東京Vが鹿島とのオリ10対決制し4戦ぶり得点&白星! “緑の稲妻”山見大登がクラブJ1通算800点目含む殊勲2発【明治安田J1第28節】
2024.08.25 20:12 Sun
東京Vを勝利に導いたマテウスと山見大登
明治安田J1第28節の東京ヴェルディvs鹿島アントラーズが25日に味の素スタジアムで行われ、ホームの東京Vが2-1で勝利した。前節、FC東京とのダービーを0-0のドローで終えた12位の東京V。リーグ戦連敗はストップも、中断明け後は3試合連続無得点で3試合未勝利とここに来て苦しい戦いが続く。ホームで4試合ぶりの白星を狙った一戦では累積警告で出場停止の染野唯月を含め林尚輝、松村優太が保有元との対戦で不在となったなか、千田海人、綱島悠斗、山見大登が代役を務めた。
一方、同じく前節の浦和レッズ戦をゴールレスドローで終え、2戦未勝利で3位に転落した鹿島。逆転優勝に向けて3試合ぶりの勝ち点3必須のアウェイゲームでは2-1で勝利した天皇杯のヴァンフォーレ甲府戦から先発5人を変更。柴崎岳、名古新太郎、鈴木優磨といった主力が復帰。さらに、新戦力のターレス・ブレーネルが初のベンチ入りを果たした。
立ち上がりから球際、切り替えの局面でバチバチとやり合う激しい展開となったオリジナル10対決。ホームの東京Vが山見のボックス内への侵入からの際どいクロスでチャンスを作れば、アウェイの鹿島も濃野公人のミドルシュートで応戦する。
序盤以降は互いにボールの主導権を入れ替えながら遅攻でチャンスを窺う。だが、互いにサイドを起点に仕掛けを見せるが、なかなかフィニッシュまで持ち込めない。
対する東京Vも30分過ぎに続けて決定機を創出。31分、前線へのロングボールを収めた木村勇大が山見との連携でボックス左に抜け出して対峙したDFを抜き切らずに意表を突くニア上を狙った右足シュート。だが、ここはGK早川友基の好守に遭う。さらに、このプレーで得た左CKの流れから波状攻撃を仕掛けて谷口栄斗の反転シュートなどでゴールに迫るが、赤の分厚い壁をこじ開けられず。
一進一退の攻防が続くなかで鹿島は36分、デザインされた左サイドでのFKから名古の速いクロスを壁付近で師岡柊生が頭でフリック。これがゴール右隅に向かうが、GKマテウスの見事な横っ飛びセーブに阻まれて決定機をモノにできない。
その後、前半アディショナルタイムには東京Vがカウンターから齋藤功佑の右クロスをボックス左で胸トラップした山見がファーポストを狙った右足シュートを放つが、これは惜しくもクロスバーに阻まれた。
球際での激しいバトルを含め拮抗した一戦はゴールレスで後半に突入。立ち上がりの51分には翁長聖のインターセプトから東京Vが高速カウンターを発動。山見がボックス手前左からニア下を狙ったシュートを放つが、これはGK早川の好守に遭う。
一方の鹿島も直後の相手セットプレーを撥ね返してのロングカウンターから師岡のラストパスに反応した名古がボックス内でビッグチャンスを迎えるが、体勢を崩して放ったシュートはGKマテウスに阻まれる。
後半はよりオープンな展開になり始めると、両ベンチが60分付近に動きを見せる。鹿島は仲間隼斗に代えて藤井智也を、東京Vは山田楓喜を下げて見木友哉を投入。これで山見が右のシャドーにポジションを変えた。すると、一連の交代が試合を動かす契機に。
63分、最後尾でボールを受けた3バック右の綱島が相手のプレスをかわしてボックス手前まで持ち上がってボックス右のスペースを狙う山見にラストパス。これを受けた山見がニア上に強烈な右足シュートを突き刺した。
チーム4試合ぶり、クラブJ1通算800点目となる山見のゴールによって均衡が破れると、鹿島は失点直後に師岡を下げて田川亨介を投入。前線に2人のストライカーを並べる形でゴールを目指す。72分にはセットプレーの二次攻撃から柴崎の左クロスに反応した濃野がヘディングシュートを枠の左に飛ばすが、これはGKマテウスのビッグセーブに遭う。さらに、こぼれ球を左足で蹴り込むが、今度は左ポストに阻まれた。
守護神のビッグプレーでリードを維持したホームチームは今度は攻撃陣が応える。75分、ボックス手前左でロングボールのこぼれに反応した齋藤が胸トラップから左足シュートを放つと、これはGK早川にはじかれるが、こぼれに詰めた山見が再び右足で蹴り込んだ。
逆転優勝へこれ以上の取りこぼしは許されない状況で厳しくなった鹿島は、試合終盤にかけて決死の猛攻に打って出る。86分にはGKマテウスが飛び出してクロスをはじいたこぼれを拾った藤井が枠を捉えたシュート。これはDF綱島のゴールカバーに阻まれたが、右肩の付け根付近にボールが当たったためオンフィールド・レビューでの確認が入ると、PKが与えられる。これをキッカーの鈴木が冷静に左隅へ蹴り込んだ。
1点差で後半アディショナルタイムは11分と、壮絶な3-3のドローに終わった前回対戦同様に何が起こってもおかしくない状況となったが、今季ここまでのJ1での戦いを通じてタフさを身に着けた東京Vは身体を張った守備としたたかに時計を進めるプレーで見事に逃げ切った。
この結果、鹿島とのオリジナル10対決を制した東京Vが4試合ぶりの勝ち点3を奪取。一方、敗れた鹿島は直近1分け2敗の失速で厳しい勝ち点逸となった。
東京ヴェルディ 2-1 鹿島アントラーズ
【東京V】
山見大登(後18、後30)
【鹿島】
鈴木優磨(後45)
一方、同じく前節の浦和レッズ戦をゴールレスドローで終え、2戦未勝利で3位に転落した鹿島。逆転優勝に向けて3試合ぶりの勝ち点3必須のアウェイゲームでは2-1で勝利した天皇杯のヴァンフォーレ甲府戦から先発5人を変更。柴崎岳、名古新太郎、鈴木優磨といった主力が復帰。さらに、新戦力のターレス・ブレーネルが初のベンチ入りを果たした。
序盤以降は互いにボールの主導権を入れ替えながら遅攻でチャンスを窺う。だが、互いにサイドを起点に仕掛けを見せるが、なかなかフィニッシュまで持ち込めない。
前半半ば過ぎの飲水タイム明けの28分には鹿島に決定機。左CKの二次攻撃からボックス手前でルーズボールに反応した柴崎が右足のミドルシュートを狙うが、これは枠の左に外れる。
対する東京Vも30分過ぎに続けて決定機を創出。31分、前線へのロングボールを収めた木村勇大が山見との連携でボックス左に抜け出して対峙したDFを抜き切らずに意表を突くニア上を狙った右足シュート。だが、ここはGK早川友基の好守に遭う。さらに、このプレーで得た左CKの流れから波状攻撃を仕掛けて谷口栄斗の反転シュートなどでゴールに迫るが、赤の分厚い壁をこじ開けられず。
一進一退の攻防が続くなかで鹿島は36分、デザインされた左サイドでのFKから名古の速いクロスを壁付近で師岡柊生が頭でフリック。これがゴール右隅に向かうが、GKマテウスの見事な横っ飛びセーブに阻まれて決定機をモノにできない。
その後、前半アディショナルタイムには東京Vがカウンターから齋藤功佑の右クロスをボックス左で胸トラップした山見がファーポストを狙った右足シュートを放つが、これは惜しくもクロスバーに阻まれた。
球際での激しいバトルを含め拮抗した一戦はゴールレスで後半に突入。立ち上がりの51分には翁長聖のインターセプトから東京Vが高速カウンターを発動。山見がボックス手前左からニア下を狙ったシュートを放つが、これはGK早川の好守に遭う。
