積極補強でJ1昇格行きを目指す岡山が選手背番号発表! GKブローダーセンは「49」、FWガブリエル・シャビエルは「8」
2024.01.09 18:30 Tue
守護神候補のブローダーセン
ファジアーノ岡山は8日、2024シーズンの選手背番号を発表した。
木山隆之監督が率いた2023シーズンは明治安田生命J2リーグで10位。2022年の3位からは順位を落としたシーズンとなった。
2024シーズンも木山監督が続投する岡山。積極補強を敢行し、GKには横浜FCからスベンド・ブローダーセンを、DFにはアルビレックス新潟のDF田上大地、FC琉球からDF柳貴博を補強。中盤には清水エスパルスからMF竹内涼、モンテディオ山形からMF藤田息吹、前線には名古屋グランパスや北海道コンサドーレ札幌でプレーしたFWガブリエル・シャビエル、韓国2部の慶南FCからFWグレイソンらを獲得した。
経験値のある選手を補強し、J1昇格を改めて目指す岡山。ブローダーセンは「49」、田上は「18」、柳は「88」、竹内は「7」、藤田は「24」、ガブリエル・シャビエルは「8」、グレイソンは「9」をつけることとなる。
また、MF田中雄大が「14」から「10」、MF田部井涼が「41」から「14」に変更となった。
GK
1.堀田大暉
13.金山隼樹
21.川上康平←東洋大学/新加入
49.スベンド・ブローダーセン←横浜FC/完全
DF
2.高木友也
4.阿部海大←ブラウブリッツ秋田/期限付き満了
5.柳育崇
15.本山遥
16.河野諒祐
18.田上大地←アルビレックス新潟/完全
55.藤井葉大←飯塚高校/新加入
88.柳貴博←FC琉球/完全
MF
6.輪笠祐士
7.竹内涼←清水エスパルス/完全
10.田中雄大※背番号変更「14」
14.田部井涼※背番号変更「41」
17.末吉塁
19.岩渕弘人←いわきFC/完全
20.井川空
24.藤田息吹←モンテディオ山形/完全
25.吉尾虹樹←法政大学/新加入
27.木村太哉※背番号変更「19」
42.高橋諒
43.鈴木喜丈
44.仙波大志←サンフレッチェ広島/期限付き延長
FW
8.ガブリエル・シャビエル←シャペコエンセ(ブラジル)/完全
9.グレイソン←慶南FC(韓国)/完全
11.太田龍之介←明治大学/新加入
29.齋藤恵太←ブラウブリッツ秋田/完全
99.ルカオ
木山隆之監督が率いた2023シーズンは明治安田生命J2リーグで10位。2022年の3位からは順位を落としたシーズンとなった。
2024シーズンも木山監督が続投する岡山。積極補強を敢行し、GKには横浜FCからスベンド・ブローダーセンを、DFにはアルビレックス新潟のDF田上大地、FC琉球からDF柳貴博を補強。中盤には清水エスパルスからMF竹内涼、モンテディオ山形からMF藤田息吹、前線には名古屋グランパスや北海道コンサドーレ札幌でプレーしたFWガブリエル・シャビエル、韓国2部の慶南FCからFWグレイソンらを獲得した。
また、MF田中雄大が「14」から「10」、MF田部井涼が「41」から「14」に変更となった。
◆2024シーズン選手背番号
GK
1.堀田大暉
13.金山隼樹
21.川上康平←東洋大学/新加入
49.スベンド・ブローダーセン←横浜FC/完全
DF
2.高木友也
4.阿部海大←ブラウブリッツ秋田/期限付き満了
5.柳育崇
15.本山遥
16.河野諒祐
18.田上大地←アルビレックス新潟/完全
55.藤井葉大←飯塚高校/新加入
88.柳貴博←FC琉球/完全
MF
6.輪笠祐士
7.竹内涼←清水エスパルス/完全
10.田中雄大※背番号変更「14」
14.田部井涼※背番号変更「41」
17.末吉塁
19.岩渕弘人←いわきFC/完全
20.井川空
24.藤田息吹←モンテディオ山形/完全
25.吉尾虹樹←法政大学/新加入
27.木村太哉※背番号変更「19」
42.高橋諒
43.鈴木喜丈
44.仙波大志←サンフレッチェ広島/期限付き延長
FW
8.ガブリエル・シャビエル←シャペコエンセ(ブラジル)/完全
9.グレイソン←慶南FC(韓国)/完全
11.太田龍之介←明治大学/新加入
29.齋藤恵太←ブラウブリッツ秋田/完全
99.ルカオ
木山隆之
堀田大暉
金山隼樹
川上康平
スベンド・ブローダーセン
高木友也
阿部海大
柳育崇
本山遥
河野諒祐
田上大地
藤井葉大
柳貴博
輪笠祐士
竹内涼
田中雄大
田部井涼
末吉塁
岩渕弘人
井川空
藤田息吹
吉尾虹樹
木村太哉
髙橋諒
鈴木喜丈
仙波大志
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グレイソン
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なぜ18歳・佐藤龍之介はファジアーノ岡山でブレイクできたのか? E-1選手権で“内田篤人超え”が期待される若き才能の適応力とブレないメンタリティ
