栃木シティ、福山シティ、つくば、VONDSが決勝Rへ!敗退8チームにも拍手を【Road to JFL/地域CL1次ラウンド第3節】
2023.11.13 14:30 Mon
12日、全国地域サッカーチャンピオンズリーグ2023(地域CL)1次ラウンドの第3節が各会場で行われた。
日本フットボールリーグ(JFL)昇格を目指す12チームが4チームずつの3会場(宮崎/A組・宮城/B組・滋賀/C組)に分かれて戦う1次ラウンド。各組1位の3チーム、各組2位の中で成績上位の1チーム、計4チームが決勝ラウンドへ進む。
12日で1次ラウンドが終わり、決勝ラウンドへ進む4チームが確定した。
◆決勝ラウンド
栃木シティFC(関東1部2位/百年構想枠/A組1位)
福山シティFC(中国1位/B組1位)
ジョイフル本田つくばFC(関東1部5位/全社枠2/C組1位)
VONDS市原FC(関東1部1位/A組2位)
◆Aグループ最終順位
1.栃木シティFC「勝ち点9」+6
—決勝ラウンド進出—
2.VONDS市原FC「勝ち点6」+2
—各組2位最上位で決勝ラウンド進出―
3.FC徳島「勝ち点3」-4
4.ヴェロスクロノス都農「勝ち点0」-4
今季の関東1部では王者VONDSの2戦2勝だったこのカード。0-0で迎えた90+1分、栃木はJリーグファンにもお馴染みのFW田中パウロ淳一がPKを沈めて先制する。田中パウロは1次ラウンド3試合連続得点だ。
栃木は土壇場のPK弾が決勝点となってVONDSに雪辱。百年構想枠として地域CLに12番目で滑り込みながらも、見事、A組3連勝で首位通過を果たした。また、敗れたVONDSも他会場の結果、各組2位最上位を確保し、決勝ラウンド行きを決めた。
▽都農 1-2 FC徳島
第3節を迎える前に2連敗で敗退が決定していた両チーム。都農は55分、相手のビルドアップを高い位置で刈り取り、最後はFW伊能玲生のシュートが決まって先制。決勝ラウンド進出はなくともチーム全員でゴールを喜び合う。
四国リーグ王者・FC徳島も意地を見せる。74分、左サイドからのクロスがファーへ流れてきたところを途中出場MF秋月駿作が右足ダイレクトでシュート。角度のない位置からゴール左隅を突き刺し同点とする。
さらに82分、ボックス内でパスを受けたMF本山遊大は相手DFの寄せが一瞬緩んだスキを見逃さずシュート。これが逆転弾となったFC徳島が2023シーズンを締めくくる1-2の勝利を収めている。
JFL昇格の夢を来季以降に持ち越す両チームだが、この地域CLという舞台に参戦できたことが素晴らしいこと。今季でチームを離れる選手もいるだろうが、全国から社会人の強豪が集まるこの舞台を経験したことは、きっと今後の財産となるはずだ。
◆Bグループ最終順位
1.福山シティFC「勝ち点7」+4
―決勝ラウンド進出―
2.wyvern「勝ち点6」-1
3.ブランデュー弘前FC「勝ち点2」-1
4.FC刈谷「勝ち点1」-2
▽刈谷 0-1 wyvern
地域CLで再び顔を合わせることとなった東海1部は愛知県の両雄、刈谷&wyvern。リーグ王者wyvernがわずかに決勝ラウンド進出の希望を残している一方、全社枠として這い上がってきた全社王者刈谷は敗退が決定済みだ。
東海1部の頂上決戦はwyvernがモノに。wyvernは12分のFW山本大稀のPKがこの試合唯一の得点となって勝利。これによって勝ち点「6」でB組2位を確保したが、A組のVONDSに得失点差で及ばず、刈谷と共に敗退が決定した。
チームの大半が大卒2年目以内というヤング集団で2年連続の地域CLに挑んだ刈谷。東海1部に突如出現した新興勢力でありながら、初の地域CLで2勝をあげたwyvern。残念ながら揃って敗退も、2024年の東海1部はよりハイレベルなリーグとなりそうだ。
▽弘前 1-1 福山
対し、決勝ラウンド切符を掴んだのが中国リーグ18戦全勝優勝の福山。51分、MF曽我大地のゴールで先制し、試合終盤の86分に弘前に同点とされたが、1-1のドローで勝ち点「7」とし、C組1位でファイナルステージへと進む。
