5試合すべて1点差!上位勢は東京V、大分、甲府が勝利し秋田が今季初黒星【明治安田J2第7節】

2023.04.01 17:07 Sat
1日、明治安田生命J2リーグ第7節の5試合が各地で行われた。

ここまでの6試合でわずか1失点。堅守の2位・東京ヴェルディは、7位・大宮アルディージャを味の素スタジアムに迎え、65分に挙げた深澤大輝の2試合連続ゴールで辛勝。後半追加タイムにはクロス攻勢を浴びるも、最後まで綻びを見せず、4連勝を飾っている。大宮は開幕から負けと勝ちが交互にきており、3戦連発中のアンジェロッティ不在も響いたか。左足のもも裏を負傷し、前半途中で交代した中野誠也の状態も気がかりだ。

前節初黒星を喫した3位・大分トリニータは、9位・ジュビロ磐田をホームに迎え、2-1で勝利。FKの流れから39分に茂平が加入後初ゴールとなる胸コントロールからのバイシクルを決めると、59分にはテンポの良いボール回しから伊佐耕平にも今季初得点が生まれた。終盤に1点を返されたものの、磐田の反撃をしのぎ切り、3ポイントを獲得している。
開幕3戦の2分け1敗スタートから、3連勝中と調子を上げている5位・ヴァンフォーレ甲府は、5連続ドローから前節初黒星を喫した18位・清水エスパルスとホームで対戦し、長谷川元希のゴールで1-0と辛勝。82分、鳥海芳樹が高い位置で北爪健吾から奪い切り、左ポケットをスルーパスで突くと、背番号「10」は角度のない位置からカタール・ワールドカップ(W杯)日本代表の正GK権田修一から決勝ゴールを奪った。

3勝3分けで4位のブラウブリッツ秋田は15位・レノファ山口FCを相手に初黒星。64分にCKから生駒仁にヘディング弾を許すと、これが決勝点となった。2勝2分け2敗6得点6失点と、11位で並ぶベガルタ仙台とV・ファーレン長崎の一戦は、前節にハットトリックを達成したフアンマ・デルガドの一撃で、1-0と長崎が3連勝を達成している。
◆第7節
▽4月1日
ヴァンフォーレ甲府 1-0 清水エスパルス
ベガルタ仙台 0-1 V・ファーレン長崎
ブラウブリッツ秋田 1-0 レノファ山口FC
大分トリニータ 2-1 ジュビロ磐田
東京ヴェルディ 1-0 大宮アルディージャ

▽4月2日
《13:00》
ロアッソ熊本 vs 徳島ヴォルティス
《14:00》
モンテディオ山形 vs 水戸ホーリーホック
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J1デビューの浦和戦で奮闘…東京Vの深澤大輝「自分がどれだけできるかチャレンジしたかった」

東京ヴェルディのDF深澤大輝が、J1デビューを飾った浦和レッズ戦を振り返った。 16年ぶりにJ1の舞台に帰還を果たした東京Vは、横浜F・マリノスとの“クラシコ”となった開幕節のホームゲームで1-2の逆転負け。2008年10月8日の大宮アルディージャ戦以来となるJ1での勝利を逃した。 そういったなか、3日に埼玉スタジアム2002で行われた明治安田J1リーグ第2節の浦和戦では完全アウェイの状況のなかで今季初白星を目指した。 立ち上がりから堅い展開となったこの一戦において東京Vは、前半終了間際の42分にセットプレーの二次攻撃からFW木村勇大のJ1初ゴールで先制に成功。後半も半ば過ぎまでは危なげなくゲームをコントロールしたが、課題の追加点を奪えず。 すると、次々に攻撃的なカードを切って攻勢を強めた浦和に押し込まれると、横浜FM戦と同様に最終盤に与えたPKをDFアレクサンダー・ショルツに決められて逃げ切りに失敗。その後、2試合連続の逆転負けこそ回避したものの、1-1のドローでまたしても初勝利はお預けとなった。 東京V下部組織出身で中央大学を経て2021年に加入した深澤は、プロ4年目でのJ1初出場となった浦和戦を振り返った。 出番なしに終わった横浜FM戦の悔しさをぶつけた一戦では前半にマッチアップしたMF関根貴大を封じつつ、被カウンター時も冷静に対応。さらに、攻撃では攻め上がる回数は少なかったが、先制点に絡むなど個人としては上々のJ1初戦となった。 深澤自身も守備面を中心にこの一戦で手応えを感じている。 「前節、チームも悔しい思いをしましたし、個人的にも試合のピッチに立ちたかった。でも、そういうなかで出ることができない選手がいるというのも、サッカーの世界では当たり前。それでも、こうやってチャンスをもらったなかで、自分がどれだけできるかというのをチャレンジしたかったですし、そういう意味で守備のところではある程度通用したのかなというふうに思います」 「関根選手、松尾選手のどちらが右サイドに来るか、僕のサイドに来るかというのは、試合直前になるまで分からなかったですが、両方の選手のプレー映像も見ていましたし、2人ともスピードがあってテクニックがあって、ドリブルでいける選手なので、対応の仕方的には右サイドだったら、右利きの選手なので縦に誘導してブロックできればいいかなと思っていました」 「ホイブラーテン選手からいいボールが対角に入って、ボールに触り行こうと思えば行けましたが、入れ替わられるのが怖くてボールに行けない場面もありました。ただ、ボールが入ってから寄せるところであったりはある程度できたと思いますし、そこはもっと個人として突き詰めていかなきゃいけないと思います」 その一方で、昨季J2で4ゴールを挙げるなど得点感覚を特長とする25歳DFは、「カウンターで自分が出ていってやり切るところはもっとやらないといけない」、「毎日の練習がピッチに出ると思うので、そこを突き詰めていきたい」と、この試合で見えた自身の課題にも向き合う。 