突出した適応力だ。今シーズンにFC東京からファジアーノ岡山に育成型期限付き移籍で加入した佐藤龍之介は、新たな環境に素早く順応し、自身の力を遺憾なく発揮している。 久保建英と同じ16歳でFC東京とプロ契約を結んだMFは、高卒1年目となるシーズンに武者修行を決断。約18年を過ごした東京を飛び出し、約660km離れた岡山に移り住んだ。 未到の地で単身生活をしながら、プロサッカー選手として結果を出すことを目指す。私生活をはじめ不慣れなことも多く、決して簡単ではない。さらに、主に起用されるのは、サッカーキャリアで「初めて」のウイングバックである。まさに、初めて尽くしだ。しかし、ピッチ上では圧倒的なパフォーマンスを発揮している。 第23節終了時点では、17試合に出場してチーム最多の4ゴールを記録。第19節・湘南ベルマーレ戦では、先制点を奪うだけでなく、両チームトップの走行距離12.1kmとスプリント18回を叩き出した。右WBで攻守にハードワークしながら、74分からはシャドーに移り、タイムアップまでプレー。試合後に木山隆之監督は「1番ゴールを取る可能性がある人をピッチに残すのは、勝つのであれば当然かなと思います」とフル出場の意図を明かしており、その信頼は絶大だ。 地元の西東京市と岡山の雰囲気が「似ていた」ことも佐藤の背中を押したが、適応を可能にしている大きな要素は、素直さと向上心のように思う。 開幕前のキャンプ時にWBで起用された時は、「(WBは)オプションになればいいかな。メインはシャドーになると思う」と受け止めていた。だが、監督からのオーダーに応えながら、パスやドリブルで密集地を打開したりラストパスでチャンスを作ったりといった自分の良さを発揮することを両立させ、“WB・佐藤龍之介”は、完全に板についた。その結果、「18歳の今は自分のポジションを『ここだ』と決める段階でもないと思う。『トップ下やシャドーをやれていない』というネガティブな考えは、本当にゼロなんです。『WBで使ってみたい』と思わせるような特徴を自分は少なからず持っていると思うので、実際に使ってくれている今はその証明にもなっています」と、岡山で発見した自身の新たな可能性と向き合い、意識を変化させている。 第21節・横浜Fマリノス戦では初めて左WBで先発した。負傷によるイレギュラーな起用だったが、「練習で『左、やれるか?』と言われて、『うん、行けます』と言ってやりました」と、逆サイドでプレーすることによって発生する身体の向きやボールの置き所の変化も物ともせず。第22節・鹿島アントラーズ戦では鋭いカットインで左サイドを切り裂き、逆転ゴールを呼び込んだ。 “置かれた場所で咲きなさい”を体現している18歳の姿を、木山監督は「輝いている」と表現し、「『自分は絶対に上に行くんだ』って疑わないメンタリティを持っている。『とにかく上に行きたい』という意欲が、輝いている。ある意味、与えられた才能というか。誰かに教えられるものではないと思う。自分を疑っていないところが素晴らしい」と称賛する。 環境やチーム戦術、監督からのリクエストは、自分がコントロールできない部分だ。時には自分のイメージと違うこともある。それでも、全てのことを素直に受け止め、受け入れ、自分の成長を促す肥料に変えていく。 「将来的には世界のトップリーグでプレーしたり、日本代表としてワールドカップに出て活躍したりすることが目標です」。そう宣言する佐藤は、7月3日に発表される東アジアE-1選手権のメンバーに選出されれば、2008年大会での内田篤人の20歳という同大会の日本代表における最年少記録を更新することになる。 E-1選手権は、過去に柿谷曜一朗や森重真人、相馬勇紀や町野修斗らが1年後のW杯のメンバー入りを勝ち取っており、言わばサバイバルの場だ。チームとして戦いながらも、個人として強みを発揮するなどのアピールが是が非でも必要になる。もしかしたらチームメイトは仲間よりもライバルという側面の方が強いかもしれない。しかし、きっと佐藤なら特有のチーム状況下でも、自分の力を最大限に発揮できるのではないか。そう期待したくなる適応力を、岡山で十二分に見せている。 取材・文 難波拓未 2025.07.02 18:00 Wed2
煌めいた左足と越えられなかった壁。ファジアーノ岡山・加藤聖が長友佑都との対決で固めた決意
「チームが勝てていない状況で自分が出て勝てれば、大きなアピールになると思っていたんで、本当に今日に懸ける思いは強かった」 明治安田J1リーグ第35節でファジアーノ岡山はFC東京と対戦。契約の都合により出場できないMF佐藤龍之介に代わり、左ウイングバックで先発に名を連ねたのはMF加藤聖だった。第33節のアルビレックス新潟戦では先発フル出場し、佐藤がFIFA U-20ワールドカップ(W杯)から戻ってきた前節のセレッソ大阪戦では出番なし。5歳下の後輩とのポジション争いにおいて、非常に大事な一戦に覚悟を持って臨んだ。 前半はFC東京にボールを握られる展開だったが、岡山は[5-4-1]と[4-4-2]を使い分け、左右の揺さぶりに対応していく。