“努力の人”がようやく手にした目に見える結果…J1初ゴール含む2ゴール決めた東京Vの綱島悠斗「そこに対して努力してきたからこそ得点を奪えた」
2024.10.20 06:50 Sun
指揮官やチームメイトも認める“努力の人”が待望のJ1初ゴールを含む2ゴールを挙げた。
チームは前半の入りから攻守に相手を圧倒したものの、前半半ばに一瞬の隙を突かれて先制点を奪われると、後半も良い入りを見せながらも最後のところで粘る浦和の守備を崩し切れず。
その焦れる状況で迎えた59分、相手陣内右サイドでFKを得た東京VはDF翁長聖のクイックリスタートに反応したDF谷口栄斗が右サイド深くからグラウンダーのクロスを供給。これは相手DFに撥ね返されたが、前半からこぼれ球を虎視眈々と狙っていた背番号23がペナルティアーク付近から右足を一閃。鋭いシュートがゴール右隅の完璧なコースを射抜き、DFがブラインド気味だった影響もあってさしものGK西川周作も反応できないゴラッソとなった。
ただ、長いリーチを活かしたパンチ力のあるシュートはなかなか枠を捉え切れず、個人としても明確な課題として日々のトレーニングで改善を試みてきた。それがこの同点ゴールのシーンで結実した。
「前半からこぼれ球が自分の前に来ていたので、本当にいい形でボールがこぼれてきたら、シュートを振ってやろうと思っていました。そしたら本当にたまたま谷口選手が潰れてくれて、自分のところにボールが転がってきたので、時間もあったので落ち着いてゴールを見た時に、ニアサイドがすごくフリーだったので、1回落ち着く時間があったからこそうまくリラックスしてボールを蹴れたのかなと思います」
さらに、76分には左CKの場面でFW山見大登が入れた右足アウトスウィングの正確なボールをドンピシャのヘディングで合わせ、逆転ゴールまで奪ってみせた。
チームでは山見や翁長、MF山田楓喜ら質の高いプレースキッカーに、サイズに恵まれた選手が揃っているものの、今季ここまではセットプレーに直接合わせる形でのゴールは一度もなかった。
その中で「自分の入り方は少し変えないといけないですし、インパクトのところもより緻密にというか、狙った場所に当てられるようにというのは意識していきたい。『自分が点を決めてやるぞ』という迫力をもっと出したい」とここ最近語っていた188cmの長身を誇るターゲットマンは、有言実行の活躍を見せた。
「谷口選手だったり翁長選手だったりが、自分がフリーになるためにスペースを作ってくれたりとか、そういう動きがあったおかげで、自分のところにドンピシャのボールが来て、本当にボールもすごくよかったですし、あのときにあの場所で触れたことが得点に繋がった大きなポイントだなと思います。本当にボールがよかったからこそ、インパクトを意識するだけでゴールを決められたので、本当に周りの選手のおかげだと思っています」
同じ3バックでプレーするDF千田海人が「いつもどんな練習も100%でやることで、こういうふうにいろいろ点と点が結びついてくる」と日頃の取り組みを称えれば、城福浩監督も「日々努力しているのは見ています」と語る“努力の人”は、周囲への気遣いも忘れない人間性も魅力だ。
ミックスゾーンで取材に対応した冒頭には「まずこの場を借りてひとつ言いたいことがあります」と自ら切り出し、「前節自分はケガをしてしまってこの試合にまず出場できるか危うい状態だったにもかかわらず、ヴェルディのメディカルスタッフ含めていろんな人の尽力があったおかげで、自分がこうやって試合に出場することができた。本当に周りの人に感謝したいなと思っています」と、プロフェショナルな仕事を見せたスタッフへの感謝を公の場で示した。
ここまで試行錯誤の日々が続いた中、ようやく求めたゴールという目に見える結果を残した綱島は「結果を出せたことに関してはすごく自分自身も嬉しく思っていますし、そこを自分がずっと求めてきたというか、そこに対して努力してきたからこそ、得点を奪えたと思っていますし、そこの努力は間違っていなかったと感じています」と、改めてこれまでの歩みの正しさを実感。
ただ、「ちょっと余分なやりすぎなプレーもあった」と指揮官が釘を刺すなど、試合を通しては課題も見受けられた。元々、謙虚な24歳も「得点以外のところに関してはまだまだ伸びしろがある。もっともっと成長できる点がたくさんあるので、そこに次はフォーカスし、得点ももっと伸ばしながら自分がもっと成長できるように取り組んでいきたい」と気を引き締めている。
これでチーム4試合を残して悲願のJ1残留を確定。綱島は「自分たちの手でJ1残留を決めることができたことはすごく嬉しい」とひとつの目標達成を喜びつつも、「自分たちは残留が目的ではなくて、ひとつでも上の順位に行って、本当に狙えるのであればACLを狙えるところまでいきたい」と、個人としてもチームとしてもさらなる高みを目指してシーズン終了まで戦い続ける。
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東京ヴェルディは、19日に味の素スタジアムで行われた明治安田J1リーグ第34節の浦和レッズ戦で2-1の逆転勝利を収めた。この一戦でチームを逆転に導く殊勲の働きを見せたのが、東京Vのアカデミー育ちで国士舘大学から加入2年目のDF綱島悠斗だ。その焦れる状況で迎えた59分、相手陣内右サイドでFKを得た東京VはDF翁長聖のクイックリスタートに反応したDF谷口栄斗が右サイド深くからグラウンダーのクロスを供給。これは相手DFに撥ね返されたが、前半からこぼれ球を虎視眈々と狙っていた背番号23がペナルティアーク付近から右足を一閃。鋭いシュートがゴール右隅の完璧なコースを射抜き、DFがブラインド気味だった影響もあってさしものGK西川周作も反応できないゴラッソとなった。
大学時代は守備的MFを主戦場に、プロ1年目では競り合いの強さや傑出したボール奪取能力をより前目で活かしたいというチーム事情から前線でも起用され、以前からシュート意識は高かった。
ただ、長いリーチを活かしたパンチ力のあるシュートはなかなか枠を捉え切れず、個人としても明確な課題として日々のトレーニングで改善を試みてきた。それがこの同点ゴールのシーンで結実した。
「前半からこぼれ球が自分の前に来ていたので、本当にいい形でボールがこぼれてきたら、シュートを振ってやろうと思っていました。そしたら本当にたまたま谷口選手が潰れてくれて、自分のところにボールが転がってきたので、時間もあったので落ち着いてゴールを見た時に、ニアサイドがすごくフリーだったので、1回落ち着く時間があったからこそうまくリラックスしてボールを蹴れたのかなと思います」
さらに、76分には左CKの場面でFW山見大登が入れた右足アウトスウィングの正確なボールをドンピシャのヘディングで合わせ、逆転ゴールまで奪ってみせた。
チームでは山見や翁長、MF山田楓喜ら質の高いプレースキッカーに、サイズに恵まれた選手が揃っているものの、今季ここまではセットプレーに直接合わせる形でのゴールは一度もなかった。
その中で「自分の入り方は少し変えないといけないですし、インパクトのところもより緻密にというか、狙った場所に当てられるようにというのは意識していきたい。『自分が点を決めてやるぞ』という迫力をもっと出したい」とここ最近語っていた188cmの長身を誇るターゲットマンは、有言実行の活躍を見せた。
