カタールW杯辞退から11か月。中山雄太は「ポスト・長友佑都」を巡る争いに終止符を打つのか?/中山雄太(ハダースフィールド)【新しい景色へ導く期待の選手/vol.23】
2023.10.07 12:30 Sat
「復帰してからは、2節前は打撲で途中交代しましたが、フル出場できていますし、イングランド・チャンピオンシップというハイインテンシティの中でしっかり戦えるだけのパフォーマンスができる体力が戻ってきている。それを確認したうえで招集しました」
「彼がケガの前に見せてくれていたパフォーマンスは代表の戦力として十分に考えられる。現在の彼が出せるパフォーマンスを所属チームと代表との戦術の違いの中でどう表現するのかを確かめられればと思っています」
10月のカナダ(13日=新潟)・チュニジア(17日=神戸)2連戦に向け、4日の日本代表メンバー発表会見に臨んだ森保一監督は、再招集した中山雄太(ハダースフィールド・タウン)ついてこう言及。期待の大きさをのぞかせた。
それもそのはずだ。中山はもともと東京五輪世代のキャプテンを務めていた男。森保監督が若手主体のA代表を組んだ2019年コパ・アメリカ(ブラジル)で板倉滉(ボルシアMG)、前田大然(セルティック)らとともに代表デビューさせているのだ。
その後も中山は東京世代の主軸を担い、2021年秋から2022年カタール・ワールドカップ(W杯)最終予選がスタートしてからは、左サイドバック(SB)のレジェンド・長友佑都(FC東京)と併用されたほど。「雄太は本当に能力の高い、いい選手」と長友も口癖のように語っていたほど。この時点では「ポスト長友筆頭候補」と目されていた。
ところが、そんな男に予期せぬアクシデントが襲う。メンバー発表直後の昨年11月、アキレス腱断裂の重傷を負い、大会辞退を余儀なくされたのだ。その枠には町野修斗(ホルシュタイン・キール)が滑り込み、昨年急成長を遂げた伊藤洋輝(シュツットガルト)が長友とともに左SBを務めることになったのだが、当時の伊藤洋輝はまだまだ経験不足で、選手層の薄さを垣間見せる結果となった。
そして今年3月から第2次森保ジャパンが発足。長友が選外となり、森保監督は伊藤洋輝を軸にさまざまな左SBの可能性を模索していった。3月シリーズはパリ五輪世代のバングーナガンデ佳史扶(FC東京)、6・9月シリーズは長友の明治大学の直系後輩に当たる森下龍矢(名古屋)らをテストしたが、どこか基準に達していない部分があったのだろう。9月のドイツ(ヴォルフスブルク)・トルコ(ヘンク)2連戦で伊藤洋輝を連続先発させたのを見ると、「今のところ、使えるのは伊藤洋輝だけ」という結論に達したのではないか。
だからこそ、中山の完全復活は急務の課題だった。中山がいれば、伊藤洋輝との併用が実現するし、伊藤洋輝をセンターバック(CB)に回すことも可能になる。3バックを採用する場合にも、中山を左ウイングバック(WB)と3バックの一角に当てられる。マルチな能力を持つレフティは使い勝手がいい存在。やはり森保監督とっては「必要不可欠」と位置付けられていたのだろう。
「(中山の)起用法については、左SBを中心に、ボランチであったりCB、4バック・3バックでの守備的な部分は複数ポジションをこなせると思っている。可能なら違うポジションでも試したいですが、基本的には左SBで考えています」と指揮官はコメントしていたが、コンディションに問題がなければ、早速、中山をカナダ戦で先発させると見られる。
そこでどのような一挙手一投足を見せてくれるのか。W杯と同水準、あるいはそれ以上のレベルを示し、見る者を安堵させてくれるのか。そこは今シリーズの非常に大きなポイントになりそうだ。
