俊輔引退会見で知ったセリエA移籍の真相/六川亨の日本サッカー見聞録
2022.11.12 22:30 Sat
カタールW杯に臨む国内組6名、長友佑都、権田修一、谷口彰俉、山根視来、相馬勇紀、町野修斗は昨日9日、無事にドーハへ到着したとJFA(日本サッカー協会)から連絡が来た。もう1人の国内組である酒井宏樹は事情により出国が1日遅れたものの、明日には合流していることだろう。(※編集部注:酒井も無事に合流済み)
そんな国内組と違い、まだリーグ戦の最中である海外組はシュツットガルトの遠藤航が試合中の競り合いで頭部を負傷し、脳しんとうと診断された。幸いにも代表チームからの離脱を余儀なくされる重傷ではないものの、近年はFIFA(国際サッカー連盟)も脳しんとうの後遺症に対して厳しいルールを設定しているだけに、プレーが可能と安心するのは早計だ。
ヨーロッパのシーズン中でのW杯とあって、大会直前の13日までリーグ戦やカップ戦が入っている。このため他の参加国もいつ主力選手が負傷により離脱するかわからないW杯と言える。
そして考えようによっては、負傷を抱えた選手がいつ万全のコンディションで復帰できるかで決勝トーナメントからの戦い方に多大な影響を及ぼすW杯になるかもしれない。そう予想すると、グループリーグはますます守備優先の凡戦が増える可能性が高まるが、それはそれでロースコアの試合を望む日本にとって好都合と言えるはず(我田引水の気がしないでもないが)。
さて10日は中村俊輔の引退会見を取材してきた。俊輔自身が短い挨拶のあとにかつてのチームメイトがビデオメッセージを送ったが、やはり印象深かったのはチームメイト2人のメッセージだ。
たぶん彼ら3人には、凡人には計り知れないほどのメッセージのやりとりが、アイコンタクトなどで試合中にあったはずだ。サッカーを、いまその状況を“感じ取れるか“どうか。彼らはそれを高い次元で共有していたと思わずにはいられない。
引退をイメージしたのは30歳の後半からで、「いつでも(引退)できるように、悔いのないようできるよう」に1年契約にしていた。それだけ立ち足である右足首の痛みは彼を苦しめたのだろう。
名プレーの数々を振り返ったVTRを見て感じたのは、稀代のパッサーであるにもかかわらず、スルーパスなどよりゴールシーンの多いことだ。とりわけFKからのゴールは秀逸だ。
俊輔自身も直接FKについて「それだけと言われるのは嫌だったので、意識したのはプロになってからです。試合を支配する力とかパス、ドリブルと、ちょっとしたオマケみたいな感覚でやっていただけなんです」と言いながらも、「気付くとフリーキックが残ったのは不思議な感覚です。(練習を)やっていて良かったかな」と振り返る。
そして「(FKのこだわりとしては)PKと同じ感覚で決めていたという意識はあります。蹴ったら必ず入るという状況や雰囲気をチームメイトにも見せて信頼してもらう」ことにこだわったという。「FKをPKと同じ感覚で」100パーセントの成功率を求める選手はそうそういない。だからこそFKのスペシャリストとしてイタリアやスコットランドでもファン・サポーターを虜にしたのだろう。
そんな俊輔が海外移籍を強く意識したのは02年日韓W杯のメンバーから外れたからだろうと思っていた。ところがすでに前年の01年3月、サンドニでフランスに0-5と惨敗したときに「ああ、このままじゃダメだと思った」そうだ。
当時の日本は00年にレバノンで開催されたアジアカップで2度目の優勝を達成。俊輔はMVPに選ばれ、チームも「アジアカップ最強」と高く評価された。名波浩と中村俊輔という2人のレフティーがチームを牽引し、リザーブには小野伸二も控える豪華な布陣だった。
そして前回優勝国との対戦では中田英寿もチームに合流した。しかし開始9分にジダンにPKから先制を許すと、アンリやトレゼゲに次々とゴールを奪われた。日本がアジア王者なら、フランスもW杯に続いてEUROも制しただけに、その強さはケタ外れだった。
レッジーナへの移籍が決まったのは02年7月のこと。「イタリアへ行くときは、日本を出なきゃと焦るくらいだった。当時世界最高峰のセリエAに行かなくちゃと。ようやく世界の扉を開けられた」と当時の心境を語った。
あれから20年が過ぎ、日本人選手にとって“世界“はより身近になった。だが、海外へ渡ったJリーガーにFKのスペシャリストは一人もいない。それだけ俊輔はスペシャルな選手ということだ。
そんな国内組と違い、まだリーグ戦の最中である海外組はシュツットガルトの遠藤航が試合中の競り合いで頭部を負傷し、脳しんとうと診断された。幸いにも代表チームからの離脱を余儀なくされる重傷ではないものの、近年はFIFA(国際サッカー連盟)も脳しんとうの後遺症に対して厳しいルールを設定しているだけに、プレーが可能と安心するのは早計だ。
