マドリーの新星FWアルバロ・ロドリゲスはウルグアイ代表を選択! 元代表FWの父親が明かす
2023.03.29 23:51 Wed
レアル・マドリーのFWアルバロ・ロドリゲス(18)が、ウルグアイ代表でのプレーを決断した。
アルバロは、かつてペニャロールなどで活躍した元ウルグアイ代表FWコキート(57)とスペイン人の母親の元でスペインのパラモスで生まれ育った。
その後、ジローナから2020年にマドリーのカンテラに加入すると、193cmの長身を生かしたダイナミックなプレーと確かな得点感覚を武器に活躍。現在はレアル・マドリー・カスティージャの登録ながらトップチームにも定着し、ここまで公式戦6試合1ゴール1アシストの数字を残している。
来シーズンのトップチーム昇格が決定している逸材に関しては、生まれ故郷スペインのU-18代表でプレーしていたものの、現在は父親の母国であるウルグアイのU-20代表でプレーしている。
この変更からも分かるようにアルバロがウルグアイでのプレーに気持ちを傾けたことは明白だったが、現時点ではどちらの国のA代表でも公式戦をプレーしておらず、その可能性は五分五分だった。
「息子自身がウルグアイのチームとプレーするつもりだと私に言ってきた。私たちはスペインのチームとプレーすることもできると彼に話したが、彼はウルグアイのチームと一緒にプレーしたいと断言した」
今回のアルバロ父の発言によってアルバロの将来的なウルグアイ代表入りは確実となり、今後はリバプールFWダルウィン・ヌニェスらと共に、FWエディンソン・カバーニとFWルイス・スアレスの後継を担うことになる。
アルバロは、かつてペニャロールなどで活躍した元ウルグアイ代表FWコキート(57)とスペイン人の母親の元でスペインのパラモスで生まれ育った。
その後、ジローナから2020年にマドリーのカンテラに加入すると、193cmの長身を生かしたダイナミックなプレーと確かな得点感覚を武器に活躍。現在はレアル・マドリー・カスティージャの登録ながらトップチームにも定着し、ここまで公式戦6試合1ゴール1アシストの数字を残している。
この変更からも分かるようにアルバロがウルグアイでのプレーに気持ちを傾けたことは明白だったが、現時点ではどちらの国のA代表でも公式戦をプレーしておらず、その可能性は五分五分だった。
しかし、父親であるコキート氏は28日、スペイン『Cadena SER』で息子自身がウルグアイ代表でのプレーを決断したことを明かした。
「息子自身がウルグアイのチームとプレーするつもりだと私に言ってきた。私たちはスペインのチームとプレーすることもできると彼に話したが、彼はウルグアイのチームと一緒にプレーしたいと断言した」
今回のアルバロ父の発言によってアルバロの将来的なウルグアイ代表入りは確実となり、今後はリバプールFWダルウィン・ヌニェスらと共に、FWエディンソン・カバーニとFWルイス・スアレスの後継を担うことになる。
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それでも試合は続く…/原ゆみこのマドリッド
「間が悪くて気の毒よね」そんな風に私が同情していたのは月曜日、レアル・マドリーTVの中継で見ていたCLミラン戦前日記者会見で、アンチェロッティ監督が試合の話をほとんどしなかったことに気がついた時のことでした。いやあ、スペインは先週火曜、バレンシア地方を中心に古今未曾有の集中ゲリラ豪雨に襲われて、死者200名以上の犠牲を伴う洪水が各所に大被害をもたらしたんですけどね。水は引いても、現地は市街の清掃や行方不明者の捜索などで大わらわ、メスタジャ(バレンシアのホーム)やシゥタット・デ・バレンシア(同レバンテ)などは真っ先に支援物資の収集、仕分け、配送基地として使われることに。 週末前にマドリー戦の延期が決まっていたバレンシアの選手たちもその手伝いに出ていたんですが、うーん、確かに大規模な自然災害だったとはいえ、マドリッドなど雨すら降らずと、スペイン全土が被災した訳じゃありませんからね。サッカー協会やラ・リーガもバレンシア地方で開催される、もしくは当地のクラブが関わる試合以外のミッドウィークのコパ・デル・レイ1回戦や週末のリーガ12節を予定通りにプレーすることにしたところ、ええ、時間が経つにつれ、被害規模の凄まじさが明らかになってきたこともあるんでしょう。 とりわけ先週末の試合前後にはマイクを向けられた全ての監督、選手たちが口を揃えて、「Ningún partido se debería haber jugado/ニングン・パルティードー・セ・デベリア・アベール・フガードー(1つの試合もプレーすべきではなかった)」と、12節そのものを延期にしなかったことを批判することに。当然ながら、翌月曜に会見に挑んだアンチェロッティ監督も同じ流れで、「El sentimiento es hablar lo menos posible de fútbol/エル・センティミエントー・エス・アブラル・ロ・メノス・ポシーブレ・デ・フトボル(感情的にはサッカーのことはできる限り話したくない)。ウチには重要でスペシャルなミラン戦があるが、今は副次的にすぎない」と言っていたんですが、でもお…。 だってえ、ミランと言えば、アンチェロッティ監督が現役時代5年間プレーして、CLに2度優勝。指揮官としても8年間過ごし、その時にもCL2回優勝と、マドリー時代の3回を合わせ、監督個人として最多の5回優勝記録の一部と成す、当人にとって、思い入れのあるチームなんですよ。それが、ほとんど相手についても語られることなく、ええ、月曜のマルカ(スポーツ紙)などもCL前日のマドリー情報がたったの2ページだけ、しかもアンチェロッティ監督の選手時代のミランの同僚、ルート・フリットのインタビューだけで驚かされたんですけどね。 おかげでアンチェロッティ監督が35年前、マドリーに5-0と大勝した試合で先制ゴールを挙げていたなんてこともわかったんですが、今はとにかく、「El fútbol tiene que parar/エル・フトボル・ティエネ・ケ・パラール(サッカーは止まらないといけない)。一番大事なのはサッカーではなく、人の命だからだ」(アンチェロッティ監督)と言われてしまっては、一言も返せませんって。それでも火曜の午後9時(日本時間翌午前5時)、サンティアゴ・ベルナベウでミラン戦はキックオフとなるため、一応、おさらいだけしておくと、マドリーの直近の試合は10日前のリーガクラシコ(伝統の一戦)。 いやあ、それがホームで0-4の大敗を喫し、首位バルサに勝ち点6差つけられるというショックな結果だったんですけどね。その前の試合、CL3節ドルトムント戦では2点のビハインドから、後半に5点を挙げて、5-2勝利という定番のremontada(レモンターダ/逆転劇)を披露したように、十八番の大会でのマドリーは別物。ここまで2勝1敗で12位と、決勝トーナメント16強対決に直接進出できる9位まであとちょっとあって、張り切っているのは間違いないないかと。もちろん、先週月曜には確定と言われていたバロンドール賞を逃し、失意のビニシウスもリベンジに燃えているはずですが、懸念はこの試合にはまだ、GKクルトワが戻って来られないこと。 朗報は同じくドルトムント戦で負傷したロドリゴが早くも復帰していることで、彼もCL土壇場ゴールが得意なFWですからね。相手は古巣への恩返しに燃えているモラタを筆頭に、更にアトレティコのカンテラーノ(Bチーム出身の選手)でもあったテオやビジャレアルにいたチュクワゼら、知った顔もいるチームなので、それなりに面白い試合になりそうですが、え?モラタはまた、ベルナベウのファンからpito(ピト/ブーイング)を浴びるんじゃないかって?まあ、その可能性は否定できませんが、彼もエムバペもこの試合ではオフサイドじゃないゴールを挙げられるといいですよね。 その一方で、先週末に試合をしたマドリッド勢の結果も報告しておくと、土曜はラ・セラミカでのビジャレアルvsラージョ戦も延期になってしまったため、レガネスだけがプレー。モンティリビでの一戦は誰もが予想もしなかった撃ち合いとなり、ええ、前半21分にミゲール・グティエレスがGKドミトロビッチに当たって入るシュートを決め、先制点を奪われたものの、その3分後にはタピアがエリア前から決めて同点に。ジローナは31分にもミゲール・グティエレスのクロスから、アルナウのヘッドでリードしたんですが、これも41分には絶好調ファン・クルスのゴールにより、前半は2-2で終わります。 後半も先手を取ったのはミチェル監督のチームで、いやあ、17分にはナスタシッチがミオフスキをエリア内ギリギリのところで倒してしまってねえ。殊勲のPK獲得の当人が蹴るのかと思いきや、その場でストウアーニと交代となり、ウルグアイ人のベテランFWが3点目をゲット。おまけに28分にはブリントのクロスをキャプテンのセルヒオ・ゴンサレスがオウンゴールにしてしまったため、私もほぼ諦めていたんですが、レガネスも交代出場のムニルが41分にエリア外からのgolazo(ゴラソ/スーパーゴール)で3点目を挙げているって、もしや前節3-0で勝ったセルタ戦から、ボルハ・ヒメネス監督のチームはいきなりゴール豊穣期に入った? いえ、最後はあと1点が足らず、4-3で負けてしまったんですけどね。