日韓戦で感じた違和感/六川亨の日本サッカーの歩み

2024.04.23 14:30 Tue
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とても奇妙な前半戦だった。パリ五輪のアジア最終予選を兼ねたU-23アジアカップのグループB最終戦、日本韓国は勝点6、得失点差+3で並び、両国の直接対決でグループBの1位と2位が決まる。1位抜けなら準々決勝はグループA2位のインドネシア、2位だとホストカントリーのカタールと対戦する。できればカタールとの対戦は避けたいところ。とはいえ、準々決勝で勝ったとしてもパリ五輪の出場権は獲得できない。そんな微妙な背景で試合は始まった。
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日本は第2戦のUAE戦から7人のメンバーを代えた。GK野澤大志ブランドンら3選手は今大会初出場だ。対する韓国も10人の選手を入れ替えてきた。グループリーグを1位で抜けようと2位になろうとも、準々決勝はパリへの通過点に過ぎない。主力選手をターンオーバーで温存するのは当然の策でもあった。そして前半は、奇妙なほど攻め手を欠く大凡戦だった。韓国が中盤での争いを避け、ロングボールによるカウンター狙いは今に始まったことではない。フィジカルの強さと空中戦での優位を生かし、セットプレーに活路を見いだすのも常套手段である。
対する日本も攻め手を欠いた。CBの高井幸大鈴木海音、ボランチの川﨑颯太と田中聡は安全第一なのか、それともポストプレーヤーが見つけられなかったのか、急所を突くようなタテパスは皆無で、サイドに開いた平川悠や藤尾翔太の足元に緩いパスをつなぐだけ。とはいえ両選手とも三笘薫伊東純也のようなドリブラーではないため、決定機を演出するまでにはいたらない。

互いに負けたくないという心理状態が色濃く反映された前半は、82年スペインW杯1次リーグの“出来レース"と言われた西ドイツ対オーストリアの試合(初戦でアルジェリアに負けた西ドイツが2次リーグに進むには最終戦のオーストリア戦を2点差以内で勝つしかなく、西ドイツが前半にリードすると後半は互いに無理をせず時間が過ぎるのを待った)を彷彿させる退屈な45分間だった。
ところが後半に入り13分過ぎから両チームとも選手交代をしたところ、突然攻撃が活性化した。日本は川﨑と田中に代えて藤田譲瑠チマ松木玖生を投入。やはり彼らが大岩剛監督にとって選択肢のファーストチョイスなのだろう。松木は後半26分にミドルサードで2人の選手に囲まれながらもフィジカルの強さを生かしてボールをキープすると、1トップの内野航太郎に決定的なスルーパス。安全を優先したプレーでは、組織的な守備を崩せないことを自ら証明した。

彼らと山本理仁、レフティーモンスターの山田楓喜が現チームの主力であり、準々決勝のカタール戦ではスタメンに名前を連ねると思う。そして、大岩監督の気持ちはわからないでもないが、野澤大志ブランドンは肉体的な資質は申し分ないものの、鈴木彩艶と同様にA代表やU-23代表で起用するには経験不足は否めないのではないだろうか。野澤は元々キックに難点があり、左足は得意ではないためトラップして右足に持ち替えることが多い。韓国戦でも冷やっとしたシーンがあったし、なんでもないシュートを後ろにそらしてOGの危険性もあった。

これまで2試合でチームを救った小久保怜央ブライアンを使っていれば、CKに飛び出てクリアするでもなく、中途半端なポジショニングで何もできずに失点したシーンも何とかできたのではないかと思ってしまう。期待するのは悪いことではない。しかし、その見極めを誰がいつするのか。これは個人的な見解だが、鈴木彩艶は今年のアジアカップで、野澤大志ブランドンは韓国戦のプレーをシビアに検証すべきだろう。


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東京Vの城福監督、今季初の東京ダービーへ「とにかく魂の宿ったいい試合をお見せしたい」

