「チームの勝利にやっとゴールで貢献できた」東京Vの木村勇大、2桁ゴール到達のゴラッソに「やっとここで動かすことができた」
2024.09.01 09:05 Sun
柏戦でゴラッソ決めた木村勇大
東京ヴェルディのFW木村勇大が柏レイソル戦で決めたゴラッソは多くのネガティブなものを振り払う痛快な一撃となった。東京Vは8月31日、三協フロンテア柏スタジアムで行われた明治安田J1リーグ第29節の柏戦を3-2で勝利した。
前節、3位の鹿島アントラーズを2-1で下し、4戦ぶりの得点と共に4戦ぶりの白星を挙げた東京Vは、今回の勝利によって約3カ月ぶりとなる今季3度目の連勝を成し遂げた。
チームとしては残留争いの目安のひとつである勝ち点40の大台を超え、暫定ながら7位に浮上した点は大きいが、悩めるエースストライカーに2カ月半ぶりのゴールが生まれたことは今後に向けて大きなプラス材料となった。
京都サンガF.C.からの期限付き移籍でアカデミー時代を過ごした古巣帰還を果たした木村。その京都、昨シーズン途中に期限付き移籍で加入したツエーゲン金沢でどん底を味わった中、新天地では主に守備面を中心に厳しい要求を受けながらも開幕直後の第2節の浦和レッズ戦で初ゴールを記録。
そのため、自身初の2桁ゴール到達は時間の問題かに思われたが、以降は10試合ゴールから遠ざかることに。さらに、ジュビロ磐田戦での0-3の大敗をきっかけに3試合連続ベンチスタートも経験し、順風満帆だった新天地で初の挫折も味わっていた。
この間にチームでは木村の関西学院大学の1つ年上の先輩であるFW山見大登がゴールを量産し、横浜F・マリノス戦、アビスパ福岡戦、前節の鹿島戦でチームは貴重な勝利も挙げていた。
ただ、エゴイストであるべきストライカーらしい性格だけでなく、J1最年少スカッドにおいて決して若くない23歳は、勝敗に対するより大きな責任の芽生えによって「先週も勝てて嬉しかったですけど、少し歯がゆい部分があったりして、心の底から喜べていない自分がいた」とこの間の正直な胸の内を明かした。
そんななか、この柏戦には「どんな形でもシュートを打つというところをすごく意識して挑んだ」という言葉通りの豪快なゴールを決めた。
FW細谷真大のゴールによっていきなりのビハインドを背負った中、15分にペナルティアーク付近で山見から足元にボールを受けると、背負ったDF野田裕喜を振り切って反転しながら右に持ち出すと、視野に入っていたDF宮原和也、MF山田楓喜へのパスという選択肢を排除して右足を一閃。GK佐々木雅士の手をはじいた強烈なシュートがゴールネットへ突き刺さった。
そして、木村にとって11試合ぶり、待望の今季リーグ10点目は焦りやもやもや、迷いを振り払うものとなったようだ。
「焦りもありましたし、ずっとワントップで試合に出ている中で結果が残せないという責任もすごく感じていましたし、自分の中で焦りや責任を感じながら毎試合やっていました。今日はチームの勝利にやっとゴールで貢献できたというのが、なによりも大きかったです」
「(2桁ゴールは)あまり気にしないようにはしていましたけど、ずっと9点で止まっているというのは、正直心の中で引っかかっていました。周りからもそういう声が聞こえていたので、より余計に自分の中でもどかしい部分がありました。そういった9点だったので、やっとここで動かすことができて、そこもすごく嬉しいです」
ストライカーとしては常にゴールを決められることに越したことはないが、もがき苦しんだ苦しい日々、状況を好転させるための試行錯誤もそのプレーに新たな深みを与える重要なことにも思える。
木村はそんな経験はしなくてもいいというような雰囲気を漂わせながらも、ここ最近の経験が自身をもう一段階上のレベルにステップアップする契機になると感じている。
「なかなかしんどかったですけど、今まであまり自分はシュート練習とかしなかったですけど、最近は仁志さん(森下仁志コーチ)に付きっきりでやってもらっていますし、そういうゴールを取るために何が大事かとか、ゴールを取るメンタルというところをすごく言われて、自分もすごく意識してやっているので、今日も前向きな気持ちで試合に取り組めたので、そこがよかったかなと思います」
「今まではメンタルとかがあまり強くなくて、やっぱりよくないときに結構自分は気持ちの部分で落ちたり、沈んでいきがちなところがあった中で、ちょっとベンチになった期間とかはしんどかったですけど、そこを乗り越えてちゃんとこうやってまた結果を残せたというのは、そのしんどいときにどういう取り組みをするかとか、何をやり続けるかというところは、去年の自分とか今までの自分と比べてすごく大きく成長できたこの数カ月だったかなと思います」
そういったひたむきな取り組みを経て、PKや“ごっつあんゴール”ではなく豪快な一撃で自ら壁を破ったスケールの大きなストライカーは、残り9試合で再びゴールを量産し、J1残留と共に上位進出を狙う緑の名門の牽引車となりそうだ。
前節、3位の鹿島アントラーズを2-1で下し、4戦ぶりの得点と共に4戦ぶりの白星を挙げた東京Vは、今回の勝利によって約3カ月ぶりとなる今季3度目の連勝を成し遂げた。
京都サンガF.C.からの期限付き移籍でアカデミー時代を過ごした古巣帰還を果たした木村。その京都、昨シーズン途中に期限付き移籍で加入したツエーゲン金沢でどん底を味わった中、新天地では主に守備面を中心に厳しい要求を受けながらも開幕直後の第2節の浦和レッズ戦で初ゴールを記録。
上々の滑り出しを見せると、以降もコンスタントにゴールを重ねつつ得点以外の部分でも著しい成長を遂げ、6月15日に行われた第18節サンフレッチェ広島戦では9ゴール目を挙げた。
そのため、自身初の2桁ゴール到達は時間の問題かに思われたが、以降は10試合ゴールから遠ざかることに。さらに、ジュビロ磐田戦での0-3の大敗をきっかけに3試合連続ベンチスタートも経験し、順風満帆だった新天地で初の挫折も味わっていた。
この間にチームでは木村の関西学院大学の1つ年上の先輩であるFW山見大登がゴールを量産し、横浜F・マリノス戦、アビスパ福岡戦、前節の鹿島戦でチームは貴重な勝利も挙げていた。
ただ、エゴイストであるべきストライカーらしい性格だけでなく、J1最年少スカッドにおいて決して若くない23歳は、勝敗に対するより大きな責任の芽生えによって「先週も勝てて嬉しかったですけど、少し歯がゆい部分があったりして、心の底から喜べていない自分がいた」とこの間の正直な胸の内を明かした。
そんななか、この柏戦には「どんな形でもシュートを打つというところをすごく意識して挑んだ」という言葉通りの豪快なゴールを決めた。
FW細谷真大のゴールによっていきなりのビハインドを背負った中、15分にペナルティアーク付近で山見から足元にボールを受けると、背負ったDF野田裕喜を振り切って反転しながら右に持ち出すと、視野に入っていたDF宮原和也、MF山田楓喜へのパスという選択肢を排除して右足を一閃。GK佐々木雅士の手をはじいた強烈なシュートがゴールネットへ突き刺さった。
そして、木村にとって11試合ぶり、待望の今季リーグ10点目は焦りやもやもや、迷いを振り払うものとなったようだ。
「焦りもありましたし、ずっとワントップで試合に出ている中で結果が残せないという責任もすごく感じていましたし、自分の中で焦りや責任を感じながら毎試合やっていました。今日はチームの勝利にやっとゴールで貢献できたというのが、なによりも大きかったです」