一方の鹿島も直後の相手セットプレーを撥ね返してのロングカウンターから師岡のラストパスに反応した名古がボックス内でビッグチャンスを迎えるが、体勢を崩して放ったシュートはGKマテウスに阻まれる。
後半はよりオープンな展開になり始めると、両ベンチが60分付近に動きを見せる。鹿島は仲間隼斗に代えて藤井智也を、東京Vは山田楓喜を下げて見木友哉を投入。これで山見が右のシャドーにポジションを変えた。すると、一連の交代が試合を動かす契機に。
63分、最後尾でボールを受けた3バック右の綱島が相手のプレスをかわしてボックス手前まで持ち上がってボックス右のスペースを狙う山見にラストパス。これを受けた山見がニア上に強烈な右足シュートを突き刺した。
チーム4試合ぶり、クラブJ1通算800点目となる山見のゴールによって均衡が破れると、鹿島は失点直後に師岡を下げて田川亨介を投入。前線に2人のストライカーを並べる形でゴールを目指す。72分にはセットプレーの二次攻撃から柴崎の左クロスに反応した濃野がヘディングシュートを枠の左に飛ばすが、これはGKマテウスのビッグセーブに遭う。さらに、こぼれ球を左足で蹴り込むが、今度は左ポストに阻まれた。
守護神のビッグプレーでリードを維持したホームチームは今度は攻撃陣が応える。75分、ボックス手前左でロングボールのこぼれに反応した齋藤が胸トラップから左足シュートを放つと、これはGK早川にはじかれるが、こぼれに詰めた山見が再び右足で蹴り込んだ。
逆転優勝へこれ以上の取りこぼしは許されない状況で厳しくなった鹿島は、試合終盤にかけて決死の猛攻に打って出る。86分にはGKマテウスが飛び出してクロスをはじいたこぼれを拾った藤井が枠を捉えたシュート。これはDF綱島のゴールカバーに阻まれたが、右肩の付け根付近にボールが当たったためオンフィールド・レビューでの確認が入ると、PKが与えられる。これをキッカーの鈴木が冷静に左隅へ蹴り込んだ。
1点差で後半アディショナルタイムは11分と、壮絶な3-3のドローに終わった前回対戦同様に何が起こってもおかしくない状況となったが、今季ここまでのJ1での戦いを通じてタフさを身に着けた東京Vは身体を張った守備としたたかに時計を進めるプレーで見事に逃げ切った。
この結果、鹿島とのオリジナル10対決を制した東京Vが4試合ぶりの勝ち点3を奪取。一方、敗れた鹿島は直近1分け2敗の失速で厳しい勝ち点逸となった。
東京ヴェルディ 2-1 鹿島アントラーズ
【東京V】
山見大登(後18、後30)
【鹿島】
鈴木優磨(後45)
1
2
山見大登
染野唯月
林尚輝
松村優太
千田海人
綱島悠斗
柴崎岳
名古新太郎
鈴木優磨
ターレス・ブレーネル
濃野公人
木村勇大
早川友基
谷口栄斗
師岡柊生
マテウス
マテウス
マテウス
マテウス
齋藤功佑
翁長聖
仲間隼斗
藤井智也
山田楓喜
見木友哉
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「6位は誰もが驚く結果」東京Vの江尻強化部長が躍進の今季総括…レンタル組の去就や来季展望に言及
東京ヴェルディの江尻篤彦強化部長が、9日に2024シーズンの総括会見を実施した。 就任2年目となった城福浩監督の下、昨シーズンは16年ぶりのJ1昇格という悲願を果たした緑の名門。今シーズンはJ1残留を至上命令に臨んだなか、開幕時点で“20番目のチーム”と目された下馬評を痛快に覆す快進撃で、4節を残して残留を確定。さらに、クラブとしての予算規模、スカッドの経験値で上回る多くのクラブを退け、最終的に東京移転後では最高位となる6位で2024シーズンの明治安田J1リーグの戦いを締めくくった。 2020年に東京V入りした江尻強化部長は、自身の出身である明治大学の選手を中心に、近年のクラブにはルートや選択肢としてなかった大卒の有望株の獲得、2022シーズン途中に招へいした城福監督との二人三脚によって、限られた予算のなかで的確な補強でJ1昇格、今季の6位フィニッシュを成し遂げた。 今回の会見では城福監督の手腕への評価を含めた、今季の振り返りとともに、さらなる躍進を目指す来シーズンに向けた展望を語った。 「昨年の12月2日に染野選手のPKで我々が16年ぶりのJ1を獲得できた」という昇格プレーオフを制してのJ1昇格決定からスタートした今シーズンの戦い。 昇格の可能性がある昨年の終盤の段階から「J1バージョンとJ2バージョンの両方を考えながら進めていた」と語る補強責任者は、開幕前の段階で降格候補の最有力と目されたなか、指揮官とともに「2024シーズンはサプライズを起こせるようなチームになりたい」とチーム作りを進めた。 そのなかで「チームとしてどういう色で戦うのか」、「そのなかで質の高い選手がいないと勝てない」という2つのポイントを重視。ハイインテンシティのアグレッシブな城福監督の明確なスタイルを体現する“質の高い選手”という部分ではJ2昇格に貢献した現有戦力に加え、「J1リーグでも若い選手がチームの考え方とか、監督の戦う戦術で少し試合時間に恵まれてない選手をピックアップ」。 いずれも京都サンガF.Cから期限付き移籍で加入したFW木村勇大とMF山田楓喜、ガンバ大阪から期限付き移籍で加入したFW山見大登が攻撃の主軸として覚醒した。 一方で、江尻強化部長は「夏以降に成長した」とディフェンスラインで活躍したMF綱島悠斗、DF千田海人の2人に言及。改めて編成の責任者として気付かされる部分があったという。 「今年でいうと、綱島悠斗、千田海人とかディフェンスの選手が夏以降に成長し、千田はベテランと呼ばれてもおかしくない年齢の選手で、J2のときに秋田から取ってきて、J2時代はあまりフィットしなかったですが、このJ1に向けて彼自身が成長した。彼の例を挙げると、年齢はあまり関係ないんだなと、いかに我々のやりたい、目指しているところと、あとは何よりも城福監督が目指しているようなサッカーにフィットするかしないかというところが、改めて編成の責任者をしている側としたら、すごく大切なところだなというのは思いました」 また、今季のスカッドはDF宮原和也を除き多くの選手がJ1初挑戦やJ1で出場経験が少ない選手で構成された点が大きな特徴だった。百戦錬磨の指揮官を含め、経験豊富なコーチ陣の存在はあるとはいえ、J1で経験豊富な選手を“メンター”や“ロールモデル”として若きスカッドに組み込む選択肢も当然あり得たはずだ。 その点について江尻強化部長は「あるときにはそういう選択をするかもしれない」、「これが来年も続くかといえば、これは本当にわからない」としながらも、クラブの哲学や自身の考え方として、今季のチーム作りが適したものだったと感じているという。 「当然経験が少ない選手ばかりのチームでしたけど、そこに何を見いだして我々が戦いを挑んだというところが大きなポイント。城福監督が求めるサプライズを起こせるようなチーム。本当にひたむきにアグレッシブに戦うチームというのが作れれば、そういうところに挑めるということを、今年は証明できたのかなと思っています」 「今年は選手も少なくとも同じ考えを持って、こういうメンバーでもやり遂げられると、同じ方向へ向いたということを考えると、経験がある選手がいるのといないのとで、ダメなところをうまくいい方向に、みんなの意識が向いた結果かなと思っているので、そこは大事にしていきたいです。