東京Vの城福監督、町田の堅守前に決定力欠いての敗戦に「そこも含めて自分の指導の至らなさ」

2024.07.15 07:45 Mon
町田にダブル喫した城福浩監督
©超ワールドサッカー
町田にダブル喫した城福浩監督
東京ヴェルディ城福浩監督が、0-1の敗戦に終わったFC町田ゼルビア戦を振り返った。

東京Vは14日、味の素スタジアムで行われた明治安田J1リーグ第23節で町田と対戦し、0-1の敗戦を喫した。

約2カ月前に行われた前回対戦で0-5の大敗を喫した宿敵相手に、強い気持ちで臨んだリベンジマッチは、前回対戦同様に前半序盤の6分にDF谷口栄斗のオウンゴールで失点。
失点直後にはすぐさま反撃に転じたが、GK谷晃生を中心とする相手の堅守に撥ね返されると、以降はピンチこそなかったものの、やや消化不良の形で前半を終了。それでも、再び勢いを持って臨んだ後半はボールの主導権を握り、押し込む形を作り出して再三の決定機も創出。だが、両チーム最多のシュートを放ったFW山見大登の決定機逸などもあり、最後まで追いつくことはできなかった。

東京クラシックでのシーズンダブルに加え、味スタでの今季リーグ戦初黒星を喫した一方、前回対戦から確かな成長を示す一戦となったが、試合後の会見で指揮官は「多くの後押しがあったにも関わらず、自分たちがやれた感のある中で、勝ち点0というのはなかなか厳しい結果」という振り返りと共に多くの反省の言葉を並べた。
相手に比べてより多くの決定機を作りながらも前回対戦同様に無得点に終わった攻撃に関しては「我々がやるべきことをやった後は『決定力』だと言うのは簡単だと思いますし、『あとはクオリティのある選手がいれば』と言うのは簡単ですが、それを言ってしまえば私の存在価値がないと思います」とコメント。

その上で「最後に決め切る力、最後に身体が潰れてでもゴール前に入っていく、それも含めての質だと感じています。あれだけ決定機があったにも関わらず、決め切れなかったことは、そこも含めて自分の指導の至らなさ」と、単純なシュート技術や精度に加え、勝負の際におけるゴール前の人数のかけ方や身体の張り方を含めたチームの課題を指摘した。

その決定力の部分とも関連するオウンゴールの形で喫した1失点目の守備対応にも言及。前回対戦でも正確なクロスから1アシストを記録したDF鈴木準弥への対応の拙さに触れつつも、決定機における町田との差を認めた。

「ボールホルダーに対してあれぐらい甘いと、良いボールが来ることはわかっていました。ただマークが付いていなかったかというと、付いた中でのミステイクだったと思います。おそらく藤尾選手が身体を投げ出してゴールに向かってきたので、対応が難しかったと思います」

「そういう意味では、我々があそこまで身体を投げ出してゴールに迫った選手がいたのか。その手前までのチャンスを作って、そこにボールを供給できた選手がいたのかと。あの1失点というよりは、我々があれだけ3倍近くシュートを打って、ゴールを割れなかったというのは、そこのハードワークを含めてクオリティだと思いますので、まだまだ我々が甘かったなと思います」

その厳しい敗戦の中、前回対戦からの成長と共にチームにとってポジティブな要素となったのは、6月2日の北海道コンサドーレ札幌戦以来の公式戦出場となったキャプテンのMF森田晃樹の復帰だ。

疲労が窺えたMF齋藤功佑に代わって77分からピッチに送り出された背番号7の登場にスタジアムのボルテージは上がり、中盤でボールをピックアップして攻撃の起点となった森田は、試合最終盤に絶妙なスルーパスをMF松橋優安に通して山見のビッグチャンスを演出した。

その森田のプレーに関して城福監督は「あのシーンを見れば、もちろん我々がイメージする通りのシーンだと思いますし、キーパーとディフェンスの間にワンタッチでクロスを入れて、そこに入っていく部分も、我々が常に練習をしているところでした」とチームの狙いを体現したプレーに満足感を示した。

一方で、「踏ん張りのところでもう少し」と森田自身も認めるように、離脱前に比べて球際の粘りやアラートさを欠き競り負ける場面も散見された守備面を問題視。「僕から見たら彼は、まだまだ守備が試合に出られるレベルではないなと思いました。彼のところから少し切り裂かれていたので、途中から入った選手がそれではダメ。攻守に先頭に立たないといけない」と、信頼や期待が大きい故に奮起を促した。