弘前は0勝2分け1敗の勝ち点「2」でC組3位。東北1部18試合で92得点をマークした攻撃力は、この地域CLでも随所でキラリと光ったが、第1節・刈谷戦の終盤被弾が痛かった。勝ち点1発進でなければ、C組の結果は違ったかもしれない。とはいえ、こちらも2024年の戦いが楽しみ…少なからずそう思わせてくれる3試合だった。
◆Cグループ最終順位
1.ジョイフル本田つくばFC「勝ち点5」+1「総得点4」
―決勝ラウンド進出―
2.福井ユナイテッドFC「勝ち点5」+1「総得点3」
2.BTOP北海道「勝ち点3」+1
4.アルテリーヴォ和歌山「勝ち点2」-3
▽和歌山 1-4 BTOP
BTOPが2年連続2回目となった地域CLで初勝利。ここまで2連敗で敗退が決まっていた北海道リーグの“新たな盟主”だが、関西1部王者・和歌山に対して4発快勝。開始6分、相手守備陣の連携ミスからラッキーな先制点を奪う。
和歌山も後半頭の47分、開始早々の失点と似たような形でBTOP守備陣がミスを犯し、これを見逃さず同点に。ただ、同点後すぐゴールに近い距離からFKを2つ獲得するなど攻勢に出たが、勢いを継続できなかった。
BTOPは57分、ロングカウンターから最後はFW阿部遼海が仕留めて勝ち越し。81分には前がかりにならざるを得ない和歌山を尻目にFW藤吉武蔵が抜け出し、カットインからの豪快弾で追加点。90+5分、今度はMF澤田航汰がダメ押しとなる4点目を叩き込んだ。
和歌山は2年連続4回目の地域CLにおいて、4回目の1次ラウンド敗退。昨年と異なり、決勝ラウンド進出に望みがあるなかでこの第3節に臨んだが、あえなく1-4で敗れ去ることに。ただ、素晴らしいことはこの舞台まで到達したことであり、大事なことは来季に向けてこれからどうするか。前職時代にクラブ職員として地域CLを戦った筆者はそう思う。
▽福井 1-1 つくば
一方で、全社枠で地域CLを戦う関東1部5位のつくばが決勝ラウンドへ初進出。1-1のドロー決着となった北信越1部王者・福井と1勝2分け0敗の勝ち点「5」、得失点差「+1」で並んだが、総得点「4」だけが福井の「3」を上回り、僅差でファイナルステージを掴み取った。
福井は前身のサウルコス福井時代を含めて通算10回目の地域CL敗退となり、北信越1部の直近12年で10回の優勝を誇る一方、JFL昇格にはどうしても届かない。しかし、繰り返しになるが、来季以降も挑戦は続いていく。いつの日か、福井がJFL昇格を果たしたとき、「あのときの経験があったから」と思える日が必ずやってくる。
決勝ラウンド進出を果たした栃木シティFC、福山シティFC、ジョイフル本田つくばFC、VONDS市原FCはもちろん素晴らしいが、1次ラウンド敗退の8チームにも拍手を。2024年の再チャレンジに期待したい。
日本フットボールリーグ(JFL)昇格を目指す12チームが4チームずつの3会場(宮崎/A組・宮城/B組・滋賀/C組)に分かれて戦う1次ラウンド。各組1位の3チーム、各組2位の中で成績上位の1チーム、計4チームが決勝ラウンドへ進む。
12日で1次ラウンドが終わり、決勝ラウンドへ進む4チームが確定した。
栃木シティFC(関東1部2位/百年構想枠/A組1位)
福山シティFC(中国1位/B組1位)
ジョイフル本田つくばFC(関東1部5位/全社枠2/C組1位)
VONDS市原FC(関東1部1位/A組2位)
◆Aグループ最終順位
1.栃木シティFC「勝ち点9」+6
—決勝ラウンド進出—
2.VONDS市原FC「勝ち点6」+2
—各組2位最上位で決勝ラウンド進出―
3.FC徳島「勝ち点3」-4
4.ヴェロスクロノス都農「勝ち点0」-4
▽VONDS 0-1 栃木シティ
今季の関東1部では王者VONDSの2戦2勝だったこのカード。0-0で迎えた90+1分、栃木はJリーグファンにもお馴染みのFW田中パウロ淳一がPKを沈めて先制する。田中パウロは1次ラウンド3試合連続得点だ。