20チームのJ1のクラブのなかで、こういうチームもあってもいいのではないかなと思っています」 「僕らヴェルディの哲学としたら育てるチームというのが大きなキーワードになる。城福監督は基準をぶれずにチーム作りをしてくれたというのと、僕も基準をぶれずに、育てることを貫き通せているというのも、ぶれてない部分だと思っています。そういう若い選手をエージェントさんが紹介してくれたりとか、高校生、大学生がここへ来れば試合に使ってもらえそうだというところを、ひとつブランドとして作れている部分もあると思っている。このクラブの哲学として、そこはぶらしたくないというのはあるので、基本そっちの方をその哲学を大事にしながらチーム作りをしていこうかなと思っています」 その結果が「今シーズンの6位という順位は、誰もが驚くびっくりするような結果」に繋がった。 「今年1年はクラブ全体で、本当にみんなで力を合わせた結果がこういう結果になった。我々もこれまで支援していただいているスポンサー様、自治体の方々が本当にJ1の16年ぶりの舞台で皆さんが後押しをしてくれた。何よりも苦しいときもわかってくれているサポーターの皆さんが、また味スタのスタジアムに戻ってきてくれた。私は2020年から来ましたけど、あのときのゴール裏と今のゴール裏とでは、もう比べようがないぐらいお客さんが入っていて、それに応えるために、我々が一生懸命努力したということが、本当に良かったと思います」 ただ、J1での戦いが甘いものではないことを知る江尻強化部長は「これを中長期的にどういうふうに継続していくかというところが、このヴェルディの未来にも繋がると思いますし、いま頭を悩ましているところ。動いている足を止めるわけにはいかないので、これからが本当の意味でのヴェルディになっていくというふうに思っているので、大変かもしれないですけど、やっていこうかなと思います」と、早くも来季以降の厳しい戦いへ気を引き締め直した。 2022シーズンの途中から名門再建へ二人三脚で取り組んできた城福監督については、「結果も含めて我々が目指している、育てながら、勝ち点を積み上げていくということの体現をできる監督であり、何よりも経験とチームのマネジメント力の部分は、本当に日本でも指折りの監督だと思っている」と、クラブのフィロソフィーを体現できる監督だとその手腕を評価。 とりわけ、元ジェフユナイテッド千葉の指揮官はオフ明けの振り返りのミーティングを含め、卓越したマネジメント能力を称賛している。 「オフ明けの振り返りのミーティング。ここは本当に素晴らしいミーティングを毎回している。自分がチームとして作った基準に達していなければ、それはダメだというところをしっかり持っていらっしゃる監督で、これは僕も監督をやったからよくわかりますが、どこかしら何かに忖度してしまう場面が多々ある。忖度が起こってしまうというのが、一番マネジメントに影響してくる。城福さんは、そこは絶対に誰が何であろうが、自分らが築き上げた、その基準に達しなければ、みんなに平等に話をする」 「個でもチーム全体でもしっかりとしたハードルがあるので、そこは本当にぶれずに話をするというのは、素晴らしい監督。これをやらなかったらダメだという基準をしっかり示し、誰もがその基準に達しないとピッチに立てない、試合に使ってもらえないというところがあり、トレーニングがその象徴であって、トレーニングでやれない選手は出られないというところの基準をしっかり作れる方だと思っています」 その上で「今はいいお話もできていますし、そういうものが近々発表されればいいかなと。ただ城福さんも妥協なき方なので、来年の補強はしっかり見たいというのも、オーダーとしてありますので、僕の補強次第なのかなと。ただ苦戦しています(笑)」と、近日中の来季続投発表を示唆した。 今季の6位という順位を踏まえると、来季はJ1定着という当初からの目標に加え、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)の出場権獲得、そしてリーグ、天皇杯、ルヴァンカップでのタイトル獲得も視野に入ってくる。 江尻強化部長はそういった野心を理解しつつも、「それができるような補強ができないと、高い目標を設定すぎて全く違う形になるというのが多い。そこはプロフェッショナルとしてしっかりとしたところは定めたい」と自らの仕事に直結する補強の結果を鑑みて、来年の新体制発表の際に目標を発表したいと慎重な姿勢を示した。 その補強の進捗状況については「我々の選手で他クラブから評価されているのも現実で、なおかつ我々も残ってもらえる努力はしながら、補強のポイントを、よそから取ってくるなりをしなければいけないところの苦しさはあります」とコメント。 補強戦略の部分では「全ポジション」を対象に、外国籍選手の獲得の可能性を含め、“活きがいい若手”を軸に、パーソナリティを含め現スタイルに合致した選手を獲得していきたいと語る。 「(求める特徴は)戦える選手。そのなかで走れるとかスピードがあるとか、強いとか、そこはポジションによって変わってくるし、求めているものによって変わってきます。ただ、満遍なく全部持っているよりは、特徴がある選手をそのポジションに配置してチーム作りをしてきたつもりで、ポジションによってそういうものを変えていけたらなと思います」 「我々はここまで何年か僕と城福監督を中心に積み上げた若い選手が成長するというのは、ひとつの売りやブランドになり始めてきていると思うので、求人募集ではないですけど、若くて活きのいい選手に対して、ターゲットはもちろん絞ってますけど『ここなら試合出れて、やれるぞ』という、求人募集したいぐらいです(笑)」 新戦力補強とともに重要なのが、今季の躍進に貢献したレンタル組の去就。今季は前述した木村、山田楓、山見の3選手に加え、鹿島アントラーズから2シーズン連続期限付き移籍で加入したDF林尚輝、FW染野唯月が主力としてプレーし、MF松村優太も鹿島から今季途中に加入している。 江尻強化部長はそのレンタル組の完全移籍での買い取り、来季のレンタル移籍を用いた補強プランについて言及。交渉の進捗に関して明言を避けながらも、クラブとして「全力を尽くしている」と説明した。 「レンタル選手の買い取りは考えています。ただ、あくまでも考えているところで成立するかどうかはわからないですけど、クラブには(資金面のバックアップを)頑張っていただけているとは思っていますし、そこと買い取りには全力を尽くします」 「ただ、クラブがものすごく急にお金をかけて何かできるというようなことはないとは思いますので、引き続きレンタル選手を視野にも入れて編成しているのも事実。僕らがもらっている予算、バジェットのなかでどういう編成をできるかというのは、すごく大切なことだと思っているので、少しずつ自分たち保有の選手にしていけたらなと思っていますし、今年の例で言うと、そういうレンタルで借りた選手の価値も上げられていると思うので、育てるところも含めていい流れで来ているかなと思います」 2024.12.10 17:26 Tue3
