熾烈なプレーオフ争いのJ3もラスト1試合/六川亨の日本サッカーの歩み

2024.11.19 08:00 Tue
©超ワールドサッカー
Jリーグも今年はJ1が2試合、J3が1試合を残すのみとなった。週末の24日にはJ2昇格プレーオフ争いをしている松本を取材に沼津まで足を延ばそうと思っている。日程が重なっていることもあり、これまでJ3は取材したことがなかった。しかし今シーズンは自宅から大宮が近いということもあって、何度かNACK5スタジアムに足を運びJ3の試合を見る機会があった。
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今シーズン、寺田周平監督が就任した福島は、かつての川崎Fを彷彿させるショートパスによる攻撃的なサッカーで楽しませてくれた。チームを牽引するのは高速ドリブルの森晃太だが、川崎FからレンタルのSB松長根悠仁と攻撃的MF大関友翔は1シーズンで川崎Fに戻ってもおかしくない将来性豊かな逸材だった。J1復帰はダントツの強さを誇った大宮が早々と決めたが、レンタル加入したFW杉本健勇は、その攻撃力はもちろんのこと、前線からの献身的な守備でチームの昇格に貢献した。彼の存在なくして大宮のJ2昇格とJ3優勝は語れない。
そんなJ3リーグで「天国から地獄」に落ちたのが沼津だった。第31節まではプレーオフ圏内の4位にいたものの、下位の八戸と讃岐に連敗して6位に後退。その後は第33節の金沢に1-0、続く長野に1-1と持ち直して勝点51の4位に再浮上した。ところが第35節で9位の北九州にアウェーで1-1と引き分けると、第36節の宮崎にホームで1-2と敗れて勝点(52)を伸ばせずプレーオフ圏外の7位まで後退してしまった。

同じ第36節、福島は金沢を2-1で下して勝点53の6位に浮上。北九州も讃岐を2-1で退けて勝点52、得失点差で8位に食い込んできた。そして迎えた第37節、6位と8位の直接対決となった福島対沼津戦はホームの福島が2-1で競り勝ち勝点56の6位をキープ。敗れた沼津は8位と変わらず、長野と1-1で引き分けた北九州が順位を1つ上げて7位に浮上した。
残るは第38節の1試合だが、24日の沼津対松本戦は、実はかねてから取材を計画していた。それというのも、この試合が昇格プレーオフ進出を賭けた直接対決になると予想していたからだ。ところが松本は第34節からの4連勝で11位から4位に大きくジャンプアップ。昇格プレーオフ進出を1試合残して決めた。松本と同じ勝点57のFC大阪もプレーオフ進出を決めており、残り1つの枠を勝点56の福島と同53の北九州が争っているが、得失点差で福島の優位は動かない。

ただし松本、FC大阪、福島は最終戦の結果次第で3チームの順位が入れ替わる可能性があるため、3位の富山との対戦を避けつつ、プレーオフ準決勝をホームで開催するためにも激しい戦いが予想される。

最終戦の相手はFC大阪が9位の八戸、福島がJFL降格の決まった岩手、そして北九州はブービーでJFL2位の高知との入替戦に臨むYS横浜。これはこれで面白い試合展開になるかもしれない。

いずれにせよ福島は昨シーズン15位、北九州にいたっては最下位ながらJFLで優勝したHonda FCはアマチュアチームのため昇格資格がなく降格を免れたチーム。こうしたチームがいきなりJ2昇格の権利を獲得しようかという活躍を見せるのもJリーグの不思議な魅力かもしれない。

文・六川亨

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富山が劇的に11年ぶりJ2へ! 松本2点リードから碓井聖生の起死回生2ゴール【J2昇格PO】