加藤も最終ラインに下がり逆サイドからのクロスをケアしながら、マッチアップの日本代表DF長友佑都に強くアプローチ。チームとしても個人としても良い形でボールを奪う場面も作った。 しかし、岡山の攻撃が活性化しない。「良い形で取った後の1本目が繋がらない。それが攻撃の波を作れない原因。慌てず一度持つ、そういう選択肢も入れないといけない」と加藤も反省を口にした。 マイボールの時間が作れないということは、加藤がタッチラインを駆け上がる時間がないことを意味する。正確かつ鋭い左足のキックを武器に持つ背番号50は、自らのドリブルで相手を突破したり局面を打開するよりも、シャドーやボランチとのパス交換でマークを外しながら深い位置まで進入していく形を得意としている。左足の一振りで決定機を作れる場所に、自分自身を持っていくことができなかった。 特徴を生かしにくい展開ではあったが、20分に伝家の宝刀を振り抜く状況を自ら作る。相手陣内の左サイドでFW一美和成がこぼれ球に反応すると、スペースに転がったボールに加藤がいち早く反応。MF小泉慶に足を引っ掛けられて、FKを獲得した。 キッカーは、加藤。両手で丁寧にボールを置き、軸足を何度も踏み込んでぬかるんだピッチを確認し、呼吸を整えてから左足を振り抜く。鋭いカーブの掛かったボールは小泉と長友の間を通過し、急減速してニアに飛び込んだMF江坂任の右足にピタリと届いた。 「雨だからとか言い訳はできません。キッカーである以上、どんな状況でも良いボールを蹴れないといけないので」 シュートは相手GKの好セーブに防がれたが、我慢強く戦う前半における最大の決定機は、相手に守備の機会を与えないほどの精度を持つ加藤の左足にしか作れないものだった。 後半開始早々に先制点を許してからFC東京が自陣に引いたため、岡山はパスを繋げて相手ゴールに向かっていく。左サイドでコンビを組むDF鈴木喜丈と江坂のところからは効果的な前進の回数を増やすも、加藤は長友の壁を越えられない。背後のスペースを突き、相手を置き去りにしてクロスを上げるシーンをあまり作れず。タッチライン沿いで相手のマークを引きつけパスワークに加わった結果、味方を押し出すことはできていたが、前半に希望と可能性を示した左足は影を潜めた。 スタートから送り出した木山隆之監督は、試合後の会見で「やっぱりもっとやらないと。攻守に悪くないけど、もっと期待しているんで。対面している長友選手は代表選手だけど39歳。聖は24歳。いろんな駆け引きや技術的なところで敵わなかったとしても、もっとアクティブに、もっと相手に向かっていってやってほしいという思いは、彼には常々持っているんで。技術だけじゃなくて、そのメンタリティーの部分とか闘争心の部分でもっと求めたいと思っていますし、やってほしいです」と期待しているからこその厳しい評価を口にした。 71分にMF柳貴博との交代で逆サイドのタッチラインからピッチを出ると、ベンチに戻る足取りは重く、顔も下を向いていた。その後、チームは同点に追いつくも、後半終了間際に2失点を許して1-3で敗戦した。 「自分が出ている時間で勝ち越しまで持っていきたかったし、フルで出たかったという思いもありますけど、とにかく与えられた時間で自分が何かを残したかったという気持ちがあったので、悔しかった」 長友というレジェンドを相手に圧倒的な活躍を示すことができていれば、佐藤を再びシーズン序盤にプレーしていた右サイドに追いやることにも繋がったかもしれない。「前半はうまく守れたというか、自由にさせないことはある程度できた」と、課題として取り組んでいるタイトに守る部分で一定の手応えを得られていたからこそ、攻撃面で圧倒的なものを出せず、巡ってきたチャンスを生かしきれなかったことに悔いが残る。 今シーズンは残り3試合。次節は佐藤も元気な状態でピッチに戻ってくる。だが、加藤の心は折れていない。 「日本サッカーのレジェンドと言える選手とのマッチアップも楽しみだったし、ここを抑えて上に行きたい気持ちもあった。もっと成長して、次はぶち抜けるように頑張りたいです」 試合後の取材で何度も口にした、“ぶち抜く”。マッチアップの相手選手を突破し、置き去りにし、サイドを制圧する。その言葉を体現するプレーを待っているし、「加藤聖ならできる」と信じている。 取材・文=難波拓未 2025.10.27 20:00 Mon3
「足をつっていたけど気持ちでやり切った」ファジアーノ岡山の柳貴博が3バックの右で緊急対応 今季初のフル出場はチームと指揮官への恩返し