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サガン鳥栖のFW樺山諒乃介が目の覚めるようなゴラッソを決めた。 鳥栖は25日、明治安田生命J1リーグ第2節でガンバ大阪とアウェイで対戦。ホーム開幕戦の5失点大敗からバウンスバックを図った。 守勢の中で51分に先制を許すも、続けざまの交代策で打開を試みると、これが的中。途中出場の樺山が鮮烈な一撃を見舞う。 60分に投入された樺山はそのわずか4分後、左からの藤田直之の大きなクロスをボックス内右で収めると、ドリブルでG大阪守備陣を翻弄。鋭い切り替えしと抜群のタッチで黒川圭介、山見大登、ダワンを次々と抜き、ラストは右足でニアをぶち抜いた。 『DAZN』の「メッシ級のスーパーゴール」という言葉も頷ける見事なゴール。「これエグすぎた!」、「これはヤバい。近年のJでトップクラスのゴールでしょう」、「ヤバヤバのヤバ!」、「メッシ級ではあるな」「三笘に久保に南野のプレーを全部合わせたようなプレー」などの賛辞や賛同が集まったほか、「これ敵ながらアッパレやった」と相手サポーターも脱帽した。 これで息を吹き返した鳥栖はさらに攻勢を強めたが、逆転ゴールまでは奪えず1-1の引き分けに。今季初勝利はお預けとなったものの、新加入アタッカーの存在は次節以降の戦いに期待を抱かせることとなった。 <span class="paragraph-title">【動画】鳥栖MF樺山がPA内で3人を抜き去りニアぶち抜き</span> <span data-other-div="movie"></span> <script>var video_id ="SBMdSSr3sU8";var video_start = 0;</script><div style="text-align:center;"><div id="player"></div></div><script src="https://web.ultra-soccer.jp/js/youtube_autoplay.js"></script> 2023.02.25 19:30 Sat4
「魂を見せてくれた」柏に泥臭く勝ち切った東京Vは勝ち点40超え…城福監督「残留はこのクラブで絶対的に与えられた使命」
東京ヴェルディの城福浩監督が、泥臭く勝ち切った柏レイソルとの激闘を振り返った。 東京Vは8月31日、三協フロンテア柏スタジアムで行われた明治安田J1リーグ第29節の柏戦を3-2で勝利した。 前節、3位の鹿島アントラーズを2-1で下し、4戦ぶりの得点と共に4戦ぶりの白星を挙げた東京Vは、16位の柏とのアウェイゲームで約3カ月ぶりとなる今季3度目の連勝を狙った。 今節も[3-4-2-1]の布陣で臨んだ東京Vは、鹿島と共通点も少なくない柏の[4-4-2]に対して、ミスマッチの優位性を意識した戦い方で臨むプランだったが、この試合で柏は可変式の布陣を採用。守備時には右サイドハーフのMF鵜木郁哉を1列下げて5バックを形成し、攻撃時もより流動的な形で揺さぶりをかけた。 その想定外の出方に加え、FW細谷真大、MFマテウス・サヴィオの両エースを起点にクオリティとインテンシティの高さを見せた相手に面食らう形でバタバタした入りを強いられると、8分に細谷に先制点を奪われる。 それでも、失点直後のピッチ上で円陣を組んで改めて意思統一を図り、連続失点を回避すると、15分にFW木村勇大、30分にFW山見大登の連続ゴールによって逆転。ただ、前半終了間際に相手のデザインしたセットプレーからMF戸嶋祥郎に強烈な一撃を浴びて2-2のイーブンで試合を折り返した。 迎えた後半、3枚替えで通常の[4-4-2]の戦い方に変化した相手に押し込まれる入りとなったものの、一瞬の隙を突いて55分のMF翁長聖の技ありシュートで勝ち越しに成功。その後は完全に押し込まれてハーフコートゲームを展開されたが、ディフェンスラインを中心としたハードワークに守護神マテウスの土壇場のビッグセーブによって相手の猛攻を耐え抜き、白熱のシーソーゲームをモノにした。 同試合後、公式会見に出席した城福監督は勝ち点3を得た充実感と共に心身ともに激しい消耗を強いられたであろう一戦を総括。チーム全体の献身を称えながらも、自身のアプローチを含め課題の部分をより強調した。 「ゲームの中で反省すべきは前半の入り方と終わらせ方。ここはいくらロッカールームで徹底しようと言っても、自分が徹底させきれなかったと思います。選手がやれなかったら自分の問題なので、どういうアプローチがよかったのか、どういう表現がよかったのか。そこは自分でもしっかり振り返りたいと思います」 「ただ、点を取られてからも我々のペースを崩さなかったこと。そこで2点取ったことはポジティブ。前半は相手の左サイド。ジエゴとマテウス・サヴィオ、あるいは小屋松の2列目のところで、浮いたところをどう掴むかという部分で苦労し、ちょっと押し込まれました。あそこの整理をもっと早くしてあげればよかったと思っています」 「後半は相手も2トップ気味にやってきたので、掴みづらさはなくなったけれどもゴール前の迫力が増えたので、選手はよく体を張って、球際のところでシュートブロックしてくれたなと思います」 押し込まれ続けてセカンドボールを拾えず、奪ったボールも前線への長いボールを選択せざるを得ない厳しい状況となった後半の戦いに関して、MF齋藤功佑や山見は傑出したパフォーマンスを見せたサヴィオら相手のクオリティの高さを認めると共に、攻め切れた前半にもう少し相手陣内でボールを動かす時間帯を作るべきだったとの反省の言葉も口にしていた。 それに加えて、指揮官は交代策の部分で少なからず誤算があったことを示唆。 本来であれば、優れたキープ力と献身的な守備で流れを好転させられたであろうFW染野唯月はコンディションに問題があったか、全体的に無理が利かない場面が散見された。 その点については「我々もちょっとそれを心配していましたけど、本人に確認したら問題ないと。ただ、彼もリードをしている状況で、失点したくないという状況だったので、かなり守備の方に気を使っていたと思います」と、本来での出来ではなかったものの、その中でもチームのためにプレーし続けたエースを慮った。 その染野以外では負傷明けでのプレーとなったDF林尚輝の比較的早いタイミングでの交代、交代枠を使い切った後で足が攣った翁長を最前線に配置せざるを得ないアクシデントも指揮官のゲームプランをより難しいものとした。 「もちろん相手はリスクを冒して、両サイドバックが非常に高い位置を取ってきましたし、そこを裏返すようなボールであったり、動き出しであったり、キープであったりというところは、ちょっと守備に追われて疲弊して押し返すようなキープ、ボールの持ち方ができなかった」 「最後は特に翁長聖が足を攣った中で、我々のカードの切り方も最初に1枚を切った後に、2枚ずつ切った後でのアクシデントだったので、1枚少ないような状況だったので、余計を押し返すことができなかった」 それでも、「ただみんなはそれを承知の上で彼も足を引きずりながらでしたが、よく耐えたなと思います。