【日本代表プレビュー】首位攻防、ピッチの悪さを乗り越えチーム力を見せて勝利を《カタールW杯アジア2次予選/キルギスvs日本》

2019.11.14 11:55 Thu
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14日、2022年のカタール・ワールドカップ(W杯)アジア2次予選のキルギス代表vs日本代表の一戦が行われる。日本代表はここまで2次予選3試合を戦い、3連勝。さらに、3戦連続クリーンシートを達成しグループ首位に立っている。
2次予選の折り返しとなる今回のキルギス戦。初のキルギスでの試合となる。

◆厳しい環境ニモマケズ
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10月の2試合では、ホームでモンゴル代表相手に6-0と大勝。アウェイでのタジキスタン代表戦は0-3で勝利していた。

初戦のミャンマー代表戦(0-2で勝利)と2試合のアウェイゲームを見ると、やはり環境面の差に苦労。コンディションだけでなく、現地のサポーターの熱量も影響が見て取れる。
ミャンマー戦は、中島翔哉(ポルト)のゴールで先制。南野拓実(ザルツブルク)のゴールで追加点と幸先よく試合をスタートさせたが、そこからは停滞。タジキスタン戦は人工芝というさらに特殊な状況での試合となり、前半は沈黙。後半に南野、そして浅野拓磨(パルチザン・ベオグラード)のゴールでなんとか勝利した形だ。

そして迎えるキルギス戦。1年前に日本で対戦はしているが、この試合が2試合目のマッチアップとなる。しかも、アウェイのキルギスに乗り込むのは初のこと。日本にとっては、タジキスタンに続き未知の領域での試合となる。

◆趣あるスタジアムも緩いピッチ

会場となるドレン・オムルザコフ・スタジアムは、キルギス国内で初めて建設されたスタジアム。1941年に建設され、1963年に改修されている。

前日練習で試合会場のピッチに立った選手たちは、それぞれが状態を口にしたが、やはり良いものとは言えないとのこと。実際に見ても、コーナーフラッグ付近やサイドはボコボコであり、さらに全体的には緩い印象を受けた。

長友佑都(ガラタサライ)も思わず「緩いな〜」と漏らしてしまうほど。環境面は言い訳にできないが、簡単にはいかないことを感じさせる。

また、気温も試合時刻には5度を下回る寒さとなり、パフォーマンスが上がらない可能性もある。いかに集中力を切らさずに、早い時間帯に先手を奪うことができるかが、カギとなりそうだ。

◆現在2位、勝てば日本と勝ち点で並ぶキルギス
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対するキルギス代表は、今回のアジア2次予選でここまで2勝1敗の勝ち点6で2位につけている。ホームではこの日本戦が2試合目。ミャンマー代表を相手に7-0と大勝しており、ホームでの強さを見せている。

ワールドカップの出場はこれまでなく、最高成績もこの2次予選で敗退というもの。しかし、今年1月に行われたアジアカップでは初出場ながらベスト16に進出するなど、力をつけている。

また、2012年には199位だったFIFAランキングも、最新のランキング(2019年10月)では94位に浮上。アベレージでも151位だったチームは、近年力をつけているのは明白だ。

ロシア人指揮官のアレクサンデル・クレスティニン監督は、攻撃的なサッカーを標榜。個のフィジカル面の強さを押し出しながら、臨機応変に戦えるチームに育てた。

グループ最大の敵を迎えることになるため、この試合では守備的に戦うことも予想されるが、一対一の強さなどを鑑みても、日本が苦戦する可能性はあるだろう。

◆メンバーの入れ替えは問題なし
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また、今回の日本代表は19日に行われるベネズエラ代表戦と2チーム編成となっている。さらに、U-22日本代表にMF堂安律(PSV)とMF久保建英(マジョルカ)らが招集されている他、DF冨安健洋(ボローニャ)がケガ、FW大迫勇也(ブレーメン)も回避するなどメンバーが入れ替わっている。

主軸の選手が数名不在となるが、あまり問題ではないだろう。これまでも多くの選手が試されてきた背景もあり、各選手が高い意識を持ってプレーしているのが現代表の特徴だ。これを機にポジションを奪う覚悟を持っている選手もいるため、大きな問題ではない。

ただし、戦い方がオートマティックに行かない可能性もある。それぞれが特徴を生かして、試合中に対応力を見せることができるだけのチーム作りをしてきただけに、ここが真価の見せ所とも言えるだろう。