「(2桁ゴールは)あまり気にしないようにはしていましたけど、ずっと9点で止まっているというのは、正直心の中で引っかかっていました。周りからもそういう声が聞こえていたので、より余計に自分の中でもどかしい部分がありました。そういった9点だったので、やっとここで動かすことができて、そこもすごく嬉しいです」
ストライカーとしては常にゴールを決められることに越したことはないが、もがき苦しんだ苦しい日々、状況を好転させるための試行錯誤もそのプレーに新たな深みを与える重要なことにも思える。
木村はそんな経験はしなくてもいいというような雰囲気を漂わせながらも、ここ最近の経験が自身をもう一段階上のレベルにステップアップする契機になると感じている。
「なかなかしんどかったですけど、今まであまり自分はシュート練習とかしなかったですけど、最近は仁志さん(森下仁志コーチ)に付きっきりでやってもらっていますし、そういうゴールを取るために何が大事かとか、ゴールを取るメンタルというところをすごく言われて、自分もすごく意識してやっているので、今日も前向きな気持ちで試合に取り組めたので、そこがよかったかなと思います」
「今まではメンタルとかがあまり強くなくて、やっぱりよくないときに結構自分は気持ちの部分で落ちたり、沈んでいきがちなところがあった中で、ちょっとベンチになった期間とかはしんどかったですけど、そこを乗り越えてちゃんとこうやってまた結果を残せたというのは、そのしんどいときにどういう取り組みをするかとか、何をやり続けるかというところは、去年の自分とか今までの自分と比べてすごく大きく成長できたこの数カ月だったかなと思います」
そういったひたむきな取り組みを経て、PKや“ごっつあんゴール”ではなく豪快な一撃で自ら壁を破ったスケールの大きなストライカーは、残り9試合で再びゴールを量産し、J1残留と共に上位進出を狙う緑の名門の牽引車となりそうだ。
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東京ヴェルディの城福浩監督が、湘南ベルマーレに向けて会見を行った。 6日、ホームで行われた明治安田J1リーグのセレッソ大阪戦を1-1のドローで終えた東京V。 今週末のリーグ戦で首位のFC町田ゼルビアとの東京クラシックという重要なダービーを控える中、10日にレモンガススタジアムで行われる天王杯3回戦では湘南とのJ1勢対決に臨む。 8日にクラブハウスで行われた会見で城福監督は、今夏の移籍ウインドー開いたなかでチームのIN&OUTに言及した。 ここまでチームではDF山越康平とFW河村慶人がJ2リーグのジェフユナイテッド千葉、ブラウブリッツ秋田に期限付き移籍、DF平智広がJ3リーグのツエーゲン金沢に完全移籍。3選手が出場機会を求めて新天地へ旅立った。 そのなかで指揮官は会見当日に公式リリースが出されたアカデミー出身でチーム最古参だった平について言及。昨シーズンのJ1昇格プレーオフを制し、悲願のJ1昇格を果たすまで、辛く厳しい期間を支えたベテランDFの献身を称えると共に、退団時の挨拶の際に後輩たちへ伝えた言葉が今後の若きチームにとって重要な指針になると語った。 「平が試合(C大阪戦)の前の日にみんなの前で挨拶をしました。僕は選手の出入りに関して、自分のミーティングで、それに触れたことは今まで1回もないです。それは出る選手に対しても、入ってきた選手に対してもです。ただ、平の挨拶というのが、僕の中でも今までの選手とは、やはり特別な違いがあった。選手の中で響いていると思います。我々がこんなにおいしい昼食を毎日食べられて、ピッチの芝生が8割ぐらい緑の芝で普通にサッカーをやれて、いろんなものが改善されてJ1でいられるということが、どれだけ幸せなことかと…」 「彼は無念だと思います。9年ですかね、頑張ってどん底のところで腕章を巻きながら戦ってきて、じゃあ何分間、J1の舞台でやれたのかを考えれば、彼がどれだけ無念だったか、僕は想像もつかないです。ただ、彼がみんなの前で発した挨拶の言葉というのは、ごく短いですけど、おそらくみんなの胸に刺さったと思います」 「自分たちがJ1でやれているのが当たり前と思ってはいけない。そう思わせてくれるような当たり前の挨拶の一言だけれども、ものすごく深いものがあったし、僕はこの前の試合のロッカーアウトのときにも、初めて出入りがある選手のことに触れたミーティングをしました。何となくJ1に残れるのではないかとか、自分たちが戦えているのではないか、J1にいるのが当たり前だというふうに思ったらこのチームはどうなるかわからない。下のチームも勝っていてそういった状況の中、苦しい中で腕章を巻いた選手が最後に素晴らしい言葉を残してくれたなと思っています」 一方、3選手がチームを離れたことで期待される新戦力補強に関しては、クラブの財政事情も鑑みて、降格圏内を中心に積極的な動きが見受けられる他クラブのような派手な動きはないと主張している。 「現場だけの目線で話せるクラブではないと思っています。自分もヴェルディで第4章の中のメンバーの1人なので、例えば年俸のバランスを大きく崩してまでも、『半年でいいから、こういう選手を取ってくれ』と、『来年もその年俸を抱えてもいい、この半年で残るからそうしてくれ』と言うのは簡単です。なぜならば、自分の使命は今年残すことだからです」 「ただ、ヴェルディというクラブからしたときに、果たしてそれがプラスになるのかと。来年もものすごく重い年俸を持つ覚悟をして、今年の半年間でそういう選手に手を挙げるのかというと、おそらくそこは強化部が経営陣との間に入って、どこを落としどころにするのかというのは強化が考えることです。僕のリクエストは、今年残すことなので、そこの戦力がほしいと、この一点に尽きるわけです。そこが完全に最初から一致するはずがないです。そしたら僕の存在意義はないです。僕の目的はそこなので、ただそうは言ってもという部分は十分承知しています。その中でどこを狙うのか、どのポジションなのか、何でもかんでも手を挙げるのかというのは、おそらく相当今強化は頭をひねっている状況かなと思います」 そういった状況を踏まえた上で指揮官は「新たな武器」、「手薄なポジション」をキーワードに、仮に獲得に動く場合はあくまで“即戦力”を求めている。 「ひとつはこのチームの中で持っていないものを持っている選手。もうひとつは選手層が厚いとは言えないポジション。ここに関しては、慣れたら使えるだろうではなくて、入ってきたらそこの部分のストロングに関しては絶対に使えるという選手。チームにアジャストするかどうかは僕らの腕だと思うので、そこが半年かかったら、来年から戦力になりますというような選手を、僕らは現時点で求めていないです」 また、ここ数試合ではFW木村勇大とFW染野唯月のダブルエースの2試合連続のベンチスタート。ディフェンスラインの主軸を担ってきたDF宮原和也のボランチやウイングバックでの途中投入といった選手起用の部分で変化が加えられている。 プレシーズンから幾度か負傷離脱を繰り返し、選手自身も100%のコンディションへ途上の段階であることを認める宮原に関しては、コンディションの向上を待ちつつ、現状では「各ポジションの競争を刺激する存在」としての役割を期待しているという。 「ケガがあって離脱することがあって、そこからチームに合流する。そういうプロセスの中でチームも立ち位置の変化をしていったという中で、彼も当たり前ですけど、どの選手も先発で出たい。最後までピッチに立っていたい。