控え組と主力組の明確な差、鎌田大地が見せた存在感にヒント/日本代表コラム

2021.06.08 13:40 Tue
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「第一の責任は私にあると思います」試合後の記者会見で、森保一監督は第一声で自分の責任を認めた。日本代表は7日、カタール・ワールドカップ(W杯)アジア2次予選のタジキスタン代表戦を行い、4-1で勝利した。

国内組が7名先発、DF中谷進之介(名古屋グランパス)、MF川辺駿(サンフレッチェ広島)、MF古橋亨梧(ヴィッセル神戸)が初先発と大きくメンバーを入れ替えて臨んだ。

すでに最終予選進出を決めている中で、東京オリンピックに向けたオーバーエイジ枠としてDF吉田麻也(サンプドリア)、DF酒井宏樹(マルセイユ)、MF遠藤航(シュツットガルト)がU-24日本代表に参加するために離脱。さらにDF冨安健洋(ボローニャ)も東京オリンピック世代のため、特に守備陣は通常と違う陣容となった。

◆気になった立ち上がりのプレー
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14-0で勝利したモンゴル代表、10-0で勝利したミャンマー代表と比較すれば、グループ2位に位置するタジキスタン代表は1つも2つもレベルは上のチームだ。世代別では2019年のU-17ワールドカップや2018年のAFC U-19選手権に出場するなど、アジアでも実力を持った国の1つだ。

日本のメンバー変更、そして相手のレベルが上がったことでこれまでの2試合と同じような展開になるとは思われていなかった。しかし、同じ日本代表として活動してきた中で、同等のパフォーマンスを見せられるかに注目が集まっていた。

立ち上がり、日本は高いインテンシティで入った。ファーストコンタクトからその雰囲気を出すと、6分に山根視来(川崎フロンターレ)のスルーパスに反応したFW浅野拓磨が裏を取るとボックス内でシュート。しかし、GKにセーブされると、こぼれ球を古橋が蹴り込み、日本が先制した。

苦しむ可能性もあった中、早い時間帯に先制。このゴールで、普段から出場機会が少ない選手たちの肩の荷がおりてリラックスしてプレーできるだろうと感じた。

しかし、ここからの選択が問題だった。

先制した日本。モンゴル戦やミャンマー戦であれば、さらに相手を押し込んで追加点を狙って行ったはずだ。しかし、負けられないタジキスタンが圧を掛けにくると、それに押されるかのように徐々に後退して行った。

ボランチで先発した川辺は「結果として後ろに重たくなってしまった」とコメント。コンビを組むMF橋本拳人(FCロストフ)は「バランス見ながらやり過ぎたなということはある」と語り、慎重に行き過ぎた結果、押し込まれる展開となった。

最終ラインに入ったDF昌子源(ガンバ大阪)は「簡単なボールの失い方が特に前半は多かったので、自分たちがボールをしっかり持って、コントロールできたらよかったと思う」とコメント。ボランチから後ろが初めての選手が多いことも影響したが、前に押し出すことができず、先制から3分後に失点を喫した。これが2次予選の初失点となった。

「いつかは失点する時が来る」と森保監督も語ったように、失点自体が問題というわけではない。もちろん無失点であることは良いことだが、問題はその失点を生み出すまでの流れ。この流れは、主力組が試合に出ていれば起こらなかったとも想像できる。



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セルビア相手に見えた現在地、残るはラストの1試合/日本代表コラム