◆予想フォーメーション[4-2-3-1]
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GK:権田修一
DF:酒井宏樹植田直通吉田麻也、長友佑都
MF:遠藤航柴崎岳
MF:伊東純也、南野拓実、中島翔哉
FW:永井謙佑
監督:森保一

日本の予想スタメンだが、GKは権田修一(ポルティモネンセ)が入ると予想。ここまでの予選3試合フル出場でクリーンシート。キリンチャレンジカップ2019のパラグアイ代表選を含めれば、4戦連続クリーンシート中だ。

ディフェンスラインは右から酒井宏樹(マルセイユ)、植田直通(セルクル・ブルージュ)、吉田麻也(サウサンプトン)、長友と並ぶだろう。吉田は自身のA代表通算100試合目のメモリアルゲームに。また、長友は歴代2位タイとなる122試合目となる。日本代表を支えてきた2人が、この試合でもチームを支えてくれるだろう。

ボランチのコンビだが、柴崎岳(デポルティボ)と遠藤航(シュツットガルト)になると予想する。橋本拳人(FC東京)が別メニューでの調整となっており、コンディショに不安が。トレーニングはできているが、遠藤を優先して使った方が良さそうだ。

2列目だが、右は伊東純也(ヘンク)が起用されるだろう。持ち味であるスピードを生かしてサイドを制圧できるか。攻撃の起点となるだけでなく、ゴールという結果も残したい。

また、左は中島、中央は南野となるだろう。南野は予選3戦連発中。代表としては4戦連発中であり、5戦連発が期待されている。チームの顔になりつつある南野の活躍には注目だ。

1トップの候補は永井謙佑(FC東京)、鈴木武蔵(北海道コンサドーレ札幌)となるが、永井と予想する。ピッチコンディションが悪い中で、アバウトなボールを前線から追い続ける永井の献身性に期待。スピードを生かしてゴールにも期待される。

◆首位を争う戦い
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3連勝中の日本、3勝目を目指すキルギスの一戦。グループ首位を目指す戦いとなるだけに、シビアなゲームとなるだろう。

日本としては、しっかりと自分たちのペースを早く掴むこと。ピッチ状況を読み取り、戦い方の選択をピッチ上で間違いなくできるかがポイントとなる。

タジキスタン戦のように、相手ディフェンスラインの裏を目掛けたロングボールを蹴る可能性もあり、その場合には永井、伊東のスピードが生かされるだろう。

一方で、中盤でのデュエルもカギとなる。フィジカルで上回る可能性が高いキルギスは、前節のタジキスタンに似た部分もあるはず。昨年の経験、そして10月のタジキスタン戦を思い出し、後手を踏まないプレーが求められるだろう。

初めてプレーするキルギスというアウェイの地。多くのキルギスサポーターが集まる中でどのような戦いを見せ、勝利を収めるのか。キルギス代表戦は、14日(木)20時15分にキックオフを迎える。
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日本サッカー協会(JFA)の宮本恒靖会長が、現役引退を発表したフランクフルトの元日本代表MF長谷部誠へメッセージを送った。 17日、長谷部はドイツで緊急記者会見を実施。ドイツ語で行われた会見では、今シーズン限りで22年間の現役生活を終えることを発表した。 藤枝東高校から浦和レッズに加入してプロキャリアをスタートさせた長谷部は、その後ドイツへと渡りヴォルフスブルク、ニュルンベルク、そしてフランクフルトでプレー。ブンデスリーガでは通算383試合に出場し、外国人選手として歴代3位、アジア人選手としては歴代1位の記録を持っている。 今シーズンはベンチ入りを続けながらも出番は減少。ブンデスリーガでの先発はわずか2試合となっており、公式戦13試合の出場に留まっていた。 日本代表としても2010年の南アフリカ・ワールドカップ(W杯)から2018年のロシアW杯まで3大会に出場し、その間キャプテンを務めるなどし、114試合に出場していた。 その長谷部の引退を受け、日本代表でも共にプレーし、かつてキャプテンも務めていた宮本会長がJFAを通じてコメントしている。 「浦和レッズでプレーしていた頃、中盤からドリブルで持ち上がって前線で得点に絡むプレーを数多くしていたことが強く印象に残っています。そこから22年にわたり、プロサッカー選手としてのキャリアを積み重ねていく中で、監督が求める戦術などに応じて、自身のプレースタイルを変えながら昇華させてきた稀有(けう)な選手だと思います」 「ブラジルで行われたワールドカップの前、テレビ番組の収録で日本代表のキャプテンについて話したことを覚えています。実際に体験した同士だからこそ分かり合えるものがあったと感じています」 「今後は指導者としてキャリアを極めていくと聞いていますので、ピッチで培ってきたさまざまな経験を生かしつつドイツでの成功につなげてもらいたいと期待していますし、日本のサッカーの発展にもぜひ貢献して欲しいと思っています。長い間お疲れさまでした」 2024.04.18 12:58 Thu

