十分戦える11人は揃っている! 緊急事態に見舞われた日本、同じ轍を踏まないための森保一監督の決断は!?/日本代表コラム
2021.11.09 20:45 Tue
7大会連続7度目のワールドカップ(W杯)出場を目指しながらも、苦しい状況に立たされている日本代表。11月はアウェイでの2連戦となり、ベトナム代表、オマーン代表と戦う。カタールW杯に向けたアジア最終予選では、4試合を戦い2勝2敗と苦しい状況。いつになく追い込まれている日本は、この11月のアウェイ2連戦で連勝を目指す必要がある。
ベトナムはここまで4連敗の最下位、オマーンは2勝2敗だが、総得点で日本を上回っている状況。この2連戦は落とすわけにはいかないのだ。
さらに、コロナ禍の影響、そしてクラブチームの試合日程の影響で、選手たちは3グループに分かれてベトナムへ入国。7日に5名、8日に12名が入国を済ませており、残すはヨーロッパ組の11名だったが、思わぬアクシデントに見舞われた。
ロシアからのチャーター機でベトナム入りする予定で、9日の午前中には到着する予定だった。しかし、ロシアで足止めを食らった結果、9日の夜に合流する予定に。そのためトレーニングができず、試合前日の10日の1日で調整し、ぶっつけ本番状態になることが確定してしまった。
今回の2試合には、通常よりもかなり多い28名の選手を招集。GKが3名、FP(フィールドプレーヤー)が25名という内訳だ。これはコロナ禍において、選手を追加招集することが簡単ではないため、多めに選手を集めていたことだが、今回の不測の事態でも奏功することとなるかもしれない。
この28名においては、Jリーグ組も多く選出されている。そもそも、ベトナムは日本から時差が2時間であり、ヨーロッパ組よりは国内組の方が移動に負担がない状況。その点も考慮していただろう。
また、9月、10月と2連戦の初戦をどちらも落としていることから、コンディションを整えやすい状況を考えたとも言える。それが、この緊急事態でも生きる可能性が高いのだ。
チャーター機組はそもそも過酷な日程だったが、さらに過酷さが増したこともあり、コンディションが良いとは決して言えないだろう。ましてや、前日のトレーニングのみでの試合となれば、想像していないことも起こり、時差の調整やヨーロッパや日本よりも暑く、湿度の高い気候に適応する時間もない。この2カ月と同じ轍を踏む可能性も十分に考えられてしまう。
それであれば、腹を括ってすでにベトナム入りしている17名で臨むことはできないのか。実際にシミュレーションしてみた。
現時点でベトナム入りし、トレーニングを行えているメンバーは以下の通りだ。
GK:権田修一(清水エスパルス)、谷晃生(湘南ベルマーレ)
DF:長友佑都(FC東京)、谷口彰悟(川崎フロンターレ)、山根視来(川崎フロンターレ)、旗手怜央(川崎フロンターレ)、酒井宏樹(浦和レッズ)、中山雄太(ズヴォレ)、室屋成(ハノーファー)
MF:柴崎岳(レガネス)、田中碧(デュッセルドルフ)、遠藤航(シュツットガルト)、三笘薫(ユニオン・サン=ジロワーズ)
FW:大迫勇也(ヴィッセル神戸)、前田大然(横浜F・マリノス)、上田綺世(鹿島アントラーズ)、浅野拓磨(ボーフム)
コンディションがそれぞれどのような状態かはわからないが、全てを無視してスターティングメンバーを考えてみると、何も問題を感じない。
オーストラリア代表戦で一定の結果を残した[4-3-3]をベースに考えてみれば、GKは正守護神である権田がいる。さらに最終ラインも、酒井と長友のサイドバックのレギュラーがいる状況。中盤も軸となっている遠藤、そしてオーストラリア戦でデビューした田中がいる状況。十分な経験のある柴崎もいる。3トップもエースの大迫がおり、オーストラリア戦で決勝のオウンゴールを呼んだ浅野もいる状況だ。
経験値という点で言えば、センターバックと前線のサイドが不安だが、谷口はJリーグでも十分な実績があり、東京五輪を経験している中山もセンターバックは可能だ。また、酒井がセンターバックに入れば、右サイドバックには室屋も山根もいる状況だ。
前線を見ても、ベルギーで活躍している三笘、Jリーグでゴールを量産している前田も横浜FMでは左右のウイングがスタートポジションだから問題はないだろう。
ベストメンバーというものを何をもって考えるかではあるが、十分に問題ないメンバーが現時点で揃っている。もちろん、キャプテンであり経験が十分な吉田麻也(サンプドリア)や最終ラインの軸である冨安健洋(アーセナル)が居ないし、オーストラリア戦でも出色の出来を見せていた右ウイングの伊東純也(ヘンク)やセルティックでゴールを量産している古橋亨梧が居ない事は不安材料かもしれない。