日本代表の今シーズンの活動も残り1試合。15日に行われるカタール・ワールドカップ(W杯)アジア2次予選最終節のキルギス代表戦で終了する。 新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大もあり、6月に日本で集中開催となったアジア2次予選。日本は5月28日のミャンマー代表戦で勝利し、最終予選進出を決めている。 この5月、6月シリーズでは合計で5試合を開催。6月に入ってからも4試合目となり、日本代表の活動もおよそ3週間と長丁場だ。次の活動は9月。カタール・ワールドカップ(W杯)に向けた、最終予選となる。残り1試合がアピールの場となる。 <span class="paragraph-title">◆現在地を測ったセルビア代表戦</span> 11日に行われたキリンチャレンジカップ2021のセルビア代表戦。森保ジャパンが発足してから、初めてのヨーロッパの国との対戦となった。 現在開催されているユーロ2021の出場権を逃したセルビアが来日。かつてJリーグを沸かせたドラガン・ストイコビッチ監督が率いるチームだったが、今回の活動では最も力のある対戦相手となった。 東京オリンピックに臨むU-24日本代表にオーバーエイジとしてDF吉田麻也、DF酒井宏樹、MF遠藤航が参加した他、DF冨安健洋やMF久保建英、MF堂安律などA代表常連組の東京五輪世代の選手も不在、さらに、FW大迫勇也がケガで離脱するなど、ベストメンバーではなかった日本だが、セルビアには現状のベストチームで臨んだと言える。 現在地を図るという点では、MF古橋亨梧(ヴィッセル神戸)やDF谷口彰悟(川崎フロンターレ)、GK権田修一(清水エスパルス)と国内組3名が起用。特に古橋と谷口に関しては、国際経験が少ないため、どのようなパフォーマンスになるか注目が集まった。 前半に関しては、セルビアも5バック気味に戦ったこともあり、なかなか攻撃面で良いシーンを作り出せなかった日本。特に気になったのは、MF鎌田大地やMF南野拓実が相手の間にポジションを取っても縦パスがほとんど入らなかったという点だ。 鎌田はこれまでにも「早いタイミングでつけてほしい」と、縦パスを望んでいた中で、セルビアと実力ある相手では出てこない状況。さらに、セルビアがインテンシティ高くプレーしたこともあり、押し出される感じが見えていた。 また、鎌田は試合後に「前から行ってボールを取ってから落ち着くと、何のために前からプレスに行っているかわからない」とコメント。現代フットボールの主流である奪ってから早い攻撃を仕掛けることができておらず、それが相手の力が上がったためにできなかったと分析した。 この点に関しては、出し手のMF守田英正は「ボールを受けること自体が怖がる選手が前半は多かった」とし、セルビアの圧力に押されたことを語った。 セルビアの戦い方も素晴らしかった前半だが、このパターンは最終予選では起こり得ること。これまで2桁得点を重ねて勝って来た相手とはレベルが違うだけに、セルビア戦で課題を確認できたことはプラスと言えるだろう。選手個々がバランスを見ながらもリスクを取ることを考える必要があると言える。 </span><span class="paragraph-title">◆試合をコントロールし後半は改善</span> 一方で「まずは失点しないことが大事。上手くいかなくてもいいから、失点をしないということ」と試合後にDF長友佑都が語っていたが、苦しい状況を無理に打開する必要はないとコメント。無理なプレーの結果、相手に奪われて失点する方が良くないという考えだ。 前半はゴールレスで終えた日本だったが、後半に修正。メンバーを入れ替えたこともあるが、CKから早々にMF伊東純也がネットを揺らした。 このゴール、鎌田のクロスをニアサイドで谷口がフリック。ファーに伊東が詰めたというもの。実は、3日に行われたU-24日本代表戦でも全く同じ形からゴールが生まれており、立ち上がり1分でCKを得ると、鎌田のクロスをニアで大迫がフリックし、橋本拳人がファーで詰めるというものだった。 トレーニングで準備してきたセットプレーの形を、2度もゴールに繋げたことは非常に評価できるポイントだろう。さらに、屈強で身体も大きいセルビア相手にやったのだから、素晴らしいと言える。 さらに、前半なかなか縦パスが出てこなかったが、後半に入ってからはセルビアの強度も若干落ち、縦パスの数が増えた。ハーフタイムに修正がかかったというが、相手との噛み合わせもありながら、前半にできていなかったことを、しっかりと後半出せたという点は評価して良い。対応力という部分では、しっかりと話し合って結果に繋げられたことは、この合宿の成果とも言えるだろう。 守備陣もしっかりと安定したプレーを90分間行い、セルビアの攻撃陣に仕事をさせず。対人の守備を含め、予測からのパスカットなど、集中した守備を見せた。チーム全体で連動したプレスをかけるということはできており、最終予選に向けては自信を持っていい状況と言えるだろう。 </span><span class="paragraph-title">◆最後の1試合でこの合宿の集大成を</span> 急きょ組まれたU-24日本代表との一戦を含め、5試合を終えることとなる日本代表。最後の1試合でもしっかりと勝利を収めてほしいところ。さらに、内容もしっかりと見せてもらいたい。 これまでの流れを組めば、タジキスタン戦のメンバーが中心となるはず。チームとしてはMF南野拓実も離脱したため、またチャンスが巡ってくる選手がいるはずだ。 キルギスとの試合で誰が起用されるかは不透明だが、オーバーエイジの3人に加え、このチームでの得点ランキング上2人の大迫と南野がいない状況。その中でどこまで強さを見せつけられるのか。控え組の選手たちがポジションを奪うためには、ここで圧倒的な力を示さなければいけない。 厳しい戦いが続くと予想される最終予選前の試合。ここまでの3週間の成果を見せてもらいたいものだ。 <div id="cws_ad">《超ワールドサッカー編集部・菅野剛史》</div> 2021.06.14 08:45 Mon
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歴史に残る日本代表対決、A代表が見せた凄みとU-24日本代表が金メダルへ学ぶべき姿勢/日本代表コラム