栃木は土壇場のPK弾が決勝点となってVONDSに雪辱。百年構想枠として地域CLに12番目で滑り込みながらも、見事、A組3連勝で首位通過を果たした。また、敗れたVONDSも他会場の結果、各組2位最上位を確保し、決勝ラウンド行きを決めた。
▽都農 1-2 FC徳島
第3節を迎える前に2連敗で敗退が決定していた両チーム。都農は55分、相手のビルドアップを高い位置で刈り取り、最後はFW伊能玲生のシュートが決まって先制。決勝ラウンド進出はなくともチーム全員でゴールを喜び合う。
四国リーグ王者・FC徳島も意地を見せる。74分、左サイドからのクロスがファーへ流れてきたところを途中出場MF秋月駿作が右足ダイレクトでシュート。角度のない位置からゴール左隅を突き刺し同点とする。
さらに82分、ボックス内でパスを受けたMF本山遊大は相手DFの寄せが一瞬緩んだスキを見逃さずシュート。これが逆転弾となったFC徳島が2023シーズンを締めくくる1-2の勝利を収めている。
JFL昇格の夢を来季以降に持ち越す両チームだが、この地域CLという舞台に参戦できたことが素晴らしいこと。今季でチームを離れる選手もいるだろうが、全国から社会人の強豪が集まるこの舞台を経験したことは、きっと今後の財産となるはずだ。
◆Bグループ最終順位
1.福山シティFC「勝ち点7」+4
―決勝ラウンド進出―
2.wyvern「勝ち点6」-1
3.ブランデュー弘前FC「勝ち点2」-1
4.FC刈谷「勝ち点1」-2
▽刈谷 0-1 wyvern
地域CLで再び顔を合わせることとなった東海1部は愛知県の両雄、刈谷&wyvern。リーグ王者wyvernがわずかに決勝ラウンド進出の希望を残している一方、全社枠として這い上がってきた全社王者刈谷は敗退が決定済みだ。
東海1部の頂上決戦はwyvernがモノに。wyvernは12分のFW山本大稀のPKがこの試合唯一の得点となって勝利。これによって勝ち点「6」でB組2位を確保したが、A組のVONDSに得失点差で及ばず、刈谷と共に敗退が決定した。
チームの大半が大卒2年目以内というヤング集団で2年連続の地域CLに挑んだ刈谷。東海1部に突如出現した新興勢力でありながら、初の地域CLで2勝をあげたwyvern。残念ながら揃って敗退も、2024年の東海1部はよりハイレベルなリーグとなりそうだ。
▽弘前 1-1 福山
対し、決勝ラウンド切符を掴んだのが中国リーグ18戦全勝優勝の福山。51分、MF曽我大地のゴールで先制し、試合終盤の86分に弘前に同点とされたが、1-1のドローで勝ち点「7」とし、C組1位でファイナルステージへと進む。
弘前は0勝2分け1敗の勝ち点「2」でC組3位。東北1部18試合で92得点をマークした攻撃力は、この地域CLでも随所でキラリと光ったが、第1節・刈谷戦の終盤被弾が痛かった。勝ち点1発進でなければ、C組の結果は違ったかもしれない。とはいえ、こちらも2024年の戦いが楽しみ…少なからずそう思わせてくれる3試合だった。
◆Cグループ最終順位
1.ジョイフル本田つくばFC「勝ち点5」+1「総得点4」
―決勝ラウンド進出―
2.福井ユナイテッドFC「勝ち点5」+1「総得点3」
2.BTOP北海道「勝ち点3」+1
4.アルテリーヴォ和歌山「勝ち点2」-3
▽和歌山 1-4 BTOP
BTOPが2年連続2回目となった地域CLで初勝利。ここまで2連敗で敗退が決まっていた北海道リーグの“新たな盟主”だが、関西1部王者・和歌山に対して4発快勝。開始6分、相手守備陣の連携ミスからラッキーな先制点を奪う。
和歌山も後半頭の47分、開始早々の失点と似たような形でBTOP守備陣がミスを犯し、これを見逃さず同点に。ただ、同点後すぐゴールに近い距離からFKを2つ獲得するなど攻勢に出たが、勢いを継続できなかった。