不測の事態を救ったのは、指揮官の愛弟子だった。 ファジアーノ岡山は、J1リーグ第26節で柏レイソルと対戦した。アウェイでの前回対戦は力の差を感じる0ー2での敗戦だったが、ホームで迎えた今節は開始早々からハイプレスと縦に早い攻撃というスタイルを貫徹。首位奪還に燃える相手の勢いを飲み込み、2ー1で勝利し、5月18日の第17節アルビレックス新潟戦以来、ホームゲームでは約3カ月ぶりとなる勝利を満員のサポーターたちと分かち合った。 開始早々4分での先制点や前半に柏のシュートをゼロに抑えたことをはじめ、大きなインパクトを残す勝利だったことは間違いない。しかし、決して順風満帆な試合ではなかった。 1ー0で迎えた31分、3バックの右で先発した立田悠悟が膝に手を当てた後、ピッチに座り込んだ。26分に自分のパスミスから招いたペナルティーエリア右でのピンチをスライディングで防いだ場面で痛めたのだろうか。これまで先発した23試合のうち22試合にフル出場してきた守備の要が、まさかのプレー続行不可となってしまった。 対応策としては、3バックの右でプレーできるベンチメンバーを投入するのが定石だろう。だが、今節の控えにはDF登録の選手は左利きの工藤孝太のみ。背番号15は、3バックの左を専門にしていることに加え、3バックの左で先発した鈴木喜丈とのバトンタッチが勝利の方程式になりつつあるため、立田の代役を担うことは難しい。岡山は、非常事態に陥ったのだ。 「立田は普段そんなに痛んだり途中で疲れたりして交代することがまずない選手なので。喜丈が少し怪我明けだったこともあって、90分持たない可能性があるので、ディフェンスのサブは左に孝太を入れていました。『どうしようかな』と思った時、選択肢としては(柳)貴博を下げて(松本)昌也を入れるのが、最もチームとしての力を保てるのではと思いました」(木山隆之監督) 32分、立田が担架でピッチを退き、松本がベンチから駆け出していくと、右ウイングバックで先発していた柳貴博が3バックの右に入った。 「そのポジションはやったことがなかったんですけど」と文字通りの緊急対応だったが、「悠悟がダメってなった瞬間、こうなるんじゃないかなと思った」と瞬時に悟り、「やるからにはしっかりやらないといけない」と腹を括った。 とは言え、普段の守り方と異なることは明確で、それにアジャストすることが必要不可欠だった。サイドを縦にスライドして守る本職のウイングバックとは違い、3バックの右は目の前の相手を潰すだけでなく、横のスライドでの味方のカバーリングも主な役割になってくる。より自陣ゴールに近いポジションであるため、繊細かつ的確な守備対応が求められる。それに加えて、柏のサイドでのローテーションアタックを防ぐには、ウイングバックやボランチとのマークの受け渡しをスムーズに行わなければならない。パワーやスピードで相手との1対1を制すという今まで担ってきたタスクと比べると、複雑性は一気に増す。 しかし、試合が再開されると、不慣れなポジションであることを忘れるくらい出色の出来を見せた。柏のパス回しに合わせて立ち位置を微調整しながら、縦パスにはタイトに反応し、背後へのボールも素早くスペースを埋めて処理する。守備でアラートな状態を保ちつつ、攻撃ではボランチやウイングバックへの的確な配球でリズムを作った。 「常に3バックの距離感を確認しながら、(田上)大地くんの後ろを守ることと、右サイドにボールがある時はしっかりと前に潰していくことを意識した。昌也くんと大地くん、ボランチのイブくん(藤田息吹)にもすごく助けられながらやることができた」 90+5分に1失点を許したものの、3バックの右に穴を開けることなく、最後までプレー。タイムアップを告げるホイッスルを今シーズン初めてピッチ上で聞くと、両手の拳を天に突き出して勝利の喜びを噛み締めた。 「みんなが声をかけてサポートしてくれたから、なんとかやり切れたかなと思います。体力が持つか心配でした。今年はまだ90分プレーしていなかったし、本当にギリギリでした。最後はほぼ足をつっていましたけど、代わりがいなかったのでやるしかないですし、気持ちでやり切りました。結果的に勝つことができて良かったです」 3年ぶりにJ1に戻ってきた今シーズンは怪我での離脱もあり、(第25節終了時点では)11試合の出場でプレータイムは620分のみ。1試合における最長の出場時間は、第3節・ガンバ大阪戦の82分だった。しかも、今節はアディショナルタイムを含めて100分を経過していた。これまで以上に耐久力も集中力も必要だった試合を戦い切り、役割を完遂してみせたのだ。 2019年にモンテディオ山形で、2020年にはベガルタ仙台で、2024年からは岡山で、木山監督の下でプレーしている。今節のパフォーマンスは、「木山さんからは気持ちを含めた戦うところを学ばせてもらい、選手としてもう一段階上がるキッカケをもらった。いろんなことがあっても、また呼んでもらったことが自分の中で本当にうれしかったです。岡山を含めて、木山さんのためにしっかり結果を出して力になりたい気持ちが強い」と加入時に話していたように、チームと指揮官への恩返しになったに違いない。 「試合に出してもらえている以上は、必ずチームの勝利に貢献しなきゃいけないと思っています。やっぱりJ1は簡単な世界じゃないので、1試合1試合を死に物狂いでやっている。その中で、もっともっと結果を残していけたらいいかなというふうに思います」 これからも柳貴博は、J1でプレーできる幸せを感じながら、岡山のために、木山監督のために、全身全霊で戦い続ける。 取材・文=難波拓未 2025.08.19 12:00 Tue4
