「骨格はある程度」最終選考に入るU-24日本代表、横内昭展監督は選手に「しっかりA代表を目指して欲しい」と最後の言葉

2021.06.12 17:20 Sat
©超ワールドサッカー
U-24日本代表の横内昭展監督が、ジャマイカ代表戦を振り返った。

U-24日本代表は12日、国際親善試合でジャマイカ代表と対戦。試合は4-0で日本が勝利した。

東京五輪のメンバー選考に向けた最後の試合となったこのゲーム。立ち上がりから積極的に攻め込む日本は、32分に酒井宏樹の素早いスローインのリスタートから久保建英が3人の股を抜くシュートを見せて先制する。
さらに42分には遠藤航がボックス付近からコースを狙ったミドルシュートを決めて追加点。前半を2-0で終える。

ハーフタイムで3名を交代させると、57分には三笘薫のスルーパスに反応した上田綺世がGKの位置をよく見たループシュートを決めて追加点。64分には久保のスルーパスに反応した相馬勇紀がボックス左から折り返し、最後は堂安律が蹴り込んで4-0。快勝を収めた。
試合後、横内監督が記者会見に出席。試合内容を振り返るとともに、選手のパフォーマンスを評価。ここから、森保一監督やスタッフらと整理して、選考を進めると語った。

ー最終選考の見極めの場となったが、メンバー選考のイメージは

「骨格はある程度見えてきたかなと思っていますが、まだスタッフ、(森保)監督も含めてもう一回見直しながら少し考えていきたいと思います」

ーチームとして見えてきた部分や核となるようなものはあったか

「この活動の最初のスタートに比べると、選手間でのコミュニケーションなどは努力し、ピッチの中で表れるようになり、日に日に増してきて、試合ごとに増してきたと思います」

「選手の特徴も周りが把握しだして、そういった意味ではすごく噛み合ってきたかなと思っています」

ー1年延期して一番受けたポジションがGKだと思うが

「この4人に関してはほぼレギュラーポジションを取っている選手で、近年オリンピック代表では少なかったと思います。各クラブで経験を積んできた選手たちなので、ある程度代表でも計算できるプレーができる。それぞれが甲乙つけがたいプレーを今回の活動でしてくれたと思います」

ー2017年12月の活動スタートからここまでを振り返ってみて

「あっという間でした。今思えば。オリンピックが延期となり、1年長くなるなどはありましたが、今思えばあっという間に通り過ぎてしまった感じです」

ー久々に3バックを終盤使われたが、試した理由と成果は

「プランとしては絶対守るぞというところで3バックというプランもありましたし、点を取りに行かなきゃいけないということで前に人数を増やしてというプランもありましたけど、今回3バックで少し試してみようというところで、(吉田)麻也と(酒井)宏樹は昨年のヨーロッパ遠征で経験がありますし、それ以外の選手もこのチームの立ち上げ当時は3バックをやっていたので、すんなり入れるかなと思っていました」

「練習ではトライしていなかったですが、ハーフタイムで少しだけ説明して、やるかやらないかは分からないけどと言っていましたが、少し試せてよかったです」

ー選手たちに最後ロッカールームで何を伝えたか

「今回は少し長い活動でしたが、チームのためにピッチの中でも、トレーニング中もピッチ外でもチームのためにと考えて活動してくれたことへの感謝を述べました」

「ただ、この中から選考という作業が入り、オリンピックに選ばれる選手と選ばれない選手がいます。ただ、我々はA代表候補の選手で、もちろん今回オリンピックに選ばれなかったとしても、A代表はずっと続く代表なので、しっかりそこを目指して欲しいという話をしました」

「選ばれた選手に関しては、そういった選手の想いも刻んで戦わないといけないと話して終わりました」

-ボランチの並びが試合中に何度も変わっていたが

「そこは僕の指示ではないです。2人に関しては、右だろうが左だろうが、状況によって変わることはあのポジションはあるので、そのままやってもいいですし、僕はそこまでここにいろという話はしていないです。彼らの判断です」

ー最後に追加招集し、後半途中出場したDF瀬古歩夢について

「途中から入る、そして最終ラインに入ることは簡単ではなかったと思いますが、自分の良さを発揮してくれたと思います」

ーベンチから外れた3人について

「事情があって3人外しました。もちろんこの3人が、試合に出ていないからそれで評価されるということはないです。それはハッキリ言えることです」

ーFWで先発した前田大然の評価は

「大然はゴールという結果はなかったでしたが、それ以外のところでディフェンスでプレスバックしたり、背後を何度も狙ってフリーランニングしてくれていました。もう少しゴールに直結できるシーンがあればよかったと思いますが、非常に満足しています」

吉田麻也のキャプテンシーがチームにもたらせているもの

「練習中、試合の中でも常にチームの勝利のために何をしなければいけないかを行動で、言葉で表してくれていました。選手はそれに引っ張られてきてくれたかなと思います」

「それに呼応して選手も言われるばかりではなく、自分たちで考える行動も出てきたように見えました」

ー先制点のシーンはスローインからのクイックスタートだったが

「いつも我々は切り替えを早くしようとしていて、セットプレーも含まれています。常に要求しているので、今日はそういうゴールが奪えて非常に良かったと思います」

「これは我々の武器にもなりますし、こういったゴールを増やしていきたいと思います」

ーそのゴールを決めた久保建英について

「しっかり相手のライン間でボールを引き出して、フリーだったら仕掛けて。得点シーンもそうですが、積極的にゴールを狙う姿勢から、前回も(堂安)律のゴールも彼のシュートからでしたが、そういうところの積極性は非常に出してくれたと思っています」