突然のことながら歴史に残る一戦が組まれた。日本代表同士の対決。タブー視されるという話もある中で、日本代表と東京オリンピックに出場するU-24日本代表の対決が実現した。 キリンチャレンジカップ2021で対戦する予定だったジャマイカ代表のヨーロッパ組の選手たちが、新型コロナウイルス(COVID-19)のPCR検査で陰性証明に不備があったことで来日できず。さらに、日本政府が掲げる感染防止の特別措置にあたる試合3日前の入国が不可能になったことで、中止となっていた。 その代役としてU-24日本代表との夢の対決が実現したわけだが、実際のところジャマイカ戦より楽しまれた方、または興味を持った方も多かったのではないだろうか。 「通常時では国際試合を行うのがベース」と反町康治技術委員長が語ったように、本来であれば組まれないカード。「非常時に限られているだけで、今後も実現しづらいと思います」と語ったように、もう二度と見ることはできないかもしれない。 そんな貴重な一戦だが、開始2分でA代表が先制。CKからいきなりゴールを奪うと、前半のうちに追加点。さらに後半も立ち上がりにゴールを奪い、終わってみれば3-0でA代表が勝利を見せた。 <span class="paragraph-title">◆A代表が見せたメンタリティさ</span> 「弟でもなんでもない」と反町技術委員長は語ったが、U-24日本代表といっても多くの選手がA代表を経験している状況。また、ヨーロッパでプレーする選手も多く、いわゆる世代別の代表という弱さはないチームだ。 しかし、3-0という結果になった差は確実にある。もちろん、致し方ない理由の1つとしてはコンディションの差だろう。 A代表は、5月28日に行われたミャンマー代表とのカタール・ワールドカップ(W杯)アジア2次予選を戦うために、その前から調整。コンディションも整っている上、チームとしての活動期間も長く、その点では有利だったはずだ。 一方のU-24日本代表は5月31日にA代表との対戦が急きょ決定し、1日には北海道へ移動。当初の予定としては全くなかった移動と試合であり、選手たちは合流してから間も無く、5日のU-24ガーナ代表戦に焦点を当てていた。その点の差はあったと言えるだろう。 しかし、それ以上の差は別のところにある。1つは、A代表が見せたメンタリティだ。立ち上がり1分ちょっとで決めた先制ゴールもその1つ。室屋成(ハノーファー)が右サイドを仕掛けて得たCK。鎌田大地(フランクフルト)のクロスをニアサイドで大迫勇也(ブレーメン)がフリック。どフリーで待っていた橋本拳人(FCロストフ)が合わせた。 この場面、最初のセットプレーということもあり、U-24は少し緩んでいた。マークはついていたものの、動き出しに対してマークがズレると、ニアでフリックしたボールには誰1人反応できなかった。一方で、橋本はそこに来ることを読んでしっかりとポジションを取ったことで、嬉しい代表初ゴールを記録することとなった。 <span class="paragraph-title">◆成熟されたオートマティズムさ</span> そのメンタリティとともに大きな差となったのが、チーム全体のオートマティズムだ。