プレーできる喜びと共に初の連勝に導く仕事を目指す! 東京VのMF福田湧矢「しっかり勝って波に乗っていけたら」
東京ヴェルディは29日、JFE晴れの国スタジアムで行われる明治安田J1リーグ第13節でファジアーノ岡山と対戦する。ここにきて状態を上げてきているMF福田湧矢が今季初の連勝目指す一戦への意気込みを語った。 東京Vは前節、セレッソ大阪とのホームゲームで1-0の勝利。リーグ4戦ぶりの得点とともに6戦ぶりの白星を挙げて13位に浮上した。 そして、団子状態が続く中で今節は今季初の連勝を懸け、昇格組ながらトップハーフの8位に位置する岡山とのアウェイゲームに臨む。 直近のリーグ戦4試合連続スタメンに加え、16日のルヴァンカップのブラウブリッツ秋田戦では逆転勝利に導く加入後初ゴールを挙げるなど、ここにきて存在感を増す福田。 C大阪戦では[3-4-2-1]の右シャドーでプレーし、幾度か訪れた決定機こそ仕留め切れなかったが、“ボールを奪いに行く”というリアリティのある果敢なプレッシング、走力を活かした献身的なプレスバックで、FW木村勇大、FW山見大登のトリデンテでタフな守備のタスクを完遂。攻撃でもウイングバックのMF翁長聖との連携でチャンスシーンにも絡んだ。 個人としてはチーム全体の課題でもある最後の質の改善が必要だと振り返りながらも、粘り強く戦った末の勝ち点3を評価している。 「セレッソも巧かったですし、なかなか入りのところで自分たちでペースを握れなかったなか、ああやって点を取れて勝てたのは大きいと思います。個人的には点を取れるシーンが何シーンかあったので、そういうところをもっと決めていければ、チームが楽に勝てるのかなと思います」 「(個人として)シュート自体は打てていますし、あとはそれを枠に入れるというところだけだと思うので、次は点を取ります」 ガンバ大阪時代から複数回繰り返してきた脳震とうの問題に関する不安は完全に拭い去ることはできないが、ここ数試合では球際の強度、運動量に加え、ドリブルの切れも増しており、コンディションが上がってきた。 普段のトレーニングでは試合翌日のリカバリーのジョギングの際にも、一人だけ楽しそうにボールを蹴る姿が印象的な生粋の“サッカー小僧”は、「去年の今頃はまだ松葉杖とかで本当に苦しい状態だったので、そう考えるといまは本当に幸せです。徐々にコンディションも上がってきていると思うので、ここからさらに頑張っていきたいです」と、、長く苦しいリハビリに励んでいた昨年の同時期を振り返りつつ、サッカーができる喜びを享受している。 次節対戦する岡山に関しては福田自身がJ2でプレー経験がないこともあり、「江坂(任)選手もルカオ選手もいますし、すごく強い印象はあります」と、初昇格で躍動の序盤戦を過ごす相手に対する漠然としたイメージを語った。 一方、対戦相手を率いる木山隆之監督は2021年9月から12月まで短期間ながらG大阪でコーチを務めており、福田は「熱い人でしたし、サッカーをちゃんと理解して教えてくれる方。数カ月でしたけど木山さんからはサッカーの話を聞いたりしていました」と、その印象を語った。 さらに、「一度呼び出されたことがあって、『お前は能力があるから、ちゃんと監督の言うことを聞いてプレーしろ。そしたら試合に出られるようになる』とアドバイスも受けました。それでやりだしたことでスタメンを掴んでということもあったので、感謝しています」 と、岡山指揮官とのエピソードも明かし、今回の対戦では成長した姿を見せたいと意気込む。 同じ布陣、志向するスタイルにおいて共通点も少なくない難敵との対戦では、やはり個人としてもチームとしても“戦う”というベースの部分が勝敗のカギを握ることになる。 福田も「マンツーマンというか、一対一の局面が多いと思うので、そこでどう剥がせるか。本当に細かい部分の勝負になると思うので、球際のところで一個一個の勝負や競り合いもそうですし、セカンドボールを拾う。たぶんそういうところの勝負になる。勝てればどんどん上に行けると思うので、ここはしっかり勝って波に乗っていけたらなと思います」と、強い覚悟とともに初の連勝を誓った。 2025.04.28 17:00 Mon5
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煌めいた左足と越えられなかった壁。ファジアーノ岡山・加藤聖が長友佑都との対決で固めた決意