ヨーロッパのシーズン中でのW杯とあって、大会直前の13日までリーグ戦やカップ戦が入っている。このため他の参加国もいつ主力選手が負傷により離脱するかわからないW杯と言える。
さて10日は中村俊輔の引退会見を取材してきた。俊輔自身が短い挨拶のあとにかつてのチームメイトがビデオメッセージを送ったが、やはり印象深かったのはチームメイト2人のメッセージだ。
ともに1歳年下の遠藤保仁は「時にはオレにフリーキックを蹴らせろと思ったけど、あなたのフリーキックは世界一、たぶん」と笑わせれば、俊輔が「ファンタジスタは?」という質問に名前をあげた小野伸二は「(引退を)聞いたときは悲しい気持ちで残念でした。一緒にプレーしていて、上手くなりたいという子供の時期に戻れました。一緒にやるたびに楽しい時期を過ごせました」と思い出を語った。
たぶん彼ら3人には、凡人には計り知れないほどのメッセージのやりとりが、アイコンタクトなどで試合中にあったはずだ。サッカーを、いまその状況を“感じ取れるか“どうか。彼らはそれを高い次元で共有していたと思わずにはいられない。
引退をイメージしたのは30歳の後半からで、「いつでも(引退)できるように、悔いのないようできるよう」に1年契約にしていた。それだけ立ち足である右足首の痛みは彼を苦しめたのだろう。
名プレーの数々を振り返ったVTRを見て感じたのは、稀代のパッサーであるにもかかわらず、スルーパスなどよりゴールシーンの多いことだ。とりわけFKからのゴールは秀逸だ。
俊輔自身も直接FKについて「それだけと言われるのは嫌だったので、意識したのはプロになってからです。試合を支配する力とかパス、ドリブルと、ちょっとしたオマケみたいな感覚でやっていただけなんです」と言いながらも、「気付くとフリーキックが残ったのは不思議な感覚です。(練習を)やっていて良かったかな」と振り返る。
そして「(FKのこだわりとしては)PKと同じ感覚で決めていたという意識はあります。蹴ったら必ず入るという状況や雰囲気をチームメイトにも見せて信頼してもらう」ことにこだわったという。「FKをPKと同じ感覚で」100パーセントの成功率を求める選手はそうそういない。だからこそFKのスペシャリストとしてイタリアやスコットランドでもファン・サポーターを虜にしたのだろう。
そんな俊輔が海外移籍を強く意識したのは02年日韓W杯のメンバーから外れたからだろうと思っていた。ところがすでに前年の01年3月、サンドニでフランスに0-5と惨敗したときに「ああ、このままじゃダメだと思った」そうだ。
当時の日本は00年にレバノンで開催されたアジアカップで2度目の優勝を達成。俊輔はMVPに選ばれ、チームも「アジアカップ最強」と高く評価された。名波浩と中村俊輔という2人のレフティーがチームを牽引し、リザーブには小野伸二も控える豪華な布陣だった。
そして前回優勝国との対戦では中田英寿もチームに合流した。しかし開始9分にジダンにPKから先制を許すと、アンリやトレゼゲに次々とゴールを奪われた。日本がアジア王者なら、フランスもW杯に続いてEUROも制しただけに、その強さはケタ外れだった。
レッジーナへの移籍が決まったのは02年7月のこと。「イタリアへ行くときは、日本を出なきゃと焦るくらいだった。当時世界最高峰のセリエAに行かなくちゃと。ようやく世界の扉を開けられた」と当時の心境を語った。
あれから20年が過ぎ、日本人選手にとって“世界“はより身近になった。だが、海外へ渡ったJリーガーにFKのスペシャリストは一人もいない。それだけ俊輔はスペシャルな選手ということだ。
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イスラエルで大記録が誕生した。5日、イスラエルのリーガ・ベート(イスラエル4部)に所属するイロニ・オル・イェフダが、リーグ戦で73歳のGKを起用した。イギリス『BBC』が報じた。 現役最年長のプロサッカー選手といえば、日本が誇るストライカーである横浜FCのFW三浦知良(52)が思い浮かぶだろう。カズは、「リーグ戦でゴールを決めた最年長のプロサッカー選手」というギネス記録を持っている。 <div id="cws_ad"><a href="/news/view?news_no=347317" target="_blank">【特集】“キング・カズ”とともに振り返る平成・26回のJリーグ開幕戦!