本目は開始直後にボックス内で弓場将輝に左足のグラウンダーシュートを左隅に流し込まれて早々に失点。ただ、すぐさま反発力を示すと、良い崩しから白井亮丞らに決定機が訪れたが、ここで仕留め切れない。 この間にギリギリの人数で戦っていたチームは深澤がアクシデントによってベンチへ下がると、10人でプレーを継続。数的不利を背負いながらも直後の23分に味方からのスルーパスに抜け出した白井が冷静に右足シュートを流し込む。だが、26分には左サイドを突破してゴールライン際をえぐった西原源樹に2点目を奪われた。 そんななか、城福浩監督は2023シーズンまで現役としてプレーし、コーチ就任後も現役さながら選手たちに混じって一部トレーニングに参加している奈良輪雄太コーチを急遽投入。不測の事態に備えて清水側に確認を取るも、秋葉忠宏監督は11人対11人の戦いを希望し、この申し出を快諾。異例の形で残り10数分間の戦いが行われたなか、41分にはミドルシュートをGK中村圭佑が好守ではじいたこぼれを嶋本悠大に押し込まれて3失点目を喫し、2本目は1-3のスコアで終了となった。 試合後に囲み取材に対応した城福浩監督は、「開幕前から清水さんがやりたいと言ってくれていた」と今回のトレーニングマッチの経緯を説明。 本拠地である味スタでの異例の開催については、普段の練習場での実施が不可能な状況において会場探しに奔走。使用可能な山梨県や千葉県の施設や清水の練習場に出向く選択肢も考慮したなか、最終的にクラブの運営スタッフの粘り強い交渉、味の素スタジアムの配慮によって本拠地での開催にこぎ着けたという。 そのため、指揮官は「味スタには本当に感謝したいですし、担当者が頑張ってくれたなと思います」と感謝を伝えた。 さらに、「ギリギリのスカッドの中でやっているので、ちょっとしたアクシデントでも、コーチを出さざるを得なかったのは清水さんに申し訳なかった」とスクランブルの状況を受け入れた対戦相手の配慮に改めて感謝した。 「コーチと接触があって、向こうの選手がケガをしたら申し訳ないので、コーチを出してもいいかと一応断りに行きました。そしたら、僕もそうですけど、わざわざ11対10をやりに来てるわけではないので、そうしてくださいと言ってくれたので、そういう意味であの時間帯はちょっと清水さんには申し訳なかったなというふうに思っています」 肝心の試合内容に関しては、「前半はすごく良かったと思いますし、疲れのある選手もいましたが、締まったゲームができた」と1本目のパフォーマンスを評価。一方で、より経験が少ない選手で戦った2本目に関しては「後半はまだチーム内で差があるところを痛感するようなゲームになった」と、個々の成長を促す。 それでも、「彼らにも当事者意識を持たせるためのこの(ミニマムな)スカッドだと思っているので、彼らが多くの時間出られるということが、どれだけありがたいことかも含めて、我々がしっかりアプローチをもう1回し直さなければいけないなと思います」と、レベルの高い相手とのトレーニングマッチでしか養えない経験や危機感を各自が実感できたことへの手応えを語っている。 ゲームキャプテンとしてボランチ、3バックの一角でフル出場した稲見は「勝てたゲームを落としてしまって悔しい」と振り返りつつも、「自分自身も味スタで試合をやること自体久しぶりですし、初めての選手もいたのではないかなと思うので、より全員がメンバーに絡んでいくためにはポジティブなゲームになったのではないかなと思います」と、味スタでのJ1クラブ相手のトレーニングマッチがいい刺激になったと感じている。 個人としても本職のポジション、ゲームキャプテンとしてのプレーを通じて得るものはあった。 「久しぶりのボランチで潰せた部分あったので、そこの強みの部分というのは多少なりとも出せたかなという手応えはありました」 「そこ(リーダーシップ)は自分の成長できるポイントというのは感じていますし、より周りを動かして自分を活かすだったり、周りの選手とのコミュニケーションだったり、最近後ろのポジションもやっているので、試行錯誤しながらですけどリーダーシップを持ってチャレンジしていきたいです」 その稲見とボランチでコンビを組み、1本目では出足鋭い潰しや正確なラストパスでショートカウンターの起点を担い、自らもフィニッシュに絡む場面を見せた平川怜。 