岡山が土壇場のルカオ弾で勝ち点1をもぎ取る! 首位浮上目指した福岡は手痛いドロー【明治安田J1第12節】

2025.04.25 21:03 Fri
25日、明治安田J1リーグ第12節のアビスパ福岡vsファジアーノ岡山がベスト電器スタジアムで行われた。前節は清水エスパルスに完敗を喫した福岡と、ホームで鹿島アントラーズに敗れた岡山の一戦。共にショックの残る敗戦からのバウンスバックが期待される試合となった。

福岡は清水戦から2名を変更し、田代雅也紺野和也が外れ、上島拓巳秋野央樹が入った。対する岡山は1名を変更。ルカオを下げて、一美和成が起用された。
試合はホームの福岡が7分、左CKからの名古新太郎のクロスをニアサイドで安藤智哉が背面ヘッド。これがそのままゴールに吸い込まれ、福岡が先制する。

福岡は34分、右サイドからのクロスに対して岡山がクリア。これを見木友哉がダイレクトで狙うが、DFにクリアされてしまう。
岡山は積極的に攻めていく中で、なかなかチャンスがないものの迎えた40分、右サイドからのクロスに一美がボックス内で打点の高いヘッド。シュートはゴールに向かうが、わずかに外れていく。

さらに43分にも岡山がチャンス。左サイドからの江坂任のクロスを、ニアサイドで松本昌也がヘッド。ボールはゴールに向かうが、これもわずかに外れる。

福岡の1点リードで迎えた後半、岡山は木村太哉を下げて加藤聖を投入。左WBに加藤が入り、右WBに松本。佐藤龍之介がシャドーに入った。

しかし最初のチャンスは福岡。47分、シャハブ・ザヘディがドリブルで突破。フリーのままボックスに入ったところでシュートも、GKスベンド・ブローダーセンがセーブする。

福岡は左サイドでアクセントとなっていた藤本一輝がふくらはぎを痛めて57分に岩崎悠人と交代。岡山もこのタイミングで一美を下げて、ルカオを投入すると、いきなりビッグチャンス。途中出場したばかりのルカオがドリブル突破。ボックス内右からグラウンダーのクロスを入れるも、シュートまで行けない。

その後もルカオを中心に福岡ゴールに迫っていく岡山。すると62分に押し切る。右CKからのクロスがクリアされるが、クリアボールをアバウトにボックス内に入れると、工藤孝太がヘディングで繋ぎ、最後は松本がジャンピングヒールで蹴り込みネットを揺らす。しかし、その前の段階でオフサイドポジションにいたルカオが抑えており、インパクトを与えているとしてゴールは取り消しとなった。

ルカオが投入されてから、一気に岡山のテンションが上がった中、福岡は持ち前の堅守でしっかりと鍵を掛けていく。

83分には加藤のボックス外からのミドルシュートを岩渕弘人が頭で触るも、ボールはクロスバーに直撃。押し込まれる福岡は83分にカウンターから岩崎がボックス手前でミドルシュート。しかし、これは枠を捉えられない。

このまま福岡が勝利かと思われたが、岡山が粘りを見せる。95分、田部井涼が前に送ると、岩渕がキープしてヒールパス。駆け上がった田部井がクロスを送り、最後はルカオがダイレクトで蹴り込んだ。

土壇場で追いついた岡山。そのまま試合は終了し、1-1のドロー。白熱の試合は守備固めに入った福岡を岡山がこじ開ける形で終わった。

アビスパ福岡 1-1 ファジアーノ岡山
【福岡】
安藤智哉(前7)
【岡山】
ルカオ(後45+5)

1 2

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岡山のJ1昇格の立役者、守護神ブローダーセンが契約更新! J2ベストイレブンにも選出

ファジアーノ岡山は5日、元U-24ドイツ代表GKスベンド・ブローダーセン(27)との契約更新を発表した。 ブローダーセンはザンクト・パウリの育成組織で育ち、ファーストチームへ昇格しながらも、セカンドチームでのプレーが中心に。一方で、年代別のドイツ代表には名を連ね続け、2021年には東京オリンピックメンバーとしても来日。その後、横浜FCへ加入した。 2024シーズンに横浜FCから完全移籍で岡山へ加入すると、明治安田J2リーグで全試合に出場。さらに、J1昇格プレーオフ2試合に出場し、絶対的な守護神としてクラブ悲願のJ1初昇格の立役者に。そして、この活躍が評価された同シーズンのJ2ベストイレブンにも選出された。 2025.01.05 14:20 Sun

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