</a></div> イロニ・オル・イェフダは、73歳のGKイサック・ハイクをマッカビ・ラマト・ガン戦で起用。ハイクは、先発フル出場を果たして居る。なお、試合は1-5で敗れた。 イラク出身のハイクは、試合中にしっかりと印象的なセーブをしたとのこと。試合後には、「これは私に執ってのプライドの源であるだけでなく、イスラエルのスポーツ全般にとってのプライドでもある」とコメントしている。 これまでのギネス記録は、ウルグアイのロベルト・カルモナの53歳。2015年に記録したものが最年長だったが、それを20歳も上回る記録が今回ギネス記録に認められた。 カズは今シーズンも明治安田生命J2リーグでプレーし、52歳で出場記録を持っているが、このギネス記録を抜くにはあと22年が必要となる。 2019.04.07 11:20 Sun3
横浜FC川崎裕大、J2昇格の相模原移籍! 「全力でプレーします」
SC相模原は2日、横浜FCに所属するDF川崎裕大(28)の完全移籍加入を発表した。 横浜FC下部組織出身の川崎は2015年にサンフレッチェ広島入り。2017年夏にレンタルで横浜FC入りを果たすと、翌シーズンから完全移籍に移行した。2020シーズンも横浜FCでスタートしたが、同年8月から期限付き移籍でカターレ富山へ。明治安田生命J3リーグ10試合に出場した。 富山からも期限付き移籍期間満了が発表され、新シーズンからJ2リーグ挑戦の相模原に活躍の場を移す川崎。クラブを通じて次のようにコメントしている。 ◆SC相模原 「相模原でプレーする事が出来て嬉しく思います! SC相模原のホームタウンである綾瀬市出身なので、相模原の為に全力でプレーします!」 ◆横浜FC 「横浜FCからSC相模原へ完全移籍することを決めました。横浜FC泉jrで育ち、いつかトップチームに上がる事を夢みながらサッカーを続け、プロ3年目にして、横浜FCでプレーする事ができ、三ツ沢のピッチに立って自分の応援、横浜FCの応援を聞いたとき、ものすごく鳥肌が立ちました」 「横浜FCで4年間もプレー出来たことに感謝しています! いままで声をかけてくれたファン、サポーターのみなさん、本当にありがとうございました。これからも横浜FCを応援したいと思います!」 ◆カターレ富山 「半年間と少ない期間、J2に上げる為にカターレ富山にきたにもかかわらず、自分自身満足できる結果を出すことが出来ず申し訳なく思っています! 少ない期間でしたが自分自身の足りない所が分かり成長することが出来ました。来シーズンはJ2に昇格してくれるのを期待して応援しています! 短い期間でしたがありがとうございました」 2021.01.02 14:45 Sat4
平成最後のJリーグ開幕! “キング・カズ”とともに振り返る26回の開幕戦!
2月22日(金)、平成最後の明治安田生命Jリーグが開幕する。1993年に10クラブでスタートしたJリーグも、2019年にはJ1からJ3まで含めて55クラブに増加。そして、27回目の開幕を迎える。 2019年5月1日からは新元号となり、「平成」のJリーグ開幕は今シーズンが最後。そして、1993年に行われた“Jリーグ”の開幕戦にも出場した選手がいる。それが、“キング・カズ”こと三浦知良(横浜FC)だ。 今回は、平成最後のJリーグ開幕ということで、平成のJリーグを選手として戦い抜くカズとともに、各年の開幕戦を振り返る。 <span style="font-weight:700;font-size:1.1em;color:#e1170f;">◆カズは開幕戦18試合に出場</span> <div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/kazu20190218_1_tw2.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">(C)J.LEAGUE PHOTOS<hr></div> 24試合中18試合出場 (先発13試合/途中出場5試合)<hr>1993年の最初の開幕ゲームに先発出場しているカズは、これまでの26年間のうち、セリエAのジェノア、クロアチアのクロアチア・ザグレブに移籍していた2シーズンを除く24試合に出場の可能性があった。 その中で、カズは13試合に先発出場。5試合に途中出場し、出番がなかった試合、メンバー外となった試合は6試合ある。 海外移籍期間を除くと、カズは1993年から2002年までの8年間で開幕スタメン起用。初めて先発を外れたのは、2003年のヴィッセル神戸時代には初めてベンチスタートとなった。