U-24日本代表の選手たちは、誰かがボールを持った際にワンテンポ動き出しが遅れる。ボールの出し手と受け手の連係が構築できていないことがわかるが、もちろんまだメンバーが決まっていない中、チームとしての活動時間も短いから仕方ない部分はある。 しかし、A代表は選手たちの意思疎通が図れており、2人目、3人目だけでなく、4人目や逆サイド、または攻撃時には守備陣も次の守備を予測したポジション取りと、全てがオートマチックに動いていた。 U-24日本代表がボールを握り、攻め込む時間帯も前後半ともにあったが、特に前半はA代表の守備陣は苦労せずに守れていた。それは、U-24日本代表がオートマチックに動かないため。 次何が起こすかを考えてからプレーするため、A代表の選手としてはスピード感も予測も上回ることができたと言えるだろう。 田川亨介(FC東京)が裏に抜けて独走したシーンが最大の決定機だったが、前半のピンチはあのシーンぐらいと言える。しかし、裏を完全に取られ、スピードある田川には追いつけないという状況。しかし、DF植田直通(ニーム)はボールや田川ではなく、シュートコースを限定しに動いていった。その結果、左利きの田川はファーサイドを狙えず、ニアを打ち抜こうとしたが、結果サイドネットを揺らすに止まった。 その判断力こそが、A代表とU-24日本代表との差であり、アジア2次予選で当たる国との差といえるだろう。すでに、そのレベルにはA代表はいないということだ。 <span class="paragraph-title">◆真剣勝負の中の本気さ</span> 「何よりよかったのは、昨日の試合に皆本気で悔しがってることです」と試合翌日にA代表のキャプテンであり、今回はオーバーエイジとしてU-24日本代表の活動に参加しているDF吉田麻也(サンプドリア)は語った。 U-24日本代表の選手たちは本気で勝ちに行っていたのだろう。結果は3-0だったが、決して諦めることなく、ハードワークし、本気で勝ちに行っていた。 しかし、勝利どころかゴールすら奪えなかったのが現実。様々な要素があっても、負けは負けだ。その差は、A代表が本気を出したからだろう。 ベストメンバーではなかったA代表だが、それでもそれぞれの選手が、A代表が目指すレベルのプレーを最初から発揮。U-24日本代表に、力を見せつけるという気概を感じた。 決して余裕があったわけではないだろう。気を抜けば、結果は違った可能性も高い。ただ、気を抜かなかったのがA代表であり、いつものパフォーマンスを出し続けようと突き詰めたのがA代表だったということだ。 U-24日本代表は、6月の2試合を終えて東京五輪へのメンバーが決定。そして1カ月後には開幕する。金メダルを目指すチームが、ワールドカップでベスト8を目指すチームから感じ取るものがあるのか。それは残りの試合と、東京五輪本番で見せてもらいたい。 <div id="cws_ad">《超ワールドサッカー編集部・菅野剛史》</div> 2021.06.05 19:20 Sat
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アジア2次予選の是非と日本代表が示すべきもの、残り4試合への期待/日本代表コラム