これは選手として当たり前なので、それは我々もそれを目指してほしいと思っていますし、力から見てもそうあって全くおかしくないと思っています」 「今はたまたまベンチからスタートしていますけど、そのときに彼はセンターバックとボランチ、ウイングバックと3つのポジションができる。彼の守備における嗅覚とか、寄せの速さとか、最終的にスコアと時間帯の中で何を判断しなければいけないかというところは信頼しているので、逆にベンチに彼は持てているというのは、我々の立場からしてものすごく心強い」 「ただ、彼はそれで満足しないと思うので、3つのポジションを高いレベルで競争してもらって、本当にコンディションが100%に戻ってきたときには、どこかのポジションで先発で出ることもあるでしょうし、彼が高いレベルの各ポジションの競争を刺激する存在として第一人者になると思うので、そこから彼自身も勝ち取っていってほしいなと思っています」 一方、開幕からスタメン起用が続いた中、直近2試合ではいずれも途中出場ながら守勢の展開で持ち味を発揮し切れなかった木村と染野に関しては、「長い時間をもらった方が力を出せるタイプと、10分なら10分で存在を出し切れるタイプがある」、「それをすぐ表現できるプレースタイルなのか、プレースタイル的に自らを表現するというよりも、周りに使い方を理解してもらって表現する方がやりやすいというタイプがいる。彼らもそこの壁というか、難しさというのを感じながらやっている」と擁護。 ただ、大敗したジュビロ磐田戦後から“原点回帰”を強調する指揮官は、「ードワークとクオリティの掛け合わせ」でチームとしての最大値を出すという自身の志向するスタイルの下で、ダブルエースへの奮起を求めた。 「ここ7、8試合。ちゃんと遡ってないですけど、僕はずっとモヤモヤしたものがあった。それは勝っても負けても、本当にここ1カ月ぐらいは『これでいいのだろうか』と思いながらやっていた」 「ただしっかり点を取るべき選手が点を取っているとか、ゲームとしての勝ち点も十分かどうかはわかりませんけど、重ねてきているということを考えたときに、今名前が出たような選手たちが全て責任があるとかそういうことでは全くなくて、自分の中でモヤモヤしたものを抱えながら、ちょっとした機嫌を取りながらという言い方がいいのか、チームをマネジメントしていく、チームを作っていくというのは、自分が一番後悔するのだろうなと…」 「そうやって後悔して苦い経験をしてきたこともあるので、自分が目指したいサッカーが表現できる選手から逆算して戦う。それは当たり前ですけど、ハードワークとクオリティの掛け合わせなので、どちらかが極端に多い選手がいれば、両方ともそれなりのレベルを発揮できる選手もいれば、選手にはいろんなタイプがある。でも、掛け合わせて数値の大きい方を出す」 「目指すサッカーに関して近づく中での、おそらく山の登り方は選手個々違うはずなので、彼らの中でもがいてもらえばいいと思います。彼らが持っているものを手放せとは言っていないですし、手放してほしくない。ただ、このチームが目指すものと、個人のクオリティの掛け合わせということは外したくない。その中ではい上がってきてほしい」 2024.07.09 21:09 Tue3
「6位は誰もが驚く結果」東京Vの江尻強化部長が躍進の今季総括…レンタル組の去就や来季展望に言及
東京ヴェルディの江尻篤彦強化部長が、9日に2024シーズンの総括会見を実施した。 就任2年目となった城福浩監督の下、昨シーズンは16年ぶりのJ1昇格という悲願を果たした緑の名門。今シーズンはJ1残留を至上命令に臨んだなか、開幕時点で“20番目のチーム”と目された下馬評を痛快に覆す快進撃で、4節を残して残留を確定。さらに、クラブとしての予算規模、スカッドの経験値で上回る多くのクラブを退け、最終的に東京移転後では最高位となる6位で2024シーズンの明治安田J1リーグの戦いを締めくくった。 2020年に東京V入りした江尻強化部長は、自身の出身である明治大学の選手を中心に、近年のクラブにはルートや選択肢としてなかった大卒の有望株の獲得、2022シーズン途中に招へいした城福監督との二人三脚によって、限られた予算のなかで的確な補強でJ1昇格、今季の6位フィニッシュを成し遂げた。 今回の会見では城福監督の手腕への評価を含めた、今季の振り返りとともに、さらなる躍進を目指す来シーズンに向けた展望を語った。 「昨年の12月2日に染野選手のPKで我々が16年ぶりのJ1を獲得できた」という昇格プレーオフを制してのJ1昇格決定からスタートした今シーズンの戦い。 昇格の可能性がある昨年の終盤の段階から「J1バージョンとJ2バージョンの両方を考えながら進めていた」と語る補強責任者は、開幕前の段階で降格候補の最有力と目されたなか、指揮官とともに「2024シーズンはサプライズを起こせるようなチームになりたい」とチーム作りを進めた。 そのなかで「チームとしてどういう色で戦うのか」、「そのなかで質の高い選手がいないと勝てない」という2つのポイントを重視。ハイインテンシティのアグレッシブな城福監督の明確なスタイルを体現する“質の高い選手”という部分ではJ2昇格に貢献した現有戦力に加え、「J1リーグでも若い選手がチームの考え方とか、監督の戦う戦術で少し試合時間に恵まれてない選手をピックアップ」。 いずれも京都サンガF.Cから期限付き移籍で加入したFW木村勇大とMF山田楓喜、ガンバ大阪から期限付き移籍で加入したFW山見大登が攻撃の主軸として覚醒した。 一方で、江尻強化部長は「夏以降に成長した」とディフェンスラインで活躍したMF綱島悠斗、DF千田海人の2人に言及。改めて編成の責任者として気付かされる部分があったという。 「今年でいうと、綱島悠斗、千田海人とかディフェンスの選手が夏以降に成長し、千田はベテランと呼ばれてもおかしくない年齢の選手で、J2のときに秋田から取ってきて、J2時代はあまりフィットしなかったですが、このJ1に向けて彼自身が成長した。彼の例を挙げると、年齢はあまり関係ないんだなと、いかに我々のやりたい、目指しているところと、あとは何よりも城福監督が目指しているようなサッカーにフィットするかしないかというところが、改めて編成の責任者をしている側としたら、すごく大切なところだなというのは思いました」 また、今季のスカッドはDF宮原和也を除き多くの選手がJ1初挑戦やJ1で出場経験が少ない選手で構成された点が大きな特徴だった。百戦錬磨の指揮官を含め、経験豊富なコーチ陣の存在はあるとはいえ、J1で経験豊富な選手を“メンター”や“ロールモデル”として若きスカッドに組み込む選択肢も当然あり得たはずだ。 その点について江尻強化部長は「あるときにはそういう選択をするかもしれない」、「これが来年も続くかといえば、これは本当にわからない」としながらも、クラブの哲学や自身の考え方として、今季のチーム作りが適したものだったと感じているという。 「当然経験が少ない選手ばかりのチームでしたけど、そこに何を見いだして我々が戦いを挑んだというところが大きなポイント。城福監督が求めるサプライズを起こせるようなチーム。本当にひたむきにアグレッシブに戦うチームというのが作れれば、そういうところに挑めるということを、今年は証明できたのかなと思っています」 「今年は選手も少なくとも同じ考えを持って、こういうメンバーでもやり遂げられると、同じ方向へ向いたということを考えると、経験がある選手がいるのといないのとで、ダメなところをうまくいい方向に、みんなの意識が向いた結果かなと思っているので、そこは大事にしていきたいです。