【2022年カタールへ期待の選手vol.86】トップ下のライバル・久保建英とは共存の道も。日本の分岐点・10月2連戦で爆発を!/鎌田大地(フランクフルト/MF)

2021.09.12 15:00 Sun
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「僕自身は最終予選が初めてだったので、どう言うものか全く想像つかなかったけど、どのチームもワールドカップ(W杯)に向けて、すごく熱い気持ちがあるんだなと感じました。どことやっても簡単な試合にならないとなと。僕たちも気持ちや頭の部分でもっと切り替えてやって行く必要があるかなと思いました」

2日の2022年カタールW杯アジア最終予選初戦・オマーン(吹田)。先発トップ下に抜擢されながら思うような仕事ができず、まさかの0-1の敗戦を喫した鎌田大地(フランクフルト)は、未知なるアジアの戦いの怖さを思い知らされた。

2列目で息の合ったコンビネーションを見せてきた南野拓実(リバプール)が負傷離脱したことも困難の要因だったが、対戦相手に大迫勇也(神戸)とのホットラインを寸断されたのは痛かった。
続く7日の中国戦(ドーハ)は同じポジションのライバル・久保建英(マジョルカ)にスタメンを譲る形になった。背番号17をつける20歳の若武者はキレのある動きと強烈なフィニッシュを見せつけ、攻撃を活性化させると同時に白星の立役者となった。その久保の一挙手一投足をベンチから眺めることになった鎌田は、ラスト15分間だけ共演するチャンスを与えられたが、南野と組むような流れるような連動性は残念ながら示せなかった。

2019年3月のコロンビア戦(日産)での初キャップから2年半。日本代表では比較的順調な歩みを見せてきた鎌田にとって、ここまで不完全燃焼感の強いシリーズは初めてだっただろう。
とはいえ、このまま足踏み状態を続けるわけにはいかない。日本は目下、オーストラリア、サウジアラビア、オマーンに続くB組4位に沈んでいるからだ。仮に上位2位以内に入れず、3位に甘んじた場合は、A組3位とのプレーオフに加え、北中米カリブ海か南米、オセアニアのいずれかとの大陸間プレーオフにも勝たなければいけなくなる。そこまで行くことだけは絶対に避けたいところ。10月のサウジアラビア(アウェー)、オーストラリア(ホーム)2連戦で勝ち点6を取れば、一気に形勢逆転できるだけに、次のシリーズが最大の山場。そこまでに彼自身の調子を引き上げることが肝心なのだ。

20-21シーズンの鎌田はフランクフルトでブンデスリーガ1部3位となる15アシストを記録。ゴールも5という数字を残し、評価を一気に上げた。その好調ぶりが今年3月、6月の日本代表シリーズでは如実に出ていて、彼を起点に多彩な攻撃パターンが組み立てられていた。

しかしながら、指揮官がアディ・ヒュッター(現ボルシアMG監督)からオリバー・グラスナーに代わった今季は戦術の落とし込みや連携構築に予想以上に時間がかかり、21-22シーズン公式戦初戦となったDFBポカール1回戦で3部のヴァルドホフ・マインツに0-2の敗戦。鎌田本人も信じがたい現実を目の当たりにさせられた。その翌週末からスタートしたリーグ戦もここまで2分1敗の未勝利。まだ3試合が終わったところだが、14位という不本意な成績に甘んじている。

代表ウイーク明けの9月は、12日のシュツットガルト戦を皮切りに、UEFAヨーロッパリーグ(EL)グループステージも始まる。10月の代表2連戦までに公式戦6試合が組まれ、遠藤航(シュツットガルト)や三好康児(アントワープ)らとの日本人対決もあるため、鎌田としては絶対に負けられない気持ちでいるはず。そこで自身がゴールかアシストという明確な数字を記録し、チームも白星街道を歩むことができれば、代表での序列も変わってくる。久保が新天地・マジョルカで調子を上げている時だけに、彼をしのぐ勢いで活躍することが必要になるのだ。

10月のサウジアラビア戦は伊東純也(ヘンク)が出場停止。代役が誰になるのかというのは極めて重要なテーマと言っていい。森保一監督のここまでの序列では、堂安律(PSV)が第一候補だろうが、その堂安も夏の移籍でドイツのクラブに行くことができず、PSVでコンスタントに出場機会を得るのは難しそうだ。昨季はドイツのビーレフェルトで全試合出場を果たしていただけに、本人としてもコンディション調整に苦しむかもしれない。

1トップと2列目という前線の複数ポジションをこなせる古橋亨梧(セルティック)も中国戦の右ヒザの負傷で1カ月程度の離脱を強いられることが判明。チームにとってはショッキングなニュースに他ならない。2018年ロシアW杯で右サイドを担った原口元気(ウニオン・ベルリン)も近年は中央を主戦場としていて、以前にようなウインガー的な活躍を求めるのは難しいかもしれない。

となれば、中国戦のラスト15分間のように、鎌田がトップ下、久保が右サイドという選択肢も大いにあり得る。南野のケガの状況がどうなるか未知数ではあるが、背番号10が戻ってくれば3人が流動的に動いて敵をかく乱する攻撃も大いに期待できる。ただ、そこまでに3人がそれぞれ所属クラブでパフォーマンスを上げ、豊富な運動量で敵を凌駕できる状態になっていることがポイントだ。鎌田は試合に出続ければそのレベルには到達できるはず。この1か月間が代表キャリアを賭けた勝負になると言っても過言ではないのだ。

「正直、僕自身は誰とやっても共存できる。自分がトップ下じゃなくて、他のポジションだってできると思うし、それは監督が決めること。僕自身は誰とやってもうまくできるようにしたいし、どこのポジションで使われても、ある程度いいパフォーマンスをできる選手にならないとダメかなと思います」

