半歩進んだ手応えを勝利に繋げられるか…東京Vの城福監督、名古屋のスピード警戒も「どこでサッカーしたいかはぶれないでやりたい」

2025.03.14 19:30 Fri
名古屋戦でホーム初白星狙う城福監督
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名古屋戦でホーム初白星狙う城福監督
東京ヴェルディ城福浩監督が、15日に味の素スタジアムで行われる明治安田J1リーグ第6節の名古屋グランパス戦に向けた会見を実施した。

現在、1勝1分け3敗の16位と厳しい序盤戦を過ごす東京V。8日にアウェイで行われた明治安田J1リーグ第5節のアルビレックス新潟戦は2-2のドロー。今季初の複数得点を奪っての初の引き分けとなった。

「次の勝ち点3に繋がるような戦いができた」とポジティブな要素も得て臨む今節は、開幕から未勝利で最下位に沈む名古屋を相手に、3戦目でのホーム初勝利を目指す。
城福監督は13日にクラブハウスで行われた会見の場で、最新のチームニュースに言及。ガンバ大阪戦の試合中に脳震とうで交代となったMF福田湧矢は、脳震とうからの復帰に向けたプロトコルを遵守した上でチームトレーニングに復帰。しかし、過去の既往歴を踏まえ、現時点で実戦復帰を急がせる考えはないと現状について説明している。

「彼(福田)の既往歴というか、これまでに複数回の脳震とう、あるいは脳震とうに近い状態でプレーを中断せざるを得ないという状況があったので、我々はその回数というのもすごく重視しています」
「ただ、メディカル的な専門的な診断というのも、しっかり聞きながらのアプローチをしているので、彼の不安感であるとか、そうは言ってもゲームのときにはヘディングをしなくていいという状況にはならないですし、この前のシーンのように必ずしもヘディングでそういうふうになるわけではなくて、ボールがクリアされたり、シュートブロックでも頭部に当たることがあるので、そこへの不安感とか迷いというのが、もし彼にあるのであれば、そこはなかなかピッチに立たせるのは難しいと思います」

「彼とよく相談をしながらという言い方がいいか、そこの不安感を確認しながらですけども、彼のなかではこれまでも何度か経験があったように、それまでのゲームへ向かうプロセスにおいては慎重にやりながらも、ゲームが始まったらピッチに立ってやりますというのは、ヴェルディに入ってからも何回もそういうことがあって、実際にそれで試合に出たらヘディングで競っている。そこはメディカル的な見地と、彼の心情というのをしっかりと我々は汲み取りながら、送り出していくときにはしっかりと送り出していくということだと思います」

また、前節の新潟戦において開幕戦以来のスタメン起用で初ゴールを挙げたFW木村勇大のパフォーマンスについて改めて言及した指揮官。その特大のポテンシャルを知るがゆえに、依然として評価は厳しいものとなったが、対戦相手からの対策を打ち破っての本格的なブレークを期待する。

「彼が去年J1で10点取って周りからは注目されたと思います。当たり前ですけど注目をされるということは対策をされるわけで、その対策を超えて去年よりも数字的にも数字の見えないところでもチームに貢献することこそが本当のブレーク。去年というのはその片鱗、ポテンシャルを見せただけだと思います」

「今年について彼も期するものがあったと思いますけど、特に開幕のところは対策をされたときに、それ以外でチームに全く貢献できなかった。攻撃面で言えば彼はストライカーなので、対策を上回るものを見せなければいけない。それは動き出しであったり、圧力を受けながらの質であったり、(シュートの)振りの速さ、クロスの入り方であったりのところ」

「もうひとつは対策をされたら、むしろチームのマイナスになるような状態になれば、これはピッチに立てない。それを彼はここ数試合で思い知ったと思いますし、まずはチームに貢献するような、あるいは勝つための守備からスタートして、そこから自分の良さを出していくというところが、この前の試合は全部やり切れたとは言わないです。まだまだなところもありますけど、その姿勢というのはしっかり見えましたし、まだ体がフレッシュな時間帯においては、あのような一振りも、あのような動き出しもできるというところ。それは彼が持っているもので、我々は驚くべきものでも何でもないです」

「問題はその前後でチームの勝利のために何からスタートしたかというところがすごく大事。前からのチェイシングで相手に制限をかけて、より前で奪うことがより得点に繋がるんだということを、彼がやり続けてそのやれる時間というのが少しでも長くなっていけば、もっと得点のチャンスは増えていくと思いますし、それこそ相手が対策できない。それを我々が言わずとも、彼がオートマティックにやれるようになれば、それこそひとつブレークしたと言える選手になるのではないかなと思います」

名古屋戦に向けて指揮官は、度重なる負傷者の影響もあって2分け3敗と開幕から低迷する対戦相手の不調を認めながらも、「本当に層が厚いチーム」と警戒。

「今年に関して言えば、もちろんケガ人が何人か出ているというのは承知していますけれど、それでもマテウス(・カストロ)をもう一度呼び戻して、後から出てくる選手を含めて、本当に層が厚いチームだなと思います」

「クオリティの高い選手、キックで違いを見せられる選手もいれば、高さもある。セットプレーからの得点も多いですし、ミドルシュートを打てる選手がいる。中盤は本当にハードワークできる選手を揃えているので、どの試合を見ても、勝ち点3を取ってもおかしくない試合をしていると思います」

続けて昨シーズンの1勝1敗の戦績、今季開幕前の沖縄キャンプで実施されたトレーニングマッチにおける主力組同士の対戦結果(1-3●)も踏まえた上で、厳しい戦いを覚悟。とりわけ、FWキャスパー・ユンカー、FW山岸祐也の負傷離脱によって、よりスピードと背後を意識するであろう、相手の攻撃をいかに封じるかが重要なポイントになると語った。

「我々は去年、ホームでは勝ち点3を取れましたけど、アウェイでは本当にねじ伏せられたというか、早いうちに点を取られて何となくボールを持たせてもらっているけれども、ほとんど相手のゴール前に崩して入っていくことができなかった。本当に相手の思う通りの試合をやられた印象があります」