「2次予選の結果については、浮かれて喜べるようなものではないと思っています」と試合後の記者会見に口を開いたのは日本代表の森保一監督。カタール・ワールドカップ(W杯)アジア2次予選でグループ首位が決定。最終予選進出が決まった後の言葉だ。 日本代表は28日、ミャンマー代表とのアジア2次予選を行い、10-0と大勝。3月に行われたモンゴル代表戦の14-0に続いて、2試合連続で2桁得点、クリーンシートで突破を決めた。 森保監督が語った理由は「我々と対戦国の力の差が結果としてあった」ということ。誰が見ても、その理由には納得だ。 そして、キャプテンを務めるDF吉田麻也は試合前にも問題提起をしていたが、試合後にも「あまりにも実力差があると、それが有意義になるのかというと個人的にはクエスチョンです」と語り、やはり力の差がありすぎる国同士の予選の意義を口にしていた。 <span class="paragraph-title">◆日本代表が示すべきもの</span> 戦前から予想できていたことではあるが、改めて2試合連続で2桁得点を見てしまうと、拍子抜けという感じは否めない。 一方で、これまでこういった戦いができると見られていた相手に対し、しっかりと大差で勝ってきたかと言われれば、日本代表は全くもって期待に応えられていなかったのも事実だ。 例えば、2018年のロシアW杯に向けた予選。2次予選では初戦でシンガポール代表とゴールレスドローに終わると、8試合無失点で終えたものの、最多得点差は第3節のアフガニスタン代表戦の6得点。その試合も、前半は2得点に終わり、後半4得点を奪っての6-0だった。 2014年のブラジルW杯に向けた予選では、3次予選という形だったが、タジキスタン代表相手に8-0が最多得点差。北朝鮮代表やウズベキスタン代表には負けるということもあった。 これまでの日本代表を考えれば、どんなに点差が開いても最後まで戦い抜くという姿勢はあったかもしれないが、実際にゴールは二桁に届いていない。もちろん、実力差が今まで以上にあったとも言えるが、やり切るという姿勢がこの代表には備わっている。 大事なのは得点差ではなく、選手たちの姿勢。「常に次の1点とゴールに向かう姿勢は見せてくれた」と森保監督が試合後に語ったが、試合終了のホイッスルが吹かれるまで、日本が攻撃の手を緩めなかったことが元びびも大事だ。 吉田は「10-0とか2桁得点で勝っていく試合が増えれば、自ずとそういったクエスチョンが出てくると信じてやっています」と語ったが、この力の差を見せ続けることが、今の日本がすべきことだろう。 <span class="paragraph-title">◆世界と肩を並べることが目標</span> <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/800/img/2021/japan20210530_1_tw.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:small;" id="cws_ad" class="desc">Getty Images<hr></div> その理由を吉田は「W杯で結果を残せなければどんどん枠を減らされていくと思うので、そこが一番アジアが変えなきゃいけないところだと思います」と語っていた。 W杯の出場国増加という話題がかつて上がったが、それが実現した場合はなおさらこの問題が大きく取り上げられることになるだろう。 2018年のロシアW杯では、ベスト16に勝ち上がったアジアの国は日本だけ。2014年のブラジルW杯はアジアからベスト16はゼロ。2010年の南アフリカW杯は日本と韓国の2カ国だ。 アジアは現在「4.5」の枠をもらっているが、世界で戦えないという決断が下されれば、「4」になる可能性も「3.5」になる可能性もある。アジアからW杯に出場させるより、ヨーロッパや南米からもう1枠増やそうと考えられてもおかしくないだろう。 日本代表はカタールW杯でこれまで到達していないベスト8以上を目指して戦っている。森保監督も「我々はもっと高いところに目標があることをしっかり考えなければいけない」と語ったが、アジア2次予選で手こずっていてはダメということだ。 それでも、実力差がある相手に、ホームアドバンテージもあった中でこの2試合で残した結果は褒められるべきもの。今までの日本代表では、きっと残すことはできなかった結果であり、その変化は選手の能力が成長したこと以上に、メンタリティの変化が大きいと言える。それは、世界の強豪と戦う時に必要なものだろう。 <span class="paragraph-title">◆ブラッシュアップとトライ</span> <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/800/img/2021/japan20210530_2_tw.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:small;" id="cws_ad" class="desc">Getty Images<hr></div> 6月は親善試合が2試合、そして2次予選が残り2試合ある。吉田やDF酒井宏樹、MF遠藤航が東京オリンピック世代に向かい、今回招集されていた多くの五輪世代の選手がいなくなる。 半分以上の選手が入れ替わる中で、残りの4試合をどう戦っていくのか。ここも新たな見所だ。当然、2次予選の残り2試合はモンゴル戦、ミャンマー戦のような展開を期待され、それに応えてもらう必要がある。 一方で、ジャマイカ代表戦、セルビア代表戦は、相手のレベルが2次予選よりは数段上がるため、苦しい試合になる可能性はある。そこで、どんなパフォーマンスを見せるのか。悲観的になるのではなく、このメンタリティがどこまで発揮できるのか、通用するのかを図る良いチャンスだ。 そして、ミャンマー戦で見せた[4-1-4-1]というオプション。その他にも、[3-4-2-1]という形もかつては見せており、様々な相手に対応するためにバリエーションを増やしたいところではある。 最終予選は9月からスタート予定。この4試合が終われば、次の代表活動は最終予選前の8月までない。残り4試合でさらに精度を高めていけるのか。大事な4試合となるだろう。 《超ワールドサッカー編集部・菅野剛史》 2021.05.30 21:50 Sun
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実力差だけでは起こらない14-0はなぜ? 今までにない日本代表の変化/日本代表コラム