本人も柔軟性や適応力を高め、つねに高いレベルをキープできるようにしたいと静かな闘志を燃やしている。幼少期からの夢であるW杯の大舞台に立とうと思うなら、この9月に全身全霊を注ぐこと。今こそ鎌田大地の底力を見せてほしい。

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菅原由勢はアピールに“失敗”したのか?右のスペシャリストが45分で表現したもの

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電撃加入の昌子源も…意外と知らない?ガンバ大阪下部組織出身者

トゥールーズでプレーしていた日本代表DF昌子源(27)が3日、ガンバ大阪に電撃移籍を果たした。 鹿島アントラーズからフランスへ渡ってから1年。昨シーズンの後半戦はレギュラーポジションを掴みかけたが、今シーズンはケガの影響もありリーグ・アンで1試合、わずか45分の出場にとどまっていた。 日本への復帰を目指していた昌子は様々なクラブに売り込みをかけていたと現地でも報じられていた中、移籍先に決定したのはガンバ大阪。ジュニアユース時代に過ごした“古巣”への復帰となった。 昌子は米子北高校に進学した後、鹿島へと入団しているため、ガンバ大阪の下部組織出身だったことを知らない方も多かったのではないだろうか。下部組織から数多くの選手を輩出しトップチームでもプレーした選手が多い中、今回はガンバ大阪でプレーしていない選手を一部紹介したい。 ◆DF荒木隼人(23) ガンバ大阪門真ジュニア→ガンバ大阪門真ジュニアユース→サンフレッチェ広島ユース→関西大学→サンフレッチェ広島 小中とガンバ大阪で過ごし、ユースはサンフレッチェ広島を選択した荒木。2019年に関西大学から広島に加入した荒木。プロ1年目からレギュラーポジションを獲得すると、J1リーグで24試合に出場し2得点。持ち前の体格を生かした空中戦の強さもあり、日本代表にも招集された。 ◆MF鎌田大地(23) ガンバ大阪ジュニアユース→東山高校→サガン鳥栖→フランクフルト→シント=トロイデン→フランクフルト 中学生からジュニアユースに加入した鎌田は、当時から才能あふれる期待の選手だったものの、ケガの影響もありユース昇格を果たせず。その後、東山高校へ進学し、2015年にサガン鳥栖へ入団。現在はドイツのフランクフルトでプレー。日本代表にも招集されている。 ◆MF仙頭啓矢(25) ガンバ大阪門真ジュニア→FCグリーンウェーブU-15→京都橘高校→東洋大学→京都サンガF.C.→横浜F・マリノス 小学生年代でガンバ大阪のジュニアに所属。仙頭の名が知れたのは、京都橘高校時代の高校サッカー選手権。3年生の時に準優勝の成績を収め、1つ下の小屋松知哉と共に大会得点王に輝いた。今シーズンから横浜FMでプレー。 ◆FW藤本憲明(30) ガンバ大阪堺ジュニア→ガンバ大阪堺ジュニアユース→青森山田高校→近畿大学→佐川印刷SC(佐川印刷京都SC/SP京都FC)→鹿児島ユナイテッドFC→大分トリニータ→ヴィッセル神戸 “持っている”男としても知られている藤本は、ジュニア、ジュニアユースをガンバ大阪で過ごした。青森山田高校に進学し、近畿大学からJFLの佐川印刷へ。その後、鹿児島ユナイテッドFC、大分トリニータ、ヴィッセル神戸とステップアップを果たした。3つのリーグで3年連続開幕ゴール、新国立競技場初ゴールと“持っている”。 ◆DF奥井諒(29) ガンバ大阪ジュニア→ガンバ大阪ジュニアユース→履正社高校→早稲田大学→ヴィッセル神戸→大宮アルディージャ→清水エスパルス 小中とガンバの下部組織で育ち、履正社高校へ進学。ヴィッセル神戸でプロになると、大宮アルディージャを経て、今シーズンから清水エスパルスでプレー。プロ入り後は右サイドバックとしてアグレッシブな攻撃参加を見せている。 ◆MF本田圭佑(33) ガンバ大阪ジュニアユース→星稜高校→名古屋グランパス→VVVフェンロ→CSKAモスクワ→ミラン→パチューカ→メルボルン・ビクトリー→フィテッセ→ボタフォゴ 日本代表としても3度のワールドカップに出場した本田もガンバの下部組織出身。家長昭博(川崎フロンターレ)と同期で、ポジション、左利きに加え、誕生日まで一緒というエピソードは有名。プロ入りは名古屋グランパスとなり、その後は海外でプレーを続け、ブラジルのボタフォゴ入りが先日決まった。 ◆DF昌子源(27) ガンバ大阪ジュニアユース→米子北高校→鹿島アントラーズ→トゥールーズ→ガンバ大阪 ジュニアユース時代の同期には宇佐美貴史、大森晃太郎(FC東京)らがいる。ケガの影響もあり中学3年時に退団。その後、米子北高校でセターバックとしての能力が開花。柴崎岳(デポルティボ)や土居聖真と共に2014年に鹿島へと入団した。13年ぶりの古巣復帰。 【番外編】 ◆GK東口順昭(33) ガンバ大阪ジュニアユース→洛南高校→福井工業大学→新潟経営大学→アルビレックス新潟→ガンバ大阪 日本代表にも選出されているGK東口順昭もガンバの下部組織出身。本田、家長と同期ながら、ユースに昇格せず。高校、大学を経て2009年にアルビレックス新潟でプロ入りした。2014年に満を持して古巣に復帰。以後は正守護神としてゴールを守っている。 2020.02.04 12:35 Tue

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