20チームのJ1のクラブのなかで、こういうチームもあってもいいのではないかなと思っています」 「僕らヴェルディの哲学としたら育てるチームというのが大きなキーワードになる。城福監督は基準をぶれずにチーム作りをしてくれたというのと、僕も基準をぶれずに、育てることを貫き通せているというのも、ぶれてない部分だと思っています。そういう若い選手をエージェントさんが紹介してくれたりとか、高校生、大学生がここへ来れば試合に使ってもらえそうだというところを、ひとつブランドとして作れている部分もあると思っている。このクラブの哲学として、そこはぶらしたくないというのはあるので、基本そっちの方をその哲学を大事にしながらチーム作りをしていこうかなと思っています」 その結果が「今シーズンの6位という順位は、誰もが驚くびっくりするような結果」に繋がった。 「今年1年はクラブ全体で、本当にみんなで力を合わせた結果がこういう結果になった。我々もこれまで支援していただいているスポンサー様、自治体の方々が本当にJ1の16年ぶりの舞台で皆さんが後押しをしてくれた。何よりも苦しいときもわかってくれているサポーターの皆さんが、また味スタのスタジアムに戻ってきてくれた。私は2020年から来ましたけど、あのときのゴール裏と今のゴール裏とでは、もう比べようがないぐらいお客さんが入っていて、それに応えるために、我々が一生懸命努力したということが、本当に良かったと思います」 ただ、J1での戦いが甘いものではないことを知る江尻強化部長は「これを中長期的にどういうふうに継続していくかというところが、このヴェルディの未来にも繋がると思いますし、いま頭を悩ましているところ。動いている足を止めるわけにはいかないので、これからが本当の意味でのヴェルディになっていくというふうに思っているので、大変かもしれないですけど、やっていこうかなと思います」と、早くも来季以降の厳しい戦いへ気を引き締め直した。 2022シーズンの途中から名門再建へ二人三脚で取り組んできた城福監督については、「結果も含めて我々が目指している、育てながら、勝ち点を積み上げていくということの体現をできる監督であり、何よりも経験とチームのマネジメント力の部分は、本当に日本でも指折りの監督だと思っている」と、クラブのフィロソフィーを体現できる監督だとその手腕を評価。 とりわけ、元ジェフユナイテッド千葉の指揮官はオフ明けの振り返りのミーティングを含め、卓越したマネジメント能力を称賛している。 「オフ明けの振り返りのミーティング。ここは本当に素晴らしいミーティングを毎回している。自分がチームとして作った基準に達していなければ、それはダメだというところをしっかり持っていらっしゃる監督で、これは僕も監督をやったからよくわかりますが、どこかしら何かに忖度してしまう場面が多々ある。忖度が起こってしまうというのが、一番マネジメントに影響してくる。城福さんは、そこは絶対に誰が何であろうが、自分らが築き上げた、その基準に達しなければ、みんなに平等に話をする」 「個でもチーム全体でもしっかりとしたハードルがあるので、そこは本当にぶれずに話をするというのは、素晴らしい監督。これをやらなかったらダメだという基準をしっかり示し、誰もがその基準に達しないとピッチに立てない、試合に使ってもらえないというところがあり、トレーニングがその象徴であって、トレーニングでやれない選手は出られないというところの基準をしっかり作れる方だと思っています」 その上で「今はいいお話もできていますし、そういうものが近々発表されればいいかなと。ただ城福さんも妥協なき方なので、来年の補強はしっかり見たいというのも、オーダーとしてありますので、僕の補強次第なのかなと。ただ苦戦しています(笑)」と、近日中の来季続投発表を示唆した。 今季の6位という順位を踏まえると、来季はJ1定着という当初からの目標に加え、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)の出場権獲得、そしてリーグ、天皇杯、ルヴァンカップでのタイトル獲得も視野に入ってくる。 江尻強化部長はそういった野心を理解しつつも、「それができるような補強ができないと、高い目標を設定すぎて全く違う形になるというのが多い。そこはプロフェッショナルとしてしっかりとしたところは定めたい」と自らの仕事に直結する補強の結果を鑑みて、来年の新体制発表の際に目標を発表したいと慎重な姿勢を示した。 その補強の進捗状況については「我々の選手で他クラブから評価されているのも現実で、なおかつ我々も残ってもらえる努力はしながら、補強のポイントを、よそから取ってくるなりをしなければいけないところの苦しさはあります」とコメント。 補強戦略の部分では「全ポジション」を対象に、外国籍選手の獲得の可能性を含め、“活きがいい若手”を軸に、パーソナリティを含め現スタイルに合致した選手を獲得していきたいと語る。 「(求める特徴は)戦える選手。そのなかで走れるとかスピードがあるとか、強いとか、そこはポジションによって変わってくるし、求めているものによって変わってきます。ただ、満遍なく全部持っているよりは、特徴がある選手をそのポジションに配置してチーム作りをしてきたつもりで、ポジションによってそういうものを変えていけたらなと思います」 「我々はここまで何年か僕と城福監督を中心に積み上げた若い選手が成長するというのは、ひとつの売りやブランドになり始めてきていると思うので、求人募集ではないですけど、若くて活きのいい選手に対して、ターゲットはもちろん絞ってますけど『ここなら試合出れて、やれるぞ』という、求人募集したいぐらいです(笑)」 新戦力補強とともに重要なのが、今季の躍進に貢献したレンタル組の去就。今季は前述した木村、山田楓、山見の3選手に加え、鹿島アントラーズから2シーズン連続期限付き移籍で加入したDF林尚輝、FW染野唯月が主力としてプレーし、MF松村優太も鹿島から今季途中に加入している。 江尻強化部長はそのレンタル組の完全移籍での買い取り、来季のレンタル移籍を用いた補強プランについて言及。交渉の進捗に関して明言を避けながらも、クラブとして「全力を尽くしている」と説明した。 「レンタル選手の買い取りは考えています。ただ、あくまでも考えているところで成立するかどうかはわからないですけど、クラブには(資金面のバックアップを)頑張っていただけているとは思っていますし、そこと買い取りには全力を尽くします」 「ただ、クラブがものすごく急にお金をかけて何かできるというようなことはないとは思いますので、引き続きレンタル選手を視野にも入れて編成しているのも事実。僕らがもらっている予算、バジェットのなかでどういう編成をできるかというのは、すごく大切なことだと思っているので、少しずつ自分たち保有の選手にしていけたらなと思っていますし、今年の例で言うと、そういうレンタルで借りた選手の価値も上げられていると思うので、育てるところも含めていい流れで来ているかなと思います」 2024.12.10 17:26 Tue4
札幌を率いて7年目、苦境を率いるペトロヴィッチ監督は「我々が去ってもクラブはそこにある」…育てた選手が続々引き抜かれる苦しみも口に「十分引き留めていける資金力があれば…」