歴史を塗り替える14ゴールを決め、モンゴル代表を一蹴した日本代表。モンゴルのラスティスラフ・ボジク監督は試合後「こういう結果の試合を分析するのは難しいですし、分析をしても意味はないと思います」とコメント。完敗を認めた。 日本代表にとっては1年4カ月ぶりの公式戦となったモンゴル戦。新型コロナウイルス(COVID-19)の影響で延期されていた試合は、さらにアウェイゲームながら日本での開催と、いかに世の中の状況が混乱しているかを示しているような試合となった。 モンゴル代表もトルコでの2カ月の合宿を経てボジク監督の下で活動を再開。昨年9月に国内リーグが終わっているということもあり、選手のコンディションは良くなかったと言える。そして、チームとしての成熟度もかなり低いことは見て取れた。 <span class="paragraph-title">◆力の差は歴然も…</span> <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/800/img/2021/jpn20210331japan_tw1.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:small;" id="cws_ad" class="desc">Getty Images<hr></div> 予選の成績、そして日本のホームゲームで6-0で勝利していることから見て、力の差があることは歴然としていた。しかし、吉田麻也は「ビッグマッチだったり、大勝した後は気持ちが緩みがちになる」と試合前に警戒。森保一監督も「韓国戦はたくさんある中の1試合だと思っていても特別なモチベーションに自然となる試合なので、そのあとのモンゴル戦は非常に難しい」と語り、力の差はあれど簡単なゲームにはならないと語っていた。 それもあってか、韓国戦からのスタメン変更は2名のみ。山根視来、佐々木翔の両サイドバックに代わり、松原健、小川諒也を起用。その他のメンバーは、今回のベストと言える顔ぶれとなった。 そんな中でキックオフを迎えた試合。立ち上がりはモンゴルも積極的に入り、狙い所を決めて自分たちのスタイルを出そうとプレーしていた。「試合前の目標は1点でも入れようということでした」とボジク監督が試合後に語ったように、ここまで予選で無失点の日本、そして6-0で敗れた日本に対して、一矢報いることが目標だったようだ。 立ち上がりからペースは日本が握っていたが、相手陣内に攻め込むも、体を張ったプレーやアタッキングサードでの精度を欠き、なかなかゴールを奪うことができなかった。立ち上がりから圧倒していたかと言えばそうではない試合。相手が強豪国であれば、その間に仕留められていた可能性も考えられる。 それでも、13分に中央にポジションを取った南野拓実が横パスをコントロールし、コースを狙って左足でシュートを放ち先制。すると勢いに乗った日本は23分に吉田麻也の縦パスを南野がスルーすると、大迫勇也がターンで相手をかわしてそのまま流し込み追加点。3分後の26分には伊東純也のクロスを鎌田大地がダイレクトで蹴り込み、一気に3ゴールを奪う。 これでペースを完全に掴んだ日本は33分に守田英正が伊東のグラウンダーのクロスをダイレクトで蹴り込み代表初ゴール。39分には右サイドを猛然と上がった松原のクロスがオウンゴールを誘発し、前半だけで5点のリードを奪うこととなった。 試合の大勢は決していたが、「我々の選手は決して諦めることはしませんでした」とボジク監督が語る通り、モンゴルの選手たちは決して諦めることなくチャレンジ。フェアにしっかりと日本と戦おうという気概を見せ、戦い続けるメンタリティを見せた。その点では、日本も良い相手と戦えたと言って良いと言えるだろう。 <span class="paragraph-title">◆今までになかった展開に</span> <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/800/img/2021/jpn20210331japan_tw2.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:small;" id="cws_ad" class="desc">Getty Images<hr></div> 前半で5点リードした日本は、後半が始まるにあたってゴールを決めた守田に代えて浅野拓磨を投入。システムも[4-1-4-1]に変更し、新しい形を試すことにした。 さらに、5点のリードを得ていた日本だったが大迫勇也は「後半45分あるので勿体無いので、やるからにはしっかり点を獲ろうと話した」と試合後に語ったが、その言葉通り、後半も日本の選手たちは躍動する。 55分には鎌田がボディフェイントだけで3選手を振り切りグラウンダーのクロスを送ると、これを大迫が決めて6-0に。すると、森保監督はここで吉田と鎌田をさげて、名古屋グランパスでプレーするDF中谷進之介とMF稲垣祥を同時に投入。初招集メンバーのうちGK前川黛也以外の7名をデビューさせる決断を下す。 再びシステムを[4-2-3-1]に戻すと、68分には大迫の落としをその稲垣が得意のミドルシュートで蹴り込み代表初ゴール。さらに伊東にもゴールが生まれると、途中出場の古橋亨梧も代表初ゴールを記録。