「ダービーは疲れる」打ち合い制したラツィオのサッリ監督が勝利を喜ぶ「信じられない満足感」
2021.09.27 10:15 Mon
ラツィオのマウリツィオ・サッリ監督が、ローマとのダービーマッチを振り返った。クラブ公式サイトが伝えた。ラツィオは26日、セリエA第6節でローマと対戦。首都決戦に臨んだ。
リーグ戦ではここ3試合勝利がないラツィオと、4勝1分けと好スタートを切ったローマとの一戦。試合は序盤からラツィオペースで進む。
まず10分にセルゲイ・ミリンコビッチ=サビッチのゴールでラツィオが先制すると、今夏ローマから加入したペドロ・ロドリゲスが19分に追加点を奪う。
一方のローマは、41分にロジェール・イバニェスのゴールで1点差に詰め寄るが、63分にフェリペ・アンデルソンのゴールでラツィオがリードを広げることに。ローマは69分にジョルダン・ヴェレトゥがPKを決めて1点差とするが、そのままラツィオが逃げ切り、勝利を収めた。
「ダービーに勝ったことに満足しよう。美しく壮観な試合だ。正しい道を進んだと願っている。この成熟度テストに合格するかどうかを見てみよう」
「パスの成功率が68%から88%になった。展開された作戦は明らかにクオリティが違ったようだ。すでに数試合分の戦術的な成長を遂げていた」
「最近の試合では、技術面でのクオリティが不足しており、パフォーマンスが低下した。我々のクオリティは、今のものでなければいけない」
「ダービーは疲れる。試合前は緊張感が強く、試合中はアドレナリンが出ているから、疲れさせる試合だ」
「そして最後には疲れた状態で終わる。幸運にも我々は勝利を収めた。これは信じられない満足感を与える試合となった」
リーグ戦ではここ3試合勝利がないラツィオと、4勝1分けと好スタートを切ったローマとの一戦。試合は序盤からラツィオペースで進む。
一方のローマは、41分にロジェール・イバニェスのゴールで1点差に詰め寄るが、63分にフェリペ・アンデルソンのゴールでラツィオがリードを広げることに。ローマは69分にジョルダン・ヴェレトゥがPKを決めて1点差とするが、そのままラツィオが逃げ切り、勝利を収めた。
試合後、サッリ監督はダービーについてコメント。勝利に満足するとともに、チームが見せたクオリティを評価。一方で、ダービーは疲労が溜まると語った。
「ダービーに勝ったことに満足しよう。美しく壮観な試合だ。正しい道を進んだと願っている。この成熟度テストに合格するかどうかを見てみよう」
「パスの成功率が68%から88%になった。展開された作戦は明らかにクオリティが違ったようだ。すでに数試合分の戦術的な成長を遂げていた」
「最近の試合では、技術面でのクオリティが不足しており、パフォーマンスが低下した。我々のクオリティは、今のものでなければいけない」
「ダービーは疲れる。試合前は緊張感が強く、試合中はアドレナリンが出ているから、疲れさせる試合だ」
「そして最後には疲れた状態で終わる。幸運にも我々は勝利を収めた。これは信じられない満足感を与える試合となった」
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3位のベティス以下ではアトレティコ、バルセロナ、ビジャレアル、ソシエダら地力のあるチームの意地に期待。攻守両面で課題が少なくないアトレティコは、闘将の下で堅守復活と共に今一度局面での戦う姿勢を強調したい。バルセロナではマンチェスター・シティFWフェラン・トーレスの獲得が決定し、ファティやペドリらの復帰によって巻き返しへの準備は整いつつある。その中でチャビ監督の下、失いかけた黄金期のスタイルをどこまで取り戻せるか。 ソシエダやビジャレアルでは負傷によって離脱が続いていたFWオヤルサバルやFWジェラール・モレノの完全復活を、巻き返しに繋げていきたいところだ。 例年通り、熾烈を極める残留争いではカディスを除き下位クラブがいずれも指揮官交代を図っており、今冬の緊急補強と共に新スタイルの浸透が今後の浮沈を大きく左右することになるはずだ。 2022.01.05 18:16 Wed2
モラタ先制弾のアトレティコ、ファルカオに土壇場恩返し弾献上で逃げ切り失敗のドロー《ラ・リーガ》