なお、この試合は途中出場もなく、初めて開幕戦のピッチにカズが立たなかったシーズンとなった。 <span style="font-weight:700;font-size:1.1em;color:#e1170f;">◆開幕ゴールはわずか「3」</span> <div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/kazu20190218_1_tw5.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">(C)J.LEAGUE PHOTOS<hr></div> Jリーグで得点王も獲得し、多くのゴールを記録してきたカズだが、開幕戦18試合で記録したゴールはわずかに「3」と意外な成績となっている。 開幕での初ゴールは1996年。京都パープルサンガ戦に先発したカズは、自身初となる開幕戦でのゴールを記録。この試合の決勝点となった。 なお、その後は、京都時代の2000年、神戸時代の2005年にゴールを記録。いずれも先発した試合だった。 <span style="font-weight:700;font-size:1.1em;color:#e1170f;">◆勝率は意外な結果に…</span> <div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/kazu20190218_1_tw7.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">(C)J.LEAGUE PHOTOS<hr></div> 26回の開幕戦のうち、24回を選手として経験。その間のチームの開幕戦成績は、11勝3分け12敗と負け越している。 そのうち、カズは18試合に絡んでおり、出場した試合の勝敗は9勝9敗と五分の成績だ。 先発した試合に限れば、7勝6敗と勝ち越し。横浜FCに加入してからは出場試合で4勝4敗と五分。チームとしては、5勝2分け6敗となっている。 以下、キング・カズのサッカー人生と共に、26年間のJリーグ開幕戦(カズが所属チームに限る)をデータで振り返ろう。 ◆1993年5月15日(平成5年) ヴェルディ川崎 1-2 横浜マリノス [国立霞ヶ丘競技場] 19分:マイヤー(ヴェルディ川崎) 48分:エバートン(横浜マリノス) 59分:ディアス(横浜マリノス) 【V川崎】 GK:菊池新吉 DF:中村忠、ペレイラ、加藤久、都並敏史 MF:柱谷哲二、ハンセン、ラモス瑠偉 FW:マイヤー、武田修宏、三浦知良 背番号11を着けたカズは、Jリーグの開幕戦に先発出場。かつての読売サッカークラブ(ヴェルディ川崎)と日産自動車サッカー部(横浜マリノス)の対戦となった。 スタジアムには59,626人の大観衆が集結。試合は、V川崎のマイヤーがファーストゴールを記録するも、横浜Mがエバートン、ディアスのゴールで逆転勝利。カズはフル出場を果たすも、ゴールを決めることはできなかった。 ◆1994年3月12日(平成6年) ヴェルディ川崎 5-1 ベルマーレ平塚 [国立霞ヶ丘競技場] 2分:武田修宏(ヴェルディ川崎) 19分:ビスマルク(ヴェルディ川崎) 30分:ビスマルク(ヴェルディ川崎) 39分:北澤豪(ヴェルディ川崎) 50分:野口幸司(ベルマーレ平塚) 68分:柱谷哲二(ヴェルディ川崎) 【V川崎】 GK:藤川孝幸 DF:柱谷哲二、石川康、ペレイラ、パウロ MF:加藤善之、ラモス瑠偉、北澤豪、ビスマルク FW:武田修宏、三浦知良 カズは2年連続で開幕戦にスタメン出場。ラモス瑠偉や武田、北澤、柱谷、ペレイラとともに2年連続で開幕戦に出場した。 5万人を超える観客の中、V川崎は武田のゴールで先制。すると、このシーズンから加入したビスマルクが2ゴールの活躍を見せるなど5-1で大勝した。カズは、このシーズンも開幕戦でのゴールを奪えていない。なお、シーズン途中にセリエAのジェノアへと移籍している。 ◆1995年3月18日(平成7年) ヴェルディ川崎 0-0(7 PK 6) ベルマーレ平塚 [国立霞ヶ丘競技場] 【V川崎】 GK:藤川孝幸 DF:石川康、ペレイラ、中村忠 MF:ラモス瑠偉、北澤豪、長谷部茂利、ビスマルク、柱谷哲二 FW:アルシンド、武田修宏 <div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/kazu20190218_1_tw3.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div>カズは1994年のシーズン途中にセリエAのジェノアへと移籍。