また、2試合連続でJ1の強豪相手に善戦しながらも勝ち切れなかったチームの現状に対しては、「自分たちがやれることはやれたとは思います。ただ、そのなかで結果がついてこないというのは前節と同じで、それでは意味がない。勝つためにやっているというところで、もう1回全員が自分にベクトル向けてやらなければいけない」と、勝負へのこだわりを改めて強調した。 今回、16年ぶりのJ1の舞台で浦和と痺れるドローゲームを演じた東京Vだが、その対戦を誰よりも熱望していたのは、浦和の下部組織からトップチームデビューを飾り、昨季限りで退団するまで長らくヴェルディを支えたMF小池純輝(現・クリアソン新宿)だ。 試合当日にも自身のSNSを通じて古巣同士の対戦への思いを綴っていた小池について深澤に尋ねると、「特別に意識していたわけではない」としながらも、そういったいろんな人の思いを背負った上で「勝ちたかった」と素直な気持ちを語った。 「純輝さんは僕が1年目のときから一緒にヴェルディにいて、『自分の夢はヴェルディでJ1に上がって、埼スタで浦和を倒すことだ』というのはずっと話していて知っていました。今の選手は知らない人が多いと思いますけど、ヴェルディが15年間もJ2にいたなかで、そういう人たちの思いも背負ってというか、そういう人たちの思いがあってこその昇格だったと思います」 「そういうなかで純輝さんのそういう気持ちというのを、特別に意識していたわけではないですけど、そういう思いを知っていたので、だからこそ結果にこだわって勝ちたかったというのが本心です」 2024.03.04 07:30 Mon
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「チーム力が試される」東京Vが“総緑戦”で鹿島撃破狙う…「誰が出ても戦えるチーム作りをやってきた」

25日、味の素スタジアムで行われる明治安田J1リーグ第28節の鹿島アントラーズ戦に臨む東京ヴェルディは“総緑戦”で4試合ぶりの白星を狙う。 前節、FC東京との今シーズン2度目のダービーを0-0のドローで終えた12位の東京V。リーグ戦連敗はストップも、中断明け後は3試合連続無得点で3試合未勝利とここに来て苦しい戦いが続く。 そんななか、4試合ぶりの勝利を目指すチームは、直近2試合未勝利も3位に位置する鹿島をホームで迎え撃つ。 前回対戦で3-3の壮絶なドローゲームを演じたオリジナル10対決の第2ラウンドに臨むなか、この一戦では前回対戦に続きDF林尚輝とFW染野唯月、さらに今夏加入したMF松村優太が保有元クラブとの対戦となるため契約上起用ができない。 林はディフェンスラインの軸を担い、染野はチーム2位の6ゴール。徐々にフィットしてきた松村は右ウイングバックの主力としてここ3試合連続スタメンで起用されており、その3人の主力不在はチームにとって大きな痛手だ。 ただ、城福浩監督は「日頃準備してきている選手がここで結果を出したいという思いは強い」、「自分たちは試合に出ていない選手の方が日々厳しいトレーニングをやっている自負があり、試合に出ていない選手がこれだけやるのかという意味では、そこを見せるチャンス」と23日の会見で代役となる選手への信頼と期待を口にしている。 そして、選手たちもこの一戦をポジション奪取のきっかけとすべく高いモチベーションを示す。 前回対戦にも出場し、センターバックでの起用が見込まれるDF千田海人は、「もちろん(林)尚輝も出られないですし、そういうところはチャンスだと思って準備しているつもりです」。 前回対戦でも激しいマッチアップを繰り返したFW鈴木優磨が中心を担う強力攻撃陣に対しては、「僕らの最終ラインと2列目のところの間を空けると、間のところで受けられて、そこからスピードアップしてくると思うので、そこのところをしっかり抑えたい」、「鈴木優磨選手のところや2列目のところで誰がつくのか、ボランチに背中で見させるのか、センターバックを出していくのかとか、そういう細かいところを一つひとつ細かく。準備する時間もあるので、整理していけたらと思います」と、前回対戦の反省を踏まえて抑え込む算段を語った。 松村の不在で激戦区となる右ウイングバックのポジションでは複数の選択肢があるなか、現状では最も出場機会が多いMF松橋優安が代役の筆頭候補だ。 直近のダービーでは対人守備や切り替えの局面で状態のよさを窺わせた背番号33は、「攻守において走る準備というのは常にできていてそこは出せましたけど、勝ち点3を取るために、あとはそこに質を求めていきたい」と、攻撃面の課題を口に。 その上で「チームとしても勝てていないので、結果という部分にこだわって、ゴール前でのあと少しの部分が足りていないと思うので、そこは今週しっかり意識していきたいですし、鹿島は上の相手ですし、いい相手。自分たちが大事にする球際だったり、切り替えの部分だったり、相手のチームより走るという部分はぶれずに続けて、プラスアルファで質の部分を求めていきたい」と難敵撃破への思いを語った。 同じくウイングバックで虎視眈々と出場機会を窺うのは、FC東京戦で久々のベンチ入りを果たしたDF深澤大輝、中断明け後は3試合ベンチ外となっているMF稲見哲行の2選手だ。 左右のウイングバックに有事には3バックのサイドでもプレー可能な深澤は、過去の自身の経験を踏まえて今回のようなチャンスをチームとしても個人としても活かしたいと考える。 「3人出られないというところで、本当にチーム力が試されるなというふうに思いますし、同じポジションの選手にとってはチャンス。