「入りのところも十分に気をつけなければいけない、セットプレーも気をつけなければいけないし、個の局面でも個人としてもチームとしてもしっかり対応しなければいけない。何よりも永井(謙佑)とマテウスのスピードに関しては、チーム全員でカバーしなければいけないと思っています」

「スピードのある選手はどこのエリアでもスピードがある。一番出されたくないのは我々のゴール前。ペナの周辺で、本当の10メーターをトップスピードで入るのが非常に速い選手たちなので、そこで5メーター、10メーターをスプリントさせるような状況を多く作るような展開にはしたくない。そういう意味で、我々がどこでサッカーしたいかというところは、ぶれないでやりたいなと思います」

パフォーマンスの部分では清水エスパルスとの開幕戦でマイナスからのスタートとなった昨季の6位チーム。以降は前進と後退を繰り返す序盤戦となっているが、半歩進んだ新潟戦の戦いを活かして前進できるか。

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スペイン名門ベティスがパートナーシップ契約締結の東京Vのトレーニング視察「すごくポジティブな印象、名古屋戦の勝利を願っています」

東京ヴェルディとパートナーシップ契約を締結したレアル・ベティス・バロンピエ(スペイン1部)が、東京都稲城市にあるクラブハウスを訪問。トップチームのトレーニングを視察した。 1907年創設でアンダルシア州セビージャに本拠地を置くベティスは、プリメーラ・ディビシオン(ラ・リーガ)で1度の優勝、コパ・デル・レイで通算3度の優勝経験があるスペイン屈指の名門クラブ。2020-21シーズンにマヌエル・ペジェグリーニ監督が就任してからは常にUEFAコンペティション出場圏内の上位を維持。今シーズンもここまでラ・リーガで6位、カンファレンスリーグ(ECL)でもベスト16進出を果たしている。 そのアンダルシアの名門は昨年7月に東京Vと2025年6月30日までのパートナーシップ契約を締結。両クラブを通じたプレスリリースでは以下の5つの分野での協業を行うことが発表されていた。 ・日本及びスペインでのブランド拡大のための協業 ・スポンサーシップ、プロモーション、マーケティング、マーチャンダイジング領域における協業 ・社会環境アクションにおける協業(レアル・ベティスによる『Forever Green』と東京ヴェルディによる『TOKYO♡GREEN』間での連携を含む) ・サッカー及びその他スポーツイベントでの協業 ・サッカー領域における協業及び情報交換(『Verdy Sports Innovation Hub』での情報発信を含む) そんななか、ベティスはさまざまな市場での国際的な拡大戦略を目的に、3月11日~14日の期間に「ベティス・ウィーク」と題したイベントを2年連続日本で実施。いくつかのイベントが実施されるなか、11日には国際事業部門の責任者であるナチョ・ピニージャ・カスタニェダ氏が東京Vのクラブハウスを訪問し、トップチームの練習見学、クラブ関係者との会談を行った。 翌12日から、レアル・ベティス・アカデミーの国際コーディネーターであるハビエル・ロペス・アロンソ氏の下、東京Vのアカデミー所属選手を対象にトレーニングキャンプ。東京ヴェルディのユースチームのコーチ向けに指導者講習を控えるなか、ナチョ氏はクラブハウスにて行われた囲み取材の場で東京Vとの協力関係などいくつかのトピックについて語った。 まずパートナーシップ契約締結の経緯についてナチョ氏は、日本を重要な市場とみなしているなか、緑のチームカラーやフィロソフィーの部分で同じ価値観を持つ東京Vがベストなパートナーだと確信していたという。 「日本はベティスにとってすごく重要な国です。皆さんもご存知の通り、数年前には乾貴士選手が所属していましたし、日本にはファンクラブがあります。過去には福知山や千葉、茨城でサッカースクールを展開していました」 「ベティスの国際戦略のひとつとして、重要な日本にあるクラブとパートナーシップを締結することが目的としてありました。日本でパートナークラブを探していたとき、東京ヴェルディはベストなクラブだと考えました」 「同じようなチームカラー(ベティスは白と緑)であり、ディスカッションするなかでも同じような価値観を持っていることがわかり、この提携はベティス自体の価値を上げてくれるものだというふうに確信しています」 また、企業との共同によって地元の漁業者によって捨てられ、海底に沈んだ漁の網を回収・再利用し、本拠地エスタディオ・ベニート・ビジャマリンのスタンドのシートに転用する活動を一例として挙げ、サステナビリティの分野において世界でも屈指の評価を得ているクラブのひとつであるベティスは、「地球上で最も人気のあるスポーツの力を活用し、多くのファンと共に地球の気候変動に対するアクションを考えていく取り組み」である『Forever Green』の活動に力を入れている。 同じく東京Vも地球環境へ配慮したソーシャルアクションプログラムである『TOKYO♡GREEN』の活動に取り組んでおり、ナチョ氏は「この取り組みを日本でも様々なスポンサーなどを巻き込みながら推進していきたいと思いますし、ヴェルディがその助けになってくれることを望んでいます」と、提携の意義について語っている。 気になるスポーツ面での協力関係に関しては、トップチーム間での選手の行き来といった部分に関して「スポーツ部門の担当ではない」と言及を避けたナチョ氏。 ただ、ホアキン・サンチェスを始め、ダニ・セバージョス(レアル・マドリー)、ファビアン・ルイス(パリ・サンジェルマン)らスペイン代表を輩出し、現在はMFヘスス・ロドリゲスら逸材が活躍するアンダルシアの雄は、日本屈指の育成クラブとしての評価を確立する東京Vとの共通点を感じつつ、若手育成の部分ではアカデミーの選手・指導者の部分で交流を図りたい考えだ。 「皆さんもご存知の通り、この前の(カタール・)ワールドカップでは、日本がスペインに勝利し、日本の若いタレントというのはすごくヨーロッパでも注目されています。レアル・ベティスに来ることによって、そういった若いタレントがスペインの地で価値を上げてくれるような取り組みというのを、ぜひやっていきたいです」 「実際に我々のアカデミーのU-16世代には日本人の選手(DFバンデラ吉田健太)がいて、彼は日本のアンダー世代の代表にも選ばれています」 「ベティスも若い選手だったり、彼らがプレーするような施設に対してすごくお金を投資していて、そういった面でも若手への育成という部分では、同じような価値観を持っているのではないかなと考えています」 この日はオフ明けとなったが、城福浩監督や森下仁志コーチから盛んに檄が飛ぶなど熱のこもったトレーニングが繰り広げられ、その姿を見守ったナチョ氏も「すごくポジティブな印象」とコメント。ホーム初勝利を目指す15日の明治安田J1リーグ第6節の名古屋グランパス戦での勝利を祈った。 「日本のサッカーがすごく成長していることは理解していましたし、特に日本人の選手たちのテクニカルな面。それから戦術の面においてもすごく成長しているということは、スペイン人として理解しています。実際にそういったところを今日のヴェルディのトレーニングでも感じられ、私はそういった意味ですごくポジティブな印象を抱きました。この週末、ぜひヴェルディが名古屋に勝利して喜び合えることを願っています」 2025.03.11 16:30 Tue
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「大事なのは、我々らしく戦って追いついたということ」東京Vの城福監督がアウェイ新潟戦での勝ち点1を評価