中山にしてみれば、第1次森保ジャパンの集大成だったカタールW杯に参戦できなかったショックは非常に大きかったはずだ。川島永嗣の涙のミーティング、長友の金髪・赤髪での体を張った盛り上げ、チームを勝たせようとする吉田麻也(LAギャラクシー)の責任感…。ベテラン勢の代表愛をまざまざと見せつけられ、鎌田大地(ラツィオ)や前田大然(セルティック)らが「自分たちがその思いを引き継いでいかなければいけない」と語ったように、W杯はその場にいた面々とっては言葉にできないほど重い経験になった。
4年に一度の大舞台にいなかった中山が失ったものは少なくないが、長いリハビリを経て得たものもきっとある。今の中山はそれをピッチ上で体現するしかない。つねに冷静沈着な彼ならそれを確実に遂行できる。
長く苦しい空白期間を経て、再び日の丸を背負う中山雄太の新たな一面をぜひとも見せてほしいもの。ここで「ポスト長友」論争に終止符を打てるのか否か。それは彼のパフォーマンスにかかっている。
「彼がケガの前に見せてくれていたパフォーマンスは代表の戦力として十分に考えられる。現在の彼が出せるパフォーマンスを所属チームと代表との戦術の違いの中でどう表現するのかを確かめられればと思っています」
10月のカナダ(13日=新潟)・チュニジア(17日=神戸)2連戦に向け、4日の日本代表メンバー発表会見に臨んだ森保一監督は、再招集した中山雄太(ハダースフィールド・タウン)ついてこう言及。期待の大きさをのぞかせた。
その後も中山は東京世代の主軸を担い、2021年秋から2022年カタール・ワールドカップ(W杯)最終予選がスタートしてからは、左サイドバック(SB)のレジェンド・長友佑都(FC東京)と併用されたほど。「雄太は本当に能力の高い、いい選手」と長友も口癖のように語っていたほど。この時点では「ポスト長友筆頭候補」と目されていた。
カタールW杯本番でも中山は重要な役割を担うはずだった。36歳になった長友がドイツ、コスタリカ、スペインという強豪国揃いのグループを1人で戦い抜くことは不可能だと見られていたからだ。中山本人も自信を深めていたに違いない。
ところが、そんな男に予期せぬアクシデントが襲う。メンバー発表直後の昨年11月、アキレス腱断裂の重傷を負い、大会辞退を余儀なくされたのだ。その枠には町野修斗(ホルシュタイン・キール)が滑り込み、昨年急成長を遂げた伊藤洋輝(シュツットガルト)が長友とともに左SBを務めることになったのだが、当時の伊藤洋輝はまだまだ経験不足で、選手層の薄さを垣間見せる結果となった。
そして今年3月から第2次森保ジャパンが発足。長友が選外となり、森保監督は伊藤洋輝を軸にさまざまな左SBの可能性を模索していった。3月シリーズはパリ五輪世代のバングーナガンデ佳史扶(FC東京)、6・9月シリーズは長友の明治大学の直系後輩に当たる森下龍矢(名古屋)らをテストしたが、どこか基準に達していない部分があったのだろう。9月のドイツ(ヴォルフスブルク)・トルコ(ヘンク)2連戦で伊藤洋輝を連続先発させたのを見ると、「今のところ、使えるのは伊藤洋輝だけ」という結論に達したのではないか。
だからこそ、中山の完全復活は急務の課題だった。中山がいれば、伊藤洋輝との併用が実現するし、伊藤洋輝をセンターバック(CB)に回すことも可能になる。3バックを採用する場合にも、中山を左ウイングバック(WB)と3バックの一角に当てられる。マルチな能力を持つレフティは使い勝手がいい存在。やはり森保監督とっては「必要不可欠」と位置付けられていたのだろう。
「(中山の)起用法については、左SBを中心に、ボランチであったりCB、4バック・3バックでの守備的な部分は複数ポジションをこなせると思っている。可能なら違うポジションでも試したいですが、基本的には左SBで考えています」と指揮官はコメントしていたが、コンディションに問題がなければ、早速、中山をカナダ戦で先発させると見られる。