「チームが勝てていない状況で自分が出て勝てれば、大きなアピールになると思っていたんで、本当に今日に懸ける思いは強かった」 明治安田J1リーグ第35節でファジアーノ岡山はFC東京と対戦。契約の都合により出場できないMF佐藤龍之介に代わり、左ウイングバックで先発に名を連ねたのはMF加藤聖だった。第33節のアルビレックス新潟戦では先発フル出場し、佐藤がFIFA U-20ワールドカップ(W杯)から戻ってきた前節のセレッソ大阪戦では出番なし。5歳下の後輩とのポジション争いにおいて、非常に大事な一戦に覚悟を持って臨んだ。 前半はFC東京にボールを握られる展開だったが、岡山は[5-4-1]と[4-4-2]を使い分け、左右の揺さぶりに対応していく。加藤も最終ラインに下がり逆サイドからのクロスをケアしながら、マッチアップの日本代表DF長友佑都に強くアプローチ。チームとしても個人としても良い形でボールを奪う場面も作った。 しかし、岡山の攻撃が活性化しない。「良い形で取った後の1本目が繋がらない。それが攻撃の波を作れない原因。慌てず一度持つ、そういう選択肢も入れないといけない」と加藤も反省を口にした。 マイボールの時間が作れないということは、加藤がタッチラインを駆け上がる時間がないことを意味する。正確かつ鋭い左足のキックを武器に持つ背番号50は、自らのドリブルで相手を突破したり局面を打開するよりも、シャドーやボランチとのパス交換でマークを外しながら深い位置まで進入していく形を得意としている。左足の一振りで決定機を作れる場所に、自分自身を持っていくことができなかった。 特徴を生かしにくい展開ではあったが、20分に伝家の宝刀を振り抜く状況を自ら作る。相手陣内の左サイドでFW一美和成がこぼれ球に反応すると、スペースに転がったボールに加藤がいち早く反応。MF小泉慶に足を引っ掛けられて、FKを獲得した。 キッカーは、加藤。両手で丁寧にボールを置き、軸足を何度も踏み込んでぬかるんだピッチを確認し、呼吸を整えてから左足を振り抜く。鋭いカーブの掛かったボールは小泉と長友の間を通過し、急減速してニアに飛び込んだMF江坂任の右足にピタリと届いた。 「雨だからとか言い訳はできません。キッカーである以上、どんな状況でも良いボールを蹴れないといけないので」 シュートは相手GKの好セーブに防がれたが、我慢強く戦う前半における最大の決定機は、相手に守備の機会を与えないほどの精度を持つ加藤の左足にしか作れないものだった。 後半開始早々に先制点を許してからFC東京が自陣に引いたため、岡山はパスを繋げて相手ゴールに向かっていく。左サイドでコンビを組むDF鈴木喜丈と江坂のところからは効果的な前進の回数を増やすも、加藤は長友の壁を越えられない。背後のスペースを突き、相手を置き去りにしてクロスを上げるシーンをあまり作れず。タッチライン沿いで相手のマークを引きつけパスワークに加わった結果、味方を押し出すことはできていたが、前半に希望と可能性を示した左足は影を潜めた。 スタートから送り出した木山隆之監督は、試合後の会見で「やっぱりもっとやらないと。攻守に悪くないけど、もっと期待しているんで。対面している長友選手は代表選手だけど39歳。聖は24歳。いろんな駆け引きや技術的なところで敵わなかったとしても、もっとアクティブに、もっと相手に向かっていってやってほしいという思いは、彼には常々持っているんで。技術だけじゃなくて、そのメンタリティーの部分とか闘争心の部分でもっと求めたいと思っていますし、やってほしいです」と期待しているからこその厳しい評価を口にした。 71分にMF柳貴博との交代で逆サイドのタッチラインからピッチを出ると、ベンチに戻る足取りは重く、顔も下を向いていた。その後、チームは同点に追いつくも、後半終了間際に2失点を許して1-3で敗戦した。 「自分が出ている時間で勝ち越しまで持っていきたかったし、フルで出たかったという思いもありますけど、とにかく与えられた時間で自分が何かを残したかったという気持ちがあったので、悔しかった」 長友というレジェンドを相手に圧倒的な活躍を示すことができていれば、佐藤を再びシーズン序盤にプレーしていた右サイドに追いやることにも繋がったかもしれない。「前半はうまく守れたというか、自由にさせないことはある程度できた」と、課題として取り組んでいるタイトに守る部分で一定の手応えを得られていたからこそ、攻撃面で圧倒的なものを出せず、巡ってきたチャンスを生かしきれなかったことに悔いが残る。 今シーズンは残り3試合。次節は佐藤も元気な状態でピッチに戻ってくる。だが、加藤の心は折れていない。 「日本サッカーのレジェンドと言える選手とのマッチアップも楽しみだったし、ここを抑えて上に行きたい気持ちもあった。もっと成長して、次はぶち抜けるように頑張りたいです」 試合後の取材で何度も口にした、“ぶち抜く”。マッチアップの相手選手を突破し、置き去りにし、サイドを制圧する。その言葉を体現するプレーを待っているし、「加藤聖ならできる」と信じている。 取材・文=難波拓未 2025.10.27 20:00 Mon2
「足をつっていたけど気持ちでやり切った」ファジアーノ岡山の柳貴博が3バックの右で緊急対応 今季初のフル出場はチームと指揮官への恩返し