BTOPは57分、ロングカウンターから最後はFW阿部遼海が仕留めて勝ち越し。81分には前がかりにならざるを得ない和歌山を尻目にFW藤吉武蔵が抜け出し、カットインからの豪快弾で追加点。90+5分、今度はMF澤田航汰がダメ押しとなる4点目を叩き込んだ。
和歌山は2年連続4回目の地域CLにおいて、4回目の1次ラウンド敗退。昨年と異なり、決勝ラウンド進出に望みがあるなかでこの第3節に臨んだが、あえなく1-4で敗れ去ることに。ただ、素晴らしいことはこの舞台まで到達したことであり、大事なことは来季に向けてこれからどうするか。前職時代にクラブ職員として地域CLを戦った筆者はそう思う。
▽福井 1-1 つくば
一方で、全社枠で地域CLを戦う関東1部5位のつくばが決勝ラウンドへ初進出。1-1のドロー決着となった北信越1部王者・福井と1勝2分け0敗の勝ち点「5」、得失点差「+1」で並んだが、総得点「4」だけが福井の「3」を上回り、僅差でファイナルステージを掴み取った。
福井は前身のサウルコス福井時代を含めて通算10回目の地域CL敗退となり、北信越1部の直近12年で10回の優勝を誇る一方、JFL昇格にはどうしても届かない。しかし、繰り返しになるが、来季以降も挑戦は続いていく。いつの日か、福井がJFL昇格を果たしたとき、「あのときの経験があったから」と思える日が必ずやってくる。
決勝ラウンド進出を果たした栃木シティFC、福山シティFC、ジョイフル本田つくばFC、VONDS市原FCはもちろん素晴らしいが、1次ラウンド敗退の8チームにも拍手を。2024年の再チャレンジに期待したい。
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6日、日本フットボールリーグ(JFL)第23節の5試合が各地で行われた。 ◇高知 0-2 栃木C JFL今季ここまでで最大のビッグマッチ、「J3ライセンス」交付組どうしの首位・高知ユナイテッドSC vs 2位・栃木シティ。 試合は30分、栃木Cが右CKの混戦から最後はMF表原玄太が詰めて先制点。さらに39分、左からのクロスがこぼれ、FW田中パウロ淳一がフリーで豪快に蹴り込んで追加点とする。 前半で2点リードの栃木Cが、アウェイで首位高知を撃破。これでとうとう両者は勝ち点「1」差となり、優勝争いがより混沌とした状況に。高知は追い詰められたと言って差し支えない。 ◇青森 2-2 浦安 「J3ライセンス」交付組の一角、7位・ラインメール青森は本拠地カクスタでブリオベッカ浦安と対戦。29分にFWベッサのPKで先制後、後半頭に追いつかれるも、即座に勝ち越す。 しかし72分、ロングカウンターから浦安MF若杉好輝の豪快ミドルが決まって追いつかれ、2-2のドロー決着に。残り7試合で2位栃木Cと勝ち点「13」差になった青森だ。 ◇沖縄 0-0 V三重 同じく「J3ライセンス」交付組の一角、6位・ヴィアティン三重はアウェイで沖縄SVと対戦し、ゴールレスドロー決着。こちらは2位栃木Cと勝ち点「12」差になっている。 ◇ミネベア 0-1 鈴鹿 下位に目を向けると、ソニー退会に伴う再編成で自動降格がなくなった今季だが、最下位=入替戦を避けるべく、ミネベアミツミFC、横河武蔵野FC、クリアソン新宿がしのぎを削る。 そんななかで、暫定最下位のミネベアは、ホームでアトレチコ鈴鹿にウノゼロ負け。55分のPK一発に沈んだ格好だ。次節は2位栃木C、その次はV三重と対戦…正念場が続く。 ◆第23節 ▽10月6日(日) 高知ユナイテッドSC 0-2 栃木シティ ラインメール青森 2-2 ブリオベッカ浦安 沖縄SV 0-0 ヴィアティン三重 FCティアモ枚方 3-2 ソニー仙台FC ミネベアミツミFC 0-1 アトレチコ鈴鹿 ▽10月5日(土) レイラック滋賀 3-2 Honda FC FCマルヤス岡崎 0-1 ヴェルスパ大分 クリアソン新宿 1-1 横河武蔵野FC ◆順位表 1位 高知ユナイテッドSC | 勝ち点48 | +16 2位 栃木シティ | 勝ち点47 | +18 3位 レイラック滋賀 | 