監督も「Es muy difícil puntuar cuando recibes cuatro goles, como es complicado anotar tres y no llevarte nada/エス・ムイ・ディフィシル・プントゥアル・クアンドー・レシベス・クアトロ・ゴーレス、コモ・エス・コンプリカードー・アノタル・トレス・イ・ノー・ジェバールテ・ナーダ(4失点しながら、勝ち点を得るのはとても難しい。3得点して、何も得られないのと同様にね)」と言っていましたが、基本的に地味なスコアラインが多い弟分にしては、大した健闘ぶりだったかと。しかもこの試合、ハラー、ディエゴ・ガルシアの負傷で、CFがミゲール・デ・ラ・フエンテしからいなかったにも関わらず、3点も取れたとなれば、ブタルケに戻って来る土曜のセビージャ戦ではちょっと、期待してもいいかも。 そして日曜は兄貴分アトレティコの番となり、午後2時の明るいメトロポリターノでラス・パルマス戦だったんですが、キックオフ前にはこちらでもバレンシアへの支援活動が行われ、計55トンの食料、日用品などの物資が集まったのだとか。もちろんピッチでも犠牲者への黙祷が捧げられ、バレンシア州歌が流れたりしたんですが、やはりこの日もフレンテ・アトレティコ(ウルトラのグループ)の応援ストは継続中。いやあ、本家マドリーダービーで起きたGKクルトワへの物投げ込み騒動のせいで、フォンド・スール(南側ゴール裏)1階席の閉鎖処分が課された兄弟分ダービー、レガネス戦には勝ったものの、今季最初の応援ストとなったCLリール戦では、他のスタンドのファンたちが懸命に声援。クラブ歌合唱などで励まされながらも、1-3の悲惨な逆転負けを喰らってしまいましたからね。 その上、続くアウェイのベティス戦ではチーム全員が鬼のようなボールロストマシンと化し、1-0で敗戦。「Cualquier crítica es justa porque no se jugó, no hubo actitud/ウアルキエル・クリティカ・エス・フスタ・ポルケ・ノー・セ・フゴ、ノー・ウボ・アクティトゥッド(ウチはプレーせず、やる気もなかったのだから、どんな批判も正しい)」とシメオネ監督まで認めていた醜態をさらしてきたばかりだったため、この日の場内はかなり静か。むしろ終始、ビジター区画のここ3試合、ディエゴ・マルティネス監督になってから、3連勝で希望を取り戻したラス・パルマスファンの応援の声の方が通っていたぐらいだったんですが、それでもアトレティコは何とか、踏みとどまることができたんですよ。 そのキッカケになったのはまさにシメオネ監督の三男、ジュリアーノで、ええ、前半30分過ぎぐらいまでは負傷から復帰したバリオスが3度程、シュートを撃っていたのが目についたぐらいだったんですけどね。何と37分、モリーナが自陣から放ったロングボールを追って、敵陣に切り込んだジュリアーノがゴール前右側からシュート。それが10分程前に同じような位置から、GKシレッセンに弾かれたのに学んだか、今度はファーサイドに蹴って、先制点を挙げてくれたとなれば、一気にスタンドに火が点いたのは当然だったかと。 更にロスタイムにはバリオスのラストパスから、グリーズマンのシュートがゴールバーを叩くなんてこともあったものの、そのまま1-0でハーフタイムに入ったんですが、ええ、木曜のコパ1回戦でもベストメンバー総動員で終盤に0-2として、やっとこビック(地方リーグ1部/実質6部)に勝ってきた彼らですからね。今週はCL4節のPSG戦もあるとあって、後半頭からは久々の出場だったバリオス、そしてサムエル・リノをデ・パウル、ギャラガーに代え、シメオネ監督はプレー時間の調整を図っていたんですが、逆にラス・パルマスは6分にシレッセンが突っ込んできたモリーナに頭を蹴られ、15分には脳震盪で担架退場になるというアクシデントが発生。 とはいえ、相手のGKがホルカに代わっても、なかなかアトレティコが敵エリアに近づくことはなかったため、また後半終盤に追いつかれたレアル・ソシエダ戦の二の舞にならないか、私も心配しながら見守っていたんですけどね。20分にはフリアン・アルバレスとグリーズマンもPSG戦に備えて、セルロートとコレアに交代。幸い、この日のラス・パルマスは前半に1度、シュートがあっただけで、あとはおとなしかったため、このまま1-0で終わるんだろうと思いかけていた38分…。 たまに、アトレティコではほんのたまに出るデ・パウルの絶妙なスルーパスがセンターラインからセルロートに届いたんですよ。このところ、シュートに失敗することの多かったノルウェー人FWですが、エリア内に入ってすぐに撃ったボールがネットを突き刺し、とうとう2点差になったとなれば、もうこっちのもんですって。それでもシメオネ監督は頭部打撲で選手が交代した時の特例を活用し、すぐその後にはジュリアーノに加え、ガランまでレイニウドとビッツェルに代え、守備固めで6人目枠を使いきっていましたけどね。ただ、この2-0の勝利をもって、アトレティコのミニクライシスは終了。自信を持って、水曜午後9時からのPSG戦に挑めるのかというと…。 いやあ、とてもとても。だってえ、ルイス・エンリケ監督とのチームとはスタッド・ド・プランスで対戦するんですよ。昨季から筋金入りのアウェイ弱者の彼らでもこの4節、そして5節のスパルタ・プラハ戦と続く遠征を、せめて引分けで済ますことができれば、6節のスラビア・ブラスティラバ戦にメトロポリターノで勝って、現在、敗退順位の27位を16強対決プレーオフ圏の24位以上に這い上がれる期待も抱けるかと思いますが、こればっかりはねえ。ちなみにパリでの試合ではこのラス・パルマス戦で復帰したバリオス、ラングレは当てにできるものの、まだ、ル・ノルマン、ジョレンテ、アスピリクエタ、レマスはリハビリ中。何かもう、最近は私も近所のバル(スペインの喫茶店兼バー)で観戦するのが億劫で仕方ないんですよね。 そして月曜夜にはヘタフェがバライドスでセルタと対戦したんですが、残念ながら、前節はお隣さんのレガネスが快勝した相手に負けてしまうことに。いえ、前半早々の7分にイアゴ・アスパスのクロスをドゥビカスにフリーでヘッドを決められてしまったのは、どこから見ても守備ミスなんですけどね。問題はこの日、ボルダラス監督には使えるCFがアルバロ・ロドリゲスしかおらず、再びボランチのウチェをスタメン1トップに配置せざるを得なかったこと。31分にジェネが負傷交代となったのを利用して、アルバロとウチェの2トップにしたものの、とにかくゴールが遠くてねえ。 おまけに後半20分には途中出場のCBバロカルが2枚目のイエローカードをもらって退場になったため、いえ、何度もセルタの追加点のチャンスを凌ぎ、最後まで粘ってはいたんですけどね。さすがにビジャレアル戦、バレンシア戦に続く、3度目の終盤のPK獲得による同点の奇跡は起こらず、そのまま1-0で試合は終了です。まあ、それでも16位と降格圏には落ちてはいませんからね。ジローナを迎える日曜はコリセウムでお隣さんのリベンジをしてあげるのもいいかと思いますが…そうそう、来週木曜に延期されていたヘタフェのコパ1回戦、マニセス(地方リーグ)戦は今月26日(火)に再延期が決定。その頃までには少しでもバレンシア地方の復旧も進んでいてくれることを、私も祈るばかりです。 2024.11.05 21:30 Tue3
弟分たちは頑張ったのに…/原ゆみこのマドリッド
「大人気ないというか何と言うか」そんな風に私が呆れていたのは月曜日、お昼のニュースでレアル・マドリーがバロンドール表彰式をボイコット。バルデベバス(バラハス空港の近く)での練習後、ペレス会長を筆頭に男子バロンドール候補30人リストに名のあるビニシウス、ベリンガム、バルベルデ、リュディガー、カルバハル、エムバペ、最優秀監督候補のアンチェロッティ監督、コパ(若手最優秀賞)候補のギュレル、ヤシン(最優秀GK賞)候補のルニンら、大所帯でパリにチャーター便で乗り込む予定だったのを急遽、キャンセルしたという報を知った時のことでした。 いやあ、今年のバロンドールに関しては、何故か先週中にはビニシウスに確定という流れになっていて、はて、表彰式当日までわからないんじゃなかったのかと、私も不思議に思っていたんですけどね。とはいえ、スペインのマスコミ全てがそう言っているのだから、きっと何か理由があるんだろうと、深くは考えなかったところ、いよいよ当日になって、ビニシウスではなく、ロドリ(マンチェスター・シティ)が本命という情報が。それで同僚のカルバハルならともかく、他チームの選手を選ばれたことに憤慨したクラブが式典のドタキャンを決定したらしいんですが、いや、少し前なら、メッシ(インテル・マイアアミ)とクリスティアーノ・ロナウド(アル・ナスル)が会場で、並んで発表を待っている光景が普通じゃなかった? おかげで夜の表彰式では、マドリーが選ばれた最優秀チーム賞、アンチェロッティ監督が選ばれた最優秀監督賞を誰もステージで受け取る者がいないという、前代未聞の光景が繰り広げられることになったんですが、まあ、そんなことはともかく、今はマドリッド勢の弟分たちは大健闘、兄貴分らは情けなかったリーガ11節の結果をお伝えしていかないと。先週末はホームゲーム集中ターンに当たったため、私も土日と出動することになったんですが、最初に向かったのはエスタディオ・バジェカス。 いやあ、それがいきなり波乱の展開で、他の弟分に比べると、上の方にいるラージョがアラベスを迎えたこの試合、前半22分にトニ・マルティネスをハードなタックルで倒して、イエローカードをもらったCBムミンが、最悪なことに、VAR(ビデオ審判)判定でカード色が変わり、退場させられてしまうという逆境に襲われことに。