J2昇格プレーオフ決勝が7日に富山県総合運動公園陸上競技場で行われ、カターレ富山vs松本山雅FCは2-2で終了。年間順位で上位の富山が規定により、11年ぶりのJ2復帰を決めた。 ともにレギュレーションで最終順位の優位性を生かして準決勝を突破し、迎えたこの決勝。ホームの利も生かしてアグレッシブに入った富山は14分、ボックス内から松岡大智が決定的なフィニッシュに持ち込むが、GK大内一生の好守に遭う。 ここまで直線的な仕掛けが多かった松本だが、18分にサイドチェンジから左で攻撃の形を作りにかかると、ボックス中央に差しかかるところで巧みにボールを収めた安永玲央が右足一閃。レギュレーション上、勝利必須の一戦で一歩前に出る。 富山は失点後もボールを握って押し込みにかかるが、次のゴールも松本。26分に左CKのチャンスを掴むと、菊井悠介のキックにゴール前での駆け引きから樋口大輝がヘディング。畳みかけるかのように追加点も奪ってみせ、富山を突き放す。 2点ビハインドの富山は後半も攻め込む時間が多いが、最後のところでなかなか松本を上回れず。途中出場の伊藤拓巳が62分に仕掛ければ、64分にもマテウス・レイリアの持ち運びからカウンターとチャンスを作りにかかるが、フィニッシュに至らない。 69分のマテウス・レイリアが放ったミドルもGK大内の好処理に阻まれ、ゴールが遠い富山だが、79分に左から伊藤が仕掛けからクロスまで持っていくと、ゴール前の碓井聖生がヘッド。引き分けでも勝ち抜けの富山がついに1点差に迫る。 まだ1点リードといえど、勝利しか許されない松本は一気に余裕がなくなるなか、富山の攻勢が強まると、90+3分に吉平翼が右から上げたクロスにまたも碓井。相手GKに競り勝ってのヘディングで再びネットを揺らし、富山が土壇場で追いつく。 劇的展開で引き分けに持ち込んだ富山は年間順位で上位のアドバンテージを生かして、11年ぶりのJ2復帰が決定。松本は2点リードから追いつかれ、4年ぶりのJ2復帰目前で涙した。 カターレ富山 2-2 松本山雅FC 【富山】 碓井聖生(後35、後45+3) 【松本】 安永玲央(前18) 樋口大輝(前26) <span class="paragraph-title">【動画】富山が11年ぶりJ2復帰! 導いたのは大卒ルーキーの劇的ヘッド</span> <span data-other-div="movie"></span> <script>var video_id ="uvKgRXenA70";var video_start = 77;</script><div style="text-align:center;"><div id="player"></div></div><script src="https://web.ultra-soccer.jp/js/youtube_autoplay.js"></script> <blockquote class="twitter-tweet"><p lang="ja" dir="ltr">ドラマが、奇跡が起きた<br> <a href="https://twitter.com/hashtag/%E7%A2%93%E4%BA%95%E8%81%96%E7%94%9F?src=hash&amp;ref_src=twsrc%5Etfw">#碓井聖生</a> 2ゴール!<br>アディショナルタイム...<br>地元・富山出身ストライカーが昇格を手繰り寄せた<a href="https://twitter.com/hashtag/DAZN?src=hash&amp;ref_src=twsrc%5Etfw">#DAZN</a> ライブ配信中<br> <a href="https://twitter.com/hashtag/%EF%BC%AA%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%B0?src=hash&amp;ref_src=twsrc%5Etfw">#Jリーグ</a><a href="https://twitter.com/hashtag/%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%AC%E5%AF%8C%E5%B1%B1?src=hash&amp;ref_src=twsrc%5Etfw">#カターレ富山</a><a href="https://twitter.com/hashtag/%E5%AF%8C%E5%B1%B1%E6%9D%BE%E6%9C%AC?src=hash&amp;ref_src=twsrc%5Etfw">#富山松本</a> <a href="https://t.co/bUywOUQQdO">pic.twitter.com/bUywOUQQdO</a></p>&mdash; DAZN Japan (@DAZN_JPN) <a href="https://twitter.com/DAZN_JPN/status/1865291727973814324?ref_src=twsrc%5Etfw">December 7, 2024</a></blockquote> <script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script> 2024.12.07 16:09 Sat
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J2昇格ならずの松本がDF藤谷壮、MF住田将の退団を発表…「自分の力の無さを痛感しました」