東京ヴェルディの城福浩監督が、敵地で引き分けたアルビレックス新潟戦に一定の評価を下した。 東京Vは8日、デンカビッグスワンスタジアムで行われた明治安田J1リーグ第5節で新潟と対戦し、2-2で引き分けた。 3選手の負傷というアクシデントに見舞われ、0-1の敗戦に終わったガンバ大阪戦からバウンスバックを期して臨んだアウェイゲームでは、今季初先発となるDF林尚輝、FW染野唯月に加え、FW木村勇大を開幕戦以来のスタメンで起用した。 ホーム2戦目で新体制初勝利を目指す新潟相手に立ち上がりから2度追い、3度追いをいとわないアグレッシブなプレスを仕掛けると、10分にMF綱島悠斗がグラウンダーの斜めのパスを差し込むと、これをボックス手前右で受けた染野がDF2枚の間を通すスルーパスをボックス右に走り込む木村に供給。緑の新10番は豪快な右足対角シュートをゴール左隅に突き刺し、幸先よく先制に成功した。 先制後も前輪駆動の戦いを継続し、ショートカウンターの形から幾つか決定的な場面も創出。19分には連動したプレスでペナルティアーク付近まで飛び出したMF齋藤功佑がMF新井泰貴からボールを奪う決定的なシーンも。このファウルに関しては決定機阻止でのレッドカードの可能性もあったが、DF舞行龍ジェームズのポジショニングや東京Vの1点リードでの前半序盤の退場という試合の行方を決定づける判定を躊躇したか、難しい判定ながらもイエローカードにとどまった。 すると、前半半ばを過ぎてプレス強度の低下、新潟のアジャストによってホームチームがプレスを回避してボールを前進し、完全に押し込む形に。それでも、決定機まで持って行かせなかった東京Vだったが、42分には守備陣のコミュニケーションも絡んだ形からボックス手前右のMF長谷川元希に見事な右足ハーフボレーシュートを決められ、1-1のスコアで前半を終えた。 後半は守備時に相手に合わせる形の[4-4-2]で臨むも、守勢は変わらず。序盤のタイミングでの2枚替えのタイミングで[3-4-2-1]に戻したが、直後の58分には左CKの流れからゴール前の混戦を制したDF舞行龍ジェームズに逆転ゴールを奪われた。 これで厳しくなったが、後半半ばを過ぎて再び前から圧力を強めたアウェイチームは75分に左CKの流れからボックス左でこぼれを回収した齋藤の判断力とクロス精度が光ったお膳立てからゴール前の綱島がヘディングシュートを左隅に流し込み、2-2の同点に追いついた。 その後、後半最終盤の攻防で逆転に持ち込むことはできなかったが、敵地から勝ち点1を持ち帰る成長を示した。 同試合後、城福監督は「ここまで来てくれたサポーターに勝ち点0という状況で帰らせるわけにはいかなかったので、勝ち点1という結果に関してはポジティブに捉えています」と最低限の結果に一定の評価を下した。 試合内容に関しては「イエローかどうかは、非常にいろんな思いがあります」と、前述の齋藤に対するファウルに関して少なからずの不満を示したものの、「次の勝ち点3につながるような戦いができた」とチームが示した姿勢、個々のプレーを含めポジティブな要素を受け取った。 「ゲームについては、我々が前からのプレスによって前で奪って、押し込んでサッカーをするところ。ある程度落ち着いて相手を引き込んで、中盤でコンパクトにするところも、メリハリというか、そこがちょっと前半は前の選手が頑張って追いかけてくれたなかで2点目を取れなかったのは、ちょっとその時点で我々がもう少し見極めて早めにミドルサードに落としてもよかったかなと反省しています」 「前からのプレスで決定機を作ってフリーキックになって、ああいう状況で2点目を取れれば、自分たちとしてはしっかり中盤に引き込んで、少しプレスのエリアを変えてサッカーをやるというプラン通りだったと思います。あの辺りぐらいから少し前線が疲れて、相手の後ろが余り気味になったというところで押し込まれたところは反省点ですし、多少立ち位置を変えたりして対応しましたけれど、ただ後半追いかけなければいけない状況になったときの盛り返し方は我々らしくやりましたし、選手個々も戦えていたので、次の勝ち点3につながるような戦いができたかなと思います」 開幕4試合で1得点と深刻な得点力不足にあえいでいたチームだが、この試合では初の複数得点を記録。さらに、ビハインドの状況での反発力、後半のパワーダウンが同じく課題に挙がっていたなか、セットプレー流れではあるものの、今季初めて後半にゴールをこじ開けた点もチームのわずかながらの前進を示すものとなった。 その点について指揮官は客観的な事実とともに、「大事なのは、我々らしく戦って追いついたということ」とその過程をより評価した。 「相手への圧力のかけ方が、へそを使いながら幅を使いながらも、ゴール前に迫りながらの同点だったので、内容的にも非常にポジティブだなと思います。前半からガス欠になるまで、前線の選手がインテンシティの高いサッカーをやって、後半あのような形でバトンを受け渡ししていく。そのようなところが、もう少し勝ち点3を持った状態(リードした状態)でスムーズにやっていくと、もっといい試合になると思うので、そこは我々の今後の宿題。ただ、前半の最初のフリーキックぐらいまでですかね。後半の2点目を取られた後のそこの間のところをしっかり修正して、また6節以降につなげたいなと思います」 これまでと違った姿を見せつつ、勝ち点1を拾って半歩前進した東京V。初勝利後のG大阪戦では後退する結果に終わったが、最下位の名古屋グランパスを味の素スタジアムで迎え撃つ次節はホーム初勝利によってその歩みを前に進められるか。 2025.03.08 21:00 Sat