何よりもゴール前のところやバイタルエリアのシュートブロックというのは魂を見せてくれた」と、試合終了のホイッスルが鳴ったと同時にピッチに倒れ込んだ選手たちの献身に満足感を示した。 昇格プレーオフを制しての昇格という部分で“20番目のチーム”という位置づけで16年ぶりのJ1の戦いに挑み、開幕前はダントツで降格候補に挙げられながらも、今回の勝利によって残留争いの目安のひとつである勝ち点40の大台を超え、勝ち点41で暫定ながら7位に浮上した。 久々のJ1の舞台でサプライズを起こしたいという力強い宣言と共に、常々J1残留への危機感を強調してきた百戦錬磨の指揮官だが、やはり9試合を残しての現在の立ち位置によって最低限であり、最大の目標到達に近づきつつあると感じている。 「我々のクラブの目標が残留であることは間違いない。それはもう経験値とクラブの規模を考えたら、それは絶対唯一無二の目標であることは間違いない。ただ、それを最終節まで持ち込むのか、あとは何試合かを残して、我々らしく我々のサッカーを示すという状況で、終盤を迎えるのかというところでは、選手の経験値としても大きな差がある」 「とにかく一試合一試合を勝ち点3にこだわって、どのステージで最後J1の中で競い合うというところは高い意識を持っていますけど、それにしても後ろを気にしているわけではないですけども、残留というのはこのクラブで絶対的に与えられた使命だと思いますし、まずはそこに到達したいなという思いです」 2024.09.01 07:35 Sun5
Jリーグアウォーズで意外だった監督の評価/六川亨の日本サッカー見聞録
2024年のJ1リーグは神戸の連覇で幕を閉じた。2位の広島も粘ったものの、最後は神戸が湘南を3-0で退け自力優勝を達成。広島はG大阪に、3位の町田も鹿島に1-3で敗れて神戸に肉薄することはできなかった。 MVPには13ゴール7アシストで神戸を牽引した武藤嘉紀が選出された。今シーズンは、攻撃はもちろんのこと、守備でも泥臭く奮闘する“汗かき役”としてチームを牽引。当然の受賞と言える。 優秀監督賞には連覇を果たした神戸の吉田孝行監督(61票)ではなく、広島のミヒャエル・スキッベ監督が121票を獲得して2年ぶり2度目の受賞を果たした。3位は、開幕前は降格候補の1番手と思われていた東京Vの城福浩監督が44票を集めた。 12月9日に行われた東京Vのシーズン振り返り会見で、江尻篤彦強化部長はJ1昇格が決まったのは12月に入ってからだったため「(昇格が)決まってからだと市場に(選手も)残っていないかな」と遅いスタートを認めつつ、J1では何が大切かを城福監督と話したという。 そこでの結論は「質の高い選手がいないと勝てないよね」というもの。そこで「出場時間に恵まれていない選手をピックアップ」してG大阪から山見大登、京都から木村勇大らをレンタルで獲得。「出場機会に恵まれていない若い選手が結果を残してくれた」と総括した。 城福監督も「(6位は)我々のチームの規模、経験、選手層を考えたときに難しい戦いになることは覚悟していた。それは去年も同じで、昇格争いをすると思われていなかった。選手はまったく経験がない。そういう見られ方をしている中での6位は自負していい。昨日(の試合後)は、お前ら6位だ。たいしたもんだと選手を初めて褒めました」と開幕前の心境を明かした。 東京Vの歴史で、93年と94年こそリーグ連覇を達成したが、95年は横浜Mに敗れて2位。そこからは長い低迷時代に突入し、6位は96年の7位を上回る好成績だ。城福監督のシーズンを通してのチームマネジメント、激しく選手に闘争心を求め続けた姿勢は高く評価していいだろう。 意外だったのは、3位とJ1初昇格後に最高成績を収めた町田の黒田剛監督が16票で5位と低かったことだ。ルヴァン杯こそ決勝に進出したものの、リーグでは最終節まで残留争いに巻き込まれた新潟の松橋力蔵監督の29票にも及ばなかった。 推測するに、一発勝負の繰り返しである高校サッカーではリスクを排して守備を固め、ロングボールやセットプレーから得点を狙うスタイルは容認されても、プロの“興業”としての側面もあるJリーグでは、広島や新潟のようにポゼッションスタイルを監督も選手も「理想」としているのではないだろうか。 J2は昨シーズンのプレーオフ決勝で東京Vに同点弾を浴びて涙を飲んだ清水が堂々のJ1復帰を果たし、横浜FCも1年での返り咲きを果たした。J3では大宮がダントツの成績で1年でのJ2復帰を果たした。MF小島幹敏やFW杉本健勇らは“質”からいったらJ1レベルだけに、当然の帰還と言える。 意外だったのはJ2で勝点差1により3位に甘んじた長崎が、昇格プレーオフ準決勝で1-4と大敗したことだ。新スタジアムでは無敗を誇っていただけに、ショッキングな結果だった。そして岡山が初のJ1昇格を果たした。 J2昇格プレーオフ決勝は、富山まで取材に足を延ばした。リーグ戦終盤は5連勝で4位に食い込んだ松本は、準決勝でも福島に1点をリードされながら後半20分の野々村鷹人のゴールで同点に追いつき、規定によりリーグ戦上位の松本が決勝戦に進出。しかし3位富山との試合では、前半に2点をリードしながら後半に1点を返されると、アディショナルタイムの90+3分に左クロスから失点して無念のドロー。準決勝とは逆の立場でJ2復帰の夢は幻と消えた。 タイムアップの瞬間、11年ぶりのJ2復帰を決めた富山の選手による歓喜の輪がピッチに広がる一方、あと一歩のところで昇格を逃した松本は、司令塔の山本康裕ら3人以外は仰向けに倒れるか座り込んだまま動けない。残酷なまでの勝者と敗者のコントラストだった。 文・六川亨 2024.12.12 12:00 Thu東京ヴェルディの人気記事ランキング
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J1昇格の明暗を分けたシーン、主審のジャッジは妥当と審判委員会が見解…あくまでもVARの介入は「明白な間違い」と「見逃された重大な事象」
日本サッカー協会(JFA)は8日、第10回レフェリーブリーフィングを開催した。 2023シーズンも、Jリーグは全ての日程が終了。残すは、9日に行われる天皇杯の決勝のみとなった中、2023シーズンのレフェリングの総括を行った。 ブリーフィングには、扇谷健司 JFA審判委員会 委員長、東城穣 JFA審判マネジャー Jリーグ担当統括、佐藤隆治 JFA審判マネジャー VAR担当の3名が出席。様々なデータや事象を共有した。 その中で、事象についての質問が飛び、注目された1つは2023J1昇格プレーオフ決勝の東京ヴェルディvs清水エスパルスの最後のシーン。清水の高橋祐治が東京Vの染野唯月にスライディングタックルをして東京VにPKが与えられ、これが決まり1-1の同点に。東京Vが16年ぶりのJ1昇格を掴んでいた。 このシーンは多くの議論を生み、SNS上ではPKが妥当という見方と、ファウルではないという見方が混在。ただ、通常VARが導入されていないJ2の試合で、この試合はVARも導入されていた中でのジャッジとなった。 特に話題となったのは、このシーンにVARが介入しなかったという点。ただ、あくまでもVARが介入するのは、「得点」、「PKの有無」、「退場」、「警告の人間違い」に限られている。 