「谷口選手だったり翁長選手だったりが、自分がフリーになるためにスペースを作ってくれたりとか、そういう動きがあったおかげで、自分のところにドンピシャのボールが来て、本当にボールもすごくよかったですし、あのときにあの場所で触れたことが得点に繋がった大きなポイントだなと思います。本当にボールがよかったからこそ、インパクトを意識するだけでゴールを決められたので、本当に周りの選手のおかげだと思っています」
同じ3バックでプレーするDF千田海人が「いつもどんな練習も100%でやることで、こういうふうにいろいろ点と点が結びついてくる」と日頃の取り組みを称えれば、城福浩監督も「日々努力しているのは見ています」と語る“努力の人”は、周囲への気遣いも忘れない人間性も魅力だ。
ミックスゾーンで取材に対応した冒頭には「まずこの場を借りてひとつ言いたいことがあります」と自ら切り出し、「前節自分はケガをしてしまってこの試合にまず出場できるか危うい状態だったにもかかわらず、ヴェルディのメディカルスタッフ含めていろんな人の尽力があったおかげで、自分がこうやって試合に出場することができた。本当に周りの人に感謝したいなと思っています」と、プロフェショナルな仕事を見せたスタッフへの感謝を公の場で示した。
ここまで試行錯誤の日々が続いた中、ようやく求めたゴールという目に見える結果を残した綱島は「結果を出せたことに関してはすごく自分自身も嬉しく思っていますし、そこを自分がずっと求めてきたというか、そこに対して努力してきたからこそ、得点を奪えたと思っていますし、そこの努力は間違っていなかったと感じています」と、改めてこれまでの歩みの正しさを実感。
ただ、「ちょっと余分なやりすぎなプレーもあった」と指揮官が釘を刺すなど、試合を通しては課題も見受けられた。元々、謙虚な24歳も「得点以外のところに関してはまだまだ伸びしろがある。もっともっと成長できる点がたくさんあるので、そこに次はフォーカスし、得点ももっと伸ばしながら自分がもっと成長できるように取り組んでいきたい」と気を引き締めている。
これでチーム4試合を残して悲願のJ1残留を確定。綱島は「自分たちの手でJ1残留を決めることができたことはすごく嬉しい」とひとつの目標達成を喜びつつも、「自分たちは残留が目的ではなくて、ひとつでも上の順位に行って、本当に狙えるのであればACLを狙えるところまでいきたい」と、個人としてもチームとしてもさらなる高みを目指してシーズン終了まで戦い続ける。
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「成長を感じられる試合」…東京Vは王者相手のダブル逃すも前回対戦以上の手応えと自信得る
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東京ヴェルディは3日、ホームタウンである東京都多摩市にある『LINK FOREST』でファンイベント『東京ヴェルディファン感謝祭2024』を開催した。 16年ぶりのJ1の舞台で躍進を遂げた緑の名門は、明治安田J1リーグ第35節消化時点で6位に位置。前々節の浦和レッズ戦の勝利によって4節を残しての残留を確定させ、前節はアルビレックス新潟を相手に2-0の快勝。今季4度目の連勝を飾り、良い雰囲気のなかでシーズン佳境のタイミングでのファン感謝祭を迎えた。 約1000名を集めて行われたイベントでは“選手と監督によるトークショー”、ファン・サポーターから事前に募集された“Q&Aコーナー”、サイン入りグッズが当る“スペシャル抽選会”などが約2時間に渡って行われた。 城福浩監督は冒頭で前日に行われたYBCルヴァンカップ決勝での心揺さぶる戦いを引き合いに出し、その場に立てなかった悔しさを語りつつ、日頃のファン・サポーターへの感謝と共に残り試合への決意を語った。 「常日頃、我々のチーム、選手たちを鼓舞していただき、一緒に戦っていただいて本当にありがとうございます。抽選で漏れた方々を含めて、本当に我々の苦しいタイミングで、温かく熱い声援をしていただいていること。それに対する御礼という意味で、今日は本当に大事に考えています」 「自分たちはあとリーグ戦が3試合なので、全て勝って我々の順位が何位になるのか、それが今年の我々の正当な評価になってくると思うので、より上を目指していけばそれにふさわしいチームになっていくと思うので、残り3試合も引き続き応援していただきたいと思います。今日は数少ないみなさんとの交流の場となるので、我々も楽しみにしていますし、是非楽しんでいってください」 トークショーでは横浜F・マリノスと国立開催の開幕戦を皮切りに、湘南ベルマーレ戦での初勝利、序盤、中盤、後半戦のトピックとなった試合の映像を交えながら、指揮官や選手たちが当時の心境やエピソード、選手同士の掛け合いなど軽妙なトークで魅せた。 MF山田楓喜は開幕戦での先制ゴールとなった直接FKについて「FKをもらってボールの横に立ったときに決まったと思った」と、先日のサガン鳥栖戦で決めた際にも語っていたコメントを自ら被せる形で会場の笑いを誘い、トークショーにおいても良い流れを作った。 東京ダービーの初戦で圧巻のダイレクトボレーを決めたFW染野唯月も、「自分でも巧いなと思う」と、ニヤリと笑いながら自画自賛。紆余曲折を経てサガン鳥栖とのアウェイゲームでJ1とクラブでの初ゴールを決めたMF松橋優安に関してはゴールセレブレーションの際のユースの先輩でキャプテンのMF森田晃樹のあまりにも手荒な祝福に改めてスポットライトが当ると、温厚な優等生は「みんなが喜んでくれてうれしかった」と語りつつも、「試合後に誰が髪を引っ張ったのか問題はあった」、「残り3試合あるので…」と“犯人”である森田と染野への復讐を虎視眈々と狙っていることを明かし、再び笑いを誘った。 また、鹿島アントラーズとのアウェイゲームで0-3から3-3のドローに持ち込む立役者となったMF齋藤功佑は、「自分がピッチに入った瞬間に引き分けになるなと思っていた」と、山田楓の冒頭のコメントを被せて場内を沸かせた。 “Q&Aコーナー”では指揮官と一緒に仕事をしたいとのファン・サポーターからのラブコールに対して、城福監督は「クラブの中途採用に応募してほしい」とジョークを交えて返答。続けて「僕と同じぐらいのパッションを持っていると、ちょっとウザイかもしれない。もうちょっと落ち着いた感じの人がいい」と自虐を語ると、隣に座っていた森田が思わず噴き出す場面も。指揮官とキャプテンの良好な関係を窺わせるシーンとなった。 子供たちからの質問では「好きなおやつはなんですか?」との可愛らしい問いかけに対して守護神マテウスは、満面の笑みを浮かべながら通訳を介すことなく「アルフォート」と返答。チョコ菓子という意外な好みを明かした。 DF林尚輝とFW木村勇大という屈強な攻守の主力に関しては、人気のメインマスコットであるリヴェルン好き疑惑がファン・サポーターの間で話題に。その真相について問われた林は「ばれてますか…」と素直に白状。