自分も1年目に松本山雅の試合で、浜崎拓磨くんが契約上出られなくて、そこから自分が代わりに出てという感じで、そこから出るようになったりした経験もあるなかで、やっぱりピッチに立ちたいなというふうにこの間のFC東京戦で強く思ったので、本当に日頃の練習からもっともっとやらなければと思っています」 また、「一緒に試合に出たら存在感をすごく感じていたので、ピッチ内外での振る舞いもそうですし、やっぱりすごいなというものがあったので、ピッチで再会したいという思いもあります」と、ユース時代の2つ歳上の先輩で、今回が古巣初対戦となるMF三竿健斗とのピッチ上での再会をモチベーションにしている。 一方、ここに来て出場機会を減らす稲見は「試合に出たときの声かけだったり、自分のテリトリーだけの守備ではなくて周りとの連動した守備だったり、あとは攻撃のクオリティというか、少し前のポジションという部分で、攻撃面でもチャンスを作れるようにという意識を持って取り組んでいます」とこの期間の自身の取り組みに言及。 「自分はここ数試合メンバーに入れていない状況なので、コンディションを上げる作業だったり、あとは足りない部分を補おうと思ってやっているので、きつい練習ですけど、すごく身になっているなというのは毎日感じています」 4試合ぶりのベンチ入りを狙う一戦に向けては「チャンスでしかないので、そこは日頃の練習が評価されますし、そこは常に準備というか、戦う準備を常に持ってアピールしています。自分たちは上のチームになかなか勝てていないので、そこは成長のチャンスというか、今までの反省を活かしたゲームにしたいというのが、上のチームとの対戦だからこそ思います」と意気込みを語った。 FW山田剛綺は、染野の不在によってFW木村勇大を除くストライカー不在の前線でブレイクスルーが期待される。 大卒2年目のストライカーは指揮官同様に「誰が出ても戦えるチーム作りというのを、今年1年やってきているので、そこの見せ場でもあると思いますし、ソメ(染野)、マツ(松村)、尚輝くんがいないなかでも、チームが勝てないとチームの底上げというのにもならないですし、そういうメンバーに頼っていないぞというところをチーム全員で見せていきたい」と、この試合が持つ意味を深く理解する。 個人としては天皇杯で1ゴールを挙げているものの、J1初ゴールが待たれる状況だが、「チャンスのところで、少し慌ててしまったり、焦ったりしてしまうことがあるので、ひとつ落ち着いてできればなと…。練習ではしっかりと決められているので、そこは大丈夫かなと思います」と、チャンスに顔を出せていることをポジティブに捉えながら待望の一発を狙う。 関西学院大学の後輩であるDF濃野公人とのマッチアップも期待される、公式戦初対戦の鹿島戦に向けては屈強な相手センターバックコンビを含め相手の実力を認めながらも、チーム、個人として自分たちのやり方を貫いて勝ち切りたいとしている。 「前線には前でボールを収められて起点になって点を取れる選手がいますし、サイドバックは後輩の濃野がいて、攻撃はたくさんのバリエーションで点を取れるチームだと思いますし、攻撃の厚みや強さというのはあると思うので、そういうところを警戒しながらも自分たちのサッカーをできれば問題ない」 「(競り合いを得意とするセンターバックに対して)相手の強みにわざわざぶつかっていく必要もないと思いますし、裏を狙うところであったり、そういう動きのところで相手を剥がしてやれたらいいかなと思っています」 現状の順位と元々の選手層の差に加え、今回は主力3名を欠くなかでの戦いとなるが、“日本一のトレーニング”を志す情熱的な指揮官の下で鍛え上げられてきた緑の精鋭は“総緑戦”で臨む一戦を制して、今後に繋がる勝ち点3を獲得できるか。 2024.08.24 20:30 Sat

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シンガポール代表が日本遠征2戦目で勝利…古巣対戦となった小倉勉監督「国際親善試合に勝るとも劣らない。ASEANでやることと同じぐらいの意味がある」

小倉勉監督の率いるシンガポール代表は11日、AGFフィールドで東京ヴェルディとのトレーニングマッチに臨んだ。 2026年北中米ワールドカップ(W杯)のアジア2次予選で敗退したシンガポールは、今年12月から2025年1月にかけて開催される『ASEAN Mitsubishi Electric Cup 2024』に向けて調整を進める。 今回のインターナショナルマッチウィークでは日本遠征を実施し、FC東京、東京ヴェルディ、横浜F・マリノスと、J1の3クラブとのトレーニングマッチを組んだ。 その初陣となった8日のFC東京戦を0-4で落としたチームは、小倉監督が昨シーズンまでヘッドコーチを務めた古巣の東京Vと対戦した。 35分×3本の形式で行われた1本目は、普段のリーグ戦とは異なり主力クラス数名に控えメンバー中心の布陣で臨んだ東京Vに対して守勢を強いられたシンガポールだったが、15分にカウンターからMFハミ・シャヒンのミドルシュートで先制に成功。以降はMFチアゴ・アウベスらに際どいシュートを打たれたものの、リードを維持したまま終えた。 2本目は招待選手として参加している元U-17日本代表MF仲村京雅が途中出場。リーグ戦に近いメンバーを起用したJ1クラブ相手に、1本目以上に押し込まれる展開を強いられたが、時間の経過とともに[5-4-1]の堅固な守備が機能。相手の決定力不足に助けられた部分はあったが、格上相手の代表戦で見せている真骨頂の粘りの守備で無失点を継続。 