それでもイニゴ・ペレス監督は代わりのCBを入れず、ボランチのバレンティンを下げて対応していたんですが、相手のアラベスはここ4連敗と絶不調中でしたからね。 GKバタジャのparadon(パラドン/スーパーセーブ)などで何とか、後半30分過ぎまで0-0をキープしたところ、何と交代出場組のエンバルバが同グンバウにパスを送り、彼のエリア前からのシュートがゴールバーを直撃。落ちて来たボールがGKシベラの身体に当たり、ゴールになってくれるとは、こんなラッキーなことがあってもいい? そのまましっかり1-0をキープして、念願の今季ホーム2勝目を手に入れ、ファンと「Vida de pirata(ビダ・デ・ピラータ/海賊人生)」を歌って、久々にお祝いすることができたラージョは、いえ、順位は9位と変わらなかったんですけどね。5~7位のヨーロッパ大会出場圏順位まで、勝ち点2差と急接近。イニゴ・ペレス監督は、「Yo intento no mirar la clasificación, la puntuación. 40, 43 es el objetivo/ジョ・インテントー・ノー・ミラール・クラシフィカシオン。クアレンタ、クアレテタイトレス・エス・エル・オブヘティボ(自分は順位表を見ないようにしている。40、43ポイントが目標だ)」とあくまで、残留確定優先を強調していたものの、これでまた、バジェカスのファンの夢も大きく膨らむ? ええ、下を見る必要がないおかげで、今週から始まるコパ・デル・レイ1回戦、火曜のビジャムリエル(地方1部リーグ)戦でも余裕で、これまであまりプレーしていないハメス・ロドリゲスやトレホ、そして未だに出場していないRdT(ラウール・デ・トマス)らを試すことができますし、土曜のアウェイゲーム、ビジャレアル戦にも自信を持って挑めるかと。おかげでその日は私も、クラシコ(伝統の一戦)の予想記事では、僅かにマドリー優勢の意見が多かったのもあって、気分を高揚させたまま、サンティアゴ・ベルナベウに向かったところ…。 うーん、先週火曜のCLドルトムント戦に続き、今度はスタンド全面がモザイクで覆われて始まった試合だったんですけどね。序盤から、勢いよく攻めていくホームチームにいつゴールが入るか、スタンドも期待でウズウズしていたんですが、それがあれ?となってきたのは、15分にGKイニャキ・ヘニャに止められたベリンガムのシュートや19分にビニシウスが外したシュートがオフサイドだったとわかった頃からだったでしょうか。極め付きは31分で、ルーカス・バスケスのパスから、とうとうエムバペがゴールをゲット。自慢の音響装置と天井吊り下げ360度大型スクリーンで大々的に祝った後、VAR通信により、これもオフサイドでスコアに上がらないって、どういうこと? 要はバルサのフリック監督の作戦にはまってしまったんですよ。ええ、後でイニゴ・マルティネスも「el Madrid lo que tiene bueno es la contra... Hemos estado bien tirando la línea/エル・マドリッド・ロ・ケ・ティエネ・ブエノ・エス・ラ・コントラ…エモス・エスタードー・ビエン・ティランドー・ラ・リネア(マドリーの長所はカウンター…ウチは上手く守備ラインを引くことができた)」と言っていたんですけどね。最初からかなり高い位置にいたバルサのDFたちによる完璧なオフサイドトラップにしてやられ、マドリーはこの試合、オフサイドを12回も犯すことに。うち8回がエムバペのものとなると、ラジオの実況や解説がこぞって、「モラタ化している」と嘆いていたのも納得ですが、いや、モラタだって、1試合にここまでのオフサイドはしませんって。 ただ、それで点が取れないだけならば、まだ良かったものの、デ・ヨングが入った後半にはバルサの主砲が爆発。そう、9分にはカサドーがセンターサークスから出したスルーパスに抜け出し、レバンドフスキがエリア前からGKルニンを破ると、その2分後にも今度はバルデのクロスをミリトンとリュディガーの間で悠々ヘッドして、2点目をゲットされていてはねえ。ようやくアンチェロッティ監督がチュアメニを下げ、モドリッチを入れた後の21分に決まったエムバペのゴールはまたしてもオフサイドでしたし、もしやレバンドフスキがそれから2度もエリア内からの絶好のチャンスに外していなければ、あっという間に大量得点差をつけられていた? ま、結局はそうなるんですけどね。ええ、この時点ではまだ、2点差を引っくり返したドルトムント戦の例も記憶に新しかったですし、ファンも決して希望は捨ててはおらず。それがようやく負傷の治ったブライムが投入された直後の32分にも、ラフィーニャからパスを受けたジャマルに決められてしまっては。これで3点差にしたバルサは、39分、今度はラフィーニャがvaselina(バセリーナ/ループシュート)で止めの4点目も追加と、これでは根性のremontada(レモンターダ/逆転劇)を期待していたスタンドだって、どんどん空になっていきますって(最終結果0-4)。 うーん、確かにマドリーはドルトムント戦でGKクルトワが負傷し、ルニンと代わっていたというのもあるんですけどね。ただ、アンチェロッティ監督も「El problema es que cuando encajas dos goles arriesgas/エル・プロブレマ・エス・ケ・クアンドー・エンカハス・ドス・ゴーレス・アリエスガ(2失点して、危険を犯して攻めないといけないのが問題だった)。それをカウンターが得意なチーム相手にやると、普通より危ないのは当然だ」と言っていたように、4点も取られてしまったのは仕方ない面もあったかと。それより、失望させられたのはオフサイドでない時ですら、エムバペのシュートがことごとく、決まらなかったことの方。 加えて、ジャマルやラフィーニャのゴールに怒った1階席のファンが人種主義的野次を飛ばして問題になったり、ビニシウスはビニシウスで、manita(マニータ/5本指をヒラヒラさせて、5得点を自慢した)往時のカンテラーノの大先輩、ピケじゃあるまいし、残り3分に入ったガビが指で4-0という仕草をするのに激高。一気触発だったなんてこともありましたからね。幸い、それ以上の騒ぎは起こらず、バルサはベルナベウのロッカールームで宿敵相手の勝利を盛大に祝った後、あっさり帰って行ったんですが…はあ。 何せこれで、首位バルサとマドリーの勝ち点差は倍増して、6になってしまいましたからね。もちろん、アンチェロッティ監督は「Salimos muy bien de la última derrota en Liga en el derbi del año passado/サリモス・ムイ・ビエン・デ・ラ・ウルティマ・デロータ・エン・リーガ・エン・エル・エル・デルビ・デル・アーニョ・パサードー(ウチはリーガで負けた最後の試合、昨季のマドリーダービーから上手く立ち直った)。今も同じことをやるだけだ」とアトレティコに負けた後、ほぼ1年間の無敗を継続。リーガとCLのダブル優勝を遂げた経験から、決してサジは投げていないとはいえ、とにかく現在は負傷者もあって、守備陣が手薄ですからねえ。 未だにギャラクティコ補強のエムバペも上手く機能しているとは言えず、堅守で零封もできないとなると、ちょっと辛いものがありますが、とりあえず、1月にスペイン・スーパーカップがあるおかげで、コパ1回戦免除となる彼らは、今週はミッドウィークフリー。早いところ、ビニシウスのバロンドール落選ショックも乗り越えて、週末土曜のバレンシア戦に備えたいところですが、その先にはCL4節ミラン戦があるのもちょっと、ファンにとっては不安かもしれませんね。 そして翌日曜には午後2時のセルタ戦を見にブタルケに足を運んだんですが、ええ、前節の兄弟分ダービーではメトロポリターノでアトレティコに3-1の逆転負けと、気の毒な目に遭っていたレガネスでしたからね。ホームファンの前で面目躍如してくれるのを私も願っていたんですが、残念ながら、前半は大したことも起こらず、0-0で終了。でも、ボルハ・ヒメネス監督が先発したハラーとシセに代え、ミゲール・デ・ラ・フエンテとブラサナツを早くも後半9分、ピッチに送り出したのが功を奏したんです。 そう、14分にはミゲールがモリバスからボールを奪って上がると、ラバにパス。最後はディエゴ・ガルシアが決めて、昨季の1部昇格主力トリオで先制点を挙げてしまったから、ビックリしたの何のって。とりわけ、これが1部初ゴールとなるカンテラーノ(下部組織出身の選手)のディエゴにとっては嬉しい得点だったかと。おまけに37分には再び、ミゲールがエリア前までボールを運び、今度はブラサナツにラストパスを送ったところ、今年の1月に出戻りしたMFがクルリと1回転して、2点目を決めているとなれば、いくら前節のマドリー戦で出場停止だったイアゴ・アスパスが戻っているセルタでももうお手上げでは? 実際、レガネスはその5分後にもファン・クルスのクロスをキャプテンのセルヒオ・ゴンサレスがヘッドで決め、3-0のスコアでとうとう、こちらも今季ホーム2勝目を挙げたんですが、おかげで降格圏ギリギリだった順位が14位まで上昇したこと。いえ、まだ18位とは勝ち点差2しかないんですが、再昇格1年目の彼らにしてみれば、上々の部類の出だしですからね。今週は水曜にコパのルセナ(RFEF3部/実質5部)戦が入るとはいえ、この白星のおかげで、土曜のモンティリビでのジローナ戦にも勇気を持って挑めそうなのは有難いかと。 