不測の事態を救ったのは、指揮官の愛弟子だった。 ファジアーノ岡山は、J1リーグ第26節で柏レイソルと対戦した。アウェイでの前回対戦は力の差を感じる0ー2での敗戦だったが、ホームで迎えた今節は開始早々からハイプレスと縦に早い攻撃というスタイルを貫徹。首位奪還に燃える相手の勢いを飲み込み、2ー1で勝利し、5月18日の第17節アルビレックス新潟戦以来、ホームゲームでは約3カ月ぶりとなる勝利を満員のサポーターたちと分かち合った。 開始早々4分での先制点や前半に柏のシュートをゼロに抑えたことをはじめ、大きなインパクトを残す勝利だったことは間違いない。しかし、決して順風満帆な試合ではなかった。 1ー0で迎えた31分、3バックの右で先発した立田悠悟が膝に手を当てた後、ピッチに座り込んだ。26分に自分のパスミスから招いたペナルティーエリア右でのピンチをスライディングで防いだ場面で痛めたのだろうか。これまで先発した23試合のうち22試合にフル出場してきた守備の要が、まさかのプレー続行不可となってしまった。 対応策としては、3バックの右でプレーできるベンチメンバーを投入するのが定石だろう。だが、今節の控えにはDF登録の選手は左利きの工藤孝太のみ。背番号15は、3バックの左を専門にしていることに加え、3バックの左で先発した鈴木喜丈とのバトンタッチが勝利の方程式になりつつあるため、立田の代役を担うことは難しい。岡山は、非常事態に陥ったのだ。 「立田は普段そんなに痛んだり途中で疲れたりして交代することがまずない選手なので。喜丈が少し怪我明けだったこともあって、90分持たない可能性があるので、ディフェンスのサブは左に孝太を入れていました。『どうしようかな』と思った時、選択肢としては(柳)貴博を下げて(松本)昌也を入れるのが、最もチームとしての力を保てるのではと思いました」(木山隆之監督) 32分、立田が担架でピッチを退き、松本がベンチから駆け出していくと、右ウイングバックで先発していた柳貴博が3バックの右に入った。 「そのポジションはやったことがなかったんですけど」と文字通りの緊急対応だったが、「悠悟がダメってなった瞬間、こうなるんじゃないかなと思った」と瞬時に悟り、「やるからにはしっかりやらないといけない」と腹を括った。 とは言え、普段の守り方と異なることは明確で、それにアジャストすることが必要不可欠だった。サイドを縦にスライドして守る本職のウイングバックとは違い、3バックの右は目の前の相手を潰すだけでなく、横のスライドでの味方のカバーリングも主な役割になってくる。より自陣ゴールに近いポジションであるため、繊細かつ的確な守備対応が求められる。それに加えて、柏のサイドでのローテーションアタックを防ぐには、ウイングバックやボランチとのマークの受け渡しをスムーズに行わなければならない。パワーやスピードで相手との1対1を制すという今まで担ってきたタスクと比べると、複雑性は一気に増す。 しかし、試合が再開されると、不慣れなポジションであることを忘れるくらい出色の出来を見せた。柏のパス回しに合わせて立ち位置を微調整しながら、縦パスにはタイトに反応し、背後へのボールも素早くスペースを埋めて処理する。守備でアラートな状態を保ちつつ、攻撃ではボランチやウイングバックへの的確な配球でリズムを作った。 「常に3バックの距離感を確認しながら、(田上)大地くんの後ろを守ることと、右サイドにボールがある時はしっかりと前に潰していくことを意識した。昌也くんと大地くん、ボランチのイブくん(藤田息吹)にもすごく助けられながらやることができた」 90+5分に1失点を許したものの、3バックの右に穴を開けることなく、最後までプレー。タイムアップを告げるホイッスルを今シーズン初めてピッチ上で聞くと、両手の拳を天に突き出して勝利の喜びを噛み締めた。 「みんなが声をかけてサポートしてくれたから、なんとかやり切れたかなと思います。体力が持つか心配でした。今年はまだ90分プレーしていなかったし、本当にギリギリでした。最後はほぼ足をつっていましたけど、代わりがいなかったのでやるしかないですし、気持ちでやり切りました。結果的に勝つことができて良かったです」 3年ぶりにJ1に戻ってきた今シーズンは怪我での離脱もあり、(第25節終了時点では)11試合の出場でプレータイムは620分のみ。1試合における最長の出場時間は、第3節・ガンバ大阪戦の82分だった。しかも、今節はアディショナルタイムを含めて100分を経過していた。これまで以上に耐久力も集中力も必要だった試合を戦い切り、役割を完遂してみせたのだ。 2019年にモンテディオ山形で、2020年にはベガルタ仙台で、2024年からは岡山で、木山監督の下でプレーしている。今節のパフォーマンスは、「木山さんからは気持ちを含めた戦うところを学ばせてもらい、選手としてもう一段階上がるキッカケをもらった。いろんなことがあっても、また呼んでもらったことが自分の中で本当にうれしかったです。岡山を含めて、木山さんのためにしっかり結果を出して力になりたい気持ちが強い」と加入時に話していたように、チームと指揮官への恩返しになったに違いない。 「試合に出してもらえている以上は、必ずチームの勝利に貢献しなきゃいけないと思っています。やっぱりJ1は簡単な世界じゃないので、1試合1試合を死に物狂いでやっている。その中で、もっともっと結果を残していけたらいいかなというふうに思います」 これからも柳貴博は、J1でプレーできる幸せを感じながら、岡山のために、木山監督のために、全身全霊で戦い続ける。 取材・文=難波拓未 2025.08.19 12:00 Tue3