数的不利のU-23中国戦。圧倒的存在感を見せた23歳の若き守護神・小久保玲央ブライアン【新しい景色へ導く期待の選手/vol.38】

2024年パリ五輪出場権獲得を目指し、16日のU-23中国戦からアジア最終予選を兼ねたAFC・U-23アジアカップ(カタール)に挑んでいるU-23日本代表。「ワールドカップ(W杯)にしても、五輪にしても、アジア予選は一筋縄ではいかない」と言われるが、まさに初戦から予想外の展開となった。 開始早々の8分に右FW山田楓喜(東京V)のピンポイントクロスに松木玖生(FC東京)が鋭く反応。左足を合わせて先制点を叩き込んだところまでは最高のスタートだと思われた。ところが、前半16分に西尾隆矢(C大阪)が左腕で背後にいた相手選手を振り払い、それが顔面を直撃。倒れ込んだプレーがVAR判定の対象になり、一発レッドカードが突きつけられる。守備陣の大黒柱の1人が退場というまさかの事態に、大岩剛監督も選手たちも動揺したに違いない。 そこから木村誠二(鳥栖)が出てくるまでの5分間はセンターバック(CB)経験のある関根大輝(柏)が中に絞り、松木が左サイドバック(SB)に下がり、内野貴史(デュッセルドルフ)が本来の右SBへ移動。これでしのぐ形になった。そして木村がCBに入ってからは関根が右SB、内野が左SBに戻り、松木がボランチに上がるという形で落ち着きを取り戻す。関根、松木、内野という複数ポジションのこなせる人材がいたことは、苦境の日本にとって非常に大きな意味があったと言える。 とはいえ、この先は中国に攻め込まれ、日本は防戦一方の戦いを強いられる。そこで異彩を放ったのが、小久保玲央ブライアン(ベンフィカ)。柏レイソルU-18からトップチームを経由することなく、2019年1月にベンフィカU-23に加入し、5年以上の月日をポルトガルで過ごしている国際経験豊富な守護神が堂々と相手に立ちはだかったのだ。 小久保は前半42分の決定的なヘディングシュートを巧みに防ぐと、前半終了間際のミドルシュートもストップ。後半開始早々にカウンターを浴び、1対1になった最大のピンチでも確実にシュートを阻止し、チーム全体に勇気を与えた。その後も何本かビッグチャンスを止め、完封勝利をお膳立て。もちろんチーム全体の一体感と結束力が大きかったのは間違いないが、小久保という安心感を与えてくれるGKがいたことで、日本は極めて厳しい一戦を1-0で制することができた。 「自分の中でも落ち着いてプレーできたし、チームを助けるプレーがチームとしてもできた。勝利に貢献できてよかった」と本人は試合後のフラッシュインタビューで安堵感をのぞかせたが、落ち着き払った一挙手一投足は目を見張るものがあった。 それこそが、5年超のポルトガル経験の賜物だろう。今のところまだトップチームでの公式戦出場機会には恵まれていないが、ベンフィカU-23、ベンフィカB、トップと着実にステップを踏んでGKとしてのスキルを磨き続けている。異国でゴールマウスを守るというのは、そう簡単なことではない。過去にも川口能活(磐田GKコーチ)、川島永嗣(磐田)、権田修一(清水)といったA代表経験者たちも欧州の門をたたいたが、言葉や文化の壁もあって、周囲からの信頼を勝ち取ることの難しさを痛感してきたという。 そういった作業を10代の頃から続けているというのは特筆すべき点だ。人知れず困難に直面した時もあっただろうし、トップデビューを果たせない焦燥感や悔しさを味わったことも少なくないだろう。それでも先を見据えてコツコツと努力してきたからこそ、こういった大舞台で最高のパフォーマンスを出せる。小久保は自分が積み重ねてきたことが間違っていなかったと確信できたのではないだろうか。 彼がU-23中国戦で異彩を放ったことで、今後の五輪代表守護神、そしてA代表守護神を巡る争いが熾烈になりそうだ。 ご存じの通り、1〜2月のアジアカップ(カタール)では小久保と同じパリ五輪世代の鈴木彩艶(シントトロイデン)が全試合に出場。現時点での正GKという位置づけだが、彼のプレーには一抹の不安も感じられる。今大会に参戦している野澤大志ブランドン(FC東京)もアジアカップメンバーの意地があるはずだし、3人の競争意識は一気に高まるだろう。 そこにアジアカップ参戦組の前川黛也(神戸)、ケガで同大会を欠場した大迫敬介(広島)、昨夏の移籍トラブルで代表から遠ざかっているシュミット・ダニエル(ヘント)らが加わってくる。ここから誰が抜け出すのかというのは非常に興味深いテーマ。まだ代表復帰を諦めていない権田らベテランも含め、今後の展開が気になる。 いずれにしても、小久保にはこの先もしっかりと最後尾から守備陣を引き締めてもらわなければいけない。西尾が最低3試合の出場停止処分を食らう可能性も高まっているだけに、より後ろからの声掛けや指示が重要になる。彼が君臨することで「日本のゴールマウスはそう簡単にこじ開けられない」という印象が強まれば、対戦相手もやりにくくなる。23歳の若き守護神のさらなる活躍を楽しみに待ちたい。 <hr>【文・元川悦子】<br/><div id="cws_ad">長野県松本市生まれ。千葉大学卒業後、夕刊紙記者などを経て、94年からフリーのサッカーライターとなる。Jリーグ、日本代表、海外まで幅広くフォローし、日本代表は特に精力的な取材を行い、アウェイでもほぼ毎試合足を運んでいる。積極的な選手とのコミュニケーションを活かして、選手の生の声を伝える。 <span class="paragraph-title">【動画】小久保玲央ブライアンがビッグセーブ連発で日本のピンチを救う!</span> <span data-other-div="movie"></span> <script>var video_id ="hszXHBrGzek";var video_start = 265;</script><div style="text-align:center;"><div id="player"></div></div><script src="https://web.ultra-soccer.jp/js/youtube_autoplay.js"></script> 2024.04.17 12:50 Wed