メンバーを入れ替えた3本目は立ち上がりの6分にFW白井亮丞にゴールを決められたが、守勢の中でも虎視眈々と攻撃のチャンスを窺っていたシンガポールは終了間際の28分に相手ディフェンスラインの不用意なバックパスをかっさらったショートカウンターからMFファリス・ラムリの冷静なコントロールシュートでゴールネットを揺らし、最終的に2-1の勝利を収めた。 盟友である城福浩監督が率いる古巣相手に今遠征初勝利を収めた小倉監督は、試合後の囲み取材で今回の遠征の意義と手応えについて語った。 「成果というか、こういう環境でやらせてもらえているというのは、すごくありがたい経験で、選手だけではなく、スタッフもコーチもバックルームスタッフも、みんなに日本で得られるこういう環境を体験してもらいたかったというのが一番。それに関してはすごく良かったかなと」 「こうやって試合に出ている選手とか、Jリーグの選手とやっていただけることがすごく僕らにとってはありがたいし、そういう機会というのはなかなかない。今回FIFAウインドーで日本に来た甲斐があったというか、本当に感謝ですね」 「こういう環境でお客さんが入っている中でやらせてもらえることは、国際親善試合に勝るとも劣らない。ASEANでやることと同じぐらいの意味がある、それ以上の意味があるかなという感じです。あともう1試合あるので、それをやり遂げて帰ろうかなという感じです」 試合内容に関しては今シーズンのJ1リーグでも屈指の強度を誇る東京Vに対して、フィジカルや切り替えの部分で互角にやれる選手が数名見受けられた一方、多くの選手は正当なコンタクトでも簡単に倒れ込む場面も散見された。 その点については「強度の部分だとかはレベルが全然違うので、今日も何人か倒れてファウルをアピールした選手がシンガポール代表にはいましたが、それを耐えてプレーするとか、レフェリーの基準や、スタンダードのところを上げていきたいというのが一番にあって、そういう意味ではすごく勉強になった」と、アジアにおいてトップレベルと言えるJリーグの基準を肌で感じられた部分をポジティブに捉えた。 基本的にはW杯予選などで格上と対峙する際の戦いを意識した戦いを見せながらも、チャンスがあれば、ゴールキックからのショートパスを用いたビルドアップや、ロングボールだけに頼らずにゲームを構築しようとする様子も窺えた。 その能動的な振る舞いに対しては城福監督も「押されている中でもしっかりとボールを握ろうとする、あるいはラインを作ろうとするところはやっぱり彼らしいなと思います」と語り、「格上とやるというところでの、リスペクトという部分のほど良さというか、それを考えながらも我慢しながら自分たちのものをしっかりと示していくというのは、我々もいい刺激になりました」と小倉監督の下で進化を図るシンガポールの戦い方を評価している。 それでも、現状の自分たちの立ち位置や練度も熟知する指揮官は「自分たちがやりたいことをやるんですけど、それだけでは勝てない。それはお互いに相手があってのことなので、今日であれば下から繋ぐという、それだけを目標にしているわけではない。一番はゴールを取ることなので、ゴールに直結する。人がフリーであれば、そこに出すのが一番なので、目的と手段が逆になってしまうとまずいので、そういうことだけにはしたくない」と、成長のためのチャレンジに取り組みながらもしっかりと自分たちの足元を見て戦っていきたいと自戒の念を込めている。 また、FC東京戦に続いてこの試合でもプレーした仲村に関しては今年初めにシンガポールの永住権を取得したことで、帰化選手として前述のAFFでの起用も期待されている。 4度のシンガポール・プレミアリーグ年間ベストイレブンに輝くなど、同国リーグで最高の選手の一人としての評価を得ている元日本代表MFの現状について小倉監督は、「今は(市民権が)取れそうな状況。一応僕らにとって次の大きな大会であるAFFという大会があって、その大会が12月にある。それに向けての準備で、取れてからすぐ呼んでもなかなか間に合わないので、そのために呼んでいる」と説明。 ただ、「彼もシンガポール人になっただけで、別に彼が日本人で特別なものをもたらすとか、そういうのは全然思っていないので、彼が良ければ使えますし選べます。それはシンガポール人になったというだけで、他の選手と全く変わりなく扱うつもりでいます」と、かつてジェフユナイテッド千葉時代に指導した教え子に対しても、厳しいメンバー争いを勝ち抜く必要があると競争を促している。 日本遠征2戦目を勝利で終えたシンガポールは、14日にF・マリノススポーツパークで横浜FMとの最終戦に臨む。 シンガポール代表 2-1 東京ヴェルディ 1本目:0-1 2本目:0-0 3本目:1-1 ■得点者 1本目:15分 ハミ・シャヒン 3本目:6分 白井亮丞、28分 ムハンマド・ファリス・ビン・ラムリ 2024.10.11 19:10 Fri
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東京V、7戦ぶり敗戦からのバウンスバック図るもシンガポール代表に敗戦…城福監督「危機感があまりない」