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東京Vが清水とのTMで敗戦…城福監督は味スタ開催こぎ着けた尽力に感謝、平川怜は勝負へのこだわり口に

東京ヴェルディは9日、味の素スタジアムで清水エスパルスとのトレーニングマッチ(45分×2)を戦い、2-3で敗れた。 今月にJリーグYBCルヴァンカップのAC長野パルセイロ戦(20日)を控え、若手や控え組の底上げも図りたい東京Vは、明治安田J1リーグ開幕節ですでに対戦した清水とトレーニングマッチを実施した。 ともに前日にアルビレックス新潟、ガンバ大阪とアウェイゲームを戦っており、同試合のベンチ入りメンバーや招集外のメンバーを中心としたメンバー構成での戦いとなった。 そのなかで東京Vは前日の新潟戦に出場した山見大登、稲見哲行、鈴木海音、松橋優安に、招集外だった山本丈偉、熊取谷一星、内田陽介らが1本目からプレー。立ち上がりこそ行ったり来たりの展開となったが、時間の経過とともにアグレッシブな守備からリズムを掴んだ。 そして、ショートカウンターや山見、熊取谷の背後への飛び出しから幾つか良いシーンを作り出すと、41分には左CKの場面でキッカーの山見の正確な右足インスウィングのクロスをゴール前の深澤大輝が頭で合わせて先制点を奪った。 若干メンバーを入れ替えた2本目は開始直後にボックス内で弓場将輝に左足のグラウンダーシュートを左隅に流し込まれて早々に失点。ただ、すぐさま反発力を示すと、良い崩しから白井亮丞らに決定機が訪れたが、ここで仕留め切れない。 この間にギリギリの人数で戦っていたチームは深澤がアクシデントによってベンチへ下がると、10人でプレーを継続。数的不利を背負いながらも直後の23分に味方からのスルーパスに抜け出した白井が冷静に右足シュートを流し込む。だが、26分には左サイドを突破してゴールライン際をえぐった西原源樹に2点目を奪われた。 そんななか、城福浩監督は2023シーズンまで現役としてプレーし、コーチ就任後も現役さながら選手たちに混じって一部トレーニングに参加している奈良輪雄太コーチを急遽投入。不測の事態に備えて清水側に確認を取るも、秋葉忠宏監督は11人対11人の戦いを希望し、この申し出を快諾。異例の形で残り10数分間の戦いが行われたなか、41分にはミドルシュートをGK中村圭佑が好守ではじいたこぼれを嶋本悠大に押し込まれて3失点目を喫し、2本目は1-3のスコアで終了となった。 試合後に囲み取材に対応した城福浩監督は、「開幕前から清水さんがやりたいと言ってくれていた」と今回のトレーニングマッチの経緯を説明。 本拠地である味スタでの異例の開催については、普段の練習場での実施が不可能な状況において会場探しに奔走。使用可能な山梨県や千葉県の施設や清水の練習場に出向く選択肢も考慮したなか、最終的にクラブの運営スタッフの粘り強い交渉、味の素スタジアムの配慮によって本拠地での開催にこぎ着けたという。 そのため、指揮官は「味スタには本当に感謝したいですし、担当者が頑張ってくれたなと思います」と感謝を伝えた。 さらに、「ギリギリのスカッドの中でやっているので、ちょっとしたアクシデントでも、コーチを出さざるを得なかったのは清水さんに申し訳なかった」とスクランブルの状況を受け入れた対戦相手の配慮に改めて感謝した。 「コーチと接触があって、向こうの選手がケガをしたら申し訳ないので、コーチを出してもいいかと一応断りに行きました。そしたら、僕もそうですけど、わざわざ11対10をやりに来てるわけではないので、そうしてくださいと言ってくれたので、そういう意味であの時間帯はちょっと清水さんには申し訳なかったなというふうに思っています」 肝心の試合内容に関しては、「前半はすごく良かったと思いますし、疲れのある選手もいましたが、締まったゲームができた」と1本目のパフォーマンスを評価。一方で、より経験が少ない選手で戦った2本目に関しては「後半はまだチーム内で差があるところを痛感するようなゲームになった」と、個々の成長を促す。 それでも、「彼らにも当事者意識を持たせるためのこの(ミニマムな)スカッドだと思っているので、彼らが多くの時間出られるということが、どれだけありがたいことかも含めて、我々がしっかりアプローチをもう1回し直さなければいけないなと思います」と、レベルの高い相手とのトレーニングマッチでしか養えない経験や危機感を各自が実感できたことへの手応えを語っている。 ゲームキャプテンとしてボランチ、3バックの一角でフル出場した稲見は「勝てたゲームを落としてしまって悔しい」と振り返りつつも、「自分自身も味スタで試合をやること自体久しぶりですし、初めての選手もいたのではないかなと思うので、より全員がメンバーに絡んでいくためにはポジティブなゲームになったのではないかなと思います」と、味スタでのJ1クラブ相手のトレーニングマッチがいい刺激になったと感じている。 個人としても本職のポジション、ゲームキャプテンとしてのプレーを通じて得るものはあった。 「久しぶりのボランチで潰せた部分あったので、そこの強みの部分というのは多少なりとも出せたかなという手応えはありました」 「そこ(リーダーシップ)は自分の成長できるポイントというのは感じていますし、より周りを動かして自分を活かすだったり、周りの選手とのコミュニケーションだったり、最近後ろのポジションもやっているので、試行錯誤しながらですけどリーダーシップを持ってチャレンジしていきたいです」 その稲見とボランチでコンビを組み、1本目では出足鋭い潰しや正確なラストパスでショートカウンターの起点を担い、自らもフィニッシュに絡む場面を見せた平川怜。 個人として課題を意識しつつある程度の手応えを得たというが、「その形を出して最後にシュートまで行ったところで、もうひとつ逆を突いて決め切るとか、そういうところはしないといけない」と、ポジション奪取へ自らが課すハードルは高い。 「もちろん結果を残してポジションを掴み取らないといけないですし、それがいつ来るかは自分でコントロールできないので、そこに向けて常にいいを準備していくことがチームにもプラスになっていくと思うので、いい準備をしたいと思います」 また、24歳という年齢ながらも、2017年のトップチームデビューからの8年で様々な経験をしてきただけに、「もっと勝負にこだわるところはやっていかないといけない」と指揮官も指摘した2本目のパフォーマンスに関して苦言も呈した。 「イレギュラーな時間もありましたけど、それを言い訳にしてはいけないですし、点を取ってリードした時間帯もあったので、守り切ったりとか、もっと勝負にこだわるところはやっていかないと。若い選手も多いですし、そこはこの練習試合の勝ち負けというのをもっと意識してプレーして欲しかったですし、自分もそこにもっとエネルギーを費やしたかった気持ちがあります」 「自分はキャリアもありますし、こういったチームがあまり良くない状況での練習試合という部分では、もっとやらないといけないですし、まずは勝たないと意味がないと思うので、チームとして一つ一つのプレーを大事にしていかなければいけないと思います」 開幕から1勝1分け3敗の16位と、J1復帰2年目は厳しいスタートとなった東京V。離脱者続出の苦境において早くも“総緑戦”の状況だが、今回のトレーニングマッチを通じて新たな力の台頭が待たれるところだ。 東京ヴェルディ 2-3 清水エスパルス ▽1本目 1-0 得点者 41分 深澤大輝(東京V) ▽2本目 1-3 得点者 1分 弓場将輝(清水) 23分 白井亮丞(東京V) 26分 西原源樹(清水) 41分 嶋本悠大(清水) 2025.03.10 06:55 Mon
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緑の絶対的な守護神がリーグ100試合連続出場の偉業…東京Vマテウス「ここに初めて来たことを思い出すと、本当にうれしい」苦境打破へチームを叱咤