一方の木村もスマホケースにリヴェルンを入れていたことを告白し、ヴェルディくんと共に会場に来ていたリヴェルンと3ショットで写真を撮るほっこりとした一幕もあった。 スペシャル抽選会では当選者が席から壇上に上がる形の形式でスタートしたものの、会場後方のファン・サポーターへ配慮した城福監督が自らマイクを取って自身を含め選手たちに自ら当選者の席まで向かう形式への変更を進言。この指揮官の粋な計らいによって、当選者以外のファン・サポーターも選手たちとより間近での交流が可能となった。 その後、キャプテンの森田の「残り3試合ですが、3試合すべて勝ってみなさんと勝利を分かち合えるようにチーム一同頑張って戦っていきます。みなさんも一緒に戦ってください」という閉会の挨拶をもってファン感謝祭が終了。 ファン・サポーターは城福監督と選手たちとのハイタッチによって見送られ、最後まで笑顔に溢れた中で会場を後にした。 ファン感謝祭後に取材に応じたMF綱島悠斗は、「試合よりも緊張した」と語ったトークショーの自己採点に関して「ちょっと慌ててしまったというか、自分のリズムを崩してしまった」と真面目に評価。 一方、過去のイベントではアカデミー出身選手や若手を中心に一発芸やネタを披露する機会が多かったが、今回は純粋なトークショーのみに。仮に、その準備はあったかとの問いに対しては「こういう(イベントの)詳細が出る前は、自分2年目なので、やらなきゃいけないのかなという覚悟はありました。それに対する想定も少しはしていましたが、自分はなくてホッとしました」と正直な胸の内を明かしてくれた。 久々のファン・サポーターとの直接のふれあいについて「こういう環境でやれたのも、自分たちがJ1に上がってファン・サポーターの方がいてくれたからこそなので、こういう素晴らしい施設を借りてできたのはすごくうれしく思います」とコメント。 その上で「ファンと関わることで、より自分たちも頑張らなければなと思います。退場したときのお客さんの顔が本当に笑顔で溢れていたというか、やっぱりああいう人たちがいるから今のヴェルディがあるわけであって、応援してくれる人がいるから自分たちがこうやって素晴らしい環境のなかでサッカーができているというのはすごく感謝していますし、もっともっと彼らを笑顔にしたいという思いが強くなりました」と、より一層の責任を口にした。 今回のイベントを通じて、より一体感と責任感が増した東京Vは、次節にホームで行われる首位のヴィッセル神戸戦を皮切りに、川崎フロンターレ、京都サンガF.C.という難敵相手の残り3試合でさらなる高みを目指す。 <span class="paragraph-title">【写真】笑顔に溢れた東京Vのファン感謝祭</span> <span data-other-div="movie"></span> <div style="text-align:center;"><img class="lazyload" data-src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2024/get20241103_1_tw1.jpg" style="max-width:100%; min-height:200px;"></div> <div style="text-align:center;"><img class="lazyload" data-src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2024/get20241103_1_tw2.jpg" style="max-width:100%; min-height:200px;"></div> <div style="text-align:center;"><img class="lazyload" data-src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2024/get20241103_1_tw3.jpg" style="max-width:100%; min-height:200px;"></div> <div style="text-align:center;"><img class="lazyload" data-src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2024/get20241103_1_tw4.jpg" style="max-width:100%; min-height:200px;"></div> <div style="text-align:center;"><img class="lazyload" data-src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2024/get20241103_1_tw5.jpg" style="max-width:100%; min-height:200px;"></div> <div style="text-align:center;"><img class="lazyload" data-src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2024/get20241103_1_tw6.jpg" style="max-width:100%; min-height:200px;"></div> <div style="text-align:center;"><img class="lazyload" data-src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2024/get20241103_1_tw7.jpg" style="max-width:100%; min-height:200px;"></div> <div style="text-align:center;"><img class="lazyload" data-src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2024/get20241103_1_tw8.jpg" style="max-width:100%; min-height:200px;"></div> 2024.11.03 19:50 Sun4
貪欲な緑の名門はさらなる高みへの歩み止めず、東京Vが残留決定後の新潟戦で快勝…要求厳しい指揮官と守護神も手応え
