終盤の猛攻及ばず甲府が初黒星…前後半立ち上がりの失点響き中国の浙江FCに屈す【ACL2023-24】

2023.10.25 21:02 Wed
序盤のセットプレーで失点を喫したヴァンフォーレ甲府
Getty Images
序盤のセットプレーで失点を喫したヴァンフォーレ甲府
25日、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)2023-24グループH第3節の浙江職業FC(中国)vsヴァンフォーレ甲府が湖州オリンピックスポーツセンターで行われ、アウェイの甲府は0-2で敗れた。

甲府は"ホーム"国立競技場で行われた第2節ブリーラム・ユナイテッド(タイ)戦で劇的なACL初勝利を挙げ、1勝1分けの無敗で敵地へ乗り込んだ。

20日の明治安田生命J2第39節V・ファーレン長崎戦に続いての先発は蓮川壮大小林岩魚飯島陸の3選手。ジェトゥリオを左サイドハーフ、ピーター・ウタカを最前線に置く[4-2-3-1]でスタートした。
対して2連敗中の浙江も[4-2-3-1]を採用し、ボールを握りながら前進を試みる。剥がせば浙江に、中盤で奪えば甲府にチャンスが訪れた序盤戦で、試合を動かしたのはホームチームだった。

9分、左CKをファーへ送ると、数人がゴール前に入ってマークを惹きつけ、フリーとなったルーカス・ポシニョーロが力強いヘディングを叩き込んだ。
今大会初失点を喫した甲府も、直後にCKからチャンスを創出。右CKからサインプレーを使って大外の小林が左ボレーを放つが、枠を外れる。

両者ともに球際で強度を見せる中で、甲府は34分に小林が足の長いグラウンダーのパスを送ると、鳥海芳樹がスルーしてウタカが完全に裏へ抜ける。だが、余裕があり過ぎたか、一対一はGKジャオ・ボーに阻まれた。

好機を逸した甲府は直後にピンチを迎え、複数人が食いついて空いた右のスペースを使われ、あわやの場面も。以降、フランコ・アンドリヤシェビッチの強烈ミドルや、カウンターからはニャシャ・ムシェクウィに決定機を許したが、GKマイケル・ウッドも好セーブを披露し、前半の終了間際には速攻から右ポケットを取った鳥海が狙うなど、盛り返して1stハーフを終えた。

ハーフタイムには飯島に代えて、個で打開できるクリスティアーノを投入した甲府だったが、開始早々にアクシデントに見舞われる。相手とのコンタクト後に品田愛斗の左足が巻き込まれるような恰好となり、プレー続行が不可能に。山本英臣が急遽のACL初出場となった。

前半以上にシンプルにウタカやクリスティアーノを使い、同点を目指す甲府だったが、58分に痛恨の失点。ショートパスでジャン・ジャキ、アンドリヤシェビッチと中央を割られ、ムシェクウィにゴールを許した。

前がかりになった甲府は、ジャン・エベラルド・クアシのスピードに肝を冷やすシーンも散見されたが、神谷凱士のブロックやポストにも助けられ、望みをつなぐ。

形にも手を加え、途中出場の内藤大和とクリスティアーノを前線に並べた甲府は、一列上がった関口正大が81分に左ポストを叩くミドルシュート。2分後には相手GKのキックがミスとなって高く浮き上がった瞬間を内藤が頭で狙うが、強いシュートにはならず。89分には右ポケットからクリスティアーノが右足を振るも、内側にかかって枠の左へ外れた。

終盤は幾度もゴールへ近づいた甲府は、終了間際にも長谷川元希のFKが際どいコースを突くが、GKのセーブに遭って最後までネットを揺らせないまま、0-2のままタイムアップ。ACLでの初黒星を喫している。

浙江FC 2-0 ヴァンフォーレ甲府
【浙江】
ルーカス・ポシニョーロ(前9)
ニャシャ・ムシェクウィ(後13)

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天皇杯決勝ってカップ戦だし下剋上結構あるのないの?! の巻/倉井史也のJリーグ