個人として課題を意識しつつある程度の手応えを得たというが、「その形を出して最後にシュートまで行ったところで、もうひとつ逆を突いて決め切るとか、そういうところはしないといけない」と、ポジション奪取へ自らが課すハードルは高い。 「もちろん結果を残してポジションを掴み取らないといけないですし、それがいつ来るかは自分でコントロールできないので、そこに向けて常にいいを準備していくことがチームにもプラスになっていくと思うので、いい準備をしたいと思います」 また、24歳という年齢ながらも、2017年のトップチームデビューからの8年で様々な経験をしてきただけに、「もっと勝負にこだわるところはやっていかないといけない」と指揮官も指摘した2本目のパフォーマンスに関して苦言も呈した。 「イレギュラーな時間もありましたけど、それを言い訳にしてはいけないですし、点を取ってリードした時間帯もあったので、守り切ったりとか、もっと勝負にこだわるところはやっていかないと。若い選手も多いですし、そこはこの練習試合の勝ち負けというのをもっと意識してプレーして欲しかったですし、自分もそこにもっとエネルギーを費やしたかった気持ちがあります」 「自分はキャリアもありますし、こういったチームがあまり良くない状況での練習試合という部分では、もっとやらないといけないですし、まずは勝たないと意味がないと思うので、チームとして一つ一つのプレーを大事にしていかなければいけないと思います」 開幕から1勝1分け3敗の16位と、J1復帰2年目は厳しいスタートとなった東京V。離脱者続出の苦境において早くも“総緑戦”の状況だが、今回のトレーニングマッチを通じて新たな力の台頭が待たれるところだ。 東京ヴェルディ 2-3 清水エスパルス ▽1本目 1-0 得点者 41分 深澤大輝(東京V) ▽2本目 1-3 得点者 1分 弓場将輝(清水) 23分 白井亮丞(東京V) 26分 西原源樹(清水) 41分 嶋本悠大(清水) 2025.03.10 06:55 Mon東京ヴェルディの人気記事ランキング
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2回戦の対戦カード決定! 磐田vs清水の“静岡ダービー”が実現、2回戦から登場の町田は甲府と連覇目指す名古屋は富山と【YBCルヴァンカップ】
26日、2025Jリーグ YBCルヴァンカップの1回戦が開催された。 すでに20日にも13試合が行われていた中で、13試合が開催。J1勢では清水エスパルスがJ3のSC相模原に勝利した他、J2で首位に立つジェフユナイテッド千葉は、カターレ富山に4-2で敗れる事態に。また、J2に降格した北海道コンサドーレ札幌は福島ユナイテッドFCとの撃ち合いとなり延長戦へ。すると、延長戦に入り守備が崩壊し、6-3で敗退となった。 また、林野火災の影響でFC今治vs徳島ヴォルティスの試合が延期となっており、4月9日に延期試合が開催されることとなっている。 1チームを除いて2回戦に進む27チームが決定。2回戦の対戦カードが決定した。 注目は、ジュビロ磐田vs清水エスパルスの静岡ダービー。今シーズンはカテゴリーが異なるため、リーグ戦での実現がなかった静岡ダービーがカップ戦で実現する。 その他、J1同士の対戦はなく、2回戦から登場するFC町田ゼルビアは、ヴァンフォーレ甲府との対戦が決定。連覇を目指す名古屋グランパスはカターレ富山との対戦が決まった。なお、今治vs徳島の勝者は、セレッソ大阪と対戦する。 2回戦は4月9日(水)、16日(水)に開催される。 <h3>◆YBCルヴァンカップ 2回戦日程</h3> ▽4/9(水) 《19:00》 【28】ヴァンフォーレ甲府 vs FC町田ゼルビア [JIT リサイクルインク スタジアム] 【31】ジュビロ磐田 vs 清水エスパルス [ヤマハスタジアム(磐田)] 【32】レノファ山口FC vs 鹿島アントラーズ [維新みらいふスタジアム] 【35】松本山雅FC vs アルビレックス新潟 [サンプロ アルウィン] 【37】V・ファーレン長崎 vs 湘南ベルマーレ [PEACE STADIUM Connected by SoftBank] 【39】モンテディオ山形 vs 京都サンガF.C. [NDソフトスタジアム山形] ▽4/16(水) 《19:00》 【29】ギラヴァンツ北九州 vs 横浜FC [ミクニワールドスタジアム北九州] 【30】水戸ホーリーホック vs ガンバ大阪 [ケーズデンキスタジアム水戸] 【33】福島ユナイテッドFC vs 柏レイソル [とうほう・みんなのスタジアム] 【34】ブラウブリッツ秋田 vs 東京ヴェルディ [ソユースタジアム] 【36】RB大宮アルディージャ vs FC東京 [NACK5スタジアム大宮] 【40】カターレ富山 vs 名古屋グランパス [富山県総合運動公園陸上競技場] 【41】栃木SC vs アビスパ福岡 [栃木県グリーンスタジアム] 《未定》 【38】FC今治/徳島ヴォルティス vs セレッソ大阪 [未定] 2025.03.26 23:30 Wed2
「本当に大切な3連戦」東京Vの守備に安定もたらすDF林尚輝、柏撃破に向けた攻守のカギは…
東京ヴェルディは29日、三協フロンテア柏スタジアムで行われる明治安田J1リーグ第7節で柏レイソルと対戦する。DF林尚輝が今季初の連勝に向けて意気込む。 東京Vはインターナショナルマッチウィーク前に行われた名古屋グランパス戦を2-1で逆転勝利。待望のホーム初白星を挙げた。続くJリーグYBCルヴァンカップ 1stラウンド第1回戦ではJ3のAC長野パルセイロを相手に攻めあぐねたが、PK戦を制して2回戦進出を決めた。 2試合連続で課題を残しながらも勝負強く結果を残してきたなか、中断明けからは4位に位置する柏戦を皮切りに、FC東京とのダービー、横浜F・マリノスとのクラシコと重要な3連戦に挑む。 鹿島アントラーズから2シーズン連続の期限付き移籍で東京Vの16年ぶりのJ1昇格、昨季のJ1リーグ6位フィニッシュに貢献した林は、完全移籍移行によって今季から正式に緑の名門の一員に。 強い覚悟を持って今季に臨んだが、沖縄キャンプ終盤での負傷によって開幕からの4試合を欠場。それでも、DF千田海人との負傷離脱を受けて第5節のアルビレックス新潟戦で今季初出場を果たすと、以降の公式戦3試合連続でフル出場している。 前節の名古屋戦の試合終了直後のピッチでは城福浩監督を彷彿とさせる会心のガッツポーズが印象的だった林。 「特に考えてなかった」とあくまで無意識の振る舞いだったというが、復帰後初勝利に加え、フル出場での勝利は昨年7月20日のアビスパ福岡戦(1-0〇)まで遡るという状況が歓喜の咆哮に繋がった側面もあったという。 「振り返ってみれば、去年から自分が90分間出て勝った試合というのは、かなり遡らないとなくて、そういった意味でも自分が出た試合でチームを勝ちに導きたいという思いがすごく強かったので、試合が終わったときに達成感みたいなのが、ああいうふうに出たのかなと思っています」 長野戦での120分のプレーを含めた自身のコンディションに関しては「最初はうまく調整できなかったところから試合に関われて、今はこうやって試合に出ながら調整できているというのはいいこと。自分自身も90分しっかり戦えたり、このあいだは120分できたことというのは、リーグ戦の連戦に向けても良かったと思っています」と徐々に状態が上がりつつある。 個人のパフォーマンスではチーム同様に攻撃面で伸びしろを感じさせる一方、守備では持ち味の出足鋭い潰しに加え、コーチングや戻りながらの数的不利あるいは同数での対応の部分で安定感を増している。 その点については指揮官も「彼の持ち味である守備と醸し出す雰囲気というのはすごく安定している。守備の人らしく常にチームの守備がどういう状況かというのを考えながらプレーし、チームに精神的な安定感というのをもたらしてくれている」と評価。 林自身も「背後の対応を含め、自分が最終ラインになることが多いので、そこの対応は意識しているのと、入れ替わったりしてしまうと失点に直結してしまうので、そこを遅らせたりしながら、チームが守備しやすい環境というのを整えるのが自分の役割。