前節でJ1残留を確定させた東京ヴェルディは、さらなる高みを目指す姿勢を示した。 東京Vは23日、デンカビッグスワンで行われた明治安田J1リーグ第35節でアルビレックス新潟と対戦し、2-0の快勝を収めた。 前節の浦和レッズ戦を2-1の逆転勝利で勝利し、7位浮上と共に勝ち点を51ポイントとした昇格組は4節を残しての残留を確定。残り4試合では来シーズンの戦いを見据えつつ、天皇杯の結果次第でACL出場権を得られる4位フィニッシュを目標に据えた新たな挑戦に臨む。 その初陣となった新潟戦は対戦相手のYBCルヴァンカップ決勝進出に伴い、11月3日に開催予定だった一戦が前倒しとなり、中3日でのアウェイゲームというタフな条件となった。 さらに、直近1分け4敗の5戦未勝利で残留争いの真っただ中に位置し、名古屋グランパスとの大一番へ弾みを付けたいホームチームのモチベーションは非常に高く、近年のビッグスワンでの対戦成績を含め東京Vにとって苦戦も想定された。 しかし、浦和戦と全く同じスタメンで臨んだチームは、立ち上がりから主導権争いが繰り広げられた一戦において球際の強度、セカンドボールへの反応を含めてホームチームを圧倒。前半に関しては守備意識が高く状況に応じて後ろにしっかりと枚数をかける相手に攻撃面での大胆さを欠いたが、後半立ち上がりに得たセットプレーの流れからFW山田剛綺が泥臭くゴール前の混戦を制し、待望のJ1初ゴールを記録。 以降は攻勢に転じた新潟にMFダニーロ・ゴメスのポスト直撃のシュートを打たれるなど押し込まれる時間帯もあったが、ボールホルダーへの寄せ、ボックスアウトが徹底された守備で撥ね返すと、後半終盤は逆に相手陣内でしたたかに時計を進めつつ、FW山見大登とFW染野唯月の途中出場2選手が絡んだセットプレー流れからDF谷口栄斗がトドメの2点目を奪取。 後半最終盤の攻防においても緩みを見せることなくクリーンシートを達成。チームスタイルの違いはあれど、メンバーを入れ替えた相手に対して、走行距離・スプリント数といったスタッツにおいても凌駕し、勝負へのこだわりと勝ち点3への執念を示した。 戦前に城福浩監督が「我々はそういうこと(残留だけ)を目指したのではないというのを示すのは、まさに今からだと思います」と語っていた通り、チームはこの新潟戦で、より高みを目指すに値するパフォーマンスを示した。 その一戦について指揮官は前半の攻撃の工夫に関して改善の必要性を語ったが、「泥臭い得点を取れた」、「あとから出た選手のハードワークは称賛に値する」と選手たちの戦いぶりを称えた。 「綺麗な得点ではないかもしれないけれども、コーナーキックを取る。その前のプレーで山田剛綺が体を張ったところ。ゴール前で足を止めないところ。2点目もコーナーの崩れからだと思いますけど、クロスに対して染野が来るか来ないかわからないところに飛び込んでいって、マイナスのところにスペースが空いて、谷口栄斗が足を振ったと…」 「我々がやりたいサッカーの中で綺麗な得点ではないけれども、泥臭い得点を取れたというのは非常によかったのではないかと思います。もうひとつ、浦和戦は勝ったけれども、クローズのところに我々は問題を抱えているという認識をしていたので、今日はあとから出た選手のハードワークというのは称賛に値すると思うし、こういう積み重ねが我々の生命線なので、また次の試合に活かしたい」 一般的に見れば、浦和戦においても安定したクロージングができたように見えた中、試合後、短い準備期間の中ではもう一段階上のレベルを求めた指揮官にしても、新潟戦の締め方は納得がいくものだった。とりわけ、浦和戦でIN&OUTを経験した山見を始め攻撃を特長とする選手たちが見せた献身性に目を細めた。 「我々が勝ち点3を持っている中で、投入したのはどちらかというと攻撃的な選手。彼らが勝ち点3を持っている中で送り出して、しっかり勝ち点3を取り切ることができるということは、攻撃的な選手でも守備バージョンできっちり仕事ができる証明。少なくとも今日出た選手というのは全員が勝ち点がいくつ(の状況)であっても、ピッチに立てる資格があることを示した。そういうパフォーマンスだった」 「今日ピッチに立てなかった選手も含めて、我々はどういうバトンの渡し方をして、どういうバトンの受け方をするかというところが、このリーグで一番でないと、このリーグでは戦えないというのはずっと言ってきたので、今日はその中でもひとついい試合が見せられた」 また、指揮官同様にピッチ上において要求が厳しい選手として知られる守護神マテウスも、「今シーズンの中でも本当に素晴らしいゲームのひとつ。染野も後半から入った中で最後までああやってスライディングして相手のシュートブロックに入ったりとか、全員が本当に全力を注いで勝ちを掴み取れたゲームだった」と、クリーンシートを達成した一戦を振り返った。 さらに、「本当にこの場を借りて全員を評価してほしい」と様々な思いを抱えながらも、チームのために盤石のゲームクローズに貢献した仲間への敬意も示した。 「シーズン序盤から自分たちの大きな問題でもあった、試合の締め方の部分がここにきてすごくチームとして成長できている。そのひとつの要因として後半から入ってくる選手の活躍だったり、献身性というのが確実にチームにプラスになっている」 「ベンチにいるというのはそんなに簡単なことではないですし、途中から入ってチームのリズムに入って、しっかり締めくくるというのはそんなに簡単なことではない。後半から入った全選手が全力を注いでチームのために献身的に働けているということを評価してほしいです」 指揮官、守護神が交代選手に献身を称えた一方、谷口が「チームとしてすごく大きなこと」と語った山田剛の待望のJ1初ゴールの活躍は残り試合に向けてもチームに良い刺激を与えるものとなった。 関西学院大学で関西学生サッカーリーグのMVPにも輝いたストライカーは、加入1年目となった昨シーズンは得点こそ3ゴールにとどまったものの、J2リーグで30試合以上に出場するなど東京VのJ1昇格に貢献。 今シーズンはさらなる覚醒が期待されたが、関西学院大学の1個上の山見、同期のFW木村勇大が新加入ながらゴールを量産する活躍を見せた一方、自身初のJ1ではこの試合を前に20試合ノーゴールと結果を残せずにいた。 高い身体能力と献身性は指揮官も認めるところだが、幾度かブレイクスルーのきっかけを掴めそうな状況で、ゴールという目に見える結果だけが足りなかった。直近の浦和戦でも攻守にハイパフォーマンスを見せたが、渾身のヘディングシュートがクロスバーを叩くなど生みの苦しみを味わっていた。 それでも、「いい守備をしていれば、最後自分に巡ってくるかなというマインドでやっている」とチームのために献身を続けてきたご褒美という言い方は失礼だが、ストライカーの嗅覚と足を止めずにプレーし続けたことで、ゴール前でのタップインという形での待望のJ1初ゴールが生まれた。 城福監督はメンバーに絡めない苦しい期間も真摯に取り組み続けた大卒2年目のストライカーの活躍が、ここからチーム内競争にさらなるポジティブなものをもたらすことを期待する。 「このチームは指定席があると感じた時点で、もうすでにディスアドバンテージがあると思うので、全員がピッチに立つために死力を尽くすという意味では、メンバーから外れた選手のハードワークというのが、このチームにとって生命線」 「山田剛綺もそういう何週間かを過ごした時期もありましたし、それでもあがいている。立っていられないぐらいの練習をして、それでもここに来られない選手がいる。そういう選手の思いを、彼も背負って今日やったはずですし、それが彼のところにボールが転がってきたという部分で非常によかったと思うし、今日東京で映像を見ている選手たちの励みにもなったのではないかなと思います」 その山田剛は「個人としては1点でも多くゴールでもアシストでも、とにかく数字にこだわっていきたい。チームとしては本当にまだまだ上を目指せるチームだと思うので、そこは貪欲にできるだけ上の順位で終われるように一戦一戦戦いたい」と、改めて残り3試合に向けての決意を語った。 ここにきてチームとしての成熟度が増し、前節はMF綱島悠斗、今節は山田剛がJ1初ゴールを挙げるなど個人の台頭も顕著な緑の名門が、残り試合でさらなるサプライズを起こせる可能性は十二分にあるはずだ。 2024.10.24 13:33 Thu5