プレーできる喜びと共に初の連勝に導く仕事を目指す! 東京VのMF福田湧矢「しっかり勝って波に乗っていけたら」
東京ヴェルディは29日、JFE晴れの国スタジアムで行われる明治安田J1リーグ第13節でファジアーノ岡山と対戦する。ここにきて状態を上げてきているMF福田湧矢が今季初の連勝目指す一戦への意気込みを語った。 東京Vは前節、セレッソ大阪とのホームゲームで1-0の勝利。リーグ4戦ぶりの得点とともに6戦ぶりの白星を挙げて13位に浮上した。 そして、団子状態が続く中で今節は今季初の連勝を懸け、昇格組ながらトップハーフの8位に位置する岡山とのアウェイゲームに臨む。 直近のリーグ戦4試合連続スタメンに加え、16日のルヴァンカップのブラウブリッツ秋田戦では逆転勝利に導く加入後初ゴールを挙げるなど、ここにきて存在感を増す福田。 C大阪戦では[3-4-2-1]の右シャドーでプレーし、幾度か訪れた決定機こそ仕留め切れなかったが、“ボールを奪いに行く”というリアリティのある果敢なプレッシング、走力を活かした献身的なプレスバックで、FW木村勇大、FW山見大登のトリデンテでタフな守備のタスクを完遂。攻撃でもウイングバックのMF翁長聖との連携でチャンスシーンにも絡んだ。 個人としてはチーム全体の課題でもある最後の質の改善が必要だと振り返りながらも、粘り強く戦った末の勝ち点3を評価している。 「セレッソも巧かったですし、なかなか入りのところで自分たちでペースを握れなかったなか、ああやって点を取れて勝てたのは大きいと思います。個人的には点を取れるシーンが何シーンかあったので、そういうところをもっと決めていければ、チームが楽に勝てるのかなと思います」 「(個人として)シュート自体は打てていますし、あとはそれを枠に入れるというところだけだと思うので、次は点を取ります」 ガンバ大阪時代から複数回繰り返してきた脳震とうの問題に関する不安は完全に拭い去ることはできないが、ここ数試合では球際の強度、運動量に加え、ドリブルの切れも増しており、コンディションが上がってきた。 普段のトレーニングでは試合翌日のリカバリーのジョギングの際にも、一人だけ楽しそうにボールを蹴る姿が印象的な生粋の“サッカー小僧”は、「去年の今頃はまだ松葉杖とかで本当に苦しい状態だったので、そう考えるといまは本当に幸せです。徐々にコンディションも上がってきていると思うので、ここからさらに頑張っていきたいです」と、、長く苦しいリハビリに励んでいた昨年の同時期を振り返りつつ、サッカーができる喜びを享受している。 次節対戦する岡山に関しては福田自身がJ2でプレー経験がないこともあり、「江坂(任)選手もルカオ選手もいますし、すごく強い印象はあります」と、初昇格で躍動の序盤戦を過ごす相手に対する漠然としたイメージを語った。 一方、対戦相手を率いる木山隆之監督は2021年9月から12月まで短期間ながらG大阪でコーチを務めており、福田は「熱い人でしたし、サッカーをちゃんと理解して教えてくれる方。数カ月でしたけど木山さんからはサッカーの話を聞いたりしていました」と、その印象を語った。 さらに、「一度呼び出されたことがあって、『お前は能力があるから、ちゃんと監督の言うことを聞いてプレーしろ。そしたら試合に出られるようになる』とアドバイスも受けました。それでやりだしたことでスタメンを掴んでということもあったので、感謝しています」 と、岡山指揮官とのエピソードも明かし、今回の対戦では成長した姿を見せたいと意気込む。 同じ布陣、志向するスタイルにおいて共通点も少なくない難敵との対戦では、やはり個人としてもチームとしても“戦う”というベースの部分が勝敗のカギを握ることになる。 福田も「マンツーマンというか、一対一の局面が多いと思うので、そこでどう剥がせるか。本当に細かい部分の勝負になると思うので、球際のところで一個一個の勝負や競り合いもそうですし、セカンドボールを拾う。たぶんそういうところの勝負になる。勝てればどんどん上に行けると思うので、ここはしっかり勝って波に乗っていけたらなと思います」と、強い覚悟とともに初の連勝を誓った。 2025.04.28 17:00 Mon
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岡山GK椎名一馬が家庭の事情により一時離脱
▽ファジアーノ岡山は5日、GK椎名一馬(31)が一時チームを離脱することを発表した。 ▽クラブの発表によると、家庭の事情が理由とのこと。また、離脱期間は9月6日から1週間程度のようだ。 ▽2009年に流通経済大学から岡山に加入した椎名。今シーズンはここまで公式戦での出場はない。 2017.09.05 18:51 Tue5