さらに、中断前最後の試合となる次節のアビスパ福岡戦に向けては「やれた感よりも危機感を持って、来週を迎えたい」と、3試合ぶりの勝利へ気を引き締めた。

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「本当に大切な3連戦」東京Vの守備に安定もたらすDF林尚輝、柏撃破に向けた攻守のカギは…

東京ヴェルディは29日、三協フロンテア柏スタジアムで行われる明治安田J1リーグ第7節で柏レイソルと対戦する。DF林尚輝が今季初の連勝に向けて意気込む。 東京Vはインターナショナルマッチウィーク前に行われた名古屋グランパス戦を2-1で逆転勝利。待望のホーム初白星を挙げた。続くJリーグYBCルヴァンカップ 1stラウンド第1回戦ではJ3のAC長野パルセイロを相手に攻めあぐねたが、PK戦を制して2回戦進出を決めた。 2試合連続で課題を残しながらも勝負強く結果を残してきたなか、中断明けからは4位に位置する柏戦を皮切りに、FC東京とのダービー、横浜F・マリノスとのクラシコと重要な3連戦に挑む。 鹿島アントラーズから2シーズン連続の期限付き移籍で東京Vの16年ぶりのJ1昇格、昨季のJ1リーグ6位フィニッシュに貢献した林は、完全移籍移行によって今季から正式に緑の名門の一員に。 強い覚悟を持って今季に臨んだが、沖縄キャンプ終盤での負傷によって開幕からの4試合を欠場。それでも、DF千田海人との負傷離脱を受けて第5節のアルビレックス新潟戦で今季初出場を果たすと、以降の公式戦3試合連続でフル出場している。 前節の名古屋戦の試合終了直後のピッチでは城福浩監督を彷彿とさせる会心のガッツポーズが印象的だった林。 「特に考えてなかった」とあくまで無意識の振る舞いだったというが、復帰後初勝利に加え、フル出場での勝利は昨年7月20日のアビスパ福岡戦(1-0〇)まで遡るという状況が歓喜の咆哮に繋がった側面もあったという。 「振り返ってみれば、去年から自分が90分間出て勝った試合というのは、かなり遡らないとなくて、そういった意味でも自分が出た試合でチームを勝ちに導きたいという思いがすごく強かったので、試合が終わったときに達成感みたいなのが、ああいうふうに出たのかなと思っています」 長野戦での120分のプレーを含めた自身のコンディションに関しては「最初はうまく調整できなかったところから試合に関われて、今はこうやって試合に出ながら調整できているというのはいいこと。自分自身も90分しっかり戦えたり、このあいだは120分できたことというのは、リーグ戦の連戦に向けても良かったと思っています」と徐々に状態が上がりつつある。 個人のパフォーマンスではチーム同様に攻撃面で伸びしろを感じさせる一方、守備では持ち味の出足鋭い潰しに加え、コーチングや戻りながらの数的不利あるいは同数での対応の部分で安定感を増している。 その点については指揮官も「彼の持ち味である守備と醸し出す雰囲気というのはすごく安定している。守備の人らしく常にチームの守備がどういう状況かというのを考えながらプレーし、チームに精神的な安定感というのをもたらしてくれている」と評価。 林自身も「背後の対応を含め、自分が最終ラインになることが多いので、そこの対応は意識しているのと、入れ替わったりしてしまうと失点に直結してしまうので、そこを遅らせたりしながら、チームが守備しやすい環境というのを整えるのが自分の役割。対人で負けないというのもそうですけど、遅らせるというのも自分の判断として持ちながらやっています」と、より意識を高めている部分だ。 昨季は1勝1分けの無敗だった柏との対戦のいずれにも先発出場した林。リカルド・ロドリゲス新監督の下、大きく変貌を遂げたなかで上々の滑り出しを見せている次節の対戦相手については「すごく多彩なチーム」と、より対応が難しい相手と見ている。 「いいサッカーをしているという評価を受けていると思いますし、流動的に動いていきながら攻撃してきますし、ポゼッションでもボールを握ってしっかりやってくるチーム。もちろん受け渡しであったり、落ちてくる選手も背後を狙ってくる選手もいるという中では、すごく多彩なチームだと思っています」 その対戦相手のスタイルを踏まえた上で臨む一戦では、攻撃面では引き続き背後と“へそ”を使い分けるバランス。守備面に関してはショートカウンターでの得点も念頭に置いたアグレッシブな守備は意識しながらも、状況に応じてセットした対応も重要になると考えている。 「もっと点を決めたいという思いはすごく強いですし、自分たち自身もへそを意識しながらプレーしていますけど、それに固執して前がなくなるとやっぱりダメなので、背後とそういったところのバランスというのは自分たちのカギになる」 「(守備では)自分たちで縦ズレ、横ズレしながら、前からやりたいというのはありますけど、1個待たないといけないときもある。中途半端というのが一番良くないと思っているので、しっかり行くときは行き切るし、行けないときは全員で待つというか、構えてから行くという、そういう姿勢が大事なのかなと」 「城福さんも言っていますけど、コーチングで守れるシーンはいっぱいあるというのはあって、自分たちもこういうスタイルで、こうやってやりたいというのはありますけど、緊急事態ではないですけど、そういうときには声を出して、1個待てるというのも自分たちの良さになっていけば、より強固なチームになれると思っています」 ここまで2勝1分け3敗の14位で臨むシーズン序盤の3連戦に向けては「この連戦を勝って次に行けるのか、負けてとなると、チームの流れというのも変わる。勝ち点的にも目に見える形で順位が変わってくると思うので、本当に大切な3連戦だと思います」と、気を引き締めた。 2025.03.28 18:30 Fri
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東京Vの熊取谷一星、現状打破へ「課題へ向き合うことが今は大事」…ホームタウン多摩市でのサイン会でプロとしての責任感も増す