東京ヴェルディの城福浩監督が、2日に味の素スタジアムで行われる明治安田J1リーグ第8節のFC東京戦に向けた会見を実施した。 東京Vは3月29日にアウェイで行われた前節の柏レイソル戦を0-0で引き分けた。ルヴァンカップのAC長野パルセイロ戦に続き2試合連続無得点に終わり、今季初のリーグ連勝を逃す形となったが、内容面では開幕から好調を維持する上位相手に持ち味のアグレッシブなスタイルを前面に押し出して圧倒。90分を通しては今季のベストゲームと評価できる一戦となった。 そして、指揮官・選手ともにいい感触を得た12位のチームは、中3日での開催となる今季初の東京ダービーに臨む。 昇格2年目の今季は開幕数試合で結果・内容ともに振るわない戦いが続いたが、逆転勝利した名古屋グランパス戦の後半から躍動感ある昨季好調時のパフォーマンスを取り戻した感もある。 その点について城福監督も「我々らしさを出そうとしてくれている姿勢というのは信頼している」と、志向するスタイルにおけるファンダメンタルの部分が改善されたと感じている。 「目が覚めたという言い方がいいかもしれませんけど、それは彼ら自身もこのままではいけないという思いがあり、立ち返るところというのは彼ら自身もしっかりと考えてくれたというところはあると思います」 「満足ではないけれども、我々らしさを出そうとしてくれている姿勢というのは信頼していますし、それで表現できるものというのは、決して変な試合にはならないと。そこだけは自信を持っていると思うので、あとは勝ち点3を取るために足りないところをみんなで共有しながら、いかに90分で表現できるかというところだと思います」 「勝ち点3を取るため」という部分では公式戦2試合連続無得点の改善は急務。個々の決定力の向上、自分たちの時間帯に取り切る。守備面でハードワークを強いられる前線の選手にアタッキングサードでパワーを出させるようなゲーム運びはより意識したいところだ。 柏戦後に“超決定機”に持ち込む上での課題について「高いインテンシティの中でボールを奪って、もちろん息が上がった状態だと思いますけど、そこからの判断の精度であったり、パス、技術の精度をもうワンランク上げていくことが大事」と語っていた城福監督。 今回の会見の場では“判断”という部分に関してより具体的に説明。引き続きチーム全体の強度を維持するための選手層の拡充に取り組みつつ、「エネルギーのかけ方」という部分で、より成熟したチームに成長したいと考えている。 「今日も共有しましたけれども、エネルギーの使い方のバランス。例えば、ボールを奪うことに、相手に圧力をかけることにエネルギーをかけて、やらなければいけない時間帯もある。もうひとつのエネルギーのかけ方というのは、自分たちでボールを保持するというエネルギー。これは楽をするということではない。守備をするのと同じぐらい大変なことで、何人かがサポートをさぼれば、ボールを持っている選手が孤立して、相手のカウンターを食らう」 「チームとして、エネルギーのかけ方をどういうふうに変化させていくかというのは、ここが“判断”。判断の精度というのはその部分で、ドリブルをすべきか、パスをすべきかの判断ではなくて、エネルギーをどういうふうにかけるかという判断」 「ある選手はもっと裏へ蹴ろうと思っている。ある選手は足元という表現がいいか、動くことによってボールを保持することによって、前に進もうとしている。これを一致させていかないと。この前のゲームで言えば、我々が一番しんどい時間帯というのは、そこが一致していない時間帯でした」 「ここの判断が言い方によってはボールポゼッションをしてボールを走らせて、相手を動かすという言い方に重なるのかどうかわかりませんけど、僕らが間違ってはいけないのは、ボールを保持することが休むことではないということ。エネルギーのかけ方が変わるだけで、そこはこのチームの伸びしろだと思います」 手応えを活かしつつ、課題にも取り組みながら臨む今回の大一番。 松橋力蔵新監督の下で開幕白星スタートも、以降は度重なる負傷者の影響もあって直近は4試合無得点で1分け3敗の15位に低迷するFC東京について、“青赤”の元指揮官は新体制移行ゆえの難しさを認めながらも、カウンターの局面を中心にスピーディーな相手の攻撃を警戒している。 「監督が新しくなって、その監督の志向というのはすごく明確であることは、新潟時代を見てきてもよくわかりますし、そのチーム作りに向けて今は作っている最中なんだろうなというふうに想像します」 「これは自分もすごく理解するところですけれども、とはいえ今いる選手たちの特徴がある。それと監督自身がやりたいサッカーというのをどう合わせていくかというのは、どっちを優先するかという論議があるかどうかはわかりませんけど、監督とすれば、今いる選手たちの特徴を消すことだけはしたくないという思いがあると思う。という意味では、今いる選手の特徴がふんだんに出ている。それをすごく優先しているチーム作りをしているなと」 「非常にスピーディーで、特にカウンターに入ったときの個とかグループのスピード、そのかける人数というのは本当にJリーグの中でも、その局面においてはトップレベルになるのではないかなと思います」 昨季の2度の対戦はいずれもドロー。ホーム開催の初戦は前半の2点リードに加え、相手に退場者が出たなか、後半アディショナルタイムに痛恨の同点ゴールを奪われて2-2。アウェイ開催の2戦目は攻守に圧倒したものの、相手GK野澤大志ブランドンの驚異的なビッグセーブを前にゴールをこじ開けられず、0-0のドローに終わっていた。 内容的には今回の一戦に自信を持って臨めるところが、指揮官は「今年は勝てるのではないかというような空気感だけが我々の最大の敵」と、根拠に乏しい自信や過信を許さず。あくまでチャレンジャーとして難敵相手に全力を尽くすことを求めている。 「去年は2勝できたのではないか、できたはずだという思いが、我々サイドにあったとしたら、そこが一番怖い。去年の印象を持ったまま、キックオフを迎えないようにしなければいけない」 「何よりも個の強さ、個のスピードというのを持ち合わせているチームなので、相手のことを最大限リスペクトしながらも、自分たちの目指しているもの、最高のものを出さない限り、互角に勝負できないぐらいのつもりで、まずはピッチに立つことが大事です」 以前から首都ダービーの価値を高めたいと語ってきた指揮官だが、今季のダービー初戦は金Jでの開幕戦となった大阪ダービー、真冬の平日ナイトゲーム開催となった東京クラシックや横浜ダービー同様にミッドウィークのナイトゲーム開催に。 春休み中ではあるものの年度初めでの開催ということもあり、多くの社会人にとっては厳しいスケジュールでファン・サポーターからも不満の声も少なからずある。 いずれも3万人超えとなった昨季のダービーに対して、現状で2万5000人程度の来場見込みとなるが、指揮官は「もちろん1人でも多くの人に来てもらいたい」と正直な思いを語りつつも「それが何人であっても来ていただいているサポーターの熱い想いというのは、ホームでもアウェイでも我々は感じている」と、最高のゲームを披露することでダービーの価値を高めたいと意気込む。 「やはりJ1で戦う東京ダービーの価値というのは自分たちで高めなければいけないですし、自分たちが一番この価値をわかっていなければいけない。サポーターも盛り上がってくるでしょうし、もっと言えばお互いに負けられない状況の試合。とにかく魂の宿ったいい試合をお見せしたいし、そこでホームである我々がサポーターとともに喜べるような終わり方をしたいという思いでいます」 2025.04.01 18:00 Tue