1995年の開幕戦は、ジェノアに所属していたためにカズの出場は当然なかった。なお、試合は現在は廃止されているPK戦の末にV川崎が勝利している。 なお、カズはNICOSシリーズ(2ndステージ)からV川崎に復帰。26試合に出場し23ゴールを記録し、得点ランキングでも5位に入った。 ◆1996年3月16日(平成8年) ヴェルディ川崎 1-0 京都パープルサンガ [等々力陸上競技場] 34分:三浦知良(ヴェルディ川崎) 【V川崎】 GK:菊池新吉 DF:石川康、戸倉健一郎 MF:カイコ、柱谷哲二、ラモス瑠偉、ビスマルク、北澤豪、林健太郎 FW:三浦知良、ドニゼッチ 4年目のJリーグ開幕戦ではカズが先発出場。ちなみに、柱谷、ラモス瑠偉は4年連続で開幕戦に出場している。 試合は34分、カズが開幕戦で初ゴールを記録。試合も1-0でV川崎が勝利した。なお、このシーズンはカズが23ゴールを記録して得点王のタイトルを獲得している。 ◆1997年4月12日(平成9年) ヴェルディ川崎 0-2 ジェフユナイテッド市原 [等々力陸上競技場] 46分:中西永輔(ジェフユナイテッド市原) 76分:松原良香(ジェフユナイテッド市原) 【V川崎】 GK:大石尚哉 DF:柱谷哲二、石川康、菊池利三、白井博幸 MF:三浦泰年、石塚啓次、前園真聖、北澤豪 FW:三浦知良、マグロン 5年目のJリーグもカズは開幕戦に先発出場。また、柱谷は5年連続スタメン出場を果たしている。 このシーズンは開幕戦で0-2と敗戦。チームも年間順位で15位と低迷すると、カズ自身もケガなどの影響もあり14試合に出場し4ゴールと振るわなかった。 ◆1998年3月21日(平成10年) ベルマーレ平塚 4-1 ヴェルディ川崎 [平塚競技場] 16分:岩元洋成(ベルマーレ平塚) 21分:高木琢也(ヴェルディ川崎) 26分:中田英寿(ベルマーレ平塚) 58分:外池大亮(ベルマーレ平塚) 85分:クラウジオ(ベルマーレ平塚) 【V川崎】 GK:本並健治 DF:柱谷哲二、林健太郎、エンリケ MF:北澤豪、モアシール、前園真聖、三浦泰年 FW:高木琢也、エウレル、三浦知良 6年目のJリーグでV川崎は初めてアウェイで開幕戦を迎える。カズは先発出場し、柱谷は6年連続のスタメン出場を果たした。 平塚は日本でのラストシーズンとなる中田英寿が先発。すると、その中田を含めた平塚が4ゴールを記録し、V川崎は大敗した。 ◆1999年3月6日(平成11年) 柏レイソル 1-0 京都パープルサンガ [日立柏サッカー場] 44分:加藤望(柏レイソル) 【京都】 GK:松永成立 DF:鈴木健仁、大嶽直人、佐藤尽、戸倉健一郎 MF:シジクレイ、森岡茂、三浦文丈、シーラス FW:光岡眞矢、黒崎比差支 7年目のJリーグ。カズはクロアチアのディナモ・ザグレブ(当時はクロアチア・ザグレブ)に所属しており、開幕戦は不出場。シーズン途中に加入した京都の開幕戦をピックアップ。カズはこの年の7月に京都に加入した。 カズは出場していない京都の開幕戦だが、80分には現在ガンバ大阪でプレーする遠藤保仁が森岡と交代して出場している。 ◆2000年3月11日(平成12年) ジェフユナイテッド市原 6-1 京都パープルサンガ [市原臨海競技場] 6分:バロン(ジェフユナイテッド市原) 20分:バロン(ヴェルディ川崎) 61分:中田一三(ジェフユナイテッド市原) 67分:バロン(ジェフユナイテッド市原) 72分:三浦知良(京都パープルサンガ) 85分:クラウジオ(ジェフユナイテッド市原) 85分:クラウジオ(ジェフユナイテッド市原) 【京都】 GK:松永成立 DF:大嶽直人、手島和希、辻本茂輝 MF:中村忠、遠藤保仁、野口裕司、宮崎健治、松川友明 FW:ヘジス、三浦知良 <div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/kazu20190218_1_tw4.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">(C)J.LEAGUE PHOTOS<hr></div>8年目のJリーグ。カズは2年ぶりに開幕戦に出場する。この試合では、V川崎時代の同僚であった中村も先発。また、遠藤も先発出場している。 試合は市原の助っ人FWバロンがハットトリックの活躍を見せるなど、6-1で大勝。カズはこの試合で一矢報いるゴールを記録。カズにとって2度目の開幕戦ゴールとなった。 ◆2001年3月10日(平成13年) 横浜F・マリノス 0-1 ヴィッセル神戸 [横浜国際総合競技場] 93分:布部陽功(ヴィッセル神戸) 【神戸】 GK:掛川誠 DF:鈴木健仁、シジクレイ、土屋征夫 MF:サントス、望月重良、吉村光示、松尾直人、ダニエル FW:布部陽功、三浦知良 9年目のJリーグ、カズは新天地に神戸を選び、開幕戦にも先発出場を果たす。 対戦相手は、1993年の開幕以来となる横浜FM。17分に警告を受けるも、ゴールは奪えず。試合は当時あった延長戦で布部がゴールし、神戸が勝利した。 ◆2002年3月3日(平成14年) 清水エスパルス 1-0 ヴィッセル神戸 [日本平スタジアム] 93分:バロン(清水エスパルス) 【神戸】 GK:掛川誠 DF:土屋征夫、シジクレイ、北本久仁衛 MF:岡野雅行、望月重良、アタリバ、西谷正也 FW:播戸竜二、三浦知良、城彰二 10年目のJリーグもカズは開幕戦に先発出場。また、チームメイトには日本代表でもプレーした岡野雅行や城彰二がおり、ともに先発出場している。 試合は90分間を0-0で終えると、延長前半に京都時代の開幕戦で煮え湯を飲まされたバロンがVゴールを記録。清水が勝利している。 ◆2003年3月22日(平成15年) セレッソ大阪 0-1 ヴィッセル神戸 [長居スタジアム] 16分:オゼアス(ヴィッセル神戸) 【神戸】 GK:掛川誠 DF:吉村光示、シジクレイ、土屋征夫、菅原智 MF:佐伯直哉、山口貴之、アリソン、薮田光教 FW:播戸竜二、オゼアス 11年目のJリーグの開幕戦はカズにとって初の出来事。Jリーグクラブ所属時は、開幕戦で常に先発していたカズだったが、この年はベンチスタートとなった。 チームはオゼアスのゴールを守り切り、C大阪に勝利。さらに、カズは出番が回って来ず、ベンチに座ったまま開幕戦を終えた。 ◆2004年3月13日(平成16年) ヴィッセル神戸 2-1 ジェフユナイテッド市原 [神戸ウイングスタジアム] 6分:斎藤大輔(ジェフユナイテッド市原) 77分:北本久仁衛(ヴィッセル神戸) 80分:和多田充寿(ヴィッセル神戸) 【神戸】 GK:掛川誠 DF:朴康造、土屋征夫、北本久仁衛、ホージェル MF:坪内秀介、小島宏美、薮田光教、藤本主税 FW:三浦知良、イルハン 12年目のJリーグ。カズは2シーズンぶりに開幕戦で先発出場を果たす。なお、2トップを組んだ相手は、2002年の日韓ワールドカップで活躍し、イケメンとして人気を博したトルコ代表FWイルハンだった。 試合は市原に先制される展開となると、58分にカズは播戸竜二と途中交代。開幕戦での途中交代は初のことだった。なお、北本、和多田のゴールで神戸が逆転勝利を収めている。 ◆2005年3月6日(平成17年) ヴィッセル神戸 3-1 セレッソ大阪 [神戸ウイングスタジアム] 6分:薮田光教(ヴィッセル神戸) 55分:黒部光昭(セレッソ大阪) 68分:三浦知良(ヴィッセル神戸) 89分:ホルヴィ(ヴィッセル神戸) 【神戸】 GK:掛川誠 DF:北本久仁衛、室井市衛、ホージェル MF:菅原智、ホルヴィ、朴康造、薮田光教、三浦淳宏 FW:播戸竜二、三浦知良 13年目のJリーグもカズは開幕戦に先発出場。播戸と2トップを形成。そのほか、現在は神戸のスポーツダイレクターを務める三浦淳宏も先発した。 試合は神戸が先制するもC大阪が追いつく展開に。すると68分、カズが自身3度目の開幕戦ゴールを記録し勝ち越しに成功。さらにホルヴィがダメ押しし、3-1で勝利を収めた。しかし、チームはその後低迷し監督交代の末に構想外に。シーズン途中に現在も所属する横浜FCへと移籍することとなる。 ◆2006年3月4日(平成18年) 愛媛FC 1-0 横浜FC [愛媛県総合運動公園陸上競技場] 88分:猿田浩得(愛媛FC) 【横浜FC】 GK:菅野孝憲 DF:金澤大将、トゥイード、鄭容臺、中島崇典 MF:山口素弘、吉野智行、北村知隆、アウグスト FW:三浦知良、城彰二 <div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/kazu20190218_1_tw6.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">(C)J.LEAGUE PHOTOS<hr></div>14年目のJリーグは、カズにとって初のJ2の開幕戦となった。2トップは神戸時代にもコンビを組み、日本代表でもともにプレーした城彰二だった。 試合はこう着状態のまま終盤を迎えると88分に猿田にゴールを許し、そのまま終了。新天地での開幕戦は黒星に終わった。