東京ヴェルディのFW熊取谷一星が試行錯誤が続くプロ1年目序盤戦でブレイクへの契機を探っている。 浜松開誠館高校から明治大に進学し、昨年度の関東大学サッカーリーグ戦1部ではFW中村草太(サンフレッチェ広島)とともに強力な攻撃陣を牽引してきた熊取谷。当然のことながらプロ入りへ多くの選択肢があったなか、チームメイトのDF内田陽介とともに若手の躍進光る昨季のJ1リーグ6位チームへ加入した。 その新天地ではプレシーズンの段階で上々のアピールをみせ、清水エスパルスとの開幕戦でベンチ入り。第2節の鹿島アントラーズ戦では先発でJリーグデビューを飾り、第4節のガンバ大阪戦でも後半終盤に途中出場した。 ただ、その出場2試合でインパクトを残せず、直近のリーグ2試合ではベンチ外に。さらに、YBCルヴァンカップのAC長野パルセイロ戦もベンチ外とここに来てポジション争いの序列を下げている。 明治大学での実績や昨年のレアル・ソシエダとのフレンドリーマッチ、東京Vとの練習試合での鮮烈な活躍を見てきたファン・サポーター同様に、熊取谷自身も中村や同期入団のMF新井悠太といったライバルが定位置を確保している現状に焦りや苛立ちがあることは想像に難くないが、「課題が明確なので、そこに向き合ってやっていくということが、今は大事。練習で日々意識していかないといけないなと思っています」と自身の課題や現状に真摯に向き合っている。 城福浩監督は「戦いながら悔しい思いをしながら成長していくという意味で、彼もそのプロセスにある選手」とその熊取谷の現状について説明。 「攻守においていろんな面で向き合ってくれているがゆえに、自分の足りないところというのに今はすごく意識が行っている」と、真面目に課題に取り組む選手にありがちな“壁”にぶつかっている段階にあると語る。その上でコーチングスタッフとともにサポートしつつも、自らその“壁”を乗り越えることを期待している。 「これはよくありがちですけど、課題に向き合う意識が高いですけど、自分の長所が何なのかを見逃しがちになりますし、そこへのアグレッシブさがちょっと薄れているようなプレーも見受けられる」 「そこはコーチと話しながら、常に彼の良さというものを引き出してやりながらも、試合に絡んでいけるには何を埋めていかなければいけないか。そのアプローチのバランスを我々も考えたいと思うし、彼も必死でやってくれているので、チャンスがあればしっかりピッチで表現してもらいたいなと思います」 熊取谷自身も「守備のより細かな部分のところというのは言われていますし、あとは攻撃でもっと良さを出すというところ」という自身の課題にフォーカス。「楽しめていますし、自分的にはいい感触」と語る“エクストラ”のトレーニングを含め少しずつ改善の実感を得ているという。 守備面に関しては『球際・切り替え・運動量』の3原則をテーマに掲げる明治大学出身だけに、ポジショニングや周囲との連携など細かい部分の修正が進めば、アジャストにそう多くの時間は必要としないはずだ。 攻撃面に関しても指揮官が常々語る「なにゆえにプロになれたか」という自身の長所を出しつつ、「量が一番大事ですけど、量の次に質とタイミングにもっとこだわっていかないといけない」と熊取谷自身が伸びしろと語る部分を伸ばせれば、おのずとチャンスは確実に増えていくはずだ。 ここ最近はメンタル面で少し難しい日々を過ごしていたが、今週に行われたファン・サポーターとの触れあいでは、直接の応援の声掛けや自身に対する大きな期待を実感。より強い責任感とともに新たな力を得た。 東京Vは26日、ホームタウンである多摩市の支援によって練習場として使用する、多摩市立陸上競技場使用について日頃の支援と協力に感謝し、多摩市永山の商業施設グリナード永山にて、『東京ヴェルディ選手サイン会&リヴェルングッズ販売会』を実施。 そのサイン会にはJリーグ新人研修の一環で、熊取谷と内田、新井の大卒3選手が参加。約450人を集めた盛況のイベントで、背番号25はまだまだ慣れないサインに悪戦苦闘しながらも充実した時間を過ごしたという。 「自分が思っている以上に応援してくれているというか、注目度というのは高くてびっくりしました。よりその自覚が芽生えました」と語った熊取谷は、「いつチャンスが回ってくるかわからないですけど、日々やることは変わらないと思うので、そこにフォーカスしてやっていきたい」と、ここからの連戦に向けて新たな決意を示した。 2025.03.28 13:20 Fri
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東京VがポルティモネンセからFW川﨑修平を期限付きで獲得、2023年には神戸でプレー「勝利のために全力で戦います!」