そこでどのような一挙手一投足を見せてくれるのか。W杯と同水準、あるいはそれ以上のレベルを示し、見る者を安堵させてくれるのか。そこは今シリーズの非常に大きなポイントになりそうだ。
中山にしてみれば、第1次森保ジャパンの集大成だったカタールW杯に参戦できなかったショックは非常に大きかったはずだ。川島永嗣の涙のミーティング、長友の金髪・赤髪での体を張った盛り上げ、チームを勝たせようとする吉田麻也(LAギャラクシー)の責任感…。ベテラン勢の代表愛をまざまざと見せつけられ、鎌田大地(ラツィオ)や前田大然(セルティック)らが「自分たちがその思いを引き継いでいかなければいけない」と語ったように、W杯はその場にいた面々とっては言葉にできないほど重い経験になった。
4年に一度の大舞台にいなかった中山が失ったものは少なくないが、長いリハビリを経て得たものもきっとある。今の中山はそれをピッチ上で体現するしかない。つねに冷静沈着な彼ならそれを確実に遂行できる。
長く苦しい空白期間を経て、再び日の丸を背負う中山雄太の新たな一面をぜひとも見せてほしいもの。ここで「ポスト長友」論争に終止符を打てるのか否か。それは彼のパフォーマンスにかかっている。
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「2026年に向けて、チーム力を上げていく、成長を考えながらこれまで通り目の前の一戦で勝利を目指す」 そう語ったのは森保一監督。日本サッカー史上初となるW杯後の続投となり、日本代表を8年間率いることになる初の指揮官が、リスタートに向けたメンバー発表会見の冒頭に語った。 2022年のカタール・ワールドカップ(W杯)では、多くの海外組を招集し、死の組ともいわれたグループステージでは、W杯王者を経験したドイツ代表、スペイン代表に逆転勝利。世界中を驚かせるパフォーマンスを見せた。 「ベスト8以上」という目標を掲げて臨み、下馬評こそ高くなかったが、ラウンド16に進出すると前回大会準優勝のクロアチア代表相手に善戦。PK戦の末に敗れ、またしてもベスト16での敗退となったが、それでも大きな熱狂を生み、続投が決定した。 2期目を迎える中で、初陣となるウルグアイ代表戦とコロンビア代表戦に向けたメンバーが発表される中、「カタールW杯のメンバーを中心」にして行くと語っていた森保監督。ベテラン勢の扱いや、環境を変えた選手たちの扱いが注目を集めた中でメンバーが発表された。 正直なところ、個人的な感想としては「思ったよりも先を見据えている」というものだった。ある種驚きにも似た感情が沸いていた。 ベテラン勢を招集しないということはある程度予想されDF長友佑都(FC東京)やDF酒井宏樹(浦和レッズ)らが外れたが、キャプテンを務めたDF吉田麻也(シャルケ)も選外というのはいうのは意外だった。もちろんチームが熾烈な残留争いを繰り広げていることなども理由としてあるだろうが、ホスピタリティ精神を持つ森保監督であれば、W杯を終えての凱旋試合にも当たるため、キャプテンは招集するかと思っていた。 「選ばれてもおかしくない活躍をJリーグでもブンデスでも見せてくれている」とコメントはしたが、選んだのは選手層をより広げていくこと。2026年の北中米W杯だけでなく、さらにその先も見据えていることが感じられる人選となった。 <span class="paragraph-title">◆2026年、さらにその先を見据えて</span> そしてその代わりに最終ラインを任せるために初招集されたのが、DF角田涼太朗(横浜F・マリノス)、DFバングーナガンデ佳史扶(FC東京)、DF半田陸(ガンバ大阪)の若手3名。さらに、代表歴はあるDF菅原由勢(AZ)、DF橋岡大樹(シント=トロイデン)、DF瀬古歩夢(グラスホッパー)と東京オリンピック代表として呼んだこともある選手を招集した。 