このシーンはPKの有無ではあるが、そもそもVARは上記のシーンにおいて「はっきりとした、明白な間違い」、「見逃された重大な事象」とされており、すぐにPKのジャッジを下した池内明彦主審のジャッジは「明白な間違い」でも、「見逃された重大な事象」でもないと判断されたということだ。 佐藤氏は「染野選手が体を入れているという意見があるが、スローで見ればそう見える」と語り、「不自然な動きかと言われるとどちらとも言えない」と見解。また「攻撃側のボールでありアドバンテージがあった」と、あのボールは染野が持ち出したボールであり、イーブンなボールやルーズボールではなかったとして、「接触があったことも事実」と高橋のスライディングがボールに行っているとは言え、足にも接触していることは明白。「PKではないないというジャッジだったとしても、VARは介入はしなかったと思う」と、どちらとも取れるシーンだったため、池内主審のジャッジを尊重する結果となったと説明した。 なお、VARは介入せずとも、全てのゴールやPKのシーンのチェックは行っていることは忘れてはいけない。ジャッジが間違っていると見受けられた場合にのみ介入するが、VARが見逃したというわけではなく、主審のジャッジを妥当だと考えたに過ぎないということだ。 染野が攻撃側のボールをキープしに行くことは自然であり、高橋にぶつかりに行ってファウルをもらいに行っているとは言い切れないシーン。池内主審がしっかりと素早くジャッジできたということになる。 <span class="paragraph-title">【動画】後半ATに痛恨のPKとなった高橋祐治のプレー、主審のジャッジは正当</span> <span data-other-div="movie"></span> <script>var video_id ="sNd2tmUnkXk";var video_start = 0;</script><div style="text-align:center;"><div id="player"></div></div><script src="https://web.ultra-soccer.jp/js/youtube_autoplay.js"></script> 2023.12.08 22:45 Fri2
Jリーグが理念強化配分金とファン指標配分金の支給額を発表! 「DAZN」ベースのファン指標分配金の1位は浦和、最下位はYSCCに…連覇神戸は5.5億円
Jリーグは25日、2025年度理念強化配分金の支給対象候補クラブ、2024年度ファン指標配分金支給対象クラブを発表した。 理念強化配分金は、2023年の明治安田生命J1リーグで1位から10位に対して送られるもの。20チーム制に変更となったために1チーム増えることとなった。また、2024シーズン年間ファン指標順位(DAZN視聴者数等1~10位)に基づいても支給される。 競技面では連覇を達成したヴィッセル神戸から10位のセレッソ大阪までに支給され、神戸は2025年、2024年にそれぞれ2億5000万円ずつを手にする。なお、2023年も優勝したため、その分の2億5000万も今回支給される。また、2位のサンフレッチェ広島には2年間で1億8000万円ずつ、3位のFC町田ゼルビアは、1億5000万円(2025年)と7000万円(2026年)を手にする。なお、2023年2位の横浜F・マリノスには1億8000万円、3位の広島には7000万円がしキュされる。 また、ファン指標順位は1位は2024年も浦和レッズとなり1億7000万円。2位が鹿島アントラーズで1億2000万円、3位が横浜FMで7000万円と続き、10位は名古屋グランパスで1000万円となった。なお、競技順位で10位以内に入っていないクラブでは、1位の浦和、10位の名古屋に加え、8位に北海道コンサドーレ札幌が入り2000万円となった。 さらに、「ファン指標配分金」として、13億6000万円をJリーグの全60クラブに分配。これは、2024シーズンのDAZN視聴者数やDAZNシーズンパス販売実績等で配分され、1位が浦和で8921万5930円。2位が横浜FMで7945万2984円、3位が川崎フロンターレで6648万1993円となっている。なお、最下位はY.S.C.C.横浜となり182万4625円が分配される。 <h3>◆理念強化配分金(競技)/総額11億2000万円</h3> 1位:ヴィッセル神戸 1年目ー2億5000万円、2年目ー2億5000万円 2位:サンフレッチェ広島 1年目ー1億8000万円、2年目ー1億8000万円 3位:FC町田ゼルビア 1年目ー1億5000万円、2年目ー7000万円 4位:ガンバ大阪 1年目ー1億5000万円、2年目ーなし 5位:鹿島アントラーズ 1年目ー1億2000万円、2年目ーなし 6位:東京ヴェルディ 1年目ー9000万円、2年目ーなし 7位:FC東京 1年目ー6000万円、2年目ーなし 8位:川崎フロンターレ 1年目ー5000万円、2年目ーなし 9位:横浜F・マリノス 1年目ー4000万円、2年目ーなし 10位:セレッソ大阪 1年目ー3000万円、2年目ーなし <h3>◆理念強化配分金(人気)</h3> 1位:浦和レッズ/1億7000万円 2位:鹿島アントラーズ/1億2000万円 3位:横浜F・マリノス/7000万円 4位:ヴィッセル神戸/5000万円 5位:川崎フロンターレ/4000万円 6位:サンフレッチェ広島/3000万円 7位:ガンバ大阪/2000万円 8位:北海道コンサドーレ札幌/2000万円 9位:FC町田ゼルビア/1000万円 10位:名古屋グランパス/1000万円 <h3>◆ファン指標配分金</h3>(昨年との金額比較) 1位:浦和レッズ/8921万5930円(↑) 2位:横浜F・マリノス/7945万2984円(↑) 3位:川崎フロンターレ/6648万1993円(↓) 4位:鹿島アントラーズ/6598万4095円(↓) 5位:ヴィッセル神戸/6491万8131円(↑) 6位:ガンバ大阪/5864万8883円(↑) 7位:名古屋グランパス/5851万4812円(↓) 8位:北海道コンサドーレ札幌/5315万3249円(↑) 9位:FC東京/4924万9886円(↑) 10位:サンフレッチェ広島/4572万5356円(↑) 11位:FC町田ゼルビア/4558万3908円(↑) 12位:アルビレックス新潟/4466万3143円(↓) 13位:ジュビロ磐田/4426万2918円(↑) 14位:セレッソ大阪/3988万8434円(↓) 15位:サガン鳥栖/3834万3648円(↑) 16位:柏レイソル/3695万3904円(↓) 17位:湘南ベルマーレ/3554万5920円(↓) 18位:東京ヴェルディ/3459万9966円(↑) 19位:京都サンガF.C./3438万1632円(↑) 20位:清水エスパルス/3362万962円(↓) 21位:アビスパ福岡/3259万3587円(↓) 22位:ベガルタ仙台/2298万6246円(↑) 23位:V・ファーレン長崎/1758万2571円(↑) 24位:大分トリニータ/1716万3388円(↑) 