勝ち点38 | +16 4位 Honda FC | 勝ち点36 | +8 5位 ヴェルスパ大分 | 勝ち点36 | ±0 6位 ヴィアティン三重 | 勝ち点35 | +2 7位 ラインメール青森 | 勝ち点34 | +7 8位 沖縄SV | 勝ち点34 | +6 9位 アトレチコ鈴鹿 | 勝ち点32 | +3 10位 FCティアモ枚方 | 勝ち点32 | -2 11位 ブリオベッカ浦安 | 勝ち点31 | +2 12位 ソニー仙台FC | 勝ち点23 | -8 13位 FCマルヤス岡崎 | 勝ち点23 | -8 14位 横河武蔵野FC | 勝ち点19 | -18 15位 クリアソン新宿 | 勝ち点18 | -22 16位 ミネベアミツミFC | 勝ち点16 | -20 2024.10.06 17:50 Sun3
【JFL第21節】首位高知と2位栃木Cが揃って勝利、4位V三重は敗戦で厳しい状況に
21日、日本フットボールリーグ(JFL)第21節の4試合が各地で行われた。残りの4試合は22日、23日に2試合ずつ行われる。 ◇枚方 0-0 新宿 9位・FCティアモ枚方が、ホームで15位・クリアソン新宿とゴールレスドロー。前節アウェイで首位高知から勝ち点1を掴んで勝機も十分にあったなか、今回は前半のうちにDFフェリペが決定機阻止で1発退場となってしまう。 それでも果敢な姿勢、機を見た前進で応戦していたが、1点を奪うには至らず。数的優位の新宿も新宿で決め手がなく、スコア動かずドロー決着に。枚方は7試合未勝利となり、新宿も前節最下位脱出の勢いを減速させてしまった。 ともあれ、後述のように今節はミネベアが敗れたため、新宿は暫定ながらも順位を1つ上げて14位となっている。 ◇ミネベア 0-1 高知 3試合未勝利の首位・高知ユナイテッドSCが実に4試合ぶり、中断期間明けでは初となる勝ち点「3」。アウェイで14位・ミネベアミツミFCに0-1と競り勝ち、停滞感を取っ払った。 56分、最前線のFW東家聡樹が右サイドに流れて持ち運び、マイナスのグラウンダークロスにMF瀬尾純基。夏にヴィアティン三重を退団、高知入りした瀬尾がダイレクトで右足を振り、GKの手が届かぬゴール右上へ突き刺した。 昨季はソニー仙台FCの一員として、高知相手に後半アディショナルタイムの同点弾(昨季第22節/3△3)を決め、高知の3連勝を阻止した瀬尾。そんな瀬尾が高知で初得点・決勝点を決め、4試合ぶり勝利の立役者となった。 ◇栃木C 3-0 マルヤス 一方、現在2位で唯一首位高知を脅かす存在の昇格組・栃木シティも、ホームで12位・FCマルヤス岡崎に3-0と勝利。53分、元マルヤスのFW藤原拓海が巧みな切り返しから迷わず左足を振り抜き、ゴール左隅に突き刺した。 続けて60分、ボックス内正面でパスを受けたFW田中パウロ淳一が、目の前のDFを揺さぶって、抜き切らずに左足を一閃。強烈なシュートがゴール中央に突き刺さる。そして90+3分、DF奥井諒のゴールで試合を締め括った。 7試合無敗と好調の栃木Cは次節、新宿とのホームゲーム。序盤戦で0-2と敗れた関東サッカーリーグ1部時代からのライバルだが、勝って3連勝となるか。注目の一戦となりそうだ。 ◇Honda 3-0 V三重 また、前節終了時点で4位も首位高知とは勝ち点「14」差のヴィアティン三重。J3入会へは「2位で入替戦」が現実的目標となるなか、今節は前述のように2位栃木Cが勝利した。 そんななかで、V三重は今節アウェイで昨季王者Honda FCに0-3と完敗。 0-0で迎えた67分、センターバックのDF篠原弘次郎が攻撃参加した状態でロングカウンターを喰らい、先制点献上。78分には11人全員が低く押し下げられた状態から追加点献上。最後は後半ATにPKで3失点目となった。 この結果、2位栃木Cとは勝ち点「9」差になり、厳しい状況に拍車か。少なくとも、10月2日に延期となっている直接対決、第18節・栃木C戦(H)は絶対に落とせない。