一方、日曜はお隣さんのヘタフェも続く時間帯にコリセウムでバレンシア戦となったんですが、いやあ、車で10分の距離は、車がないと遠くのメトロ駅まで歩いての30分以上になるんですよ。更にその後にはアトレティコのアウェイ戦も控えていたため、この日は梯子を遠慮した私だったんですが、ブタルケからセントロ(市内中心部)に戻り、近所のバル(スペインの喫茶店兼バー)に着く頃には嬉しいニュースが届くことに。いえ、ヒザの半月板損傷の重傷から復帰し、数試合出た後、また脚を痛めたエースのボルハ・マジョラルはこの日もお休みだったんですけどね。 おまけに彼らは前半36分、CKからバレネチェアに決められて、ずっと0-1と負けていたんですが、リードしてから、守りに徹していた相手を根気良く攻めていたのが報われて、前節ビジャレアル戦同様、起死回生のペナルティをゲット。ニヨムのパスがエリア内でカウフリエスの腕に当たったプレーがハンドとなり、再びアランバリがPKを決めて、土壇場で1-1の同点に追いつくとは偉いじゃないですか。そう、今は決定力のあるFWがいないヘタフェですからね。今は若いベルトゥやRMカスティージャからレネタル修行に来たアルバロ・ロドリゲスが成長するのを待ちつつ、昨季のサラ(スペイン人選手の得点王)が完全復帰してくれるのを祈るばかり。15位と降格圏とちょっと離れられたのを励みに、木曜のコパのマニセス(地方リーグ)、来週月曜のセルタ戦と乗り切っていくしかないかと。 そしてとうとう、アトレティコの恐怖のアウェイゲームが始まったんですが、いやあ、今節のベティス戦はもう、見慣れていたはずの私でも最高に酷く感じる試合だったんですよ。だってえ、開始4分にアブデのシュートをヒメネスがクリアしようとして、オウンゴールになってしまったのはともかく、それ以降のシメオネ監督のチームは完全崩壊としか言えないような状態に突入。それこそ、3度もパスが続かないどころか、レイニウドを始め、敵に目掛けてパスを出す選手が続出し、気がつくとベティスがシュートを撃っているって、もしかして先週、CLリール戦に負けてから、彼らはまったく練習してなかった? ただ、相手のベティスもアブデを始め、チミ・アビラ、ヒトール・ロッキもシュート精度が悪く、追加点が入らなかったのが救いだったんですが、後半頭から、シメオネ監督はレイニウドとギャラガーに代えて、ガランとセルロートを投入。するとようやく、フリアン・アルバレスも敵エリアに近づけるようになり、7分には強烈なシュートも放ったものの、GKルイ・シウバに弾かれてしまっては。それどころか、19分にはアブデとフォルナルスのシュートが連続してゴールバーを叩いた後、フォルナルスの頭の位置まで足を上げてクリアしたガランにペナルティの笛が吹かれ、ドッキリさせられるなんてことも。 その時はVARが味方してくれて、PK献上には至らなかったんですが、その後入ったコレアのシュートも複数回、ゴール枠に嫌われてしまう始末。結局、オウンゴールの1点で負け、とうとう首位バルサとの差が勝ち点10になってしまったとなれば、もう今季のリーガは終わった?いやもう、この惨状には「El entrenador no ha logrado dar a los jugadores lo que necesitaban para este Partido/エル・エントレナドール・ノー・ア・ログラードー・ダル・ア・ロス・フガドーレス・ロ・ケ・ネセシタバン・パラ・エステ・パルティードー(監督がこの試合で選手たちに必要なことを伝えられなかった)」とシメオネ監督も俯くばかりだったんですけどね。 とはいえ、ボールをキープするエネルギーもない選手たちをどう指導したらいいかなんて、誰にもわかりませんし、大体がして、昨季から続いているアウェイ弱者状態をまったく改善できないとなると、もう手の施しようがないような。ええ、今週木曜のコパ1回戦も相手は地方リーグのビックとはいえ、アウェイですしね。ここで呆気なく敗退して、CLリーグフェーズも年内に敗退確定。更には日曜のラス・パルマス戦でも今ではもう、難攻不落とは言えなくなったメトロポリターノで負けて、勝ち点2差に迫られてしまった、5位と6位のビジャレアル、ベティスに追い抜かれるような破目になったら…2011年にマンサーノ監督が解任されて以来、無縁になっていたはずのアトレティコ恒例、真冬のクライシスが再びやって来そうで、ちょっと怖いです。 2024.10.29 19:00 Tue4
安全策を取ったはずだったのに…/原ゆみこのマドリッド
「どっちもダービー後遺症だったとか」そんな風に私が考え込んでいたのは木曜日、思惑がまったく外れたマドリッド勢のCL2節の記事をスポーツ紙で読みながら、反芻していた時のことでした。いやあ、火曜にバルサがヤングボーイズに5-0と大勝したことや、水曜の早い時間にプレーしたジローナがオウンゴール2発を献上。2-3でフェイエノールトに負けてしまったのにも驚かされたと言えば、まあ、そうなんですけどね。 それが、レアル・マドリーとアトレティコがアウェイで同時開催となった水曜夜9時には、探し回る手間を省いて、近所の行きつけのバル(スペインの喫茶店兼バー)に直行。前者のリール戦をTVで見つつ、ラジオの2元中継でベンフィカ戦の様子を伺っていたところ、まさか筋金入りのアウェイ弱者であるアトレティコのみならず、マドリーまで負けてしまうとは!うーん、確かに日曜のマドリー本家ダービーでは、結果は1-1の痛み分けだったとはいえ、途中、GKクルトワへの物の投げ込みが止まらず。15分程中断されたため、試合が終わったのも午後11時半頃と、リーガ戦にしては遅かったなんてことも。 実際、シメオネ監督が「挑発したクルトワも処分を受けるべき」といった発言が巻き起こした論争や、まさに水曜当日、競技委員会から下された、fondo sur/フォンド・スール(南側ゴール裏)のフレンテ・アトレティコ(ウルトラグループ)が陣取る区画を3試合閉鎖という処分などで、後を引いていたのはアトレティコの方だったんですが、もしやマドリーにも影響があった?どちらにしろ、アンチェロッティ監督も「Golpe de atención. Autocrítica. Esto viene bien para mejorar/ゴルペ・デ・アテンシオン。アウトクリティカ。エストー・ビエネ・ビエン・パラ・メホラル(注意喚起の一撃。自己批判。改善するためにはいいことだ)」と言っていたように、ええ、CL3連覇したジダン監督時代だって、グループリーグで3節まで勝利がなく、決勝トーナメント進出を不安視されていたシーズンもありましたからね。 今は36位チーム中17位と、16強対決に直接進める8位以上からは遠くても、最後は辻褄を合わせちゃうような気がしますが、同じ2試合で勝ち点3ながら、23位となったアトレティコは別の話。というのも、同じく毎回、毎回、こちらも反省の弁は聞くものの、昨季から続くアウェイで力入らずの現状が一向に改善の兆しを見せていないから。 そう、残り6試合、3試合のアウェイ戦全敗ということも考えて、ホーム全勝の勝ち点12となっても8位以上は夢のまた夢。それでも24位以上になれて、決勝トーナメント進出プレーオフに出られることを祈るしかありませんが…マドリーを破って気勢上がるリールとの3節、そして7節にはブンデスリーガ王者のレバークーゼンも来るとなると、メトロポリターノでも満願達成するのは難しいかもしれませんよ。 え、それで肝心の試合はどんなだったのかって?そうですね、とりあえず、アトレティコの方からお伝えしてくことにすると、予定ではオンダ・マドリッド(ローカルラジオ局)の詳しい2元中継を当てにしていたものの、今節はメイン周波数でマドリーの実況、サブの方にアトレティコの実況という新機軸に。しかもそちらは電波が弱いのか、バルの中では音声がほとんど入らず、仕方なく、全国放送の大手ラジオが6対4ぐらいの割合でリールとリスボンを行ったり来たりしていた中継を聴いていたんですけどね。もう序盤からGKオブラクがparadon(パラドン/スーパーセーブ)を余儀なくされているとはまったく、心臓に悪い。それこそル・ノルマンがダービーでチュアメニと頭をぶつけ、このベンフィカ戦遠征に参加できなかったことを悔やむしかなかったんですが…。 とはいえ、アトレティコの呆け呆け守備はDFだけの問題ではなく、ええ、早くも前半13分にはレイニウドが自陣エリア内でクリアしそこねたボールをコケが遠ざけようとして、あろうことか、目の前にいた敵のアウルスネスにパス。そこから、アクトゥルコールに繋がれ、先制点を奪われてしまうって、もしやリーガのアウェイ戦ではたらたらしてても、アスレティック戦やセルタ戦など、相手も点を取れず、スコアレスドローで終盤まで持ちこたえられたのに胡坐をかいていた? 33分にはジョレンテが負傷。モリーナと交代するアクシデントなどはあったものの、ディ・マリアとの1対1をオブラクが防いでくれたこともあって、何とか1-0のままでハーフタイムに入ることはできたんですけどね。それが、この日はラージョ戦では功を奏した後半頭から、3人一気替えもどこかチグハグでねえ。だってえ、いくら前半パッとしなかったからって、グリーズマン、コケ、デ・パウルの重鎮3人をセルロート、ギャラガー、そしてカンテラーノ(Bチームの選手)のセラーノに代えちゃったんですよお。 