偉業を達成した東京ヴェルディの絶対的な守護神が、新たな思いを胸に苦境のチームとともに巻き返しを図る。 ブラジル屈指の名門コリンチャンス育ちで、フィゲイレンセから2020年1月に東京Vへ加入したブラジル人GKマテウス。 加入1年目から正GKを担うと、ここまでの在籍6シーズンで公式戦182試合に出場し、驚異的なシュートストップや安定したハイボール処理に加え、ディストリビューションにもより一層磨きをかけて攻撃の起点としても機能。2023シーズンのJ1昇格、2024シーズンの6位躍進の立役者となった緑の絶対的な守護神だ。 とりわけ、2022シーズン途中に指揮官に就任した城福浩監督の下では全幅の信頼を得ており、今季はチーム最年長となった31歳は昨季に続いて副キャプテンを任されている。 そのブラジル人GKは、2日に行われた明治安田J1リーグ第4節のガンバ大阪戦でクラブ史上初の偉業を達成。2022年7月24日に行われたJ2リーグ第28節の横浜FC戦からリーグ戦連続出場を続けてきた守護神は、2023シーズンのJ2リーグ、2024シーズンのJ1リーグでも2年連続フルタイム出場し、今季開幕4年目のG大阪戦でリーグ戦100試合連続出場を達成した。 残念ながらその節目の一戦は0-1の敗戦に終わったが、その偉業達成にマテウスは感慨深さを感じたという。 「普段はそういったことを考えない人間ですけど、100試合連続出場というのを達成し、ここに初めて来たことを思い出すと、本当にうれしいことだなと思います。あとはここに来た当初はケガが多かったので、100試合連続で出ているというのは、そういった面でもすごくうれしいことなのかなと思います」 ここまでに至るなかで印象的だった試合について尋ねると、「カウントされているかわからない」と前置きした上で、記録的には含まれない2023シーズンのJ1昇格プレーオフ決勝の清水エスパルス戦。東京Vのキャリアにおけるターニングポイントとなった2022シーズンの天皇杯3回戦の川崎フロンターレ戦の2試合を挙げた。 とりわけ、川崎F戦は前指揮官の下で控えに降格し、苦しい序盤戦を強いられたなか、当時来日中だったブラジルA代表のトレーニングパートナーを務め、城福ヴェルディ初陣となったレノファ山口FC戦でシーズン初出場を果たした直後の一戦だった。 その試合で背番号1は試合を通して驚異的なビッグセーブを連発し、1-0のジャイアントキリング達成の立役者となっていた。そして、今回の記録達成の折に指揮官への感謝の思いも口に。 「天皇杯のフロンターレ戦は自分のなかでは本当に忘れられない試合だったのかなと思います」 「自分のキャリアを、今この日本で築けているのは間違いなく城福さんのおかげと言っても過言ではないですし、その城福さんに対しては本当に最大のリスペクトが常にあります」 自身の記録について比較的穏やかな表情で語った守護神だったが、G大阪戦直後に「この状態だと、J1に残るのは難しい」と、あえて厳しい言葉で現状のチームへの物足りなさを口にしており、8日にデンカビッグスワンスタジアムで行われる明治安田J1リーグ第5節のアルビレックス新潟戦に向けてもその厳しい姿勢は変わらない。 改めて4試合1得点の得点力の改善、開幕から苦戦が続く交代選手を含めた後半のギアアップの課題克服を訴えた。 「ガンバ戦だけではなくて、シーズン開幕からの4試合ではなかなかいろんなチャンスを作れていない。ガンバ戦だけであれば、そこまで問題視する必要はないと思いますが、4試合を通して、なかなか得点のところでチャンスが作れていないのがチームの現状。そこに対してはしっかりフォーカスして、問題視していかないといけないのかなと思います」 「あとは後半から途中交代で入ってくる選手だったり、流れを変えるプレーだったりというのは去年と比べても、ここ4試合では後半になかなか押し込めていないと思うので、そういったところも踏まえてよくしていかないといけない」 個人としてさらなる連続出場記録更新を目指す新潟戦では、頼れる緑の守護神が相手の攻撃陣の前に立ちはだかる。その上で指揮官同様にピッチ上で誰よりも要求する最後尾からの声に、開幕から湿りがちな攻撃陣が応えることができれば、必ずや今季2勝目に繋がるはずだ。 2025.03.07 17:11 Fri
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東京Vの主砲・木村勇大に待望の今季初ゴール「もうこのポジションを譲るつもりはない。そのためにもチームを勝たせないと」