今夏Jリーグからの補強に力を入れたV三重が正念場だ。 ◆第21節 ▽9月21日(土) FCティアモ枚方 0-0 クリアソン新宿 ミネベアミツミFC 0-1 高知ユナイテッドSC Honda FC 3-0 ヴィアティン三重 栃木シティ 3-0 FCマルヤス岡崎 ▽9月22日(日) ソニー仙台FC vs ラインメール青森 ヴェルスパ大分 vs 沖縄SV ▽9月23日(月・祝) レイラック滋賀 vs ブリオベッカ浦安 アトレチコ鈴鹿 vs 横河武蔵野FC ◆暫定順位表 1位 高知ユナイテッドSC | 勝ち点48 | +20 2位 栃木シティ | 勝ち点40 | +15 3位 Honda FC | 勝ち点33 | +8 4位 ヴェルスパ大分 | 勝ち点32 | +2 5位 ヴィアティン三重 | 勝ち点31 | +2 6位 ラインメール青森 | 勝ち点30 | +8 7位 ブリオベッカ浦安 | 勝ち点30 | +6 8位 レイラック滋賀 | 勝ち点29 | +9 9位 FCティアモ枚方 | 勝ち点28 | -2 10位 沖縄SV | 勝ち点26 | +1 11位 アトレチコ鈴鹿 | 勝ち点25 | +3 12位 FCマルヤス岡崎 | 勝ち点22 | -6 13位 ソニー仙台FC | 勝ち点22 | -6 14位 クリアソン新宿 | 勝ち点16 | -22 15位 ミネベアミツミFC | 勝ち点15 | -19 16位 横河武蔵野FC | 勝ち点14 | -19 2024.09.21 20:01 Sat4
栃木シティがJFL昇格へ! 関東1部2位、全社1回戦敗退…百年構想枠から地域CL優勝【Road to JFL/地域CL決勝ラウンド最終節】
26日、全国地域サッカーチャンピオンズリーグ2023(地域CL)決勝ラウンド第3節のVONDS市原vs福山シティFC、ジョイフル本田つくばFCvs栃木シティが栃木県グリーンスタジアムで行われ、優勝を決めた栃木CがJFL昇格の権利を獲得(※1)した。 JFL昇格を目指す社会人の強豪が日本全国から集う地域CL。今年の決勝ラウンドは栃木県開催というなか、そこに対して“ホーム”栃木Cを含む関東サッカーリーグ1部勢が4チーム中3チームを占めることとなった。 また、第2節終了時点では、全4チームが1勝1敗の勝ち点「3」で並び、第3節の2試合を終えるまでJFL昇格の権利を獲得(地域CL優勝)するチームが決まらないという大会史上初の事態に。最終的に大激戦を制したのは“ホーム”栃木Cだった。 ◆決勝ラウンド順位表(全日程終了) 1.栃木シティFC|勝ち点6|得失点差+4 ---JFL昇格権利獲得--- 2.VONDS市原FC|勝ち点6|得失点差+2(※2) —入替戦進出--- 3.ジョイフル本田つくばFC|勝ち点3|得失点差-3 4.福山シティFC|勝ち点3|得失点差-3 (※1)12月5日のJFL理事会にて正式決定 (※2)入替戦は沖縄SVとの対戦に。12月2日or3日に沖縄側が指定する会場にて一発勝負で開催される ◆VONDS市原FC 2-0 福山シティFC 【V市原】 谷尾昂也(後42) 清原翔平(後45+3) 第2節終了時点で3位のV市原、4位の福山。両チームが最低でも入替戦進出ラインの2位を確保するには、ともに敗戦は許されず、福山は勝利が絶対という状況。第2試合の[つくばvs栃木C]にプレッシャーをかけておく上でも、どちらも是が非でも勝ち点「3」がほしい。 V市原は20分、決勝ラウンド初先発のMF沼大希が接触プレーで痛めて途中交代。対する福山は中盤の底でプレーする地元・福山市出身のMF曽我大地がV市原の2トップに警戒されており、なかなか前を向いてボールを持てない。 立ち上がりに攻勢をかけたのはV市原だが、ほどなくして福山も押し返し、一進一退の攻防が続いていく。どちらもゴール前へボールを運び、チャンスも迎えるが、V市原はGK今川正樹、福山はGK菊地大輝…互いに守護神が決定的なピンチをセーブする。