浦和に逆転勝ちの東京Vが悲願のJ1残留確定! 綱島悠斗がJ1初ゴール含む殊勲の2発【明治安田J1第34節】
明治安田J1リーグ第34節の東京ヴェルディvs浦和レッズが19日に味の素スタジアムで行われ、ホームの東京Vが2-1で逆転勝利した。 東京Vは前節、湘南ベルマーレとのホームゲームに0-2で敗れて7戦ぶりの敗戦。6位から8位に転落した。インターナショナルマッチウィークの中断期間を経てバウンスバックを図ったホームゲームでは先発2人を変更。山田楓喜、山見大登に代わって山田剛綺、見木友哉を起用し、2シャドーを入れ替えた。 一方、前節はセレッソ大阪に0-1で敗れて3試合連続無得点且つ今シーズンワーストの3連敗となった13位の浦和。同じく中断期間にテコ入れを図った中、この一戦では先発3人を変更。佐藤瑶大、大久保智明、チアゴ・サンタナに代えて負傷明けのマリウス・ホイブラーテン、石原広教、小泉佳穂を起用。1トップに松尾佑介を配置する変化を加えてきた。 互いに想定通りの並びで入った中、序盤は攻守の切り替えが激しいオープンな展開となる。開始6分にはDF谷口栄斗の見事なカバーリングから仕掛けたカウンター返しで左サイドの翁長聖が絶妙なアーリークロス。これをゴール前に飛び込んだ山田剛が見事なダイビングヘッドで合わすが、この決定的なシュートはクロスバーを叩く。 ファーストチャンスは逃すも、このプレーをきっかけにリズムを掴んだホームチームは切り替え、セカンドボールへの反応で相手を上回ると、相手陣内で押し込む展開に持ち込む。10分にはボックス左ライン際で木村勇大が折り返したボールに再び山田剛が飛び込むが、ここはDFのゴールカバーに阻まれてゴールには至らず。 一方、立ち上がりの失点は回避した浦和だが、以降も防戦一方の展開に。人とボールが効果的に動く東京Vの攻撃に対して守備が嵌らず、ボールを持ってもビルドアップが機能不全に。この流れを受け、浦和ベンチは早くも大久保投入の準備をしていたが、このタイミングでゴールが生まれた。 27分、前線に入れたロングボールの流れからボックス手前右で齋藤功佑を潰した渡邊凌磨が左斜めにボールを運びながら左足を一閃。この鋭いミドルシュートがゴール左隅に突き刺さり、守勢の中で4試合ぶりのゴールが生まれた。この先制点を受けてスコルジャ監督は大久保の投入をひとまず取りやめた。 一瞬の隙を突かれて先制を許した東京Vだが、試合の流れ自体は渡さず。引き続きボールを握って押し込んでサイドからのクロス、ボックス付近でのコンビネーションプレーを駆使して際どいシーンを作り出した。 その後は右サイドの守備のテコ入れか、小泉を下げて大久保を投入した浦和が東京Vの攻撃を凌ぎ切って1点リードで試合を折り返す。 迎えた後半、ビハインドを追うホームチームは山田剛を下げて山見をハーフタイム明けに投入。その快足アタッカーは開始直後にファーストシュート、ボックス付近での仕掛けと攻撃に絡んでいく。 後半も押し込む展開が続きながらも最後のところで粘る浦和の堅守に手を焼くが、相手の一瞬の隙を突いてゴールをこじ開ける。59分、相手陣内右サイドで得たFKの場面でクイックリスタート。右サイド深くに抜け出した谷口のグラウンダークロスが撥ね返されるも、ペナルティアーク付近でこぼれに反応した綱島悠斗の強烈なミドルシュートがゴール右隅に突き刺さった。 綱島のJ1初ゴールで追いついた東京Vは俄然勢いを増すスタジアムの後押しを追い風に、畳みかける攻めを見せる。だが、齋藤のミドルシュートは枠を捉え切れない。 後半半ばを過ぎて両ベンチが動く。東京Vは齋藤を下げてストライカーの染野唯月を、浦和も原口元気、関根貴大を下げてチアゴ・サンタナ、ブライアン・リンセンと2人のストライカーを同時投入。互いに勝ち越しゴール、勝ち点3を狙う強いメッセージをピッチに届ける。 すると、この交代後にスコアが動く。76分、右CKの場面でキッカーの山見が右足アウトスウィングの正確なボールを入れると、中央でフリーとなった綱島がドンピシャのヘディングシュートを叩き込み、初ゴールに続く大仕事で逆転に導いた。 課題のセットプレーからまたしても失点を喫した浦和は失点直後に松尾と大畑歩夢を下げて、負傷明けのサミュエル・グスタフソンを長沼洋一と共にピッチに送り出し、すべての交代カードを使い切った。 緊迫感のある1点差で突入した後半最終盤。東京Vは山見をIN&OUTの形でより守備的な稲見哲行を投入するなど完全に逃げ切り態勢に入ると、土壇場のPK献上で追いつかれた前回対戦の教訓を活かして冷静に相手の反撃を凌ぎ切った。 この結果、浦和に会心の逆転勝利を収めた東京Vが4節を残して今季最大の目標だったJ1残留を確定した。敗れた浦和は4戦ぶり得点も泥沼の4連敗となった。 東京ヴェルディ 2-1 浦和レッズ 【東京V】 綱島悠斗(後14、後31) 【浦和】 渡邊凌磨(前27) <span class="paragraph-title">【動画】綱島悠斗の大きなJ1初ゴール</span> <span data-other-div="movie"></span> <blockquote class="twitter-tweet"><p lang="ja" dir="ltr"><a href="https://twitter.com/hashtag/%E7%B6%B1%E5%B3%B6%E6%82%A0%E6%96%97?src=hash&ref_src=twsrc%5Etfw">#綱島悠斗</a> 綱島 悠斗(東京V)<a href="https://twitter.com/hashtag/%EF%BC%AA%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%B0?src=hash&ref_src=twsrc%5Etfw">#Jリーグ</a> <a href="https://t.co/BEO8nEalWq">pic.twitter.com/BEO8nEalWq</a></p>— Jリーグ(日本プロサッカーリーグ) (@J_League) <a href="https://twitter.com/J_League/status/1847581052224880711?ref_src=twsrc%5Etfw">October 19, 2024</a></blockquote> <script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script> 2024.10.19 19:03 Sat東京ヴェルディの人気記事ランキング
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G大阪が降格圏の磐田に劇的勝利、前半戦苦しんだ13位湘南や14位京都など6クラブのJ1残留が確定!