北海道コンサドーレ札幌のミハイロ・ペトロヴィッチ監督が、苦しいシーズンへの想いを口にした。 2日、明治安田J1リーグ第17節で札幌は東京Vとアウェイで対戦。苦しいシーズンとなっている中、ペトロヴィッチ監督の続投も発表された中での一戦となった。 しかし試合は立ち上がりから打ち合いに。10分に東京Vは木村勇大のゴールで先制すると20分に札幌は荒野拓馬がゴールを奪い同点に。それでも東京Vは32分に染野唯月、43分には見木友哉とゴールを重ねて勝ち越しに成功。札幌は後半早々に近藤友喜が1点を返すが、失点を重ね、5-3で敗戦となった。 これで3連敗、そして最下位に転落となった札幌。5月29日にはクラブからペトロヴィッチ監督の続投が発表された中、初戦でまたしても敗れてしまった。 試合後、どう受け止めたのかという質問を受けたペトロヴィッチ監督は、クラブが何よりも大事だと言及した。 「私は66歳、49年間この世界で生きている。こういう状況の中で大事なことは、私がどう思うとか、どう感じるということではない。常に大事なのはクラブ。監督も選手もスタッフも、いずれはクラブを去っていく。我々が去ってもクラブはそこにある。クラブという存在は、働く我々にとって常に大事だ」 「私自身も今年は日本で19シーズン。広島で6シーズン、浦和で6シーズン、そして札幌に関しては7シーズン目に入っている。グラーツ時代も5シーズン、選手として8シーズンやったが、私自身は比較的長く1つのクラブで仕事をする傾向がある」 「常に心がけていることは、1つのクラブで仕事をするときに、与えられる環境でクラブがいかに良い方向に進むか、成長していけるか。それを考えて常に仕事をしている。クラブの決定、クラブがどう判断するのか。我々監督はそれを常に尊重し、受け入れていくことが監督だ。ベストを尽くしていくということが我々の仕事だ」 「そういう中で、ミシャ・ペトロヴィッチが何を思うか。常にクラブを大切にし、クラブの決定に従う人間だ。私は今の状況の中で我々は必ず這い上がれると信じている。全てを我々がやっていることは札幌のためだ」 「結果が伴わない試合が続いているが、希望は失っていない。クラブがどう判断するかということは、常に尊重している」 クラブの決断が出るまでは諦めずにチームを導いていくと語ったペトロヴィッチ監督。会見が終わろうとした中、ある記者からの質問が紛糾。「今シーズンで契約が満了を迎えることになると思う。クラブに残したいものは何か」と問われると、これまで率いていきた中での出来事を回想した。 ペトロヴィッチ監督は、チームにスタイルを植え付けただけでなく、大卒選手やまだ大きく羽ばたいていない選手たちを成長させ、チームを強化。しかし、ほとんどの選手がチームを去っていく状況となり、チーム力が上がっては、移籍で下降するということが続いていると言及した。 「札幌ではプロフェッショナルな仕事をしてきた。札幌に来た当初、最初のシーズンは年齢の高い選手が多かった。若い選手を育てながら、1年1年チームを作りながら、日本のJ1の中でも一目置かれる存在のチームになり、札幌がどういうスタイルのチームになのかを観ている人たちもわかるようなチームに6年かけてやってきた」 「大卒で入ってきた選手たちも6シーズンの中にも多かったし、彼らが1年1年成長する中でチームも強くなっていった」 「残念ながらその選手たちは、我々はなかなか資金力がなく、買われている現状で、積み上げていくことができない状況が毎年続いていた。我々がその選手たちを十分引き留めていける資金力があれば、今シーズンも十分にタイトルを狙える存在だったと思う」 「鈴木武蔵は長崎から札幌に移籍してきて、非常に成長した中でJ1で成績を残した。夏の移籍でベルギーに行くまで、確か14ゴールを決めて得点ランキングのトップに立っていた」 「そしてアンデルソン・ロペスも広島ではなかなかレギュラーになりきれず、ソウルでもなかなかレギュラーになれず、我々札幌に来てチームの中で成長し、活躍していってくれた選手だ。ハーフシーズンで得点ランキングではトップだった中で、中国へと移籍した」 「シーズンでこの2人がいれば25〜30点を取れる計算ができたが、そういった選手が抜けてしまえば、ビッグクラブであっても代わりを見つけるのは難しい」 「進藤亮佑もユースから上がってきて、1年1年プロとして成長した中でセレッソに移籍してしまった。高嶺朋樹は、大卒でうちに入ってきて、1年1年活躍する中で柏に移籍した。田中駿汰も大卒で来て、1年1年成長する中で活躍してくれてセレッソへ移籍した」 「金子拓郎も大卒で来て、1年1年成長して活躍し、今はディナモ・ザグレブの選手だ。小柏剛も大卒で入って来て、活躍した中で今はFC東京に所属している。ルーカス・フェルナンデスは日本では凄いブラジル人選手としてきたわけではないが、札幌で活躍して今はセレッソでプレーしている」 「そういった今名前を挙げた8人の選手がみんな残り、今いる選手たちと共に戦えていれば、我々は十分にタイトルを狙えるチームだろう」 「忘れていた。チャナティップという選手もいた。推定5億円という移籍金で移籍していったが、チームにいたら十分力になってくれた選手だ」 錚々たるメンバーがペトロヴィッチ監督の下で成長し、札幌から羽ばたいていっている。そうした苦悩もありながらも、それでもなお札幌はJ1に残留しなければいけないチームだと語った。 「なかなかそういった選手たちを維持することが難しい中で、1年1年戦う中でどこかでエラーが出る年が出てしまう。今は苦しいが、札幌は残留できると思っているし、私と共にあろうが、私と共になかろうが、札幌は残留しなければいけない」 札幌が苦しい状況にあるのは事実。選手たちも苦しみを味わって戦っていることも感じられる。苦しい状況をどう打開していくのか。後半戦の巻き返しに注目したい。 2024.06.02 21:08 Sun5
長野GK松原颯汰が圧巻の活躍も東京VがPK戦制して2回戦進出! GK長沢祐弥がPK戦で殊勲の2本ストップ【YBCルヴァンカップ】
20日、JリーグYBCルヴァンカップ 1stラウンド第1回戦のAC長野パルセイロvs東京ヴェルディが長野Uスタジアムで行われ、0-0のスコアで120分の戦いが終了。PK戦を4-5とした東京Vが2回戦進出を決めた。 藤本主税監督の下、開幕からのJ3リーグで2勝2敗の14位に位置する長野。先週末の信州ダービーが降雪の影響で開催延期となり、約2週間ぶりとなった公式戦では昨季の天皇杯で大敗した格上相手にジャイアントキリングを狙った。23日に福島ユナイテッドFC戦を控えるが、ほぼ主力を起用した。 一方、今季ここまでのJ1リーグで2勝1分け3敗の14位に位置する東京V。先週末の名古屋グランパス戦でホーム初白星を挙げた勢いに乗り、リーグカップ初戦突破を狙った。名古屋戦からは先発4人を変更。GKに長沢祐弥を起用した以外、ほぼ主力を起用。福田湧矢と新井悠太がウイングバックに入る攻撃的な布陣となった。 立ち上がりに忽那喬司が直接FKでファーストシュートを記録したが、以降は前線で強さを見せる木村勇大を起点に東京Vの攻勢が続く。 7分には自陣でのプレス回避から齋藤功佑の縦パスでディフェンスラインと入れ替わった木村がボックス内に侵入も、最後のタッチが大きくなってゴールラインを割る。さらに、染野唯月が左足ミドルシュート、新井悠太が左サイドからのカットインのミドルシュートでゴールへ迫っていく。 一方、長野は大野佑哉が足を痛めてプレー続行不可能となり、冨田康平が14分にスクランブル投入となった。 局面で個的優位を活かしながら先制点を目指すアウェイチーム。23分には山中麗央の軽率なバックパスを奪った平川怜がそのままボックス付近まで運んで狙いすました右足ミドルシュートを枠の右隅へ飛ばすが、これはGK松原颯汰のビッグセーブに遭う。