25位:ファジアーノ岡山/1704万1315円(↑) 26位:横浜FC/1664万9981円(↓) 27位:ジェフユナイテッド千葉/1608万1426円(↓) 28位:モンテディオ山形/1442万3396円(↓) 29位:ヴァンフォーレ甲府/1362万8966円(↓) 30位:松本山雅FC/1324万9873円(↑) 31位:ロアッソ熊本/1008万4227円(↓) 32位:栃木SC/983万8888円(↓) 33位:徳島ヴォルティス/934万7583円(↓) 34位:RB大宮アルディージャ/925万5971円(↓) 35位:ザスパ群馬/888万8344円(↓) 36位:レノファ山口FC/886万2864円(↓) 37位:いわきFC/878万641円(↓) 38位:鹿児島ユナイテッドFC/825万2572円(↑) 39位:愛媛FC/768万2897円(↑) 40位:水戸ホーリーホック/718万9579円(↓) 41位:藤枝MYFC/708万1435円(↓) 42位:ツエーゲン金沢/622万6288円(↓) 43位:ブラウブリッツ秋田/619万6520円(↓) 44位:カターレ富山/481万4398円(↑) 45位:ギラヴァンツ北九州/459万264円(↓) 46位:FC岐阜/396万9504円(↓) 47位:SC相模原/341万1253円(↓) 48位:FC今治/327万7554円(↓) 49位:AC長野パルセイロ/317万8338円(↓) 50位:カマタマーレ讃岐/313万7389円(↓) 51位:FC琉球/309万4569円(↓) 52位:福島ユナイテッドFC/288万7440円(↑) 53位:ガイナーレ鳥取/282万3403円(↓) 54位:ヴァンラーレ八戸/265万6822円(↓) 55位:いわてグルージャ盛岡/261万6733円(↓) 56位:アスルクラロ沼津/251万5766円(↓) 57位:テゲバジャーロ宮崎/237万4594円(↑) 58位:FC大阪/226万1536円(↑) 59位:奈良クラブ/223万1534円(↓) 60位:Y.S.C.C.横浜/182万4625円(↓) 2025.02.25 17:40 Tue3
東京Vが清水とのTMで敗戦…城福監督は味スタ開催こぎ着けた尽力に感謝、平川怜は勝負へのこだわり口に
東京ヴェルディは9日、味の素スタジアムで清水エスパルスとのトレーニングマッチ(45分×2)を戦い、2-3で敗れた。 今月にJリーグYBCルヴァンカップのAC長野パルセイロ戦(20日)を控え、若手や控え組の底上げも図りたい東京Vは、明治安田J1リーグ開幕節ですでに対戦した清水とトレーニングマッチを実施した。 ともに前日にアルビレックス新潟、ガンバ大阪とアウェイゲームを戦っており、同試合のベンチ入りメンバーや招集外のメンバーを中心としたメンバー構成での戦いとなった。 そのなかで東京Vは前日の新潟戦に出場した山見大登、稲見哲行、鈴木海音、松橋優安に、招集外だった山本丈偉、熊取谷一星、内田陽介らが1本目からプレー。立ち上がりこそ行ったり来たりの展開となったが、時間の経過とともにアグレッシブな守備からリズムを掴んだ。 そして、ショートカウンターや山見、熊取谷の背後への飛び出しから幾つか良いシーンを作り出すと、41分には左CKの場面でキッカーの山見の正確な右足インスウィングのクロスをゴール前の深澤大輝が頭で合わせて先制点を奪った。 若干メンバーを入れ替えた2本目は開始直後にボックス内で弓場将輝に左足のグラウンダーシュートを左隅に流し込まれて早々に失点。ただ、すぐさま反発力を示すと、良い崩しから白井亮丞らに決定機が訪れたが、ここで仕留め切れない。 この間にギリギリの人数で戦っていたチームは深澤がアクシデントによってベンチへ下がると、10人でプレーを継続。数的不利を背負いながらも直後の23分に味方からのスルーパスに抜け出した白井が冷静に右足シュートを流し込む。だが、26分には左サイドを突破してゴールライン際をえぐった西原源樹に2点目を奪われた。 そんななか、城福浩監督は2023シーズンまで現役としてプレーし、コーチ就任後も現役さながら選手たちに混じって一部トレーニングに参加している奈良輪雄太コーチを急遽投入。不測の事態に備えて清水側に確認を取るも、秋葉忠宏監督は11人対11人の戦いを希望し、この申し出を快諾。異例の形で残り10数分間の戦いが行われたなか、41分にはミドルシュートをGK中村圭佑が好守ではじいたこぼれを嶋本悠大に押し込まれて3失点目を喫し、2本目は1-3のスコアで終了となった。 試合後に囲み取材に対応した城福浩監督は、「開幕前から清水さんがやりたいと言ってくれていた」と今回のトレーニングマッチの経緯を説明。 本拠地である味スタでの異例の開催については、普段の練習場での実施が不可能な状況において会場探しに奔走。使用可能な山梨県や千葉県の施設や清水の練習場に出向く選択肢も考慮したなか、最終的にクラブの運営スタッフの粘り強い交渉、味の素スタジアムの配慮によって本拠地での開催にこぎ着けたという。 そのため、指揮官は「味スタには本当に感謝したいですし、担当者が頑張ってくれたなと思います」と感謝を伝えた。 さらに、「ギリギリのスカッドの中でやっているので、ちょっとしたアクシデントでも、コーチを出さざるを得なかったのは清水さんに申し訳なかった」とスクランブルの状況を受け入れた対戦相手の配慮に改めて感謝した。 「コーチと接触があって、向こうの選手がケガをしたら申し訳ないので、コーチを出してもいいかと一応断りに行きました。そしたら、僕もそうですけど、わざわざ11対10をやりに来てるわけではないので、そうしてくださいと言ってくれたので、そういう意味であの時間帯はちょっと清水さんには申し訳なかったなというふうに思っています」 肝心の試合内容に関しては、「前半はすごく良かったと思いますし、疲れのある選手もいましたが、締まったゲームができた」と1本目のパフォーマンスを評価。一方で、より経験が少ない選手で戦った2本目に関しては「後半はまだチーム内で差があるところを痛感するようなゲームになった」と、個々の成長を促す。 それでも、「彼らにも当事者意識を持たせるためのこの(ミニマムな)スカッドだと思っているので、彼らが多くの時間出られるということが、どれだけありがたいことかも含めて、我々がしっかりアプローチをもう1回し直さなければいけないなと思います」と、レベルの高い相手とのトレーニングマッチでしか養えない経験や危機感を各自が実感できたことへの手応えを語っている。 ゲームキャプテンとしてボランチ、3バックの一角でフル出場した稲見は「勝てたゲームを落としてしまって悔しい」と振り返りつつも、「自分自身も味スタで試合をやること自体久しぶりですし、初めての選手もいたのではないかなと思うので、より全員がメンバーに絡んでいくためにはポジティブなゲームになったのではないかなと思います」と、味スタでのJ1クラブ相手のトレーニングマッチがいい刺激になったと感じている。 個人としても本職のポジション、ゲームキャプテンとしてのプレーを通じて得るものはあった。 