日本の強みを引き出したシステム変更、田中碧が生み出したピッチ上の流れ/日本代表コラム

2021.10.13 12:40 Wed
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◆課題を解決しW杯に向けリスタート
Getty Images

「試合に勝ててワールドカップへの道は繋がり、素晴らしい勝利となりました」と森保監督は語った。崖っぷちに立ち、強敵のオーストラリアに勝利したのだから、この結果は素晴らしいものと言える。今回の最終予選で初めてスタンドに日本のファンが入ったことも、大きな後押しになったはずだ。試合後、森保監督はその感謝を伝えるためにスタンドに出向き、大声で感謝の言葉を叫んだ。

采配を含め、様々な外野からの声に晒されることは、結果が出なければ致し方のないこと。森保監督は日々その覚悟を背負って戦っている。「進退に関しては特に今日の試合だけ懸かっているとは思っていません。代表監督に就任してから、毎試合後、監督としての道が続くのか岐路に立っている」と試合後に語った。

そう言った意味では、今まで採用しなかったシステムを選び、起用に消極的だった経験の少ない若い選手を送り込むという決断が、事態を好転させていると言える。実際、9月の中国代表戦でも、オマーン代表戦で敗れた結果、久保をトップ下で起用するという大胆な策に出て勝利を掴んでいた。

「自信を持って」と多くの選手が試合前に語っていたが、自身が抱える選手にもっと自信を持つべきだったのは森保監督だったのかもしれない。選手間の調和、選手とスタッフの調和を求める森保監督が、口だけでなく行動で示せば、選手が応えてくれることは分かっただろう。コンディション、相手との噛み合わせもあるが、経験のない選手を起用することで生まれる効果も間違いなくある。そういうチームを作ってきたはずだ。

その中でも日本の課題はまだまだある。1つ挙げるとすれば、後半の最終ラインのコントロールだろう。後半オーストラリアがロングボールを使い、サイドをより仕掛けてきたことで、中盤と最終ラインが間延びしてしまった。その結果、左サイドバックの裏を簡単に使われ、さらにマイナスのクロスへの対応が遅れてFKを与えてしまった。あの時間帯前後は、どうしても最終ラインを押し下げられてしまい、コンパクトに保てていなかった。

これまでの最終予選でも、後半に間延びしてしまう時間帯が訪れ、そして失点をしていた。失点に繋がるパターン、ピンチを迎えるパターンは似ている。今一度チームとして必要なこと、ピンチのシーンに起きていることを分析し、11月のアウェイでの2試合は連勝を収めてもらいたい。

《超ワールドサッカー編集部・菅野剛史》