ラ・リーガ第10節、アトレティコ・マドリーvsラージョが18日にシビタス・メトロポリターノで行われ、1-1のドローに終わった。 アトレティコは前節、好調のアスレティック・ビルバオ相手にグリーズマンが奪ったゴールをヘイニウドら守備陣のソリッドなパフォーマンスで守り抜く、代名詞であるウノセロで3連勝を達成。アスレティックを抜いて3位に浮上した。 曲者ラージョとのマドリード自治州ダービーで4連勝を狙ったシメオネのチームは、守護神オブラク、カピタンのコケの負傷離脱によってGKグルビッチ、ヴィツェルを代役に起用。前線はモラタとグリーズマンの2トップとなった。 立ち上がりからボールを握って押し込むアトレティコは、セットプレーを軸に相手ゴールに迫っていく。決定機まであと一歩、二歩という場面が目立つ中、ファーストチャンスをゴールに結びつける。 20分、相手陣内右サイドでボールを奪ったグリーズマンが早いタイミングで右足のグラウンダークロスを供給すると、タイミング良くゴール前に走り込んできたモラタが右足ダイレクトでゴール左隅へ流し込んだ。 2トップの好連携で幸先よく先制に成功したホームチームは、直後にもヴィツェルがミドルシュートを狙うなど、畳みかける攻めで追加点を狙っていく。だが、前半半ばを過ぎると、徐々にラージョに反撃を許し、古巣対戦のファルカオにボックス付近で仕事をされる場面が目立つ。 前半終盤には筋肉系のトラブルか、レマルがプレー続行不可能となり、40分にカラスコがスクランブル投入されたが、1点リードを維持してハーフタイムを迎えた。 後半は立ち上がりから拮抗した展開が続く。その流れの中でパテ・シス、モラタと互いにセットプレーから際どいシーンを作り出す。 60分過ぎにはアトレティコがモラタとヴィツェルを下げてアンヘル・コレア、クーニャと2人のアタッカーを同時投入。対するラージョは中盤を削ってホームチームからレンタル加入中のカメージョを投入し、2トップに変更した。 すると、この交代でリズムを掴んだのはアウェイのラージョ。68分にはカメージョが枠の右を掠める左足のミドルシュートを放つと、直後にはカメージョからのショートスルーパスにファルカオが抜け出すが、ここはシュートを打ち切れない。 後半半ばを過ぎると、アスレティック戦同様に守る時間帯が続くアトレティコは、グリーズマンが前線と中盤でうまくボールを引き出しながらクーニャの推進力を生かしてトドメの2点目を狙う。だが、今季ここまでゴールがないクーニャは幾つかのシュートチャンスをモノにできない。 その後、何とか粘りの守備で時計を進めたアトレティコだったが、最後の最後に追いつかれる。ボックス内でエンテカと競ったホセ・ヒメネスの腕に相手のヘディングシュートが直撃。オンフィールド・レビューの結果、ラージョにPKが与えられる。そして、ここでキッカーを務めたのは古巣対戦のファルカオ。百戦錬磨のストライカーはプレッシャーがかかるこのPKを冷静に左上隅に突き刺し、92分の同点ゴールとした。 そして、試合はこのままタイムアップを迎え、自治州ダービーで勝ち切れなかったシメオネのチームはリーグ連勝が「3」でストップした。 2022.10.19 06:05 Wed3
“エル・ティグレ”、38歳ファルカオが初の母国帰還!
元コロンビア代表FWラダメル・ファルカオ(38)の母国帰還が決まった。コロンビア1部リーグのミジョナリオスFCは20日、新加入で合意に達した旨を発表。ミジョナリオスFCでは背番号「9」をつけるようだ。 “エル・ティグレ”で知られるストライカーのファルカオ。リーベル・プレートでのキャリアスタートから、欧州ではこれまでポルト、アトレティコ・マドリー、モナコ、マンチェスター・ユナイテッド、チェルシー、ガラタサライを渡り歩く。 2021年9月からはラージョ・バジェカーノでラ・リーガ復帰。ここ3シーズンをリーガで過ごすチームではかつてのようにゴールを量産する活躍とはいなかったが、通算80試合の出場で12得点1アシストの成績を残し、1部定着に貢献している。 代表からは2023年に行われた日本代表との国際親善試合を最後に遠ざかるが、2007年2月のデビューから105キャップをマーク。ついに開幕したコパ・アメリカ2024のメンバーからも落選したが、代表歴代最多の36ゴールを積み上げている。 そんなファルカオだが、今季でラージョとの契約が満了。移籍市場に精通するイタリア人ジャーナリストのファブリツィオ・ロマーノ氏によると、ミジョナリオスFCとは1年延長オプションが付いた今年末までの契約を結んだという。 なお、キャリアで初の母国リーグでのプレーとなる。 2024.06.21 14:45 Fri4