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松木玖生の最適なポジションは?/六川亨の日本サッカーの歩み

今月16日、AFC U-23アジアカップ カタールの初戦、中国戦からパリ五輪出場権獲得のチャレンジが始まる。前回のコラムでも、DF陣の経験不足は否めないものの攻撃陣のタレントはバリエーションに富んでいて期待できるという原稿を書いた。そして先週と今週のJリーグを取材して、FC東京の松木玖生の新しい一面を見ることができて、その期待はさらに高まった。 松木といえば、青森山田高時代から、強靱なフィジカルと体幹の強さを生かした球際での勝負強さ、豊富な運動量と労を惜しまない献身的なプレーでチームに貢献してきたし、それはFC東京でも変わらない。そしてボランチのポジションから、時には意外性のある攻撃参加でゴールを決めたり、左足のロング、ミドルシュートで相手ゴールを脅かしたりしてきた。 そんな松木が、4月3日のJ1リーグ第6節の浦和戦では、荒木遼太郎と2トップに近い形で前線に起用された。すると、トップに張るのではなく変幻自在に左右に流れたり、落ちてきたりする荒木との絶妙のコンビネーションで攻撃陣をコントロール。とりわけ左サイドのFW俵積田晃太とSBバングーナガンデ佳史扶との相性は抜群で、意外性のあるパスで彼らの攻撃参加を引き出していた。 アウトサイドにかけたスペースへの絶妙なパスには「こんな技巧的なパスが出せるんだ」と感嘆してしまった。 試合は0-1とリードされた後半、左サイドで俵積田、佳史扶とつないだパスから荒木が同点弾。さらに松木のサイドチェンジを受けた俵積田のクロスをゴール前に走り込んだ松木がボレーで決めて逆転勝利を収めた。 そして4月7日の鹿島戦では、荒木がレンタル移籍のため起用できないものの、1トップに入った仲川輝人とトップ下の松木は好連係から難敵・鹿島に2-0の完勝を収めた。絶えずボールに触るわけではないが、効果的なサイドチェンジやスルーパスで味方を使う。これまでは、どちらかというと『使われる選手』と思っていたが、そのイメージは一新した。 先制点は左サイドからのふわりと浮かしたニアへのパスで仲川の今シーズン初ゴールを演出。そして後半アディショナルタイムにはMF原川力のヘッドによるインターセプトからのタテパスを簡単にさばいて2点目をお膳立てした。いずれも「肩の力の抜けた」ようなアシストに、松木の“変化"を感じずにはいられなかった。 彼をボランチからトップ下にコンバートし、前線には荒木を起用して松木の飛び出しを演出したピーター・クラモフスキー監督の采配は賞賛に値する。やっと1トップのドリブル突破任せのパターン化された攻撃スタイルから脱却できそうだ。 そんな松木を大岩剛監督はどのポジションで使うのか。攻守に効果的な選手だけに、使い出もあるだろうが、できれば攻撃的なポジションで使って欲しいところである。 2024.04.08 22:25 Mon
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「素晴らしい」「調子上げてる!」パリ五輪世代の小田裕太郎が今季5点目! 嗅覚で奪った逆転勝利に繋がる見事な同点ゴール

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20歳の誕生日を迎えた久保建英がFC東京・長谷川健太監督に感謝、20歳の意気込みは「大人のサッカー」

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