東京ヴェルディは31日、ポルティモネンセからFW川﨑修平(23)を期限付き移籍で獲得したことを発表した。移籍期間は2025年12月31日までとなる。 川﨑は大阪府出身で、ガンバ大阪の下部組織育ち。2020年にトップチームに昇格すると、J1で18試合に出場。2021年夏にポルティモネンセに完全移籍した。 ポルティモネンセではファーストチームでの出番はなく、2023年にヴィッセル神戸に期限付き移籍。J1で4試合に出場し1得点、YBCルヴァンカップで5試合、天皇杯で4試合2得点を記録していた。 2024年7月からはラトビアのヴァルミエラFCに期限付き移籍。公式戦13試合に出場し1アシストを記録していた。 東京Vには同じG大阪下部組織出身の動機であるMF食野壮磨やG大阪時代の先輩であるFW山見大登、MF福田湧矢らも所属している。Jリーグに戻ってくる川崎はクラブを通じてコメントしている。 「東京ヴェルディに関わる全ての皆様、はじめまして。このたびポルティモネンセSCから期限付き移籍で加入することになりました川﨑修平です。東京ヴェルディという歴史ある素晴らしいクラブでプレーできることに感謝しています」 「勝利のために全力で戦います!応援よろしくお願いします」 2025.03.31 18:17 Mon
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重要な3連戦の初戦で今季初連勝へ! 東京Vの城福監督、上位の柏撃破へ「我々が目指しているものをいかに多く出せるか」