9日、明治安田J1リーグ第36節の8試合が行われた。 首位のヴィッセル神戸、2位のサンフレッチェ広島は10日に試合が控える中、3位のFC町田ゼルビアは今まで勝ったことがない国立競技場でFC東京との“新東京ダービー”を戦い、3-0で快勝。国立で初めて勝利したとともに、逆転優勝への望みを繋いだ。 熾烈な優勝争いとは真逆の残留争いも今シーズンは白熱。残留ラインの17位・柏レイソルと16位・アルビレックス新潟の直接対決は柏が勝利目前でまたしても失点。新潟はルヴァンカップ決勝同様に粘りを見せ、1-1のドローに終わった。 そんな中、降格圏の18位に位置するジュビロ磐田(勝ち点35)と5位のガンバ大阪(勝ち点60)の対戦は激闘に。試合は23分に磐田が渡邉りょうのゴールデ先制するも27分に半田陸のゴールでG大阪が同点に。前半アディショナルタイム9分には山下諒也がゴールを決めて逆転に成功する。 さらに62分には宇佐美貴史がネットを揺らして追加点。しかし、残留するためには負けられない磐田は87分に上原力也、そして91分に鈴木海音がゴールを奪い、土壇場で同点に追いつく。 残留に向けて貴重な勝ち点1を手にできるかと思われたが、G大阪は93分にパスを繋いで崩すと最後は坂本一彩が落ち着いて決めて勝ち越しに成功。G大阪が粘りを見せて勝利を収めた。 これにより、降格圏の18位・磐田は勝ち点35のまま。消化が1試合少ないものの、3試合で最大勝ち点「9」しか積み上げられないため、「44」までに。これにより、残留が確定していなかった多くのチームの残留が確定した。 磐田の敗戦により、勝ち点47の9位・名古屋グランパス、10位・アビスパ福岡、勝ち点46に伸ばした11位・横浜F・マリノス、勝ち点45の12位・川崎フロンターレ、13位・湘南ベルマーレ、14位・京都サンガF.C.までが残留決定となった。 15位の浦和レッズは10日に広島と対戦し、勝利すれば残留が確定する。 <h3>◆明治安田J1リーグ順位表(11/9時点)</h3> 1位:ヴィッセル神戸|勝ち点67/35試合/20 2位:サンフレッチェ広島|勝ち点65/35試合/30 ーーーーーACLE出場 3位:FC町田ゼルビア|勝ち点63/36試合/19 4位:ガンバ大阪|勝ち点60/36試合/10 5位:鹿島アントラーズ|勝ち点58/35試合/13 6位:東京ヴェルディ|勝ち点54/35試合/1 7位:セレッソ大阪|勝ち点52/36試合/-1 8位:FC東京|勝ち点51/36試合/5 9位:名古屋グランパス|勝ち点47/36試合/-2 10位:アビスパ福岡|勝ち点47/36試合/-4 11位:横浜F・マリノス|勝ち点46/35試合/-2 12位:川崎フロンターレ|勝ち点45/35試合/8 13位:湘南ベルマーレ|勝ち点45/36試合/-3 14位:京都サンガF.C.|勝ち点45/35試合/-12 ーーーーー残留決定 15位:浦和レッズ|勝ち点43/34試合/2 16位:アルビレックス新潟|勝ち点41/36試合/-14 17位:柏レイソル|勝ち点40/36試合/-10 ーーーーー残留ライン 18位:ジュビロ磐田|勝ち点35/35試合/-15 19位:北海道コンサドーレ札幌|勝ち点34/36試合/-20 20位:サガン鳥栖|勝ち点29/36試合/-26 ※降格決定 2024.11.09 17:59 Sat2
東京Vの森田&見木らがホームタウンの小学校訪問…「少しでもヴェルディに興味を持ってもらえることが、クラブの未来に少しでもつながる」
東京ヴェルディのMF森田晃樹、MF見木友哉が14日、ホームタウンである多摩市内の東寺方小学校を訪問した。 東京Vでは今月14日、21日に主力選手によるホームタウン4市(立川・日野・多摩・稲城)の小学校訪問を実施。また、クラブは2025シーズンより5年間で、同4市全小学校(65校)を訪問予定だという。 その来季からの活動に先駆けて実施された今回の東寺方小学校への訪問にはキャプテンの森田、背番号10を担う見木に加え、クラブOBで現在は東京ヴェルディユースコーチを務める佐伯直哉コーチが、同小学校出身ということで特別参加となった。 同小学校に在籍する6年生約90名を体育館に集めて行われた特別授業では事前に子供たちから集められた質問に選手たちが答えるQ&Aコーナーに、2選手によるリフティングやシュート、子供たちとのパス交換などのデモンストレーションが行われたほか、全員参加の整列ゲームやボール渡し、フラフープくぐり、じゃんけん列車といった体を使ったレクリエーションが行われた。 Q&Aコーナーでは「サッカーを始めたきっかけ」、「プロサッカー選手になりたいと思ったきっかけ」といったオーソドックスな質問が飛ぶと、両選手は兄弟や友人がきっかけだったと返答。また、佐伯コーチは今回参加した子供たちの中にもプレーする地元の東寺方サッカー少年団時代にも触れつつ、より身近に感じられるエピソードも語った。 「サッカー選手になるための努力」、「サッカーが巧くなるコツ」といった質問に対して、森田は「ずっとボールを蹴っていた」、見木は「友人との朝練」を挙げるとともに、“努力”ではなくあくまで自分の好きなことを楽しむことが成長、上達の近道だと子供たちの目線で語りかけた。 また、プロサッカー選手になる上での転機という、より突っ込んだ内容の質問に対しては、6年生相手ということもあり、見木は湘南ベルマーレのジュニアからジュニアユースに上がれなかった際の悔しい思いを、森田は東京Vユースに在籍していた高校3年生の時期にトップチーム関係者から「1年間の試合でたくさん点を決めなければプロになれない」と発破をかけられたエピソードも語った。 森田チーム、見木チームなどに分かれて行ったレクリエーションでは、子供たちの人数の違いの影響などもあったが、より司令塔としての能力を発揮した見木チームが優勢に。ただ、じゃんけんの勝者の後ろに敗者が肩に両手をかけてくっついて歩くじゃんけん列車では、「パーを出していただけ」と語りながらも、連戦連勝の森田が多くの子供たちを後ろに従えるキャプテンの存在感を示した。 最後に、子供たちへのメッセージを頼まれた際、見木は「これから夢に向かって皆さんは頑張っていくと思いますが、サッカー以外でも何か好きを見つけて夢に向かって頑張ってほしいです」、森田は「みんなと少しでも仲良くなれてすごくうれしいです。サッカー選手ではなくても、夢や目標がある人はぜひそれに向かって頑張ってください」とコメント。 一方、佐伯コーチは「今、夢や目標がなくてもそんなに焦る必要はないと思います。ただちょっと気になるな、ちょっと頑張ってみようかな、好きだなと思うものを、何かひとつでも見つけられれば、それは後々にもしかしたら目標とかそういうものにつながっていく可能性もあると思います」と、母校の後輩たちに響く言葉を伝えた。 今回の訪問を終えて森田は「先生はすごいなと思いました」と子供たちの溢れるエネルギーにたじたじとなりながらも、普段からやんちゃなアカデミーの子供たちと接していることもあり、「ヴェルディの子供たちがフランクすぎるというか、それがいいところでもあると思いますが、今日は本当に礼儀正しくていい子たちばかりでした」と子供たちとの交流で力をもらったという。 また、「すごく大事なことだと感じていて、ホームタウンですし、そういった地域の子供たちと触れ合うことで少しでもヴェルディに興味を持ってもらえることが、クラブの未来に少しでもつながる。小さな力ですけど、また大きなことにつながる本当に大事なことだと思っています」、クラブとして今回の活動の意義に言及。 