「久しぶりのボランチで潰せた部分あったので、そこの強みの部分というのは多少なりとも出せたかなという手応えはありました」 「そこ(リーダーシップ)は自分の成長できるポイントというのは感じていますし、より周りを動かして自分を活かすだったり、周りの選手とのコミュニケーションだったり、最近後ろのポジションもやっているので、試行錯誤しながらですけどリーダーシップを持ってチャレンジしていきたいです」 その稲見とボランチでコンビを組み、1本目では出足鋭い潰しや正確なラストパスでショートカウンターの起点を担い、自らもフィニッシュに絡む場面を見せた平川怜。 個人として課題を意識しつつある程度の手応えを得たというが、「その形を出して最後にシュートまで行ったところで、もうひとつ逆を突いて決め切るとか、そういうところはしないといけない」と、ポジション奪取へ自らが課すハードルは高い。 「もちろん結果を残してポジションを掴み取らないといけないですし、それがいつ来るかは自分でコントロールできないので、そこに向けて常にいいを準備していくことがチームにもプラスになっていくと思うので、いい準備をしたいと思います」 また、24歳という年齢ながらも、2017年のトップチームデビューからの8年で様々な経験をしてきただけに、「もっと勝負にこだわるところはやっていかないといけない」と指揮官も指摘した2本目のパフォーマンスに関して苦言も呈した。 「イレギュラーな時間もありましたけど、それを言い訳にしてはいけないですし、点を取ってリードした時間帯もあったので、守り切ったりとか、もっと勝負にこだわるところはやっていかないと。若い選手も多いですし、そこはこの練習試合の勝ち負けというのをもっと意識してプレーして欲しかったですし、自分もそこにもっとエネルギーを費やしたかった気持ちがあります」 「自分はキャリアもありますし、こういったチームがあまり良くない状況での練習試合という部分では、もっとやらないといけないですし、まずは勝たないと意味がないと思うので、チームとして一つ一つのプレーを大事にしていかなければいけないと思います」 開幕から1勝1分け3敗の16位と、J1復帰2年目は厳しいスタートとなった東京V。離脱者続出の苦境において早くも“総緑戦”の状況だが、今回のトレーニングマッチを通じて新たな力の台頭が待たれるところだ。 東京ヴェルディ 2-3 清水エスパルス ▽1本目 1-0 得点者 41分 深澤大輝(東京V) ▽2本目 1-3 得点者 1分 弓場将輝(清水) 23分 白井亮丞(東京V) 26分 西原源樹(清水) 41分 嶋本悠大(清水) 2025.03.10 06:55 Mon4
G大阪戦で悪夢の3選手負傷…東京Vの城福監督が負傷者の状況を説明…「何箇所かの損傷がある」山田剛綺の長期離脱の可能性認める
東京ヴェルディの城福浩監督が、ガンバ大阪戦で負傷した3選手の状態について言及した。 東京Vは2日、味の素スタジアムで行われた明治安田J1リーグ第4節でG大阪と対戦し、0-1で敗戦した。 FC町田ゼルビア戦での初勝利の勢いを活かして連勝を目指した味スタでのホーム開幕戦だったが、同試合ではDF千田海人、FW山田剛綺、MF福田湧矢の3選手が相次いで負傷し、プレー続行不可能となる悪夢のようなアクシデントに見舞われた。 そのG大阪戦後の会見では「詳細はまだ聞いていない」と3選手の状態について明言を避けた指揮官だったが、5日に行われたトレーニング後の囲み取材の場で改めてケガの状態に言及。 いずれも前半に負傷した2選手に関して厳しい見通しを明かした。 前半10分過ぎの守備対応の際にハムストリングを痛めた千田に関しては、「(MRIの)画像も撮って診断もされたので、クラブからリリースを出さなければいけないぐらいのレベルの長さ」と、詳細への言及は避けたものの数週間以上の離脱となる見込みであると語った。 また、競り合いの際の着地で左ヒザを強く捻り、自力歩行が不可能で担架にのせられてピッチを後にした山田に関しては、負傷の様子を見た多くの人たちの予想通り、長期の離脱となることを認めている。 「ヒザの1箇所ではなくて、何箇所かの損傷がある。今は患部が腫れていることもあり、今はどの程度ということは言えない。もう少し様子を見て、どういう手法(治療法)が一番いいのかというのはジャッジするということになります」 一方、後半終盤に相手のシュートを至近距離から顔面に受け、脳震とう疑いでの交代となった福田については、G大阪時代に加え、東京V加入後も脳震とうを経験していたこともあり、状態が危ぶまれるところだ。 城福監督はそういった過去の経緯や福田自身の感覚を踏まえ、慎重な対応が必要であるとしながらも、今回のケースに関しては大事に至らなかったと説明。その上で最善を尽くしながら、復帰へのプロセスを進めていきたいと語った。 「彼のこれまでの経緯も含めて、ああいう状況に非常に過敏な状況であることは確か。今年に入っても何度かあったなかで、脳震とうと診断するかどうかというところが、ギリギリのところです」 「ただ、やっぱり慎重に対応しなければいけないし、慎重にジャッジしなければいけない。本人の症状とか、本人の感覚をしっかりとヒアリングしながら対応しなければいけないと思うので、メディカル的なジャッジと本人の認識というか自覚。ここを照らし合わせながら最短で復帰していくと」 「少なくとも過敏になっている部分と、脳震とうというのは違うので、そこはメディカル的にしっかり診断をしてもらって、あとはなるべく離れないように復帰させていくかというところのジャッジになっていくかなと考えています。ただ日々の彼の症状というか、状況を把握しながら、一歩ずつ進めていく感じなのかなと思います」 各選手の状況は異なるものの、少なくとも今後しばらくは主力クラスの3選手が不在となる上、開幕から1勝3敗と厳しいスタートとなった現状を鑑みれば、ここまでベンチを温める選手やメンバー外の選手たちのより一層の奮起が求められるところ。 そんななか、G大阪戦の翌日にはヴァンフォーレ甲府とのトレーニングマッチ(45分×2)を実施。結果は0-0と、得点力不足に喘ぐ状況において芳しいものとは言えなかったが、それでも指揮官は内容を含め、緊急事態の状況で選手たちが見せた姿勢に満足感を示した。 「チームがこういう状況だからこそ、『助けになりたい』、『その一員になりたい』という思いは、みんなが持って試合に臨んだと思います。内容としたら悪くなかったと思いますし、勝っておかしくない試合だったと思います。極寒の中で試合をやりましたが、集中を切らさずにやってくれたなというふうに思います」 「点が取れなかったところは反省しなければいけないですけど、姿勢としたら悪くなかったなと。(3選手の)ああいうケガもあって、それをどういうふうに受け止めて、もっと言えば、山田剛綺と千田海人、福田湧矢の心情も踏まえて、彼らがどうやって、どういうパフォーマンスを、どういう姿勢を示してくれるかなと思って見てましたけど、そこは彼らでしっかり思うところがあるな、という思いが伝わってきたし、それは大事なことかなと思います」 昨季の6位躍進からのJ1での2年目で不振と主力の相次ぐ負傷と、いきなり逆風に見舞われる東京Vだが、逆境でこそ手腕を発揮する闘将とともにチーム一丸となってここからの巻き返しを図る。 2025.03.05 15:38 Wed5