東京ヴェルディは11日、AGFフィールドでシンガポール代表とのトレーニングマッチ(35分×3)を戦い、1-2で敗れた。 先週末に行われた明治安田J1リーグ第33節の湘南ベルマーレ戦で0-2の完敗を喫し、リーグ戦7試合ぶりの敗戦を喫した東京V。 その試合後の会見で城福浩監督は、「このチームは何も得ていないし、何も示していないのに、チームとして大きな勘違いをさせてしまった」と自戒するなど、残留が決定的な状況におけるチームの緩みを糾弾。さらに、「指定席があってはいけないと、改めて思いました」とメンバー選考の部分での再考を示唆する発言も行っていた。 そんななか、チームは19日にホームで行われる浦和レッズとの一戦に向けて再始動。11日には昨シーズンまでヘッドコーチとして16年ぶりのJ1昇格に貢献した小倉勉監督が率いるシンガポール代表とのトレーニングマッチに臨んだ。 35分×3本の形式で行われた1本目は、普段のリーグ戦とは異なり主力クラス数名に、控えメンバー中心の布陣で臨んだ東京V。序盤からボールを握って押し込んだが、左サイドを崩した立ち上がり以降は攻撃が停滞。すると、15分には相手のカウンターからMFハミ・シャヒンにミドルシュートを決められて、相手のファーストチャンスで失点を喫した。以降はFW染野唯月のお膳立てからMFチアゴ・アウベスにチャンスが訪れたものの、ボックス右で放ったシュートは枠を捉え切れず。0-1で1本目を終えた。 2本目はリーグ戦に近いメンバーを起用し、MF森田晃樹とMF齋藤功佑を起点に攻撃のテンポを上げて1本目以上に押し込む展開に。その中でゴール前でのFW木村勇大のヘディングシュート、左のウイングバックから効果的な攻撃参加を見せたDF深澤大輝のボックス内でのシュートなど決定機を作ったが、ここは相手GKのファインセーブに阻まれると、時間の経過とともにボールを持たされる感が強くなり、攻め切れないまま2本目を0-0で終えた。 それでも、互いにメンバーを入れ替えた3本目は立ち上がりの6分にMF見木友哉のスルーパスを起点にボックス左へ抜け出したMF翁長聖の完璧な折り返しを、ゴール前に詰めたFW白井亮丞がタップイン。ようやくこの試合最初のゴールを記録。以降もMF山田楓喜の右ポスト直撃のシュートや見木、白井の鋭いミドルシュートなどで2点目に迫ったが、ここまでの展開と同様に仕留め切れず。 すると、終了間際の28分にはディフェンスラインでの不用意なバックパスをかっさらわれると、MFファリス・ラムリに冷静なコントロールシュートをゴール右隅に突き刺され、1-1のタイに戻された。そして、最終スコアは1-2の敗戦となった。 湘南戦の敗戦を受け、ポジション奪取を狙う控え選手たちの台頭や主力選手の奮起を促したものの、振るわない内容での敗戦に城福監督は各選手の気迫や危機感を含めて物足りなさを口にした。 「追いかける展開になって、シンガポールもすごく体を張ってきたので、トレーニングマッチとしてはすごく意味がある状況になりましたけど、結果的に我々のイージーなミスでああいう形になったというのは、あのミスだけではなくて、ここまで点が取れなかったところとか、1本目の低調さとか、それを見ながらも見ている選手たちの危機感があまりないという意味では、やっぱり今までの実績関係なく、しっかりとジャッジしなければいけないなと。集中して入ってもらったつもりなので、今日のパフォーマンスというのはちゃんとジャッジして次に向かいたいと思います」 3本共にメンバーをシャッフルしたゆえの機能不全や連携の問題をエクスキューズにしながらも、開幕前から若さや経験不足を埋めるため、質を追求しながらもまずは量でカバーするというコンセプトを掲げる中、その量のところでも勝負できていないと感じている。 「もちろんメンバーをシャッフルしたというか、ミックスしたので、いつも通りではない状況というのは出たと思います。ただ、チームとしたら最終ラインのあり方とか、前線のあり方というのは全員で共有しているつもりなので、そもそもの量が足りないなと、特に1本目は量が足りなかったです」 「もちろん質があって、さらに量があることで、肝心なところで力をさけると思いますが、うまくいかないのであれば、量でカバーしなければいけないという意味でのコンディションも含め、それがトータルで質なので、そこはジャッジしたいなと思います」 指揮官は全体的な物足りなさを語ったものの、この試合でポジション奪取への気概を示したのは、ボランチとシャドーの一角で3本すべてに出場した見木だ。 シーズン序盤はボランチやサイドハーフで主力を担ってきた背番号10だが、ここにきて序列が低下し、ゲームチェンジャーとして途中出場が目立っている。それだけにこの試合に懸ける思いは人一倍強かった。 「90分やったのがアビスパ(福岡)戦以来で、7月以来だったので、自分も長い時間出たいということは言っていて、久しぶりに90分出て決定的なところのチャンスがあったので、そこで仕留め切れなかったことが悔しいです」 「チャンスを演出するところで少しはできたというのもありますけど、こういう試合でもっと決定的な仕事をしなければいけないですし、点もアシストも取れなかったことを考えると、とても悔しい試合になりました」 ポジション奪取への明確なアピールに至らなかったことを自覚するものの、依然として浦和戦に向けた準備期間を大きなチャンスと捉える見木は「最近ずっとサブでめちゃくちゃ悔しい思いをしてきましたし、湘南戦はああいう負け方をして、間違いなくチャンスだというのは自分自身もみんなもわかっている。そこのチャンスをつかむためには日々のパフォーマンスでアピールするしかないので、今日もっとアピールできたら良かったですけど終わってしまったので、もう切り替えて次の試合までの練習でどうにかアピールしてスタメンで出て、そこで結果を残したいなと思います」と、新たな決意を示した。 シンガポール代表 2-1 東京ヴェルディ 1本目:0-1 2本目:0-0 3本目:1-1 ■得点者 1本目:15分 ハミ・シャヒン 3本目:6分 白井亮丞、28分 ムハンマド・ファリス・ビン・ラムリ 2024.10.11 20:43 Fri