まさに新たにピッチに入ったMF2人がやらかしてくれたのは後半7分のことで、ええ、エリア内にボールを持って入ったパブリディスを囲んだのはいいものの、近すぎてギャラガーは相手の足を踏んでしまうわ、更にヒメネスまで踏んでいるって、一体、何考えている?当初こそ、主審にスルーされたものの、VAR(ビデオ審判)注進が入り、モニターチェックでペナルティとなってしまったって、そんなの自業自得ですよ。 いやあ、そのPKを決めたのが元マドリーのディ・マリアだったせいもあったんでしょうかね。どうやら、2点差にされて、改めてダ・ルスが2014年CL決勝後半ロスタイム3分、セルヒオ・ラモス弾で追いつかれ、延長戦でボロ負けして、Decima(10回目のCL優勝のこと)をお隣さんに贈った元の悪いスタジアムだったことをシメオネ監督も思い出したよう。 というのも、どうもこの時点で彼は勝負を投げてしまったような感じもして、だってえ、15分にはもう、フリアン・アルバレスを下げて、自身の三男、ジュリアーノを入れ、交代枠を使い切っているんですよ。とはいえ、30分にCKから、フリーのバーにヘッドで3点目を決められたのは別にそのせいではなく、相変わらず、アトレティコのセットプレー守備がザルだったためですが、更に39分には再び、レイニウドがアムドゥニをゴール前で倒してPKを献上。そのPKもコクチェに決められて、枠内シュートが1つもないまま、最後は4-0の大敗で終わり、ええ、それすら御の字で、オブラクがいなければ、10点ぐらい取られていたんじゃないかと思える程、最低の試合をされてはねえ。 それでもシメオネ監督に言わせると、「No hubo falta de actitud ni de tensión, sólo jugamos mal/ノー・ウボ・ファルタ・デ・アクティトゥッド・ニ・デ・テンシオン、ソロ・フガモス・マル(試合に対する姿勢が悪かったのでも、緊張感が欠けていた訳でもない。プレーが悪かっただけ)」だそうなですけどね。さすがにこうまで、アウェイ弱者ぶりを徹底して見せられると、「Pienso en positivo y pienso que es una oportunidad para seguir mejorando/ピエンソー・エン・ポシティボ・イ・ピエンソー・ケ・エス・ウナ・オポルトゥニダッド・パラ・セギール・メホランドー(自分はポジティブに考えて、改善し続けるチャンスだと思う)」という指揮官の言葉を信じるのもそろそろ、限界ですよね。 とまあ、こんなアトレティコの惨劇をライブで目撃することが避けられたという点では、私がマドリーを見ることにしたのは正解だったんですが、余裕の勝利を楽しもうという目論見も外れちゃったんですよ。そう、試合前は1年前にマドリーを退団して、現役からも退いたエデン・アザールが台頭したクラブというぐらいしか、話題がなかったリールなのに、アンチェロッティ監督のチームはなかなか点が取れず。 いえ、序盤にはビニシウスやベリンガムが決められなかったり、14分には背筋痛でベンチとなったロドリゴの代わりに移籍後、初先発。18才のエンドリックもドリブルで上がって、シュートをGKシュバリエに弾かれてしまったなんてこともあったんですけどね。マドリーが実力を出すのは後半だからと、最初は私もあまり気にしていなかったところ…。 ダービーで負傷したクルトワに代わり、久々にゴールを守ったGKルーニンもディビッドの2度撃ちシュートを両方共弾くなど、しっかりしていたため、ハーフタイム間近の44分、シュゲロバの蹴ったFKにカマビンガが手に当ててしまったのが、後追いVAR判定でペナルティに。ディビッドのPKで先制された時も、却って、これでマドリーのremontada(レモンターダ/逆転劇)精神に火が点くに違いないと確信していたんですが、とんでもない。 後半頭からメンディをフラン・ガルシアに代え、12分にはもう、ミリトンとエンドリックから、モドリッチと1週間前のアラベス戦で負傷して、全治3週間と言われながら、超特急で回復してきたエムバベを投入したアンチェロッティ監督だったんですが、どうにもリールの堅固な守備を破れなくてねえ。40分過ぎにはとうとう、土壇場の猛ラッシュが始まったんですが、ベリンガムのゴール前からのシュートも、リュディガー、ギュレルのヘッドもシュバリエに弾かれてしまってはどうしようもありませんって。 結局、そのまま試合は1-0で終了です。いやあ、せっかく昨季の鬼門、唯一の黒星となったメトロポリターノでのダービーを引分けでやり過ごしながら、今年の1月18日、コパ・デル・レイ準々決勝での敗戦以来となる36試合ぶりの黒星をリールに喫してしまうとは、まさに皮肉。要は今季のマドリーがまだ完璧ではないということでしょうが、それでもCL3、4節はドルトムント、ミランをサンティアゴ・ベルナベウに迎えるホームゲーム。その前には10月の各国代表戦によるparon(パロン/リーガの停止期間)もありますしね。せっかく弟のエタンのいるリールへの遠征に間に合いながら、ピッチでは大したことができなかったエムバペもその頃にはまた、ゴールづいてくれるのではないかと。 え、でもその前に7連戦最後のリーガ9節がこの週末に迫っているんじゃないかって?その通りで、折しも木曜にはデシャン監督が、ケガを治さないといけないという理由で10月はエムバペを招集免除にしたことを発表。それだけに、果たして土曜午後9時(日本時間翌午前4時)からのビジャレアル戦で彼がプレーできるのか、わからないんですけどね。リール戦を打撲で途中交代したミリトンは木曜には普通にバルデベバス(バラハス空港の近く)での練習に参加しており、頭数不足のCBは心配ないんですが、この試合の懸念は、今季は珍しく、ビジャレアルがヨーロッパの大会フリーのチームだということ。 たとえ、ベルナベウ開催とあっても休養十分の相手を前にすれば、フィジカル負けしてしまうこともありますからね。未だにブライム、セバージョスらが回復しておらず、ローテーションもなかなか難しいとあって、アンチェロッティ監督もスタメン選びには苦労しそうですが、その点、ツイているのはアトレティコの方。ええ、サン・セバスティアン(スペイン北部のビーチリゾートタウン)でのアウェイ戦だということを除けば、日曜午後9時からの相手のレアル・ソシエダは木曜にELアンデルレヒト戦をプレーして、おまけに1-2で負けるというショックを受けていますからね。 中1日多いアトレティコが体力的には有利なはずですが、木曜にはジョレンテが右太ももの負傷で全治3週間と判明。ル・ノルマンも頭部のケガなだけにまだ様子見ですし、そろそろバリオスは戻って来られそうなのだけが頼りですが…何より先日、フランス代表引退を表明したグリーズマンがこの先2週間、ゆっくり休めることを励みに古巣への恩返しに張り切ってくれたら、助かりますよね。 そして今週はミッドウィークに試合がなかった弟分たちは、まずは金曜にレガネスがバレンシアをブタルケに迎えて9節の先陣を切るんですが、ボルハ・ヒメネス監督のチームはここ、2試合のダービーラッシュでヘタフェ、ラージョと連続ドロー。そろそろ、今季2勝目を挙げて、ホームのファンを喜ばせてあげたいところですが、相手が降格圏の18位と不調なのがいいチャンスになるかも。今のところ、頼りになるアタッカーがファン・クルスしかいないのは何ですが、早くハラーのゴールも見てみたいものです。 一方、土曜試合組なのが弟分の古株2チームで、ヘタフェはコリセウムでのオサスナ戦。いえまあ、相手は前節、バルサに4-2と勝利して、注目を浴びているんですが、それはホームのエル・サダルでの話ですからね。アウェイではラージョに負けているところも私は目撃していますし、先週末のアラベス戦で今季初勝利、ようやくボルハ・マジョラル、アルバロ・ロドリゲス、ベルトゥとCFも3人揃い、降格圏も脱出したボルダラス監督のチームが勝ち癖をつけるには、ここでガツンと行くしかないかと。 ラージョの方はアウェイのバジャドリー戦で、こちらも降格圏19位の相手なんですが、イニゴ・ペレス監督のチームも現在、3連続引分け中でねえ。それでも9位と弟分中、最高位にいるだけに、弱い訳ではないんですが、注目どころはやはり、ハメス・ロドリゲスがいつ本格的な稼働状態になるのかどうか。ええ、来週は彼もまた、コロンビア代表のお勤めが待っているはずですからね。何はともあれ、これで連戦続きの3週間が終わるのには、私もちょっとホッとしています。 2024.10.04 20:00 Fri5
スペイン代表のプレシーズンも終わった…/原ゆみこのマドリッド