DF登録の選手の平均年齢は、カタールW杯時の8名で29.1歳だが、今回のメンバー9名の平均年齢は22.9歳、最年長が26歳の板倉滉(ボルシアMG)と変貌を遂げた。 チーム全体で見ても、最年少はGKシュミット・ダニエル(シント=トロイデン)の31歳。30代は他に、MF遠藤航(シュツットガルト)とMF伊東純也(スタッド・ランス)だけとなっており、平均年齢は24.5歳。4年後だけでなく、その先に繋げるためのメンバーをまずは呼んだということ。目の前の試合で勝つためにベストを尽くしながらも、しっかりと強化していく意思が見えたメンバーとなった。 もちろん、シーズン26ゴールを決めているFW古橋亨梧(セルティック)や開幕から出色の出来を見せているMF伊藤涼太郎(アルビレックス新潟)など、招集が期待されていながら呼ばれていない選手もまだまだいる。 彼らは今回のメンバーには選ばれなかったが、決して道が閉ざされたわけでもない。結果を残しても意味がないという見方もできなくはないが、中長期にチームを作ることを考えた末での選考ということだろう。 森保監督は「今後に向かっていく中でベストなメンバーを選んだ」とコメント。「2026年に向けて最強のチームを作るために、1回1回のベストの活動をして行く中、ベストの活動が人が限定ではないということ。より幅を広げながら、チーム力を上げて行く」とコメントしている。 最強とはなんなのか。あくまでも本番は2026年のW杯であり、そこで目標を達成するために今からベストを積み上げて行きたいという森保監督。今輝いている“旬”な選手を呼ぶことだけがベストではないという姿勢は、本気で3年後に結果を残すための準備としては間違ってはいないのかもしれない。 「2026年のW杯というよりも、2050年までに日本サッカー協会がW杯で日本代表が優勝するという宣言をしていますので、そこに向けて我々はやるべきかなと思っています」 「世界一というところを目標に、今持っている力をどれだけ上げていけるかを常に考えなければいけないと思います」 森保監督は会見で今後の展望についても語っており、目先の試合、活動を大事にしながらも、遥か先を見据えているとした。どういった成長を見せていくのか。まずは初陣を楽しみにしていきたい。 《超ワールドサッカー編集部・菅野剛史》 2023.03.16 12:50 Thu5
世界舞台で忍者ポーズを届けられるのか?追加招集・町野修斗に託されるもの
長期リハビリ中の浅野拓磨(ボーフム)、板倉滉(ボルシアMG)の復帰がズレ込み、冨安健洋(アーセナル)や遠藤航(シュツットガルト)という主力級の面々までアクシデントに見舞われている日本代表。11月23日の2022年カタールワールドカップ(W杯)初戦・ドイツ戦(ドーハ)まで約2週間という押し迫った時期に、チームが野戦病院状態に陥っているのだ。 そんな中、最終予選を通して左サイドバック(SB)として存在感を高めていた中山雄太(ハダースフィールド)のアキレス腱負傷は特に衝撃的なニュースに他ならなかった。森保一監督は最初から大ベテランの長友佑都(FC東京)と昨季1シーズンで大きく成長した伊藤洋輝(シュツットガルト)を招集していたものの、東京五輪世代のレフティ離脱というのは想像以上に大きなダメージだった。 そこ本来ならば、同ポジションの佐々木翔(広島)、あるいはDFの瀬古歩夢(グラスホッパー)らを呼ぶのがセオリー。だが、指揮官は「全ポジションの選手が対象」と語り、最終的にFWの町野修斗(湘南)を抜擢した。 これには本人も驚きを隠せなかったという。 「7日の夕方、(湘南強化部長の)坂本紘司さんから電話がありましたけど、ホントに呆然とした感じでした」と本人も9日の代表選出記者会見でコメントしたという。 4カ月前のEAFF E-1選手権で代表デビューを飾ったばかりの23歳の若き点取屋にしてみれば、自分がカタールに行けるとは想像していなかったはず。