松本山雅は8日、DF藤谷壮(27)、MF住田将(25)との契約満了を発表した。 藤谷はヴィッセル神戸の下部組織出身であり、2015年にトップチームへ昇格。その後はギラヴァンツ北九州を経て2023シーズンから松本に加入すると、今シーズンは明治安田J3リーグ19試合1ゴール、YBCルヴァンカップ2試合出場の成績を残した。 住田は名古屋グランパスのアカデミー出身であり、2022シーズンに東京学芸大学から松本へ加入。3シーズン目となった今季は、J3リーグで12試合出場、ルヴァンカップで2試合1ゴールの成績となった。 松本を去ることが決まった2選手は、クラブを通じてコメントしている。 ◆藤谷壮 「契約満了となり今シーズンでチームを離れることになりました。2年間という短い間でしたが、山雅サポーターみなさんの熱い声援に何度も助けられました。皆さんと一緒にj2に昇格するという夢を叶えられなかった事を悔しく思うと同時に自分の力の無さを痛感しました。最後になりますが、松本山雅FCに関わるすべての方々に感謝したいです。ありがとうございました!」 ◆住田将 「まずは、3年間ありがとうございました。どんな時も背中を押し続けてくれたサポーターの皆様には、心から感謝しています。とても力になりました。この松本山雅FCというクラブでプロサッカー人生をスタートできたことは、自分にとっての大きな財産です」 「個人としてもチームとしてもこの3年間は目標に届かず、悔しい、苦しい時間が長かったです。それでも、目標を達成するために、ピッチ内外で本気で取り組んできました。だからこそ、得られた感情や経験は、人として選手として大きく成長させてくれるものだと信じています」 「自然がたくさんの街、松本で出会った素敵な方々に、本当に感謝しています。必ず這い上がります。今度は僕が皆さんに活力や希望を与えられるように頑張ります!ありがとうございました!また会いましょう!」 2024.12.08 17:40 Sun
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合計11年在籍、J2昇格逃した松本がGK村山智彦と契約満了…今季は出番なし

松本山雅FCは8日、GK村山智彦(37)との契約満了を発表した。 村山は千葉県出身で、ジェフユナイテッド市原の下部組織育ち。市立船橋高校、静岡産業大学と進学し、2010年にJFLのSAGAWA SHIGA FCに加入。2013年に松本に加入した。 松本で3シーズンプレーすると、2016年に湘南ベルマーレに完全移籍。しかし、1年で松本に復帰するとその後も松本でプレーを続けた。 通算11シーズンを松本で過ごした村山は、J1通算37試合、J2通算125試合1得点、J3通算24試合に出場。リーグカップで8試合、天皇杯で14試合に出場したが、今シーズンは公式戦でプレーすることはなかった。 チームは4年ぶりのJ2昇格を目指したが、プレーオフ決勝でカターレ富山と対戦し2-2のドロー。後半アディショナルタイムに追いつかれ、J2復帰は潰えることとなった。 2024.12.08 15:17 Sun
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経験ある選手補強でJ2昇格へ、松本が選手背番号を発表! 新戦力の高橋祥平は「4」、山本康裕は「15」、得点源として期待されるFW浅川隼人は「11」