東京ヴェルディのエースストライカーに待望の今季初ゴールが生まれた。 東京Vは8日、デンカビッグスワンスタジアムで行われた明治安田J1リーグ第5節でアルビレックス新潟と対戦し、2-2で引き分けた。 敵地での下位対決で今季2勝目を目指したなか、望んだ勝ち点3を持ち帰ることはできなかったが、開幕4試合で1得点と得点力不足にあえいでいたチームは、今季初の複数得点に加え、ビハインドの状況で初めてゴールを記録。勝ち点1とともにいくつかのポジティブなものを持ち帰った。 とりわけ、チームにとって大きかったのは、FW木村勇大の今季初ゴール。 京都サンガF.C.から期限付き移籍で加入した昨季はJ1初ゴールを含めキャリアハイの10得点を記録。16年ぶりのJ1の舞台で躍進を見せた緑の名門の攻撃の核としてブレイクを果たした。 そして、シーズン終了後には国内外からオファーが舞い込んだなか、東京Vへの完全移籍を決断。今季は10番を背負いエースストライカーの重責を担う覚悟を示してシーズンをスタートしたが、清水エスパルスとの開幕戦でチームとともに不甲斐ないパフォーマンスに終わると、以降の3試合ではスタメンを外れていた。 この間にチームは1勝2敗も、代役として起用されたFW山田剛綺が得点こそなかったものの、城福ヴェルディのセンターフォワードに求められるプレーを体現。だが、前節のガンバ大阪戦で左ヒザ複合じん帯損傷および半月板損傷という全治8カ月の重傷を負い、無念の戦線離脱となっていた。 関西学院大学の同期で、大学時代も東京Vでも切磋琢磨してきた盟友の長期離脱によって開幕戦以来のスタメンのチャンスを得た木村は、試合序盤に魂のこもった強烈な一撃でゴールネットを揺らした。 10分、MF綱島悠斗がグラウンダーの斜めのパスを差し込むと、ボックス手前右で受けたFW染野唯月がスムーズな反転からDF2枚の間を通すスルーパスをボックス右に走り込む木村に供給。緑の新10番は豪快な右足対角シュートをゴール左隅に突き刺した。 「ボールをもらってシュートを打つことしか考えていなかった」との試合後コメントは、形こそ違えども昨季の柏レイソル戦で11戦ぶりに決めた10点目の豪快な一撃後の言葉と重なるものがあった。 「ボールをもらってシュートを打つことしか考えていなかったので、たぶん1回もゴールを見てないですけど感覚でニアハイを狙うイメージだけで打ったら、いいところに飛んでくれたという感じです」 「あいつ(染野)が出してくれると信じて走ったので、あいつがめちゃくちゃいい位置でボールを受けて前を向いてくれたので、『来るかな』と思って動き出したら、欲しい位置に来たので、思い切って振り抜けてよかったです」 開幕5戦目での初ゴールとなったが、木村自身に安堵の気持ちは薄く、ここまでの自身のパフォーマンスや立ち位置への悔しさがよりにじみ出た。 「本当は開幕から決められたらよかったですけど、そこからスタメンを外れていろいろと思うところがあり、怪我人が出てというなかで、今日はそういう選手の思いを背負いつつ、自分としては出られない状況に悔しさを感じていました」 「今日は何が何でも結果を残す。そういう思いでやっていたので、ちゃんと出場時間をもらったときに結果を残せたのはよかったかなと思うので、もっと決められるようにやっていきたいです」 また、この試合では得点以外の部分でもハードワークという部分で意識の変化が見受けられ、前線からの献身的なプレスやボールがなかなか出てこない状況でも動き出しを続けるシーンが目立った。 その点について木村も「今日のデータを見たら11km以上走っていて、今までの人生で一番走ったので、これ以上は無理ですけどもっと頑張ります(笑)」と、前向きに自身の課題に向き合っている。 試合後の城福浩監督は「今日どのようなプレーをするかという意味で、今までに比べれば本当にハードワークしてくれた。ただ、彼のポテンシャルからすれば、もっとやれる選手というふうに思っています」と、その特大のポテンシャルを認めるだけに、相変わらずその評価は厳しい。 一方で、キャプテンであり、ピッチ内外で良い関係性を築くMF森田晃樹は「(木村)勇大自身もここ数試合はなかなか試合に絡めていない状況で、(山田)剛綺がケガをしてしまって久々のスタメンというところでしたけど、点を決めることによって自信も取り戻すと思いますし、また去年みたいにどんどん決めてくれると思っています」と、ここまで燻っていた主砲の復活に期待を寄せる。 裏表がない性格が魅力でもあるストライカーは、開幕戦後はフラストレーションを溜めている様子も窺い知れたが、周囲の支えや昨季の苦しい時期を乗り越えた経験を活かし、悔しさや憤りといったマイナスの感情を、少しずつ自身の成長や原動力に変える術を見いだしつつある。 木村は今後の自身・チームの巻き返しへ力強い言葉を発し、改めてエースストライカーとしての覚悟を示した。 「去年は夏の3試合で外れて、今回も3試合外れましたけど、試合に出られないというのは本当にしんどかったですし、こうやってピッチに立って長い時間プレーできるというのが、サッカー選手の一番の喜びだなというのを今日は改めて思いました」 「もうこのポジションを譲るつもりはないですし、そのためにもチームを勝たせないと、ストライカーはダメなので、もっとゴールを決められるようにもっとシュート打てるようにやり続けたいです」 <span class="paragraph-title">【動画】いろんな思いが詰まった木村勇大の今季初ゴール</span> <span data-other-div="movie"></span> <blockquote class="twitter-tweet" data-media-max-width="560"><p lang="ja" dir="ltr">これがヴェルディのNo.10<br><br>先制ゴールは <a href="https://twitter.com/hashtag/%E6%9C%A8%E6%9D%91%E5%8B%87%E5%A4%A7?src=hash&amp;ref_src=twsrc%5Etfw">#木村勇大</a><br>開幕節以来のスタメン起用に応えた<br><br>明治安田J1第5節<br>新潟×東京V<br><a href="https://twitter.com/hashtag/DAZN?src=hash&amp;ref_src=twsrc%5Etfw">#DAZN</a> ライブ配信中<a href="https://twitter.com/hashtag/J%E3%81%BF%E3%82%88%E3%81%86%E3%81%9C?src=hash&amp;ref_src=twsrc%5Etfw">#Jみようぜ</a> <a href="https://twitter.com/hashtag/J%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%B0?src=hash&amp;ref_src=twsrc%5Etfw">#Jリーグ</a><a href="https://twitter.com/hashtag/%E6%96%B0%E6%BD%9F%E6%9D%B1%E4%BA%ACV?src=hash&amp;ref_src=twsrc%5Etfw">#新潟東京V</a> <a href="https://t.co/XJ9Rg6AmBS">pic.twitter.com/XJ9Rg6AmBS</a></p>&mdash; DAZN Japan (@DAZN_JPN) <a href="https://twitter.com/DAZN_JPN/status/1898245433228402797?ref_src=twsrc%5Etfw">March 8, 2025</a></blockquote> <script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script> 2025.03.09 06:30 Sun
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スペイン名門ベティスがパートナーシップ契約締結の東京Vのトレーニング視察「すごくポジティブな印象、名古屋戦の勝利を願っています」