東京ヴェルディの城福浩監督が、29日に三協フロンテア柏スタジアムで行われる明治安田J1リーグ第7節の柏レイソル戦に向けた会見を実施した。 東京Vはインターナショナルマッチウィーク前に行われた名古屋グランパス戦を2-1で逆転勝利。待望のホーム初白星を挙げた。続くJリーグYBCルヴァンカップ 1stラウンド第1回戦ではJ3のAC長野パルセイロを相手に攻めあぐねたが、PK戦を制して2回戦進出を決めた。 2試合連続で課題を残しながらも勝負強く結果を残してきたなか、中断明けからは4位に位置する柏戦を皮切りに、FC東京とのダービー、横浜F・マリノスとのクラシコと重要な3連戦に挑む。 約2週間ぶりとなるリーグ戦再開に向けてはルヴァンカップでほぼ主力を起用し、その直後にも非公開でのトレーニングマッチを実施。一部の離脱者を除き、全選手がプレー可能なコンディションにあるという。 「(非公開のトレーニングマッチは)状況的に常にユースの選手が2人ぐらいどこかのタイミングで出ているような形だったので、試合そのものは難しかった。それでも、全員が少なくともゲームをやれたという意味では非常に良かったかなと思います」 「(柏戦へ向けた調整)毎試合、それはカップ戦であってもリーグ戦でも同じですけど、そこで出た課題をみんなで共有すること。その中の何にフォーカスしてトレーニングするか、というのはスタッフと話し合いながら、もちろんそのトレーニングが対柏戦に直結していなければいけないです。そういう意味では攻撃においても守備においても日にちごとにしっかりとテーマを持って、かなり高い強度で今週はやりました」 負傷者に関してはDF千田海人、DF深澤大輝の2選手が長期離脱からの復帰を目指すDF佐古真礼とともにチームトレーニングに部分合流。来月の復帰へ目途が立ちつつある状況だ。 一方、名古屋戦で負傷交代したキャプテンのMF森田晃樹は依然として別メニュー調整中。コンディションに問題はないものの、強い打撲を負った負傷箇所の回復が芳しくなく、現状では森田自身の感覚を含めメディカルスタッフからのゴーサイン待ちの段階にあるという。 「なかなか難しい状況です。去年も練習試合で打撲をして、その打撲をした場所というのが、なかなか治りにくい場所だった。今年も場所は違いますがなかなか難しい場所で、大きく言えば打撲ですけど、メディカル的に見ても本人の感覚から見ても、まだ(チームトレーニング復帰へ)ゴーができる状況ではないです」 中断明けで今季初のリーグ連勝を目指す一戦では昨季1勝1分けの戦績を残した柏が相手となる。 「元々、技術はすごくあるチームで、去年も我々はものすごく苦しめられました」と、MFマテウス・サヴィオ(現・浦和レッズ)、FW細谷真大らの個の力に苦戦した昨季の対戦を振り返りつつ、リカルド・ロドリゲス新監督の下で、よりボール支配、流動性を増したチームへの警戒感を強める。 「(今季の柏は)技術がある選手たちを、立ち位置や志向するものに対して共通意識を持たせ、やろうとしているサッカーというのをすごく明確にしている」 「特に、ボールを受けることで、自分の特長が出るような選手が活きてきていますし、かといって前への迫力がないかというと、最前線だけではなくて2列目、3列目から飛び出してくる。最終ラインもアグレッシブな立ち位置を取ったり、攻撃参加してくるという意味では、攻撃に軸足を置いた、すごく共通意識の高いチームだなと捉えています」 ともに[3-4-2-1]の布陣を採用するものの、可変システムを採用しよりボール保持、パスワークに長けたホームチームが主導権を握る展開も想定されるなか、開幕6試合で無失点試合がわずかに1試合の東京Vとしては守備に重点を置いたアプローチがまずは求められるところ。 ただ、指揮官は「その練習は今週やってきました」とニヤリ。攻撃面でも柏の守備攻略に向けた準備を進めてきたと主張。その上で自分たちが目指しているものを、いかに90分間で多く出せるかが勝負のカギを握ると語った。 「ある意味ミラーゲームのようで、(相手は)可変するのでミラーゲームにならない。同じシステムだけれども、同じシステムでないような対戦になると思います。我々が目指しているものをいかに多く出せるかというところだと思いますし、自陣と相手陣でどう守るかというところと、どう攻めるかというところは少なくとも今日までやってきた。そこをいいバランスで出すことができれば、チャンスは作れると思います」 「何よりも(柏は)パスの本数が多い。数字的にもそれが象徴的なチームに対して、相手ゴール近くでボールを奪えればビッグチャンスになる。守備においては我々のサッカーをすることでビッグチャンスが生まれる可能性も高いので、そこからスタートしたいですけれども、我々がボールを持ったときに相手を揺さぶるというところも、90分の中でその時間が多ければ多いほどいいと思っているので、そこが相手との戦いになると思います。一番望ましいのは、より相手のゴール近くでボールを奪うこと。ここから試合に入りたいなと思います」 柏戦後にホーム開催の東京ダービーを控える東京V。重要な3連戦の初戦で今季初の連勝を成し遂げ、3勝1分け3敗の五分に戻ってダービーに弾みを付けられるか。 2025.03.28 19:30 Fri

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