浅野にもゴールが生まれるなどし、終盤に畳み掛けて終わってみればW杯予選歴代最多記録となる14ゴールを奪って勝利した。 点差が開いてからはモンゴルの選手たちが体力的にも精神的にも落ちたとはいえ、「14」ものゴールを奪い切ることは、今までの日本代表では考えられなかった。相手との実力差があったとしても、「14」ものゴールを決めるのは簡単ではない。さらに、モンゴルも試合を捨てていたことはなく、しっかりとサッカーを続けていた上での「14」ゴールだ。 ではなぜこの「14」ゴールが生まれたのか。様々な要因は考えられるが、やはり一番のポイントは“意識”と言えるだろう。 <span class="paragraph-title">◆1段階上がった意識レベル</span> <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/800/img/2021/jpn20210331japan_tw3.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:small;" id="cws_ad" class="desc">Getty Images<hr></div> 事の発端はやはり韓国代表とのゲームと言える。試合前に吉田が「日本代表で戦う以上、最も大切な試合」と口にした韓国戦。若手との試合の捉え方のギャップを感じていることも口にしていた吉田だが、キャプテンの発破により今までにないインテンティの高さを見せた日本は、これまで2連敗を喫していた韓国に3-0で快勝を収めた。 もちろん、FWソン・フンミン、FWファン・ウィジョ、FWファン・ヒチャンとヨーロッパで戦う主力がいなかったこともあるが、それでも国内の代表選手を揃えた韓国を圧倒し続けた。まさに、吉田の想いがチーム全体に伝播した結果だと感じさせられた。 そこからのゲームでもあり冒頭の懸念材料があったが、そんなものは今の日本代表には杞憂だった。常連組の高い意識に引っ張り上げられるように、初招集組や経験が少ない選手たち意識レベルが上がり、差を感じながらもしっかりとついていった。 そしてその雰囲気はしっかりとモンゴル戦でも継続され、最終的には「14」のゴールが生まれた。前半を5点リードしている日本が、後半で9点を獲る姿は当然見たことがない。途中出場の選手が5ゴールを決めることも、残り5分から4ゴールを奪うことだって、見たことがない。 それを「モンゴルの実力」で片付けるのは簡単だが、それでも「14」のゴールが生まれるとは思えない。なぜなら、過去に一度もそんな展開は見せたことがないからだ。 そういった点では「点差があっても自分のプレーを最後までやろうと思っていた」(伊東)、「今までは時間を使うプレーも多かったですが、今日は後ろの選手にもできるだけ前につけてくれと言った」(大迫)、「最後まで戦い抜けるかというところにフォーカスしていた」(遠藤航)と試合後に口を揃えて語ったように、意識の部分で90分間をしっかりと戦い抜くという意識が選手たちにあったからだと言える。 これは韓国戦で得た手応え、モチベーションをしっかりと継続できたこと。チームとして1つの方向を向いており、同じテンションで臨めたことが大きい。意識の高いチームを作ることができた結果だと言えるだろう。 <span class="paragraph-title">◆どこまで持続させられるか</span> <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/800/img/2021/jpn20210331japan_tw4.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:small;" id="cws_ad" class="desc">Getty Images<hr></div> この結果、日本は最終予選進出に王手をかけた状態に。次は6月の活動となり、2カ月空くことになる。6月も日本での開催となるため、コロナの影響も含めてどのようなメンバーを招集できるかは現時点では不透明だ。 今回招集されていない日本代表の選手も多数いる状況。さらに、ラージリストに入っている選手も多くいるはずだ。今回は8名が初招集となったが、6月も同様に初招集を受ける選手が多くなるかもしれない。 不透明な状況が続くことは間違いないが、その間にやるべき事はこの意識を継続して、日々の各クラブでのトレーニングや試合で発揮できるのか。さらによりその意識を磨き上げるかが、日本の今後に懸かってくると言って良いだろう。 吉田も「意識高く高いパフォーマンスを意識して次の招集に備えることが大事だと思います」とコメントしている通り、この意識が6月の招集時にリセットされないことを願うばかりだ。 これまで誰もが見たことがない畳み掛ける展開での14-0という結果は、相手の弱さではなく、自分たちの力を出し切ろうとした結果だと前向きに捉えるべき。ケチがつかない勝利を挙げた時こそ、もちろん反省をしながらも、素直にポジティブな部分を伸ばすメンタリティを持っても良いと思う。 《超ワールドサッカー編集部・菅野剛史》 2021.03.31 05:30 Wed
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3-0で快勝した日本代表、勝因は韓国の“ワナ”にかからなかったピッチ上の対応力/日本代表コラム