一方で見木は「子供たちがこういう活動を通して、夢を持つことの大事さだったりをわかってもらえたらうれしいですし、夢に向かって行動していくことが大事ということも話させてもらったので、夢を見つけて夢に向かって行動していってほしいなと思っています」と、サッカー選手という夢を叶えた一人として無限大の可能性を持つ子供たちに少しでもいいきっかけを与えられればとの思いを語っている。 「これをきっかけに興味なかった子が1回応援しに行こうかなとか、そういう気持ちになってどんどんヴェルディを好きになってくれたらいい」と見木が語るように、今月の活動を通じて少しでもクラブに興味を持った子供たちが、今月30日に味の素スタジアムで行われる明治安田J1リーグ第37節、川崎フロンターレとのホーム最終戦を訪れてくれれば、選手・クラブとしてより励みになるはずだ。 <span class="paragraph-title">【写真】森田と見木が小学校訪問でほっこりする交流</span> <span data-other-div="movie"></span> <div style="text-align:center;"><img class="lazyload" data-src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2024/20241114_1_tw1.jpg" style="max-width:100%; min-height:200px;"></div> <div style="text-align:center;"><img class="lazyload" data-src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2024/20241114_1_tw2.jpg" style="max-width:100%; min-height:200px;"></div> <div style="text-align:center;"><img class="lazyload" data-src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2024/20241114_1_tw3.jpg" style="max-width:100%; min-height:200px;"></div> <div style="text-align:center;"><img class="lazyload" data-src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2024/20241114_1_tw4.jpg" style="max-width:100%; min-height:200px;"></div> <div style="text-align:center;"><img class="lazyload" data-src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2024/20241114_1_tw5.jpg" style="max-width:100%; min-height:200px;"></div> <div style="text-align:center;"><img class="lazyload" data-src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2024/20241114_1_tw6.jpg" style="max-width:100%; min-height:200px;"></div> <div style="text-align:center;"><img class="lazyload" data-src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2024/20241114_1_tw7.jpg" style="max-width:100%; min-height:200px;"></div> <div style="text-align:center;"><img class="lazyload" data-src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2024/20241114_1_tw8.jpg" style="max-width:100%; min-height:200px;"></div> 2024.11.14 18:45 Thu3
東京Vから期限付き移籍でJFLのヴェルスパ大分へ…宮本優25歳の苦悩と誓い「試合に出て活躍しないといけない」
ヴェルスパ大分のDF宮本優(25)が活躍を誓う。 1日、日本フットボールリーグ(JFL)第18節の高知ユナイテッドSCvsヴェルスパ大分が行われ、アウェイのV大分が0-1と勝利。敵地で首位を叩き、3連勝で4位をキープした。 東京ヴェルディからV大分へ期限付き移籍中のDF宮本は、1点リードの75分に途中出場し、試合のシャットアウトに貢献。昨季のレンタル先であった高知を封じ、チームとしても後半被シュートゼロという会心の勝利である。 宮本は自身のプレーを振り返り、「僕のタスクはまず『守り切る』ということ、隙あらば攻撃に持っていくということ。追加点はなかったけど、ゼロに抑えて勝ててホッとしました。相手も古巣の高知でしたし」と安堵する。 一方で実は宮本、今回が第18節にしてリーグ戦出場2試合目であり、ここまでは第12節で90+1分から途中出場したのみ。J3リーグ入会へ戦績面で好位置につけるチームの中、順風満帆でこの日を迎えたわけではない。 「JFLは能力の高い選手も多くて、自分の未熟さを感じます。ヴェルスパはJFLで以前から力があるクラブですし、僕はスタメンの座をとりたいけど、とれていない状況。素晴らしいクラブに入れたぶん、色んなものを吸収したいのですが、同時に試行錯誤も続いています」 「(保有元)ヴェルディは勢いがスゴいですね。J1でもしっかり、臆することなく、上位チームに勝つ試合をやっている印象です。僕は今もヴェルディの試合を全てチェックしていて、そこから刺激を貰う反面、やっぱり自分との差があるな…っていうのが正直なところです」 「それでも、ヴェルディにもヴェルスパにも所属している責任がありますし、人の目だってある。自分自身に“芯”をもって、試合に出て活躍できるようにしないといけない。今季残りの試合も頑張っていきたいです」 また、この日ホームに1万1085人を動員した“古巣”高知について尋ねてみると、「サッカーの底力というか…サッカーを通してここまで人が集まる、人に影響を与える、人を感動させられる…昨季はそこまでだった『高知の底力』みたいなものを感じました」と感慨深げ。 「ここまでの(首位高知の)戦績があって、多くの人たちを惹きつけた結果が、今日の観客席の光景なんだと思います」 「素晴らしいことですし、いち選手としてそういった雰囲気を作ることができる…僕もヴェルスパで結果を残したい。僕はもう高知の一員じゃないけど、なんだか嬉しかったですね」 中断期間明け初戦で加入後リーグ戦最長のプレータイム、古巣からも少なからず刺激を貰った様子の宮本。まっすぐに選手キャリアを歩む25歳は、ヴェルスパファンに後半戦の活躍を誓う。 「今日なんかも、直線距離で大分と高知はそこまで遠くないけど、必ずしもアクセスが良いわけではありません。それでも今日のように、アウェイでも毎試合来てくれる方々が、僕ら選手たちのチカラになっています」 「僕らもJ3昇格という目標があって、ファンの方々と一緒に突き進んでいます。少しでも多くの方に試合へ来てもらって、一緒に喜び合えるよう、全力プレーで表現していきます」 ◇JFL第19節 9月7日(土) 16:30キックオフ (H)ヴェルスパ大分 vs クリアソン新宿(A) レゾナックサッカー・ラグビー場 Aコート ◇DF23宮本優 1999年5月17日生まれ。熊本県出身。法政大学から2022年に東京ヴェルディへ入団。ルーキーイヤーのJ2リーグ出場9試合から、昨季は高知ユナイテッドSC、今季はヴェルスパ大分と、2年連続でJFLへ武者修行している。 2024.09.02 17:00 Mon4