対人で負けないというのもそうですけど、遅らせるというのも自分の判断として持ちながらやっています」と、より意識を高めている部分だ。 昨季は1勝1分けの無敗だった柏との対戦のいずれにも先発出場した林。リカルド・ロドリゲス新監督の下、大きく変貌を遂げたなかで上々の滑り出しを見せている次節の対戦相手については「すごく多彩なチーム」と、より対応が難しい相手と見ている。 「いいサッカーをしているという評価を受けていると思いますし、流動的に動いていきながら攻撃してきますし、ポゼッションでもボールを握ってしっかりやってくるチーム。もちろん受け渡しであったり、落ちてくる選手も背後を狙ってくる選手もいるという中では、すごく多彩なチームだと思っています」 その対戦相手のスタイルを踏まえた上で臨む一戦では、攻撃面では引き続き背後と“へそ”を使い分けるバランス。守備面に関してはショートカウンターでの得点も念頭に置いたアグレッシブな守備は意識しながらも、状況に応じてセットした対応も重要になると考えている。 「もっと点を決めたいという思いはすごく強いですし、自分たち自身もへそを意識しながらプレーしていますけど、それに固執して前がなくなるとやっぱりダメなので、背後とそういったところのバランスというのは自分たちのカギになる」 「(守備では)自分たちで縦ズレ、横ズレしながら、前からやりたいというのはありますけど、1個待たないといけないときもある。中途半端というのが一番良くないと思っているので、しっかり行くときは行き切るし、行けないときは全員で待つというか、構えてから行くという、そういう姿勢が大事なのかなと」 「城福さんも言っていますけど、コーチングで守れるシーンはいっぱいあるというのはあって、自分たちもこういうスタイルで、こうやってやりたいというのはありますけど、緊急事態ではないですけど、そういうときには声を出して、1個待てるというのも自分たちの良さになっていけば、より強固なチームになれると思っています」 ここまで2勝1分け3敗の14位で臨むシーズン序盤の3連戦に向けては「この連戦を勝って次に行けるのか、負けてとなると、チームの流れというのも変わる。勝ち点的にも目に見える形で順位が変わってくると思うので、本当に大切な3連戦だと思います」と、気を引き締めた。 2025.03.28 18:30 Fri3
東京Vの熊取谷一星、現状打破へ「課題へ向き合うことが今は大事」…ホームタウン多摩市でのサイン会でプロとしての責任感も増す
東京ヴェルディのFW熊取谷一星が試行錯誤が続くプロ1年目序盤戦でブレイクへの契機を探っている。 浜松開誠館高校から明治大に進学し、昨年度の関東大学サッカーリーグ戦1部ではFW中村草太(サンフレッチェ広島)とともに強力な攻撃陣を牽引してきた熊取谷。当然のことながらプロ入りへ多くの選択肢があったなか、チームメイトのDF内田陽介とともに若手の躍進光る昨季のJ1リーグ6位チームへ加入した。 その新天地ではプレシーズンの段階で上々のアピールをみせ、清水エスパルスとの開幕戦でベンチ入り。第2節の鹿島アントラーズ戦では先発でJリーグデビューを飾り、第4節のガンバ大阪戦でも後半終盤に途中出場した。 ただ、その出場2試合でインパクトを残せず、直近のリーグ2試合ではベンチ外に。さらに、YBCルヴァンカップのAC長野パルセイロ戦もベンチ外とここに来てポジション争いの序列を下げている。 明治大学での実績や昨年のレアル・ソシエダとのフレンドリーマッチ、東京Vとの練習試合での鮮烈な活躍を見てきたファン・サポーター同様に、熊取谷自身も中村や同期入団のMF新井悠太といったライバルが定位置を確保している現状に焦りや苛立ちがあることは想像に難くないが、「課題が明確なので、そこに向き合ってやっていくということが、今は大事。練習で日々意識していかないといけないなと思っています」と自身の課題や現状に真摯に向き合っている。 城福浩監督は「戦いながら悔しい思いをしながら成長していくという意味で、彼もそのプロセスにある選手」とその熊取谷の現状について説明。 