「みんなが韓国戦の重要性に気づいて、意識してもらいたいと思います」と試合前日の記者会見で意気込みを語っていたキャプテンのDF吉田麻也(サンプドリア)の言葉が伝わったのか、日本代表のパフォーマンスは非常に高いものとなった。 25日、国際親善試合では10年ぶりの対戦となる韓国代表との一戦。日本は代表デビュー戦となったDF山根視来(川崎フロンターレ)の史上34人目となるデビュー戦ゴールで先制すると、MF鎌田大地(フランクフルト)のゴールで追加点。後半にはMF遠藤航(シュツットガルト)がCKからヘディングで決め、3-0で勝利を収めた。 10年前の札幌ドームでの3-0の快勝を再現した日本代表。当時試合に出たのはDF吉田麻也のみであり「いかにこの試合が日本代表にとって大切なことかを伝えていけないといけない」としていたが、その気持ちがチームにも伝わった快勝だった。 <span class="paragraph-title">◆ワナにハマらなかった対応力</span> <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/800/img/2021/japan20210326_1_tw.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:small;" id="cws_ad" class="desc">Getty Images<hr></div> 韓国代表にはFWソン・フンミン(トッテナム)やFWファン・ウィジョ(ボルドー)、FWファン・ヒチャン(RBライプツィヒ)と主力であり、ヨーロッパでプレーしている前線のタレントが招集できなかったこともある。彼らの存在感も大きいが、パウロ・ベント監督は「彼らがいたら結果が違ったかということは言うべきではない」と語り、限られた条件下で戦うことは平等だと主張。日本のパフォーマンスを素直に評価していた。 しかし、そのパウロ・ベント監督も無策で日本戦に臨んだ訳ではなかった。試合後の記者会見では、MFイ・ガンイン(バレンシア)のポジショニングについての質問が飛ぶと「日本のディフェンスラインを撹乱するというか」と語り、中途半端なポジションを取ることで、日本のディフェンスを崩そうと画策。「そこで隙を突いて、引き寄せて、スペースを作って後ろの選手が入っていく。あるいは、ナム・テヒも使えればと思っていた」と、狙いを明かしていた。 トップに誰が起用されるのかが不透明の中、蓋を開けるとイ・ガンインがサイドに開く訳でもなく、下がってボールを受ける訳でもないゼロトップの位置に起用されていた。しかし、前半は全く韓国は攻撃の色を出せていなかった。 この件については試合後に吉田も言及。「試合をやり始めてすぐに20番の選手(イ・ガンイン)が張るわけでも落ちるわけでもない中途半端な位置だなと思っていて、そういうことを狙っているかなと感じました」と語り、しっかりとピッチ内で判断できていたことを明かした。 それでも「FWは予想とは違いました」と、試合前に思っていたのとは違う展開になったものの、対応力を見せたディフェンスライン。相手に食いついてしまっていれば、韓国の思うツボであり、違う試合展開になっていた可能性もある。そのあたりの対応力は、昨年11月に敗れたメキシコ代表との試合での反省が生かされていると言っても良いだろう。それだけ、集中して、この一戦に懸けていたことの現れでもあったと言える。 <span class="paragraph-title">◆監督も感じる手応え</span> 森保一監督も一定の手応えを感じており、韓国戦快勝の理由には昨年10月と11月のヨーロッパ遠征があるとコメント。「去年の10月、11月とヨーロッパで強豪相手に試合をさせてもらうことができて、世界で勝つための基準を持ちながら、またアジアでも戦っていこうということが今日の試合に生きたのかなと思っています」とし、高い基準を体感した結果が、しっかりとピッチで表せたと感じたようだ。 10月にはカメルーン代表、コートジボワール代表とアフリカ勢と対戦し1勝1分け、11月にはパナマ代表とメキシコ代表と対戦し1勝1敗。ヨーロッパでプレーする選手が日本だけでなく相手も中心となった中で、高い強度でプレーできていたが、その直後の試合が韓国戦だったことも1つ力を継続して出し切れたポイントだったのかもしれない。 また、森保監督も選手たちの修正力を指摘。パウロ・ベント監督が試合中にシステムを変えることに関して「システム的に韓国が4バックと3バックを併用することは選手たちには伝えていました」とコメント。2-0で日本がリードして迎えた後半には、韓国は3バックに変更して巻き返しを図ってきた。 それでも日本は無失点で試合終了。森保監督は「試合が始まってみないとわからないので、選手たちはその情報を持ちながらも、自分たちでコミュニケーションをとって修正しながら戦ってくれました」と語り、ピッチ上で選手たちがしっかりと対応したことを評価していた。 <span class="paragraph-title">◆いざW杯予選へ</span> 結果、内容ともに充実感のある日本。続くのは、カタール・ワールドカップ予選のモンゴル代表戦だ。 韓国代表とは異なり、日本を相手に引いてブロックを敷いて来る可能性は高い。特に、ホームでは日本が6-0で快勝しているだけに、その経験も生かしてくるだろう。 アウェイゲームとはいえ、今回はコロナ禍の影響もあって日本で開催される一戦。昨日行われたタジキスタン代表との一戦でも3-0と敗れ、グループ最下位のままであり、一矢報いに来るはずだ。 この試合で2得点に絡んだFW大迫勇也(ブレーメン)も引いて守ることが予想される相手に対しては「僕はそっちの方が得意なので、全然心配していないですし、チームが勝てるように全力を尽くすだけです」とコメント。韓国戦で挙げられなかったゴールに意欲を燃やした。 今回の試合ではデビューした選手も多く、モンゴル戦でも力になるはず。しっかりと勝利を収め、最終予選進出に大きく近づきたいところだ。 《超ワールドサッカー編集部・菅野剛史》 2021.03.26 11:30 Fri
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