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2024JリーグYBCルヴァンカップ決勝進出チームの決定を受け、明治安田J1リーグ第35節の試合日程が変更となった。 決勝に勝ち上がったのは3年ぶりの優勝がかかる名古屋グランパスと、初の主要タイトルがかかり、初のファイナル行きとなるアルビレックス新潟だ。 両チームの第35節は当初こそそれぞれ11月3日の14時キックオフを予定したが、ともに今月23日の19時キックオフと前倒しで開催される運びとなった。 なお、名古屋はアウェイのガンバ大阪戦、新潟はホームの東京ヴェルディ戦となる。 2024.10.13 18:35 Sun
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湘南に完敗で7戦ぶりの敗戦喫した東京V…城福監督「前半は話にならないゲーム」、指揮官はチームの姿勢に憤り

東京ヴェルディがホームで行われた湘南ベルマーレ戦で7試合ぶりの敗戦を喫した。 直近4勝2分けの6戦無敗と好調を維持していた東京Vは6日、味の素スタジアムで行われた明治安田J1リーグ第33節で湘南と対戦。この試合で勝利すればチーム最大の目標であるJ1残留を確定することができたが、0-2の完敗となった。 前節、鹿島アントラーズ相手に2点差を引っくり返す大逆転勝利で連敗をストップしたアウェイチームに対して、前節のガンバ大阪戦を後半終了間際の劇的同点ゴールにドローに持ち込んだホームチームの勢いは遜色ないものだったが、試合は立ち上がりから球際、切り替えの精度、全体的な動きの量も湘南が圧倒。 序盤の劣勢を徐々に撥ね返しつつあった東京Vだったが、32分には自陣右サイドでのスローインの流れから失点。DF鈴木淳之介にオフサイドラインの味方との入れ替わりを狙ったMF小野瀬康介に絶妙なフィードを通されると、後手の対応で小野瀬に内側に運ばれて丁寧な横パスを入れられると、中央でフリーのMF鈴木雄斗に強烈な左足ダイレクトシュートを突き刺された。 1点リードで折り返した後半は前半の不出来を激しく叱責した指揮官による檄の効果もあってか、キックオフ直後からチーム全体の覚悟、インテンシティの高さが窺える良い入りを見せたが、51分には両ウイングバックも攻撃参加した状況で不用意なロストから数的同数のロングカウンターを浴びると、FW福田翔生とのコンビネーションからFW鈴木章斗に痛恨の2点目を決められて出ばなをくじかれる形に。 以降は積極的に交代カードを切り、より攻撃的な[4-4-2]への布陣変更を含めて猛攻を仕掛けたが、古巣対戦のGK上福元直人の再三のビッグセーブなど湘南のチーム一丸となった守備を最後までこじ開けられず、ホームで0-2の敗戦を喫した。 この敗戦によって今節でのJ1残留はお預けとなり、同勝ち点ながらFC東京、セレッソ大阪に得失点差で上回られて6位から8位に後退した。 今シーズンここまでは10人相手に2点差を追いつかれた東京ダービー、敵地で同じ昇格組に0-3で完敗したジュビロ磐田戦、入りの悪さが響いて初の連敗を喫した名古屋グランパス戦後に厳しい口調でチームの戦いぶりに苦言を呈してきた城福浩監督だが、今回の敗戦後には「前半は話にならないゲーム」とより厳しい口調で憤りを示した。 「ファン・サポーターには本当に申し訳ないことをしたなと思います。自分たちのサッカーに向き合う姿勢というものが、特に前半見せられなかったことは本当に恥ずかしい限りです。私の準備、人選、もろもろ自分の力が足りなかったと痛感しています」 とりわけ、指揮官が問題視したのは1失点目での対応。オフサイドを確信していたか、副審にオフサイドをアピールして全体の動きが緩慢になると、ボールホルダーの寄せの甘さ、ゴール前に入っていく鈴木雄にドフリーでゴール前に走り込まれて何の制限もかけられずにゴールを決められていた。 普段通りのアラートさ集中力を維持し、全力で人とスペースをケアしていれば、失点を防げた可能性もあり、指揮官としては受け入れがたい形での失点だった。 「自分たちのペースでいかない、そういうふうにならない時間帯、ゲームというのはシーズンを通してありますが、そこで辛抱しきれなかったという意味では、あの失点シーンは本当に受け入れられない」 「受け入れられないというのは何かと言うと、歩いている選手がいるということ。このチームで(相手が)シュートを打つ場面で歩いている選手がいるようでは、絶対にJ1では戦えない。そういう選手をピッチに立たせてしまった、そういうメンタリティで試合に臨ませてしまったという意味でも自分の至らなさを感じています」 後半に関しては2失点目以外で相手にシュートを許さず、試合全体を通しては相手の2倍となるシュート数を記録。上福元のビッグセーブがなければ、少なくとも勝ち点1は得られるような内容ではあった。 だが、城福監督は後半のパフォーマンスはあくまで通常の水準のパフォーマンスであり、ハーフタイムを機に好転したように見えたプレー内容も前半の低調すぎる出来の影響だったと厳しい態度は崩さなかった。 「(後半へ流れを変えるために)もちろんやり方も伝えましたが、それよりも姿勢。サッカーに対する姿勢です。前半は話にならないゲームでした。押され気味だったというところではなく、最後の際のところで歩いている選手がいるというのは受け入れられないと。その映像も見せました。