「メルヘンユニでも弱くはないのよね」そんな風に私が頷いていたのは火曜日、またTVで流し見していたU21ユーロ予選でスペインがハンガリーにロベルト・ナバロ(マジョルカ)のゴールで0-1と勝利。10試合中7試合目にして、早くも2025年の本大会の切符を掴むのを見た時のことでした。いやあ、確かにこの夏のパリ五輪を制したU23代表も何故か、フランスの地では第2ユニのレモンイエローを着用してプレーする試合が多かったんですけどね。金メダリストであるクバルシ(バルサ)やサム(アトレティコからポルトに移籍、昨季はアラベスでプレー)、トゥリテンテス(レアル・ソシエダ)、イトゥルベ(アトレティコB)、ディエゴ・ロペス(バレンシア)、ファンル(セビージャ)らにもっと若いメンバーを加えた、五輪の指揮官でもあったサンティ・デニア監督の率いるチームはサクサク、2連勝で目的を果たすことに。 まあ、その出場権獲得祝いに加われなかったバリオス(アトレティコ)の話はまた後ですることにして、まさに頼もしい後輩たちですが、この9月代表戦は兄貴分たちもアウェイ戦が2試合続き、うーん、こちらはネーションズリーグ同グループの他3チーム、セルビア、スイス、デンマークも揃って、第1ユニが赤いというのもあるんですけどね。パステル調の色だけでなく、シャツの背中の首のところ付いている、赤いカーネーションを見る度、私もこんな可愛いユニでプレーして、敵に舐められるんじゃないかと思ったもの。それこそ先週木曜のグループリーグ初戦、セルビア戦でスコアレスドローした際など、7月に12年ぶりに戴冠したユーロのせいで、王者呆けしちゃったのかと恐れもしたところ、全然大丈夫。というのも…。 そう、日曜にジュネーブで2節のスイス戦に挑んだスペインA代表だったんですが、実は試合前はセルビア戦で足首に重度のネンザを負ったオジャルサバル(レアル・ソシエダ)が離脱していただけでなく、ダニ・オルモも打撲のせいで、プレーできないという逆境が発生。モラタ(アトレティコからミランに移籍)も負傷中で招集されていなかったこともあり、ゴール不足が懸念されていたんですけどね。蓋を開けてみれば、ええ、シメオネ監督もよく、「La pelota no quiso entrar/ラ・ペロータ・ノー・キソ・エントラル(ボールがゴールに入りたがらなかった)」と言い訳しているように、セルビア戦は本当に撃っても撃っても入らない日だっただけなのが判明したんですよ。 何よりの大当たりだったのは、デ・ラ・フエンテ監督がセルビア戦のアジョセ(ベティスからビジャレアルに移籍)から、CFをホセル(レアル・マドリーへのレンタルが終わってアル・ガラファに移籍)に変えたことで、早くも3分にはシュート。これは代表引退をしたゾマー(ミラン)の後を継いだGKコベル(ドルトムント)に弾かれてしまったものの、それから1分もしないうち、エリア内右奥からのジャマル(バルサ)のクロスをヘッドでジャストミートとは頼もしい。そのボールはコベルが弾いたものの、ゴールラインを越えていたことがVAR(ビデオ審判)で確認され、先制点となってくれたから、驚いたの何のって。 それでも初戦のデンマーク戦で2-0と負けていたスイスは同胞の熱い応援を受けて、すぐに反撃を開始。ユーロの後、ゾマー以外にもファビアン・シェア(ニューキャッスル)、ジェルダン・チャチリ(バーゼル)らも代表引退、その日は直前の試合で退場したグラニト・ジャカ(レバークーゼン)も出場停止だったにも関わらず、7分にはエンボロ(モナコ)のアシストでオメラジッチ(モンペリエ)にGKダビド・ラジャ(アーセナル)が破られているって、どういうこと?いえ、この時はプレーの起点でフロイラー(ボローニャ)の手にボールが当たり、ハンドのファールでゴールは認められなかったんですけどね。 実際、この試合の前半は波乱続きで、いえ、13分にニコ・ウィリアムス(アスレティック)のシュートがコベルに弾かれた後、エリア内に駆けつけたファビアン(PSG)が撃ち込んで、スペインは2点目をゲット。セルビア戦の精度のなさは一過性だったことを証明してくれたのは良かったですよ。それが21分、カウンターで抜け出したエンボロを追ったル・ノルマン(アトレティコ)が相手を力づくで止め、最後のDFのファールということで、レッドカードを出されてしまうとは、これ如何に。最初はエンボロがオフサイドだった可能性もあったため、私もすがるような思いで、VAR判定を待っていたんですが、そうは問屋が卸しません。 結局、オフサイドはなく、ル・ノルマンは退場に。いえ、アトレティコ的には代表2試合フル出場とならず、体力を温存できたのは有難いんですけどね。この試合の後半にイエローカードをもらい、累積警告となったカルハバル(マドリー)と共に、彼も10月最初の1試合は出場停止になるため、スペイン代表から、マドリッド勢が消滅してしまう危険もなきにしろあらず。まあ、そんな心配はもっと先にすればいいんですが、すぐにデ・ラ・フエンテ監督はペドリ(バルサ)を下げ、CBビビアン(アスレティック)を入れたとはいえ、残り70分以上、数的劣勢でプレーしなければいけなくなったスペインが持ち越えたのかというと…。 それが雨がザーザー降っていたスタッド・ドゥ・ジュネーブで、耐えちゃたどころじゃなかったんですよ。いえ、41分にはエンボロがヘッドで繋いだボールをアムドゥニ(ベンフィカ)にゴールに蹴り込まれ、1点差に迫られて、ハーフタイムに入ったスペインだったんですけどね。更に後半3分はやはりCKから、アンドゥニにヘッドされ、そのボールをビビアンがクリアし損ねて、オウンゴールに。その時は幸い、バルガス(アウクスブルク)のCKの軌道がゴールラインを越えていたおかげで命拾いという幸運に恵まれたんですが、10人で何とか、やりくりしていたスペインに再び、火が点いたのは残り15分となってからのことでした。 そう、後半頭から、「とても要求の高い前半のせいで疲れ果てていた」(デ・ラ・フエンテ監督)ジャマルとバトンタッチしたフェラン・トーレスが、バルサの先輩としての矜持を見せてくれたんですよ。32分にはGKラジャのロングキックを追って、敵エリアの右側からファビアンにキラーパス。これをユーロでも2得点を挙げているMFがゴールに変えると、その3分後にはまたフェランがホセルのスルーパスからドリブルで上がり、今度は自分で4点目を挙げてしまったとなれば、もう恐れるものは何もない? そのまま、1-4で勝利したスペインだったんですが、この日の彼らの冴えぶりはデータからもわかって、21本も撃ちながら、ゴールがまったく入らなかったセルビア戦と違い、合計9本のシュートで枠内が8本も。この勝利でようやく、代表もプレシーズンが終わったと言っていいかと思いますが、いやあ。次回は1カ月先の10月12日、2連勝で首位に立っているデンマークをムルシアのエンリケ・リコに、その3日後にセルビアをコルドバのヌエボ・アルカンヘルに迎えるとあって、それまでに誰に何が起きるかわかりませんからね。チームの継続性を保証できないのは辛いところですが、とりあえず、ユーロ同様に強いスペインが見られたのは良かったかと。 え、スペイン代表戦が終わったってことはもう、リーガ再開も近いんじゃないかって?その通りで、金曜には弟分のレガネスがアウェイのベティス戦で5節の先陣を切るんですけどね。このparon(パロン/リーガの停止期間)のおかげで、8月末の移籍市場クローズ最後の瞬間にサプライズ加入したハラー(ドルトムントからレンタル)がチームに慣れることができたのは嬉しい限り。とりあえず、1部再昇格してからの4試合を1勝2分け1敗で9位と、まずまずなスタートを切ったボルハ・ヒメネス監督のチームは、これでFWが6人となり、ミゲール・デ・ラ・フエンテを筆頭にディエゴ・ガルシア、ファン・クルス、ラバ、ムニル(ラス・パルマスから移籍)と駒は十分なんですけどね。やはり2部と違って、そうそうゴールは入るもんじゃないため、アタッカーは多いに越したことはありませんって。 そして土曜にはお隣さん、ヘタフェもセビージャへ赴き、こちらはサンチェス・ピスファンでベティスのお隣さんとアウェイゲーム。ボルダラス監督のチームは開幕から、ずっと引分けで16位と、マドリッド勢の中で一番下にいるんですが、それにはミッドウィーク開催の3節ベティス戦が、相手にコンフェレンスリーグ予選プレーオフがあったために順延となり、まだ3試合しかプレーしていないという事情も。いえ、だからって、得点がボランチ本職ながら、CFに抜擢されているウチェ(RFEF1部/実質3部のセウタから移籍)の開幕アスレティック戦での同点ゴールしかないというのはあまり、励ましにはなりませんけどね。 0-0に終わったコリセウムでのレアル・ソシエダから、2週間も経つとなれば、今度こそ、エースのボルハ・マジョラル、マドリーの夏のアメリカツアーでネンザしたアルバロ・ロドリゲス(RMカスティージャからレンタル)らの実戦復帰が期待されるところですが、こればっかりはねえ。幸い、相手のセビージャは開幕から1分け3敗で最下位と、調子が悪いのは都合がいいんですけどね。来週はそのベティス戦が水曜に入って、3連戦となるため、ヘタフェも早く、最善がスコアレスドローという状態から、脱却してほしいものです。 そして土曜の午後9時(日本時間翌午前4時)からは兄貴分マドリーの番で、こちらはサン・セバスティアンでのレアル・ソシエダ戦。ええ、オジャルサバルが松葉杖をついて、帰って行ったチームですが、彼らはヘタフェ戦でもブライス・メンデス、トラオレを負傷で失うという不運に遭遇しているんですよ。とはいえ、ケガ人自慢ではマドリーの方が上を行っていて、ええ、ご存知の通り、昨季、ヒザの靭帯を断裂したアラバ、UEFAスーパーカップの前日練習でヒザを捻ったカマビンガ、代表戦直前のベティス戦で重度のネンザを負ったセバージョスはまだ当分、戻れない見込み。 唯一、フランス代表から即Uターンとなった2人組のうち、メンディだけは大丈夫そうなんですけどね。足の中足骨の痛みに悩むチュアメニ、足底筋を痛めたベリンガム、太もものケガでブラジル代表を早退してきたミリトンは微妙なところで、何せ、マドリーはこの先、3週間、地獄の連戦サイクルに突入。とりわけ、来週火曜には新フォーマットのCL1節、シュットガルト戦も控えているため、アンチェロッティ監督も選手にムリはさせないでしょうが、何はなくとも攻撃面では人が余りまくっていますからね。 