ー遠藤航が中盤で非常に良い守備をしていた。普段通りのプレーを要求しているのか

「航に関してもA代表で同じコンセプトでやっているので、彼の中に迷いというか、そういうものはないです。選手との組み合わせがこの年代で違うと思うので、その擦り合わせさえちゃんとできれば、A代表やクラブでやっていることは変わらずにクオリティを落とさずにできる選手だと思います」

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松木玖生の最適なポジションは?/六川亨の日本サッカーの歩み

今月16日、AFC U-23アジアカップ カタールの初戦、中国戦からパリ五輪出場権獲得のチャレンジが始まる。前回のコラムでも、DF陣の経験不足は否めないものの攻撃陣のタレントはバリエーションに富んでいて期待できるという原稿を書いた。そして先週と今週のJリーグを取材して、FC東京の松木玖生の新しい一面を見ることができて、その期待はさらに高まった。 松木といえば、青森山田高時代から、強靱なフィジカルと体幹の強さを生かした球際での勝負強さ、豊富な運動量と労を惜しまない献身的なプレーでチームに貢献してきたし、それはFC東京でも変わらない。そしてボランチのポジションから、時には意外性のある攻撃参加でゴールを決めたり、左足のロング、ミドルシュートで相手ゴールを脅かしたりしてきた。 そんな松木が、4月3日のJ1リーグ第6節の浦和戦では、荒木遼太郎と2トップに近い形で前線に起用された。すると、トップに張るのではなく変幻自在に左右に流れたり、落ちてきたりする荒木との絶妙のコンビネーションで攻撃陣をコントロール。とりわけ左サイドのFW俵積田晃太とSBバングーナガンデ佳史扶との相性は抜群で、意外性のあるパスで彼らの攻撃参加を引き出していた。 アウトサイドにかけたスペースへの絶妙なパスには「こんな技巧的なパスが出せるんだ」と感嘆してしまった。 試合は0-1とリードされた後半、左サイドで俵積田、佳史扶とつないだパスから荒木が同点弾。さらに松木のサイドチェンジを受けた俵積田のクロスをゴール前に走り込んだ松木がボレーで決めて逆転勝利を収めた。 そして4月7日の鹿島戦では、荒木がレンタル移籍のため起用できないものの、1トップに入った仲川輝人とトップ下の松木は好連係から難敵・鹿島に2-0の完勝を収めた。絶えずボールに触るわけではないが、効果的なサイドチェンジやスルーパスで味方を使う。これまでは、どちらかというと『使われる選手』と思っていたが、そのイメージは一新した。 先制点は左サイドからのふわりと浮かしたニアへのパスで仲川の今シーズン初ゴールを演出。そして後半アディショナルタイムにはMF原川力のヘッドによるインターセプトからのタテパスを簡単にさばいて2点目をお膳立てした。いずれも「肩の力の抜けた」ようなアシストに、松木の“変化"を感じずにはいられなかった。 彼をボランチからトップ下にコンバートし、前線には荒木を起用して松木の飛び出しを演出したピーター・クラモフスキー監督の采配は賞賛に値する。やっと1トップのドリブル突破任せのパターン化された攻撃スタイルから脱却できそうだ。 そんな松木を大岩剛監督はどのポジションで使うのか。攻守に効果的な選手だけに、使い出もあるだろうが、できれば攻撃的なポジションで使って欲しいところである。 2024.04.08 22:25 Mon
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アジア最終予選以来のU-23代表招集にDF室屋成「支えてくださった周りの方々に感謝して」

▽FC東京は20日、U-23日本代表メンバーに選出されたDF室屋成のコメントを発表した。 ▽U-23日本代表は29日に松本平広域公園総合球技場で行われるキリンチャレンジカップ2016のU-23南アフリカ代表と対戦する。リオ五輪を前に国内で行われる最後の試合に向けて室屋は次のように語った。 ◆<B>室屋成</B>(FC東京) 「アジア予選以来の招集となりますが、東京のトレーナーやスタッフのみなさんのお陰で、この時期に間に合わせることができました。これまで支えてくださった周りの方々に感謝して、オリンピックまでの最後のチャンスを活かせるように、精一杯プレーしたいと思います」 2016.06.20 18:30 Mon
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4試合で6ゴールと横浜FMで絶好調のFW前田大然は招集外、横内監督は明言避ける「今朝の情報を得て、ベストなメンバー」

日本サッカー協会(JFA)は19日、U-24日本代表メンバーを発表した。 U-24アルゼンチン代表との国際親善試合2試合臨むU-24日本代表だが、A代表に名を連ねていたMF久保建英(ヘタフェ)やMF堂安律(アルミニア・ビーレフェルト)らは、東京オリンピック世代に合流することとなった。 U-24日本代表は、昨年末のキャンプ以来の活動となり、試合では昨年1月のU-23アジア選手権以来の久々の試合での活動となる。 今回のメンバーには現在明治安田生命J1リーグで4試合連続ゴール中、5試合で6得点のFW前田大然(横浜F・マリノス)が招集されていない。 メンバー選考について横内昭展監督は「今回のメンバーは今朝決めて発表しています。今朝の情報を得て、今ベストなメンバーを組んでいます」とコメント。「ここに居ない個人的なメンバーへの言及は避けたいと思います」と、選手個々へのコメントは避けていた。 2021.03.19 15:50 Fri

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