東京ヴェルディとパートナーシップ契約を締結したレアル・ベティス・バロンピエ(スペイン1部)が、東京都稲城市にあるクラブハウスを訪問。トップチームのトレーニングを視察した。 1907年創設でアンダルシア州セビージャに本拠地を置くベティスは、プリメーラ・ディビシオン(ラ・リーガ)で1度の優勝、コパ・デル・レイで通算3度の優勝経験があるスペイン屈指の名門クラブ。2020-21シーズンにマヌエル・ペジェグリーニ監督が就任してからは常にUEFAコンペティション出場圏内の上位を維持。今シーズンもここまでラ・リーガで6位、カンファレンスリーグ(ECL)でもベスト16進出を果たしている。 そのアンダルシアの名門は昨年7月に東京Vと2025年6月30日までのパートナーシップ契約を締結。両クラブを通じたプレスリリースでは以下の5つの分野での協業を行うことが発表されていた。 ・日本及びスペインでのブランド拡大のための協業 ・スポンサーシップ、プロモーション、マーケティング、マーチャンダイジング領域における協業 ・社会環境アクションにおける協業(レアル・ベティスによる『Forever Green』と東京ヴェルディによる『TOKYO♡GREEN』間での連携を含む) ・サッカー及びその他スポーツイベントでの協業 ・サッカー領域における協業及び情報交換(『Verdy Sports Innovation Hub』での情報発信を含む) そんななか、ベティスはさまざまな市場での国際的な拡大戦略を目的に、3月11日~14日の期間に「ベティス・ウィーク」と題したイベントを2年連続日本で実施。いくつかのイベントが実施されるなか、11日には国際事業部門の責任者であるナチョ・ピニージャ・カスタニェダ氏が東京Vのクラブハウスを訪問し、トップチームの練習見学、クラブ関係者との会談を行った。 翌12日から、レアル・ベティス・アカデミーの国際コーディネーターであるハビエル・ロペス・アロンソ氏の下、東京Vのアカデミー所属選手を対象にトレーニングキャンプ。東京ヴェルディのユースチームのコーチ向けに指導者講習を控えるなか、ナチョ氏はクラブハウスにて行われた囲み取材の場で東京Vとの協力関係などいくつかのトピックについて語った。 まずパートナーシップ契約締結の経緯についてナチョ氏は、日本を重要な市場とみなしているなか、緑のチームカラーやフィロソフィーの部分で同じ価値観を持つ東京Vがベストなパートナーだと確信していたという。 「日本はベティスにとってすごく重要な国です。皆さんもご存知の通り、数年前には乾貴士選手が所属していましたし、日本にはファンクラブがあります。過去には福知山や千葉、茨城でサッカースクールを展開していました」 「ベティスの国際戦略のひとつとして、重要な日本にあるクラブとパートナーシップを締結することが目的としてありました。日本でパートナークラブを探していたとき、東京ヴェルディはベストなクラブだと考えました」 「同じようなチームカラー(ベティスは白と緑)であり、ディスカッションするなかでも同じような価値観を持っていることがわかり、この提携はベティス自体の価値を上げてくれるものだというふうに確信しています」 また、企業との共同によって地元の漁業者によって捨てられ、海底に沈んだ漁の網を回収・再利用し、本拠地エスタディオ・ベニート・ビジャマリンのスタンドのシートに転用する活動を一例として挙げ、サステナビリティの分野において世界でも屈指の評価を得ているクラブのひとつであるベティスは、「地球上で最も人気のあるスポーツの力を活用し、多くのファンと共に地球の気候変動に対するアクションを考えていく取り組み」である『Forever Green』の活動に力を入れている。 同じく東京Vも地球環境へ配慮したソーシャルアクションプログラムである『TOKYO♡GREEN』の活動に取り組んでおり、ナチョ氏は「この取り組みを日本でも様々なスポンサーなどを巻き込みながら推進していきたいと思いますし、ヴェルディがその助けになってくれることを望んでいます」と、提携の意義について語っている。 気になるスポーツ面での協力関係に関しては、トップチーム間での選手の行き来といった部分に関して「スポーツ部門の担当ではない」と言及を避けたナチョ氏。 ただ、ホアキン・サンチェスを始め、ダニ・セバージョス(レアル・マドリー)、ファビアン・ルイス(パリ・サンジェルマン)らスペイン代表を輩出し、現在はMFヘスス・ロドリゲスら逸材が活躍するアンダルシアの雄は、日本屈指の育成クラブとしての評価を確立する東京Vとの共通点を感じつつ、若手育成の部分ではアカデミーの選手・指導者の部分で交流を図りたい考えだ。 「皆さんもご存知の通り、この前の(カタール・)ワールドカップでは、日本がスペインに勝利し、日本の若いタレントというのはすごくヨーロッパでも注目されています。レアル・ベティスに来ることによって、そういった若いタレントがスペインの地で価値を上げてくれるような取り組みというのを、ぜひやっていきたいです」 「実際に我々のアカデミーのU-16世代には日本人の選手(DFバンデラ吉田健太)がいて、彼は日本のアンダー世代の代表にも選ばれています」 「ベティスも若い選手だったり、彼らがプレーするような施設に対してすごくお金を投資していて、そういった面でも若手への育成という部分では、同じような価値観を持っているのではないかなと考えています」 この日はオフ明けとなったが、城福浩監督や森下仁志コーチから盛んに檄が飛ぶなど熱のこもったトレーニングが繰り広げられ、その姿を見守ったナチョ氏も「すごくポジティブな印象」とコメント。ホーム初勝利を目指す15日の明治安田J1リーグ第6節の名古屋グランパス戦での勝利を祈った。 「日本のサッカーがすごく成長していることは理解していましたし、特に日本人の選手たちのテクニカルな面。それから戦術の面においてもすごく成長しているということは、スペイン人として理解しています。実際にそういったところを今日のヴェルディのトレーニングでも感じられ、私はそういった意味ですごくポジティブな印象を抱きました。この週末、ぜひヴェルディが名古屋に勝利して喜び合えることを願っています」 2025.03.11 16:30 Tue
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「早く結果を出したいというのはみんなが思っている」東京Vの主将MF森田晃樹が今季2勝目狙う新潟戦へ意気込む