それで(後半の出来が大きく)変わるのだから、ということは試合に入る準備がこのチームは足りなかったということ」 「もちろん後半、湘南はあのシュート1本のみだったので、我々からするとそれは非常に痛かった。1失点で終わっていれば、ゲームはどうなったかわからなかったと思います」 「我々にとっては痛かったですが、削られて倒れているのはウチの選手。イエローカードが出ているのは相手選手。では我々が戦ったのか、我々がやられっぱなしで何をしたのか。“やられている”というのは悪い意味ではなく、湘南は戦っていた」 「これは自分の大きな責任。このチームは何も得ていないし、何も示していないのに、チームとして大きな勘違いをさせてしまった。後半は当たり前で、あれぐらいやらないといけない。あれぐらいを前半45分で(出し切って)代わっていく選手がいないと戦えないというのは、このチームがやってきたこと。それにもかかわらず、あのような前半を見せたということは本当に恥ずかしいです」 試合後の会見で「前兆を感じていれば今日のメンバーではなかった」とその点は指揮官も認めるように、湘南戦前の1週間のトレーニングや戦前の選手たちのコメントや態度を鑑みても、チームはこの一戦に向けた浮ついた様子はなく、ここ最近の柏レイソル、北海道コンサドーレ札幌、サガン鳥栖と下位に沈む相手に対して、タフな戦いの末にギリギリで勝利した経験もあり、今季公式戦で1勝1敗だった対戦相手を侮るようなことはなかったと断言できる。 1失点目の対応は別として、単純にこの試合で見せた湘南のパフォーマンスが素晴らしかったという部分が完敗の主な要因と指摘できるが、選手たちは普段の試合に比べてソリッドさを欠いた一戦についてそれぞれの見解を示した。 キャプテンのMF森田晃樹は「緩みみたいなものは正直なかったと思いますけど、湘南さんに比べると、やっぱり差があった」と、指揮官同様に試合へのアプローチや勝利への執念という部分を含め相手に上回られていたと感じている。 「前半はあまり入りもよくなかったですし、監督も試合後におっしゃっていましたけど、本当に戦うところというか、根本的な局面のところで、湘南さんに負けていた。そういうところが今日の敗因につながったというふうに思っています」 その森田とボランチでコンビを組んでフル出場したMF齋藤功佑は、「自分たちがやるべきことの部分のクオリティが低かった」と、ハードワークや守備を中心に立ち返るべき部分で徹底し切れなかった点を悔やんだ。 「(前半は)自分たちがロングボールを蹴らされて、それを回収された中で、相手に押し込まれて最終ラインと中盤の受け渡しだったり、スライドだったりがうまくいかず、後手後手でやる形に。耐えている状況で耐え切れずに失点してしまったことで、ちょっと難しい展開になりました」 加えて、停滞した前半の攻撃面に関してはどんな戦い方を選択するにせよ、チームとしてより相手が嫌がるようなやり方が必要だったと主張。 「チームとして何を大事にするかというところが基準になると思いますけど、ちゃんと相手を見ながらビルドアップから剥がしてやりたいのであれば、もう少し立ち位置をずらしながら、それぞれが間に立ってみたいなことをしなければいけない」 「普通に相手陣地で押し込む時間帯を作りたいのであれば、相手を引き込んでプレッシャーが来ていることに対して、“引き込んでいる”という考え方にして、前線の連動性というか、個人で動くのではなくて、2人で動いたりしてスペースを作って、背後にいい質のボールを送ってあげることによって(1トップの木村)勇大が収めやすくするみたいな考え方。そのどちらかの工夫が必要だったかなと思います」 後半の途中出場でチーム最多3本のシュートを放って最もゴールに迫ったFW山田剛綺は「あれだけチャンスをもらったら、ひとつは決めないといけなかった」と自身のパフォーマンスを振り返りつつ、ピッチの外で見守る形となった前半のチームの戦いについても言及。 「湘南さんが巧かったので、自分たちの前から行ってというのを剥がされて、間延びしてみたいなシーンもあったので、自分たちのよさを出すことができなかった」とその印象を語った。 その上で、「その中でもそういう相手に自分たちが試合中にもっと意見を出し合って擦り合わせて対策していかないと、前半がもったいないことになる。そういう適応力というところは、みんなでもう一度話し合ってやっていかないといけないなと思います」と、若きチームの以前からの課題である試合中の修正力を磨く必要があるとの見解を示した。 今回の敗戦によって上位争いから一歩後退することになったが、残り5試合に向けては残留確定と共に、今季ここまでチームが積み上げてきたものを、さらに突き詰めていくという部分でチームの歩みは変わらない。 その中で指揮官は「指定席があってはいけない」と、ここにきて主力メンバーが固定されつつある状況において、今後のメンバー変更を含めてチーム内競争を促した。 「もちろん試合に向けて調整する選手と、頭から湯気を出してエネルギーを振り絞って練習をする選手と分かれていく。そういう選手を大事にしなければいけないと改めて思いました。今日のような(試合当日の)居残り組の練習で、一番練習するのがつらい状況で、頭から湯気を出している選手を、このチームは大事にしないといけない。指定席があってはいけないと、今日改めて思いました」 今季ここまで連敗はわずかに1度と敗戦ごとに力強く立ち上がってきた昇格組は、11日に行われるシンガポール代表とのトレーニングマッチを経て臨む、次節の浦和レッズ戦で湘南戦の厳しい敗戦を教訓に再びリバウンドメンタリティを示せるか。 2024.10.07 19:00 Mon