「攻守においていろんな面で向き合ってくれているがゆえに、自分の足りないところというのに今はすごく意識が行っている」と、真面目に課題に取り組む選手にありがちな“壁”にぶつかっている段階にあると語る。その上でコーチングスタッフとともにサポートしつつも、自らその“壁”を乗り越えることを期待している。 「これはよくありがちですけど、課題に向き合う意識が高いですけど、自分の長所が何なのかを見逃しがちになりますし、そこへのアグレッシブさがちょっと薄れているようなプレーも見受けられる」 「そこはコーチと話しながら、常に彼の良さというものを引き出してやりながらも、試合に絡んでいけるには何を埋めていかなければいけないか。そのアプローチのバランスを我々も考えたいと思うし、彼も必死でやってくれているので、チャンスがあればしっかりピッチで表現してもらいたいなと思います」 熊取谷自身も「守備のより細かな部分のところというのは言われていますし、あとは攻撃でもっと良さを出すというところ」という自身の課題にフォーカス。「楽しめていますし、自分的にはいい感触」と語る“エクストラ”のトレーニングを含め少しずつ改善の実感を得ているという。 守備面に関しては『球際・切り替え・運動量』の3原則をテーマに掲げる明治大学出身だけに、ポジショニングや周囲との連携など細かい部分の修正が進めば、アジャストにそう多くの時間は必要としないはずだ。 攻撃面に関しても指揮官が常々語る「なにゆえにプロになれたか」という自身の長所を出しつつ、「量が一番大事ですけど、量の次に質とタイミングにもっとこだわっていかないといけない」と熊取谷自身が伸びしろと語る部分を伸ばせれば、おのずとチャンスは確実に増えていくはずだ。 ここ最近はメンタル面で少し難しい日々を過ごしていたが、今週に行われたファン・サポーターとの触れあいでは、直接の応援の声掛けや自身に対する大きな期待を実感。より強い責任感とともに新たな力を得た。 東京Vは26日、ホームタウンである多摩市の支援によって練習場として使用する、多摩市立陸上競技場使用について日頃の支援と協力に感謝し、多摩市永山の商業施設グリナード永山にて、『東京ヴェルディ選手サイン会&リヴェルングッズ販売会』を実施。 そのサイン会にはJリーグ新人研修の一環で、熊取谷と内田、新井の大卒3選手が参加。約450人を集めた盛況のイベントで、背番号25はまだまだ慣れないサインに悪戦苦闘しながらも充実した時間を過ごしたという。 「自分が思っている以上に応援してくれているというか、注目度というのは高くてびっくりしました。よりその自覚が芽生えました」と語った熊取谷は、「いつチャンスが回ってくるかわからないですけど、日々やることは変わらないと思うので、そこにフォーカスしてやっていきたい」と、ここからの連戦に向けて新たな決意を示した。 2025.03.28 13:20 Fri4
重要な3連戦の初戦で今季初連勝へ! 東京Vの城福監督、上位の柏撃破へ「我々が目指しているものをいかに多く出せるか」
東京ヴェルディの城福浩監督が、29日に三協フロンテア柏スタジアムで行われる明治安田J1リーグ第7節の柏レイソル戦に向けた会見を実施した。 東京Vはインターナショナルマッチウィーク前に行われた名古屋グランパス戦を2-1で逆転勝利。待望のホーム初白星を挙げた。続くJリーグYBCルヴァンカップ 1stラウンド第1回戦ではJ3のAC長野パルセイロを相手に攻めあぐねたが、PK戦を制して2回戦進出を決めた。 2試合連続で課題を残しながらも勝負強く結果を残してきたなか、中断明けからは4位に位置する柏戦を皮切りに、FC東京とのダービー、横浜F・マリノスとのクラシコと重要な3連戦に挑む。 約2週間ぶりとなるリーグ戦再開に向けてはルヴァンカップでほぼ主力を起用し、その直後にも非公開でのトレーニングマッチを実施。一部の離脱者を除き、全選手がプレー可能なコンディションにあるという。 「(非公開のトレーニングマッチは)状況的に常にユースの選手が2人ぐらいどこかのタイミングで出ているような形だったので、試合そのものは難しかった。