日本の強みを引き出したシステム変更、田中碧が生み出したピッチ上の流れ/日本代表コラム
2021.10.13 12:40 Wed
◆変化が見られた采配
この試合、スターティングメンバーの発表を待つまでの間は、不思議な緊張感があった。ここまでの最終予選3試合で1勝2敗、相手のオーストラリアは最終予選3連勝、そして2次予選からは世界記録となる11連勝を記録している状況だった。
日本の3試合はいずれも苦戦し、3試合で1ゴールと攻撃が機能せず、どっちに転ぶか分からない試合で敗れてきた。7日のサウジアラビア戦でもミスが絡んでの敗戦。この3試合は、ケガなどの理由以外で外れたメンバー以外は、ほぼ同じメンバーで臨んできた。
その結果、サウジアラビア戦後には森保一監督の采配にも大きな疑問が投げかけられ、マンネリ化しつつある状況にファン・サポーターからの批判は高まるばかり。結果も伴わないことから、進退問題も大きく騒がれることとなった。
そんな中、オーストラリア戦のメンバーシートに変化が。ボランチでプレーする選手が、MF遠藤航(デュッセルドルフ)、MF守田英正(サンタ・クララ)、そして田中と3名並んだ。このオーストラリア戦でも変化がない可能性も頭をよぎっていたが、メンバーだけでなく、システムを変えて臨むことまで決断し、森保監督はピッチへと選手を送り出した。
この決断について試合後に森保監督は「形としては我々の良さを出すこと、2人を出すことでどういう形で力が出るかを考え、オーストラリアとのマッチアップを考えて、我々のストロングポイントがしっかり出せるように、相手の良さを消せるようにと考えました」とコメント。日本の良さを生かすことに加え、オーストラリアを封じるための決断だったとした。
実際にその狙いは的中。頑なにこだわってきた[4-2-3-1]ではなく、[4-3-3]を選択し中盤を3枚で構成したことで、日本が持っていたアグレッシブなプレーと躍動感、そして生命線とも言える選手間の良い距離を取り戻すことができた。
もちろんそれはシステムを変えたからだけではない。遠藤、守田、田中という3人を並べたことに、大きな意味があった。
そして試合中の采配も積極さが見えた。ケガにより大迫勇也(ヴィッセル神戸)を下げ、古橋亨梧(セルティック)を投入したが、前線で収まらなくなったこともあり、停滞して1-1の同点に追いつかれてしまう。ここではオナイウ阿道(トゥールーズ)という選択肢もあったはずだが、古橋を入れていた森保監督。そして78分に南野拓実(リバプール)を下げて、浅野拓磨(ボーフム)を投入した。これにより、伊東純也(ヘンク)と前線3枚がスピードを持つ選手となり、オーストラリアの後方にあるスペースをどこからでも突ける陣容にした。
森保監督は試合後「我々の突ける部分は、サイドバックはビルドアップ時に高い位置を取るので、ボールを奪ってからそのスペースは突けるのではないかと分析して試合に臨みました」とコメント。最初からサイドバックの裏を狙っていたといい、それは前半から果敢に伊東が右サイドを仕掛けていたことからも伺える。また、途中投入された古橋、そして浅野も、そのスペースを突いてチャンスを作っていた。この試合では、最終的にゴールへと結実したということだろう。前に向かうという姿勢が見えた結果だった。
Getty Images
この試合、スターティングメンバーの発表を待つまでの間は、不思議な緊張感があった。ここまでの最終予選3試合で1勝2敗、相手のオーストラリアは最終予選3連勝、そして2次予選からは世界記録となる11連勝を記録している状況だった。
日本の3試合はいずれも苦戦し、3試合で1ゴールと攻撃が機能せず、どっちに転ぶか分からない試合で敗れてきた。7日のサウジアラビア戦でもミスが絡んでの敗戦。この3試合は、ケガなどの理由以外で外れたメンバー以外は、ほぼ同じメンバーで臨んできた。
その結果、サウジアラビア戦後には森保一監督の采配にも大きな疑問が投げかけられ、マンネリ化しつつある状況にファン・サポーターからの批判は高まるばかり。結果も伴わないことから、進退問題も大きく騒がれることとなった。
そんな中、オーストラリア戦のメンバーシートに変化が。ボランチでプレーする選手が、MF遠藤航(デュッセルドルフ)、MF守田英正(サンタ・クララ)、そして田中と3名並んだ。このオーストラリア戦でも変化がない可能性も頭をよぎっていたが、メンバーだけでなく、システムを変えて臨むことまで決断し、森保監督はピッチへと選手を送り出した。
この決断について試合後に森保監督は「形としては我々の良さを出すこと、2人を出すことでどういう形で力が出るかを考え、オーストラリアとのマッチアップを考えて、我々のストロングポイントがしっかり出せるように、相手の良さを消せるようにと考えました」とコメント。日本の良さを生かすことに加え、オーストラリアを封じるための決断だったとした。
実際にその狙いは的中。頑なにこだわってきた[4-2-3-1]ではなく、[4-3-3]を選択し中盤を3枚で構成したことで、日本が持っていたアグレッシブなプレーと躍動感、そして生命線とも言える選手間の良い距離を取り戻すことができた。
もちろんそれはシステムを変えたからだけではない。遠藤、守田、田中という3人を並べたことに、大きな意味があった。
そして試合中の采配も積極さが見えた。ケガにより大迫勇也(ヴィッセル神戸)を下げ、古橋亨梧(セルティック)を投入したが、前線で収まらなくなったこともあり、停滞して1-1の同点に追いつかれてしまう。ここではオナイウ阿道(トゥールーズ)という選択肢もあったはずだが、古橋を入れていた森保監督。そして78分に南野拓実(リバプール)を下げて、浅野拓磨(ボーフム)を投入した。これにより、伊東純也(ヘンク)と前線3枚がスピードを持つ選手となり、オーストラリアの後方にあるスペースをどこからでも突ける陣容にした。
森保監督は試合後「我々の突ける部分は、サイドバックはビルドアップ時に高い位置を取るので、ボールを奪ってからそのスペースは突けるのではないかと分析して試合に臨みました」とコメント。最初からサイドバックの裏を狙っていたといい、それは前半から果敢に伊東が右サイドを仕掛けていたことからも伺える。また、途中投入された古橋、そして浅野も、そのスペースを突いてチャンスを作っていた。この試合では、最終的にゴールへと結実したということだろう。前に向かうという姿勢が見えた結果だった。
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