シンガポール代表が日本遠征2戦目で勝利…古巣対戦となった小倉勉監督「国際親善試合に勝るとも劣らない。ASEANでやることと同じぐらいの意味がある」
小倉勉監督の率いるシンガポール代表は11日、AGFフィールドで東京ヴェルディとのトレーニングマッチに臨んだ。 2026年北中米ワールドカップ(W杯)のアジア2次予選で敗退したシンガポールは、今年12月から2025年1月にかけて開催される『ASEAN Mitsubishi Electric Cup 2024』に向けて調整を進める。 今回のインターナショナルマッチウィークでは日本遠征を実施し、FC東京、東京ヴェルディ、横浜F・マリノスと、J1の3クラブとのトレーニングマッチを組んだ。 その初陣となった8日のFC東京戦を0-4で落としたチームは、小倉監督が昨シーズンまでヘッドコーチを務めた古巣の東京Vと対戦した。 35分×3本の形式で行われた1本目は、普段のリーグ戦とは異なり主力クラス数名に控えメンバー中心の布陣で臨んだ東京Vに対して守勢を強いられたシンガポールだったが、15分にカウンターからMFハミ・シャヒンのミドルシュートで先制に成功。以降はMFチアゴ・アウベスらに際どいシュートを打たれたものの、リードを維持したまま終えた。 2本目は招待選手として参加している元U-17日本代表MF仲村京雅が途中出場。リーグ戦に近いメンバーを起用したJ1クラブ相手に、1本目以上に押し込まれる展開を強いられたが、時間の経過とともに[5-4-1]の堅固な守備が機能。相手の決定力不足に助けられた部分はあったが、格上相手の代表戦で見せている真骨頂の粘りの守備で無失点を継続。 メンバーを入れ替えた3本目は立ち上がりの6分にFW白井亮丞にゴールを決められたが、守勢の中でも虎視眈々と攻撃のチャンスを窺っていたシンガポールは終了間際の28分に相手ディフェンスラインの不用意なバックパスをかっさらったショートカウンターからMFファリス・ラムリの冷静なコントロールシュートでゴールネットを揺らし、最終的に2-1の勝利を収めた。 盟友である城福浩監督が率いる古巣相手に今遠征初勝利を収めた小倉監督は、試合後の囲み取材で今回の遠征の意義と手応えについて語った。 「成果というか、こういう環境でやらせてもらえているというのは、すごくありがたい経験で、選手だけではなく、スタッフもコーチもバックルームスタッフも、みんなに日本で得られるこういう環境を体験してもらいたかったというのが一番。それに関してはすごく良かったかなと」 「こうやって試合に出ている選手とか、Jリーグの選手とやっていただけることがすごく僕らにとってはありがたいし、そういう機会というのはなかなかない。今回FIFAウインドーで日本に来た甲斐があったというか、本当に感謝ですね」 「こういう環境でお客さんが入っている中でやらせてもらえることは、国際親善試合に勝るとも劣らない。ASEANでやることと同じぐらいの意味がある、それ以上の意味があるかなという感じです。あともう1試合あるので、それをやり遂げて帰ろうかなという感じです」 試合内容に関しては今シーズンのJ1リーグでも屈指の強度を誇る東京Vに対して、フィジカルや切り替えの部分で互角にやれる選手が数名見受けられた一方、多くの選手は正当なコンタクトでも簡単に倒れ込む場面も散見された。 その点については「強度の部分だとかはレベルが全然違うので、今日も何人か倒れてファウルをアピールした選手がシンガポール代表にはいましたが、それを耐えてプレーするとか、レフェリーの基準や、スタンダードのところを上げていきたいというのが一番にあって、そういう意味ではすごく勉強になった」と、アジアにおいてトップレベルと言えるJリーグの基準を肌で感じられた部分をポジティブに捉えた。 基本的にはW杯予選などで格上と対峙する際の戦いを意識した戦いを見せながらも、チャンスがあれば、ゴールキックからのショートパスを用いたビルドアップや、ロングボールだけに頼らずにゲームを構築しようとする様子も窺えた。 その能動的な振る舞いに対しては城福監督も「押されている中でもしっかりとボールを握ろうとする、あるいはラインを作ろうとするところはやっぱり彼らしいなと思います」と語り、「格上とやるというところでの、リスペクトという部分のほど良さというか、それを考えながらも我慢しながら自分たちのものをしっかりと示していくというのは、我々もいい刺激になりました」と小倉監督の下で進化を図るシンガポールの戦い方を評価している。 それでも、現状の自分たちの立ち位置や練度も熟知する指揮官は「自分たちがやりたいことをやるんですけど、それだけでは勝てない。それはお互いに相手があってのことなので、今日であれば下から繋ぐという、それだけを目標にしているわけではない。一番はゴールを取ることなので、ゴールに直結する。人がフリーであれば、そこに出すのが一番なので、目的と手段が逆になってしまうとまずいので、そういうことだけにはしたくない」と、成長のためのチャレンジに取り組みながらもしっかりと自分たちの足元を見て戦っていきたいと自戒の念を込めている。 また、FC東京戦に続いてこの試合でもプレーした仲村に関しては今年初めにシンガポールの永住権を取得したことで、帰化選手として前述のAFFでの起用も期待されている。 4度のシンガポール・プレミアリーグ年間ベストイレブンに輝くなど、同国リーグで最高の選手の一人としての評価を得ている元日本代表MFの現状について小倉監督は、「今は(市民権が)取れそうな状況。一応僕らにとって次の大きな大会であるAFFという大会があって、その大会が12月にある。それに向けての準備で、取れてからすぐ呼んでもなかなか間に合わないので、そのために呼んでいる」と説明。 ただ、「彼もシンガポール人になっただけで、別に彼が日本人で特別なものをもたらすとか、そういうのは全然思っていないので、彼が良ければ使えますし選べます。それはシンガポール人になったというだけで、他の選手と全く変わりなく扱うつもりでいます」と、かつてジェフユナイテッド千葉時代に指導した教え子に対しても、厳しいメンバー争いを勝ち抜く必要があると競争を促している。 日本遠征2戦目を勝利で終えたシンガポールは、14日にF・マリノススポーツパークで横浜FMとの最終戦に臨む。 シンガポール代表 2-1 東京ヴェルディ 1本目:0-1 2本目:0-0 3本目:1-1 ■得点者 1本目:15分 ハミ・シャヒン 3本目:6分 白井亮丞、28分 ムハンマド・ファリス・ビン・ラムリ 2024.10.11 19:10 Fri5