松本山雅FCは8日、2024シーズンの選手の背番号を発表した。 2023シーズンは霜田正浩監督の下、J2昇格を目指して明治安田生命J3リーグを戦った中、シーズン終盤まで昇格の可能性を残したが9位に終わっていた。 再びJ3を戦う松本。19得点を決め、得点王のFW小松蓮がブラウブリッツ秋田へ移籍するなど選手の入れ替えもある中で、得点ランク2位のFW浅川隼人(←奈良クラブ)を確保。その他、DF高橋祥平(←FC町田ゼルビア)、DF馬渡和彰(←浦和レッズ)、MF山本康裕(←ジュビロ磐田)など、経験ある選手もチームに加えた。 新加入選手では、浅川が「11」、高橋が「4」、馬渡が「7」、山本が「15」を着用。GK大内一生(←横浜FC)が「1」、DF佐相壱明(←SC相模原)が「22」、FW高井和馬(←横浜FC)が「9」、FW安藤翼(←SC相模原)が「14」を着用する。 なお、FWルーカス・ヒアン、MF濱名真央、FW田中想来は移籍を前提とした契約交渉中のため、リストに含まれていない ◆2024シーズン選手背番号 GK 1.大内一生←横浜FC/完全 16.村山智彦 21.ビクトル 35.神田渉馬 DF 2.宮部大己 4.高橋祥平←FC町田ゼルビア/完全 5.常田克人※背番号変更「43」 7.馬渡和彰←浦和レッズ/完全 13.橋内優也 17.山本龍平※背番号変更「41」 22.佐相壱明←SC相模原/完全 27.二ノ宮慈洋←ヴェロスクロノス都農/期限付き移籍満了 28.藤本裕也 40.樋口大輝←専修大学/新加入 44.野々村鷹人 48.藤谷壮 MF 6.山口一真 8.住田将※背番号変更「36」 10.菊井悠介※背番号変更「15」 15.山本康裕←ジュビロ磐田/完全 20.前田陸王←流通経済大学/新加入 23.滝裕太←清水エスパルス/期限付き→完全 30.國分龍司 32.米原秀亮 41.村越凱光※背番号変更「29」 46.安永玲央←水戸ホーリーホック/期限付き→完全 FW 9.高井和馬←横浜FC/完全 11.浅川隼人←奈良クラブ/完全 14.安藤翼←SC相模原/完全 33.新井直登 2024.01.09 08:10 Tue
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「いかなる理由があっても許されない」「大変遺憾」松本と福島が揃って声明、福島サポーターへ震災を揶揄する不適切発言に

福島ユナイテッドFCは5日、サポーターに対する不適切発言について報告した。 福島は今シーズンの明治安田J3リーグで5位フィニッシュ。J2昇格プレーオフに進むと、昇格プレーオフ準決勝で松本山雅FCと対戦した。 アウェイでの試合となった中、結果は1-1のドロー。追いつかれての引き分けとなり、レギュレーションにより敗退となった。 しかし、その試合後のシャトルバス内にて、福島のサポーターに対する不適切発言がSNS上で確認。2011年に発生した東日本大震災による風評被害や差別的発言を受けたと発信があり、大きな話題となっていた。 福島はこの件について声明を発表。事実関係を確認中としている中、声明を発表した。 「12月1日のJ2昇格プレーオフ準決勝 松本山雅FC戦後のシャトルバス内にて、当クラブサポーターに対して不適切な発言があったという投稿がSNS上で確認されました」 「未曾有の大災害の被災地である福島県は日本国内外よりあたたかいサポートを受け、復興へ歩み出し、今も県民のみなさまはそれぞれの場所で戦い続けています。そして私たちは「震災を経験したクラブだからこそできるものは何か」を常に問いながら、活動を続けてまいりました」 「現在、松本山雅FCさまを中心に事実関係を確認中ですが、一般社会同様に不適切な発言や誹謗中傷、差別的言動、暴力や暴言は、いかなる理由があっても許されません」 「当クラブのファン、サポーターのみなさまにおかれましては引き続き「リスペクト」の精神を持った言動を心がけていただきますよう、よろしくお願い申し上げます」 「福島ユナイテッドFCはこれからも風評被害や差別的発言に屈することなく、さらに強くたくましく戦ってまいります。引き続き、熱い後押しをよろしくお願いいたします」 また、松本も声明を発表。松本サポーターによる話だとされている中、事実確認中としながらも、大変遺憾だとした。 「12月1日、サンプロアルウィンにご来場いただきました福島ユナイテッドFCのサポーターに対して、帰宅時のシャトルバス内で、松本山雅FCサポーターによる不適切な発言があったとする、X(旧Twitter)の投稿を弊社にて確認し、以降、弊社宛にも両クラブサポーターより本投稿に関するご報告をいただいております」 「投稿内容の事実関係につきましては調査中ですが、このような事態になっていることは、弊社として大変遺憾でございます」 「甚大な被害をもたらした未曾有の大災害の被災地の方々に対するいわれのない偏見や非難は絶対にあってはならないことで、本件につきましては、Jリーグおよび福島ユナイテッドFC様にもご協力をいただきながら、毅然とした態度で適切に対応して参ります」 「いずれにおきましても、サッカーファミリーの一員として、「リスペクト」の精神で相手の気持ちを考え、思いやりのある言動を今一度心がけていただきますようご協力をお願いいたします」 2024.12.05 20:10 Thu

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