しかし、長距離移動を終え、暑熱対策もままならず、前日練習のみの調整となるチャーター機組を使うことが果たしてベストなのか。選手のコンディションが大きく関わってくるが、本当の意味での“ベスト”なメンバーを森保監督には選択してもらいたい。
《超ワールドサッカー編集部・菅野剛史》
さらに、コロナ禍の影響、そしてクラブチームの試合日程の影響で、選手たちは3グループに分かれてベトナムへ入国。7日に5名、8日に12名が入国を済ませており、残すはヨーロッパ組の11名だったが、思わぬアクシデントに見舞われた。
ロシアからのチャーター機でベトナム入りする予定で、9日の午前中には到着する予定だった。しかし、ロシアで足止めを食らった結果、9日の夜に合流する予定に。そのためトレーニングができず、試合前日の10日の1日で調整し、ぶっつけ本番状態になることが確定してしまった。
2連勝を目指す中で、まさかの事態に。さらに主軸の多くが含まれている11名がぶっつけ本番になることは、森保一監督も想定していなかったはずだ。しかし、アウェイ2連戦に向けてしっかりと考えて選手を招集していたことが、ここで生きてくる可能性がある。
今回の2試合には、通常よりもかなり多い28名の選手を招集。GKが3名、FP(フィールドプレーヤー)が25名という内訳だ。これはコロナ禍において、選手を追加招集することが簡単ではないため、多めに選手を集めていたことだが、今回の不測の事態でも奏功することとなるかもしれない。
この28名においては、Jリーグ組も多く選出されている。そもそも、ベトナムは日本から時差が2時間であり、ヨーロッパ組よりは国内組の方が移動に負担がない状況。その点も考慮していただろう。
また、9月、10月と2連戦の初戦をどちらも落としていることから、コンディションを整えやすい状況を考えたとも言える。それが、この緊急事態でも生きる可能性が高いのだ。
チャーター機組はそもそも過酷な日程だったが、さらに過酷さが増したこともあり、コンディションが良いとは決して言えないだろう。ましてや、前日のトレーニングのみでの試合となれば、想像していないことも起こり、時差の調整やヨーロッパや日本よりも暑く、湿度の高い気候に適応する時間もない。この2カ月と同じ轍を踏む可能性も十分に考えられてしまう。
それであれば、腹を括ってすでにベトナム入りしている17名で臨むことはできないのか。実際にシミュレーションしてみた。
現時点でベトナム入りし、トレーニングを行えているメンバーは以下の通りだ。
GK:権田修一(清水エスパルス)、谷晃生(湘南ベルマーレ)
DF:長友佑都(FC東京)、谷口彰悟(川崎フロンターレ)、山根視来(川崎フロンターレ)、旗手怜央(川崎フロンターレ)、酒井宏樹(浦和レッズ)、中山雄太(ズヴォレ)、室屋成(ハノーファー)
MF:柴崎岳(レガネス)、田中碧(デュッセルドルフ)、遠藤航(シュツットガルト)、三笘薫(ユニオン・サン=ジロワーズ)
FW:大迫勇也(ヴィッセル神戸)、前田大然(横浜F・マリノス)、上田綺世(鹿島アントラーズ)、浅野拓磨(ボーフム)
コンディションがそれぞれどのような状態かはわからないが、全てを無視してスターティングメンバーを考えてみると、何も問題を感じない。
オーストラリア代表戦で一定の結果を残した[4-3-3]をベースに考えてみれば、GKは正守護神である権田がいる。さらに最終ラインも、酒井と長友のサイドバックのレギュラーがいる状況。中盤も軸となっている遠藤、そしてオーストラリア戦でデビューした田中がいる状況。十分な経験のある柴崎もいる。3トップもエースの大迫がおり、オーストラリア戦で決勝のオウンゴールを呼んだ浅野もいる状況だ。
経験値という点で言えば、センターバックと前線のサイドが不安だが、谷口はJリーグでも十分な実績があり、東京五輪を経験している中山もセンターバックは可能だ。また、酒井がセンターバックに入れば、右サイドバックには室屋も山根もいる状況だ。
前線を見ても、ベルギーで活躍している三笘、Jリーグでゴールを量産している前田も横浜FMでは左右のウイングがスタートポジションだから問題はないだろう。
ベストメンバーというものを何をもって考えるかではあるが、十分に問題ないメンバーが現時点で揃っている。もちろん、キャプテンであり経験が十分な吉田麻也(サンプドリア)や最終ラインの軸である冨安健洋(アーセナル)が居ないし、オーストラリア戦でも出色の出来を見せていた右ウイングの伊東純也(ヘンク)やセルティックでゴールを量産している古橋亨梧が居ない事は不安材料かもしれない。
しかし、長距離移動を終え、暑熱対策もままならず、前日練習のみの調整となるチャーター機組を使うことが果たしてベストなのか。選手のコンディションが大きく関わってくるが、本当の意味での“ベスト”なメンバーを森保監督には選択してもらいたい。
《超ワールドサッカー編集部・菅野剛史》
|
|
1
2
関連ニュース