続く右CKでは競り勝った谷口栄斗のへディングシュートにゴール前の新井が詰めたが押し込めない。 藤森亮志の際どいボレーシュートも放たれた前半30分以降は守備でアジャストし始めたホームチームが押し返す。サイドを起点に相手のウイングバックの背後を突き、コンビネーションでの崩しを試みる場面も増えていく。 前半終盤にかけては東京Vが再び押し込む形を作り出したが、最後のところで精度を欠いてゴールレスでの折り返しとなった。 迎えた後半、長野は脳震とう疑いの砂森和也を下げて石井光輝を投入したほか、ハーフタイムで3枚替えを敢行。勢いを持って試合に入った。 序盤の守勢を撥ね返して徐々にボールの主導権を握った東京V。平川を起点にチャンスの糸口を見いだそうとするなか、61分には山見大登と新井を下げて翁長聖、松橋優安の2選手をウイングバックで投入。福田が左のシャドーに上がった。65分にはペナルティアーク手前で得たFKの場面でキッカーの平川が枠の左隅にシュートを飛ばすが、前半に続きGK松原の好守に遭う。 69分には福田を下げて白井亮丞を投入。前線にストライカー3人が並ぶ形になると、その白井にいきなりのビッグチャンス。染野が相手ボックス付近でボールを奪ってゴール右まで持ち込んで冷静にプルバック。ゴール前に飛び込んだ白井がワンタッチで合わすが、このシュートは枠の左に外れた。 後半半ば以降は長野の運動量低下によって、東京Vが完全に押し込んで厚みのある攻撃を仕掛けていく。だが、再三の際どいクロスも相手の粘りの守備を前にゴールに至らず。後半アディショナルタイムにはセットプレー流れから齋藤功佑に決定機が訪れるも、ゴール右下隅に向かったシュートはDFのブロックに阻まれた。 結局、前後半でゴールは生まれず、試合は延長戦に突入。延長の前半は途中出場の進昂平の機動力やセットプレーを軸に長野が攻勢を仕掛けたが、最後の精度や工夫が足りない。これに対して押し返した東京Vも、味方とのパス交換でボックス右に侵入した食野壮磨の右足シュート。直後の101分にはルーズボールを制し、ボックス中央に侵入した白井がGKと一対一のビッグチャンスも、右を狙ったシュートはGK松原の驚異的なワンハンドセーブにはじき出された。 その後、完全に消耗戦となった延長後半戦は東京Vが攻勢を仕掛けたものの、最後まで長野の守備を攻略できず。決着はPK戦に委ねられることになった。 そのPK戦ではGK松原のセーブと齋藤の失敗で後攻の東京Vが2連続失敗。崖っぷちに立たされたが、GK長沢が見事なセーブと長野の失敗によってイーブンに。以降は互いに連続で成功したなか、7人目で決着。先攻の長野の樋口叶のシュートを長沢がストップ。そして、後攻の東京Vは稲見哲行が右隅に蹴り込み、激闘を制した。 AC長野パルセイロ 0-0(PK:4-5) 東京ヴェルディ 2025.03.20 17:01 Thu東京ヴェルディの人気記事ランキング
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2025シーズンのホームグロウン制度、14クラブが不遵守も罰則なし…最多はFC東京の15名
Jリーグは22日、各クラブの2025シーズンのホームグロウン選手の人数を発表した。 ホームグロウン制度は、各クラブが選手育成にコミットし、アカデミーの現場を変えていくことを目的に導入したもの。12歳の誕生日を迎える年度から21歳の誕生日を迎える年度までの期間において、990日以上、自クラブで登録していた選手が対象となる。 期限付移籍の選手は、移籍先クラブでの登録となり、21歳以下の期限付移籍選手の育成期間は、移籍元クラブでカウント。JFA・Jリーグ特別指定選手は、ホームグロウン選手とはみなされない。 2025シーズンに関しては、J1のクラブは4名、J2・J3のクラブは2名以上と定められている中、14クラブが不遵守となっており、昨シーズンから2クラブ増えることとなった。 明治安田J2リーグではいわきFCと藤枝MYFCが昨シーズンに続いて「0人」、明治安田J3リーグではヴァンラーレ八戸、福島ユナイテッドFC、栃木シティ、SC相模原、FC大阪、高知ユナイテッドSC、テゲバジャーロ宮崎が「0人」、ザスパ群馬、FC岐阜、奈良クラブが「1人」となっている。 これまで不遵守となったクラブは、翌シーズンのプロA契約選手の「25名枠」から不足人数分減じられることとなっていたが、2026シーズンからはプロ契約の区分が撤退されるため、処分はない。 なお、全部60クラブで最も多くホームグロウン選手を登録しているのはFC東京で15名。続いて13名の鹿島アントラーズとサンフレッチェ広島、12名の柏レイソル、11名の川崎フロンターレ、RB大宮アルディージャと続いている。 <h3>◆明治安田J1リーグ(合計160人)</h3> 鹿島アントラーズ:13人 浦和レッズ:7人 柏レイソル:12人 FC東京:15人 東京ヴェルディ:9人 FC町田ゼルビア:4人 川崎フロンターレ:11人 横浜F・マリノス:9人 横浜FC:4人 湘南ベルマーレ:8人 アルビレックス新潟:7人 清水エスパルス:7人 名古屋グランパス:5人 京都サンガF.C.:8人 ガンバ大阪:8人 セレッソ大阪:7人 ヴィッセル神戸:6人 ファジアーノ岡山:2人 サンフレッチェ広島:13人 アビスパ福岡:5人 <h3>◆明治安田J2リーグ(合計83人)</h3> 北海道コンサドーレ札幌:8人 ベガルタ仙台:4人 ブラウブリッツ秋田:2人 モンテディオ山形:4人 いわきFC:0人 水戸ホーリーホック:1人 RB大宮アルディージャ:11人 ジェフユナイテッド千葉:5人 ヴァンフォーレ甲府:7人 カターレ富山:2人 ジュビロ磐田:6人 藤枝MYFC:0人 レノファ山口FC:2人 徳島ヴォルティス:3人 愛媛FC:3人 FC今治:2人 サガン鳥栖:7人 V・ファーレン長崎:5人 ロアッソ熊本:4人 大分トリニータ:7人 <h3>◆明治安田J3リーグ(合計40人)</h3> ヴァンラーレ八戸:0人 福島ユナイテッドFC:0人 栃木SC:3人 栃木シティ:0人 ザスパ群馬:1人 SC相模原:0人 松本山雅FC:9人 AC長野パルセイロ:3人 ツエーゲン金沢:2人 アスルクラロ沼津:8人 FC岐阜:1人 FC大阪:0人 奈良クラブ:1人 ガイナーレ鳥取:2人 カマタマーレ讃岐:2人 高知ユナイテッドSC:0人 ギラヴァンツ北九州:4人 テゲバジャーロ宮崎:0人 鹿児島ユナイテッドFC:2人 FC琉球:2人 2025.04.22 22:10 Tue2
Jリーグが理念強化配分金とファン指標配分金の支給額を発表! 「DAZN」ベースのファン指標分配金の1位は浦和、最下位はYSCCに…連覇神戸は5.5億円