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C大阪との“ダービー”に臨む東京Vの2選手…山見大登「違いを見せて得点を取りたい」

セレッソ大阪との“ダービー”に挑む東京ヴェルディの2選手が意気込みを語った。 16年ぶりJ1復帰となった東京Vは、開幕節の横浜F・マリノス戦(1-2●)、第2節の浦和レッズ戦(1-1△)と2試合共に善戦と言えるパフォーマンスを見せたが、いずれも終盤の失点によって初勝利を逃した。 そして、3度目の挑戦での初白星を目指す緑の名門は、9日にヨドコウ桜スタジアムで開催される明治安田J1リーグ第3節のC大阪戦に臨む。 今シーズン、ガンバ大阪からの期限付き移籍でJ1昇格クラブに加入したFW山見大登は、関西学院大学から特別指定選手としてプレーした2021年9月のルヴァンカップ準々決勝第1戦で大阪ダービーに初出場。そのダービーデビュー戦でゴールを記録し、チームの勝利に貢献した。 さらに、2022年5月に行われたJ1でのダービーではプロ入り初ゴールをライバルから挙げている。 新天地の東京Vでは横浜FMとの開幕戦で途中出場したものの、直近の浦和戦では出番なしに終わるなど、ここまでは城福浩監督が強く求める守備面の適応に苦戦。それでも、チーム屈指の打開力、アタッキングサードでのクオリティを考えれば、指揮官が台頭を求める攻撃面でのゲームチェンジャーの筆頭だ。 その山見はC大阪とのダービーに向けて強い想いを語った。 「自分がこれまで出ている時間帯は守備に押し込まれる展開が多かったですが、自分はやっぱり攻撃の部分で違いを出さないといけない選手。そこで守備もうまくやりながら、攻撃の部分で力を出したい」 「ゲームチェンジャーとして出る場合は、負けている展開とかイーブンの展開でやっぱり1点がほしい展開になるので、そこで自分が違いを見せて得点を取りたいと思っています」 また、東京V移籍後初めて行われる地元関西での一戦では家族や友人だけでなく、保有元であるG大阪のファン・サポーターの観戦も予想されるところだ。 加入時に強い覚悟を持って移籍を決断したと語っていた緑の背番号11は、「自分が大阪でできる試合というのは、このセレッソとの試合しかないので、やっぱりガンバのサポーターが観に来てくれるのであれば、そこで活躍したいという思いはあります。あとは親が来ると言っていたので、ここで自分が東京でどう頑張っているのかを見せる場だと思うので、見せれたらいいなと思います」と、改めてこの一戦への決意を示した。 開幕から2試合のC大阪の印象に関しては、サイドでマッチアップが予想され、ビルドアップの局面でキーマンとなっている日本代表DF毎熊晟矢、新加入のDF登里享平の両サイドバックを警戒している。 「やっぱり毎熊選手が代表でああやって活躍して、あそこから攻撃が始まったりしている場面も多いです。あとは、アンカーに新しく入った田中駿汰選手とかがボールを受けたりとかして、うまく崩しながらサイドの速い選手を使ったサイド攻撃というイメージが強いです」 「やっぱり、サイドバックが内にポジションを取ってくると、自分の背後のところの守備の管理とかが難しくなってくるので、そこでうまく連携を取りながらやらないといけない相手だと思います。一方で、サイドバックの立ち位置が内になるので、ボールをうまく奪えれば、サイドから速い攻撃を仕掛けてショートカウンターとかを狙えるのではないかなと思います」 一方、山見と同様に今回のC大阪戦へ並々ならぬモチベーションを持っているのが、京都産業大学から今季新加入となったMF食野壮磨だ。 現在、G大阪でプレーするFW食野亮太郎を実兄に持つ、G大阪ユース育ちの2023年度関西学生サッカーリーグ1部MVPは、直近2試合でベンチメンバーに入れなかった中、ライバルとの一戦でJ1デビューを狙う。 その一戦に向けて食野は、「どの相手でも勝ちたいですが、セレッソはより勝ちたい相手。友達からもセレッソ戦に向けて連絡もいっぱい来ているので、ベンチに入って出場しているところを見せたいですし、そのために良いアピールができればと考えています」と、意気込んでいる。 現状では山見同様に守備戦術への適応、フィジカルやプレー強度の部分においてチーム内のポジション争いで苦戦が続くが、食野自身が手応えを口にする中盤と前線の繋ぎ役、最大の長所とする攻撃面は得点が必要な状況において十分に活かせるはずだ。 プレシーズンからここまでの自身の現状を冷静に受け止め、少なくない課題を口にしているが、その端々には強い野心や自信も窺える。 「長所はどんどん出せてきているというか、周りとの連携やコミュニケーションも取れてきていると思います。あとは本当に守備のところで、途中から入ったときにやっぱり守備の強度というのを、もう1個ギアを上げてやらないといけないです」 「リズムを作るというところは全然できると思いますが、やっぱりよりゴールに直結するプレーというのを見せないといけないポジションというか、そういうタイプの選手なので、リズムを作り出すだけじゃなくてその先のゴールに直結するところは、もっと突き詰めないといけないと思います」 「縦に速いというか、やっぱり2トップがどんどん前に動き出していくスタイルなので、そこにパスを合わせる自信はありますし、サイドからでもどんどん自分が崩すイメージはできているので、自分が入ったときのイメージはできています」 2024.03.08 20:15 Fri

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