「転機は相手が退場した時」数的優位でU23日本代表を苦しめたU23中国代表、指揮官は敗戦も満足感「概ね満足」

U-23中国代表のチョン・ヤオドン監督が、U-23日本代表戦を振り返った。アジアサッカー連盟(AFC)が伝えた。 16日、AFC U23アジアカップのグループB第1節が行われ、中国は日本と対戦した。 2008年の自国開催となった北京五輪以来の出場を目指す中国。8大会連続での出場を目指す日本を前に、開始8分で松木玖生にゴールを決められて失点。しかし、17分に西尾隆矢がヒジ打ちで一発退場となり、数的優位に立つ。 中国は人数の差を活かして徐々に押し込み始め、フィジカルを活かしたプレー、ロングボールを多用。また、セットプレーでも何度か日本ゴールに迫ったが、上手く守られてしまい、1-0のまま敗戦となった。 チョン・ヤオドン監督は、試合後に日本戦を振り返り、力の差があることは認識していたとのこと。ただ、相手が1人少なくなったことで戦い方を変えて攻め込めたとした。 「日本代表が我々よりもはるかに強いことは分かっていた」 「普段はカウンターに頼っているが、前半は相手が選手を1人欠いたことを利用しようとしていた」 「転機となったのは相手の選手が1人退場になった時だ。その後、フォーメーションを少し前に進めるようにし、いくつかチャンスを作ることができた。しかし得点できなかったことは残念だ」 「全体として、この試合は非常に激しく、エキサイティングなものだったと思うし、選手たちには概ね満足している」 <span class="paragraph-title">【動画】松木玖生の圧巻ボレーも一発退場で厳しい試合に…</span> <span data-other-div="movie"></span> <script>var video_id ="hszXHBrGzek";var video_start = 0;</script><div style="text-align:center;"><div id="player"></div></div><script src="https://web.ultra-soccer.jp/js/youtube_autoplay.js"></script> 2024.04.17 11:45 Wed
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