ええ、この各国代表戦でもロドリゴが土曜のエクアトリア戦で決勝ゴールを挙げたかと思えば、ブライムもモロッコ代表で2得点して帰還。ネーションズリーグ1節のウェールズ戦で終盤、交代を頼み、すわ負傷かと心配されたギュレルもただの打撲で、月曜のアイスランド戦でアシストを記録していますし、モドリッチまでが日曜のポーランド戦で直接FKを決め、クロアチアを勝利に導いているとなればって、え?長年の夢が叶って、とうとうマドリー入団を果たした超大型新人、エムバペはどうしたのかって? いやあ、4節のベティス戦で2得点挙げ、とうとうリーガでもゴールデビューした彼だったんですが、お隣さんのグリーズマン同様、フランス代表の2試合ではあまり貢献できなくてねえ。イタリアに1-3と負けた後、月曜のベルギー戦では共々、ベンチスタートとなったんですが、チームは彼らがピッチに入る前にコロ・ムアニとデンベレのPSGコンビがゴールを決め、2-0と勝利。もう33才になったグリーズマンはともかく、25才のエムバペがあれではデシャン監督も大変かと。 一方、そのグリーズマンや太平洋の向こうに出向しているアルゼンチン代表組の帰りを首を長くして待っているアトレティコは日曜午後9時から、メトロポリターノでのバレンシア戦でリーガ再開となるんですが、週が明けて、ショックなニュースが一つ。というのも筋肉痛でU21スペイン代表を離脱してきたバリオスが思ったより重傷で、実は全治1ケ月のケガだったというのがわかったからですが、マドリー同様、連戦期間に入るシメオネ監督のチームにとっては、かなりの痛手になったかと。同様に体調不良のオブラクの代わりに出場したデビュー戦、アスレティック戦で痛めた背中のせいで、アルゼンチン代表を早退してきたGKムッソは火曜のマハダオンダ(マドリッド近郊)の練習から合流しています。 ちなみに現在、相手のバレンシアはウーゴ・ドゥロの負傷と、強姦容疑で逮捕されたラファ・ミル(セビージャからレンタル)がチームから隔離されたのが重なり、得点力が低下しているのはともかく、シメオネ監督はこの試合でこの夏、最後の補強となったCBレングレ(バルサからレンタル)のデビューを計画しているよう。まあ、今回の代表戦週間はヒメネスも出場停止でウルグアイ代表に行っていませんから、守備の面では心配はなさそうですけどね。それより指揮官の願いは、チリ戦でgolazo(ゴラソ/スーパーゴール)を挙げたフリアン・アルバレス(マンチェスター・シティから移籍)が火曜深夜のコロンビア戦でもゴールづいて、その勢いをアトレティコでの初得点に繋げてくれることだった? いや、実際、不思議な縁で、その対戦のコロンビア側では、ペルー戦で後半だけの出場だったハメス・ロドリゲスが先発。しかもアルゼンチンに2-1と勝利するPKゴールを決めたとなれば、嫌が応でも月曜にオサスナ戦をエスタディオ・バジェカスで迎えるラージョファンの胸は、ファルカオに続く、この夏の目玉移籍のデビューへの期待で高鳴ることになったんですが、もしやそれはイニゴ・ペレス監督も同じだった?ええ、今は11位とはいえ、ラージョはバルサ、エスパニョールとカタルーニャ勢に負けて、2連敗中ですからね。RdT(ラウール・デ・トマス)の姿をほとんど見かけなくなった昨今、さすがにカメージョだけでは頼りないため、チームが勝ち癖を取り戻すためにもハメスには貢献してもらいたいものですが…何かちょっと、再びスタジアム通い漬けになる今週末以降のハードスケジュールが私も恐ろしいんですよね。 2024.09.11 19:00 Wedレアル・マドリーの人気記事ランキング
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取るべく人のゴールによって2点リードで試合を折り返したマドリーは、何とか前半は乗り切ったバスケスを下げてモドリッチをハーフタイム明けに投入。前半終盤にバスケスの代役を務めていたバルベルデが後半も右サイドバックでプレーする形に。 後半も立ち上がりから主導権を握るエル・ブランコは、ゴールがほしいムバッペが積極的な仕掛けを幾度も見せると、ボックス付近で際どいシュートを放っていく。そのムバッペのゴールはならずも、再び背番号7が魅せる。 61分、オサスナの左CKを直接キャッチしたGKルニンが背後を狙うヴィニシウスへ圧巻のロングパントを通すと、DFアレソを振り切ったヴィニシウスがボックス内でGKまで左にかわして無人のゴールへ“ノールックシュート”を流し込み、ロングカウンターをゴールで完結。ドブレーテを達成した。 この3点目で完全にオサスナの心を折ったホームチームは一気呵成の攻撃で追加点に迫ると、69分にはブラヒム・ディアスのボックス付近でのボール奪取からゴール前でプレゼントパスを受けたヴィニシウスが難なく右足シュートを突き刺し、トリプレーテまで達成した。 これで勝利を確信したアンチェロッティ監督は最後の交代機会で殊勲のゴールスコアラー2人を下げてギュレル、エンドリッキを75分に同時投入。出場機会に飢える若武者2人にチャンスを与えた。 その後、ムバッペを含めて追加点を決めることはできず、マニータこそ逃したが、曲者オサスナに最後まで何もさせなかったマドリーが、直近2試合の不甲斐ない戦いを払拭する圧巻の勝利を収めて連敗ストップに成功した。 レアル・マドリー 4-0 オサスナ 【レアル・マドリー】 ヴィニシウス・ジュニオール(前34、後16、後24) ジュード・ベリンガム(前42) <span class="paragraph-title">【動画】ヴィニシウス&ベリンガムのゴラッソ!</span> <span data-other-div="movie"></span> <blockquote class="twitter-tweet" data-media-max-width="560"><p lang="ja" dir="ltr">ロドリゴ、ミリトンの負傷後・・・<br>同胞のヴィニシウスが圧巻の個人技<br>嫌な流れを断ち切る先制点<br><br>ラ・リーガ 第13節 <a 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href="https://twitter.com/hashtag/%E3%82%AA%E3%82%B5%E3%82%B9%E3%83%8A?src=hash&ref_src=twsrc%5Etfw">#オサスナ</a><br><br><a href="https://t.co/RQUF2JreQA">https://t.co/RQUF2JreQA</a> <a href="https://t.co/L2gbEKEnOL">pic.twitter.com/L2gbEKEnOL</a></p>— U-NEXTフットボール (@UNEXT_football) <a href="https://twitter.com/UNEXT_football/status/1855246915904102876?ref_src=twsrc%5Etfw">November 9, 2024</a></blockquote> <script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script> <blockquote class="twitter-tweet" data-media-max-width="560"><p lang="ja" dir="ltr">ルニンのパントキックから<br>ヴィニシウスが抜群のスピードを見せつける<br>最後はノールックで魅せる<br><br>ラ・リーガ 第13節 <a href="https://twitter.com/hashtag/%E3%83%AC%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%9E%E3%83%89%E3%83%AA%E3%83%BC?src=hash&ref_src=twsrc%5Etfw">#レアル・マドリー</a> v <a href="https://twitter.com/hashtag/%E3%82%AA%E3%82%B5%E3%82%B9%E3%83%8A?src=hash&ref_src=twsrc%5Etfw">#オサスナ</a><br><br><a href="https://t.co/RQUF2JqH12">https://t.co/RQUF2JqH12</a> <a 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2024</a></blockquote> <script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script> 2024.11.09 23:58 Sat2
初栄冠ロドリはヴィニシウスとの争いを41ポイント差で制す バロンドール最終結果が判明