チャンスを与えられた9月のアメリカ戦(デュッセルドルフ)で、不慣れな粘土質のピッチと屈強なDF陣との対応に苦慮したことも、本人の自信を失わせたように映った。「町野は4年後のエース候補。カタールW杯には間に合わない」といった声も高まり、11月1日に発表された26人から漏れたのはある意味、やむを得ないという見方をされていた。 しかしながら、森保監督はバックアップメンバーを打診した大迫勇也(神戸)の辞退、浅野のケガが不透明な部分を加味して、FWをもう1枚増やす決断を下したのだろう。 「日本人得点王で今季J1で13点を取っていて、献身性もすでに確認している」と指揮官は選出理由を語った模様。確かにリーグ終盤の町野は得点感覚が研ぎ澄まされ、凄まじい勢いが前面に出ていた。湘南のJ1残留請負人にもなった。それをカタールに持ち込んでほしいという期待と願いを込めての選出なのだろう。 彼が加わったことで、今回のFW陣は浅野、前田大然(セルティック)、上田綺世(セルクル・ブルージュ)の4枚。ドイツ戦は「鬼プレス」を武器とする前田のスタメンが有力視される。浅野がケガから復帰できれば12月1日のスペイン戦(ドーハ)には出ると見られるため、町野にチャンスがあるとすればこの2戦の途中から、あるいは11月27日のコスタリカ戦(同)になってくる。 特にコスタリカは堅守をモットーとするチーム。6月のニュージーランドとのプレーオフでは[4-4-2]からスタートし、早い時間帯に先制点を奪うと、後半からは[5-4-1]にシフト。37歳の英雄、ブライアン・ルイスを入れてチームに活力を与え、最後の最後まで虎の子の1点を守り切った。 「勝ち点3のためならどんな手でも使う」という泥臭い中米の難敵と対峙する場合、日本はドイツ・スペイン戦よりボール支配率が上がるはず。だからこそ、前線で起点になれる選手がほしい。そこで上田と町野が候補になるが、上田はタメを作るプレー以上に「ザ・ストライカー」として多彩な得点の形を示す方が輝ける。スタートは町野で行って体を張って攻守両面で頑張り、相手が落ちてきた時に上田、あるいは別のカードを切る方が日本は勝利に近づくはず。町野にとっては大きなチャンスなのだ。 実際、東京五輪でも、当初予備登録だった林大地(シント=トロイデン)がコンディション不良の上田や左右のサイドでも併用されていた前田を追いやり、レギュラーを確保した前例もあるだけに、期待は高まる一方だ。 「自分には失うものはないと思ってますし、思い切って勢いを持ってプレーするだけ。自分はFWなのでゴールという結果を残したい。前線で起点になるプレーと背後への抜け出し、右足・左足・頭とどこでも点を取れるところをぜひ見てほしい。自分次第で世界を切り開いていけると思っています」と本人も力を込めた様子。本当にW杯は何が起きるか分からないだけに、町野というサプライズ人材が日本の救世主になるかもしれないのだ。 2010年南アフリカW杯2ゴールの本田圭佑、2018年ロシアW杯2ゴールの乾貴士(清水)を思い返しても、彼らは大会前はそこまで注目されていなかった。乾などはケガで直前まで試合に出られるかどうか分からなかったくらいだ。そういう人間でも1つチャンスをつかみ、ゴールという結果を残せるのがW杯という舞台。町野も「何かやってくれる」という期待感を漂わせている。 W杯でゴールを奪えれば、彼の看板とも言える「忍者ポーズ」を世界に届けることも可能になる。三重県伊賀市出身の誇りを胸に秘め、大舞台で躍動する大型FWの一挙手一投足が非常に楽しみである。 2022.11.15 12:30 Tueハダースフィールドの人気記事ランキング
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