Jリーグは25日、2025年度理念強化配分金の支給対象候補クラブ、2024年度ファン指標配分金支給対象クラブを発表した。 理念強化配分金は、2023年の明治安田生命J1リーグで1位から10位に対して送られるもの。20チーム制に変更となったために1チーム増えることとなった。また、2024シーズン年間ファン指標順位(DAZN視聴者数等1~10位)に基づいても支給される。 競技面では連覇を達成したヴィッセル神戸から10位のセレッソ大阪までに支給され、神戸は2025年、2024年にそれぞれ2億5000万円ずつを手にする。なお、2023年も優勝したため、その分の2億5000万も今回支給される。また、2位のサンフレッチェ広島には2年間で1億8000万円ずつ、3位のFC町田ゼルビアは、1億5000万円(2025年)と7000万円(2026年)を手にする。なお、2023年2位の横浜F・マリノスには1億8000万円、3位の広島には7000万円がしキュされる。 また、ファン指標順位は1位は2024年も浦和レッズとなり1億7000万円。2位が鹿島アントラーズで1億2000万円、3位が横浜FMで7000万円と続き、10位は名古屋グランパスで1000万円となった。なお、競技順位で10位以内に入っていないクラブでは、1位の浦和、10位の名古屋に加え、8位に北海道コンサドーレ札幌が入り2000万円となった。 さらに、「ファン指標配分金」として、13億6000万円をJリーグの全60クラブに分配。これは、2024シーズンのDAZN視聴者数やDAZNシーズンパス販売実績等で配分され、1位が浦和で8921万5930円。2位が横浜FMで7945万2984円、3位が川崎フロンターレで6648万1993円となっている。なお、最下位はY.S.C.C.横浜となり182万4625円が分配される。 <h3>◆理念強化配分金(競技)/総額11億2000万円</h3> 1位:ヴィッセル神戸 1年目ー2億5000万円、2年目ー2億5000万円 2位:サンフレッチェ広島 1年目ー1億8000万円、2年目ー1億8000万円 3位:FC町田ゼルビア 1年目ー1億5000万円、2年目ー7000万円 4位:ガンバ大阪 1年目ー1億5000万円、2年目ーなし 5位:鹿島アントラーズ 1年目ー1億2000万円、2年目ーなし 6位:東京ヴェルディ 1年目ー9000万円、2年目ーなし 7位:FC東京 1年目ー6000万円、2年目ーなし 8位:川崎フロンターレ 1年目ー5000万円、2年目ーなし 9位:横浜F・マリノス 1年目ー4000万円、2年目ーなし 10位:セレッソ大阪 1年目ー3000万円、2年目ーなし <h3>◆理念強化配分金(人気)</h3> 1位:浦和レッズ/1億7000万円 2位:鹿島アントラーズ/1億2000万円 3位:横浜F・マリノス/7000万円 4位:ヴィッセル神戸/5000万円 5位:川崎フロンターレ/4000万円 6位:サンフレッチェ広島/3000万円 7位:ガンバ大阪/2000万円 8位:北海道コンサドーレ札幌/2000万円 9位:FC町田ゼルビア/1000万円 10位:名古屋グランパス/1000万円 <h3>◆ファン指標配分金</h3>(昨年との金額比較) 1位:浦和レッズ/8921万5930円(↑) 2位:横浜F・マリノス/7945万2984円(↑) 3位:川崎フロンターレ/6648万1993円(↓) 4位:鹿島アントラーズ/6598万4095円(↓) 5位:ヴィッセル神戸/6491万8131円(↑) 6位:ガンバ大阪/5864万8883円(↑) 7位:名古屋グランパス/5851万4812円(↓) 8位:北海道コンサドーレ札幌/5315万3249円(↑) 9位:FC東京/4924万9886円(↑) 10位:サンフレッチェ広島/4572万5356円(↑) 11位:FC町田ゼルビア/4558万3908円(↑) 12位:アルビレックス新潟/4466万3143円(↓) 13位:ジュビロ磐田/4426万2918円(↑) 14位:セレッソ大阪/3988万8434円(↓) 15位:サガン鳥栖/3834万3648円(↑) 16位:柏レイソル/3695万3904円(↓) 17位:湘南ベルマーレ/3554万5920円(↓) 18位:東京ヴェルディ/3459万9966円(↑) 19位:京都サンガF.C./3438万1632円(↑) 20位:清水エスパルス/3362万962円(↓) 21位:アビスパ福岡/3259万3587円(↓) 22位:ベガルタ仙台/2298万6246円(↑) 23位:V・ファーレン長崎/1758万2571円(↑) 24位:大分トリニータ/1716万3388円(↑) 25位:ファジアーノ岡山/1704万1315円(↑) 26位:横浜FC/1664万9981円(↓) 27位:ジェフユナイテッド千葉/1608万1426円(↓) 28位:モンテディオ山形/1442万3396円(↓) 29位:ヴァンフォーレ甲府/1362万8966円(↓) 30位:松本山雅FC/1324万9873円(↑) 31位:ロアッソ熊本/1008万4227円(↓) 32位:栃木SC/983万8888円(↓) 33位:徳島ヴォルティス/934万7583円(↓) 34位:RB大宮アルディージャ/925万5971円(↓) 35位:ザスパ群馬/888万8344円(↓) 36位:レノファ山口FC/886万2864円(↓) 37位:いわきFC/878万641円(↓) 38位:鹿児島ユナイテッドFC/825万2572円(↑) 39位:愛媛FC/768万2897円(↑) 40位:水戸ホーリーホック/718万9579円(↓) 41位:藤枝MYFC/708万1435円(↓) 42位:ツエーゲン金沢/622万6288円(↓) 43位:ブラウブリッツ秋田/619万6520円(↓) 44位:カターレ富山/481万4398円(↑) 45位:ギラヴァンツ北九州/459万264円(↓) 46位:FC岐阜/396万9504円(↓) 47位:SC相模原/341万1253円(↓) 48位:FC今治/327万7554円(↓) 49位:AC長野パルセイロ/317万8338円(↓) 50位:カマタマーレ讃岐/313万7389円(↓) 51位:FC琉球/309万4569円(↓) 52位:福島ユナイテッドFC/288万7440円(↑) 53位:ガイナーレ鳥取/282万3403円(↓) 54位:ヴァンラーレ八戸/265万6822円(↓) 55位:いわてグルージャ盛岡/261万6733円(↓) 56位:アスルクラロ沼津/251万5766円(↓) 57位:テゲバジャーロ宮崎/237万4594円(↑) 58位:FC大阪/226万1536円(↑) 59位:奈良クラブ/223万1534円(↓) 60位:Y.S.C.C.横浜/182万4625円(↓) 2025.02.25 17:40 Tue3
「最高の写真」「奥様可愛い!!」東京Vのキャプテン森田晃樹が2ショットで入籍報告、ファンは16年ぶりJ1昇格も期待「人生最高の年にしよう」
東京ヴェルディは3日、MF森田晃樹の入籍を発表。お相手は一般女性とされていたが、その姿が話題を呼んでいる。 森田は東京都出身で、ジュニア時代から東京Vでプレー。ジュニアユース、ユースと昇格し、2018年にトップチームに2種登録。2019年から正式昇格を果たした。 プロ1年目から明治安田生命J2リーグで24試合に出場し3得点を記録するなど中心として活躍。現在も主軸としてプレーし、チームのキャプテンも務め、今シーズンはここまでJ2で32試合に出場。J1昇格を争うチームを支えている。 その森田は自身のインスタグラムを更新。奥さんとの2ショットと共に入籍を報告した。 「私事ですがリリースにありました通り、入籍いたしました。公私共に充実した日々を送れるよう精進して参ります。いつも応援して下さっている皆様、改めてありがとうございます」 背番号「7」の森田のユニフォームをお揃いで着用した2人。横顔しか見えないショットではあるが、これが話題を呼んでいる。 チームメイトのマテウスやアルハンなどからも祝福された中、ファンは「おめでとう」のコメントで祝福。また、「素敵すぎる」、「最高の写真」、「横顔だけど奥様可愛い!!」、「可愛い笑顔」とコメント。