2024年バロンドールの投票結果が明らかになった。 2024年バロンドールは10月28日にパリで行われた授賞式で発表され、マンチェスター・シティのスペイン代表MFロドリが初の栄冠に。シティでのプレミアリーグ4連覇にスペイン代表でのユーロ2024制覇、そして昨季の出場した公式戦64試合でわずか1敗という驚異的な勝率も評価されたか。 スペイン国籍の選手として1960年以来、ルイス・スアレスに次ぐ3人目の快挙として大きく取り上げられた一方で、ブラジル代表FWヴィニシウス・ジュニオールの落選がレアル・マドリーの授賞式不参加に発展したりと波紋を広げた今回だが、2人の差は「41ポイント」だったという。 フランス『レキップ』が報じたところによると、初受賞のロドリは1170ポイントをゲットしたのに対して、ヴィニシウスは1129ポイント。3位だったレアル・マドリーのイングランド代表MFジュード・ベリンガムが917ポイントだったのを鑑みると、ロドリとヴィニシウスの一騎打ちだった。 そんな投票は各審査員が上位10選手を推薦し、その選手にそれぞれそれぞれ15点、12点、10点、8点、7点、5点、4点、3点、2点、1点を割り当てて決定。15ポイントを最も獲得した選手は5人から支持を受けたベリンガムだったようだ。 ◆最終的な投票結果 1.ロドリ(スペイン/マンチェスター・シティ) - 1170ポイント 2.ヴィニシウス・ジュニオール(ブラジル/レアル・マドリー) - 1129ポイント 3.ジュード・ベリンガム(イングランド/レアル・マドリー) - 917ポイント 4.ダニエル・カルバハル(スペイン/レアル・マドリー) - 550ポイント 5.アーリング・ハーランド(ノルウェー/マンチェスター・シティ) - 432ポイント 6.キリアン・ムバッペ(フランス/パリ・サンジェルマン→レアル・マドリー) - 420ポイント 7.ラウタロ・マルティネス(アルゼンチン/インテル) - 402ポイント 8.ラミン・ヤマル(スペイン/バルセロナ) - 383ポイント 9.トニ・クロース(ドイツ/レアル・マドリー→引退) - 291ポイント 10.ハリー・ケイン(イングランド/バイエルン) - 201ポイント 11.フィル・フォーデン(イングランド/マンチェスター・シティ) - 157ポイント 12.フロリアン・ヴィルツ(ドイツ/レバークーゼン) - 101ポイント 13.ダニ・オルモ(スペイン/RBライプツィヒ→バルセロナ) - 86ポイント 14.アデモラ・ルックマン(ナイジェリア/アタランタ) - 82ポイント 15.ニコ・ウィリアムズ(スペイン/アスレティック・ビルバオ) - 73ポイント 16.グラニト・ジャカ(ドイツ/レバークーゼン) - 60ポイント 17.フェデリコ・バルベルデ(ウルグアイ/レアル・マドリー) - 58ポイント 18.エミリアーノ・マルティネス(アルゼンチン/アストン・ビラ) - 28ポイント 19.マルティン・ウーデゴール(ノルウェー/アーセナル) - 16ポイント 20.ハカン・チャルハノール(イタリア/インテル) - 15ポイント 21.ブカヨ・サカ(イングランド/アーセナル) - 14ポイント 22.アントニオ・リュディガー(ドイツ/レアル・マドリー) - 13ポイント 23.ルベン・ディアス(ポルトガル/マンチェスター・シティ) - 8ポイント 24.ウィリアム・サリバ(フランス/アーセナル) - 8ポイント 25.コール・パーマー(イングランド/チェルシー) - 7ポイント 26.デクラン・ライス(イングランド/アーセナル) - 5ポイント 27.ヴィティーニャ(ポルトガル/パリ・サンジェルマン) - 5ポイント 28.アレハンドロ・グリマルド(スペイン/レバークーゼン) - 2ポイント 29.アルテム・ドフビク(ウクライナ/ジローナ→ローマ) - 0ポイント -.マッツ・フンメルス(ドイツ/ドルトムント→ローマ) - 0ポイント 2024.11.09 12:52 Sat3
ミリトンに2年連続の悲劇…右ヒザ前十字じん帯断裂で今季絶望…ロドリゴ&バスケスも1カ月程度の離脱に
レアル・マドリーは9日、ブラジル代表DFエデル・ミリトンの負傷を報告した。 ミリトンは9日に行われたラ・リーガ第13節のオサスナ戦に先発出場。しかし、前半半ば過ぎに攻撃時のセットプレーでゴール前に抜け出した際、相手選手と競り合った際に芝に足を取られる形で右ヒザを負傷。地力での歩行が不可能となり、担架に乗せられてピッチを後にした。 負傷後の痛がり方や担架で運ばれる際にはユニフォームで顔を覆っており、重傷の可能性が危惧されたが、試合後に発表されたメディカルレポートでは右ヒザの前十字じん帯の完全断裂と両半月板の損傷という重傷が明かされた。 近日中に手術を受ける予定となるブラジル代表の全治は9カ月程度が見込まれており、今シーズン中の復帰が絶望的となった。 ミリトンは昨年8月に逆の左ヒザの前十字じん帯断裂という重傷を負っており、2年連続の悲劇となった。 また、FWヴィニシウス・ジュニオールのトリプレーテの活躍で4-0の快勝した同試合では、ミリトンと同じくブラジル代表FWロドリゴ・ゴエス、スペイン代表DFルーカス・バスケスの2選手が負傷交代していた。 スペイン『アス』によると、ロドリゴは右大腿直筋の負傷で約1カ月の離脱、バスケスに関しては左内転筋の負傷によって3週間程度の離脱を強いられる見込みだ。 元々、手薄なディフェンスラインではオーストリア代表DFダビド・アラバに復帰の目途が立ち始めているものの、右サイドバックに加えてセンターバックの補強が急務となり、カンテラーノの抜擢やフリートランスファーでの緊急補強も念頭に置きつつ、今冬の移籍市場での補強は確実となった。 2024.11.10 06:00 Sun4
バロンドール初受賞ロドリの振る舞いが物議…受賞逃したヴィニシウス揶揄のチャントに批判
バロンドールを初受賞したマンチェスター・シティのスペイン代表MFロドリだが、授賞式後のディナー中の振る舞いが物議を醸している。スペイン『エル・チリンギート』が伝えている。 昨シーズンはシティのプレミアリーグ4連覇、スペイン代表のユーロ2024の立役者となった世界最高峰のピボーテ。ここ数年の圧倒的なパフォーマンスと前述の実績によって有力なバロンドール候補に挙げられていた一方、対抗にはレアル・マドリーのチャンピオンズリーグ、ラ・リーガ2冠に貢献したブラジル代表FWヴィニシウス・ジュニオール、スペイン代表DFダニエル・カルバハル、イングランド代表MFジュード・ベリンガムの3選手が挙げられていた。 当初はヴィニシウスの受賞が有力と見られたが、最終的にはシティズンズとラ・ロハの絶対的な司令塔が初受賞した。 この決定に対しては、事前に受賞を逃したことがリークされたか、授賞式参加をボイコットしたマドリー陣営から多くの憤りや不満の声が挙がっていた。 そんななか、ロドリは授賞後のスピーチで「今日は僕にとっての勝利ではなく、スペインフットボール界にとっての勝利」、「多くの友人がフットボールが勝ったと言ってくれた」と、マドリーを揶揄するような発言も行っていた。 一連の発言に関しては特に大きく取り上げられることはなかったが、授賞式後のディナー中の様子を映した動画における煽りが物議を醸すことになった。 一時マンチェスター・シティの公式SNSに投稿され、すぐさま削除された動画ではバロンドール初受賞で興奮するロドリが「ヴィニ、バイバイ!、ヴィニ、バイバイ!、バイバイ、バイバイ!」とのチャントを歌っている姿が映されていた。 これは受賞を逃したヴィニシウスを馬鹿にする意図があったと思われ、マドリディスタを中心にリスペクトを欠く振る舞いだと批判が殺到。そのネガティブな反応によって投稿削除に至った。 なお、マドリーの宿敵であるアトレティコ・マドリー出身のロドリは、今回の一件以外にもユーロ制覇後の祝賀会での「ジブラルタルはスペインのものだ」との発言が問題視され、1試合の出場停止を科された過去もあった。 授賞式前のマドリーサイドの振る舞いにフラストレーションを溜めたゆえの行動で、内輪だけであれば大きな問題とはならなかっただけに、動画を投稿した側に責任の大半はあるが、ユーロ後の反省を活かして自重したいところだった。 <span class="paragraph-title">【動画】ロドリの物議醸したチャント</span> <span data-other-div="movie"></span> <blockquote class="twitter-tweet" data-media-max-width="560"><p lang="es" dir="ltr"> ¡RODRI SE ACUERDA DE VINICIUS celebrando el BALÓN DE ORO!<br><br> El Manchester City sube... y borra un vídeo del mediocentro festejando su galardón.<br><br> '¡Vini ciao, Vini ciao, ciao, ciao!' <a href="https://t.co/HOjd86eQ9K">pic.twitter.com/HOjd86eQ9K</a></p>— El Chiringuito TV (@elchiringuitotv) <a href="https://twitter.com/elchiringuitotv/status/1851402080600117536?ref_src=twsrc%5Etfw">October 29, 2024</a></blockquote> <script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script> 2024.10.31 06:30 Thu5