なお、このシーズンで横浜FCはJ1に昇格した。 ◆2007年3月3日(平成19年) 浦和レッズ 2-1 横浜FC [埼玉スタジアム2002] 25分:オウンゴール(浦和レッズ) 44分:久保竜彦(横浜FC) 85分:永井雄一郎(浦和レッズ) 【横浜FC】 GK:菅野孝憲 DF:小野智吉、早川知伸、小村徳男、和田拓三 MF:山口素弘、藪田光教、奥大介、鄭容臺、滝澤邦彦 FW:久保竜彦 15年目のJリーグは再びJ1で迎えたカズ。しかし、この試合ではベンチ入りを果たしたものの、出場機会がなかった。 浦和を相手にオウンゴールで失点すると、44分に記憶に残るゴールが。“ドラゴン”の愛称でも知られる久保竜彦がハーフウェイライン付近から強烈なロングシュートを突き刺した。試合は、2-1で浦和が勝利している。なお、このシーズン横浜FCは1年でJ2に降格している。 ◆2008年3月9日(平成20年) 徳島ヴォルティス 0-2 横浜FC [鳴門・大塚スポーツパークポカリスエットスタジアム] 36分:山田卓也(横浜FC) 62分:アンデルソン(横浜FC) 【横浜FC】 GK:小山健二 DF:中田洋介、吉本岳史、八田康介、三浦淳宏 MF:山田卓也、エリゼウ、根占真伍、滝澤邦彦、長谷川太郎 FW:アンデルソン 16年目のJリーグはJ2で迎えた。しかし、カズは開幕戦のメンバー外に。ヴィッセル神戸時代以来、2度目の開幕戦に絡まないシーズンとなった。 試合は山田、アンデルソンのゴールで0-2で勝利。監督は、V川崎時代の同僚でもある都並敏史が務めていた。なお、シーズンを通しては30試合に出場し、MFでのプレーが増えていた。 ◆2009年3月8日(平成21年) 湘南ベルマーレ 2-1 横浜FC [平塚競技場] 23分:阿部吉朗(湘南ベルマーレ) 53分:アジエル(湘南ベルマーレ) 89分:西田剛(横浜FC) 【横浜FC】 GK:岩丸史也 DF:田中輝和、早川知伸、戸川健太、吉田正樹 MF:三浦淳宏、須藤右介、加藤大志、片山奨典 FW:池元友樹、難波宏明 17年目のJリーグ開幕は、カズはベンチ入りを果たす。アウェイでの湘南戦となり、V川崎時代から何度も開幕戦で対戦した相手となった。 カズは1点ビハインドの50分に池元に代わって出場。開幕戦に出場したのは、2006年以来3年ぶりとなった。しかし、チームは2-1で敗戦している。 ◆2010年3月7日(平成22年) 横浜FC 2-0 ギラヴァンツ北九州 [ニッパツ三ツ沢球技場] 27分:髙地系治(横浜FC) 39分:髙地系治(横浜FC) 【横浜FC】 GK:シュナイダー潤之介 DF:柳沢将之、金裕晋、渡邉将基、田中輝和 MF:小野智吉、シルビーニョ、寺田紳一、髙地系治 FW:大黒将志、サーレス 18年目のJリーグ開幕もカズはベンチ入り。ホームでの開幕戦を迎えた。試合は前半から横浜FCが押し込む展開となり、髙地の2ゴールで2点リード。カズは78分に大黒と交代でピッチに入り、2年連続の開幕戦出場を果たした。試合は2-0で勝利している。 ◆2011年3月6日(平成23年) 横浜FC 1-2 カターレ富山 [ニッパツ三ツ沢球技場] 17分:藤田祥史(横浜FC) 32分:苔口卓也(カターレ富山) 17分:黒部光昭(カターレ富山) 【横浜FC】 GK:関憲太郎 DF:柳沢将之、飯尾和也、中野洋司、宮崎智彦 MF:ファビーニョ、カイオ、藤田優人、佐藤謙介 FW:難波宏明、藤田祥史 19年目のJリーグ開幕戦もカズはベンチスタート。2年連続でホームで開幕を迎えることとなった。 この試合では、現在も横浜FCでプレーする佐藤謙介がスタメン出場。試合は藤田のゴールで先制するも、苔口のゴールで同点に。すると同点で迎えた66分に、佐藤に代わってカズが登場。しかし、黒部にゴールを許し、1-2で敗戦となった。 ◆2012年3月4日(平成24年) 水戸ホーリーホック 2-1 横浜FC [ケーズデンキスタジアム水戸] 10分:大久保哲哉(横浜FC) 42分:小澤司(水戸ホーリーホック) 69分:島田祐輝(水戸ホーリーホック) 【横浜FC】 GK:関憲太郎 DF:杉山新、渡邉将基、ペ・スンジン、阿部巧 MF:ホベルト、中里崇宏、内田智也、野崎陽介 FW:難波宏明、大久保哲哉 20年目と節目を迎えたJリーグ。しかし、その開幕戦のメンバーにカズの名前はなかった。 このシーズンは、フットサルの全国リーグ・Fリーグのエスポラーダ北海道の一員としてプレーしたカズ。開幕戦には出場できず、チームもアウェイで敗戦。カズ自身もシーズンを通して14試合の出場にとどまっていた。 なお、同年にタイで行われたフットサル・ワールドカップに日本代表として出場している。 ◆2013年3月3日(平成25年) FC岐阜 0-2 横浜FC [岐阜メモリアルセンター長良川競技場] 80分:野崎陽介(横浜FC) 86分:内田智也(横浜FC) 【横浜FC】 GK:柴崎貴広 DF:市村篤司、ペ・スンジン、野上結貴、西嶋弘之 MF:松下裕樹、寺田紳一、内田智也、中里崇宏 FW:武岡優斗、大久保哲哉 21年目のJリーグ開幕戦に、カズはベンチ入りを果たす。2年ぶりの出場も期待される中、試合はゴールレスのまま終盤へ。 すると80分に野崎、86分に内田が得点。2点リードすると、88分にカズが内田に代わってピッチへと登場。チームは0-2で勝利した。 ◆2014年3月2日(平成26年) 横浜FC 0-0 愛媛FC [ニッパツ三ツ沢球技場] 【横浜FC】 GK:南雄太 DF:小池純輝、ドウグラス、野上結貴、中島崇典 MF:寺田紳一、松下年宏、小野瀬康介、内田智也、飯尾一慶 FW:パク・ソンホ 22年目のJリーグ開幕戦では、カズは再びベンチ外となってしまう。なお、チームは0-0のゴールレスドローに終わった。 チームが変革の年を迎える中、このシーズンのカズは2試合の出場に留まり、キャリア最少の出場数となった。 ◆2015年3月8日(平成27年) ザスパクサツ群馬 0-1 横浜FC [正田醤油スタジアム群馬] 9分:大久保哲哉(横浜FC) 【横浜FC】 GK:南雄太 DF:市村篤司、野上結貴、パク・テホン、中島崇典 MF:中里崇宏、寺田紳一、松下年宏、小野瀬康介 FW:大久保哲哉、三浦知良 23年目のJリーグ。カズが開幕戦のスターティングメンバーに復帰した。48歳での開幕戦先発出場は史上最年長。カズにとっては2006年以来、9年ぶりの開幕スタメンとなった。 試合は早々に大久保が決めたゴールを守り切り、0-1で横浜FCが勝利。カズも65分までプレーした。 ◆2016年2月28日(平成28年) 横浜FC 0-1 カマタマーレ讃岐 [ニッパツ三ツ沢球技場] 74分:仲間隼斗(カマタマーレ讃岐) 【横浜FC】 GK:南雄太 DF:市村篤司、野上結貴、西河翔吾 MF:田所諒、中里崇宏、寺田紳一、藤井悠太、松下年宏 FW:津田知宏、大久保哲哉 24年目のJリーグ開幕戦は、カズはベンチスタート。前年からチームを率いるミロシュ・ルス監督の下でプレーした。 試合はこう着状態のまま終盤にさしかかろうとした74分に仲間がゴールし讃岐が先制。カズは83分に中里に代わって出場も、ゴールを奪えず、チームは0-1で敗れた。 ◆2017年2月26日(平成29年) 横浜FC 1-0 松本山雅FC [ニッパツ三ツ沢球技場] 16分:野村直輝(横浜FC) 【横浜FC】 GK:南雄太 DF:藤井悠太、カルフィン・ヨン・ア・ピン、西河翔吾、田所諒 MF:佐藤謙介、中里崇宏、ジョン・チュングン、野村直輝 FW:イバ、三浦知良 25年目の節目のシーズンを迎えたJリーグ開幕戦、カズは自身50歳の誕生日に、2年ぶりにスタメン出場を果たす。今もエースとして活躍するFWイバと2トップを形成した。 試合は16分に野村のゴールで横浜FCが先制。カズは65分までピッチに立ち、津田と交代した。試合は1-0で横浜FCが逃げ切っている。 なお、2017年3月12日のザスパクサツ群馬戦でゴールを記録し、50歳と14日に最年長ゴール記録を更新。これはギネス記録にも認定されている。 ◆2018年2月25日(平成30年) 横浜FC 0-0 松本山雅FC [ニッパツ三ツ沢球技場] 【横浜FC】 GK:南雄太 DF:藤井悠太、渡邉将基、カルフィン・ヨン・ア・ピン、武田英二郎 MF:佐藤謙介、中里崇宏、渡邊一仁、野村直輝 FW:イバ、ジョン・チュングン 26年目のJリーグ、カズの誕生日前日の開幕戦はベンチスタートとなった。 2年連続で松本との開幕戦となった横浜FCだったが、この試合はこう着状態が続きゴールが生まれない。緊迫した試合の中、カズの出番はなく、試合も0-0のゴールレスドローに終わった。 ◆2019年2月24日(平成31年) V・ファーレン長崎 vs 横浜FC [トランスコスモススタジアム長崎] 27年目、そして平成最後のJリーグが開幕する。誕生日を2日後に控えるカズは、51歳。自身の最年長記録を更新するか、注目が集まる。 昭和に生まれ、サッカーを始めたカズ。平成5年のJリーグ最初のゲームに先発したカズは、平成最後の開幕戦に出場する可能性もある。Jリーグ、そして平成とともに歩んできたカズのサッカー人生。久々のカズダンスを開幕戦で見たいものだ。 2019.02.24 12:00 Sun5