さて今週は天皇杯決勝! J2で18位の甲府とJ1で3位の広島の対決ってことで調べておきたいのは順位が下のチームが上のチームに勝ったことはどれだけある? ってこと。では行ってみましょう!! 1993年:【優勝】横浜F(7位・7位)【準優勝】鹿島(1位・4位) 1994年:【優勝】平塚(11位・2位)【準優勝】C大阪(JFL1位) 1995年:【優勝】名古屋(4位・2位)【準優勝】広島(10位・12位) 1996年:【優勝】V川崎(7位)【準優勝】広島(14位) 1997年:【優勝】鹿島(1位・4位)【準優勝】横浜F(2位・11位) 1998年:【優勝】横浜F(8位・7位)【準優勝】清水(2位・5位) 1999年:【優勝】名古屋(4位)【準優勝】広島(8位) 2000年:【優勝】鹿島(1位)【準優勝】清水(8位) 2001年:【優勝】清水(4位)【準優勝】C大阪(16位) 2002年:【優勝】京都(5位)【準優勝】鹿島(4位) 2003年:【優勝】磐田(2位)【準優勝】C大阪(9位) 2004年:【優勝】東京V(9位)【準優勝】磐田(5位) 2005年:【優勝】浦和(2位)【準優勝】清水(15位) 2006年:【優勝】浦和(1位)【準優勝】G大阪(3位) 2007年:【優勝】鹿島(1位)【準優勝】広島(16位) 2008年:【優勝】G大阪(8位)【準優勝】柏(11位) 2009年:【優勝】G大阪(3位)【準優勝】名古屋(9位) 2010年:【優勝】鹿島(4位)【準優勝】清水(6位) 2011年:【優勝】FC東京(J2-1位)【準優勝】京都(J2-7位) 2012年:【優勝】柏(6位)【準優勝】G大阪(17位) 2013年:【優勝】横浜FM(2位)【準優勝】広島(1位) 2014年:【優勝】G大阪(1位)【準優勝】山形(J2-6位) 2015年:【優勝】G大阪(2位)【準優勝】浦和(3位) 2016年:【優勝】鹿島(1位)【準優勝】川崎(3位) 2017年:【優勝】C大阪(3位)【準優勝】横浜FM(5位) 2018年:【優勝】浦和(5位)【準優勝】仙台(11位) 2019年:【優勝】神戸(8位)【準優勝】鹿島(3位) 2020年:【優勝】川崎(1位)【準優勝】G大阪(2位) 2021年:【優勝】浦和(6位)【準優勝】大分(18位) ってことで、1996年を除く1998年までは2シーズン制でしかも年間順位を決めていないので、それ以外で下剋上が起きたのは、2002年、2004年、2013年、2019年の4回だけ。J2勢が勝ったのは、J2同士の対決になった2011年のみ。うーん、甲府が不利なのはデータでも明らかでござる。 日産スタジアムでは甲府が0勝2分3敗、広島は4勝5分10敗、過去の対戦成績はJ1、J2、カップ戦合わせて、甲府の9勝5分11敗、得点22失点31。 やばい、やばいよ、いいデータがなかなか出てこない。でもね、これまでの経験上、そんなときってもつれていいゲームになるわけですよ。今年もそんな感じが……、する、するよね!! するって言ってくれ〜!! 2022.10.15 17:00 Sat
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名古屋が甲府MF山田陸の完全移籍加入を発表!「J1の舞台でプレーできることを幸せに思います」

名古屋グランパスは30日、ヴァンフォーレ甲府からMF山田陸(24)の完全移籍加入を発表した。 山田は大宮アルディージャの下部組織出身で、トップチーム昇格後はグルージャ盛岡、AC長野パルセイロへの期限付き移籍を経て2020年から甲府でプレー。今シーズンは公式戦44試合に出場して、クラブ史上初となる天皇杯優勝にも貢献した。 来季からJ1でプレーする決断を下した山田。両クラブを通じて、これまでの感謝や新天地での意気込みを述べている。 ◆名古屋グランパス 「名古屋グランパスの皆さま、初めまして。山田陸です。J1の舞台でプレーできることを幸せに思います。J3やJ2で得た貴重な経験を糧に、挑戦する姿勢を大事にして名古屋で頑張りたいと思います」 「名古屋の地でチームの目標に対して貢献することはもちろん、地域にも馴染み、自分自身の挑戦が成功できるように全力を尽くします。皆さま、熱いサポートをよろしくお願いします」 ◆ヴァンフォーレ甲府 「ヴァンフォーレ甲府のファン、サポーターの皆様、そして、クラブに関わるスタッフ、選手の皆様、3年間本当にありがとうございました。プロになってからJ3リーグを転々とし、何もなかった僕に手を差し伸べてくれて、ここまでやってこれたのは、関わってくださった皆様のお陰です」 「この度、名古屋グランパスに移籍することになりましたが、僕の中で甲府の一員として戦えたことは一生の誇りです。僕は、甲府の街、人の温もり、チームの雰囲気、甲府の事が本当に大好きです」 「来年は、ヴァンフォーレ甲府の一員として皆様と共に戦えませんが、今後のクラブの活躍と躍進を心より祈っています。僕のサッカー人生に希望の光をもたらしてくれたクラブと甲府に関わる全ての皆様に本当に感謝しています。本当にありがとうございました」 2022.11.30 16:43 Wed

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