それでも、全員が少なくともゲームをやれたという意味では非常に良かったかなと思います」 「(柏戦へ向けた調整)毎試合、それはカップ戦であってもリーグ戦でも同じですけど、そこで出た課題をみんなで共有すること。その中の何にフォーカスしてトレーニングするか、というのはスタッフと話し合いながら、もちろんそのトレーニングが対柏戦に直結していなければいけないです。そういう意味では攻撃においても守備においても日にちごとにしっかりとテーマを持って、かなり高い強度で今週はやりました」 負傷者に関してはDF千田海人、DF深澤大輝の2選手が長期離脱からの復帰を目指すDF佐古真礼とともにチームトレーニングに部分合流。来月の復帰へ目途が立ちつつある状況だ。 一方、名古屋戦で負傷交代したキャプテンのMF森田晃樹は依然として別メニュー調整中。コンディションに問題はないものの、強い打撲を負った負傷箇所の回復が芳しくなく、現状では森田自身の感覚を含めメディカルスタッフからのゴーサイン待ちの段階にあるという。 「なかなか難しい状況です。去年も練習試合で打撲をして、その打撲をした場所というのが、なかなか治りにくい場所だった。今年も場所は違いますがなかなか難しい場所で、大きく言えば打撲ですけど、メディカル的に見ても本人の感覚から見ても、まだ(チームトレーニング復帰へ)ゴーができる状況ではないです」 中断明けで今季初のリーグ連勝を目指す一戦では昨季1勝1分けの戦績を残した柏が相手となる。 「元々、技術はすごくあるチームで、去年も我々はものすごく苦しめられました」と、MFマテウス・サヴィオ(現・浦和レッズ)、FW細谷真大らの個の力に苦戦した昨季の対戦を振り返りつつ、リカルド・ロドリゲス新監督の下で、よりボール支配、流動性を増したチームへの警戒感を強める。 「(今季の柏は)技術がある選手たちを、立ち位置や志向するものに対して共通意識を持たせ、やろうとしているサッカーというのをすごく明確にしている」 「特に、ボールを受けることで、自分の特長が出るような選手が活きてきていますし、かといって前への迫力がないかというと、最前線だけではなくて2列目、3列目から飛び出してくる。最終ラインもアグレッシブな立ち位置を取ったり、攻撃参加してくるという意味では、攻撃に軸足を置いた、すごく共通意識の高いチームだなと捉えています」 ともに[3-4-2-1]の布陣を採用するものの、可変システムを採用しよりボール保持、パスワークに長けたホームチームが主導権を握る展開も想定されるなか、開幕6試合で無失点試合がわずかに1試合の東京Vとしては守備に重点を置いたアプローチがまずは求められるところ。 ただ、指揮官は「その練習は今週やってきました」とニヤリ。攻撃面でも柏の守備攻略に向けた準備を進めてきたと主張。その上で自分たちが目指しているものを、いかに90分間で多く出せるかが勝負のカギを握ると語った。 「ある意味ミラーゲームのようで、(相手は)可変するのでミラーゲームにならない。同じシステムだけれども、同じシステムでないような対戦になると思います。我々が目指しているものをいかに多く出せるかというところだと思いますし、自陣と相手陣でどう守るかというところと、どう攻めるかというところは少なくとも今日までやってきた。そこをいいバランスで出すことができれば、チャンスは作れると思います」 「何よりも(柏は)パスの本数が多い。数字的にもそれが象徴的なチームに対して、相手ゴール近くでボールを奪えればビッグチャンスになる。守備においては我々のサッカーをすることでビッグチャンスが生まれる可能性も高いので、そこからスタートしたいですけれども、我々がボールを持ったときに相手を揺さぶるというところも、90分の中でその時間が多ければ多いほどいいと思っているので、そこが相手との戦いになると思います。一番望ましいのは、より相手のゴール近くでボールを奪うこと。ここから試合に入りたいなと思います」 柏戦後にホーム開催の東京ダービーを控える東京V。重要な3連戦の初戦で今季初の連勝を成し遂げ、3勝1分け3敗の五分に戻ってダービーに弾みを付けられるか。 2025.03.28 19:30 Fri5