微かに見える横顔だが、奥さんへのコメントも集まった。 また「人生最高の年にしよう」、「あとは昇格するだけ」、「嫁さん連れて、皆んなでJ1行こうぜ」、「あとは昇格するだけ」とコメントも集まり、この勢いで2008年以来となる16年ぶりのJ1昇格を掴めるか注目だ。 <span class="paragraph-title">【写真】森田晃樹が入籍を発表!話題の妻との2ショット</span> <span data-other-div="movie"></span> <blockquote class="instagram-media" data-instgrm-captioned data-instgrm-permalink="https://www.instagram.com/p/CwxJ31iPM5m/?utm_source=ig_embed&utm_campaign=loading" data-instgrm-version="14" style=" background:#FFF; border:0; border-radius:3px; box-shadow:0 0 1px 0 rgba(0,0,0,0.5),0 1px 10px 0 rgba(0,0,0,0.15); margin: 1px; max-width:540px; min-width:326px; padding:0; width:99.375%; width:-webkit-calc(100% - 2px); width:calc(100% - 2px);"><div style="padding:16px;"> <a href="https://www.instagram.com/p/CwxJ31iPM5m/?utm_source=ig_embed&utm_campaign=loading" style=" background:#FFFFFF; line-height:0; padding:0 0; text-align:center; text-decoration:none; width:100%;" target="_blank"> <div style=" display: flex; flex-direction: row; align-items: center;"> <div style="background-color: #F4F4F4; border-radius: 50%; flex-grow: 0; height: 40px; margin-right: 14px; width: 40px;"></div> <div style="display: flex; flex-direction: column; flex-grow: 1; justify-content: center;"> <div style=" background-color: #F4F4F4; border-radius: 4px; flex-grow: 0; height: 14px; margin-bottom: 6px; width: 100px;"></div> <div style=" background-color: #F4F4F4; border-radius: 4px; flex-grow: 0; height: 14px; width: 60px;"></div></div></div><div style="padding: 19% 0;"></div> <div style="display:block; height:50px; margin:0 auto 12px; 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font-family:Arial,sans-serif; font-size:14px; font-style:normal; font-weight:550; line-height:18px;">この投稿をInstagramで見る</div></div><div style="padding: 12.5% 0;"></div> <div style="display: flex; flex-direction: row; margin-bottom: 14px; align-items: center;"><div> <div style="background-color: #F4F4F4; border-radius: 50%; height: 12.5px; width: 12.5px; transform: translateX(0px) translateY(7px);"></div> <div style="background-color: #F4F4F4; height: 12.5px; transform: rotate(-45deg) translateX(3px) translateY(1px); width: 12.5px; flex-grow: 0; margin-right: 14px; margin-left: 2px;"></div> <div style="background-color: #F4F4F4; border-radius: 50%; height: 12.5px; width: 12.5px; transform: translateX(9px) translateY(-18px);"></div></div><div style="margin-left: 8px;"> <div style=" background-color: #F4F4F4; border-radius: 50%; flex-grow: 0; height: 20px; width: 20px;"></div> <div style=" width: 0; height: 0; border-top: 2px solid transparent; border-left: 6px solid #f4f4f4; border-bottom: 2px solid transparent; 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overflow:hidden; padding:8px 0 7px; text-align:center; text-overflow:ellipsis; white-space:nowrap;"><a href="https://www.instagram.com/p/CwxJ31iPM5m/?utm_source=ig_embed&utm_campaign=loading" style=" color:#c9c8cd; font-family:Arial,sans-serif; font-size:14px; font-style:normal; font-weight:normal; line-height:17px; text-decoration:none;" target="_blank">森田 晃樹 / Koki Morita(@koukimorita.verdy)がシェアした投稿</a></p></div></blockquote> <script async src="//www.instagram.com/embed.js"></script> 2023.09.06 12:25 Wed4