緊張感漂う好ゲームだ。 引き分け以下で決勝ラウンド3位以下が確定、中国リーグ残留となる福山は55分に2枚替え。FW若宮健人とMF田口駿を投入し打開を図る。田口は58分、ゴール正面左寄りの絶好の位置から直接FKを狙うが、シュートは枠外へ。 62分にはロングボールからMF濱口草太が抜け出し、ボックス右から右足を一閃も、渾身のシュートはゴール左へ…68分にはペナルティアーク内で左サイドからパスを受けた田口が右足ダイレクトシュートも、今度はクロスバー上へ。押し込む福山だが、シュートが枠へ飛ばない。 試合も終盤に差し掛かる74分、V市原も2枚替え。2トップの一角に巧みなポストプレーが光るFW谷尾昂也、サイドには36歳となった“ジョーカー”MF清原翔平を配置。V市原は引き分け以上でJFLへの望みがつながるが、当然ながら勝ちに行く采配だ。 すると87分、VONDSは右サイドからのFKをボックス左でFW濱野雄太が折り返し、これをゴール正面で谷尾が強引に詰め込む。とうとう均衡を破ったのは関東サッカーリーグ1部王者のV市原だ。 これで2点が必要となった福山。強引にでもこじ開けようと前線に人数をかけるが、なかなか噛み合わず、V市原にカウンターを浴び、後半アディショナルタイムに左CKを与えてしまう。 V市原がこのチャンスを活かす。90+3分、左CKに頭から飛び込んだのは36歳清原。Jリーグ経験も非常に豊富な精神的支柱が、勝ち点「3」を決定づける貴重な追加点をもたらした。 結局、2-0と勝利したV市原が2勝1敗の勝ち点「6」で、この時点で決勝ラウンド首位に。敗れた福山は3位以下が確定し、2024シーズンも中国リーグで戦うこととなった。V市原は、あとは[つくばvs栃木C]の結果を待つのみ… ◆ジョイフル本田つくばFC 0-4 栃木シティFC 【栃木C】 表原玄太(前18、後10) 山村佑樹(後1、後45+1) 第1試合[V市原 2-0 福山]の直後に激突したつくば&栃木C。今季の関東1部では1勝1敗という両チームだが、つくばは[1-0以外での勝利]なら1位でJFL自動昇格、[引き分けor1-0勝利]で2位確定&V市原のJFL自動昇格が確定、という状況だ。 対する栃木Cは現状3位のため、まずは勝利が絶対。JFL自動昇格には[2点差以上での勝利]が求められるという厳しい状況だ。 そんななか、立ち上がりから試合が動いていく。勝つしかない栃木Cは15分、崩しの切り札であるFW田中パウロ淳一が足を痛めていきなり途中交代。それでも18分、敵陣でのボール奪取からショートカウンターを仕掛け、最後はMF表原玄太が右足ミドルを叩き込んで先制する。 押し返したいのはつくばだが、自陣でのミスも多く、もう1点がほしい栃木Cに押し込まれる展開。攻撃に転じる場面がないわけではないが、セカンドボールを拾えず単発に終わることが多い。まずは同点といきたいが、前半終盤にかけて相次いで得たCKはいずれもゴールに繋がらなかった。 すると、後半開始35秒で栃木Cが待望の追加点。46分、敵陣深くで表原がDFからボールを奪うと、ゴール前に入れたラストパスはつくばGK阿久津大輝がまさかの後逸…待ち構えた栃木CのFW山村佑樹が冷静に流し込んだ。 さらに55分、またしても敵陣でのボール奪取から速攻に転じると、最後はボックス手前から表原が右足ミドルを選択。丁寧かつ強烈な一撃がゴール右上を突き刺し、“ホーム”栃木Cのリードは3点となった。 結局、大声援に後押しされた栃木Cは終了間際にも1点を追加し、4-0とつくばを撃破。昨年の地域CL決勝ラウンド最終節ではブリオベッカ浦安に敗れて敗退した彼らだが、1年後に見事、逆転で地域CL優勝を成し遂げ、JFL昇格の権利を掴むこととなった。 なお、これにより、入替戦にはVONDS市原FCが進むこととなった。 栃木シティFCは“栃木ウーヴァFC”時代以来、7年ぶりのJFL復帰ということに。サポーターの皆様、おめでとうございます! 2023.11.26 15:36 Sun5