東京ヴェルディのMF森田晃樹が、今季2勝目を目指すアルビレックス新潟戦への意気込みを語った。 東京Vは前々節のFC町田ゼルビア戦で待望の今季初勝利。しかし、味の素スタジアムでの開幕戦で連勝を狙った前節のガンバ大阪戦では、前半にDF千田海人、FW山田剛綺の2選手、後半にMF福田湧矢が脳震とうで負傷交代するアクシデントが続出。後半終盤に失点を喫した結果、0-1での敗戦となった。 開幕2試合とは異なり、ここ2試合はパフォーマンス改善の兆しを見せているが、1勝3敗での17位という現状を鑑みれば、8日にデンカビッグスワンスタジアムで行われる明治安田J1リーグ第5節の新潟戦では勝利という結果が求められるところだ。 その点についてキャプテンを務める森田は、「内容に関してよくなっているというのは前向きに捉えています。そのなかで結果が出ていないことに対しては、少しみんな思うことはある」と言及。 開幕6戦目で初勝利を挙げた昨季の経験を踏まえ、「いい意味でも悪い意味でもそんなに焦りはない」とチームとして現状を冷静に捉えているものの、「早く結果を出したいというのはみんなが思っている」と、改めて新潟戦での勝ち点3奪取へのこだわりを示している。 また、前節のG大阪戦を含め、今季ここまでのチームは攻守両面の課題に加え、昨季機能した“ゲームチェンジャー”を活かした後半終盤に相手を圧倒する戦いをなかなか見せられずにいる。 DF谷口栄斗やMF齋藤功佑とともにチーム全体をオーガナイズする24歳の司令塔も、現状のチームが安定的に勝ち点3を積み上げていく上で克服すべき課題は多いと感じている。 「失点の仕方とかそういうのも去年はPKとか、ある意味でしょうがない失点が多かったですけど、鹿島の試合もそうですけど自分たちのミスとか、あとはガンバ戦もそうですけど、相手のクロッサーに対してプレスに行けていないとか、そういうわかりやすく失点する要因がある。そこは去年と違いますし、そこを直さないと難しくなってくるかなと思います」 「(攻撃面では)決定的なシュートまで行けていないというところで、そういうシュートに行くまでの攻撃の形というのが、なかなかできていないと感じています。あとは少ない回数ですけど、そういうチャンスを作ったときに、どれだけ中が入れているかとか、周りが動き出しているかというのも、僕は課題だと思っているので、どっちもやる必要があるかなと思います」 「(交代選手の活かし方)もう少し自分たちがピッチの中で入ってきた選手をうまく使いながらやれたらよかったかなと。もっとグラウンドの中で選手たちが話してというか、話す時間もないと思いますけど、感じながらやるのが大事かなと思います」 自分たちの課題克服にフォーカスしつつ、結果を残す上では相手のストロングを消すことも重要。森田は対新潟という部分ではこれまでの後方からの丁寧な繋ぎに加え、より背後や縦への速さを強調する相手の攻撃をいかに封じられるかが、キーポイントになると考えている。 「新潟さんに対しては、センターバックからのロングボールとサイドの裏抜けというところを意識しています。太田(修介)選手の裏抜けとか、サイドバックとかあとは稲村(隼翔)選手からのロングボールを使った攻撃。そこに対して簡単に蹴らせないようにしたいです」 前述の3選手の離脱は今季スカッドをスリム化したチームにとって大きな痛手となるが、日々チームを俯瞰的に見守ってきたキャプテンは「監督が言っているようにベンチメンバーだったり、バックアップのメンバーの力というのは、去年も一昨年もそうですけど、すごく大事だったので、そこに期待したいです」と、自身の価値を証明するとともにチームの苦境を誰よりも助けたいと意気込む仲間たちの奮起と躍動を期待している。 2025.03.07 18:15 Fri

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