日本の強みを引き出したシステム変更、田中碧が生み出したピッチ上の流れ/日本代表コラム
2021.10.13 12:40 Wed
◆中盤3枚の補完性の高さ
この試合の勝因は中盤の3選手のパフォーマンスがカギとなっていた。遠藤、守田、田中は、いずれもアンカーやダブルボランチ、そしてインサイドハーフとどのポジションでもプレーできる選手。所属チームでもどちらでもプレーしており、それぞれのポジションでやるべきことは頭に入っていた。
さらに、それぞれの特徴が違い、それぞれの特徴がピッチで出せたことが大きくチームを支えた。遠藤は昨シーズンのブンデスリーガでNo.1となったデュエルでの強さを見せ、守田は優れたポジショニングと攻撃へとつなげる運び出し、そして田中はポジショニング、飛び出し、タメを作って状況を変化させるという能力を発揮した。
遠藤は試合後「誰がどのポジションにいても対応できるというのが強みだったと思うし、3人が互いのポジションを見ながら立ち位置を変えることを意識しながらやっていました」とコメント。守田は「自分たちがやりたいサッカーは表現できたし、見ていてワクワクしてもらえるようなサッカーはできたんじゃないかなと思います」と語り、手応えを口にしていた。
実際にこれまでのダブルボランチでは、CBからのビルドアップを受けるために1人が降りて、もう1人は間にポジションを取る形となっていたが、サイドバックが高い位置を取るとCBの脇を簡単に使われるシーンが増えていた。相手もそこを狙い所にして、CBからパスが入った際に猛然とプレスをかけにくるシーンが多かった。
しかし、この試合では3人ともに状況を見てボールを受けに下がり、残りの2人はそれに呼応してポジションを取ることに。サイドバックが高い位置を取れるように、スペースのケアもできていた。また、プレスに関しても、しっかりとチームでデザインした形をとり、両サイドの南野と伊東が最終ラインへとプレスをかけ、大迫がボランチをマーク。中盤の3枚はパスコースを切ることで、オーストラリアのビルドアップを封じていた。
チームとしてこれまで積み上げてきたサッカーを捨てるのではなく、しっかりとその延長線上でより力を発揮するという下で選ばれた[4-3-3]のシステム、そして田中と守田を起用するという策が的中し、日本は本来持っていたパフォーマンスを取り戻すことができた。田中と守田が川崎フロンターレで積み上げたもの、そして田中と遠藤が東京五輪を通じて積み上げた信頼関係が、プレーへの安定感をもたらせていた。
これまでは2列目のタレントが豊富だったということもあり、よりそこを生かすために選ばれていた[4-2-3-1]のシステムだったが、久保建英(マジョルカ)、堂安律(PSV)がケガで不在、鎌田大地(フランクフルト)のパフォーマンスが上がらないというマイナスポイントを逆手にとり、より安定した強度を求めることとポジショニングに優れた選手を配置したという選択肢は、この先の日本をまた1つ上のレベルに上げる可能性もあるだろう。
Getty Images
この試合の勝因は中盤の3選手のパフォーマンスがカギとなっていた。遠藤、守田、田中は、いずれもアンカーやダブルボランチ、そしてインサイドハーフとどのポジションでもプレーできる選手。所属チームでもどちらでもプレーしており、それぞれのポジションでやるべきことは頭に入っていた。
さらに、それぞれの特徴が違い、それぞれの特徴がピッチで出せたことが大きくチームを支えた。遠藤は昨シーズンのブンデスリーガでNo.1となったデュエルでの強さを見せ、守田は優れたポジショニングと攻撃へとつなげる運び出し、そして田中はポジショニング、飛び出し、タメを作って状況を変化させるという能力を発揮した。
遠藤は試合後「誰がどのポジションにいても対応できるというのが強みだったと思うし、3人が互いのポジションを見ながら立ち位置を変えることを意識しながらやっていました」とコメント。守田は「自分たちがやりたいサッカーは表現できたし、見ていてワクワクしてもらえるようなサッカーはできたんじゃないかなと思います」と語り、手応えを口にしていた。
実際にこれまでのダブルボランチでは、CBからのビルドアップを受けるために1人が降りて、もう1人は間にポジションを取る形となっていたが、サイドバックが高い位置を取るとCBの脇を簡単に使われるシーンが増えていた。相手もそこを狙い所にして、CBからパスが入った際に猛然とプレスをかけにくるシーンが多かった。
Getty Images
しかし、この試合では3人ともに状況を見てボールを受けに下がり、残りの2人はそれに呼応してポジションを取ることに。サイドバックが高い位置を取れるように、スペースのケアもできていた。また、プレスに関しても、しっかりとチームでデザインした形をとり、両サイドの南野と伊東が最終ラインへとプレスをかけ、大迫がボランチをマーク。中盤の3枚はパスコースを切ることで、オーストラリアのビルドアップを封じていた。
チームとしてこれまで積み上げてきたサッカーを捨てるのではなく、しっかりとその延長線上でより力を発揮するという下で選ばれた[4-3-3]のシステム、そして田中と守田を起用するという策が的中し、日本は本来持っていたパフォーマンスを取り戻すことができた。田中と守田が川崎フロンターレで積み上げたもの、そして田中と遠藤が東京五輪を通じて積み上げた信頼関係が、プレーへの安定感をもたらせていた。
これまでは2列目のタレントが豊富だったということもあり、よりそこを生かすために選ばれていた[4-2-3-1]のシステムだったが、久保建英(マジョルカ)、堂安律(PSV)がケガで不在、鎌田大地(フランクフルト)のパフォーマンスが上がらないというマイナスポイントを逆手にとり、より安定した強度を求めることとポジショニングに優れた選手を配置したという選択肢は、この先の日本をまた1つ上のレベルに上げる可能性もあるだろう。
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